JP3927341B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、単一モード発振の半導体レーザ装置に関するものである。本願発明の半導体レーザ装置は光通信用に用いて有用である。
【0002】
【従来の技術】
将来、高速大容量な情報を伝送できる光通信網は、従来の幹線系通信から各家庭にまで深く浸透する。さらに、インターネットの普及及び発展に伴い、家庭への送受信データのさらなる大容量化は必須である。特に、伝送容量の増大に伴い発振波長の高精度制御は不可欠である。従って、これまでの単一モード発振半導体レーザ装置を安価かつ高性能に作製することが、今後の素子開発の鍵となる。
【0003】
そして、現在、この半導体レーザ装置の単一モード発振を実現するために、半導体レーザ装置の光導波路層(例えば、活性層)に回折格子を用いる。この半導体レーザ装置の内部に埋め込まれた回折格子は、導波路中の伝播光に影響する。この結果として、半導体レーザ装置の発振波長は、所望の単一モード波長に選択される。この時、形成する回折格子の周期性は、導波波長を屈折率で割った半分の値に設定する。これにより、単一モード発振の半導体レーザ装置の発振波長に対応した回折格子のブラック波長が決定できる。
【0004】
現在までに、この単一モード発振の半導体レーザ装置の素子特性を向上させるために、次のような半導体レーザ装置の提案がなされている。即ち、それらは、均一回折格子型分布帰還半導体レーザ装置や、マルチ位相シフト型、ピッチ変調λ/4シフト型などの位相シフト型分布帰還半導体レーザ装置等である。
【0005】
尚、こうした回折格子を用いたレーザ装置での結晶成長に関しては、例えばS.Lourdudoss et al.、J of Crystal Growth、vol.154、pp410、1995、“Iron doped GaInP for selective regrowth around GaAs mesas”などに見られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、単一縦モード発振の半導体レーザ装置における素子設計の自由度を拡大し、且つ従来の検討で用いられてきた位相シフト型の回折格子と同等あるいはそれ以上の効果が得られる構造を提案せんとするものである。更には、本願発明では作製スループットの高い均一回折格子構造を用いるものである。
【0007】
本願発明は、光通信用送信光源に用いる発振波長が1.3μm帯及び1.55μm帯の単一モード発振半導体レーザ装置の高性能化を実現することが出来る。
【0008】
一般的な単一モード発振半導体レーザ装置の諸難点を以下に列挙する。
【0009】
その第1は、回折格子を用いることによって発生する2モード発振の抑制と、端面での回折格子の乱れに基づく発振波長の不確定性である。
【0010】
第2は、前記発振波長の不確定性を回避するために用いる、いわゆるλ/4シフト型半導体レーザ装置の製造工程の複雑さと、これに基づく製造上のスループットの低下である。
【0011】
第3は、上述したそれぞれの問題を回避するために、例えばkLなどの素子パラメータを調整した単一モード発振半導体レーザ装置の提案があるが、こうした素子設計の複雑さと設計の自由度の狭いことである。
【0012】
第4は、近年の活性層への歪の導入と、これに伴う回折格子の製造上の難点である。
【0013】
こうした、諸難点に対する更に詳細な説明は、本願発明の効用と共に後述される。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明の主な形態を以下に列挙する。
【0015】
本願発明の第1の形態は、活性層と、当該活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造を有することを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0016】
本願発明の第2の形態は、歪多重量子井戸活性層と、当該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が回折格子領域を有することを特徴とする半導体レーザ装置である。あるいは、それは、歪多重量子井戸活性層と、当該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造を有する半導体レーザ装置である。
【0017】
本願発明の第3の形態は、歪多重量子井戸活性層と、当該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造を有し、単一縦モードで発振することを特徴とする半導体レーザ装置である。前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域の屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造がいわゆる回折格子を構成するのが、実際的構造である。
【0018】
本願発明の第4の形態は、歪多重量子井戸活性層と、当該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、前記歪多重量子井戸活性層の有する歪量子井戸層は圧縮歪量が1.0%〜1.7%であり、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造を有することを特徴とする半導体レーザ装置である。前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域の屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造がいわゆる回折格子を構成するのが、実際的構造であることは前述した形態の場合と同様である。又、このことは以下に例示する形態においても同様である。
【0019】
尚、本願に係わる歪多重量子井戸活性層については、後述される。
【0020】
本願発明の第5の形態は、歪多重量子井戸活性層と、当該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域とを有し、前記歪多重量子井戸活性層の有する歪量子井戸層は圧縮歪量が1.0%〜1.7%であり、前記歪多重量子井戸活性層の障壁層の引っ張り歪量が0%〜0.5%であり、且つ前記光閉じ込め領域または電流狭窄領域が屈折率が周期的に変化した構造、或いはレーザの利得を周期的に変化した構造を有することを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0021】
本願発明の第6の形態は、前述の半導体レーザ装置において、活性層幅は0.5μm〜2.7μmであることを特徴とする半導体レーザ装置である。当該活性層幅は極めて実際的な形態である。
【0022】
以下に例示する形態は、本願発明の半導体レーザ装置の活性層の側面に形成する周期的構造の諸形態の主なものを列挙するものである。
【0023】
本願発明の第7の形態は、前述の半導体レーザ装置において、活性層の側面に形成される回折格子は、周期的な導電率の変化領域あることを特徴とする半導体レーザ装置である。界面無秩序化は、鉄、シリコン、ベリリウムなどのイオンを注入することによるのが実際的である。
【0024】
本願発明の第8の形態は、前記第7の形態の半導体レーザ装置において、活性層の側面に形成される回折格子は、超格子層構造であり、界面無秩序化を行なった周期的な屈折率の変化領域であることを特徴とする半導体レーザ装置である。界面無秩序化は、鉄、シリコン、ベリリウムなどのイオンを注入することによるのが実際的である。
【0025】
本願発明の第9の形態は、前述の半導体レーザ装置において、活性層の側面へ形成した回折格子を、再成長することにより埋め込む多元素化合物の半導体材料は、基板面内での材料組成が、部分的に異なっていることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0026】
本願発明の第10の形態は、前述の半導体レーザ装置において、活性層の側壁へ形成した回折格子領域は、基板面内で歪多重量子井戸活性層に対し平行方向に接しており、かつ歪多重量子井戸構造に対し垂直方向の長さが連続的に異なっていることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0027】
以下に上述した本願発明の骨子について説明する。
【0028】
本願発明は、均一回折格子構造を有する単一モード発振レーザ装置構造である。
【0029】
本願発明の構造の基本思想は、従来の埋め込み型半導体レーザ装置の活性層の横に位置する電流狭窄層及び光閉じ込め層に、回折格子、わけても均一回折格子を形成するものである。この位置に回折格子を形成することによって、キャリアの注入経路に、回折格子は存在しない。従って、例えばマルチカンタムバリアなどキャリアの注入及びオーバフローに対し有効となるガイド層構造を、容易に設けることができる。すなわち、回折格子の存在を考慮せずに、効果的にガイド層及びクラッド層の構造が設計できる。また、活性層の下側に回折格子を形成する必要がないため、歪多重量子井戸活性層には、結晶性を損わず効果的に、臨界膜厚がゆるす範囲内で最大の歪量が導入できる。
【0030】
図1は、本願発明の代表的な原理図である。活性層50の側面51、52に、回折格子53、54を有する光閉じ込め層55、56を作成する。この回折格子53、54により形成される周期的な屈折率変調は、活性層50の側壁からの光の漏れ55を周期的に変化させる。図中56は当該半導体レーザ装置の導波光を示す。図1の下段は、これらの回折格子とこれに伴う光強度の分布57を模式的に示したものである。こうした構成によって、単一モード発振が可能となる。即ち、本構造によって、従来の単一モード発振半導体レーザ装置と同様の効果が得られるからである。
【0031】
次に均一回折格子型で問題となる2モード発振では、この均一回折格子を埋め込む際、面内組成、或いは回折格子領域の面積を制御し、活性層側壁からの光の漏れ量を面内で変化させる。この光の漏れ量の分布が、共振器長の方向で変化することによって、側面回折波と端面反射波により形成される定在波は固定される。
【0032】
さらに、端面での回折格子位相よる発振波長の不確定性は、回折格子領域における光の漏れ量を、出射端に向かい連続的に増加させることにより低減できる。
【0033】
光の漏れ量の増加は、回折格子の効果が消滅する方向にある。これによって、端面での回折格子位相の影響は低減する。特に、高反射化に伴うばらつきの抑制には効果的である。また、連続的に変化する光の漏れ量が、最小となる位置を光の出射端側の近傍に設定することにより、効果的に光を取り出すことができる。これは、共振器内部で形成される光強度分布のすそのが高い段階で、光を放射できるためである。
【0034】
特に本構造では、単一モード発振半導体レーザ装置の内部に2領域の回折格子領域が存在する。すなわち、一方の回折格子領域により形成される光強度分布と独立して、他方の回折格子領域の光強度分布が制御できる。これにより、上記の光強度分布形状と分布のすそのを容易に設定できる。従って、位相シフト型に見られる縦方向空間的ホールバーニングの対策は容易となる。
【0035】
一般的な屈折率変調の構造において、光共振器の光学特性は戻り光に対する耐性は弱い。これに対し本構造では、この欠点を補うことができる。以下、その詳細を説明する。
【0036】
本構造では、活性層と回折格子領域は独立している。すなわち、利得結合型のように、半導体レーザ装置中の電流経路に、導電率の周期的な変調領域は存在しない。この為、レーザ発光に必要なキャリアを効果的に活性層へ注入できる。つまり、単一モード発振設計に必要な利得結合部の設計、及びレーザ特性向上に必要な光ガイド層構造設計は、独立し、かつ設計の自由度は拡大する。
【0037】
これを実現するために、例えば、上記の回折格子領域に、半絶縁性の元素、或いはドーパント元素をイオン注入する。半導体レーザ装置中のキャリアは、周期的にイオンを打ち込まれた微少領域のうち導電率の高い領域のみを介し、活性層側壁から活性層内部に注入される。これにより、活性層へのキャリア注入分布は周期的に変調される。また、この電流狭窄領域を超格子層とすることにより、界面無秩序化を促し発光波長を制御できる。界面無秩序化では、結晶成長した歪多重量子井戸層に、イオンを注入する。この時、歪多重量子井戸層内には、結晶欠陥が誘起される。その後、熱処理を施し結晶性の回復を図る。この過程で、歪量子井戸層と障壁層の界面原子が移動し、バンドギャップ波長は短波長化する。すなわち、誘起される結晶欠陥の量により波長変化量は制御される。これにより、周期的な導電率と屈折率の変化領域が作製でき、利得結合と屈折率結合の両方の効果を単一モード発振半導体レーザ装置に導入することができる。そして、この利得結合の効果は、戻り光に対する耐性の強化を促す。
【0038】
更に、本願発明の構造は、分布帰還型の半導体レーザ装置でありながら、分布反射型のメリットを有している。例えば、最も大きな点は、回折格子領域と活性層領域が独立した構造である。この結果、波長可変型の半導体レーザ装置を作製する際に有効である。
【0039】
また上記効果は、InGaAsP系材料のみならず、Al元素などの他元素を含む場合など他の化合物半導体材料にも、有効であることはいうまでもない。このように、本願発明はIII−V族化合物半導体材料、あるいはII−VI族化合物半導体材料を用いた半導体レーザ装置に適用可能である。
【0040】
更に、半導体レーザ装置において、とりわけ単一モードで発振する均一回折格子分布帰還型の光通信用半導体レーザにおいて、歪多重量子井戸活性層を用いることが多用される。より、実際的には、圧縮歪量が1.0%〜1.7%である歪量子井戸層と障壁層が交互に周期積層された歪量子井戸構造が有用である。
【0041】
そして、この場合、圧縮歪量が1.0%〜1.7%である歪量子井戸層と引っ張り歪量が0%〜0.5%である障壁層からなり、該歪多重量子井戸活性層の側面に形成された光閉じ込め領域または電流狭窄領域は、屈折率が周期的に変化した構造、或いは半導体レーザ装置の利得を周期的に変化させる構造を用いるのが実用上、有用である。通例、前記歪量子井戸層と障壁層とは、交互に5周期〜10周期程度積層されている。
【0042】
近年、レーザの低しきい値化、高出力化及び高温動作特性の改善を目的とし、多数の研究機関において、活性層(光導波路)のバンドエンジニアリングが検討されている。特に、活性層への歪導入は、半導体光素子の製品設計において欠かせない技術である。活性層への歪導入は、オージェ再結合の低減や発光半値幅の狭幅化に寄与する。これにより、半導体レーザのしきい値は低減する。さらにこれは、光学利得の向上から高出力化に寄与する。導波路への歪導入の効果は、半導体レーザに限らない。例えば、光変調器に注目すると、歪量の増加は周波数特性及び波長吸収プロファイルの狭幅化による消光特性の向上に寄与する。また、歪を導入することにより、状態密度が低減することから、吸収端の影響が抑制できる。これにより、光導波路の光損失が抑制される。その他、光アンプの場合においても、光導波路の歪導入は、光学利得の向上及び光損失の低減から高性能化を促す。
【0043】
これまで、本願発明の諸形態を列挙、説明してきたが、以下に本願発明が解決し得る諸問題をまとめて説明する。
【0044】
単一モード発振半導体レーザ装置を均一回折格子構造により作製した場合、発振した半導体レーザ装置の内部では、端面反射と回折格子の反射が存在する。従って、レーザ装置の両端面が対称的な無反射膜である場合、半導体レーザ装置はブラックピーク波長を挟む2モードで発振する。これを抑制するために、非対称反射膜をレーザ装置端面に形成する。但し、非対称反射膜を形成した場合、端面での回折格子の位相が制御できないため、発振波長に不確定性が生じる。
【0045】
この不確定性に対し、両端面を無反射とし、位相シフト量を制御したλ/4シフト型半導体レーザ装置が有効である。ただし、位相シフト領域の存在により、共振器内部で注入キャリア分布は不均一化する。この不均一化により、軸方向での空間的ホールバーニングが生じる。空間的ホールバーニングが発生した際、ブラック波長は、光強度分布に応じ空間的に変調される。結果として、位相シフト量は空間的に変化し、さらに動的単一モード動作の劣化やしきい値は上昇する。また、この位相シフト型のレーザ装置では、均一回折格子構造を用いた半導体レーザ装置の作製工程に比べ、作製スループットは低減する。
【0046】
これまでに、単一モード発振半導体レーザ装置の素子設計では、上記に記述したそれぞれの問題を回避するために、例えばkLなどの素子パラメータを調整していた。一方で、kL等は単一モード発振半導体レーザ装置の特性を決定づける重要なパラメータである。つまり、単一モード発振半導体レーザ装置の素子設計では、回折波と端面反射波との相互作用を考慮した設計パラメータのトレードオフが存在する。このトレードオフは、単一モード発振半導体レーザ装置の素子特性を効果的かつ最大限にまで向上させるための妨げとなる。さらに、このトレードオフは、素子歩留まりにまで影響する。これは、単一モード発振半導体レーザ装置の歩留まりが、作製方法と素子構成に大きく依存するためである。言い換えると、上記のトレードオフは、素子設計を複雑化させ、素子設計の自由度を狭めている。
【0047】
また単一モード発振以外の半導体レーザ装置の基本性能は、活性層周辺の構造に大きく依存する。分布帰還型半導体レーザ装置において、導波光のブラック反射を促す回折格子構造は、キャリアの注入経路に存在し、さらに活性層に極めて接近する。これは、キャリアの注入効率及び光の閉じ込め係数を決定付ける光ガイド層構造の設計に対し障害となる。特に回折格子構造が、正孔キャリアの注入側に存在する場合、この影響は顕著である。
【0048】
また近年では、レーザ装置の低しきい値化、高出力化及び高温動作特性の改善を目的とし、多数の研究機関において、活性層のバンドエンジニアリングが検討されている。特に、活性層への歪導入は、半導体光素子の製品設計において欠かせない技術である。活性層への歪導入は、オージェ再結合の低減や発光半値幅の狭幅化に寄与する。これにより、半導体レーザ装置のしきい値は低減する。さらに微分利得の向上など、周波数特性の改善にも寄与する。一方、活性層の下側に回折格子を形成する際、凹凸形状を有する表面上に活性層結晶を成長しなければならない。この回折格子上に成長した活性層の結晶性は、従来の平面上へ成長した活性層に比べ劣る(回折格子表面では、表面原子レベルで凹凸が激しく、結晶成長において理想的な2次元成長が困難となる)。これに伴い、回折格子上への歪系活性層の成長において、歪の印加は困難となる。これは、回折格子上に成長した結晶に内在する欠陥核が、臨界膜厚超過時に発生する点欠陥となりやすくなるためである。前述のとおり、活性層への歪結晶の導入は、半導体光素子の製品設計において欠かせない技術である。しかし上記の理由により、多重量子井戸層に導入する歪量は、下側回折格子の存在により制約される。この歪量の低下は、光素子特性の向上に対し大きな障害となる。
【0049】
本願発明はこうした諸問題に対応することが可能なのである。
【0050】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本願発明による単一モード発振半導体レーザ装置の代表的な例を図2に示す。図2はその斜視図である。
【0051】
n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)基板1上に、n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)バッファ層2を0.15μm成長した。その後、n型InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪、キャリア濃度1×1018/cm3)の下側ガイド層3を、厚さ100nmで成長する。
【0052】
次に、10nmのInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)障壁層と6nmのInGaAsP(組成波長1.76μm、圧縮歪量1.2%) 歪量子井戸層が6周期構造である歪多重量子井戸導波路構造4を成長する。さらにInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)上側ガイド層5を50nm成長し、P型InP(キャリア濃度4×1017/cm3)層6を100nm成長した。その後、幅1.2μmのSIN(Silicon Nitrid)膜をストライプ状に蒸着する。このSIN膜をマスク領域として、下側ガイド層まで、すべて選択エッチングにより除去する。この後に、再成長によりアンドープInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)光閉じ込め層7を選択的に、150nmの厚さで再成長する。さらに、この光閉じ込め領域7のみに、周知の2光束干渉露光法により、回折格子構造を加工する。この上に、再成長により鉄ドープを行った半絶縁性のInP層8を膜厚0.3μmに成長する。
【0053】
この後、活性層となるメサ上に蒸着されているSIN膜のマスクを除去し、厚さ1.3μmのベリリウムドープのP型InP(キャリア濃度2×1018/cm3)クラッド層9を再成長する。その後、高濃度P型InGaAs(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層10を厚さ0.2μm成長する。その後、電極11形成を行い、共振器長250μmにへき開した後、前方及び後方に反射膜を蒸着した。
【0054】
作製した単一モード発振レーザ装置のしきい値は4mAであった。さらに副モード抑圧比は、32dBであった。
【0055】
実施の形態2
本願発明による単一モード発振半導体レーザ装置の例を図3に示す。図3はその斜視図である。本例では回折格子17の形成方法が前述の例と異にし、更に半絶縁性を持たせた半導体材料領域20の形成をプロトン打ち込みを用いた例である。
【0056】
n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)基板12上に、n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)バッファ層13を0.15μm成長した。その後、n型InGaAsP(組成波長1.15μ、無歪、キャリア濃度1×1018/cm3)下側ガイド層14を、厚さ100nmで成長する。次に、10nmのn型InGaAsP(キャリア濃度1×1018/cm3、組成波長1.15μm、無歪)障壁層と6nmのInGaAsP(組成波長1.76μm、圧縮歪量1.2%)歪量子井戸層が6周期構造である歪多重量子井戸導波路構造15を成長する。さらにアンドープInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)よりなる上側のガイド層16を50nm成長し、アンドープInP(キャリア濃度4×1017/cm3)キャップ層を100nm成長した。
【0057】
その後、こうして準備した半導体積層体の上部に、幅1.2μmのSiO2膜をストライプ状に蒸着する。さらに、2光束干渉露光法により、回折格子領域17となる幅235nmのSiO2を[1、-1、0]方向に、235nm間隔で形成する。この後、加速電圧30V及びドーズ量4×1013/cm2の鉄イオンを注入し、アニールにより結晶性回復を行った。次に、アンドープInPキャップ層及びSiO2膜をエッチングにより除去した。その後、厚さ1.5μmのベリリウムドープのP型InP(キャリア濃度2×1018/cm3)クラッド層18、及び厚さ0.2μmの高濃度P型InGaAs(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層19を成長する。さらに、活性層直上に位置する幅3μmの領域にストライプ状のマスクを施し、プロトンイオン20を注入した。その後、電極21を形成し、共振器長250μmとなるように、へき開した。この後、前方及び後方に反射膜を蒸着した。
【0058】
作製した単一モード発振レーザ装置は、しきい値が3mAであった。また、副モード抑圧比は34dBと良好な単一モード動作を得た。
【0059】
実施の形態3
本願発明による単一モード発振半導体レーザ装置の例を図4に示す。図4はその斜視図である。本例は、特に、活性層の出射端に向かい回折格子が消滅するように構成されている。
【0060】
n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)基板22上に、n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)バッファ層23を0.15μm成長した。その後、n型InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪、キャリア濃度1×1018/cm3)下側ガイド層24を、厚さ100nmで成長する。次に、10nmのInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)障壁層と6nmのInGaAsP(組成波長1.76μm、圧縮歪量1.2%)歪量子井戸層が6周期構造である歪多重量子井戸導波路構造25を成長する。
【0061】
さらにInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)よりなる上側のガイド層26を10nm成長した。その後、幅1.2μmのSiO2膜をストライプ状に蒸着する。この後、SiO2膜をマスクとして、下側ガイド層24まですべて選択エッチングにより除去する。この後に、再成長により鉄ドープInP光閉じ込め層27を選択的に、150nmの厚さで再成長する。さらに、活性層の出射端に向かい回折格子が消滅するように、SiO2膜を蒸着する。このマスク領域は、回折格子が形成されない領域28である。この後、2光束干渉露光法により、回折格子を形成する。そして、基板表面に蒸着されているSiO2膜のマスクを除去し、厚さ0.1μmのベリリウムドープのP型InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪、キャリア濃度2×1018/cm3)ガイド層29を再成長し、さらに厚さ1.5μmのベリリウムドープのP型InP(キャリア濃度2×1018/cm3)クラッド層30を成長する。最後に、厚さ0.2μmで高濃度InGaAs(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層31を成長する。その後、活性層直上に位置する幅3μmの領域にストライプ状のマスクを施し、プロトンイオン32を注入した。そして、電極33形成を行い、共振器長250μmにへき開した。この後、前方及び後方に反射膜を蒸着した。
【0062】
作製した単一モード発振レーザ装置は、しきい値が4mAであった。副モード抑圧比は、35dBであった。
【0063】
実施の形態4
本願発明による単一モード発振半導体レーザ装置の例を図5に示す。図5はその斜視図である。本例は、特に、組成変調を有して回折格子が形成された例である。
【0064】
n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)基板34上に、n型InP(キャリア濃度1×1018/cm3)バッファ層35を0.15μm成長した。その後、n型InGaAsP(組成波長1.15μm、無歪、キャリア濃度1×1018/cm3)下側ガイド層36を、厚さ100nmで成長する。次に、10nmのInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)障壁層と6nmのInGaAsP(組成波長1.76μm、圧縮歪量1.2%)歪量子井戸層が6周期構造である歪多重量子井戸導波路構造37を成長する。
【0065】
さらにInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)よりなる上側のガイド層38を50nm成長し、アンドープInPキャップ層を100nmの厚さで成長した。その後、幅1.2μmのSiO2膜をストライプ状に蒸着する。この後、SiO2膜をマスクとして、下側ガイド層まで選択エッチングにより除去する。この後に、再成長により鉄ドープInP光閉じ込め層39を選択的に、150nmの厚さで再成長する。この後、2光束干渉露光法により、回折構造を形成する。この表面に選択成長効果により組成変調を可能とするSiO2膜を蒸着する。この上に、再成長により鉄ドープを行った半絶縁性のInGaAsP(組成波長1.15μm、無歪)クラッド層40を成長する。この後、活性層となるメサ上に蒸着されているSiO2膜のマスク及びアンドープInPキャップ層を除去し、厚さ1.3μmのベリリウムドープのP型InP(キャリア濃度2×1018/cm3)層41を再成長する。その後、厚さ0.2μmで高濃度P型InGaAs(ドーピング量1.5×1019/cm3)コンタクト層42を成長する。その後、電極43形成を行い、共振器長250μmにへき開した。この後、前方及び後方に反射膜を蒸着する。
【0066】
作製した単一モード発振レーザ装置は、しきい値が4mAであった。副モード抑圧比は、33dBであった。
【0067】
本願発明により、分布帰還型半導体レーザ装置の設計上の制約を回避し、高性能化を実現するとともに、2光束干渉露光法における高いスループット性を維持しながら、位相シフト型単一モード発振レーザ装置における長所を得ることができた。
【0068】
【発明の効果】
本願発明は、発振縦モードの安定した単一縦モード発振レーザ装置を提供することが出来る。本願発明は、分布帰還型半導体レーザ装置の設計上の制約を回避が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明の基本構造を説明するための図である。
【図2】図2は本願発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】図3は本願発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】図4は本願発明の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】図5は本願発明の第4の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、12、22、34…n型InP基板、2、13、23、35…n型InPバッファー層、3、14、24、36…n型InGaAsP下側ガイド層
4、15、25、37…歪多重量子井戸構造、5、16、26、38…InGaAsP上側ガイド層、6、29…P型InP、7、27、39…光閉じ込め層8…鉄ドープInP埋め込み層、9、18、30、41…P型InPクラッド層、10、19、31、42…P型InGaAsコンタクト層、11、21、33、43…電極、17、28、40…回折格子領域、20、32…プロトン打ち込み領域である。
Claims (1)
- n型InP基板(1)上にn型InPバッファ層(2)が設けられ、
前記n型InPバッファ層(2)上に、いずれもストライプ状の下側ガイド層(3)、歪み多重量子井戸導波路(4)及び上側ガイド層(5)が積層した状態で設けられ、
前記下側ガイド層(3)、歪み多重量子井戸導波路(4)及び上側ガイド層(5)を有する光導波路の両側には光閉じ込め層(7)が接して設けられ、
それらの光閉じ込め層(7)表面には回折格子が設けられ、
前記回折格子の周期をなす方向は、前記光導波路における光伝播方向と平行であり、かつ、
前記回折格子の存在により、前記光閉じ込め層(7)の前記基板(1)表面に対して平行な表面は前記光導波路の延在方向に周期的に波打っていることを特徴とする半導体レーザ装置。
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