JP2002033547A - 半導体集積化光素子 - Google Patents

半導体集積化光素子

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JP2002033547A
JP2002033547A JP2000217208A JP2000217208A JP2002033547A JP 2002033547 A JP2002033547 A JP 2002033547A JP 2000217208 A JP2000217208 A JP 2000217208A JP 2000217208 A JP2000217208 A JP 2000217208A JP 2002033547 A JP2002033547 A JP 2002033547A
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wavelength
integrated optical
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Masaaki Komori
正明 古森
Masahiro Aoki
雅博 青木
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範囲にわたる発振波長で高精度に所望の波長
を送信できる低コスト半導体集積化光素子を提供する。 【解決手段】歪量子井戸層と障壁層からなる歪多重量子
井戸構造の上部に、イオン注入プロセスを用いた際、イ
オンが通過する領域とイオンが通過しない領域をストラ
イプ状に設け、この歪多重量子井戸構造にイオンを注入
した後、アニールを施し、イオンが通過しない領域を光
導波路とした半導体集積化光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信用の半導体集
積化光素子に係り、特に高密度波長多重伝送用に好適な
半導体集積化光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】インターネットビジネスなどの発展に伴
い、伝送情報の大容量化は不可欠であり、情報伝送シス
テムとして高密度波長多重伝送システムの研究開発が活
発に行われている。
【0003】高密度波長多重伝送システムは、光ファイ
バ中に複数の異なる波長の信号光を伝播させ、情報伝送
量の大容量化を図る。しかしながら、光ファイバには伝
送に適さない波長領域が存在する。したがって、情報伝
送量の大容量化に伴い、伝送する波長数を増加させた場
合、上記波長領域の制限によって伝送波長は近接化す
る。
【0004】上記伝送波長の近接化は混信の原因となる
ので、混信を回避するために送信光源の発振波長の高精
度化が要求される。しかし、送信光源の波長仕様が厳し
くなると送信光源の作製歩留まりが低下するという課題
があった。
【0005】さらに、波長多重伝送システムでは、波長
資源の効果的な活用法の開発も鍵である。これに対し、
伝送可能な波長域の拡大を目的とした、光ファイバある
いは光アンプなどの研究開発もまた活発になされてい
る。
【0006】また、光通信網の拡大に伴い、高密度波長
多重伝送システムの開発では低コストおよび小型化の要
求も高まっている。これらの要求を満足するためには、
システムを構成する送信光源などの部品が集積化素子で
あることが望ましい。
【0007】半導体レーザアレイや変調器集積化半導体
レーザを作製するための半導体光素子の集積化プロセス
として、選択成長プロセスが一般的である。例えばアイ
トリプルイー・ジャーナル・オブ・カンタム・エレクト
ロニクス(IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONIC
S),VOL.29,NO.6,pp2088によれ
ば、選択成長プロセスを用いることにより半導体レーザ
と変調器を集積する技術が開示されている。
【0008】選択成長プロセスは、一回の成長で変調器
領域と半導体レーザ領域を形成する。この選択成長プロ
セスは、光導波路を結晶成長する前に、誘電材料からな
る選択成長マスクを局所的に蒸着する。これによって、
光導波路を結晶成長する際、成長に寄与する反応種は、
この選択成長マスク表面に吸着できず、選択成長マスク
の領域外に拡散する。この拡散によって、局所的に光導
波路の組成が変化する。上記組成変化を制御することに
よって、変調器と半導体レーザ部の光導波路、あるいは
異なる発振波長を有する複数の半導体レーザの活性層を
一括して形成できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなシステム
開発動向から、高密度波長多重伝送システムに用いる送
信光源は、第1に異なる発振波長を有する複数の半導体
レーザを集積し、このときの発振波長は広範囲にわたっ
ていること、第2にこの送信光源は高精度に所望の波長
を送信できる低コスト半導体集積化光素子であることが
要求される。
【0010】しかしながら、前述の選択成長プロセスな
どの集積化プロセスでは、以下の二つの理由から目的の
低コスト半導体集積化光素子の実現が困難であった。
【0011】その第1の理由は、同一の基板面内での反
応種の振る舞いを制御し、複数の光導波路を1回の選択
成長プロセスで形成する場合、結晶性の観点からすると
作製できる半導体レーザの発振波長の範囲に限界がある
ことである。
【0012】これを回避して作製する光導波路の波長範
囲を拡大するためには、複数回の選択成長プロセスを行
うというアプローチがある。それぞれの選択成長プロセ
スで作製する波長範囲に最適な選択成長マスク配置と結
晶成長条件を用いることによって、良好な結晶性を有す
る広い波長範囲の光導波路を集積できる。しかし、この
アプローチを用いた場合、選択成長マスクの蒸着プロセ
スと結晶成長プロセスの回数が増加する。このようなプ
ロセス回数の増加は面内の構造ばらつきの悪化またはロ
ットアウトといった問題を伴う。
【0013】第2の理由は、プロセスの安定性に関する
問題である。この選択成長プロセスでは選択成長マスク
の影響を利用するため、例えば選択成長マスク表面にお
いて、ごみなどの影響によって、反応種の吸着率が変化
した場合、反応種の挙動は敏感に変化する。さらに、反
応種の振る舞いを利用するため、ラン・トゥ・ラン(r
un to run)の結晶成長雰囲気の変化が作製ば
らつきを増長する。
【0014】以上の理由から、従来の集積化プロセスで
は、広範囲および高精度の発振波長を有する低コスト半
導体光集積化素子の実現は困難であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、集積化プロセスにおいて以下のような条件が要
求される。
【0016】(1)プロセス回数が少ない。
【0017】(2)作製構造の面内均一性が高い。
【0018】(3)集積化プロセスにおけるラン・トゥ
・ランのばらつきが小さい。
【0019】本発明では、これらの要求を満たす新規な
集積化プロセスを発案した。以下、本発明の集積化プロ
セスの手順を記述する。
【0020】図1は本発明のプロセスの説明図である。
はじめにInP基板1上に通常の成長方法で光導波路と
なる歪多重量子井戸層2を成長する(a)。次に注入イ
オンを通過させないイオン注入遮断マスク3をストライ
プ状に設ける。このイオン注入遮断マスク3は半導体レ
ーザ領域4と変調器領域5においてストライプ幅6、
7、8、9が異なっている(b)。このとき、半導体レ
ーザ領域4のストライプ幅6、7は、変調器領域5のス
トライプ幅8、9より大きい。
【0021】この後、電気的な分離を図るため鉄イオン
を注入し、アニールする。次に電流狭窄層10および上
側クラッド層11を結晶成長により形成する(cおよび
d)。最後に電極蒸着等を行い、半導体集積化光素子を
完成する(e)。
【0022】以上までの集積化プロセスによって、それ
ぞれのイオン注入遮断マスク3の下部に位置する光導波
路の波長は異なった値となる。結果として、集積化され
た半導体レーザの送信光源12、13の波長は異なる。
以上により高精度に波長を制御した半導体集積化光素子
を実現できる。
【0023】波長の広範囲化プロセスの手順に関して、
図2を用いて説明する。はじめにInP基板14上に第
1の歪多重量子井戸層15を成長する(a)。次に第1
の歪多重量子井戸層15の一部に誘電材料であるSiO
2膜16を蒸着する(b)。次にSiO2膜16に覆われ
ていない領域の歪多重量子井戸層15をエッチングによ
り除去する(c)。
【0024】次に第1の歪多重量子井戸層15に比べて
少なくとも50nm以上の波長差を有する第2の歪多重
量子井戸層17を順次結晶成長する(d)。次に前記部
分的に形成したSiO2膜16を除去する(e)。さら
に、幅18、19、20、21の異なるイオン注入遮断
マスク22を一括して蒸着する(f)。
【0025】この後、図1により説明した電気的な分離
を図るため鉄イオン注入、アニール、電流狭窄層および
上側クラッド層形成および電極蒸着等を行うことによっ
て、広範囲および高精度に波長を制御した半導体集積化
光素子が形成できる。
【0026】ここで、上記の波長制御に関して行った基
礎実験について説明する。図3は本発明の原理を説明す
るため実験方法の説明図である。フォトルミネッセンス
発光波長が1.53μmである歪多重量子井戸層23の
上に、幅の異なるストライプ状のイオン注入遮断マスク
24を並列に配置した。この時の幅は1〜40μmであ
る。この後、鉄イオンを注入した。この時のイオン注入
条件は、加速電圧80keV、ドーズ量1×1013/c
2である。この後、イオン注入遮断マスク24を除去
し、アニールした。このときのアニール温度は、787
℃である。
【0027】図4は各イオン注入遮断マスクが位置して
いたイオン未注入領域25を顕微フォトルミネッセンス
により評価した結果である。図4から、イオン注入遮断
マスク24の幅が約5μm以下の領域ではマスク幅の低
減に伴い発光波長が短波長化していることがわかる。つ
まり、イオン注入遮断マスク24の幅の変化のみで、光
導波路の発光波長を制御できることが判明した。
【0028】この光導波路領域における発光波長の短波
長化は、界面無秩序化に起因するものとの推測される。
界面無秩序化とは、歪多重量子井戸層の量子井戸層と障
壁層の界面元素が移動することにより、歪多重量子井戸
層の発光波長が変化する現象である。
【0029】界面無秩序化を起こす通常の方法は、はじ
めに歪多重量子井戸層にイオンを注入し、結晶欠陥を構
造中に発生させ、この後アニールを行い結晶性を回復さ
せるという方法が採られる。上記アニールの際に結晶欠
陥が移動し、同時に界面元素も移動する。
【0030】これに対して前述の基礎実験では直接には
イオン注入をしていない歪多重量子井戸層の領域におい
て波長変化が確認された。この要因としてイオン注入プ
ロセスの際にイオンがイオン注入遮断マスクの下部にも
飛散したことが考えられるが、鉄元素が歪多重量子井戸
層に混入した場合には歪多重量子井戸層は発光しない。
上記基礎実験では歪多重量子井戸層の光学的特性の劣化
はみられなかった。これはイオン注入時に発生した結晶
欠陥のみが、アニールの際にイオン注入遮断マスク下部
まで進入し、界面無秩序化が横方向に進行したことを意
味する。
【0031】そして本発明のように、並列させたストラ
イプ状のイオン注入遮断マスクの幅を各マスクごとに異
なる幅とすることにより、界面無秩序化の進行の度合い
が各導波路ごとに異なるものとなり、その結果として上
記マスク幅に対応して各領域での発光波長が変化したも
のと推測される。また、上記界面無秩序化による波長変
化の度合いはイオン注入条件によっても制御できる。し
たがって、波長の変化量に対するイオン注入遮断マスク
幅の制御において、寸法設計の融通性は高いといえる。
【0032】以上より、低コスト半導体集積化光素子の
実現のために、本発明の集積化プロセスを用いることに
より、以下の効果を得ることができる。
【0033】(1)本集積化プロセスに用いるイオン注
入プロセスは、高均一プロセスであり、面内の構造均一
化に対して有効である。
【0034】(2)イオン注入遮断マスクはフォトリソ
グラフにより容易かつ安定に幅を調整できる。本発明に
よればこの幅の制御のみで光導波路の波長を高精度に制
御できる。
【0035】(3)結晶成長し、作製した歪多重量子井
戸層の波長を評価した後でイオン注入遮断マスクを形成
できる。したがって、イオン注入遮断マスク幅を変更す
ることにより、所望の波長に向けた波長補正が可能とな
る。つまり、結晶成長雰囲気のラン・トゥ・ランのばら
つきに影響されない。
【0036】(4)搭載する半導体レーザの波長範囲を
拡大するために、複数回の結晶成長を行っても、イオン
注入遮断マスクの蒸着は1回である。したがって、プロ
セス回数は減少する。
【0037】以上のように、本発明の集積化プロセスを
用いることにより、広範囲にわたり、異なる発振波長を
有する半導体レーザを集積し、かつ高精度に所望の波長
を送信できる低コスト半導体集積化光素子を実現でき
る。また、上記集積化技術はInGaAsP系材料のみ
ならず、Al元素などの他元素を含む場合にも有効であ
ることはいうまでもない。さらに光変調器以外の、半導
体アンプなど複数の機能光素子を集積化する場合におい
ても有効である。
【0038】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明による高
精度発振波長半導体レーザアレイの一例を、図5を用い
て説明する。n型InP(キャリア濃度1×1018/c
3)基板26上に、n型InP(キャリア濃度1×1
18/cm3)バッファ層27を0.15μm成長した。
その後、n型InGaAsP(組成波長1.15μm、
無歪、キャリア濃度5×1017/cm3)下側ガイド層
28を、厚さ100nmで成長する。次に6nmのIn
GaAsP(組成波長1.70μm、圧縮歪量1.0
%)歪量子井戸層29と10nmのInGaAsP(組
成波長1.15μm、無歪)障壁層30との6周期構造
である歪多重量子井戸層を成長した。さらにInGaA
sP(組成波長1.15μm、無歪)上側ガイド層31
を50nm成長した。
【0039】次にこの上にSiO2膜を蒸着し、フォト
レジストをストライプ状に4本、パターンニングした。
このときのストライプ幅は1.8、1.9、2.0、
2.1μmである。さらに、このフォトレジストをマス
クとしてSiO2膜をエッチングした。この後、鉄イオ
ンを加速電圧80keV、イオン注入量1×1013/c
2でイオン注入を行なった。
【0040】フォトレジストを除去した後、再成長によ
り上記鉄ドープを行った膜厚0.6μmのInP電流狭
窄層32およびアンドープInGaAsP(組成波長
1.15μm、無歪)層33を順次成長した。この後、
活性層上に蒸着されているSiO2膜のマスクを除去
し、さらに結晶回復のためにアニ−ルを施した。このと
きのアニ−ル条件は、温度787℃であり、時間10分
とした。
【0041】次に厚さ1.3μmのベリリウムドープの
p型InP(キャリア濃度7×1017/cm3)クラッ
ド層34を再成長する。その後、高濃度InGaAs
(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層
35を厚さ0.2μm成長する。最後に、電極36を形
成し、へき開した後、前方および後方に反射膜を蒸着し
た。この結果、それぞれの発振波長は、1455、14
57、1459、1461nmであった。
【0042】本発明により、作製した光素子のプロセス
安定性と作製構造の均一性を改善させることができ、し
かも波長歩留まりが向上した。
【0043】(実施の形態2)図6を用いて本発明によ
る広範囲発振波長半導体レーザアレイの一例を説明す
る。n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)基
板37上に、n型InP(キャリア濃度1×1018/c
3)バッファ層38を0.15μm成長した。その後、
n型InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪、キ
ャリア濃度5×1017/cm3)下側ガイド層39を、
厚さ100nmで成長した。次に6nmのInGaAs
P(組成波長1.70μm、圧縮歪量1.0%)歪量子
井戸層40と10nmのInGaAsP(組成波長1.
15μm、無歪)障壁層41との6周期構造である第1
の歪多重量子井戸層42を成長した。さらにInGaA
sP(組成波長1.15μm、無歪)上側ガイド層43
を50nm成長した。
【0044】次に図2に説明した方法を用いて、第2の
歪多重量子井戸層44を設ける。この構造は、以下の手
順で成長した。はじめにn型InGaAsP(組成波長
1.15μm、無歪、キャリア濃度5×1017/c
3)下側ガイド層45を、厚さ100nmで成長す
る。次に6nmのInGaAsP(組成波長1.45μ
m、圧縮歪量1.0%)歪量子井戸層46と10nmの
InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)障壁層
47を6周期成長した。これによって、第2の歪多重量
子井戸層44が完成する。さらにInGaAsP(組成
波長1.15μm、無歪)上側ガイド層48を50nm
成長した。
【0045】その後、この上にSiO2膜を蒸着し、フ
ォトレジストをストライプ状に4本、パターンニングし
た。この時のストライプ幅は2.0、2.1、2.0、
2.1μmである。さらに、このフォトレジストをマス
クとしてSiO2膜をエッチングした。この後、加速電
圧80keV、イオン注入量1×1013/cm2で鉄イ
オンを注入した。
【0046】さらに、フォトレジストを除去した後、再
成長により鉄ドープを行った膜厚0.6μmの半絶縁性
のInP電流狭窄層49およびアンドープInGaAs
P(組成波長1.15μm、無歪)層50を順次成長し
た。
【0047】この後、活性層上に蒸着されているSiO
2膜のマスクを除去し、結晶回復のためにアニ−ルを施
した。このときのアニ−ル条件は温度787℃、10分
間とした。そして厚さ1.3μmのベリリウムドープの
p型InP(キャリア濃度7×1017/cm3)クラッ
ド層51を再成長した。その後、高濃度InGaAs
(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層
52を厚さ0.2μm成長し、電極53を形成した後、
へき開し、前方および後方に反射膜を蒸着した。この結
果、それぞれの発振波長は、1310、1312、14
60、1462nmであった。
【0048】本発明により、作製した光素子のプロセス
安定性と作製構造の均一性を改善させ、波長歩留まりが
向上した。
【0049】(実施の形態3)図7を用いて本発明によ
る変調器集積化半導体レーザの一例を説明する。n型I
nP(キャリア濃度1×1018/cm3)基板54上
に、n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)バ
ッファ層55を厚さ0.15μm成長した。その後、I
nGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)下側ガイ
ド層56を、厚さ100nmで成長した。
【0050】次に6nmのInGaAsP(組成波長
1.76μm、圧縮歪量1.0%)歪量子井戸層57と
10nmのInGaAsP(組成波長1.15μm、無
歪)障壁層58との6周期構造である歪多重量子井戸層
59を成長した。さらにInGaAsP(組成波長1.
15μm、無歪)上側ガイド層60を50nm成長した
(a)。
【0051】その後、この上にイオン注入遮断マスクと
なるSiO2膜61をストライプ状にパターンニングし
た(b)。この時のストライプ幅は2.0μmである。
さらに、フォトレジスト62をレーザ領域63に塗布し
た(c)。
【0052】この後、加速電圧80keV、イオン注入
量1×1013/cm2で鉄イオンを注入した。さらに、
フォトレジスト62を除去した後(d)、再成長により
鉄ドープを行った膜厚0.6μmのInP電流狭窄層6
4を成長した(e)。この後、活性層上に蒸着されてい
るSiO2膜61のマスクを除去し、結晶性回復のため
にアニ−ルを施した。このときのアニ−ル条件は、温度
787℃、10分間とした。
【0053】この後、導波路の上に回折格子構造65を
形成した。次に厚さ1.3μmのベリリウムドープのp
型InP(キャリア濃度7×1017/cm3)クラッド
層66を再成長した。その後、高濃度InGaAs(ド
ーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層67
を厚さ0.2μm成長した。
【0054】以上で、変調器集積化半導体レーザの基本
構造が完成した(f)。この時の送信波長は1.53μ
mであった。
【0055】本発明により、作製した光素子のプロセス
安定性と作製構造の均一性を改善させ、波長歩留まりが
向上した。
【0056】以上、本発明における集積化プロセスを用
いた、単体の変調器集積化半導体レーザの作製工程を示
した。本作製プロセスと、図2を用いて説明した方法を
用いることによって、広範囲な波長範囲を有する変調器
集積化半導体レーザアレイを実現できることは言うまで
もない。
【0057】
【発明の効果】本発明により、高密度波長多重伝送シス
テムに用いる送信光源において、以下の特徴を有する低
コスト半導体集積化光素子を提供できる。第1に、提供
される送信光源は、異なる発振波長を有する複数の半導
体レーザを搭載し、この時の発振波長は広範囲にわたっ
ている。第2に、送信光源に搭載された半導体レーザの
発振波長は、高精度に制御されている。これにより、高
密度波長多重伝送における単一チャンネルあたりの製造
コストを低減することが可能となり、システムの小型化
と低コスト化に対して有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体集積化光素子の製造プロセスを
示す要部斜視図。
【図2】本発明の半導体集積化光素子の製造プロセスを
示す要部斜視図。
【図3】本発明の原理および方法を説明するための断面
図。
【図4】本発明の原理を説明するために実験的に作成さ
れた光素子の特性図。
【図5】本発明の一実施例の半導体集積化光素子を示す
斜視図および部分拡大断面図。
【図6】本発明の一実施例の半導体集積化光素子を示す
斜視図および部分拡大断面図。
【図7】本発明の一実施例の変調器集積化半導体レーザ
の製造プロセスを示す要部斜視図。
【符号の説明】
1,14,26,37,54…InP基板、2,23,
59…歪多重量子井戸層、3,22,24…イオン注入
遮断マスク、4,63…半導体レーザ領域、5…変調器
領域、6,7,8,9,18,19,20,21…スト
ライプ幅、10…電流狭窄層、11…上側クラッド層、
12,13…送信光、15,42…第1の歪多重量子井
戸層、16,61…SiO2膜、17,44…第2の歪
多重量子井戸層、25…イオン未注入領域、27,3
8,55…n型InPバッファー層、28,39,4
5,56…InGaAsP下側ガイド層、29,40,
46,57…歪量子井戸層、30,41,47,58…
障壁層、31,43,48,60…InGaAsP上側
ガイド層、32,49,64…鉄ドープInP電流狭窄
層、33,50…アンドープInGaAsP層、34,
51,66…上側p型InPクラッド層、35,52,
67…p型InGaAsコンタクト層、36,53…電
極、62…フォトレジスト、65…回折格子構造。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 KA03 MA07 PA03 PA05 PA06 PA24 QA02 RA08 TA05 TA44 5F073 AA45 AA74 AB06 AB21 BA02 CA12 CB19 DA14 DA16 DA35 EA04 EA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歪量子井戸層と障壁層からなる歪多重量子
    井戸層の上部に、イオンが通過する領域とイオンが通過
    しないイオン注入遮断領域を設け、イオンを注入した後
    アニールを施し、上記歪多重量子井戸層のイオン注入遮
    断領域を光導波路とすることを特徴とする半導体集積化
    光素子。
  2. 【請求項2】請求項1の半導体集積化光素子において、
    イオン注入遮断領域はストライプ状であり、少なくとも
    2つ以上が並列に配置されていることを特徴とする半導
    体集積化光素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の半導体集積化光素
    子において、注入するイオンは、鉄または酸素のいずれ
    かが含まれていることを特徴とした半導体集積化光素
    子。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか記載の半導体
    集積化光素子において、隣接するイオン注入遮断領域の
    幅が異なることを特徴とする半導体集積化光素子。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか記載の半導体
    集積化光素子において、ストライプ状のイオン注入遮断
    領域の幅が部分的に異なっていることを特徴とする半導
    体集積化光素子。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか記載の半導体
    集積化光素子に形成された光導波路によって、半導体レ
    ーザ、光変調器、およびビーム拡大器のいずれかの組み
    合わせで、それらの少なくとも2つ以上が集積されてい
    ることを特徴とする半導体集積化光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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