JP3591015B2 - 車両用定速走行制御装置 - Google Patents

車両用定速走行制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3591015B2
JP3591015B2 JP30215094A JP30215094A JP3591015B2 JP 3591015 B2 JP3591015 B2 JP 3591015B2 JP 30215094 A JP30215094 A JP 30215094A JP 30215094 A JP30215094 A JP 30215094A JP 3591015 B2 JP3591015 B2 JP 3591015B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle speed
target vehicle
throttle opening
actual vehicle
actual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30215094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0840110A (ja
Inventor
武徳 橋詰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP30215094A priority Critical patent/JP3591015B2/ja
Publication of JPH0840110A publication Critical patent/JPH0840110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3591015B2 publication Critical patent/JP3591015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の実車速を乗員によって設定された目標車速に維持して走行を行う車両用定速走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の車両用定速走行制御装置として、例えば特開昭60−56639号公報に開示されたものが知られている。これは、定速走行用のセットスイッチの操作に伴ってそのときの実車速を目標車速として記憶し、それ以降は実車速が目標車速に追従するようスロットル開度をフィードバック制御する定速走行制御を行う。この定速走行制御装置は、例えば図14,図17に示すように、定速走行制御中にアクセラレートスイッチまたはコーストスイッチが操作されると(時点T1)、その操作の間は目標車速を一定の割合で増減させ、その目標車速の増減に追従するよう実車速を増減させる。実車速が希望する速度に達してアクセラレートスイッチまたはコーストスイッチの操作が解除されると(時点T2)、そのときの実車速が目標車速として記憶され、再度その目標車速に実車速が追従するよう定速走行制御が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような定速走行制御で用いられるフィードバック制御手法としては、実車速が予め設定された規範モデルの応答特性に沿うようにスロットル開度を制御する、いわゆるモデルマッチング手法や、周知のPI制御などがある。これらの手法を用いることにより車速追従性に優れた定速走行制御が行えるが、その反面、アクセラレートスイッチやコーストスイッチを操作した場合に次のような問題が発生する。
【0004】
図21に示すように、例えば高速走行や登坂路走行などの際にアクセラレートスイッチが操作されると(時点T1)、走行抵抗が大きいために実車速が目標車速に追従できず両者の偏差が次第に大きくなることがある。このようなときに実車速が希望する速度に達して運転者がアクセラレートスイッチの操作を解除すると(時点T2)、目標車速がそのときの実車速に設定されるため、目標車速はそのときの偏差ΔVだけ大きく減少することになる。例えばモデルマッチング制御では、目標車速の変化に追従するよう実車速を変化させるので、時点T2における目標車速の減少に追従して実車速も落込む、いわゆるアンダーシュートが発生する。この実車速の落込みは、時点T2での目標車速の減少量ΔVが多いほど大きくなり、場合によっては乗員に不信感を与える。
【0005】
また同様に、図22のように例えば降坂路走行などの際にコーストスイッチが操作された場合は、走行抵抗が小さいために実車速と目標車速との偏差が次第に大きくなり、実車速が希望する速度に達して運転者がコーストスイッチの操作を解除した際に目標車速がΔVだけ大きく増加する。このため、例えばモデルマッチング制御を用いると、目標車速の増加に追従して実車速が上昇する、いわゆるオーバーシュートが発生し、場合によっては乗員に不信感を与える。
【0006】
本発明の目的は、高速走行時や登降坂路走行時の加速操作あるいは減速操作にによる車速のアンダーシュートやオーバーシュートを防止して、実車速を目標車速にスムーズに追従させることが可能な車両用定速走行制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車速のアンダーシュートやオーバーシュートを防止するとともに、加速性能および減速性能の向上を図った車両用定速走行制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
実施例を示す図1に対応づけて本発明を説明すると、請求項1記載の発明は、定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置に適用され、実車速を検出する車速検出手段31と検出された実車速と目標車速とに基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段10,34と、加速操作がなされている間は所定周期ごとに目標車速を一定量だけ増加させ、減速操作がなされている間は所定周期ごとに目標車速を一定量だけ減少させる増減手段11と、加減速操作の解除に伴う実車速のアンダーシュートおよびオーバーシュートを抑制するための基準値を設定し、目標車速が増加されるたびに、増加された目標車速から実車速を差し引いた値が基準値を超えるか否かを判定するとともに、目標車速が減少されるたびに、実車速から減少された目標車速を差し引いた値が基準値を超えるか否かを判定する判定手段11と、目標車速から実車速を差し引いた値が基準値を超えると判定された場合には、実車速に基準値を加えた値を目標車速に設定し、実車速から目標車速を差し引いた値が基準値を超えると判定された場合には、実車速から基準値を差し引いた値を目標車速に設定する目標車速補正手段11とを備えることにより、上記目的は達成される。
請求項2に記載の発明は、定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置に適用され、実車速を検出する車速検出手段31と、検出された実車速および目標車速に基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段10,34と、スロットル開度を実測するスロットル開度計測手段32と、加速操作がなされている間は、実測されたスロットル開度が第1の設定角度以下であれば所定周期ごとに目標車速を一定量だけ増加させ、実測されたスロットル開度が第1の設定角度を上回ると、目標車速と実車速との差の絶対値が加速操作の解除に伴う実車速のアンダーシュートを抑制するための基準値を越えないように目標車速を増加させる目標車速補正手段11とを備えることにより、上記目的を達成する
請求項3に記載の発明は、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を増加させる制御を開始後、実測されたスロットル開度が第1の設定角度よりも小さい第2の設定角度を下回ると、所定周期ごとに目標車速を一定量だけ増加させるものである。
請求項4に記載の発明は、定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置に適用され、実車速を検出する車速検出手段31と、検出された実車速および目標車速に基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段10,34と、スロットル開度を実測するスロットル開度計測手段32と、減速操作がなされている間は、実測されたスロットル開度が第3の設定角度以上であれば所定周期ごとに目標車速を一定量だけ減少させ、実測されたスロットル開度が第3の設定角度を下回ると、目標車速と実車速との差の絶対値が減速操作の解除に伴う実車速のオーバーシュートを抑制するための基準値を越えないように目標車速を減少させる目標車速補正手段11とを備えることにより、上記目的は達成される
請求項5に記載の発明は、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を減少させる制御を開始後、実測されたスロットル開度が第3の設定角度よりも大きい第4の設定角度を上回ると、所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ減少させるものである。
請求項6に記載の発明は、モデルマッチング手法を用いることにより、実車速が予め設定された規範モデルの応答特性に従って目標車速に追従するようスロットル開度をフィードバック制御する制御手段10,34を設けるものである。
請求項7に記載の発明は、PI制御則を用いることにより、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度をフィードバック制御する制御手段10,34を設けるものである。
【0008】
【作用】
請求項1の発明では、目標車速から実車速を差し引いた値が基準値を超える場合には、実車速に基準値を加えた値を目標車速に設定し、実車速から目標車速を差し引いた値が基準値を超えると判定された場合には、実車速から基準値を差し引いた値を目標車速に設定するので、高速走行時や登降坂路走行時に加速操作または減速操作が行われた場合でも、例えば図7,図8に示すように実車速が目標車速から大きく離れることがない。したがって、実車速が希望する速度に達して運転者が加速操作または減速操作を解除した場合の目標車速の増減量ΔVが基準値以下に抑えられ、モデルマッチング手法やPI制御を用いた場合でも実車速のアンダーシュートやオーバーシュートが最小限に抑制される。
請求項2の発明では、加速操作がなされると、実測されたスロットル開度が第1の設定角度以下の間は一定の割合で目標車速を増加し、第1の設定角度を上回ると、実車速と目標車速との偏差が基準値を越えないように目標車速を増加する。これにより、加速操作解除時のアンダーシュートの発生を抑えるとともに、スロットル開度が開ききらないうちに目標車速を補正してしまわないようにし、加速性能の向上を図る
請求項3の発明では、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を増加させる制御が開始された後、実測されたスロットル開度が第1の設定角度よりも小さい第2の設定角度を下回ると、所定周期ごとに目標車速が一定量だけ増加される
請求項4の発明では、減速操作がなされると、実測されたスロットル開度が第3の設定角度以上の間は一定の割合で目標車速を増加し、第3の設定角度を下回ると、実車速と目標車速との偏差が基準値を越えないように目標車速を減少させる。これにより、減速操作解除時のオーバーシュートの発生を抑えるとともに、スロットル開度が閉じきらないうちに目標車速を補正してしまわないようにし、減速性能の向上を図る
請求項5の発明では、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を減少させる制御が開始された後、実測されたスロットル開度が第3の設定角度よりも大きい第4の設定角度を上回ると、所定周期ごとに目標車速が一定量だけ減少される
請求項6の発明では、モデルマッチング手法により、実車速が予め設定された規範モデルの応答特性に従って目標車速に追従するようスロットル開度が制御される。
請求項7の発明では、PI制御則を用いることにより、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度がフィードバック制御される。
【0009】
【実施例】
−第1の実施例−
図1〜図9により本発明の第1の実施例を説明する。
図1は本発明に係る定速走行制御装置の第1の実施例の全体構成を示すブロック図である。符号10で示す定速走行コントロールユニットは、例えばCPU,ROM,RAM,デジタルポート,A/Dポート,各種タイマを内蔵するワンチップマイクロコンピュータ(以下、マイコン)11と、後述する負圧式スロットルアクチュエータ34を駆動制御するスロットルアクチュエータ駆動回路12とを有している。
【0010】
21〜25はいずれも乗員によって操作されるスイッチであり、各スイッチの操作状態が定速走行コントロールユニット10のマイコン11に入力される。21は定速走行制御のメインスイッチ、22は定速走行制御の開始および設定車速のセットを行うためのセットスイッチであり、マイコン11は、メインスイッチ21のオン後にセットスイッチ22がオフからオンされると、そのときの車速で定速走行制御を開始する。23は定速走行制御中に目標車速をアップするためのアクセラレートスイッチ、24は目標車速をダウンするためのコーストスイッチ、25は定速走行制御を解除するためのキャンセルスイッチである。
26は、フットブレーキが操作されるとオンされるブレーキスイッチであり、そのオン・オフ状態もマイコン11に入力される。
【0011】
マイコン11にはまた、リードスイッチを用いた車速センサ31と、ポテンショ型のスロットルセンサ32とが接続されている。車速センサ31は、スピードメータケーブルに接続された永久磁石を有し、この永久磁石が回転することによりリードスイッチの接点が開閉し、実車速に対応した数のパルス信号をマイコン11に入力する。マイコン11は、そのパルスをカウントすることにより実車速を計測する。スロットルセンサ32は、実スロットル開度に対応したアナログ信号をマイコン11に入力し、マイコン11は、そのアナログ信号をA/D変換して実スロットル開度を計測する。
【0012】
33はクランク角センサであり、その出力に基づいてマイコン11がエンジン回転速度を計測する。34は負圧式スロットルアクチュエータであり、周知の如くモータで駆動される負圧発生用バキュームポンプと、大気開放用のソレノイドバルブとを備え、コントロールユニット10から出力されるPWM信号のデューディ比でバキュームポンプとソレノイドバルブとを制御してスロットル弁の開度(以下、スロットル開度)を調節する。このスロットル開度に応じて車速が決定される。
【0013】
次に、図2〜図4のフローチャートに基づいて定速走行コントロールユニット10のマイコン11による第1の実施例の定速走行制御の手順を説明する。このルーチンは、メインスイッチ21のオンに伴って100msごとに周期的に実行されるものである。
ステップS1では、100msの間に車速センサ31から入力されたパルス数のカウント値から100ms間における平均実車速Vspを演算する。また、100msの間にクランク角センサ33から入力されたパルス数のカウント値から100ms間における平均エンジン回転速度Neを演算する。さらに、スロットルセンサ32からのアナログ信号をA/D変換してスロットル開度Tvoを演算する。
【0014】
ステップS2では、キャンセルスイッチ25およびブレーキスイッチ26のオン・オフを判定し、いずれもオフであれば、ステップS3に進む。ステップS3では、セットスイッチ22のオン・オフを判定し、オンであれば定速走行制御の開始が指令された判断してステップS4に進む。ステップS4では、現在の実車速Vspを目標車速Vsprとして記憶する。ステップS5では、定速走行制御中か否かを判定するためのASCD制御中フラグをセットし、その後、リターンする。
【0015】
一方、ステップS3でセットスイッチ22がオフと判定された場合には、ステップS6に進む。ステップS6ではASCD制御中フラグを判定し、セットされていれば定速走行制御中であると判断してステップS7に進む。ステップS7では、アクセラレート制御ルーチンを実行する。
【0016】
アクセラレート制御ルーチンの詳細は図3に示される。
図3において、ステップS21ではアクセラレートスイッチ23のオン・オフを判定し、オンであればアクセラレート制御を行うべくステップS23に進む。ステップS23ではアクセラレート制御中フラグをセットし、ステップS24では、一制御周期前の目標車速Vsprに所定値(例えば、2km/h)を加えて新たな目標車速Vsprとする。ステップS25では、目標車速Vsprと実車速Vspとの差(Vspr−Vsp)が所定値(ここでは、3km/h)を超えるか否かを判定する。Vspr−Vsp≦3km/hの場合にはそのままリターンし、Vspr−Vsp>3km/hの場合にはステップS26に進み、目標車速Vsprを実車速Vsp+3km/hに設定してリターンする。
【0017】
なお、ステップS21でアクセラレートスイッチ23がオフと判定された場合にはステップS22に進み、アクセラレート制御中フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(クリアされていれば)そのままリターンし、セットされていればステップS27で現在の実車速Vspを目標車速Vsprに設定するとともに、ステップS28でアクセラレート制御中フラグをクリアしてリターンする。
この図3の制御によれば、いかなる状況においてアクセラレートスイッチ23を操作し続けても目標車速Vsprが実車速Vsprより3km/hを超えて高くなることはない。
【0018】
その後、図2のステップS8では、コースト制御ルーチンを実行する。このコースト制御ルーチンの詳細は図4に示される。
図4において、ステップS31ではコーストスイッチ24のオン・オフを判定し、オンであればコースト制御を行うべくステップS33に進む。ステップS33ではコースト制御中フラグをセットし、ステップS24では、一制御周期前の目標車速Vsprから所定値(例えば、2km/h)を差し引いて新たな目標車速Vsprとする。ステップS35では、実車速Vspと目標車速Vsprとの差(Vsp−Vspr)が所定値(ここでは、3km/h)を超えるか否かを判定する。Vsp−Vspr≦3km/hの場合にはそのままリターンし、Vsp−Vspr>3km/hの場合にはステップS36に進み、目標車速Vsprを実車速Vsp−3km/hに設定してリターンする。
【0019】
なお、ステップS31でコーストスイッチ24がオフと判定された場合にはステップS32に進み、コースト制御中フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(クリアされていれば)そのままリターンし、セットされていればステップS37で現在の実車速Vspを目標車速Vsprに設定するとともに、ステップS38でコースト制御中フラグをクリアしてリターンする。この図4の制御によれば、いかなる状況においてコーストスイッチ23を操作し続けても目標車速Vsprが実車速Vsprより3km/hを超えて低くなることはない。
【0020】
図2のステップS9では、目標車速Vsprと実車速Vspとに基づいて両者を一致させるための目標駆動力補正値を演算する。ここでは、公知の線形制御手法であるモデルマッチング手法と、近似ゼロイング手法とを用いて目標駆動力補正値Tfbを演算する。制御対象の伝達特性をパルス伝達関数P(z−1)とおくと、補償器の部分は図5のようになる。zは遅延演算子であり、z−1を乗ずると1サンプル前の値となる。C1(z−1),C2(z−1)は、近似ゼロイング手法による補償器であり、外乱やモデル化誤差による影響を抑えるためのものである。C3(z−1)はモデルマッチング手法による補償器であり、制御対象の応答特性を規範モデルH(z−1)の特性に一致させるためのものである。
【0021】
目標加速度を入力、実車速を出力とする部分を制御対象とおくと、制御対象の伝達特性であるパルス伝達関数P(z−1)は、積分要素P1(z−1)と、無駄時間要素P2(z−1)=z−2との積でおくことができる。積分要素P1(z−1)は、
【数1】
P1(z−1)=T・z−1/(1−z−1
ただし、Tはサンプル周期(100ms)
で表される。このとき、C1(z−1),C2(z−1)は次式で演算される。
【0022】
【数2】
C1(z−1)=(1−γ)・z−1/(1−γ・z−1
C2(z−1)=(1−γ)・(1−z−1)/{T・(1−γ・z−1)}
ただし、C2=C1/P1,γ=exp(−T/Tb),Tbは時定数
ここで、制御対象の無駄時間を無視して規範モデルを時定数Taの一次ローパスフィルタとすると、C3は下記の定数となる。
【数3】
C3=K={1−exp(−T/Ta)}/T
【0023】
以上から、ステップS9では、次式により図5に示すy2,y3,y1の演算を行う。ただし、データy(k−1)は、y(k)に対する1サンプル周期前のデータを示している。
【数4】
y2(k)=γ・y2(k−1)+(1−γ)・y1(k−1)
y3(k)=γ・y3(k−1)+(1−γ)/T・Vsp(k)−(1−γ)/T・Vsp(k−1)
y1(k)=K・(Vspr(k)−Vsp(k))−y3(k)+y2(k−2)
y1(k)は目標加速度であり、マイコン11は、y1(k)に基本車重Mを乗じて、
【数5】
For(k)=y1(k)・M
により目標駆動力Forを演算する。
【0024】
ステップS10では、目標エンジントルクTerを次式により演算する。
【数6】
Ter=(For・Rt)/(Gm・Gf)
ただし、Gmはミッションギア比、Gfはファイナルギア比、Rtはタイ
ヤの有効半径
また、予めメモリに記憶された図6に示すようなエンジン非線形特性データマップを用いて、目標エンジントルクTerとエンジン回転速度Neとから目標スロットル開度Tvorを演算する。
【0025】
次いでステップS11では、例えばPID制御などの公知の制御手法を用いて、スロットル開度偏差Δ(目標開度Tvor−実開度Tvo)に基づいて負圧式スロットルアクチュエータ34のバキュームポンプおよび大気開放用ソレノイドバルブへの各出力パルス幅(Tvac,Tvent)を演算する。そして、マイコン11内のパルス出力レジスタにバキュームポンプ出力パルス幅Tvacと、大気解放用ソレノイドバルブ出力パルス幅Tventを書き込む。
【0026】
なお、ステップS6でASCD制御中フラグがオフと判定された場合、およびステップS2でキャンセルスイッチ25またはブレーキスイッチ26がオンされた場合には、定速走行制御を解除すべくステップS12に進む。ステップS12ではASCD制御中フラグを「0」にクリアし、次いでステップS13で目標スロットル開度をリセットしてリターンする。
【0027】
次に、第1の実施例の動作を説明する。
上述した図2〜図3の手順によれば、車両走行中にメインスイッチ21がオンされ、次いでセットスイッチ22がオンされると、そのときの実車速Vspが目標車速Vsprに設定され、定速走行制御が行われる。その際、本実施例ではモデルマッチング制御により、実車速Vspが予め設定された規範モデルの応答特性に沿って目標車速Vsprに追従するようにスロットル開度Tvoが制御される。
【0028】
図7において、定速走行制御中に時点T1でアクセラレートスイッチ23が操作されると(加速操作がなされると)、その操作中は100ms周期ごとに目標車速Vsprが2km/hづつ増加される。目標車速Vsprが増加されるたびに増加された目標車速Vsprから実車速Vspを差し引いた値が3km/h(基準値)を超えるか否かが判定され、超える場合には、目標車速Vsprが実車速Vspに3km/hを加えた値に補正される。そして、上述したモデルマッチング制御により、目標車速Vsprの増加に追従するよう実車速Vspが増加する。
【0029】
この制御によれば、いかなる場合でも目標車速Vsprと実車速Vspとの偏差が3km/hを超えることがない。すなわち、例えば高速走行時や登坂路走行時にアクセラレートスイッチ23を操作すると、従来制御では図7に一点鎖線で示すように目標車速Vsprが実車速Vspから次第に離れてゆくような場合でも、本実施例の制御では破線で示すように目標車速Vsprと実車速Vspとの差がほぼ3km/hの状態を保つように目標車速Vsprが増加する。これによれば、時点T2でアクセラレートスイッチ23の操作が解除されたとき、すなわち目標車速Vsprを実車速Vspに設定する際の目標車速Vsprの落込みΔVを最大でも3km/hに抑えることができるので、上述したモデルマッチング手法を用いた場合でも、時点T2における目標車速Vsprの落込みに起因する実車速Vspのアンダーシュートは発生しない。
【0030】
一方、図8に示すように、定速走行制御中にコーストスイッチ24が操作された場合(減速操作がなされた場合)、その操作中は100ms周期ごとに目標車速Vsprが2km/hづつ減少する。目標車速Vsprが減少するたびに実車速Vspから目標車速Vsprを差し引いた値が3km/h(基準値)を超えるか否かが判定され、超える場合には、目標車速Vsprが実車速Vspから3km/hを差し引いた値に補正される。そして、上述したモデルマッチング制御により、目標車速Vsprの減少に追従するよう実車速Vspが減少する。
【0031】
この制御によれば、いかなる場合でも目標車速Vsprと実車速Vspとの偏差が3km/hを超えることがない。すなわち、例えば降坂路走行時にコーストスイッチ24を操作すると、従来制御では図8に一点鎖線で示すように目標車速Vsprが実車速Vspから次第に離れてゆくような場合でも、本実施例の制御では破線で示すように目標車速Vsprと実車速Vspとの差がほぼ3km/hとなる状態を保つように目標車速Vsprが減少する。これによれば、コーストスイッチ24の操作が解除されたとき、すなわち目標車速Vsprを実車速Vspに設定する際の目標車速Vsprの上昇ΔVを最大でも3km/hに制限することができるので、上述したモデルマッチング手法を用いた場合でも、目標車速Vsprの上昇に起因する実車速Vspのオーバーシュートは発生しない。
【0032】
以上の実施例の構成において、車速センサ31が車速検出手段を、マイコン11が増減手段、判定手段、および、目標車速補正手段を、定速走行コントロールユニット10およびスロットルアクチュエータ34が制御手段をそれぞれ構成する。
【0033】
以上では、モデルマッチング手法を用いて目標スロットル開度Tvorを演算する例を示したが、図9はPI制御を用いて目標スロットル開度Tvorを演算する例を示している。
PI制御の場合、伝達関数は周知の如く、
【数7】
G(s)=Kp(1+1/sTi)
ただし、Kpは比例ゲイン、Tiは積分時間
で表される。この制御則を用いて、目標車速Vsprと実車速Vspとの偏差から目標エンジントルクTeを演算し、上述したと同様のエンジン非線形特性データマップから目標スロットル開度Tvorを求める。
【0034】
あるいは、PI制御を用いて直接目標スロットル開度Tvorを演算してもよい。この場合は、車速フィードバックゲインKp,Kiを用いて次式により目標スロットル開度Tvorが演算される。
【数8】
Tvor=Kp×(Vspr−Vsp)+Ki×Vspi
ただし、Vspi=Vspi(old)+(Vspr−Vsp)
添字oldは、100ms前に演算された値を示しており、したがってVspiは、車速偏差の累積値に相当する。
【0035】
このようなPI制御手法を用いた場合もモデルマッチング制御の場合と同様に、アクセラレートスイッチ23あるいはコーストスイッチ24の操作を解除したときの目標車速Vsprの変化ΔVが大きいと、実車速のアンダーシュートあるいはオーバーシュートが発生するおそれがある。しかし、上記図3,図4に示した制御を行うことにより、アクセラレートスイッチ23あるいはコーストスイッチ24の操作解除時の目標車速変化量ΔVを最大でも3km/hに抑えることができるので、目標車速Vsprの変化に起因する実車速Vspのアンダーシュート,オーバーシュートを防止できる。
【0036】
なお、アクセラレートスイッチ23あるいはコーストスイッチ24の操作による1周期あたりの車速変化量は2km/hに限定されない。また、実車速と目標車速との偏差の上限も3km/hに限定されない。さらに以上では、スロットル開度制御に負圧式スロットルアクチュエータを用いた例を示したが、例えばDCモータを用いたスロットルアクチュエータや、その他の方式のアクチュエータを用いてもよい。
【0037】
−第2の実施例−
第1の実施例では、目標車速Vsprと実車速Vspとの偏差が所定値以内になるように制御しているが、このような制御を行うと、スロットル開度およびエンジントルクを変更できる範囲が狭くなる場合がある。
【0038】
図10は目標車速と実車速との偏差に伴ってスロットル開度とエンジントルクがどのように変化するかを示す図である。図10の破線は従来からの定速走行制御を行った場合を示し、実線は第1の実施例の制御を行った場合を示す。
アクセラレートスイッチ23が操作されてから、そのスイッチの操作に応じてスロットル開度およびエンジントルクが変化するまでにはある程度の時間がかかるため、アクセラレートスイッチ23を操作してもすぐには実車速は変化しない。ところが、第1の実施例は、実車速と目標車速との偏差が小さくなるように車速制御するため、実車速が上がりきらないうちに目標車速を下げることになり、スロットル開度が所定角度以上にならず、かつエンジントルクも最大値よりもかなり小さくなる。このため、エンジンの本来の性能を発揮できないという問題がある。
【0039】
逆に、コーストスイッチ24が操作された場合も、その操作に応じてスロットル開度およびエンジントルクが変化するまでにはある程度の時間がかかるため、第1の実施例の場合は、実車速が下がりきらないうちに目標車速を上げてしまうことになる。このため、スロットル開度は所定角度以下にはならず、かつエンジントルクも所定値以下にはならないため、十分なエンジンブレーキ力が得られないという問題がある。
【0040】
そこで、以下に示す第2の実施例では、目標車速と実車速との偏差を抑えるとともに、加速時にはエンジンの最高出力を得られるようにし、かつ減速時には十分なエンジンブレーキ力が得られるようにしたものである。
第2の実施例は、図2のステップS7,S8の処理を除いて第1の実施例と共通するため、以下ではアクセラレート制御ルーチン(図2のステップS7)とコースト制御ルーチン(図2のステップS8)の処理を中心に説明する。
【0041】
図11は第2の実施例におけるアクセラレート制御ルーチンの詳細を示すフローチャートである。図11において、ステップS101では、アクセラレートスイッチ23のオン・オフを判定し、オンであればアクセラレート制御を行うべくステップS102に進む。ステップS102では、アクセラレート制御中フラグをセットする。ステップS103では、一制御周期前の目標車速Vsprに所定値、例えば、0.2km/hを加えた値を新たな目標車速Vsprとする。
【0042】
ステップS104では、アクセラレートリミッタ許可フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、アクセラレートリミッタ許可フラグとは、第1の実施例と同様の制御、すなわち実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるような制御(以下、アクセラレートリミット制御と呼ぶ)を行っている最中か否かを示すためのフラグであり、このフラグがセットされている場合は、アクセラレートリミット制御を行っている最中であることを示す。
【0043】
ステップS104の判定が否定されるとステップS105に進み、スロットル開度が所定角度、例えば50度を越えたか否かを判定する。なお、スロットル開度は、スロットルセンサ32の出力によって検出する。判定が肯定されるとステップS106に進み、アクセラレートリミッタ許可フラグをセットする。一方、判定が否定されるとリターンする。このように、スロットル開度Tvoが50度以下の場合は、ステップS103で一定の割合で増加させた目標車速Vsprによって車速制御を行う。
ステップS104の判定が肯定されるとステップS107に進み、スロットル開度Tvoが所定角度、例えば20度未満か否かを判定する。判定が肯定されるとステップS108に進み、アクセラレートリミッタ許可フラグをクリアしてリターンする。したがって、この場合も、ステップS103で設定した目標車速Vsprに基づいて車速制御を行う。
【0044】
ステップS107の判定が否定されるとステップS109に進み、目標車速Vsprと実車速Vspとの差が所定値、例えば3km/hを越えるか否かを判定する。判定が肯定されるとステップS110に進み、実車速Vspに3km/hを加えた値を目標車速Vsprとしてリターンする。ステップS109の判定が否定されるとリターンする。このように、ステップS109,S110では、第1の実施例と同様に、実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるように制御する。
ステップS101の判定が否定されるとステップS111に進み、アクセラレート制御中フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければそのままリターンし、セットされていればステップS112に進む。ステップS112では、目標車速Vsprを実車速Vspに設定する。ステップS113では、アクセラレート制御中フラグとアクセラレートリミッタ許可フラグをともにクリアしてリターンする。
【0045】
この図11の処理によれば、スロットル開度が50度を越えるまでは一定の割合で目標車速を増加し、50度を越えると第1の実施例と同様の処理を行うため、目標車速と実車速との偏差を小さくできるとともに、スロットル開度およびエンジントルクを大きくできるため、第1の実施例よりも加速性能が向上する。
【0046】
図12は、第2の実施例におけるコースト制御ルーチンの詳細を示すフローチャートである。図12において、ステップS201では、コーストスイッチ24のオン・オフを判定し、オンであればコースト制御を行うべくステップS202に進み、コースト制御中フラグをセットする。
ステップS203では、一制御周期前の目標車速Vsprから所定値、例えば0.2km/hを差し引いた値を新たな目標車速Vsprとする。ステップS204では、コーストリミッタ許可フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、コーストリミッタ許可フラグとは、第1の実施例と同様の処理、すなわち、実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるような制御(以下、コーストリミット制御と呼ぶ)を行っている最中か否かを示すためのフラグであり、このフラグがセットされている場合は、コーストリミット制御を行っている最中であることを示す。
【0047】
ステップS204の判定が否定されるとステップS205に進み、スロットル開度Tvoが所定角度、例えば1度未満か否かを判定する。判定が肯定されるとステップS206に進み、コーストリミッタ許可フラグをセットしてリターンする。ステップS205の判定が否定された場合もリターンする。このように、スロットル開度Tvoが1度以上の場合は、ステップS203で一定の割合で減少させた目標車速Vsprによって車速制御を行う。
ステップS204の判定が肯定されるとステップS207に進み、スロットル開度Tvoが所定角度、例えば5度より大きいか否かを判定する。判定が肯定されるとステップS208に進み、コーストリミッタ許可フラグをクリアしてリターンする。
【0048】
ステップS207の判定が否定されるとステップS209に進み、実車速Vspと目標車速Vsprとの差分が3km/hより大きいか否かを判定する。判定が否定されるとリターンし、判定が肯定されるとステップS210に進み、実車速Vspから3km/hを引いた値を新たな目標車速Vsprとしてリターンする。このように、ステップS209,S210では、第1の実施例と同様に、実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるように制御する。
ステップS201の判定が否定されるとステップS211に進み、コースト制御中フラグがセットされているか否かを判定する。判定が否定されるとリターンし、判定が肯定されるとステップS212に進む。ステップS212では、現在の実車速Vspを目標車速Vsprとして設定する。ステップS213では、コースト制御中フラグとコーストリミッタ許可フラグをともにクリアしてリターンする。
【0049】
この図12の処理によれば、スロットル開度が1度以上の間は一定の割合で目標車速を小さくし、スロットル開度が1度未満になると第1の実施例と同様の処理を行うため、目標車速と実車速との偏差を小さくできるとともに、スロットル開度およびエンジントルクをより小さくできるため、十分なエンジンブレーキ力が得られ、第1の実施例よりも減速性能が向上する。
【0050】
以上に説明したアクセラレート制御ルーチンおよびコースト制御ルーチンの処理が終了すると図2のステップS9に進み、第1の実施例と同様の演算によって目標駆動力Forを演算する。次に、ステップS10では、予めメモリに格納されている図13に示すようなエンジン非線形特性データマップに基づいて、目標スロットル開度Tvorを演算する。そして、ステップS11では、第1の実施例と同様の演算によって負圧式スロットルアクチュエータ34のバキュームポンプおよび大気開放用ソレノイドバルブへの各出力パルス幅を演算する。
【0051】
次に、第2の実施例の動作を説明する。
定速走行制御中にアクセラレートスイッチ23が操作されると、アクセラレートスイッチ23の操作が解除されるまで一定の割合(例えば0.2km/h)で目標車速を増加する。低速で走行したり平坦路を走行する場合のように走行抵抗が小さい場合には、図14に示すように、実車速は目標車速にほぼ追従するため、アクセラレートスイッチ23の操作を解除した瞬間に、その時点の実車速を新たな目標車速とすることで、運転者の希望する速度に迅速に収束させることができる。
【0052】
一方、高速で走行している場合や登坂路を走行している場合のように走行時の走行抵抗が大きい場合には、スロットル開度が所定開度、例えば50度を越えるまでは目標車速を一定の割合で増加させ、スロットル開度が50度を越えると実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるように目標車速を設定する。その後、スロットル開度が変化しても、スロットル開度が10度以上であれば、同様の制御を行う。一方、スロットル開度が10度未満になると、実車速を一定の割合で増加させる。
【0053】
図15,16は、それぞれ第1および第2の実施例において、アクセラレートスイッチ23がオンのときの目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図である。図示のように、図16に示す第2の実施例によれば、アクセラレートスイッチ23をオンからオフにしたときに実車速がアンダーシュートを起こさなくなるという第1の実施例の効果に加えて、スロットル開度を十分に大きくできるという効果があり、これにより加速性能が向上する。
【0054】
一方、定速走行制御中にコーストスイッチ24が操作されると、コーストスイッチ24の操作が解除されるまで一定の割合(例えば0.2km/h)で目標車速を減少する。走行時にある程度の走行抵抗がある場合は、図17に示すように、実車速は目標車速にほぼ追従するため、コーストスイッチ24の操作を解除した瞬間に、その時点の実車速を新たな目標車速とすることで、運転者の希望する速度に迅速に収束させることができる。
【0055】
一方、走行時の走行抵抗が小さい場合には、スロットル開度が所定開度、例えば例えば1度以上の間は目標車速を一定の割合で減少させ、スロットル開度が例えば1度未満になると実車速と目標車速との偏差が所定値以下になるように目標車速を設定する。その後、スロットル開度が変化しても、スロットル開度が5度以下であれば同様の処理を行う。一方、スロットル開度が5度を越えると、実車速を一定の割合で減少させる。
【0056】
図18,19は、それぞれ第1および第2の実施例において、コーストスイッチ24がオンのときの目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図である。図示のように、図19に示す第2の実施例によれば、コーストスイッチ24の操作を解除したときに実車速がオーバーシュートを起こさなくなるという第2の実施例の効果に加えて、スロットル開度を十分に小さくできるという効果があり、これにより十分なエンジンブレーキ力が得られ、減速性能が向上する。
なお、第2の実施例においても、モデルマッチング手法を用いて目標スロットル開度Tvorを演算する代わりに、第1の実施例と同様に図20に示すようなPI制御を用いて目標スロットル開度Tvorを演算してもよい。
【0057】
以上に説明した第2の実施例において、スロットルセンサ32がスロットル開度計測手段に対応する。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、増加された目標車速から実車速を差し引いた値が基準値を超えると判定された場合には、実車速に基準値を加えた値を目標車速に設定し、実車速から減少された目標車速を差し引いた値が基準値を超える場合には、実車速から基準値を差し引いた値を目標車速に設定するようにしたので、加速操作や減速操作の解除に伴う実車速のアンダーシュートやオーバーシュートを最小限に抑制することができるとともに、加速操作または減速操作時に必要以上に目標車速の増加あるいは減少が抑えられることがなくなり、乗員が不信感を抱くことがなくなる。
請求項2の発明によれば、スロットル開度が第1の設定角度を上回ると、実車速と目標車速との差の絶対値が基準値を越えないようにしたため、加速操作を解除したときに実車速がアンダーシュートを起こさなくなるとともに、スロットル開度およびエンジントルクをより大きくでき、加速性能が向上する
請求項3の発明によれば、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を増加させる制御が開始された後、実測されたスロットル開度が第1の設定角度よりも小さい第2の設定角度を下回ると、所定周期ごとに目標車速を一定量だけ増加させることができる。
請求項4の発明によれば、スロットル開度が第3の設定角度を下回ると、実車速と目標車速との差の絶対値が基準値を越えないようにしたため、減速操作を解除したときに実車速がオーバーシュートを起こさなくなるとともに、スロットル開度およびエンジントルクをより小さくでき、減速性能が向上する
請求項5の発明によれば、目標車速と実車速との差の絶対値が基準値を超えないように目標車速を減少させる制御が開始された後、実測されたスロットル開度が第3の設定角度よりも大きい第4の設定角度を上回ると、所定周期ごとに目標車速を一定量だけ減少させることができる。
請求項6,7の発明では、モデルマッチング手法あるいはPI制御則を用いて定速走行制御を行うようにしたので、高精度の車速応答性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用定速走行制御装置の第1の実施例の全体構成を示すブロック図。
【図2】定速走行制御の手順を示すメインのフローチャート。
【図3】第1の実施例におけるアクセラレート制御ルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図4】第1の実施例におけるコースト制御ルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図5】目標駆動力を求めるためのフィードバック制御手法を説明する図。
【図6】第1の実施例におけるエンジン非線形特性データマップを示す図。
【図7】アクセラレートスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が大きい場合を示す。
【図8】コーストスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が小さい場合を示す。
【図9】第1の実施例においてPI制御則を用いた場合の制御内容を示す図。
【図10】目標車速、実車速、スロットル開度およびエンジントルクの関係を示す図。
【図11】第2の実施例におけるアクセラレート制御ルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図12】第2の実施例におけるコースト制御ルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図13】第2の実施例におけるエンジン非線形特性データマップを示す図。
【図14】アクセラレートスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が小さい場合を示す。
【図15】アクセラレートスイッチ操作時の第1の実施例における目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図。
【図16】アクセラレートスイッチ操作時の第2の実施例における目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図。
【図17】アクセラレートスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が小さい場合を示す。
【図18】コーストスイッチ操作時の第1の実施例における目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図。
【図19】コーストスイッチ操作時の第2の実施例における目標車速、実車速およびスロットル開度の関係を示す図。
【図20】第2の実施例においてPI制御則を用いた場合の制御内容を示す図。
【図21】従来制御におけるアクセラレートスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が大きい場合を示す。
【図22】従来制御におけるコーストスイッチ操作時の実車速に対する目標車速の変化を示す図であり、走行抵抗が小さい場合を示す。
【符号の説明】
10 定速走行コントロールユニット
11 マイコン
12 スロットルアクチュエータ駆動回路
21 メインスイッチ
22 セットスイッチ
25 キャンセルスイッチ
26 ブレーキスイッチ
31 車速センサ
32 スロットルセンサ
33 クランク角センサ
34 負圧式スロットルアクチュエータ

Claims (7)

  1. 定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて前記目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置において、
    実車速を検出する車速検出手段と
    記検出された実車速と前記目標車速とに基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段と
    加速操作がなされている間は所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ増加させ、減速操作がなされている間は所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ減少させる増減手段と、
    前記加減速操作の解除に伴う実車速のアンダーシュートおよびオーバーシュートを抑制するための基準値を設定し、前記増減手段によって目標車速が増加されるたびに、増加された目標車速から実車速を差し引いた値が前記基準値を超えるか否かを判定するとともに、前記増減手段によって目標車速が減少されるたびに、実車速から前記減少された目標車速を差し引いた値が前記基準値を超えるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって、目標車速から実車速を差し引いた値が前記基準値を超えると判定された場合には、実車速に前記基準値を加えた値を目標車速に設定し、実車速から目標車速を差し引いた値が前記基準値を超えると判定された場合には、実車速から前記基準値を差し引いた値を目標車速に設定する目標車速補正手段とを備えることを特徴とする車両用定速走行制御装置。
  2. 定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて前記目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置において、
    実車速を検出する車速検出手段と、
    前記検出された実車速と前記目標車速とに基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段と、
    前記スロットル開度を実測するスロットル開度計測手段と、
    加速操作がなされている間は、前記スロットル開度計測手段によって実測されたスロットル開度が第1の設定角度以下であれば所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ増加させ、前記実測されたスロットル開度が前記第1の設定角度を上回ると、前記目標車速と実車速との差の絶対値が前記加速操作の解除に伴う実車速のアンダーシュートを抑制するための基準値を越えないように前記目標車速を増加させる目標車速補正手段とを備えることを特徴とする車両用定速走行制御装置。
  3. 前記目標車速補正手段は、前記目標車速と実車速との差の絶対値が前記基準値を超えないように前記目標車速を増加させる制御を開始後、前記スロットル開度計測手段によって実測されたスロットル開度が前記第1の設定角度よりも小さい第2の設定角度を下回ると、所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ増加させることを特徴とする請求項2に記載の車両用定速走行制御装置。
  4. 定速走行開始指令に応答して目標車速を設定した後、所定の加減速操作に応じて前記目標車速を増減し、加減速操作が解除されると、そのときの実車速を目標車速として設定する車両用定速走行制御装置において、
    実車速を検出する車速検出手段と、
    前記検出された実車速と前記目標車速とに基づいて、実車速が目標車速に追従するようスロットル開度を制御する制御手段と、
    前記スロットル開度を実測するスロットル開度計測手段と、
    減速操作がなされている間は、前記スロットル開度計測手段によって実測されたスロットル開度が第3の設定角度以上であれば所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ減少させ、前記実測されたスロットル開度が前記第3の設定角度を下回ると、前記目標車速と実車速との差の絶対値が前記減速操作の解除に伴う実車速のオーバーシュートを抑制するための基準値を越えないように前記目標車速を減少させる目標車速補正手段とを備えること を特徴とする車両用定速走行制御装置。
  5. 前記目標車速補正手段は、前記目標車速と実車速との差の絶対値が前記基準値を超えないように前記目標車速を減少させる制御を開始後、前記スロットル開度計測手段によって実測されたスロットル開度が前記第3の設定角度よりも大きい第4の設定角度を上回ると、所定周期ごとに前記目標車速を一定量だけ減少させることを特徴とする請求項4に記載の車両用定速走行制御装置。
  6. 前記制御手段は、モデルマッチング手法を用いることにより、実車速が予め設定された規範モデルの応答特性に従って前記目標車速に追従するよう前記スロットル開度をフィードバック制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用定速走行制御装置。
  7. 前記制御手段は、PI制御則を用いることにより、実車速が前記目標車速に追従するよう前記スロットル開度をフィードバック制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用定速走行制御装置。
JP30215094A 1994-05-24 1994-12-06 車両用定速走行制御装置 Expired - Fee Related JP3591015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30215094A JP3591015B2 (ja) 1994-05-24 1994-12-06 車両用定速走行制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10976394 1994-05-24
JP6-109763 1994-05-24
JP30215094A JP3591015B2 (ja) 1994-05-24 1994-12-06 車両用定速走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0840110A JPH0840110A (ja) 1996-02-13
JP3591015B2 true JP3591015B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=26449475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30215094A Expired - Fee Related JP3591015B2 (ja) 1994-05-24 1994-12-06 車両用定速走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3591015B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4997031B2 (ja) 2007-09-06 2012-08-08 トヨタ自動車株式会社 車両走行制御装置
JP5491901B2 (ja) * 2010-02-23 2014-05-14 富士重工業株式会社 車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0840110A (ja) 1996-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3341554B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3358509B2 (ja) 車両用走行制御装置
US6763295B2 (en) Driving force control apparatus and method for automotive vehicle
JPH07112789B2 (ja) 車両走行制御装置
KR19990028329A (ko) 구동토크조정방법및장치
JP3591015B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JPS63306253A (ja) 車輪加速スリップ制御装置
JPH092100A (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3092444B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3613974B2 (ja) 車速制御装置
JP2004276669A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3277740B2 (ja) 車両用自動速度制御装置
JPH07304349A (ja) 車両用定速走行制御装置
JPH09150646A (ja) 車両用自動速度制御装置
JP3528319B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP3555237B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3528317B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3235435B2 (ja) 車速制御装置
JP3669122B2 (ja) 車速制御装置
JPH08295151A (ja) 車両用定速走行制御装置
JP2004204832A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3438311B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP2005125894A (ja) 車両の速度制御装置
JP2000013921A (ja) 走行制御装置
JP3417220B2 (ja) 車両用自動車速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100903

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100903

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110903

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120903

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120903

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140903

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees