JP3427727B2 - 先行車追従制御装置 - Google Patents

先行車追従制御装置

Info

Publication number
JP3427727B2
JP3427727B2 JP12218098A JP12218098A JP3427727B2 JP 3427727 B2 JP3427727 B2 JP 3427727B2 JP 12218098 A JP12218098 A JP 12218098A JP 12218098 A JP12218098 A JP 12218098A JP 3427727 B2 JP3427727 B2 JP 3427727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
brake
vehicle
fluid pressure
vehicle speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12218098A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11314535A (ja
Inventor
武徳 橋詰
章 東又
秀男 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP12218098A priority Critical patent/JP3427727B2/ja
Publication of JPH11314535A publication Critical patent/JPH11314535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3427727B2 publication Critical patent/JP3427727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先行車を認識して
一定の車間距離を保ちつつ追従する先行車追従制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車速に応じた安全車間距離(目標車間距
離)を算出し、安全車間距離と実際の車間距離との差に
応じてスロットルあるいはブレーキを駆動制御する先行
車追従制御装置が知られている(例えば、特開平5−1
04993号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の先行車追従制御装置では、ブレーキ液圧を制御する
装置に負圧式ブレーキブースターを用いた場合には、制
動時にブレーキパッドがブレーキローターに接触して実
際に制動力が発生するまでに、ある量のブレーキ液が消
費されてしまうため、駆動モードから制動モードに切り
替わる時に制動力の応答遅れがある。
【0004】本発明の目的は、制動モードと駆動モード
の相互の切り換えを応答遅れなくスムーズに行う先行車
追従制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1の発明
は、先行車との車間距離を検出する手段と、車間距離検
出値を目標車間距離と一致させるための目標車速を演算
する手段と、車速を検出する手段と、車速検出値を目標
車速と一致させるための目標スロットル開度および目標
ブレーキ液圧を演算する手段と、目標スロットル開度に
応じてエンジンのスロットルバルブを駆動制御するスロ
ットル駆動制御手段と、目標ブレーキ液圧に応じて負圧
式ブレーキブースターを駆動制御するブレーキ駆動制御
手段とを備えた先行車追従制御装置であって、ブレーキ
駆動制御手段によって、目標スロットル開度が所定値以
下になったら、ブレーキパッドがブレーキローターに接
するようにブレーキ液圧を制御することにより、上記目
的を達成する。 (2)請求項2の先行車追従制御装置は、スロットルバ
ルブの開度を検出する手段を備え、ブレーキ駆動制御手
段によって、目標スロットル開度とスロットルバルブ開
度検出値がともに所定値以下になったら、ブレーキパッ
ドがブレーキローターに接するようにブレーキ液圧を制
御するようにしたものである。 (3)請求項3の先行車追従制御装置は、ブレーキ駆動
制御手段によって、目標ブレーキ液圧が0となってから
所定時間の間はマスターシリンダーが待機位置まで戻る
ようにブレーキ液圧を制御するようにしたものである。
【0006】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、駆動モ
ードから制動モードへの切り替わり時に、ブレーキ指令
に対する制動力の応答遅れがなくなり、追従走行中に割
り込みがあって急に減速する必要が生じても、スロット
ル全閉からブレーキ制御へスムーズに切り替わる。 (2)請求項2の発明によれば、上記請求項1の効果に
加え、駆動モードから制動モードへの切り換えを正確に
把握することができる。 (3)請求項3の発明によれば、負圧式ブレーキブース
ターを用い、さらに、自工会の基準に準拠してブレーキ
スイッチによりスロットル・アクチュエーターへの電源
供給にインターロックをかけても、制動モードから駆動
モードへの切り替わり時に、直ちにスロットル・アクチ
ュエーターへ電源が供給され、スロットル指令に対する
駆動力の応答遅れがなくなり、ブレーキ制御からスロッ
トル制御へスムーズに切り替わる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示す
図である。車間距離センサー1は、レーザー光を掃射し
て先行車からの反射光を受光するレーダー方式のセンサ
ーである。なお、電波や超音波を利用して車間距離を計
測してもよい。車速センサー2は変速機の出力軸に取り
付けられ、その回転速度に応じた周期のパルス列信号を
出力する。スロットル・アクチュエーター3は、目標ス
ロットルバルブ開度信号に応じてスロットルバルブを開
閉し、エンジンへの吸入空気量を変えてエンジン出力を
調節する。自動変速機4は、車速とエンジントルクに応
じて変速比を変える。ブレーキ・アクチュエーター6は
車両に制動力を発生させるための負圧式制動装置であ
る。
【0008】追従制御コントローラー5はマイクロコン
ピューターとその周辺部品を備え、車間距離と車速の検
出値に基づいて目標車速を求め、スロットル・アクチュ
エーター3、自動変速機4およびブレーキ・アクチュエ
ーター6を制御する。追従制御コントローラー5は、マ
イクロコンピューターのソフトウエア形態により図2に
示す制御ブロック11、21、50〜54を構成する。
【0009】図2において、測距信号処理部11は、車
間距離センサー1によりレーザー光を掃射してから先行
車の反射光を受光するまでの時間を計測し、先行車との
車間距離LTを演算する。なお、前方に複数の先行車が
いる場合は追従すべき先行車を特定して車間距離LTを
演算する。この先行車の選択方法についてはすでに公知
であるから説明を省略する。車速信号処理部21は、車
速センサー2からの車速パルス列信号の周期を計測し、
自車両の速度VSを検出する。
【0010】先行車追従制御部50は、相対速度演算部
501、車間距離制御部502および目標車間距離設定
部503を備え、車間距離LTと自車速VSとに基づいて
目標車間距離LT*と目標車速V*を演算する。相対速度
演算部501は、測距信号処理部11により検出された
車間距離LTに基づいて先行車との相対速度ΔVを演算
する。車間距離制御部502は、相対速度ΔVを考慮し
て車間距離LTを目標車間距離LT*に一致させるための
目標車速V*を演算する。目標車間距離設定部503
は、先行車の車速VTまたは自車速VSに応じた目標車間
距離L*を設定する。
【0011】車速制御部51は自車速VSを目標車速V*
とするための目標駆動力を演算し、駆動力分配制御部5
2は目標駆動力をスロットル制御部53とブレーキ制御
部54に分配する。スロットル制御部53とブレーキ制
御部54は、分配された目標駆動力に応じてそれぞれス
ロットル・アクチュエーター3とブレーキ・アクチュエ
ーター6を制御する。
【0012】スロットル・アクチュエーター3は負圧式
であり、負圧発生用ポンプと大気開放用ソレノイドバル
ブ(いずれも不図示)を備え、スロットル制御部53か
ら出力されるPWM信号のデューティー比で負圧発生用
ポンプと大気開放用ソレノイドバルブを駆動制御し、エ
ンジンのスロットルバルブ(不図示)を開閉する。
【0013】このスロットル・アクチュエーター3に
は、ブレーキスイッチ7を介してバッテリー電源BAT
が供給される。ブレーキスイッチ7はブレーキペダル
(不図示)が解放状態でオン(閉路)し、踏み込み状態
でオフ(開路)する。したがって、ブレーキペダルが解
放状態にある時のみ、スロットル・アクチュエーター3
へ電源が供給されてスロットル制御が可能になる。ブレ
ーキペダルが踏み込まれている時は、スロットル・アク
チュエーター3への電源が遮断されてスロットル制御が
不能になる。また、ブレーキペダルは負圧式ブレーキブ
ースターのマスターシリンダーと連動しているので、先
行車追従制御装置による自動ブレーキが作動してマスタ
ーシリンダーがストロークすると、ブレーキペダルが踏
み込み状態となり、ブレーキスイッチ7がオフしてスロ
ットル・アクチュエーター3への電源が遮断される。
【0014】ブレーキ・アクチュエーター6は図3に示
すような負圧式ブレーキブースターであり、電流比例弁
MGVを備えている。ブレーキ・アクチュエーター6か
ら出力される電流に比例して電流比例弁MGVが開き、
ブースター内の負圧を制御してマスターシリンダーにか
かる圧力を調節する。この時、電流比例弁MGVの電流
値とブレーキ液圧がほぼ比例関係にある。
【0015】図4は一実施の形態の車間距離制御系の構
成を示す図である。図4を参照して車間距離制御系につ
いて説明する。この実施の形態のシステムは、車間距離
と相対速度の2つの目標値を1つの入力(目標車速)で
制御する1入力2出力系であることから、状態フィード
バック(レギュレーター)を用いて制御系を設計する。
【0016】システムの状態変数x1、x2を数式1、2
で定義する。
【数1】
【数2】 数式1において、VTは先行車の車速、VSは自車速であ
る。また、数式2において、LTは先行車との車間距離
である。また、制御入力、すなわち追従制御コントロー
ラー5の出力をΔV*とし、数式3で定義する。
【数3】
【0017】車間距離LTは数式4で与えられる。
【数4】 数式4において、Loは車間距離LTの初期値である。車
速制御系は、例えば数式5のように目標車速V*に対し
て実際の車速VSが一次遅れで近似的に表現できる。
【数5】 数式5において、τvは時定数である。
【0018】先行車車速VTを一定と仮定すると、数式
1、3、5により数式6が得られる。
【数6】 さらに、目標車間距離LT*を一定とすると、数式2、4
により数式7が得られる。
【数7】 したがって、システムの状態方程式は数式8のように記
述できる。
【数8】
【0019】制御入力uを数式9で与える。
【数9】 状態フィードバックが施された全体システムの状態方程
式は数式10のように表される。
【数10】 数式10において、
【数11】 と置くと、全体システムの特性方程式は数式12のよう
に導かれる。
【数12】
【0020】上述した車速制御系の伝達特性に基づき、
車間距離LTをLT*へ、相対速度ΔVを0へ収束させる
特性が所望の特性となるようにゲインfv、fdを設定す
る。
【数13】
【数14】
【数15】
【0021】図5は一実施の形態の車速制御系の構成を
示す図である。図5を参照して車速制御系について説明
する。目標車速Vsprに実車速Vspを一致させるための
最終目標駆動力y1を演算する。最終目標駆動力y1の
演算は、図5に示すように、線形制御手法であるモデル
マッチング手法と近似ゼロイング手法による車速フィー
ドバック補償器を用いて行なう。車速フィードバック補
償器に組み込まれた制御対象の数式化モデルは、目標駆
動力を操作量とし車速を制御量として車両をモデル化す
ることによって、相対的に応答性の速いエンジンやトル
クコンバータの過渡特性、およびトルクコンバータの非
線形定常特性を省略することができる。そして、例えば
図6に示すような、予め計測されたエンジン非線形特性
データマップを用いて目標駆動力に実駆動力が一致する
ようなスロットル開度指令値を算出し、スロットル開度
をサーボコントロールすることにより、エンジンの非線
形な特性を線形化することができる。したがって、目標
駆動力を入力とし車速を出力とする数式化モデルは積分
特性となり、補償器ではこの車両モデルの伝達特性をパ
ルス伝達関数P(z-1)とおくことができる。
【0022】図5には、離散時間系で表した一実施の形
態の車速フィードバック補償器を示す。zは遅延演算子
であり、z-1を乗ずると1サンプル周期前の値となる。
また、C1(z-1)、C2(z-1)は近似ゼロイング手
法による外乱推定器であり、外乱やモデル化誤差による
影響を抑制する。さらに、C3(z-1)はモデルマッチ
ング手法による補償器であり、目標車速Vsprを入力と
し実車速Vspを出力とした場合の制御対象の応答特性
を、予め定めた一次遅れとむだ時間要素を持つ規範モデ
ルH(z-1)の特性に一致させる。
【0023】制御対象の伝達特性は、パワートレインの
遅れであるむだ時間を考慮する必要がある。目標駆動力
を入力とし実車速を出力とする制御対象のパルス伝達関
数P(z-1)は、次式に示す積分要素P1(z-1)とむ
だ時間要素P2(z-1)(=z-n)の積で表わすことが
できる。
【数16】 数式16において、Tはサンプル周期(この実施形態で
は10msec)、Mは平均車重である。
【0024】このとき、補償器C1(z-1)は次式で表
わされる。
【数17】 すなわち、補償器C1(z-1)は時定数Tbのローパス
フィルタである。
【0025】さらに、補償器C2(z-1)はC1/P1
として次式で表わされる。
【数18】 なお、補償器C2は車両モデルの逆系にローパスフィル
タをかけたものであり、この補償器C2に実車速Vspを
入力することによって実車速Vspに応じた駆動力、すな
わちパワートレインの駆動力から走行抵抗などの外乱を
差し引いた駆動力を逆算することができる。
【0026】また、制御対象のむだ時間を無視して、規
範モデルH(z-1)を時定数Taの1次ローパスフィル
タと仮定すると、補償器C3は次のような定数となる。
【数19】 C3=K={1−exp(−T/Ta)}・M/T
【0027】次に、モデルマッチング補償器C3(z-
1)に相当する部分の演算を行ない、実車速Vspから目
標車速Vsprまで加速するための目標駆動力y4を求め
る。データy(k)は今回のサンプリング時点における
駆動力、データy(k−1)は1サンプリング周期前の
駆動力を表わすものとすると、
【数20】 y4(k)=K・{Vspr(k)−Vsp(k)}
【0028】さらに、外乱推定器の一部のロバスト補償
器C2(z-1)に相当する部分の演算を行ない、実車速
Vspに応じた駆動力、すなわちパワートレインの駆動力
から走行抵抗などの外乱を差し引いた駆動力y3を逆算
する。
【数21】y3(k)=γ・y3(k−1)+(1−
γ)・M・{Vsp(k)−Vsp(k−1)}/T
【0029】そして、目標駆動力y4を走行抵抗推定値
Frで補正して最終目標駆動力y1(k)を求める。上
述したように、駆動力y3(k)は実車速Vspに応じた
駆動力、すなわちパワートレインの駆動力から走行抵抗
などの外乱を差し引いた駆動力である。一方、補償器C
1はローパスフィルターであるから、駆動力y2(k)
はリミッター処理後の目標駆動力y5をローパスフィル
ター処理した駆動力である。この駆動力y2(k)にz
-2を乗じた駆動力y2(k−2)は駆動力y2(k)の
2サンプリング周期前の値であり、パワートレインの遅
れ(むだ時間)を考慮したパワートレインの現在の実駆
動力と見なすことができる。したがって、現在のパワー
トレインの駆動力y2(k−2)から、走行抵抗などの
外乱を差し引いた実車速分の駆動力y3(k)を減じれ
ば、走行抵抗などの外乱Frを推定することができる。
さらに、目標駆動力y4(k)を走行抵抗推定値Frで
補正し、外乱混入による駆動力不足を補償するための最
終目標駆動力y1(k)を求める。
【数22】 Fr=y2(k−2)−y3(k), y1(k)=y4(k)+Fr, =y4(k)+y2(k−2)−y3(k) このように、近似ゼロイング手法で構成された外乱推定
器は、制御対象モデルの出力と実際の制御対象の出力と
の差に基づいて走行抵抗などの外乱を正確に推定するこ
とができる。
【0030】次に、外乱推定器の一部であるローパスフ
ィルタとしての補償器C1(z-1)に相当する部分の演
算を行なう。
【数23】y2(k)=γ・y2(k−1)+(1−
γ)・y5(k−1) この最終目標駆動力y1(k)に基づいて目標駆動トル
クTerを演算する。
【数24】Ter=y1・Rt/(Gm・Gf) 数式24において、Gmは変速機の変速比、Gfは最終減
速機の減速比、Rtはタイヤの有効半径である。さら
に、図6に示すエンジン非線形特性データマップを用い
て、目標エンジントルクTerとエンジン回転速度Neに
対応する目標スロットル開度Tvorを表引き演算する。
【0031】そして、PID制御などの公知の制御手法
を用い、スロットル開度偏差ΔTvo(=Tvor−Tvo)
に基づいて負圧式スロットル・アクチュエーター3の負
圧発生用ポンプと大気開放用ソレノイドバルブへ出力す
る指令信号のパルス幅Tvac、Tventを演算する。な
お、Tvoはスロットルセンサー(不図示)により検出さ
れる実スロットル開度である。パルス幅Tvac、Tventの
指令信号を負圧式スロットル・アクチュエーター3へ出
力する。
【0032】図7、図8は一実施の形態のブレーキ液圧
制御を示すフローチャートである。これらのフローチャ
ートにより、一実施の形態の動作を説明する。追従制御
コントローラー5は、車両のイグニッションキー(不図
示)がON位置にある間、このブレーキ制御を繰り返し実
行する。追従状態で走行している時は、先行車追従制御
部50で演算される目標車速V*に実車速VSが一致する
ように、必要な最終目標駆動力y1が車速制御部51で
算出される。さらに、図6に示すようなエンジンの非線
形特性データマップを用いて、目標エンジントルクTer
とエンジン回転速度Neから目標スロットル開度Tvorを
表引き演算し、実スロットル開度Tvoが目標値Tvorに
一致するようにスロットル・アクチュエーター3を駆動
制御する。
【0033】図7は駆動力分配と目標ブレーキ液圧演算
を示すフローチャートである。ステップ1において、目
標スロットル開度Tvorが0かどうかを確認し、0の場
合はステップ2へ進んで次式により目標ブレーキ液圧P
brkを演算する。
【数25】 数式25において、Gmは変速機の変速比、Gfは最終減
速機の減速比、Te0は目標スロットル開度Tvorが0の
時のエンジントルクである。また、Abはホイールシリ
ンダー面積、Rbはブレーキディスクの有効半径、μbは
ブレーキパッドの摩擦係数である。なお、目標スロット
ル開度Tvorが0でない場合はステップ3へ進み、目標
ブレーキ液圧Pbrkを0にする。
【0034】ところで、ブレーキ制御を開始してから実
際にブレーキパッドがブレーキローターに接するまでに
は、ある所定の液量が消費されてしまう(ロス液量)。
ブレーキ液圧に対する制動力の応答性を上げるには、ブ
レーキパッドがブレーキローターに当たるまで、予めマ
スターシリンダーを所定量だけストロークさせておく必
要がある。ただし、常にブレーキパッドがブレーキロー
ターに当たるようにマスターシリンダーをストロークさ
せておくと、ブレーキパッドとブレーキローターとのク
リアランスが少なくなって引き摺り傾向となるため、ブ
レーキがフェードするなどの問題が発生する。
【0035】そこで、実スロットル開度Tvoおよび目標
スロットル開度Tvorがともに所定値以下、例えば2度
以下になったら、電流比例弁MGVへオフセット電流I
offを流す。このオフセット電流Ioffは、ブレーキパッ
ドがブレーキローターに当たるまでマスターシリンダー
をストロークさせるための電流である。ステップ4と5
で、目標スロットル開度Tvorと実スロットル開度Tvo
がそれぞれ2度以下かどうかを確認する。ともに2度以
下の時はステップ6へ進み、実ブレーキ液圧が目標ブレ
ーキ液圧Pbrkに一致するようにブレーキ・アクチュエ
ーター6を駆動制御する。なおこの時、ブレーキ液圧0
の制御も含まれる。一方、目標スロットル開度Tvorま
たは実スロットル開度Tvoが2度を越える時はステップ
7へ進み、ブレーキ液圧制御を停止する。
【0036】図8はオフセット電流演算を示すフローチ
ャートである。ステップ9において、目標ブレーキ液圧
Pbrkが0かどうかを確認する。目標ブレーキ液圧Pbrk
が0でなければステップ10へ進み、目標ブレーキ液圧
Pbrk=0の継続時間を計測するための目標液圧ゼロ時
間カウンターCをクリヤーするとともに、目標ブレーキ
液圧Pbrk=0の状態を示す目標液圧ゼロフラグFをリ
セットする。さらに、オフセット電流Ioffに所定値、
例えば0.5Aを設定して処理を終了する。
【0037】目標ブレーキ液圧Pbrkが0の時はステッ
プ11へ進み、目標液圧ゼロフラグFがセットされてい
るかどうかを確認する。目標液圧ゼロフラグFがセット
されている時はステップ12へ進み、目標液圧ゼロ時間
カウンターCをインクリメントする。続くステップ13
で目標液圧ゼロ時間カウンターCが1s以上になってい
るかどうかを確認し、目標ブレーキ液圧Pbrk=0の状
態が1s以上継続している場合はステップ14へ進む。
ステップ14では、目標液圧ゼロフラグFをリセットす
るとともに、オフセット電流Ioffに所定値、例えば
0.5Aを設定する。
【0038】一方、ステップ11で目標液圧ゼロフラグ
Fがセットされていない時はステップ15へ進み、前回
演算時の目標ブレーキ液圧Pbrkが0であったかどうか
を確認する。前回の目標液圧Pbrkが0の場合はステッ
プ16へ進み、目標液圧ゼロフラグFをセットするとと
もに、オフセット電流Ioffに所定値、例えば0.5A
を設定する。また、前回の目標液圧Pbrkが0でない場
合はステップ17へ進み、目標液圧ゼロフラグFをリセ
ットするとともに、オフセット電流Ioffに0を設定す
る。
【0039】図9は一実施の形態のブレーキ制御結果を
示すタイムチャートであり、(a)最終目標駆動力y
1、(b)目標スロットル開度Tvor、(c)目標ブレ
ーキ液圧Pbrk、(d)オフセット電流Ioffを示す。先
行車がブレーキ操作により減速すると、最終目標駆動力
y1が徐々に減少して負の駆動力になり、それに応じて
目標スロットル開度Tvorも徐々に減少する(T1期
間)。目標スロットル開度Tvorと実スロットル開度Tv
oがともに所定値(上記例では2度)以下になると、ブ
レーキ指令に対する実際の制動力の応答遅れを改善する
ために、ブレーキ制御部54からブレーキ・アクチュエ
ーター6の電流比例弁MGVへオフセット電流Ioffを
流し、ブレーキ液圧制御を開始する(期間T1’)。次
に、目標ブレーキ液圧Pbrkの増加にともない、電流比
例弁MGVへ目標ブレーキ液圧Pbrkに応じた電流にオ
フセット電流Ioffを加算した電流を流し、ブレーキ液
圧制御を行う(期間T2)。
【0040】先行車との車間距離が広がり、最終目標駆
動力y1が増加して0から正の値になると、目標ブレー
キ液圧Pbrkの値が0になり、逆に目標スロットル開度
Tvorが増加する。この時、目標ブレーキ液圧Pbrkが0
になったからといって、次のブレーキ指令に対する実制
動力の応答遅れを改善するために電流比例弁MGVへオ
フセット電流Ioffを流すと、ブレーキパッドがブレー
キローターに当たるまでマスターシリンダーがストロー
クし、これにブレーキペダルが連動して踏み込み状態と
なる。したがって、ブレーキの踏み込み状態を検出する
ためのブレーキスイッチ7がオフしたままになり、上述
したようにスロットル・アクチュエーター3の電源が遮
断される。したがって、目標ブレーキ液圧Pbrkが0に
なって目標スロットル開度Tvorが増加し、制動モード
から駆動モードへ移行してもすぐにスロットルバルブが
開かず、スロットルバルブの応答が遅れることになる。
【0041】このような従来の先行車追従制御装置の不
具合を解決するために、この実施の形態では、制動モー
ドから駆動モードへ移行する時に、目標ブレーキ液圧P
brkが0になっても、所定時間(上記例では1s)の間
は電流比例弁MGVへオフセット電流Ioffを流さない
(T3+T4期間)。これにより、制動モードから駆動
モードへ切り替わった後の所定時間の間は、電流比例弁
MGVへオフセット電流Ioffが流れないのでマスター
シリンダーが待機位置まで戻り、したがってブレーキペ
ダルが解放状態になる。これにより、制動モードから駆
動モードへの移行直後にブレーキスイッチ7がオンし、
スロットル・アクチュエーター3へ電源が供給され、目
標スロットル開度Tvorの増加に応じて直ちにスロット
ルバルブを開放することができる。目標スロットル開度
Tvorが所定値(上記例では2度)以上になると、図7
のステップ4→7に示すようにブレーキ液圧制御を停止
するので、電流比例弁MGVへの電流は0となり、マス
ターシリンダーは待機位置にあってブレーキペダルは解
放状態のままとなる。したがって、スロットル・アクチ
ュエーター3への電源供給が継続され、目標スロットル
開度Tvorに応じたスロットル制御が行われる。
【0042】なお、上述した一実施の形態では目標スロ
ットル開度Tvorと実スロットル開度Tvoがともに所定
値以下になったら、負圧式ブレーキブースターの電流比
例弁MGVへオフセット電流Ioffを流してブレーキパ
ッドがローターに接するようにし、ブレーキ指令に対す
る実際の制動力の応答遅れをなくすようにしたが、目標
スロットル開度Tvorのみが所定値以下になった時に上
記一連の動作を行うようにしてもよい。
【0043】以上の一実施の形態の構成において、車間
距離センサー1が車間距離検出手段を、追従制御コント
ローラー5が目標車速演算手段、目標スロットル開度お
よび目標ブレーキ液圧演算手段を、車速センサー2が車
速検出手段を、スロットル・アクチュエーター3および
追従制御コントローラー5がスロットル駆動制御手段
を、ブレーキ・アクチュエーター6および追従制御コン
トローラー5がブレーキ駆動制御手段をそれぞれ構成す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 追従制御コントローラーの制御ブロック図で
ある。
【図3】 ブレーキ・アクチュエーターの構成を示す図
である。
【図4】 一実施の形態の車間距離制御系の構成を示す
図である。
【図5】 一実施の形態の車速制御系の構成を示す図で
ある。
【図6】 エンジン非線形特性データマップを示す図で
ある。
【図7】 一実施の形態のブレーキ液圧制御を示すフロ
ーチャートである。
【図8】 図7に続く、一実施の形態のブレーキ液圧制
御を示すフローチャートである。
【図9】 一実施の形態のブレーキ液圧制御結果を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 車間距離センサー 2 車速センサー 3 スロットル・アクチュエーター 4 自動変速機 5 追従制御コントローラー 6 ブレーキ・アクチュエーター 7 ブレーキスイッチ 11 測距信号処理部 21 車速信号処理部 50 先行車追従制御部 51 車速制御部 52 駆動力分配制御部 53 スロットル制御部 54 ブレーキ制御部 501 相対速度演算部 502 車間距離制御部 503 目標車間距離設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−104977(JP,A) 特開 平3−295000(JP,A) 特開 平3−217340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 - 41/28 B60K 31/00 B60T 7/12 - 7/22 B60T 8/00 - 8/96 F02D 29/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行車との車間距離を検出する手段と、 車間距離検出値を目標車間距離と一致させるための目標
    車速を演算する手段と、 車速を検出する手段と、 車速検出値を目標車速と一致させるための目標スロット
    ル開度および目標ブレーキ液圧を演算する手段と、 目標スロットル開度に応じてエンジンのスロットルバル
    ブを駆動制御するスロットル駆動制御手段と、 目標ブレーキ液圧に応じて負圧式ブレーキブースターを
    駆動制御するブレーキ駆動制御手段とを備えた先行車追
    従制御装置であって、 前記ブレーキ駆動制御手段は、目標スロットル開度が所
    定値以下になったら、ブレーキパッドがブレーキロータ
    ーに接するようにブレーキ液圧を制御することを特徴と
    する先行車追従制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の先行車追従制御装置に
    おいて、 スロットルバルブの開度を検出する手段を備え、 前記ブレーキ駆動制御手段は、目標スロットル開度とス
    ロットルバルブ開度検出値がともに所定値以下になった
    ら、ブレーキパッドがブレーキローターに接するように
    ブレーキ液圧を制御することを特徴とする先行車追従制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の先行車
    追従制御装置において、 前記ブレーキ駆動制御手段は、目標ブレーキ液圧が0と
    なってから所定時間の間はマスターシリンダーが待機位
    置まで戻るようにブレーキ液圧を制御することを特徴と
    する先行車追従制御装置。
JP12218098A 1998-05-01 1998-05-01 先行車追従制御装置 Expired - Fee Related JP3427727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12218098A JP3427727B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 先行車追従制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12218098A JP3427727B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 先行車追従制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11314535A JPH11314535A (ja) 1999-11-16
JP3427727B2 true JP3427727B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=14829564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12218098A Expired - Fee Related JP3427727B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 先行車追従制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3427727B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7822525B2 (en) 2005-09-14 2010-10-26 Hitachi, Ltd. Travel control device and travel control method

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10011269A1 (de) * 2000-03-08 2001-09-13 Bosch Gmbh Robert Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung einer Bremsanlage
JP4547793B2 (ja) * 2000-11-17 2010-09-22 株式会社アドヴィックス 車両の運動制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7822525B2 (en) 2005-09-14 2010-10-26 Hitachi, Ltd. Travel control device and travel control method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11314535A (ja) 1999-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6763295B2 (en) Driving force control apparatus and method for automotive vehicle
JP4372253B2 (ja) トルクレベル変化を用いたトルクフィードバック制御を利用するブレーキシステム
JP3358509B2 (ja) 車両用走行制御装置
US7419229B2 (en) Vehicle braking force control
CN104024065A (zh) 车辆的制动控制装置
JP3926925B2 (ja) 先行車追従制御装置
US6192307B1 (en) Braking force control system
US7050898B2 (en) Vehicle driving force control
US6019202A (en) Full throttle directional shift
KR20120018780A (ko) 주차 브레이크 통합체를 갖는 브레이크 시스템
Wu et al. Hydraulic anti-lock braking control using the hybrid sliding-mode pulse width modulation pressure control method
JP3427727B2 (ja) 先行車追従制御装置
CA2142340C (en) Throttle traction control for automotive vehicle
JP3697904B2 (ja) 車間距離制御装置
JP4092456B2 (ja) 制動制御装置
JP2004276669A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2003237424A (ja) 車両用走行制御装置
JP3235435B2 (ja) 車速制御装置
JP2000033827A (ja) 走行抵抗推定装置及び車両用走行制御装置
JPH1035322A (ja) 車両用自動車速制御装置
JP3591015B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP2004204832A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3528319B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP2000118267A (ja) 車速制御装置
JP3045067B2 (ja) 車速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees