JP2002030144A - ポリエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

ポリエーテル化合物の製造方法

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JP2002030144A JP2000218730A JP2000218730A JP2002030144A JP 2002030144 A JP2002030144 A JP 2002030144A JP 2000218730 A JP2000218730 A JP 2000218730A JP 2000218730 A JP2000218730 A JP 2000218730A JP 2002030144 A JP2002030144 A JP 2002030144A
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潔 猪又
Toshinobu Fujimura
俊伸 藤村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精製工程が簡便で、着色が少ないポリエーテ
ル化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 重合反応触媒の存在下に、水酸基含有オ
キシラン化合物を含むモノマーを重合してポリエーテル
化合物を製造する方法において、前記重合反応触媒とし
てアルカリ金属ハロゲン化物を使用することを特徴とす
るポリエーテル化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精製工程が簡便
で、着色が少ないポリエーテル化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オキシラン化合物の重合物の製造方法
は、「重合反応論<6>開環重合(I);1971年
(株)化学同人発行、三枝武夫著」第35〜54頁に
は、アルカリ触媒によるアニオン重合、プロトン酸ある
いはルイス酸触媒によるカチオン重合、配位アニオン重
合が記載されている。また、ポリグリセリンの製造方法
は、グリシドールを元素周期律表第2族あるいは第3族
金属の有機金属化合物または金属アルコキサイドを触媒
として重合することにより製造できること記載されてい
る(例えば特公昭38−5443号公報)。また実際に
工業的には、以下の方法が知られている。 1)グリセリンの蒸留残分からの回収する方法、 2)グリセリンの脱水縮合する方法、 3)エピクロルヒドリンの直接重合、加水分解・脱塩す
る方法、 4)グリセリンあるいはポリグリセリンにNaOH、ア
ミン等のアルカリ触媒の存在下グリシドールを付加する
方法
【0003】しかし、前記の1)の方法では、蒸留残分
に5〜15重量%と多量の無機塩を含んでいるため、蒸
留、溶剤による抽出、イオン交換樹脂による処理等多く
の工程が必要であり製造上問題であった。前記の2)の
方法では、グリセリンを縮合させるためには200℃以
上の高温が必要であり、さらに反応を促進させるために
はアルカリあるいは酸触媒の添加を必要とする。この場
合、得られたポリグリセリンは茶褐色であり、臭気を有
している。着色や臭気を除去するためには、水蒸気脱
臭、活性炭による脱色、触媒に由来する無機塩を除くた
めの吸着剤処理やイオン交換樹脂による処理等が必要で
あり、工程が多くなる問題があった。前記の3)の方法
では、脱塩素の際にアルカリ溶液を使用するため、アル
カリ溶液の中和、多量の塩の生成と、その脱塩の操作が
必要になり、同様に工程が多くなる問題があった。前記
4)の方法では、触媒を中和処理し、塩を形成させて除
去したりする工程が必要であるなど問題があった。
【0004】一方、5)特開昭58−198429号公
報には、カルボン酸を触媒として、グリセリンあるいは
ポリグリセリンにグリシドールを付加反応させる方法が
開示されている。前記の方法によると、着色の少ないポ
リグリセリンができるが、カルボン酸エステルが生成す
る可能性があり、不純物の混入等の問題があった。ま
た、6)特開昭61−43627号公報には、リン酸を
触媒とするグリシドールの重合方法が開示されている。
この方法によると、望まない副生成物のリン酸エステル
が生成し、後工程でアルカリ水溶液を用いてリン酸エス
テルを加水分解する工程が必要である等の不純物の混入
の問題があった。
【0005】更に、7)特開昭61−140534号公
報には、触媒としてスルホン酸基を交換基とする陽イオ
ン交換樹脂を使用する方法が開示されている。この方法
では、触媒の分離という点では優れているが、生成ポリ
グリセリンが粘度が高いため温度を高くして粘度を下げ
てもポリグリセリンと前記のイオン交換樹脂を十分に分
離することができないため、収率が低下する。また、イ
オン交換樹脂は通常の前記の触媒に比べて、入手性等の
問題があり、工業的に多量に使用することは困難であっ
た。また、8)特表平8−506137号公報には、酸
性ゼオライトを触媒として使用する方法が開示されてい
る。この方法では、触媒の分離という点では優れている
が、生成ポリグリセリンが粘度が高いため温度を高くし
て粘度を下げてもポリグリセリンと前記の酸性ゼオライ
トを十分に分離することができないため、収率が低下す
る等の問題があった。
【0006】またさらに、9)Journal of
Polymer Science:PART A−1
Vol.4,第1253−1259頁(1966)(著
者;S.R.Sandlerら)には、反応触媒とし
て、KOH、NaOCH3、Et3N、ピリジン、CaC
2を用いてグリシドールの重合により、その重合体が
得られることが報告されている。同様に、10)Jou
rnal of Polymer Science:P
olymer Chemistry Edition,
Vol.23,915−949(1985)(著者;
E.J.Vandenberg)には、触媒として、例
えば、KOH、tert−BuOK、アルミニウムポル
フィリンを用いて反応させ、ポリグリセリンが得られる
ことが報告されている。また、11)Macromol
ecules,27,320−322(1994)(著
者;A.Dworakら)あるいはMacromol.
Chem.Phys.196,1963−1970(1
995)(著者;A.Dworakら)には、触媒とし
て、BF3・OEt2、SnCl4等のルイス酸、CF3
OOH、CF3SO3H等のプロトン酸を用いてグリシド
ールの重合体を得られることが報告されている。
【0007】しかしながら、前記の9)〜11)の方法
では、工業的に実施する場合、使用する触媒が容易に入
手し難いという問題があった。またアルカリ触媒あるい
は酸触媒の場合には、アルカリあるいは酸触媒を中和す
る工程、塩を形成させて除去したりする工程が必要であ
り、さらに未反応のグリシドールを除く必要があるなど
問題があった。また、触媒の除去にイオン交換樹脂を使
用する場合は、前記のイオン交換樹脂により触媒の除去
は、比較的容易であるが、イオン交換樹脂の再生、再使
用に対する問題等があった。
【0008】特に生成物のポリエーテル化合物が非水溶
性の場合は、生成した中和塩を水洗浄等で容易に系外へ
分離除去することができる。生成物のポリエーテル化合
物が、ポリグリセリンのような水溶性の場合には、生成
した中和塩を形成させ、ろ過や遠心分離等の分離除去す
る工程によって系外へ取り出すことがなかなか困難であ
るなど問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、精製
工程が簡便で、着色が少ないポリエーテル化合物の製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、水酸基含有オキシラン化
合物を含有する組成物を重合して重合体を得るに際し
て、反応触媒として、アルカリ金属ハロゲン化物を使用
することにより、製造工程が簡便で、着色が少ないポリ
エーテル化合物が得られることの知見を得て、本発明を
完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は次のポリエーテル化合
物の製造方法である。 (1) 重合反応触媒の存在下に、水酸基含有オキシラ
ン化合物を含むモノマーを重合してポリエーテル化合物
を製造する方法において、前記重合反応触媒としてアル
カリ金属ハロゲン化物を使用することを特徴とするポリ
エーテル化合物の製造方法。 (2) アルカリ金属ハロゲン化物がNaClまたはK
Clである上記(1)記載のポリエーテル化合物の製造
方法。 (3) モノマー100重量部に対してアルカリ金属ハ
ロゲン化物を0.05〜30重量部使用する上記(1)
または(2)記載のポリエーテル化合物の製造方法。 (4) 水酸基含有オキシラン化合物が、下記式(1)
【化2】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表される水酸基
含有オキシラン化合物である請求項上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のポリエーテル化合物の製造方
法。 (5) 水酸基含有オキシラン化合物がグリシドールで
あり、ポリエーテル化合物がポリグリセリンである上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載のポリエーテル化
合物の製造方法。 (6) 反応温度が40〜100℃である上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載のポリエーテル化合物の製
造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水酸基含有オ
キシラン化合物は、分子内に1個の水酸基と1個のオキ
シラン環(グリシジル基)とを有する化合物である。本
発明に用いられる水酸基含有オキシラン化合物としては
前記式(1)で表される水酸基含有オキシラン化合物が
好ましい。
【0013】前記式(1)で表される水酸基含有オキシ
ラン化合物の具体例として例えば、n=1の場合、2,
3−エポキシ−1−プロパノール(一般名、グリシドー
ル)、n=2の場合、3,4−エポキシ−1−ブタノー
ル(一般名、2−ヒドロキシエチルオキシラン)、n=
3の場合、4,5−エポキシ−1−ペンタノール(一般
名、3−ヒドロキシプロピルオキシラン)等を挙げるこ
とができる。これらの中では、原料の入手性等の理由か
ら、グリシドールが最も好ましい。水酸基含有オキシラ
ン化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混在
した状態で使用してもよい。
【0014】本発明に用いられるモノマーは前記水酸基
含有オキシラン化合物だけでもよいが、共重合可能な他
の化合物を水酸基含有オキシラン化合物とともに使用す
ることもできる。モノマーとして用いる他の化合物とし
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチ
レンオキシド等の水酸基を含有しないオキシラン化合物
などが挙げられる。水酸基を含有しないオキシラン化合
物を共重合することにより、得られるポリエーテル化合
物に疎水性を付与することができる。他の化合物は1種
単独で使用してもよいし、2種以上を配合して使用して
もよい。
【0015】モノマー混合物中に含まれる水酸基含有オ
キシラン化合物の含有量は目的とするポリエーテル化合
物の物性にもよるが、通常30〜100重量%、好まし
くは50〜100重量%、他の化合物の含有量は通常0
〜70重量%、好ましくは0〜50重量%である。
【0016】本発明で用いられるアルカリ金属ハロゲン
化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウムまたはフランシウムのフッ化物、塩化
物、臭化物またはヨウ化物などが挙げられる。具体的な
ものとしては、LiF、LiCl、LiBr、LiI、
NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、
KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、
CsF、CsCl、CsBr、CsI等を挙げることが
できる。これらの中では、触媒活性が高く、しかも原料
の入手が容易である等の点からNaClおよびKClが
好ましい。
【0017】アルカリ金属ハロゲン化物は、モノマー1
00重量部に対して0.05〜30重量部を使用するの
が好ましい。より好ましくは0.1〜10重量部であ
る。アルカリ金属ハロゲン化物の使用量が0.05重量
部未満の場合は重合反応が進みにくい。30重量部より
多い場合は、添加する量に見合うだけの著しい効果が認
められないので好ましくない。
【0018】アルカリ金属ハロゲン化物は反応系中に存
在していればよく、その形態は特に制限されず、固体
状、粉体状、コロイド状または溶液状等のいかなる形状
で使用されてもよい。アルカリ金属ハロゲン化物は単独
で使用してもよいし、2種以上配合して用いてもよい。
【0019】本発明における重合反応は室温においても
進行するが、加熱することにより促進される。好ましい
反応温度は40〜100℃の範囲である。より好ましい
反応温度は50〜90℃の範囲である。反応温度が40
℃より低温の場合、反応の進行は遅く必要な転化率を得
るために時間がかかるので好ましくない。また、100
℃より高温の場合には、条件によっては反応を制御でき
ず暴走することがあり、着色の原因となる場合があるの
で好ましくない。
【0020】反応時間は2〜24時間、好ましくは4〜
8時間、反応圧力は0〜0.6MPa(ゲージ圧)、好
ましくは0〜0.4MPa(ゲージ圧)とするのが望ま
しい。
【0021】本発明における重合反応は、撹拌しながら
行うのが好ましい。オキシラン化合物とアルカリ金属ハ
ロゲン化物との混合は次のような方法により行うことが
できるが、これらに限定されない。 1)反応容器にモノマーとアルカリ金属ハロゲン化物と
を同時に入れて混合する。 2)反応容器内で撹拌しながらアルカリ金属ハロゲン化
物にモノマーを滴下する。 3)反応容器内で撹拌しながらモノマーにアルカリ金属
ハロゲン化物を添加する。
【0022】これらの反応および混合は空気雰囲気下で
行ってもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガスの存在
下で行ってもよいが、爆発性を有するモノマーと共重合
する場合は不活性ガスの雰囲気下で行うのが好ましい。
生成物の色相の点からは、窒素ガス置換後、常圧または
加圧下で行うことが好ましい。また、水酸基含有オキシ
ラン化合物だけを重合する場合は、手法が簡便なことか
ら、空気雰囲気下で、反応容器内で水酸基含有オキシラ
ン化合物とアルカリ金属ハロゲン化物を混合する方法が
好ましい。
【0023】本発明における重合反応は反溶媒体を使用
しないで行うことができるが、本発明の効果を損なわな
い範囲において、必要に応じてアルカリ金属ハロゲン化
物を溶解する溶媒等を使用してもよい。生成したポリエ
ーテル化合物を使用するにあたって溶剤の存在が問題に
ならない場合であれば、これら以外の種類の溶剤を適宜
使用してもかまわない。使用する溶剤の好ましい添加量
は、添加する水酸基含有オキシラン化合物の当量以下が
よい。当量より多いと重合が進行し難く、分子量が高く
ならないので好ましくない。
【0024】反応後は、反応時より高い温度でしばらく
熟成させることにより、さらに反応を進めて、できるだ
け未反応のモノマーを少なくすることが望ましい。反応
の終了後は、通常加熱および減圧下で未反応のモノマー
を留去し、ろ過等の分離手段によりアルカリ金属ハロゲ
ン化物を除去することにより、ポリエーテル化合物を得
ることができる。生成したポリエーテル化合物を使用す
る際に、未反応のモノマーが存在しても問題がない場合
には、反応液から未反応のモノマーを除去することなく
そのままろ過等の分離手段によりアルカリ金属ハロゲン
化物を分離し、そのまま使用することもできる。アルカ
リ金属ハロゲン化物は加圧または減圧ろ過などの分離手
段によって容易に取り除くことができる。この際、反応
物の粘度を低下させる目的で、加温された状態でろ過す
るのが好ましい。
【0025】本発明の製造方法おいて製造されるポリエ
ーテル化合物は、通常よく知られるポリエーテル化合物
であり、−CH2CH{(CH2)mOH}O−で表される
繰返単位または−CH2CH(OH)(CH2)mO−で表さ
れる繰返単位のいずれか一方、または両方からなる分子
構造を有しているものである。ここで、mは1〜3であ
る。
【0026】本発明においてモノマーとしてグリシドー
ルを用いた場合には反応生成物としてポリグリセリンが
得られる。ここでポリグリセリンとは、通常よく知られ
るポリグリセリンであり、−{CH2CH(OH)CH
2O}−で表される繰返単位または−{CH2CH(CH2
OH)O}−で表される繰返単位のいずれか一方、また
は両方からなる分子構造を有しているものである。
【0027】本発明の製造方法によって得られるポリエ
ーテル化合物、特にポリグリセリンは、例えば化粧品用
等の保湿剤、増粘剤、潤滑剤、防曇剤、繊維・フィルム
改質剤、ウレタンの原材料等に利用できる。また、本発
明の製造方法によって得られるポリエーテル化合物、例
えばポリグリセリンは、例えば1)脂肪酸によるエステ
ル化、2)脂肪酸クロリドによるエステル化、3)脂肪
酸無水物によるエステル化等の既存の技術によりさらに
誘導体を経て、食品用や化粧品用の乳化剤として使用す
ることも可能であり、前記の原料として重要である。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法は、水酸基含有オキシ
ラン化合物を含むモノマーを重合するに際して、アルカ
リ金属ハロゲン化物を触媒として使用しているので、製
造工程が簡便で、着色の少ないポリエーテル化合物を容
易に効率よく製造することができる。特にグリシドール
を原料として、アルカリ金属ハロゲン化物を触媒として
使用することによって、着色の少ないポリグリセリンを
簡便に効率よく製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を具体例に基づいてさらに詳細
に説明する。次に用いた測定方法、分析方法を示す。
【0030】1.<GPCによるる分子量の測定方法> 測定は東ソー製GPC SC8020を用いて下記条件
で測定を行い、ポリエチレングリコール換算で分子量を
求めた。 サンプル濃度:0.5重量%溶液 カラム:東ソー製 TSgel G3000PWXL、
1本およびG5000PWXL、1本の直列接続 溶離液:水 検出器:屈折率(RI) 流速:1ml/min. カラム温度:50℃ 2.<色相の測定方法> 試料のポリエーテル化合物を精製水に溶解して10重量
%の溶液とし、日本電色工業(株)社製、色差計モデル
1001DPを用いて黄色味を示すb*値を測定した。
【0031】3.<1H−NMR、13C−NMRの測定
方法>1 H−NMR、13C−NMRは、約5重量%D2O中内部
標準としてDSS〔(CH3)3Si(CH2)3SO3Na〕
を用いて、JEOL社製、FT−NMR SYSTEM
EX−270により測定を行った。 4.<不純物の測定> 前記のGPCの測定方法で、メインピーク以外の成分を
測定した。
【0032】実施例1 100mlの4つ口フラスコに50gのグリシドール
(日本油脂(株)製 商品名「エピオールOH」)と
0.5gのNaClを仕込んで60℃に保ちながら、6
時間かき混ぜて反応した。反応終了後、そのまま100
℃に加温して未反応のグリシドールを10mmHg(1
333Pa)以下の減圧下で除去した。この反応液を加
熱下で加圧濾過してNaCl塩を除去し、ポリグリセリ
ン46gを得た。
【0033】得られたポリグリセリンは無色透明であっ
た。収率は90%であった。得られたポリグリセリン
は、前記のGPCの方法、および色相の測定方法により
分子量および色を測定した。結果を表1に示す。なお、
得られたポリグリセリンの1H−NMRおよび13C−N
MRを測定した結果、比較として市販されているポリグ
リセリン(阪本薬品工業製 商品名「ポリグリセリン#
750」)の1H−NMRおよび13C−NMRと殆ど同
じであることを確認した。
【0034】実施例2〜12 表1〜表3に示したように、各種の原料、量、触媒の種
類と量および反応条件を変更した以外は実施例1と同様
にして、それぞれ相当するポリエーテル化合物を得た。
結果を表1〜表3に示す。
【0035】比較例1〜4 表4に示したように各種の原料、量、触媒の種類と量お
よび反応条件を変更した以外は実施例1と同様にして、
それぞれ相当するポリエーテル化合物を得た。結果を表
4に示す。
【0036】比較例5 100mlの4つ口フラスコに50gのグリシドール
(日本油脂(株)製 商品名「エピオールOH」)のみ
を仕込んで60℃に保ちながら、6時間かき混ぜながら
反応した。反応液の粘度の上昇が認められず、得られた
反応液を水に溶解し、大量のアセトン中に再沈殿を行っ
たが、何も得られなかった。
【0037】比較例6 100mlの4つ口フラスコに50gのエピクロルヒド
リン(ECH)と4gのNaClを仕込んで60℃に保
ちながら、6時間撹拌しながら反応した。溶解せず結晶
として容器内に残ったNaClも見られたが、反応に影
響を及ぼさなかった。反応液を取り出し加熱しながら加
圧濾過して、NaCl塩を取り除いた。得られた濾液を
そのまま大量のエーテル中に再沈殿を行ったが、何も得
られなかった。
【0038】比較例7 100mlの4つ口フラスコに50gのグリシドールと
10gのAlCl3を仕込んだところ、急激に発煙し、
酸性のガスを発生したので、反応を中止した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】表1〜表4で使用した略号は次のとおりで
ある。 GLD;グリシドール HEO;2−ヒドロキシエチルオキシラン HPO;3−ヒドロキシプロパンオキシラン NaCl;塩化ナトリウム KCl;塩化カリウム CsCl;塩化セシウム NaBr;臭化ナトリウム NaI;ヨウ化ナトリウム LiBr;臭化リチウム CaCl2;塩化カルシウム CuCl2;塩化第一銅 H3PO4;リン酸
【0044】以上より、アルカリ金属ハロゲン化物のか
わりに、カルシウムまたは銅の塩化物を用いた比較例1
および2では、着色および収率の低下が見られた。ま
た、5%KOHまたはリン酸を用いた比較例3および4
においても、着色および収率の低下が見られた。アルカ
リ金属ハロゲン化物を用いなかった比較例5では反応が
進行せず、原料にエピクロルヒドリンを用いた比較例6
ではアルカリ金属ハロゲン化物を用いても反応が進行し
なかった。また、アルカリ金属ハロゲン化物の代わり
に、アルミニウムの塩化物を用いた比較例7では発煙が
見られ、危険であった。これらの結果に対して本発明の
アルカリ金属ハロゲン化物を触媒として用いた実施例1
〜12では、色相の優れたポリエーテル化合物が高収率
で得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリグリセリンのGPCチ
ャートである。
【図2】比較例4で得られたポリグリセリンのGPCチ
ャートである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合反応触媒の存在下に、水酸基含有オ
    キシラン化合物を含むモノマーを重合してポリエーテル
    化合物を製造する方法において、前記重合反応触媒とし
    てアルカリ金属ハロゲン化物を使用することを特徴とす
    るポリエーテル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属ハロゲン化物がNaClま
    たはKClである請求項1記載のポリエーテル化合物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 モノマー100重量部に対してアルカリ
    金属ハロゲン化物を0.05〜30重量部使用する請求
    項1または2記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 水酸基含有オキシラン化合物が、下記式
    (1) 【化1】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表される水酸基
    含有オキシラン化合物である請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 水酸基含有オキシラン化合物がグリシド
    ールであり、ポリエーテル化合物がポリグリセリンであ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のポリエーテル化
    合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応温度が40〜100℃である請求項
    1ないし5のいずれかに記載のポリエーテル化合物の製
    造方法。
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Cited By (6)

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