JP2002036907A - 自動車速制御装置 - Google Patents
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Abstract
およびアンダーシュートを抑制する。 【解決手段】 目標車速Vsprの再設定時には外乱推定
器による推定演算を継続しながらモデルマッチング補償
器を初期化する。これにより、目標車速Vsprの再設定
直後に目標車速Vsprがステップ状に大きく変化して
も、モデルマッチング補償器出力、すなわち目標車速V
sprと実車速Vspとに基づいて演算される目標駆動力y
4が目標車速再設定直後にいったん0にリセットされ、
0から立ち上がる。一方、外乱推定器は目標車速再設定
前から設定後にかけて推定演算を継続しており、走行抵
抗と道路勾配とが含まれる目標車速再設定前の外乱推定
値が初期化されないから、目標車速再設定後も外乱推定
値による目標駆動力y4の補正が継続して行われる。し
たがって、目標車速Vsprの再設定時に車速のオーバー
シュートおよびアンダーシュートが抑制され、目標車速
Vsprがステップ状に大きく変化しても実車速Vspを目
標車速Vsprに速やかに収束させることができる。
Description
御する装置に関する。
の規範モデルに一致させるモデルマッチング補償器を用
いて、目標車速と実車速とにより目標駆動力を演算する
とともに、外乱推定器により目標駆動力と実車速とによ
り走行抵抗や道路勾配などの車両走行にともなう外乱を
推定演算し、この外乱推定値により目標駆動力を補正す
るようにした車両用自動車速制御装置が知られている
(例えば、特開平08−207619号公報参照)。こ
の装置はいわゆる二自由度制御系であり、目標車速に対
する実車速の応答性を補償するモデルマッチング補償器
と、外乱に対するロバスト性を補償する外乱推定器とが
別個に構成されている。
を、フィードフォワード型補償器(位相進み補償器)と
フィードバック型補償器(比例フィードバック補償器)
とに分けて構成する自動車速制御装置も知られている
(例えば、特開2000−071807号公報参照)。
この装置では、フィードバック補償器だけでモデルマッ
チング補償を行うと応答性と安定性の両立が困難な場合
があり、これを改善するために閉ループ系の安定性を悪
化させないフィードフォワード型補償器を併用してい
る。
マッチング補償器を用いた自動車速制御装置では、次の
ような問題がある。
減速する操作を終了したとき、また、アクセラレートス
イッチにより目標車速を上げて増速する操作を終了した
とき、さらに、自動車速制御中に乗員がアクセルペダル
を踏んで手動で加速し、セットスイッチにより目標車速
の再設定操作をしたときには、現在の車速を目標車速に
強制的に再設定するので目標車速がステップ状に大きく
変化することがある。目標車速がステップ状に変化する
と、モデルマッチング補償器出力の目標駆動力が大きく
変化し、そのために車速のオーバーシュートまたはアン
ダーシュートが発生する。特に、上述した後者の自動車
速制御装置では、フィードフォワード補償器(位相進み
補償器)が過度に動作するため、大きな車速オーバーシ
ュートまたはアンダーシュートが発生する。
来の自動車速制御装置の制御結果を示す。コーストスイ
ッチ操作終了時に、そのときの車速が目標車速に再設定
されて目標車速がステップ状に大きく変化し、車速のオ
ーバーシュートが発生している。また、図2は、自動車
速制御中に手動で加速してセットスイッチにより目標車
速を再設定したときの、従来の自動車速制御装置の制御
結果を示す。セットスイッチ操作時に、そのときの車速
が目標車速に再設定されて目標車速がステップ状に大き
く変化し、車速のオーバーシュートが発生している。
のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑制する
ことにある。
制御を示す制御ブロック図6に対応づけて本発明を説明
すると、 (1) 請求項1の発明は、目標車速Vsprに対する実
車速Vspの応答性を規範モデルに一致させるモデルマッ
チング補償器を用いて、目標車速Vsprと実車速Vspと
により目標駆動力y4を演算するとともに、外乱推定器
を用いて目標駆動力y1と実車速Vspとにより走行抵抗
と道路勾配とが含まれる車両走行中の外乱を推定演算
し、この外乱推定値により目標駆動力y4を補正する自
動車速制御装置に適用され、目標車速Vsprの再設定時
には外乱推定器による推定演算を継続しながらモデルマ
ッチング補償器を初期化することにより、上記目的を達
成する。 (2) 請求項2の自動車速制御装置は、目標車速Vsp
rの再設定時には、モデルマッチング補償器へ入力され
る目標車速Vsprと実車速Vspとにそれぞれオフセット
Vsp0を加え、目標車速Vsprと実車速Vspをともに0に
するようにしたものである。
は、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を
用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定され
るものではない。
車速の再設定時には外乱推定器による推定演算を継続し
ながらモデルマッチング補償器を初期化するようにした
ので、目標車速の再設定直後に目標車速がステップ状に
大きく変化しても、モデルマッチング補償器出力、すな
わち目標車速と実車速とに基づいて演算される目標駆動
力が目標車速再設定直後にいったん0にリセットされ、
0から立ち上がる。一方、外乱推定器は目標車速再設定
前から設定後にかけて推定演算を継続しており、走行抵
抗と道路勾配とが含まれる目標車速再設定前の外乱推定
値が初期化されないから、目標車速再設定後も外乱推定
値による目標駆動力の補正が継続して行われる。したが
って、請求項1の発明によれば、目標車速の再設定時に
車速のオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑制
され、目標車速がステップ状に大きく変化しても実車速
を目標車速に速やかに収束させることができる。 (2) 請求項2の発明によれば、目標車速の再設定時
には、モデルマッチング補償器へ入力される目標車速と
実車速とにそれぞれオフセットを加え、目標車速と実車
速をともに0にするようにしたので、モデルマッチング
補償器のフィルターをマイクロコンピューターのソフト
ウエア形態で実現することができる。
制御装置では、コーストスイッチおよびアクセラレート
スイッチによる目標車速の変更操作終了時とセットスイ
ッチによる目標車速の再設定時に、目標車速がステップ
状に変化して車速のオーバーシュートが発生していた。
なお、コーストスイッチおよびアクセラレートスイッチ
による目標車速の変更も目標車速を再設定することにな
るから、以下ではこれらをセットスイッチによる目標車
速の再設定と合わせて単に「目標車速の再設定」と云う
ことにする。
に、コーストスイッチ、アクセラレートスイッチおよび
セットスイッチによる目標車速の再設定時に、モデルマ
ッチング補償器および外乱推定器を初期化して再スター
トすることが考えられる。ところがそうすると、自動車
速制御中に外乱推定器で得られた走行抵抗や道路勾配な
どの外乱推定値も初期化されるので、登降坂中の目標車
速再設定時に目標車速への収束性が悪化してしまう。
終了時にモデルマッチング補償器と外乱推定器を初期化
した場合の車速制御結果を示す。コーストスイッチ操作
終了時に外乱推定器も初期化すると、特に登り坂の道路
勾配が含まれる大きな外乱推定値が初期化されるので、
道路勾配分の目標駆動力が不足することになり、コース
トスイッチ操作終了後に車速のアンダーシュートが発生
する。
による目標車速再設定時にモデルマッチング補償器と外
乱推定器を初期化した場合の車速制御結果を示す。セッ
トスイッチによる目標車速再設定時に外乱推定器も初期
化すると、特に登り坂の道路勾配が含まれる大きな外乱
推定値が初期化されるので、道路勾配分の目標駆動力が
不足することになり、セットスイッチによる目標車速再
設定後に車速のアンダーシュートが発生する。
アクセラレートスイッチおよびセットスイッチによる目
標車速の再設定時に、モデルマッチング補償器だけを初
期化し、外乱推定器を初期化せずにその制御を継続させ
ることにする。以下、図5〜図15により本願発明の一
実施の形態を説明する。
スイッチ1は、車速制御コントローラー10、変速機コ
ントローラー11およびスロットルアクチュエーター1
2aへ電源を供給して自動車速制御装置を作動させる電
源スイッチである。
速に設定して自動車速制御を開始させるための操作スイ
ッチである。アクセラレートスイッチ3は設定されてい
る目標車速を上げるための操作スイッチであり、操作中
は目標車速が連続的に増加し、操作を止めるとそのとき
の車速が目標車速に再設定されて自動車速制御が再開さ
れる。コーストスイッチ4は設定されている目標車速を
下げるための操作スイッチであり、操作中は目標車速が
連続的に減少し、操作を止めるとそのときの車速が目標
車速に再設定されて自動車速制御が再開される。
除するためのスイッチである。ブレーキスイッチ6はブ
レーキペダル(不図示)を踏み込むと作動するスイッチ
であり、ブレーキスイッチ6の作動により自動車速制御
を解除する。
に取り付けられる電磁ピックアップ式センサーであり、
変速機出力軸の回転速度に応じた車速パルス信号を発生
する。この車速パルス信号の所定時間当たりのパルス数
およびパルス周期に基づいて車両の走行速度Vspを検出
することができる。スロットルセンサー8はエンジン1
2のスロットルアクチュエーター12aに取り付けられ
るポテンショメーター型のセンサーであり、スロットル
バルブ開度Twに応じた信号を出力する。クランク角セ
ンサー9はエンジン12に取り付けられ、エンジン回転
速度Neを検出する。
ンピューター10aや駆動回路10bを備え、スイッチ
2〜6の操作状態およびセンサー7〜9により検出され
た車両状態に基づいて、実車速が目標車速に一致するよ
うに制御する。車速制御コントローラー10は、変速機
コントローラー11から「シフト位置情報」を入力し、
変速機コントローラー11へ「車速制御中信号」および
「オーバードライブ(O/D)キャンセル要求信号」を
出力する。車速制御コントローラー10の駆動回路10
bはエンジン12のスロットルアクチュエーター12a
を駆動制御し、スロットルバルブ開度Twを調節する。
変速機コントローラー11は、自動車速制御中は車速制
御コントローラー10からの変速指令にしたがって変速
機13の変速制御を行う。
す制御ブロック図である。この図により、実車速Vspを
目標車速Vsprに一致させるための目標駆動力y4を演
算し、さらに目標駆動力y4を走行抵抗や道路勾配など
の外乱推定値により補正して最終的な目標駆動力(以
下、最終目標駆動力と呼ぶ)y1を演算する方法を説明
する。
ッチング手法と近似ゼロイング手法による車速フィード
バック補償器を用いて行なう。車速フィードバック補償
器に組み込まれる制御対象の車両モデル(数式化モデ
ル)を、最終目標駆動力y1を操作量とし、車速Vspを
制御量としてモデル化することによって、相対的に応答
性の速いエンジンやトルクコンバータの過渡特性、およ
びトルクコンバータの非線形定常特性を省略することが
できる。そして、例えば図7に示すような予め計測され
たエンジン非線形定常特性データマップを用いて、車両
の駆動力が最終目標駆動力y1に一致するようなスロッ
トルバルブ開度指令値Twrを算出し、実際のスロットル
バルブ開度Twをサーボコントロールすることによっ
て、エンジン12の非線形定常特性を線形化することが
できる。
エンジン非線形定常特性であり、破線は変化率を一部補
正してエンジントルクがスロットルバルブ開度に対応す
るように拡張した特性データマップである。なお、図7
はあるエンジン回転速度における特性データマップであ
り、エンジン回転速度ごとにこのような特性データマッ
プが用意され、マイクロコンピューター10aのROM
に記憶される。
を出力とする車両モデルは積分特性となり、車速フィー
ドバック補償器ではこの車両モデルの伝達特性をパルス
伝達関数P(z-1)とおくことができる。
-n(n=1,2,・・)を乗ずるとnサンプリング周期
前の値となる。また、C1(z-1)、C2(z-1)は近
似ゼロイング手法による外乱推定器であり、外乱やモデ
ル化誤差による影響を抑制する。さらに、C3
(z-1)、C4(z-1)はモデルマッチング手法による
補償器であり、車速指令値Vsprを入力とし実車速Vsp
を出力とした場合の制御対象の応答特性を、予め定めた
一次遅れとむだ時間要素を持つ規範モデルR(z-1)の
特性に一致させる。この実施の形態では、C3(z-1)
を比例フィードバック補償器、C4(z-1)を位相進み
補償器(フィードフォワード補償器)とする。
遅れであるむだ時間を考慮する必要がある。最終目標駆
動力y1を入力とし実車速Vspを出力とする制御対象の
パルス伝達関数P(z-1)は、積分要素P1(z-1)と
むだ時間要素P2(z-1)(=z-n)の積で表わすこと
ができる。
msec)、Mは平均車重である。また、nは(むだ時間)
/Tであり、整数値に近似したものである。
ーパスフィルターとすると、C1(z-1)は次式で表わ
される。
表わされる。
/{T・(1−γ・z-1)}
含まない車両モデルの逆系(1/P1)にローパスフィ
ルターC1をかけたものであり、この補償器C2に実車
速Vspを入力することによって実車速Vspに応じた駆動
力、すなわち走行抵抗や道路勾配などの外乱が含まれな
い実車速Vspのみに応じた駆動力を求めることができ
る。
デルR(z-1)を時定数Tbの1次ローパスフィルター
とし、中間規範モデルF(z-1)を時定数Taの1次ロ
ーパスフィルターとすると、モデルマッチング補償器C
3(z-1)およびC4(z-1)は次式で表される。
−β・z -1)} β=exp(−T/Tb)
させるための最終目標駆動力y1の演算を、漸化式によ
り示す。なお、変数y(k-1)は変数y(k)の一サンプリン
グ周期前の値である。
はそれぞれ、目標車速Vsprと実車速Vspをオフセット
するための基準値Vsp0を用いて次式で表される。
より演算される。
(k)/(1−α)−α(1−β)・y7(k-1)/(1−
α), α=exp(−T/Ta),β=exp(−T/Tb) さらに、比例フィードバック補償器C3(z-1)の出
力、すなわち目標駆動力y4(k)は次式により求められ
る。
最終目標駆動力y1(k)を最大駆動力Fmaxと最小駆動力
Fminに制限して駆動力y5(k)を求める。図8に示すよ
うなスロットルバルブ全開時および全閉時のエンジン回
転速度Neに対するエンジントルクTeのデータを用い
て、最大エンジントルクTemaxと最小エンジントルクT
eminを求める。さらに、次式により最大駆動力Fmaxと
最小駆動力Fminを求める。
ア比、Rtはタイヤの有効半径である。そして、最終目
標駆動力y1(k)を、最大駆動力Fmaxと最小駆動力Fmi
nで制限して駆動力y5(k)を求める。
ターであるから、駆動力y2(k)はリミッター処理後の
駆動力y5(k)をローパスフィルター処理した駆動力で
ある。
y2(k-n)は駆動力y2(k)のnサンプリング周期前の値
であり、パワートレインの遅れ(むだ時間)を考慮した
パワートレインの現在の駆動力と見なすことができる。
応じた駆動力、すなわち走行抵抗などの外乱が含まれな
い実車速Vspのみに応じた現在の駆動力である。
Vsp(k)/T−M・(1−γ)・Vsp(k-1)/T, γ=exp(−T/Tc)
ない駆動力y3(k)からパワートレインの駆動力y2(k-
n)を減じた値{y3(k)−y2(k-n)}は、走行抵抗や道
路勾配などの外乱分に相当することになり、これを外乱
推定値とする。
される目標駆動力y4(k)から外乱推定値{y3(k)−y
2(k-n)}を減じて補正し、最終目標駆動力y1(k)を求
める。
ーチャートである。また、図10はアクセラレート処理
ルーチンを示すフローチャート、図11はコースト処理
ルーチンを示すフローチャートである。これらのフロー
チャートにより、一実施の形態の動作を説明する。
ンピューター10aは、所定時間(例えば50msec)ご
とに図9に示す自動車速制御プログラムを実行する。ス
テップ1において、車速センサー7により車速Vspを、
クランク角センサー9によりエンジン回転速度Neを、
スロットルセンサー8によりスロットルバルブ開度Tw
をそれぞれ検出する。ステップ2ではキャンセルスイッ
チ5およびブレーキスイッチ6により自動車速制御を解
除する操作がなされたかどうかを確認し、解除操作がな
された場合はステップ13へ進み、そうでなければステ
ップ3へ進む。自動車速制御の解除操作がなされていな
い場合は、ステップ3でセットスイッチ2により目標車
速の設定と自動車速制御の開始操作がなされたかどうか
を確認する。目標車速の設定と自動車速制御の開始操作
がなされた場合はステップ4へ進み、そうでなければス
テップ7へ進む。
がなされた場合は、ステップ4において、ステップ1で
検出した現在の車速Vspを目標車速Vsprに設定し、続
くステップ5で自動車速制御中フラグをセットする。
償器を初期化する。具体的には、位相進みフィードフォ
ワード補償器C4(z-1)が保持している1サンプリン
グ周期前の入力y7(k-1)と出力y6(k-1)を、ともに初
期値0にリセットする。同時に、位相進み補償器C4
(z-1)の入力である現在の目標車速Vspr(k)と、比例
フィードバック補償器C3(z-1)の入力である現在の
車速Vsp(k)とをオフセットするために、基準値Vsp0に
現在の車速Vsp(k)を設定する。これにより、数式5か
ら明らかなようにy7(k)とy8(k)をともに初期値0に
リセットすることができる。
(z-1)の入力y6とy8が同時に0にリセットされる
ので、比例ゲインKのみから構成されるフィードバック
補償器C3(z-1)の出力y4も0となる。つまり、こ
の実施の形態では、セットスイッチ2による目標車速の
再設定時に外乱推定器による推定演算を継続しながらモ
デルマッチング補償器を初期化する。以上でセットスイ
ッチ2による目標車速の設定または再設定時の自動車速
制御を終了する。
車速制御の設定操作もない場合は、ステップ7で自動車
速制御フラグがセット(ON)されているかどうかを確
認し、セットされている場合はステップ8へ進み、セッ
トされていない場合はステップ14へ進む。自動車速制
御フラグがセットされており、自動車速制御中の場合
は、ステップ8で図10に示すアクセラレート処理ルー
チンを実行し、アクセラレートスイッチ3が操作されて
いる間、目標車速Vsprを増加する。このアクセラレー
ト処理については後述する。続くステップ9では図11
に示すコースト処理ルーチンを実行し、コーストスイッ
チ4が操作されている間、目標車速Vsprを低減する。
このコースト処理ついては後述する。
により実車速Vspを目標車速Vsprに一致させるための
最終目標駆動力y1(k)を演算する。続くステップ11
では最終目標駆動力y1(k)に基づいて次式により目標
エンジントルクTerを演算する。
イナルギア比、Rtはタイヤの有効半径である。
ター10aのROMに記憶されたエンジン非線形定常特
性データマップ(例えば図7参照)を用いて、現在のエ
ンジン回転速度Neと上記目標エンジントルクTerに対
応する目標スロットルバルブ開度Twrを表引き演算す
る。
場合は、ステップ13で自動車速制御中フラグをクリア
し、続くステップ14でモデルマッチング補償器、外乱
推定器などの車速制御に関わるすべての変数を初期値に
リセットする。
ーチンにより、目標車速の増加処理を説明する。ステッ
プ21において、アクセラレートスイッチ3により目標
車速Vsprを増加させる操作(以下、増速操作と呼ぶ)
がなされているかどうかを確認し、増速操作がなされて
いるときはステップ26へ進み、そうでなければステッ
プ22へ進む。
26でアクセラレート制御中フラグをセットし、続くス
テップ27で目標車速Vsprに所定値ΔVを加算して処
理を終了する。したがって、アクセラレートスイッチ3
が操作されているときは、図9に示す自動車速制御プロ
グラムの実行間隔50msecごとに目標車速VsprがΔV
ずつ上がることになる。
プ22でアクセラレート制御中フラグがセットされてい
るかどうかを確認し、セットされているときはステップ
23へ進み、セットされていなければアクセラレート処
理を終了する。
され、かつアクセラレート制御中フラグがセットされて
いるときは、目標車速Vsprの増加操作が終了した直後
である。したがって、ステップ23で、まず目標車速V
sprに図9のステップ1で検出した現在の車速Vspを設
定し、続くステップ24でアクセラレート制御中フラグ
をクリアする。
レートスイッチ操作が終了したときに、目標車速Vspr
に現在の車速Vspを設定した後、ステップ25でモデル
マッチング補償器を初期化する。具体的には、位相進み
フィードフォワード補償器C4(z-1)が保持している
1サンプリング周期前の入力y7(k-1)と出力y6(k-1)
を、ともに初期値0にリセットする。同時に、位相進み
補償器C4(z-1)の入力である現在の目標車速Vspr
(k)と、比例フィードバック補償器C3(z-1)の入力
である現在の車速Vsp(k)とをオフセットするために、
基準値Vsp0に現在の車速Vsp(k)を設定する。これによ
り、数式5から明らかなようにy7(k)とy8(k)をとも
に初期値0にリセットすることができる。
(z-1)の入力y6とy8が同時に0にリセットされる
ので、比例ゲインKのみから構成されるフィードバック
補償器C3(z-1)の出力y4も0となる。つまり、こ
の一実施の形態では、アクセラレートスイッチ3による
目標車速の再設定時に外乱推定器による推定演算を継続
しながらモデルマッチング補償器を初期化する。以上で
アクセラレート処理を終了する。
により、目標車速Vsprの低減処理を説明する。ステッ
プ31において、コーストスイッチ4により目標車速V
sprの低減操作(以下、減速操作と呼ぶ)がなされてい
るかどうかを確認し、減速操作がなされているときはス
テップ36へ進み、そうでなければステップ32へ進
む。
36でコースト制御中フラグをセットし、続くステップ
37で目標車速Vsprから所定値ΔVを減算して処理を
終了する。したがって、コーストスイッチ4が操作され
ているときは、図9に示す自動車速制御プログラムの実
行間隔50msecごとに目標車速VsprがΔVずつ下がる
ことになる。
プ32でコースト制御中フラグがセットされているかど
うかを確認し、セットされているときはステップ33へ
進み、セットされていなければコースト処理を終了す
る。
かつコースト制御中フラグがセットされているときは、
目標車速Vsprの低減操作が終了した直後である。した
がって、ステップ33で、まず目標車速Vsprに図9の
ステップ1で検出した現在の車速Vspを設定し、続くス
テップ34でコースト制御中フラグをクリアする。
スイッチ操作が終了したときに、目標車速Vsprに現在
の車速Vspを設定した後、ステップ35でモデルマッチ
ング補償器を初期化する。具体的には、位相進みフィー
ドフォワード補償器C4(z -1)が保持している1サン
プリング周期前の入力y7(k-1)と出力y6(k-1)を、と
もに初期値0にリセットする。同時に、位相進み補償器
C4(z-1)の入力である現在の目標車速Vspr(k)と、
比例フィードバック補償器C3(z-1)の入力である現
在の車速Vsp(k)とをオフセットするために、基準値Vs
p0に現在の車速Vsp(k)を設定する。これにより、数式
5から明らかなようにy7(k)とy8(k)をともに初期値
0にリセットすることができる。
(z-1)の入力y6とy8が同時に0にリセットされる
ので、比例ゲインKのみから構成されるフィードバック
補償器C3(z-1)の出力y4も0となる。つまり、こ
の一実施の形態では、コーストスイッチ4による目標車
速の再設定時に外乱推定器による推定演算を継続しなが
らモデルマッチング補償器を初期化する。以上でコース
ト処理を終了する。
坦路でのコーストスイッチ操作(減速操作)終了時の自
動車速制御結果を示す図であり、図1に示す従来の装置
の制御結果に対応するものである。目標車速Vsprを低
減するためのコーストスイッチ操作中に、エンジンブレ
ーキ力が飽和して目標車速Vsprと実車速Vspとの差が
拡大した状態で、運転者がコーストスイッチ操作を終了
すると、目標車速Vsprが実車速Vspまで大きくステッ
プ状に変化する。このため、従来の装置では図1に示す
ようにコーストスイッチ操作終了直後に車速のオーバー
シュートが発生する。
ステップ35の処理を行って車速のオーバーシュートを
防止する。つまり、コーストスイッチ4による目標車速
の再設定時に外乱推定器による推定演算を継続しながら
モデルマッチング補償器を初期化するので、スイッチ操
作終了直後に目標車速Vsprが大きくステップ状に変化
しても、モデルマッチング補償器の出力、すなわち目標
駆動力y4が0から立ち上がる。したがって、この一実
施の形態では図1に示すような車速のオーバーシュート
は発生せず、わずかな車速アンダーシュートがあっても
実車速Vspが目標車速Vsprに速やかに収束する。
坦路でのセットスイッチによる目標車速の再設定操作時
の自動車速制御結果を示す図であり、図2に示す従来の
装置の制御結果に対応するものである。自動車速制御中
に運転者が一時的にアクセルペダルを踏んで加速した場
合に、実車速Vspが目標車速Vsprを大きく上まわるこ
とがある。この状態で運転者がセットスイッチ2を操作
して目標車速Vsprの再設定を行うと、目標車速Vsprが
実車速Vspまで大きくステップ状に変化するため、従来
の装置では図2に示すようにセットスイッチ操作直後に
車速のオーバーシュートが発生する。
テップ6の処理を行って車速のオーバーシュートを防止
する。つまり、セットスイッチ2による目標車速の再設
定時に外乱推定器による推定演算を継続しながらモデル
マッチング補償器を初期化するので、スイッチ操作終了
直後に目標車速Vsprが大きくステップ状に変化して
も、モデルマッチング補償器の出力、すなわち目標駆動
力y4が0から立ち上がる。したがって、この一実施の
形態では図2に示すような車速のオーバーシュートは発
生せず、わずかな車速アンダーシュートがあっても実車
速Vspが目標車速Vsprに速やかに収束する。
り坂でのコーストスイッチ操作終了時の自動車速制御結
果を示す図であり、図3に示すコーストスイッチ操作終
了時にモデルマッチング補償器と外乱推定器とをともに
初期化した場合の車速制御結果に対応するものである。
コーストスイッチ操作終了時にモデルマッチング補償器
と外乱推定器とをともに初期化すると、登り坂の道路勾
配が含まれる大きな外乱推定値も初期化されるので、図
3に示すようにコーストスイッチ操作終了後に大きな車
速アンダーシュートが発生する。この一実施の形態によ
れば、コーストスイッチ操作終了時にモデルマッチング
補償器のみを初期化し、外乱推定器は初期化しないの
で、登り坂の道路勾配が含まれる外乱推定値が失われ
ず、図14に示すようにコーストスイッチ操作終了後に
大きな車速アンダーシュートは発生せず、わずかなアン
ダーシュートがあるが実車速Vspが目標車速Vsprに速
やかに収束する。
り坂でのセットスイッチによる目標車速の再設定時の自
動車速制御結果を示す図であり、図4に示すセットスイ
ッチによる目標車速の再設定時にモデルマッチング補償
器と外乱推定器とをともに初期化した場合の車速制御結
果に対応するものである。セットスイッチによる目標車
速の再設定時にモデルマッチング補償器と外乱推定器と
をともに初期化すると、登り坂の道路勾配が含まれる大
きな外乱推定値も初期化されるので、図4に示すように
セットスイッチによる目標車速の再設定時に大きな車速
アンダーシュートが発生する。この一実施の形態によれ
ば、セットスイッチによる目標車速の再設定時にモデル
マッチング補償器のみを初期化し、外乱推定器は初期化
しないので、登り坂の道路勾配が含まれる外乱推定値が
失われず、図15に示すようにセットスイッチによる目
標車速の再設定時に大きな車速アンダーシュートは発生
せず、わずかなアンダーシュートがあるが実車速Vspが
目標車速Vsprに速やかに収束する。
の制御結果については図示と説明を省略するが、上述し
たコーストスイッチ操作終了時と同様に、大きな車速の
オーバーシュート、アンダーシュートが発生せず、実車
速Vspが目標車速Vsprに速やかに収束する。
設定時にモデルマッチング補償器へ入力される目標車速
Vsprと実車速VspにそれぞれオフセットVsp0を加え、
目標車速Vsprと実車速Vspをともに0にするようにし
たので、モデルマッチング補償器のフィルターをマイク
ロコンピューターのソフトウエア形態で実現することが
できる。
ード補償器とフィードバック補償器とを有するモデルマ
ッチング補償器を例に上げて説明したが、フィードバッ
ク補償器のみを有するモデルマッチング補償器を備えた
自動車速制御装置に対しても本発明を適用することがで
き、上述したと同様な効果を得ることができる。
ッチ操作終了時の車速制御結果を示す図である。
セットスイッチ操作時の車速制御結果を示す図である。
デルマッチング補償器と外乱推定器とをともに初期化し
た場合の車速制御結果を示す図である。
再設定時にモデルマッチング補償器と外乱推定器とをと
もに初期化した場合の車速制御結果を示す図である。
ック図である。
図である。
ジン回転速度に対するエンジントルクのデータを示す図
である。
ャートである。
ンを示すフローチャートである。
すフローチャートである。
チ操作終了時の車速制御結果を示す図である。
ットスイッチ操作時の車速制御結果を示す図である。
チ操作終了時の車速制御結果を示す図である。
ットスイッチ操作時の車速制御結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】目標車速に対する実車速の応答性を規範モ
デルに一致させるモデルマッチング補償器を用いて、目
標車速と実車速とにより目標駆動力を演算するととも
に、外乱推定器を用いて目標駆動力と実車速とにより走
行抵抗と道路勾配とが含まれる車両走行中の外乱を推定
演算し、この外乱推定値により目標駆動力を補正する自
動車速制御装置において、 目標車速の再設定時には前記外乱推定器による推定演算
を継続しながら前記モデルマッチング補償器を初期化す
ることを特徴とする自動車速制御装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の自動車速制御装置におい
て、 目標車速の再設定時には、前記モデルマッチング補償器
へ入力される目標車速と実車速とにそれぞれオフセット
を加え、目標車速と実車速をともに0にすることを特徴
とする自動車速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000229139A JP3855612B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 自動車速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000229139A JP3855612B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 自動車速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002036907A true JP2002036907A (ja) | 2002-02-06 |
JP3855612B2 JP3855612B2 (ja) | 2006-12-13 |
Family
ID=18722309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000229139A Expired - Lifetime JP3855612B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 自動車速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3855612B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010229968A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Daihatsu Motor Co Ltd | 制御装置 |
GB2508463A (en) * | 2012-08-16 | 2014-06-04 | Jaguar Land Rover Ltd | Vehicle speed control system that predicts a change in vehicle drag that may result in a speed overshoot/undershoot |
US9815463B2 (en) | 2014-12-08 | 2017-11-14 | Hyundai Motor Company | Apparatus and method for controlling auto cruise speed of vehicle |
-
2000
- 2000-07-28 JP JP2000229139A patent/JP3855612B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010229968A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Daihatsu Motor Co Ltd | 制御装置 |
GB2508463A (en) * | 2012-08-16 | 2014-06-04 | Jaguar Land Rover Ltd | Vehicle speed control system that predicts a change in vehicle drag that may result in a speed overshoot/undershoot |
GB2508463B (en) * | 2012-08-16 | 2015-01-07 | Jaguar Land Rover Ltd | Speed control system and method of operating the same |
US10501076B2 (en) | 2012-08-16 | 2019-12-10 | Jaguar Land Rover Limited | Speed control system and method of operating the same |
US9815463B2 (en) | 2014-12-08 | 2017-11-14 | Hyundai Motor Company | Apparatus and method for controlling auto cruise speed of vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3855612B2 (ja) | 2006-12-13 |
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