JP2002035571A - 会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプセル及びその製造方法

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JP2002035571A JP2000225688A JP2000225688A JP2002035571A JP 2002035571 A JP2002035571 A JP 2002035571A JP 2000225688 A JP2000225688 A JP 2000225688A JP 2000225688 A JP2000225688 A JP 2000225688A JP 2002035571 A JP2002035571 A JP 2002035571A
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microcapsule
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Hitoshi Tamiaki
均 民秋
Kazuya Sawada
和也 澤田
Hironori Kataoka
裕紀 片岡
Satoshi Hiratsuna
訓 平綱
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定範囲の会合度で会合した会合性クロロフ
ィル系色素を内包したマイクロカプセルの製造方法を提
供する。 【解決手段】 クロロフィル系色素及びこのクロロフィ
ル系色素を溶解又は分散させる1又は2種以上の芯剤溶
媒を含有する芯剤溶液と、トリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンとの付加物及びこれを溶解させ
る塩化メチレンを含有する壁剤溶液との混合溶液を調製
する。この混合溶液を、オクチルフェノールEO付加物
及びゼラチンを含有する乳化分散水溶液中に乳化した
後、塩化メチレンを留去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、会合性クロロフ
ィル系色素内包マイクロカプセル及びその製造方法に関
し、更に詳しくは、エネルギー移動等が可能な会合度に
会合した状態で会合性クロロフィル系色素を封じ込めた
会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプセル及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光合成は光エネルギーの化学エネルギー
への変換であり、生物界での最大規模の反応である。こ
の光合成をモデルとして、太陽光を化学エネルギーや電
気エネルギーに変換する機構を構築するための種々の研
究が行われ、特に太陽電池への応用が期待されている。
【0003】この光合成に於いては、クロロフィル等の
色素が重要な役割を果たしていることが知られている。
そして、この色素は、自己会合をしてアンテナ色素を構
成し、吸収した光のエネルギーを反応中心にエネルギー
移動させる機能を果たしているものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
色素は、その機能を有効に発揮するために、所定の会合
度を保っている必要があると考えられている。従って、
光合成をモデルとした太陽電池の構築に際しても、この
ような会合度を安定に保持し、しかも比較的容易にその
会合度を得ることができる系の開発が必要とされてい
る。
【0005】本発明は、このような観点から為されたも
のであり、本発明の目的は、所定範囲の会合度で会合し
た会合性クロロフィル系色素を内包したマイクロカプセ
ルを提供することであり、また、その製造方法を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の会合性クロロフ
ィル系色素内包マイクロカプセルの製造方法は、会合性
クロロフィル系色素及び該会合性クロロフィル系色素を
溶解又は分散させる1又は2種以上の芯剤溶媒を含有す
る芯剤溶液を調製するとともに、多官能イソシアネート
及び該多官能イソシアネートを溶解させる揮発性溶媒を
含有する壁剤溶液を調製し、前記芯剤溶液及び前記壁剤
溶液の混合溶液を調製し、該混合溶液を乳化剤及び分散
剤を含有する乳化分散水溶液中に乳化した後、前記揮発
性溶媒を留去することを特徴とする。
【0007】このマイクロカプセルの製造方法によれ
ば、まず、芯剤溶液と壁剤溶液との混合液を乳化分散水
溶液中に乳化させると、O/W型の乳化物が得られ、こ
の乳化物から揮発性溶媒を揮発させると、乳化物の界面
に於いて多官能イソシアネートが水と反応し、ポリウレ
ア樹脂を生成する。この生成したポリウレア樹脂が壁剤
となって殻部を形成し、マイクロカプセルが形成される
ことになる。生成したマイクロカプセルの殻部の内側に
は芯剤溶液が芯物質として内包され、この内包されてい
る芯剤溶液に於いては、会合色素が所定の会合度で会合
した状態で保持されることとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の会合性クロロフィル系色素内包マ
イクロカプセル及びその製造方法では、内包される芯剤
溶液の成分として、会合性クロロフィル系色素が含まれ
ている。本発明が対象とする会合性クロロフィル系色素
は、特に光合成モデルに於いてエネルギー移動を行うこ
とができ、しかも会合体によってエネルギー移動を効率
的に行い得るものである。具体的には、化1及び化3に
示すクロロフィル系化合物を挙げることができる。ま
た、参照化合物として、会合能の低いクロロフィル系化
合物である化2に示す化合物を挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】また、本発明に於ける芯剤溶媒は、上記会
合性クロロフィル系色素を溶解又は分散させるものであ
り、1又は2種以上のものが芯剤溶媒として用いられ
る。芯剤溶媒として要求される特性は、不揮発性かつ水
に難溶性であって高沸点を有し、上記会合性クロロフィ
ル系色素の所定の会合度の会合体を形成し得るものであ
れば使用することができる。具体的には、n−トリデカ
ン、ドデカン、テトラデカン及びこれらの混合物から選
択される溶媒に、必要に応じて会合性クロロフィル系色
素の会合度及び溶解度を調整するための他の芯剤溶媒を
加えたものを挙げることができる。会合度及び溶解度を
調整するための溶媒は、芯剤溶媒として要求される特
性、即ち会合性クロロフィル系色素が壁剤に移行しない
ようするために加えられるものであり、上記会合性クロ
ロフィル系色素に対する溶解度が比較的高いものであ
る。また、会合度及び溶解度調整用の芯剤溶媒は、他の
芯剤溶媒と混合し得ることが必要である。
【0013】例えば、化1のクロロフィル系色素Iを会
合性クロロフィル系色素として用いる場合、n−トリデ
カンのみを芯剤溶媒として使用すると、クロロフィル系
色素Iはn−トリデカンに不溶であるため、マイクロカ
プセル化したときにこのクロロフィル系色素Iが芯剤溶
媒ではなく壁剤を構成するポリウレア樹脂に移行してし
まう。これを回避するために、n−トリデカン以外にク
ロロフィル系色素Iを溶解させるn−ヘキシルアルコー
ルを添加すると、芯剤溶媒中にクロロフィル系色素Iが
会合状態で存在するマイクロカプセルを得ることができ
る。
【0014】本発明のマイクロカプセルの製造方法で
は、芯剤溶液中に於ける会合性クロロフィル系色素の濃
度は、特に限定されるものではないが、会合性クロロフ
ィル系色素の会合度がエネルギー移動を起こし得る範囲
となる濃度であることが必要である。
【0015】本発明のマイクロカプセルの製造方法に於
いて、壁剤の原料として使用される多官能イソシアネー
トとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリック
ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート
等、さらには、上記多官能性イソシアネートのイソシア
ヌレート変性体、ビュレット変性体や、トリメチロール
プロパン、ヘキサントリオールのようなポリオールとの
付加物であるイソシアネートプレポリマー等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これらの多官能イソシアネートのなかでも、トリレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物
が、マイクロカプセルの機械的強度及び芯物質のカプセ
ル外への漏れ防止の観点から好ましい。
【0016】上記トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール以外のポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪
族ポリオール、キシリレングリコール等の芳香族ポリオ
ール、ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノー
ル、あるいはこれらの多価フェノールとアルキレンオキ
シドとの縮合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール等のポリオールプレポリマー等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0017】本発明に於いて、上記多官能イソシアネー
トを溶解させる揮発性溶媒としては、上記芯剤溶媒と混
合し得るものであることが必要である。また、後述する
乳化分散水溶液の沸点である100℃より低い沸点を有
していることが好ましい。具体的には、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素等を挙げることができ、これ
らの混合物も使用することができる。
【0018】本発明のマイクロカプセルの製造方法で
は、壁剤溶液中に於ける多官能イソシアネートの濃度
は、5〜10重量%で含まれているのが好ましい。多官
能イソシアネートの配合量がこの範囲を外れると、適度
な強度のカプセルが形成されないので好ましくない。
【0019】本発明の製造方法に於いては、上記の芯剤
溶液と壁剤溶液とは1:10〜1:30の容量比率で混
合される。この比率が上記の範囲を外れると、適正な強
度を有するマイクロカプセルを得ることができなくなる
ので好ましくない。
【0020】本発明のマイクロカプセルの製造方法で
は、上記の芯剤溶液と壁剤溶液は混合され、この混合溶
液は乳化剤及び分散剤を含有する乳化分散水溶液中に乳
化される。本発明の製造方法では、上記混合溶液の乳化
分散の初期の段階では均一なエマルションを形成してこ
れを維持することが必要であり、また、多官能イソシア
ネートの水との反応による樹脂化により、最終的にはサ
スペンションとなることから、適当な乳化剤と分散剤の
併用が重要である。ここで、O/Wエマルションの安定
性のみの観点からは、より乳化力の強い界面活性剤を用
いる方が有利である。しかし、乳化力のみを優先すれ
ば、最終的に壁剤の凝集が起こり、マイクロカプセルを
形成することができないこととなる。逆に、分散力を優
先すれば、数百μmφ以上の非常に大きなマイクロカプ
セルが形成され、適度な大きさである1μmφ程度のマ
イクロカプセル形成には至らない。以上のことから、本
発明の製造方法に於いては、乳化剤と分散剤のバランス
を調整することが、マイクロカプセルを生成させ、且
つ、適度な大きさのマイクロカプセルを生成させるとい
う観点から重要である。
【0021】本発明の製造方法では、乳化剤として、ア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の各種界面活
性剤を用いることができ、例えば、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル等のノニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルア
ンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、アルキルベタ
イン型、アルキルイミダゾリン型等の両性界面活性剤が
あげられる。
【0022】ノニオン性の乳化剤を使用する場合、安定
なO/Wエマルションを形成するために、HLB値(親
水性・親油性バランス、川上式:HLB=7+11.7
log([Mw]/[Mo])、ここで、[Mw]=界
面活性剤親水基の分子量,[Mo]=界面活性剤疎水基
の分子量)が8から15の乳化剤を使用することが好ま
しい。なかでも、HLBが約13.5のオクチルフェノ
ール−エチレンオキサイド付加物が、1μmφ程度から
百μmφ程度の適度な大きさの、適度な会合度の会合性
クロロフィル系色素を含有するマイクロカプセルを得る
ことができるという点で好ましい。
【0023】また、分散剤としては、アニオン性、カチ
オン性、ノニオン性、両性の各種水溶性高分子物質を用
いることができる。具体的には、上記アニオン性高分子
物質として、アラビアゴム、アルギン酸等の天然高分
子、カルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、
フタル化ゼラチン等の半合成高分子、カルボキシ変性ポ
リビニルアルコール、スチレンスルホン酸系重合体およ
び共重合体、無水マレイン酸系共重合体等の合成高分子
があげられる。また、上記カチオン性高分子物質として
は、カチオン化デンプン等があげられる。上記ノニオン
性高分子物質としては、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタン
ガム等があげられ、上記両性高分子物質としては、ゼラ
チンがあげられる。上記分散剤のうち、ゼラチンが、1
μmφ程度から百μmφ程度の適度な大きさ、即ち適度
な会合度のマイクロカプセルを得ることができるという
点で好ましい。
【0024】乳化剤と分散剤の上記乳化分散水溶液中に
於ける濃度は、それぞれ2〜6重量%及び1〜2重量%
であることが、安定なエマルションを得るうえで好まし
い。
【0025】本発明のマイクロカプセルは、上記の芯剤
溶液と壁剤溶液の混合溶液を乳化剤及び分散剤を含有す
る乳化分散水溶液中に乳化した後、揮発性溶媒を揮発さ
せることにより得られる。揮発性溶媒を揮発させると、
乳化物の界面に於いて多官能イソシアネートが水と反応
し、ポリウレア樹脂を生成することとなる。この生成し
たポリウレア樹脂が壁剤として殻部を形成し、本発明の
会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプセルが形成
されることになる。
【0026】上記芯剤溶液と壁剤溶液の混合溶液と、乳
化剤及び分散剤を含有する乳化分散水溶液との容量比率
は、1:10〜1:15の範囲であることが、安定なエ
マルションを得るうえで好ましい。
【0027】図1は、乳化剤と分散剤の選択により比較
的大きなマイクロカプセルを調製し、電子顕微鏡写真を
撮影したものである。図1から明らかなように、本発明
のマイクロカプセルの製造方法により、中空部を有する
マイクロカプセルが形成されていることが分かる。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
以下の実施例では、マイクロカプセルの壁剤を形成する
多官能イソシアネートとして、トリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンとの付加物(以下、「多官
能イソシアネート付加物」と略称する。)を用いた。
【0029】(実施例1)化1に示すクロロフィル系色
素Iの500μgを芯剤溶媒であるn−ヘキシルアルコ
ール5μlに溶解し、更に芯剤溶媒であるn−トリデカ
ンと混合し、最終的に0.5mlとして芯剤溶液とし
た。この芯剤溶液中、n−ヘキシルアルコールとn−ト
リデカンとの容量比は1:99である。これとは別に、
多官能イソシアネート付加物を揮発性溶媒であるCH2
Cl2に20重量%の濃度で溶解させた壁剤溶液を調製
した。前述の芯剤溶液をこの壁剤溶液の3mlと混合
し、25℃で5分間の穏やかな撹拌により、均一な混合
溶液を得た。
【0030】この混合溶液とは別に、乳化剤であるオク
チルフェノールEO付加物(HLB=13.5、Nacala
i Tesque製、試薬特級)の4重量%水溶液15mlと、
分散剤であるゼラチン(Nacalai Tesque製、試薬特級)
の1重量%水溶液15mlとを混合し、約5分間撹拌を
行い、乳化分散水溶液を得た。
【0031】この乳化分散水溶液を恒温槽中で40℃に
保ち、ホモブレンダーを利用したスクリュー羽根により
穏やかに撹拌しながら、25℃下で調製した上記混合溶
液を少量づつこの乳化分散水溶液中に滴下することによ
り、エマルション(O/W型)を得た。
【0032】滴下完了後、恒温槽の温度を維持して激し
く1時間撹拌することによりCH2Cl2を蒸発させ、そ
の後、恒温槽の温度を室温まで下げ、更に激しい撹拌を
12時間を継続し、壁剤を硬化させてO/Wエマルショ
ン状態からサスペンション状態へと変化させた。
【0033】撹拌を停止し、マイクロカプセルを含んだ
上記サスペンション水溶液の遠心分離を行い、水層とマ
イクロカプセル層を完全に分離した。この時点で上層の
水層は無色透明であり、マイクロカプセル層は最下層に
分離される。下層のマイクロカプセル層を分離し、数回
温水中で洗浄することにより表面に吸着したゼラチンを
除去した。
【0034】温水洗浄したマイクロカプセルは、静置又
は遠心分離することにより、マイクロカプセルの重量差
により任意のサイズに分離することが可能である。
【0035】図2は上記実施例1に於いて得られたサイ
ズ分離前のマイクロカプセルの電子顕微鏡写真であり、
図3は図2のマイクロカプセルを約1μmφのサイズに
分離したマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。こ
れらの図から、マイクロカプセルが生成していることを
確認することができる。
【0036】<クロロフィル系色素Iの存在の確認>上
記のように調整したマイクロカプセルに於いて、クロロ
フィル系色素Iの会合体がどの部分に存在するのか、具
体的には、クロロフィル系色素Iの会合体がマイクロカ
プセルの芯部に存在するのか、或いは殻部を構成する壁
剤中に存在するのかを確認するために、吸収スペクトル
及び蛍光スペクトルによる検討を行った。
【0037】実施例1では、芯剤溶媒としてn−トリデ
カン以外にn−ヘキシルアルコールを共存させている。
これは、化1のクロロフィル系色素Iが、芯剤物質のn
−トリデカンに不溶で、壁剤を溶解させるための揮発性
溶媒であるCH2Cl2に易溶であることから、このクロ
ロフィル系色素Iを溶解させるための補助溶媒としての
n−ヘキシルアルコールが必要となるためである。即
ち、n−ヘキシルアルコールが存在しない状態では、C
2Cl2中に溶解しているクロロフィル系色素Iは、C
2Cl2の蒸発及びイソシアネート化合物の硬化に伴い
マイクロカプセルの芯部のn−トリデカン中ではなく壁
剤中に取り込まれてしまうと考えられるからである。n
−ヘキシルアルコールの共存により、CH2Cl2相に溶
解しているクロロフィル系色素Iは、CH2Cl2の蒸発
に伴い、CH2Cl2より遙かに沸点の高いn−ヘキシル
アルコール相に再抽出されると考えられる。最終的に、
マイクロカプセルの芯部は、n−ヘキシルアルコール:
n−トリデカン=1:99の容量比の芯剤溶媒中に、会
合したクロロフィル系色素Iが存在する状態と推測され
る。
【0038】このような会合状態を確認するために、n
−ヘキシルアルコール及びn−トリデカンの芯剤溶液中
でのクロロフィル系色素Iの可視吸収スペクトルを測定
した。その結果を図5に示した。このスペクトルはクロ
ロフィル系色素Iの会合体によるものと考えられる。ま
た、クロロフィル系色素Iを含む実施例1のマイクロカ
プセルを水中で分散させたものについても、可視吸収ス
ペクトルの測定を試みた。しかし、マイクロカプセル内
に存在する微量のクロロフィル系色素Iを評価するには
散乱が大きく、その吸収スペクトルを確認することが困
難であった。
【0039】そこで、固体状態でも測定が容易な蛍光測
定を試みた。図6は乾燥状態のマイクロカプセルから得
られた蛍光スペクトルを示している。図6より、カプセ
ル中に存在するクロロフィル系色素Iの蛍光スペクトル
を確認することができる。しかしながら、660nm付
近に蛍光極大をもつ蛍光はクロロフィル系色素Iのモノ
マー状態と考えられ、クロロフィル系色素Iの自己会合
体に起因する明らかな蛍光極大を観察することができな
かった。これは、クロロフィル系色素Iの会合状態での
蛍光強度はモノマー状態でのそれに比べて極めて弱く、
観測し難いことに起因している。また、マイクロカプセ
ル内に存在するクロロフィル系色素Iの量から判断する
と、図6に示すクロロフィル系色素Iのモノマー状態の
蛍光の強度は明らかに小さく、このことから判断して、
実施例1のマイクロカプセルではクロロフィル系色素I
は会合体として芯部に存在していると考えられる。な
お、クロロフィル系色素Iが水溶液中に存在することは
その溶解度から判断して考えられない。また、マイクロ
カプセルの溶剤抽出を行なってもクロロフィル系色素I
を抽出することはできなかったので、クロロフィル系色
素Iが壁中に存在するとも考えることはできない。この
ことから、クロロフィル系色素Iはマイクロカプセルの
芯部に存在していると考えることができる。
【0040】(実施例2)実施例1に於いて、化1のク
ロロフィル系色素Iに代えて、化2のクロロフィル系色
素IIを等モル用いたことを除いて、実施例1と同様の
操作により、実施例2のマイクロカプセルを得た。
【0041】図4は上記実施例2に於いて得られたマイ
クロカプセルの電子顕微鏡写真である。この図から、マ
イクロカプセルが生成していることを確認することがで
きる。
【0042】<クロロフィル系色素IIの存在の確認>
実施例2のマイクロカプセルに於いてクロロフィル系色
素IIが芯剤溶媒中に存在するかどうかを確認するため
に、n−ヘキシルアルコール及びn−トリデカンの芯剤
溶液中でのクロロフィル系色素IIの蛍光スペクトルを
測定し、図7に示した。この蛍光スペクトルから、実施
例1のマイクロカプセルと同様に、実施例2のマイクロ
カプセルではクロロフィル系色素IIは芯部に存在して
いると考えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明の会合性クロロフィル系色素内包
マイクロカプセルの製造方法では、会合性クロロフィル
系色素を1又は2種以上の芯剤溶媒に溶解又は分散させ
た芯剤溶液と、多官能イソシアネートを揮発性溶媒に溶
解させた壁剤溶液との混合溶液を、乳化剤及び分散剤を
含有する乳化分散水溶液中に乳化した後、前記揮発性溶
媒が留去されるので、所定範囲の会合度で会合した会合
性クロロフィル系色素を内包したマイクロカプセルが得
られる。このマイクロカプセル内では、アンテナ色素と
同様に会合性クロロフィル系色素が会合した状態が保持
されている。従って、このマイクロカプセル内の会合し
た状態の会合性クロロフィル系色素は、吸収した光のエ
ネルギーを反応中心にエネルギー移動させる機能を果た
し得ると考えられる。従って、本発明のマイクロカプセ
ルによれば、光合成モデルの再現が可能となり、太陽光
の化学エネルギーや電気エネルギーへの変換を行う太陽
電池等への応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乳化剤と分散剤の選択により比較的大きなマイ
クロカプセルを調製して撮影した電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】図2は実施例1に於いて得られたサイズ分離前
のマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
【図3】図2のマイクロカプセルを約1μmφのサイズ
に分離したマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
【図4】上記実施例2に於いて得られたマイクロカプセ
ルの電子顕微鏡写真である。
【図5】n−ヘキシルアルコール及びn−トリデカンの
芯剤溶液中でのクロロフィル系色素Iの可視吸収スペク
トルを図5に示した。
【図6】乾燥状態のマイクロカプセルから得られた蛍光
スペクトルを示している。
【図7】n−ヘキシルアルコール及びn−トリデカンの
芯剤溶液中に於けるクロロフィル系色素IIの蛍光スペ
クトルを表すスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平綱 訓 京都府京都市中京区聚楽廻南町19−27 Fターム(参考) 4G005 AA01 AB14 AB17 BA02 BB06 BB08 BB24 DB06W DB27X DC02W DC15W DC16W DC46Y DC61W DD39Z DE08X EA09 5F051 AA14 5H032 AA06 AS10 AS16 EE16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 会合性クロロフィル系色素及び該会合性
    クロロフィル系色素を溶解又は分散させる1又は2種以
    上の芯剤溶媒を含有する芯剤溶液を調製するとともに、 多官能イソシアネート及び該多官能イソシアネートを溶
    解させる揮発性溶媒を含有する壁剤溶液を調製し、 前記芯剤溶液及び前記壁剤溶液の混合溶液を調製し、 該混合溶液を乳化剤及び分散剤を含有する乳化分散水溶
    液中に乳化した後、 前記揮発性溶媒を留去することを特徴とする会合性クロ
    ロフィル系色素内包マイクロカプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記揮発性溶媒の沸点が100℃以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の会合性クロロフィ
    ル系色素内包マイクロカプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記芯剤溶媒がn−ヘキシルアルコール
    及びn−トリデカンであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプ
    セルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記n−ヘキシルアルコールと前記n−
    トリデカンとの容量比が1:99であることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の会合性クロロフィル
    系色素内包マイクロカプセルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記乳化剤のHLB値が8〜15の範囲
    であり、前記分散剤がゼラチンであることを特徴とする
    請求項1乃至4の何れかに記載の会合性クロロフィル系
    色素内包マイクロカプセルの製造方法。
  6. 【請求項6】 会合性クロロフィル系色素及び該会合性
    クロロフィル系色素を溶解又は分散させる1又は2種以
    上の芯剤溶媒を含有する芯部と、該芯部を被覆するポリ
    ウレア樹脂を含有する殻部とを備えたことを特徴とする
    会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプセル。
  7. 【請求項7】 前記揮発性溶媒の沸点が100℃以下で
    あることを特徴とする請求項6記載の会合性クロロフィ
    ル系色素内包マイクロカプセル。
  8. 【請求項8】 前記芯剤溶媒がn−ヘキシルアルコール
    及びn−トリデカンであることを特徴とする請求項6又
    は7記載の会合性クロロフィル系色素内包マイクロカプ
    セル。
  9. 【請求項9】 前記n−ヘキシルアルコールと前記n−
    トリデカンとの容量比が1:99であることを特徴とす
    る請求項6乃至8の何れかに記載の会合性クロロフィル
    系色素内包マイクロカプセル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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