JPH08295151A - 車両用定速走行制御装置 - Google Patents

車両用定速走行制御装置

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Publication number
JPH08295151A
JPH08295151A JP7103860A JP10386095A JPH08295151A JP H08295151 A JPH08295151 A JP H08295151A JP 7103860 A JP7103860 A JP 7103860A JP 10386095 A JP10386095 A JP 10386095A JP H08295151 A JPH08295151 A JP H08295151A
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JP
Japan
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throttle opening
target
vehicle speed
downhill
control
Prior art date
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Pending
Application number
JP7103860A
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English (en)
Inventor
Hideo Nakamura
英夫 中村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スロットル全閉位置付近での車速のハンチン
グを防止する。 【構成】 車速が目標車速に一致するようにスロットル
開度の目標値を演算する第1の目標スロットル開度演算
手段50と、スロットル開度の全閉位置付近において車
速のハンチングを検出したときに所定の勾配の下り坂で
あることを判定する勾配開始判定手段55と、ハンチン
グを抑制可能なスロットル開度の所定の目標値を演算す
る第2の目標スロットル開度演算手段51と、勾配開始
判定手段が所定勾配の下り坂を判定したときに、スロッ
トル駆動手段の制御を前記第2の目標スロットル開度演
算手段51へ切り換える手段54と、車両の走行状態に
応じて勾配終了判定手段52が下り坂の終了を判定した
ときにスロットル駆動手段の制御を第2目標スロットル
開度演算手段51から第1目標スロットル開度演算手段
50へ切り換える制御復帰手段53とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の車速での走行を
維持する車両用定速走行制御装置の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、任意の目標車速を維持するよ
うにエンジン出力を制御する装置が知られており、この
ような装置ではスロットルを駆動するアクチュエータを
設けて、目標車速に実車速が一致するように目標スロッ
トル開度を演算し、この目標スロットル開度と実スロッ
トル開度が一致するようにアクチュエータを駆動するも
のである。
【0003】一般に燃料噴射装置を備えた車両用エンジ
ンでは、スロットルが全閉位置、かつエンジン回転数が
所定値以上の場合にフュエルカットを行うが、フュエル
カットの実行中と通常の燃料噴射制御中では、エンジン
の駆動トルクに比較的大きな差が生じてしまう。
【0004】したがって、スロットル全閉付近で駆動力
と走行抵抗がつりあうような走行状況、例えば、下り坂
などにおいて定速走行制御を行う場合、目標車速に実車
速を一致させるべく強いフィードバック制御を実施する
と、図9に示すように、地点Aでは道路勾配が平坦から
下り坂へ移行し、地点Cより下り坂から上り坂に転じた
後、地点Dから再び平坦になるような道路勾配では、地
点Aから地点Cの間では走行抵抗が、フュエルカット作
動中の駆動力と非作動中の駆動力の段差の間に相当して
しまい、目標車速を維持するためにスロットル全閉付近
でスロットル開度がハンチングを起こし、実車速も目標
車速を境にしてハンチングを起こす。
【0005】勾配変化等の外乱の影響を低減するために
高い車速フィードバック制御ゲインに設定されている
と、スロットル全閉付近ではフュエルカットと燃料噴射
制御を繰り返して車速のハンチング周期が短くなって運
転性が低下する場合がある。
【0006】このようなハンチングを低減する定速走行
制御装置として、例えば、特開昭64−12933号公
報または特開平2−163834号公報が知られてい
る。
【0007】前者は、スロットル開度が全閉付近となっ
たら、車速フィードバック制御のゲインを小さい値に切
り換えて定速走行制御を行い、その後、目標車速と実車
速の偏差が大きくなったら元のゲインへ復帰させるもの
で、また、後者は、エンジンのフュエルカットを検知す
ると、車速フィードバック制御のゲインを下げるもの
で、上記したような下り坂における定速走行制御中のフ
ュエルカットに起因するハンチングを低減するものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の従来例では、目標車速と実車速の偏差が所定値以上
となったら通常のフィードバック制御ゲインに戻すが、
低ゲインで下り坂を定速走行制御している間では、一般
に車速ハンチングの周期は長くなるが、ハンチングの振
幅は大きくなるので、前記所定値をあまり大きく設定で
きず、このため、下り坂から上り坂へ転じたときに車速
の偏差が過大になるという問題があり、また、上記後者
の従来例では、フュエルカットの作動/非作動の基準と
なるスロット開度が所定値を越えたら通常ゲインに戻す
が、低ゲインで下り坂を定速走行制御している間では、
一般に道路勾配等の走行抵抗の変化に対するスロットの
応答性が緩慢になっているので、スロット開度が所定値
(下り坂の終了を示す開度)に達したときには、既に車
速の落ち込み(偏差)が過大となってしまう場合があ
り、上記両者共に、ハンチングを低減すべく車速フィー
ドバック制御ゲインを小さい値に切り換えるので、その
間の実車速は、逆に道路勾配等の走行抵抗の変化による
影響を受け易くなってしまい、道路勾配が下り坂から上
り坂に転じたときに大幅な車速偏差を生じる場合があ
り、円滑な定速走行制御が達成できないという問題があ
った。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、スロットル開度が全閉位置付近での車速の
ハンチングを防ぎながらも、走行抵抗の変化にかかわら
ず目標車速を維持可能な車両用定速走行制御装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図10に
示すように、車速が目標車速に一致するようにスロット
ル開度の目標値をフィードバック制御により演算する第
1の目標スロットル開度演算手段50と、エンジンのス
ロットル開度を検出する実スロットル開度検出手段56
と、前記検出したスロットル開度が目標スロットル開度
に一致するようにスロットルを駆動するスロットル駆動
手段57と、前記スロットル開度の全閉位置付近におい
て車速またはスロットル開度のハンチングを検出したと
きに所定の勾配の下り坂であることを判定する勾配開始
判定手段55と、スロットル開度の全閉位置付近におい
てハンチングを抑制すべくスロットル開度の目標値を演
算する第2の目標スロットル開度演算手段51と、前記
勾配開始判定手段の判定結果が所定勾配の下り坂となっ
たときに、スロットル駆動手段の制御を前記第2の目標
スロットル開度演算手段51へ切り換える制御切換手段
54と、車両の走行状態に基づいて前記所定の勾配の下
り坂が終了したことを判定する勾配終了判定手段52
と、前記勾配終了判定手段が前記下り坂の終了を判定し
たときに前記スロットル駆動手段の制御を第2目標スロ
ットル開度演算手段51から前記第1目標スロットル開
度演算手段50へ切り換える制御復帰手段53とを備え
る。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2目標スロットル開度演算手段が、フィー
ドバック制御のゲインを前記第1目標スロットル開度演
算手段に比して小なる所定の値に設定される。
【0012】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2目標スロットル開度演算手段が、検出し
た車速と目標車速の偏差に応じて目標スロットル開度を
全閉位置または所定の微小開度のいずれか一方に切り換
える。
【0013】また、第4の発明は、図11において、車
速が目標車速に一致するように自動変速機のギヤ位置を
変更する変速制御手段60と、エンジンのスロットル開
度を検出する実スロットル開度検出手段56と、前記ス
ロットル開度の全閉位置付近において車速またはスロッ
トル開度のハンチングを検出したときに所定の勾配の下
り坂であることを判定する勾配開始判定手段55と、前
記勾配開始判定手段の判定結果が所定勾配の下り坂とな
ったときに、前記変速制御手段60へシフトダウンを指
令するシフトダウン指令手段58と、車両の走行状態に
基づいて前記所定の勾配の下り坂が終了したことを判定
する勾配終了判定手段52と、前記勾配終了判定手段5
2が前記下り坂の終了を判定したときに前記変速制御手
段60へシフトアップを指令するシフトアップ指令手段
59とを備える。
【0014】また、第5の発明は、前記第1ないし第4
の発明のいずれかひとつにおいて、前記勾配終了判定手
段が、車両に加わる走行抵抗を推定する走行抵抗推定手
段と、前記勾配開始判定手段が所定の下り坂を判定した
ときの走行抵抗推定値を記憶する走行抵抗記憶手段と、
この走行抵抗記憶手段の記憶値と現在の走行抵抗推定値
とを比較する手段とを備えて、この比較結果が前記記憶
値より現在の走行抵抗推定値が所定値以上に増大したと
きに前記所定の下り坂の終了を判定する。
【0015】また、第6の発明は、前記第1ないし第4
の発明のいずれかひとつにおいて、前記勾配終了判定手
段が、検出した車速と目標車速の偏差が所定値以上とな
ったときに前記所定の下り坂の終了を判定する。
【0016】
【作用】したがって、第1の発明は、車速が目標車速に
一致するような目標スロットル開度が第1目標スロット
ル開度演算手段のフィードバック制御によって演算さ
れ、この目標スロットル開度に実スロットル開度が一致
するようにスロットルが駆動される。
【0017】ここで、スロットルが全閉位置付近となっ
てスロットル開度または車速のハンチングが発生する
と、所定の勾配の下り坂を走行中であると判定してスロ
ットル駆動手段の制御を第1目標スロットル開度演算手
段のフィードバック制御からハンチングが抑制可能な目
標車速を演算する第2目標スロットル開度演算手段へ切
り換えて、スロットル全閉位置付近におけるフュエルカ
ットの断続等による車速のハンチングを抑制することが
でき、さらに道路勾配が下り坂から上り坂へ転ずると、
スロットル駆動手段の制御は第2目標スロットル演算手
段から第1目標スロットル開度演算手段に再び復帰し
て、上り坂に応じたスロットル開度で目標車速を維持す
ることが可能となる。
【0018】また、第2の発明は、前記第2目標スロッ
トル開度演算手段が、フィードバック制御のゲインを前
記第1目標スロットル開度演算手段に比して小なる所定
の値に設定することで、フィードバック制御の閉ループ
ゲインを低下させて、スロットル開度が全閉位置付近と
なる下り坂における車速のハンチングを抑制し、円滑な
定速走行制御を行うことができる。
【0019】また、第3の発明は、前記第2目標スロッ
トル開度演算手段が、検出した車速と目標車速の偏差に
応じて目標スロットル開度を全閉位置または所定の微小
開度のいずれか一方に切り換えることで、緩慢な車速制
御とすることでスロットル開度が全閉位置付近となる下
り坂における車速のハンチングを抑制し、円滑な定速走
行制御を行うことができる。
【0020】また、第4の発明は、所定の勾配の下り坂
であることを判定すると自動変速機をシフトダウンさせ
るため、シフトダウンによってギヤ比を高くすることに
よって走行抵抗に見合う駆動力を出力するために必要な
エンジンブレーキ力が低下する一方、エンジンの回転数
も増大してスロットルが全閉位置付近からある程度開い
た状態となるため、全閉位置付近におけるフュエルカッ
トの断続を回避して車速のハンチングを抑制できる一
方、道路勾配が下り坂から上り坂へ転ずると、再びシフ
トアップして通常の定速走行制御によって目標車速を維
持することができる。
【0021】また、第5の発明は、所定の下り坂が開始
されたときの走行抵抗の推定値と現在の走行抵抗推定値
とを比較して、現在の走行抵抗推定値が所定値以上に増
大したときに前記所定の下り坂の終了を判定するため、
フィードバック制御ゲインを車速のハンチングを抑制す
る小さな値に設定しながらも、走行抵抗の変化に確実か
つ迅速に追従することができ、下り坂から上り坂へ転ず
る場合などでの車速の過大な低下を抑制して円滑な定速
走行制御を行うことができる。
【0022】また、第6の発明は、検出した車速と目標
車速の偏差が所定値以上となったときに前記所定の下り
坂の終了を判定するため、下り坂から上り坂へ転ずる場
合などでの車速の過大な低下を抑制して円滑な定速走行
制御を行うことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0024】図1に示すように、1は定速走行用コント
ロールユニットであり、CPU、ROM、RAM、各種
インターフェース及び各種タイマを備えたマイクロコン
ピュータ10とスロットルアクチュエータ駆動回路11
を主体にして構成される。
【0025】2〜7は運転者によって操作されるスイッ
チ群であり、これらスイッチの操作に王位じてコントロ
ールユニット1は定速走行制御の開始または解除を判断
する。
【0026】2は定速走行のメインスイッチであり、セ
ットスイッチ3は定速走行制御の開始及び車速の設定を
行うもので、ACCスイッチ4及びCOASTスイッチ
5は、それぞれ、目標車速の増大及び減少を指令し、キ
ャンセルスイッチ6及びブレーキスイッチ7は、定速走
行制御を解除するものである。
【0027】コントロールユニット1には車両の運転状
態を検出する各種センサが接続され、車速センサ8は、
実車速に対応したパルス信号を送出し、コントロールユ
ニット1はこのパルスをカウントすることで実車速を演
算する。
【0028】スロットルセンサ9は、ポテンショメータ
等で構成されて、実スロットル開度に対応した信号を送
出し、コントロールユニット1ではこのスロットル開度
に基づいてスロットルアクチュエータ30の駆動制御や
後述する走行抵抗の推定演算などに用いられる。また、
クランク角センサ13はエンジンの回転数Neを送出す
る。
【0029】エンジンの吸気通路には吸入空気量を制御
するスロットルが介装され、このスロットルはコントロ
ールユニット1の指令に応動する大気を作動流体とする
負圧式スロットルアクチュエータ30によって駆動され
るもので、この負圧式スロットルアクチュエータ30に
は図2に示すバキュームポンプ31及び大気開放バルブ
32を備えて、バキュームポンプ31が発生する負圧に
応じて負圧式スロットルアクチュエータ30を伸縮駆動
してアクセルワイアを駆動することで、スロットルの開
度を制御するものである。
【0030】そしてこのスロットルには、ポテンショメ
ータ等で構成されたスロットルセンサ9が設けられ、実
スロットル開度に対応した信号をコントロールユニット
1へ送出し、コントロールユニット1ではこのスロット
ル開度に基づいて負圧式スロットルアクチュエータ30
の駆動制御を行うのに加えて、後述する走行抵抗の推定
演算などを行う。また、エンジンに配設されたクランク
角センサ13はエンジンの回転数Neを送出する。
【0031】コントロールユニット1には自動変速装置
を制御する自動変速機コントロールユニット20が信号
線41〜43を介して接続される。
【0032】自動変速機コントロールユニット20は、
信号線41を介して定速走行制御中のシフト位置(3速
またはOD)を定速走行用コントロールユニット1へ送
り、一方、定速走行用コントロールユニット1は信号線
42を介して定速走行制御信号を送るとともに、信号線
43を介して定速走行時のODキャンセル要求信号を自
動変速機コントロールユニット20へ送出する。なお、
信号線41〜43によるコントロールユニット1、20
間の通信はパラレル型で構成した場合を示す。
【0033】図3〜図4は、コントロールユニット1で
行われる制御の一例を示すフローチャートで、タイマ割
り込み等によって所定時間毎、例えば、100msecごと
に実行されるものであり、以下、これらフローチャート
を参照しながら詳述する。
【0034】まず、ステップS1では、車速センサ8、
スロットルセンサ9及びクランク角センサ13の信号を
読み込んで、所定時間(100msec)の間にカウントさ
れた各信号に基づいて、平均実車速Vsp、実スロット
ル開度Tvo、エンジン回転数Neの演算を行う。
【0035】ステップS2では、キャンセルスイッチ6
及びブレーキスイッチ7の一方がオンであるかを判定し
て、定速走行制御の継続または解除を決定し、解除の場
合にはステップS8以降の処理へ進む一方、継続の場合
にはステップS3へ進む。
【0036】ステップS3はセットスイッチ3がオンで
あるか否かを判定して、オンの場合には目標車速Vsp
rを設定するため、ステップS4へ進む一方、そうでな
い場合にはステップS7に進む。
【0037】ステップS4では、現在の実車速Vspを
目標車速Vsprとして記憶し、ステップS5で定速走
行制御フラグを1にセットしてから、フェイルセイフ用
電源遮断回路12を通電状態に設定する。
【0038】ステップS3でセットスイッチ3がオフの
場合には、ステップS7以降の処理が行われ、前回のま
でに設定された目標車速Vsprに基づく定速走行制御
が行われる。
【0039】ステップS7では定速走行制御フラグが1
であるかをチェックしてからステップS10へ進み、定
速走行制御フラグが1でない場合にはステップS8以降
の定速走行制御の解除処理へ進み、ステップS8で各種
フラグ、変数のリセットを行ってからフェイルセイフ用
電源遮断回路12の通電を遮断して終了する。
【0040】ステップS10〜14では、目標車速Vs
prに実車速Vspを一致させるために、図5(a)に
示す補償器を用いて公知の線形制御手法であるモデルマ
ッチング手法及び近似ゼロイング手法を用いて、エンジ
ンの目標駆動力y1を演算する。
【0041】ここで、補償器に組み込まれた制御対象で
ある車両のモデル化について説明しておく。
【0042】目標の駆動力を演算入力し、車速を被制御
量とするため、相対的に応答性の速いエンジンやトルク
コンバータの過渡特性及びトルクコンバータの非線形定
常特性を省略することが可能であり、パワートレインの
挙動は、図6に示す簡易非線形モデルで表すことができ
る。
【0043】そして、例えば、図7に示すように、予め
計測し、記憶されたエンジン非線形補償マップを用いて
目標駆動力に実駆動力が一致するようなスロットル開度
指令値を算出し、スロットル開度をサーボコントロール
することで、エンジン非線形定常特性を線形化する。
【0044】従って、目標の駆動力を演算入力し、車速
を出力とする制御対象のモデル化は、積分特性となる。
そして、補償器ではこのときの伝達特性をパルス伝達関
数P(z-1)でおくことができる。
【0045】図5(a)において、zは遅延演算素子で
あり、z-1を乗ずると、1サンプル周期前の値となる。
また、C1(z-1)、C2(z-1)は、近似ゼロイング
手法による外乱推定器であり、外乱やモデル化誤差によ
る影響を抑制するものである。また、C3(z-1)は、
モデルマッチング手法による補償器で、図5(b)に示
すように、目標車速を入力、実車速を出力としたときの
制御対象の応答特性が予め定めた一次遅れとむだ時間を
持つ規範モデルH(z-1)の特性と一致するように設定
する。
【0046】制御対象の伝達特性は、実際にはパワート
レイン系の遅れであるむだ時間を考慮する必要があり、
本実施例では2サンプル周期(200msec)程度である
ことが分かっている。このため、パルス伝達関数P(z
-1)は次式に示す積分要素P1(z-1)とむだ時間要素
P2(z-1)=z-2の積でおくことができる。
【0047】P1(z-1)=T・z-1/M・(1−
-1) ただし、T;サンプル周期=100msec M;平均車重 このとき、C1(Z-1)、C2(Z-1)は次式となる。
【0048】C1(Z-1)=(1−γ)・z-1/(1−
γ・z-1) (時定数Tbのローパスフィルタ) C2(Z-1)=M・(1−γ)・(1−z-1)/T・
(1−γ・z-1) (C2=C1/P1) ただし、γ=exp(−T/tb) なお、補償器C2は車両モデルの逆形にローパスフィル
タをかけたものであり、実車速Vspに対応する駆動
力、すなわち、図6に示されるように、駆動力から走行
抵抗を引いた値を求めることができる。
【0049】又、制御対象のむだ時間を無視して、規範
モデルH(z-1)を時定数taの1次ローパスフィルタ
とすると、C3は下記の定数となる。
【0050】 C3=K={1−exp(−T/ta)}・M/T 以上の制御手法に基づきステップS10では、モデルマ
ッチング補償器に相当する次の演算を行い、目標駆動力
y4を求める。ただし、データy(k−1)は1サンプ
ル周期前のデータy(k)を示す。
【0051】 y4(k)=K・(Vspr(k)−Vsp(k)) ステップS11では、外乱推定器の一部である補償器C
2(Z-1)に相当する次の演算を行う。
【0052】y3(k)=γ・y3(k−1)+(1−
γ)・M/T・Vsp(k)−(1−γ)・M/T・V
sp(k−1) ステップS12では、目標駆動力y4を次式で補正し
て、最終目標駆動力y1を求める。ただし、y2(k−
2)は後述のステップS14で求められるy(k)の2
サンプル周期前のデータであり、ステップS14での演
算は前記積分要素P1(z-1)に相当し、2サンプル周
期前のデータを用いることが前記むだ時間要素P2(z
-1)に相当する。
【0053】 y1(k)=y4(k)−y3(k)+y2(k−2) そして、y2(k−2)は、補償器内で求めた走行抵抗
の影響を受けない駆動力であるのに対して、y3(k)
は駆動力から走行抵抗を引いた値であることから、y2
(k−2)−y3(k)が走行抵抗推定値Frになる。
【0054】ステップS13では、まず、スロットル全
開及び全閉時のエンジントルク値を各エンジン回転速度
毎に記憶した各テーブルデータを用いて、最大エンジン
トルクTemaxと、最小エンジントルクTeminを
求め、次式によって最大駆動力Fmaxと最小駆動力F
minを求める。
【0055】 Fmax=(Temax・Gm・Gf)/Rt Fmin=(Temin・Gm・Gf)/Rt ただし、Gmミッションギヤ比、Gfはファイナルギヤ
比、Rtはタイヤの有効半径。
【0056】さらに、最終目標駆動力y1(k)を、こ
れらの上限値Fmaxと下限値Fminで制限してy5
(k)を求める。
【0057】ステップS14では、外乱推定器の一部で
ある補償器C1(z-1)に相当する下記演算を行う。
【0058】y2(k)=γ・y2(k−1)+(1−
γ)・y5(k−1) ステップS15では、まず、最終目標駆動力y1(k)
から目標エンジントルクTerを算出する。
【0059】 Ter=(y1・Rt)/(Gm・Gf) さらに、予め設定されたエンジン非線形データマップを
用いて、エンジン回転速度Neと目標エンジントルクT
erから、目標スロットル開度を表引き演算する。この
演算では、図7に示すような、エンジントルクがスロッ
トル開度全域に必ず対応するように拡張されたデータマ
ップを用いる。図中実線部が本来のエンジン特性であ
り、点線部が拡張されたデータである。
【0060】こうして得られた目標スロットル開度に応
じて負圧式スロットルアクチュエータ30のバキューム
ポンプ31及び大気開放用ソレノイドバルブ32のデュ
ーティ比Dvac,Dventを演算してから、ステッ
プS17において、バキュームポンプ31及び大気開放
用ソレノイドバルブ32への図示しない各出力レジスタ
にセットして、負圧式スロットルアクチュエータ30の
駆動を行うのである。
【0061】ステップS18では、車速フィードバック
制御の制御ゲインが低ゲインであることを示す低ゲイン
制御フラグが1または0のいずれであるかを判定して、
低ゲイン制御フラグ=0であればステップS19へ進む
一方、そうでない場合にはステップS30へ進む。
【0062】低ゲイン制御フラグがセットされていない
0の場合では、ステップS19において、目標スロット
ル開度が全閉であるかを判定し、全閉位置にあればステ
ップS25へ進む一方、そうでない場合にはステップS
20の判定に進む。
【0063】ステップS20では、スロットル開度が全
閉位置にある時間(周期)を示すタイマ2の値が所定の
範囲にあるかを判定するもので、ここでは、タイマ2が
1秒以上、5秒以下の値であればステップS21へ進む
一方、そうでない場合には、ステップS23へ進む。
【0064】ステップS21では、タイマ2が所定の範
囲内にあることからスロットル開度の全閉位置近傍にお
けるハンチングが発生したと判定して、上記ステップS
11〜S14で述べたロバスト補償器用のローパスフィ
ルタ時定数Tbを通常の値より大きく設定して制御ゲイ
ンを所定の値に低下させるとともに、低ゲイン制御中を
示す低ゲイン制御フラグを1にセットし、車速フィード
バック制御を低ゲイン制御に移行させる。
【0065】次いで、ステップS22では、上記ステッ
プS12で求めた走行抵抗推定値Fr=y2(k−2)
−y3(k)を、低ゲイン制御に移行したときの下り坂
相当記憶値Mrとして記憶する。
【0066】ステップS23では、スロットル開度が全
閉位置ではない時間、すなわち、スロットルの開時間を
示すタイマ1を所定の時間単位でインクリメントする。
【0067】ステップS24では、低ゲイン制御に移行
したことから全閉位置を示すタイマ2をクリアするとと
もに、タイマ2の積算動作を許可するタイマ2許可フラ
グを0にクリアする。
【0068】一方、上記ステップS19において、目標
スロットル開度が全閉位置にある場合に行われるステッ
プS25では、通常のフィードバック制御中においてス
ロットルの開時間と全閉時間を計測してハンチングの検
出を行うもので、まず、ステップS25において、スロ
ットルの開時間を示すタイマ1が所定の範囲にあるかを
判定し、ここでは、タイマ1が1秒以上、5秒以下であ
ればハンチングの可能性があると判定し、ステップS2
6へ進んで、全閉時間の計測を許可するタイマ2許可フ
ラグを1にセットする一方、タイマ1が所定の範囲外で
あればステップS27へ進む。
【0069】ステップS27では、タイマ2許可フラグ
が1であるか否かを判定し、タイマ2許可フラグが1で
あればステップS28へ進んでスロットルの全閉時間を
示すタイマ2を所定の時間単位だけインクリメントす
る。
【0070】ステップS29ではタイマ1をクリアす
る。
【0071】ここで、上記ステップS18の判定で、低
ゲイン制御フラグが1の場合には、ステップS30〜S
32で低ゲイン制御中の走行抵抗の変化を検知して制御
ゲインを低ゲインから通常のゲインへ復帰させる処理が
行われる。
【0072】ステップS30では、上記ステップS12
で演算された走行抵抗推定値FrがステップS22で記
憶された下り坂相当値Mrより所定値以上に増大してい
ないかを判定し、走行抵抗推定値Frが下り坂相当値M
rから所定値以上に増大している場合には、ステップS
31へ進む一方、そうでない場合には終了する。
【0073】ステップS31では、スロットル開度のハ
ンチング(=車速のハンチング)が発生するような下り
坂が終了したと判定して、上記ステップS11〜S14
に示したロバスト補償器用ローパスフィルタの時定数T
bを通常の値に復帰させてフィードバック制御ゲインを
通常値に戻し、ステップS32では低ゲイン制御フラグ
を0にクリアして終了する。
【0074】上記ステップS1〜S32を所定時間毎
(本実施例では、100msecごと)に実行すること
により、目標スロットル開度が全閉位置となる下り坂で
の車速のハンチングを防止しながらも、下り坂から上り
坂への変化等で走行抵抗が増大した場合には、迅速に車
速フィードバック制御に移行して目標車速を維持するこ
とができるのである。
【0075】例えば、スロットル開度が全閉位置となる
下り坂において、定速走行制御を行う場合を図8に示す
と、下り坂が介しする地点Aを通過すると、上記ステッ
プS10〜S14で演算される走行抵抗推定値Frも負
の値を示し、目標車速に対して車速が増加していく。こ
のため、上記ステップS15〜S17で駆動力を低下す
るようスロットル開度を閉じる演算がなされ、スロット
ルが全閉状態にされる。この結果、ステップS19では
YESと判断され、ステップS25、S27、S29へ
と進む。
【0076】走行中にスロットルが全閉状態になると、
燃料噴射装置においてフュエルカットが行われるため、
エンジンの回転負荷が増加するためエンジンブレーキ力
が増大し、このエンジンブレーキ力が下り坂に相当する
負の走行抵抗より強いと車速が低下していくことにな
る。
【0077】車速が低下するとステップS10〜S17
でスロットル開度の演算がなされ、スロットルが再び開
かれる。この結果、ステップS19ではNOと判定さ
れ、ステップS20、S23、S24へと進む。ステッ
プS23では、ステップS29でタイマ1がクリアされ
ているため0からインクリメントされる。
【0078】その後、スロットルが開かれた事により車
速が増加すると、再び前述のごとくスロットルが全閉状
態となるため、再度ステップS19でYESと判出さ
れ、ステップS25へと進む。
【0079】ステップS25ではタイマ1が1secか
ら5secの間にあるかを判断するが、ステップS23
でタイマ1が0からインクリメントされているため、ス
テップS25ではスロットル開度が全閉状態から開かれ
て再び全閉状態となるまでの時間を判断することにな
る。
【0080】そして、これがYESと判断されるとステ
ップS26へ進み、タイマ2許可フラグをセットし、ス
テップS27からステップS28へと進み、タイマ2を
インクリメントする。
【0081】そして、その後の車速が低下すると、再度
ステップS19からステップS20へと進む。ステップ
S20では、タイマ2が1secから5secの間にあ
るかを判断するが、これは、スロットル開度が全閉状態
となっていた時間を判断することになる。そして、この
時間が1secから5secの間にあればステップS2
1へ進み、ロバスト補償器のローパスフィルタ時定数を
大きめの所定値に切り換えることにより、車速フィード
バック制御ゲインを小さい値にし、低ゲイン制御フラグ
をセットする。
【0082】そして、ステップS22へ進み上記ステッ
プS10〜S14で演算される走行抵抗推定値Frを下
り坂相当値Mrとして記憶する。
【0083】すなわち、ステップS19からステップS
20へ進むフローと、ステップS19からステップS2
5へ進むフローでは、下り坂でスロットル開度が全閉状
態となった後に、所定時間内に開かれ、再び全閉状態と
なるのを繰り返すスロットル開度制御のハンチングを検
出して、このときに車速フィードバック制御ゲインを小
さい値に設定するものである。
【0084】そして、ステップS18では、低ゲイン制
御フラグがセットされていることから、ステップS30
へと進み、ステップS30では走行抵抗推定値Frがス
テップS22で記憶した下り坂相当値Mrに所定値を加
えた値より大きくなるまで、ステップS31へと進まな
いようにしている。
【0085】すなわち、図8に示すように、スロットル
開度が全閉位置となる下り坂において定速走行制御を行
う場合、下り坂が開始する地点Aを通過して周期が所定
時間内(上記ステップS20の1秒以上5秒以下)微ス
ロットル開度のハンチングが一回発生すると、これを検
出して地点Bでは上記スロットル21のようにロバスト
補償器のローパスフィルタ時定数を大きめの所定値に切
り換えることで車速フィードバック制御ゲインを小さい
値に切り換える。
【0086】地点B以降では、閉ループゲインが小さく
なった分、安定余裕が増大してスロットル開度及び車速
の振動の周期が長くなってハンチングが抑制され、運転
性が向上する。
【0087】また、車速フィードバック制御ゲインを切
り換える時点での走行抵抗推定値Frを下り坂相当値M
rと記憶しておき、下り坂が上り坂に転ずる地点Cに到
達すると、道路勾配の変化に応じて走行抵抗推定値Fr
が増大し、下り坂相当値Mrとの差が所定値以上になる
と、上記ローパスフィルタ時定数を所定の通常値に減少
させて車速フィードバック制御ゲインを通常の値に復帰
させる。
【0088】このため、外乱の影響を受けにくい高いゲ
インに切り換えられ、道路勾配の変化、すなわち、走行
抵抗の変化に迅速に対応してスロットル開度を増大させ
ることが可能となって、目標車速を安定して維持するこ
とができるのである。
【0089】なお、上記実施例において、スロットルの
全閉位置付近でハンチングが検出された場合には、車速
フィードバック制御ゲインを通常値よりも小さい所定値
に変更したが、自動変速機のギヤ位置をシフトダウンさ
せる一方、このシフトダウン後に走行抵抗推定値Frが
下り坂相当値Mrから所定値以上に増大したときにシフ
トアップさせても良い。
【0090】この場合、シフトダウンさせてギヤ比が高
くなることにより走行抵抗に見合う駆動力を出力するた
めに必要なエンジンブレーキ力が増加し、また、エンジ
ン回転数も上昇する。したがって、スロットルがある程
度開いた位置で駆動力と走行抵抗が平衡してトルクの段
差を吸収するので連続的にエンジンのトルクを制御で
き、フュエルカットのオンオフに起因する車速のハンチ
ングが抑制される。また、下り坂から上り坂に転ずるよ
うな場合には、走行抵抗推定値Mrの増大に応じてシフ
トアップ時期が決定されるので、シフトダウンの状態を
最小限に抑えて運転者へ違和感を与えることがない。
【0091】また、上記実施例において、スロットルの
全閉位置付近でハンチングが検出された場合には、車速
フィードバック制御ゲインを通常値よりも小さい所定値
に変更したが、線形制御理論に基づく連続的な車速フィ
ードバック制御を停止して、車速偏差に基づいてスロッ
トル開度を全閉位置(フュエルカット作動)と所定の微
小開度(フュエルカット非作動)のいずれか一方へ断続
的に切り換え、目標車速と実車速の偏差が所定値以上と
なったら通常の連続的な車速フィードバック制御へ復帰
させる。
【0092】この断続的なスロットル開度の制御は次の
ように、車速の偏差に応じて応じて2つのスロットル開
度を設定する。
【0093】 目標スロットル開度=2° (目標車速−実車速>1km/hの場合) 目標スロットル開度=0° (実車速−目標車速>1km/hの場合) このような断続的な制御によって、緩慢な車速制御を実
現することができ、下り坂における車速のハンチング周
期を長くして運転者への違和感を抑制することが可能と
なるとともに、道路勾配が変化して車速の偏差が増大し
た場合には通常の連続的な車速フィードバック制御へ速
やかに移行することができる。
【0094】また、上記実施例において、所定の勾配の
下り坂を走行抵抗推定値に基づいて判定したが、実車速
と目標車速の偏差が所定値以上に増大したときに前記下
り坂の終了を判定してもよい。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、スロ
ットルが全閉位置付近となってスロットル開度または車
速のハンチングが発生する所定の勾配の下り坂では、ス
ロットル駆動手段の制御を第1目標スロットル開度演算
手段のフィードバック制御からハンチングが抑制可能な
目標車速を演算する第2目標スロットル開度演算手段へ
切り換えて、スロットル全閉位置付近におけるフュエル
カットの断続等による車速のハンチングを抑制すること
ができ、さらに道路勾配が下り坂から上り坂へ転ずる
と、スロットル駆動手段の制御は第2目標スロットル演
算手段から第1目標スロットル開度演算手段に再び復帰
して、所定のフィードバック制御による上り坂に応じた
スロットル開度で目標車速を維持することが可能とな
り、ハンチングを抑制しながら安定した定速走行制御を
行うことが可能となって、運転性を向上することが可能
となる。
【0096】また、第2の発明は、前記第2目標スロッ
トル開度演算手段が、フィードバック制御のゲインを前
記第1目標スロットル開度演算手段に比して小なる所定
の値に設定することで、フィードバック制御の閉ループ
ゲインを低下させて、スロットル開度が全閉位置付近と
なる下り坂における車速のハンチングを抑制し、円滑な
定速走行制御を行うことができ、運転性を向上すること
が可能となる。
【0097】また、第3の発明は、前記第2目標スロッ
トル開度演算手段が、検出した車速と目標車速の偏差に
応じて目標スロットル開度を全閉位置または所定の微小
開度のいずれか一方に切り換えることで、緩慢な車速制
御とすることでスロットル開度が全閉位置付近となる下
り坂における車速のハンチングを抑制し、円滑な定速走
行制御を行うことができ、運転性を向上することが可能
となる。
【0098】また、第4の発明は、所定の勾配の下り坂
であることを判定すると自動変速機をシフトダウンさせ
るため、シフトダウンによってギヤ比を高くすることに
よって走行抵抗に見合う駆動力を出力するために必要な
エンジンブレーキ力が低下する一方、エンジンの回転数
も増大してスロットルが全閉位置付近からある程度開い
た状態となるため、全閉位置付近におけるフュエルカッ
トの断続を回避して車速のハンチングを抑制できる一
方、道路勾配が下り坂から上り坂へ転ずると、再びシフ
トアップして通常の定速走行制御によって目標車速を維
持することができ、円滑な定速走行制御を行って運転性
を向上することが可能となる。
【0099】また、第5の発明は、所定の下り坂が開始
されたときの走行抵抗の推定値と現在の走行抵抗推定値
とを比較して、現在の走行抵抗推定値が所定値以上に増
大したときに前記所定の下り坂の終了を判定するため、
フィードバック制御ゲインを車速のハンチングを抑制可
能な小さな値に設定しながらも、走行抵抗の変化に確実
かつ迅速に追従することができ、下り坂から上り坂へ転
ずる場合などでの車速の過大な低下を抑制して円滑な定
速走行制御を行うことが可能となって、運転性を向上す
ることができる。
【0100】また、第6の発明は、検出した車速と目標
車速の偏差が所定値以上となったときに前記所定の下り
坂の終了を判定するため、下り坂から上り坂へ転ずる場
合などでの車速の過大な低下を抑制して円滑な定速走行
制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す定速走行制御装置の構成
図。
【図2】同じく負圧式スロットルアクチュエータの概略
構成図。
【図3】制御の一例を示すフローチャートの前半部。
【図4】同じくフローチャートの後半部。
【図5】フィードバック制御補償器の構成図で、(a)
は補償器を、(b)は規範モデルを示す。
【図6】車両のパワートレインの簡易非線形モデル。
【図7】エンジンの非線形特性を示すマップで、スロッ
トル開度とエンジンのトルクの関係を示す。
【図8】下り坂から上り坂に転ずる場合の道路勾配、走
行抵抗推定値、目標スロットル開度及び車速と時間の関
係を示すグラフである。
【図9】従来例による下り坂から上り坂に転ずる場合の
道路勾配、走行抵抗推定値、目標スロットル開度及び車
速と時間の関係を示すグラフである。
【図10】請求項1ないし請求項3のいずれかひとつ、
並びに請求項5または請求項6に対応するクレーム対応
図。
【図11】請求項4に対応するクレーム対応図。
【符号の説明】
1 定速走行用コントロールユニット 20 自動変速機コントロールユニット 30 負圧式スロットルアクチュエータ 50 第1目標スロットル開度演算手段 51 第2目標スロットル開度演算手段 52 勾配終了判定手段 53 制御復帰手段 54 制御切換手段 55 勾配開始判定手段 56 実スロットル開度演算手段 57 スロットル駆動手段 58 シフトダウン指令手段 59 シフトアップ指令手段 60 変速制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速が目標車速に一致するようにスロッ
    トル開度の目標値をフィードバック制御により演算する
    第1の目標スロットル開度演算手段と、エンジンのスロ
    ットル開度を検出する実スロットル開度検出手段と、前
    記検出したスロットル開度が目標スロットル開度に一致
    するようにスロットルを駆動するスロットル駆動手段
    と、前記スロットル開度の全閉位置付近において車速ま
    たはスロットル開度のハンチングを検出したときに所定
    の勾配の下り坂であることを判定する勾配開始判定手段
    と、スロットル開度の全閉位置付近においてハンチング
    を抑制すべくスロットル開度の目標値を演算する第2の
    目標スロットル開度演算手段と、前記勾配開始判定手段
    の判定結果が所定勾配の下り坂となったときに、スロッ
    トル駆動手段の制御を第2の目標スロットル開度演算手
    段へ切り換える制御切換手段と、車両の走行状態に基づ
    いて前記所定の勾配の下り坂が終了したことを判定する
    勾配終了判定手段と、前記勾配終了判定手段が前記下り
    坂の終了を判定したときに前記スロットル駆動手段の制
    御を第2目標スロットル開度演算手段から前記第1目標
    スロットル開度演算手段へ切り換える制御復帰手段とを
    備えたことを特徴とする車両用定速走行制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2目標スロットル開度演算手段
    が、フィードバック制御のゲインを前記第1目標スロッ
    トル開度演算手段に比して小なる所定の値に設定したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用定速走行制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2目標スロットル開度演算手段
    が、検出した車速と目標車速の偏差に応じて目標スロッ
    トル開度を全閉位置または所定の微小開度のいずれか一
    方に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用定速走行制御装置。
  4. 【請求項4】 車速が目標車速に一致するように自動変
    速機のギヤ位置を変更する変速制御手段と、エンジンの
    スロットル開度を検出する実スロットル開度検出手段
    と、前記スロットル開度の全閉位置付近において車速ま
    たはスロットル開度のハンチングを検出したときに所定
    の勾配の下り坂であることを判定する勾配開始判定手段
    と、前記勾配開始判定手段の判定結果が所定勾配の下り
    坂となったときに、前記変速制御手段へシフトダウンを
    指令するシフトダウン指令手段と、車両の走行状態に基
    づいて前記所定の勾配の下り坂が終了したことを判定す
    る勾配終了判定手段と、前記勾配終了判定手段が前記下
    り坂の終了を判定したときに前記変速制御手段へシフト
    アップを指令するシフトアップ指令手段とを備えたこと
    を特徴とする車両用定速走行制御装置。
  5. 【請求項5】 前記勾配終了判定手段が、車両に加わる
    走行抵抗を推定する走行抵抗推定手段と、前記勾配開始
    判定手段が所定の下り坂を判定したときの走行抵抗推定
    値を記憶する走行抵抗記憶手段と、この走行抵抗記憶手
    段の記憶値と現在の走行抵抗推定値とを比較する手段と
    を備えて、この比較結果が前記記憶値より現在の走行抵
    抗推定値が所定値以上に増大したときに前記所定の下り
    坂の終了を判定することを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれかひとつに記載の車両用定速走行制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記勾配終了判定手段が、検出した車速
    と目標車速の偏差が所定値以上となったときに前記所定
    の下り坂の終了を判定することを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれかひとつに記載の車両用定速走行
    制御装置。
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