JP2002034514A - ホタテの卵巣・精巣の加工方法及び加工食品 - Google Patents
ホタテの卵巣・精巣の加工方法及び加工食品Info
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Abstract
は精巣を、美味で外観の良い加工食品、およびその加工
方法を提供する。これによりホタテ子の有効利用を図
り、環境保全に貢献し、新たな食文化を創出し、併せて
経済的価値を高めることを目的としている。 【解決手段】 生のホタテから採取した卵巣および/あ
るいは精巣に、調味料および/あるいは糖類を加えて漬
け、熟成することを特徴とするホタテの卵巣・精巣の加
工方法、これにさらに調味料を加えたホタテの卵巣・精
巣の加工方法、およびこれらの方法により製造したホタ
テの卵巣・精巣の加工食品から構成される。
Description
巣の加工方法及びその加工食品に関する。
下、総称して「ホタテ子」と略す)は、活貝様すなわち
生きているかあるいはそれに近い状態の高鮮度のものを
刺身で食したり、煮付けて食するケースは一部でみられ
る。またすり身に混合して練り製品とする提案〔特開平
6−90713号公報〕もあるが、それらの量はホタテ
全体の産出量から見れば1%にも満たず、ほとんどは廃
棄されているのが実状である。また、ホタテを殻ごとボ
イルしてから貝柱だけを商品とする「ボイルホタテ」の
副産物として一部ホタテ子が市場に出ている例がある
が、経済的効果を生み出さない程度の安い価格となって
いる。また、貝柱だけでなくホタテ子と耳とを除去せず
に残した「ボイルホタテ」製品もみられるが、その割合
は極めて少ない。このようにホタテ子の殆どは生産地で
廃棄されるのが実状であり、廃棄処分は経済的にもまた
環境保全の見地からも好ましくない。
ホタテ子を食塩で漬けるとホタテ子からヌルヌルとした
ゲル状物質が長期間にわたり流出し、味は生臭く、外観
も食品として不向きな印象を与えるものであった。この
ようにホタテ子そのものを加工食品として完成させる製
法はみあたらず、ホタテ子の大半は廃棄されていること
になる。
を、美味で外観の良い加工食品とすることによりホタテ
子の有効利用を図り、環境保全に貢献し、新たな食文化
を創出し、併せて経済的価値を高めることを目的として
いる。
子に調味料および/あるいは糖類を加えて漬けることに
より塩漬けでみられるようなゲル状物質の流出が少なく
抑えられ、かつヌルヌル感がなく、かつ生臭さも消える
ことを見出し本発明をなすに至った。
・精巣の加工方法は、生のホタテから採取した卵巣およ
び/あるいは精巣に、調味料および/あるいは糖類を加
えて漬け、熟成することを特徴とする。
工方法は、生のホタテから採取した卵巣および/あるい
は精巣に、調味料および/あるいは糖類を加えて漬け、
熟成し、さらに調味料を加えてなることを特徴とする。
発明であって、その糖類がソルビットであることを特徴
としている。
工食品は、請求項1、2又は3記載の方法により製造さ
れるものである。
説明する。
あるいは糖類を加えて漬け、それを熟成させるホタテ子
の加工方法、あるいはこれにさらに調味料を加えるホタ
テ子の加工方法であり、さらに該加工方法により製造し
たホタテ子の加工食品である。
類を加えて漬ける(前処理段階)。この段階で用いられ
る調味料は、例えば酢、味醂、酒、香辛料、麹などであ
り、塩、あるいは塩分が50%以上の調味料は不適当で
ある。糖類は、単糖類、多糖類などいずれでもよく、例
えばソルビット、トレハロース、ぶどう糖、果糖、マル
トース、みずあめ、砂糖、乳糖、マルトデキストリンな
どが挙げられる。これのうちソルビットが最も好ましく
使用される。調味料および/あるいは糖類の形態は特に
限定するものではないが、ホタテ子に均一に接触し味覚
がよくなること、処理に際し余分の水が入らないこと、
さらに作業性を考慮すると粉末状あるいは液状のものが
好ましい。
調味料、糖類の種類により異なり一律に決められない
が、例えばソルビットの場合には水切りしたホタテ子に
対し0.1〜100重量%、好ましくは1〜50重量
%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
テ子は、次いで熟成される(熟成段階)。熟成時間は、
熟成温度により変わるが、例えばマイナス5℃〜プラス
30℃の温度で5〜6時間置いて、冷暗所にて一昼夜程
度置く。熟成を行う過程で液がにじみ出るので、好まし
くは熟成の途中で随時水切りを行いつつ熟成するのがよ
い。にじみ出た液の分離は、ホタテ子を痛めないように
することが望まれ、具体的にはざる状の有孔容器を用い
るのがよい。熟成時間はこれより長く熟成しても特に弊
害がないが、過度な熟成は逆に味覚を悪くすることがあ
る。また、にじみ出た液の中に必要以上に長時間置くこ
とは、生臭さを残し味覚を悪くする原因となることがあ
る。この段階を終了したホタテ子を容器に詰めて出荷す
ることもあり、さらに次の調味段階を加えてから出荷す
ることもある。熟成段階で製品化された製品は、消費者
がそれぞれの好みにより味付けをして食することとな
る。
調味料を加える(調味段階)。このとき調味料は、その
形態に応じてまぶす、浸す、注入する、圧入するなどの
手段で加えられる。また漬ける前に少量の水あるいは調
味料を含んだ水で軽くすすいでも良い。調味料の種類、
量は味覚の観点から選ばれるものであり、本発明で規定
するものではないが、水産加工品用の調味料として従来
から公知のものを単独で、あるいは複数組み合せて適宜
使用できる。ここに加えられる調味料は、例えば塩、醤
油、酢、味醂、酒、味噌、香辛料、うまみ調味料、甘味
料、麹などが挙げられる。また、調味料にはさらに胡
麻、昆布等の風味や食感の良い食材を添加しても良い。
調味段階での温度は、本発明で限定するものではない
が、例えばマイナス5℃〜プラス120℃で任意に選ば
れる。
められ、出荷される。熟成段階で出荷される製品、およ
び調味段階を経て出荷される製品は、後者の場合は調味
段階の処理条件にも依るが、常温では日持ちが悪いの
で、冷凍状態で保管するのが望ましい。
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
した。 (1)生のホタテ貝から身を採り、身を耳、貝柱、ホタ
テ子に分類した。 (2)ホタテ子を清水で洗い、ざるに載せ水切りした。 (3)ホタテ子を大きさに応じて適宜2〜3つに切り分
けた。 (4)粉末ソルビットを水切りしたホタテ子に対し10
重量%の割合でまぶし混合し、途中水切りをしながら6
時間漬けた。(前処理段階) (5)上記ホタテ子から余分な水分を除去した後、0℃
にて一昼夜熟成させた。(熟成段階)。 (6)熟成したホタテ子に、塩、味醂、香辛料、甘味料
からなる調味料を加え、混合して約二昼夜漬した(調味
段階)。 (7)容器に詰め冷凍状態で保管、出荷した。
子は、内部から液分が滲み出すと同時に糖類、調味料の
成分が内部に浸透して、いわゆる「しめる」あるいは
「漬ける」状態になり、味と保存性とが向上した。ま
た、ゲル状物質の流出は、食塩で漬けたときのように長
期間にわたることがなく、一定量に抑えられ、かつ漬け
た後の外観は非常に良好であった。
タテ子を簡便に加工でき、美味で外観の良いホタテ子の
加工食品が得られる。これにより、ホタテ子に経済的付
加価値を与えると共に、新たな食文化を創出するばかり
でなく、環境保全にも貢献でき、その意義は大きい。
Claims (4)
- 【請求項1】 生のホタテから採取した卵巣および/あ
るいは精巣に、調味料および/あるいは糖類を加えて漬
け、熟成することを特徴とするホタテの卵巣・精巣の加
工方法。 - 【請求項2】 生のホタテから採取した卵巣および/あ
るいは精巣に、調味料および/あるいは糖類を加えて漬
け、熟成し、さらに調味料を加えてなることを特徴とす
るホタテの卵巣・精巣の加工方法。 - 【請求項3】 糖類がソルビットである請求項1又は2
記載のホタテの卵巣・精巣の加工方法。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の方法により製
造されるホタテの卵巣・精巣の加工食品。
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