JP5703903B2 - 蓋材 - Google Patents
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Description
1.少なくとも、紙層、第一の接着剤層、樹脂フィルム層、第二の接着剤層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる蓋材であって、該紙層は、基紙の片面または両面にワックスを塗工または含浸させてなる加工紙、または、基紙の原料とワックスとを混合してから抄紙することによりワックスを内添させた加工紙、からなる層であり、該積層体は、アルミニウムよりなる層を有しないことを特徴とする、上記蓋材。
2.前記ワックスが、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、スチレン系モノマーとその他のビニル系モノマーとの共重合体、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、上記1に記載の蓋材。
3.前記ワックスが、加工紙1m2あたり5〜100gの量で塗工または含浸されているか、または内添されることを特徴とする、上記1または2に記載の蓋材。
<1>本発明の蓋材を構成する積層体の層構成
図1は、本発明において用いられる積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明において、該積層体は、図1に示すように、紙層(1)、第一の接着剤層(2)、樹脂フィルム層(3)、第二の接着剤層(4)、シーラント層(5)の5層を基本の層構成とし、ここで該紙層(1)は、基紙の片面または両面にワックスを塗工または含浸させてなる加工紙、または、基紙の原料とワックスとを混合してから抄紙することによりワックスを内添させた加工紙、からなる層である。
また、第一の接着剤層(2)と樹脂フィルム層(3)または樹脂フィルム層(3)と第二の接着剤層(4)との間に、遮光性を担う層、またはポリエチレン樹脂からなる層であって蓋材と容器との密着を補強するクッション層、等を設けてもよい。
本発明の蓋材を構成する紙層は、基紙の片面または両面にワックスを塗工または含浸させてなる加工紙、または、基紙の原料とワックスとを混合してから抄紙することによりワックスを内添させた加工紙、からなる層である。
範囲であり、より好ましくは70〜120g/m2である。米坪量が50g/m2未満では厚みが薄すぎて蓋材の剛性が不足し、良好なデッドホールド性が得られない。一方、米坪量が200g/m2を超える場合は、蓋材の剛性が高くなり過ぎて、開封時の蓋材の好ましい湾曲カール形状の保持が阻害され得る。
本発明において好適に使用されるワックスとしては、例えば日本精蝋(株)製のパラフィンワックス−115等が挙げられる。
本発明の蓋材を構成する積層体において、紙層と樹脂フィルム層とが、第一の接着剤層を介して積層される。この積層は任意の方法により行うことができるが、接着強度を高めるために、好適には、ドライラミネート方法により行われる。
本発明の蓋材を構成する樹脂フィルム層は、蓋材に強度を与えたり、各種のバリア性を付与したりするために積層される樹脂フィルムからなる層である。
樹脂フィルム層の厚さとしては、5〜50μm、より好ましくは6〜20μmである。樹脂フィルム層が厚すぎると、積層体のデッドホールド性が損なわれる。
本発明の蓋材を構成する積層体において、樹脂フィルム層とシーラント層とが、第二の接着剤層を介して積層される。この積層は、樹脂フィルム層の貼合面上に第二の接着剤層としてアンカーコート剤を塗工し、その上に、シーラント層を形成する樹脂を押出コーティングすることにより行われる。あるいは、一方の貼合面上に、第二の接着剤層としてドライラミネート用接着剤を塗工し、その上に、もう一方の貼合面を重ね合せてドライラミネートすることにより行ってもよい。塗工手段としては、サイズプレスロールコーターやグラビアロールコーター等を用いるロールコーティング、スプレーコーティング、刷毛によるコーティング等の任意の手段を用いることができる。
本発明の蓋材を構成する積層体において、シーラント層は、蓋材として使用する際に最内層を形成する層である。
本発明の蓋材は、カップ形状の包装容器、特に食品の包装容器、特にカップラーメンやカップ焼きそば等のインスタント食品、菓子、ゼリー等の内容物を密封するための包装容器の蓋材として好適に使用することができる。また、アルミニウムよりなる層を有しないので、電子レンジを用いて調理する即席食品の包装容器にも適用可能である。
米坪量が52.3g/m2の上質紙(日本製紙(株)製)の両面に、加熱溶融したパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、パラフィンワックス−115)を片面につき塗工量10g/m2で塗工し、冷却して加工紙を製造した。
ワックスの塗工量を片面につき2.5g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で20mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
ワックスの塗工量を片面につき20g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で30mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
米坪量81.4g/m2の上質紙(日本製紙(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で30mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
米坪量が52.3g/m2の上質紙(日本製紙(株)製)のいずれの面にもワックスコーティングをしなかった以外は、実施例1と同様にして、蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体の蓋を半分開封したところ、デッドホールド性は発現せず、開封点(0mm)の位置で、蓋材と容器フランジとが接触し、蓋材が開口部を塞いだ。
2.第一の接着剤層
3.樹脂フィルム層
4.第二の接着剤層
5.シーラント層
Claims (3)
- 少なくとも、紙層、第一の接着剤層、樹脂フィルム層、第二の接着剤層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、カップ形状の包装容器に対して用いられるデッドホールド機能付き蓋材であって、
該紙層は、基紙の片面または両面に20〜100g/m 2 のワックスを塗工または含浸させてなる加工紙、または、基紙の原料とワックスとを混合してから抄紙することにより20〜100g/m 2 のワックスを内添させた加工紙、からなる層であり、これにより、開封時に開封口を塞がないように湾曲形状を保持し、再封時に開封以前の平滑形状に戻ってそれを保持することを可能にするデッドホールド性が上記蓋材に付与され、
該積層体は、アルミニウムよりなる層を有しないことを特徴とする、上記デッドホールド機能付き蓋材。 - 前記ワックスが、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、スチレン系モノマーとその他のビニル系モノマーとの共重合体、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のデッドホールド機能付き蓋材。
- 前記紙層が、厚さ50〜200g/m 2 の基紙の片面または両面に、20〜100g/m 2 のワックスを塗工または含浸させてなる加工紙、または、基紙の原料とワックスとを混合してから抄紙することにより、20〜100g/m 2 のワックスを内添させた厚さ70〜300g/m 2 の加工紙、からなる層であることを特徴とする、請求項1または2に記載の蓋材。
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JP2011077330A JP5703903B2 (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 蓋材 |
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