JP2002031532A - 振動型ジャイロスコープ及びその調整方法 - Google Patents

振動型ジャイロスコープ及びその調整方法

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JP2002031532A
JP2002031532A JP2000217353A JP2000217353A JP2002031532A JP 2002031532 A JP2002031532 A JP 2002031532A JP 2000217353 A JP2000217353 A JP 2000217353A JP 2000217353 A JP2000217353 A JP 2000217353A JP 2002031532 A JP2002031532 A JP 2002031532A
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vibrating
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frequency
vibrator
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JP2000217353A
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Taiichi Ono
泰一 小野
Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Daisuke Takai
大輔 高井
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の振動脚を有する振動子を用いた振動型
ジャイロスコープでは、温度変化に基づくオフセット量
が大きく変化しやすく、角速度出力の精度に影響を及ぼ
していた。 【解決手段】 各振動脚の幅寸法を厚み寸法よりもわず
かに大きく設定すると、第1の共振点RvがHモード共
振点Rhからを引き離され、第2の共振点R20を表出
させることができる。そして、前記第2の共振点R20
の大きさを低減させる方向に両端の振動子の重量バラン
スを調整することにより、位相差特性曲線を一次直線で
近似できるため、温度補正が容易になり且つより高精度
の角速度を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動子に複数の振
動脚が分岐形成された振動型ジャイロスコープに係わ
り、特に振動子の角速度出力に影響を及ぼすオフセット
量を最小にできるようにした振動型ジャイロスコープお
よびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は振動型ジャイロスコープなどに使
用される三脚型の振動子の斜視図、図5は図4の振動子
の出力信号間の位相差の周波数特性(位相差特性曲線)
を示すグラフである。
【0003】図4に示す振動子1は、例えば圧電型又は
静電容量型の振動子であり、3本の振動脚2a,2b,
3が分岐形成されている。各振動脚2a,2b,3の一
方の面(下面)には、長手方向(Z方向)に延びる駆動
電極(図示せず)がそれぞれ形成されており、また他方
の面(上面)にも同様の検出電極5a,5bがそれぞれ
形成されている。前記各駆動電極に所定の正弦波状の交
流駆動信号を与えると、圧電効果により、あるいはクー
ロン力により、各振動脚2a,2b,3が各振動脚の並
び方向(X方向)に振動駆動させられる。
【0004】このとき、両端の振動脚2a,2bが同位
相で駆動させられ、中央の振動脚3は前記振動脚2a,
2bとは位相が180度異なるように駆動させられる。
すなわち、ある時点で振動脚2a,2bがX1方向に振
動させられているとき、中央の振動脚3はX2方向に振
動させられる関係にある。
【0005】ここで、上記のように振動駆動させた振動
子1を、長軸(Z軸)回りの回転系に置くと、すなわち
振動子1に回転を与えると各振動脚2a,2b及び3に
は前記振動方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に
コリオリ力が作用する。このため、前記振動脚2a,2
b及び3は、各振動脚2a,2b及び3が軸Oa,Ob
及びZを中心とする楕円運動をそれぞれ起こす。このと
き、前記検出電極5a,5bからそれぞれ出力される正
弦波状の出力信号の間には、コリオリ力の大きさに応じ
た、すなわち直交する方向(Y方向)への振動成分に応
じた位相差出力が検出される。そして、上記振動型ジャ
イロスコープでは、前記出力信号間の位相差出力から前
記回転系に与えられた角速度が求められる。
【0006】ここで、上記振動型ジャイロスコープは図
5に示すような周波数特性を持つことが知られている。
図5は、コリオリ力の影響を受けない条件下で振動子1
に与えられる駆動信号の大きさ(電圧量のピーク値)を
一定に維持しつつその駆動周波数のみを低周波から高周
波領域に遷移させたときの検出電極5a,5bから出力
される両出力信号間の位相差の特性を示す位相差特性曲
線である。図5では、符号Rvで示す山部が第1の共振
点であり、前記第1の共振点Rvの中心が共振周波数f
vである。また前記共振周波数fvの山裾部分に位置
し、振動子1の並び方向の共振を示す点がHモード共振
点Rhであり、この共振による周波数がHモード共振周
波数fhである。
【0007】そして、上記振動型ジャイロスコープでは
交流駆動源Sの駆動周波数を前記Hモード共振周波数f
hに設定することにより、前記第1の共振点Rvによる
オフセット量の影響を受けずに精度の高い角速度を検出
できるようになる。
【0008】そこで、従来においては前記振動脚2a,
2bおよび振動子3の先端や基端部をトリミングし、前
記Hモード共振周波数fhを所定の駆動周波数に合せ込
むことにより調整するというものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の振
動型ジャイロスコープの振動子1では、温度変化に敏感
に反応して前記位相差特性曲線の形が変化するという特
徴を有する。
【0010】すなわち、下述するように位相差特性曲線
内の前記山部(第1の共振点Rv)は、純粋なY方向へ
の共振によるオフセット量の他に両端の振動脚2a,2
bの重量バランスのずれから生じる第2の共振点R20
によるオフセット量が重畳されたものであり、しかもこ
れら両オフセット量は温度特性がそれぞれ異なる。つま
り例え常温下において駆動周波数をHモード共振周波数
fh(オフセット量を0)に調整したとしても、温度が
変化すると位相差(オフセット量)が現れ、且つ前記位
相差(オフセット量)は温度変化によって複雑に変動す
るため、角速度の検出精度を高めることができないとい
った問題が生じる。
【0011】この点上記のように、振動脚2a,2bお
よび振動子3の先端や基端部をトリミングすることによ
る調整を行なってはいたが、従来は両端の振動脚11a
と11bの断面形状を正方形としており、第2の共振点
R20は第1の共振点Rvに内包されて区別できない状
態にあった。このため、Hモード共振周波数fhにおけ
るオフセット量が低減されていても、その低減が第2の
共振点R20によるオフセット量の低減をも含むもので
あるかは不明であった。その一方で、第2の共振点R2
0によるオフセット量は温度変化によって複雑に変動す
るものであり、前記位相差特性曲線の形が変化すること
から精度の高い角速度を得難いという問題がある。
【0012】本発明は上記従来の問題を解決するための
ものであり、振動子の角速度出力に影響を及ぼすオフセ
ット量(位相差)を最小とすることができるようにした
振動型ジャイロスコープおよびその調整方法を提供する
ことを目的としている。
【0013】また本発明は、より高い精度の角速度出力
を得ることのできるジャイロスコープを提供することを
目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の平行な
振動脚が分岐形成された振動子と、前記振動脚に設けら
れた駆動電極および少なくとも一対の検出電極と、前記
振動脚を並び方向に振動させる駆動手段と、前記一対の
検出電極から出力される検出信号の位相差を検出する検
出手段とを有し、前記位相差により角速度を検出可能と
した振動型ジャイロスコープの調整方法において、前記
角速度が与えられていない状態で前記駆動電極に与える
駆動周波数を遷移させたときに、前記検出手段には、前
記振動子が前記並び方向と直交する方向に共振すること
による第1の共振周波数(fv)での位相差出力と、前
記並び方向の共振によるHモード共振周波数(fh)と
前記第1の共振周波数(fv)との間にあり、前記各振
動脚間の重量バランスの崩れによる前記Hモード共振周
波数(fh)の縮退分離による第2の共振周波数(f2
0)での位相差出力とが得られるものであり、前記振動
脚の断面の幅寸法を厚み寸法よりも大きく設定すること
により、前記第1の共振周波数(fv)とHモード共振
周波数(fh)との周波数帯を離すように調整する第1
の工程と、前記振動脚間の重量バランスを調整すること
により、前記第2の共振周波数(f20)におけるオフ
セット量を低減させて前記Hモード共振周波数(fh)
での位相差出力のオフセット量がほぼゼロとなるように
調整する第2の工程と、からなることを特徴とするもの
である。
【0015】上記においては、前記検出手段から出力さ
れる角速度出力の温度補正を施す温度補償手段が設けら
れ、所定の温度ごとに前記Hモード共振周波数(fh)
の近傍の位相差を、オフセット量および温度勾配として
取得し、前記温度補償手段内のメモリに記憶させる工程
を有するものが好ましい。
【0016】また前記調整おいては、前記第2の工程
が、一方の振動脚の端面にレーザーを照射して前記振動
脚の質量の除去し、他方の振動脚の重量に一致又は近似
させてることにより両振動脚の重量バランスを取るもの
である。
【0017】本発明では、これまで第1の共振点に重畳
的に内在していた、両端の振動脚のバランスの崩れによ
るHモード共振周波数の縮退分離による第2の共振点を
表出させることができる。そして、この第2の共振点R
20近傍におけるオフセット量を小さくさせるように両
端の振動脚の重量バランスを調整することが可能とな
る。よって、第1の共振点が温度によって変位したとし
ても、その山裾に位置するHモード共振点の変位を低く
抑えることができる。
【0018】また位相差特性曲線中の第1の共振点Rv
の山裾の部分からHモード共振点Rhに至るまでの部分
を直線的に近似できるようになるため、第2の共振点R
20でのオフセット量に対する温度補正を容易に行うこ
とが可能となり、より高精度で角速度を検出できるよう
になる。
【0019】また本発明は、複数の平行な振動脚が分岐
形成された振動子と、前記振動脚に設けられた駆動電極
および少なくとも一対の検出電極と、前記振動脚を並び
方向に振動させる駆動手段と、前記一対の検出電極から
出力される検出信号の位相差を検出する検出手段とを有
し、前記位相差により角速度を検出可能とした振動型ジ
ャイロスコープにおいて、前記角速度が与えられていな
い状態で前記駆動電極に与える駆動周波数を遷移させた
ときに、前記検出手段には、前記振動子が前記並び方向
と直交する方向に共振することによる第1の共振周波数
(fv)での位相差出力と、前記並び方向の共振による
Hモード共振周波数(fh)と前記第1の共振周波数
(fv)との間にあり、前記各振動脚間の重量バランス
の崩れによる前記Hモード共振周波数(fh)の縮退分
離による第2の共振周波数(f20)での位相差出力が
得られるものであり、前記振動脚の断面の幅寸法が厚み
寸法よりも大きく設定されることにより、前記第1の共
振周波数(fv)とHモード共振周波数(fh)との周
波数帯が離され、且つ前記振動脚間の重量バランスがと
られていることにより、前記第2の共振周波数(f2
0)におけるオフセット量が低減されて前記Hモード共
振周波数(fh)での位相差出力のオフセット量がほぼ
ゼロとなるように設定されていることを特徴とするもの
である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0021】図1は振動型のジャイロスコープの実施の
形態として、三脚音叉型の振動子を示す斜視図であり、
図2は電極配置とその電極の配線を示す振動子の端面の
正面図、図3は本発明における振動子の出力信号間の位
相差の周波数特性(位相差特性曲線)を示すグラフであ
る。
【0022】図1に示す振動子10は、圧電材料の歪み
を利用する圧電型の振動子、または静電引力(クーロン
力)を利用する静電容量型の振動子などである。
【0023】振動子10の先端は、3脚に分岐形成され
た振動脚11a,11bおよび12が設けられている。
前記振動脚11a、11b及び12の断面形状は、外観
上はほぼ均一な正方形状であるが、微視的に振動脚11
a、11b及び12の並び方向(X方向)の幅寸法Wの
方が、前記並び方向と直交する厚み方向(Y方向)の寸
法Hに比べわずかに幅広くなるように形成されている
(W>H)。
【0024】図1及び図2に示すように、各振動脚11
a、11b及び12の両面には、一対の駆動電極14
a,14b及び検出電極15a,15bが長手方向に平
行にそれぞれ形成されている。なお、図2において示す
矢印は振動子10が圧電型の場合における分極方向を示
しており、両端の振動脚11a,11bは同一の分極配
置で形成されており、中央の振動脚12は前記振動子1
1a,11bとは異なる分極配置で形成されている。
【0025】前記各駆動電極14a,14bに対し、交
流信号源(駆動手段)Sより所定の駆動信号を与える
と、両端の振動脚11a、11bが同じ位相で各振動脚
の並び方向(X方向)に振動駆動させられ、中央の振動
脚12のみが前記両端の振動脚11a、11bとは逆位
相で振動駆動させられる。例えば、両端の振動脚11
a、11bがX1方向に駆動させられるときには、中央
の振動脚12はX2方向に振動するように駆動させられ
る。
【0026】そして、このような振動駆動状態にある振
動子10が、Z軸回りの回転系に置かれると、即ち振動
子10に回転が与えられると、コリオリ力が振動駆動
(振動脚の並び方向)方向であるX方向と直交するY方
向に作用し、各振動脚11a,11b及び12はY方向
に歪み変形させられる。このため、各振動脚11a,1
1b及び12には、X軸方向の運動成分以外にコリオリ
力に起因するY軸方向に成分が加わり、全体としてそれ
ぞれOa軸,Ob軸およびZ軸を中心とした楕円運動と
なる。
【0027】このとき、前記中央の振動脚12の他方の
面の形成された検出電極15a,15bからは、正弦波
状の出力信号C,Dが出力される。ここで、振動子10
が理想的なものであるとすると、Z軸回りの回転系内に
振動子10が存在しない場合、すなわちコリオリ力が生
じていない場合には前記出力信号Cと出力信号Dとの間
の位相差は0である。一方、振動子10がZ軸回りの回
転系に置かれた場合には、前記出力信号Cと出力信号D
との間にコリオリ力に応じた位相差が生じる。
【0028】上記振動型ジャイロスコープ内には、この
位相差を検出する検出手段(図示せず)が設けられてお
り、前記検出手段から角速度が電圧量として出力され
る。例えば、位相差が0の場合には0(V)を出力し、
正方向のコリオリ力の場合には正の電圧を出力する。ま
たコリオリ力が負方向に作用した場合には負の電圧が出
力される。
【0029】しかしながら、図3に示すように、上記振
動子10の位相差にはオフセットが生じやすく、コリオ
リ力が存在しない場合にも前記出力信号CとDとの間に
位相差が生じて角速度が検出されることがある。しかも
前記オフセット量は、温度変化に敏感に反応するため、
各温度ごとに検出されるオフセット量も変化しやすい。
【0030】そこで、本発明では以下に示すような調整
が行われる。上記振動子からなる振動型ジャイロスコー
プでは、各振動脚の断面の幅寸法Wを厚み寸法Hよりも
大きくなるように形成し、前記第1の共振周波数(f
v)からHモード共振周波数(fh)を離すような調整
が行われる(第1の工程)。そして、振動型ジャイロス
コープに与えられる駆動信号の大きさ(電圧量)のピー
ク値を一定レベルとし、コリオリ力の無い条件下で駆動
信号の周波数のみを低周波帯域から高周波帯域まで遷移
させることにより、図3に示すような周波数特性を取得
する。
【0031】すなわち、従来(図5参照)の山部(第1
の共振点Rv)が示すY方向の第1の共振周波数fvお
よび山裾部分のHモード共振点Rhが示すHモード共振
周波数fhの他に、前記第1の共振周波数fvとHモー
ド共振周波数fhとの間に第2の共振点R20が現れた
位相差特性曲線を得ることができる。なお、前記第2の
共振点R20の中心の周波数が、第2の共振周波数f2
0である。
【0032】前記第2の共振周波数f20は、両端の振
動脚11aと11bとの重量バランスのずれによるHモ
ード共振周波数の縮退分離により発生する。すなわち、
三脚型の振動子10は、2つの2脚型振動子のそれぞれ
一方の脚を機械的に結合させたものと考えられ、本来は
2脚型振動子それぞれが独自の共振周波数を有する。よ
って、各々異なる共振周波数を有する2脚型振動子を機
械的に結合させた三脚型の振動子10では、両端の振動
脚11a,11bの重量バランスにずれが生じると、こ
れに起因したオフセット量が発生し、これが第2の共振
周波数f20の近傍で第2の共振点R20として現れ
る。
【0033】なお、従来は各振動子10の断面の幅寸法
Wと厚み寸法Hを同一寸法(正方形)としていたため、
第1の共振周波数fvとHモード共振周波数fhとが接
近し、前記第2の共振周波数f20が第1の共振周波数
fvに重畳的に含まれ(上記図5の状態)、位相差特性
曲線を見ただけでは区別することはもとより、このよう
な第2の共振点R20の存在すら知られていないもので
あった。
【0034】本発明では、各振動子10の断面の幅寸法
Wを厚み寸法Hよりもわずかに大きく設定したことによ
り、Hモード共振点Rhから第1の共振点Rvを引き離
すことが可能となり、同時に第2の共振点R20を表出
させることが可能となる。ただし、Hモード共振点Rh
から第1の共振点Rvを大きく引き離しても、Hモード
共振点Rhと第2の共振点R20との間はほぼ一定の周
波数に維持され、第2の共振点R20が第1の共振点R
vに追従して移動することはない。
【0035】そして、この状態から両端の振動脚11a
と11bのいずれか重量の重い方の振動脚の重量を削
り、他方の振動脚の重量に一致又は近似させることによ
り、前記第2の共振点R20の山部の大きさを低減させ
る(第2の工程)。
【0036】この際、前記第2の共振点R20の大きさ
を低減させる方向に両端の振動子の重量バランスを調整
されるとともに、第1の共振点Rvの山裾の部分からH
モード共振点Rhに至るまでの勾配部分を直線的に近似
されるように、前記調整が行われることが好ましい。
【0037】また本発明では、第1の共振点Rvから第
2の共振点R20を分離させているため、振動子10の
位相差に対する周波数特性を調べることにより、第2の
共振点R20の大きさが低減されるか否かを確認でき、
前記振動子10を調整する上での目安とすることができ
る。
【0038】上記振動子10の重量バランスの調整の方
法としては、例えば両端の振動脚11a,11bのいず
れか重量の重い方の振動脚の先端側の端面にレーザース
ポットをピンポイント的に照射して質量を部分的に除去
することにより行なうことができる。
【0039】上記のように、既に両振動脚11aと11
bの重量バランスが調整され、第2の共振点R20のオ
フセット量が低減されると、温度変化が生じた場合であ
っても、前記両振動脚11a,11bの重量バランスの
ずれに起因する第2の共振点R20の影響を少なくでき
る。よって、第1の共振点Rvの山裾の部分からHモー
ド共振点Rhに至るまでの部分が複雑に変化することを
防止でき、温度変化に対するオフセット量についてもよ
り一次直線に近い勾配とすることができる。
【0040】よって、位相差特性曲線のうち、特に駆動
周波数に近いHモード共振点Rf近傍のオフセット量や
勾配(温度係数)のデータ(温度補正データ)を各温度
ごとに容易に取得することが可能となる。そして、これ
ら温度補正データのデータ量が膨大となることを避ける
ことができる。
【0041】なお、前記温度補正データは、振動型ジャ
イロスコープの駆動制御系内の温度補償手段内のメモリ
に記憶される。前記温度補償手段では、振動型ジャイロ
スコープ内に設けられる温度センサ(図示せず)より与
えられる温度に応じた温度補償データをメモリから読み
出し、検出電極15a,15bから出力される出力信号
CおよびDの位相差から検出される角速度出力の温度補
償を行なうことにより、精度の高い角速度を求めること
ができる。
【0042】この際、前記温度補償では、オフセット量
の補間が必要となる場合もあるが、一次直線で近似でき
るため補間データの誤差を極めて小さなものとすること
ができる。よって、コリオリ力によって出力信号CとD
との間に生じる位相差を高い精度で検出することが可能
となるため、より角速度の精度を高めることができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、Hモード
共振点近傍の位相差特性曲線を一次直線で近似すること
が可能となるため、適正なオフセット量及び温度係数な
どの温度補償データを各温度ごとに得ることができる。
【0044】よって、最適な温度補償を行なうことがで
き、精度の高い角速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動型のジャイロスコープの実施の形態とし
て、三脚音叉型の振動子を示す斜視図、
【図2】電極配置とその電極の配線を示す振動子の端面
の正面図、
【図3】本発明における振動子の出力信号間の位相差の
周波数特性(位相差特性曲線)を示すグラフ、
【図4】振動型ジャイロスコープなどに使用される三脚
型の振動子の斜視図、
【図5】図4の振動子の出力信号間の位相差の周波数特
性(位相差特性曲線)を示すグラフ、
【符号の説明】
10 振動子 11a,11b、12 振動脚 14a,14b 駆動電極 15a,15b 検出電極 C,D 出力信号 Rv 第1の共振点 fv 第1の共振周波数 Rh Hモード共振点 fh Hモード共振周波数 R20 第2の共振点 f20 第2の共振周波数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 大輔 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 2F105 BB03 BB09 CC06 CD02 CD05 CD06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の平行な振動脚が分岐形成された振
    動子と、前記振動脚に設けられた駆動電極および少なく
    とも一対の検出電極と、前記振動脚を並び方向に振動さ
    せる駆動手段と、前記一対の検出電極から出力される検
    出信号の位相差を検出する検出手段とを有し、前記位相
    差により角速度を検出可能とした振動型ジャイロスコー
    プの調整方法において、 前記角速度が与えられていない状態で前記駆動電極に与
    える駆動周波数を遷移させたときに、前記検出手段に
    は、前記振動子が前記並び方向と直交する方向に共振す
    ることによる第1の共振周波数(fv)での位相差出力
    と、前記並び方向の共振によるHモード共振周波数(f
    h)と前記第1の共振周波数(fv)との間にあり、前
    記各振動脚間の重量バランスの崩れによる前記Hモード
    共振周波数(fh)の縮退分離による第2の共振周波数
    (f20)での位相差出力とが得られるものであり、 前記振動脚の断面の幅寸法を厚み寸法よりも大きく設定
    することにより、前記第1の共振周波数(fv)とHモ
    ード共振周波数(fh)との周波数帯を離すように調整
    する第1の工程と、前記振動脚間の重量バランスを調整
    することにより、前記第2の共振周波数(f20)にお
    けるオフセット量を低減させて前記Hモード共振周波数
    (fh)での位相差出力のオフセット量がほぼゼロとな
    るように調整する第2の工程と、からなることを特徴と
    する振動型ジャイロスコープの調整方法。
  2. 【請求項2】 前記検出手段から出力される角速度出力
    の温度補正を施す温度補償手段が設けられ、 所定の温度ごとに前記Hモード共振周波数(fh)の近
    傍の位相差を、オフセット量および温度勾配として取得
    し、前記温度補償手段内のメモリに記憶させる工程を有
    する請求項2記載の振動型ジャイロスコープの調整方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程が、一方の振動脚の端面
    にレーザーを照射して前記振動脚の質量の除去し、他方
    の振動脚の重量に一致又は近似させてることにより両振
    動脚の重量バランスを取るものである請求項1記載の振
    動型ジャイロスコープの調整方法。
  4. 【請求項4】 複数の平行な振動脚が分岐形成された振
    動子と、前記振動脚に設けられた駆動電極および少なく
    とも一対の検出電極と、前記振動脚を並び方向に振動さ
    せる駆動手段と、前記一対の検出電極から出力される検
    出信号の位相差を検出する検出手段とを有し、前記位相
    差により角速度を検出可能とした振動型ジャイロスコー
    プにおいて、 前記角速度が与えられていない状態で前記駆動電極に与
    える駆動周波数を遷移させたときに、前記検出手段に
    は、前記振動子が前記並び方向と直交する方向に共振す
    ることによる第1の共振周波数(fv)での位相差出力
    と、前記並び方向の共振によるHモード共振周波数(f
    h)と前記第1の共振周波数(fv)との間にあり、前
    記各振動脚間の重量バランスの崩れによる前記Hモード
    共振周波数(fh)の縮退分離による第2の共振周波数
    (f20)での位相差出力が得られるものであり、 前記振動脚の断面の幅寸法が厚み寸法よりも大きく設定
    されることにより、前記第1の共振周波数(fv)とH
    モード共振周波数(fh)との周波数帯が離され、且つ
    前記振動脚間の重量バランスがとられていることによ
    り、前記第2の共振周波数(f20)におけるオフセッ
    ト量が低減されて前記Hモード共振周波数(fh)での
    位相差出力のオフセット量がほぼゼロとなるように設定
    されていることを特徴とする振動型ジャイロスコープ。
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