JP3691678B2 - 新規ポリエーテルポリオール化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子中に存在する水酸基が1、2−ジオールまたは1、3−ジオールとして存在し、これとは独立した水酸基を0ないし1個有する特殊な構造の新規ポリエーテルポリオール化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエーテルポリオール化合物は、アルコールとエポキシ化合物との付加反応、または多価アルコールを触媒存在下200℃以上の高温で縮合させることにより製造されている。これらの反応で生成するポリエーテルポリオール化合物は直鎖状の化合物が主となる。例えばポリエーテルポリオール化合物の一種であるポリグリセリンの構造は一般に次のように表される。
【0003】
【化1】
Figure 0003691678
【0004】
このような構造のポリエーテルポリオール化合物は重合度が高くなるにつれ、分子中の末端に位置する水酸基の数は一定であるのに対し分子の内部に位置する2級の水酸基が増加していく。このポリエーテルポリオール化合物の末端以外の水酸基は立体障害のため反応性が低い。そのため、例えば樹脂の架橋剤としてポリエーテルポリオール化合物を利用する場合、加熱等により過剰のエネルギーを与える必要があり、そのためによる着色などの問題が発生することになる。
また、先にあげたポリグリセリンは、脂肪酸とエステル化して主に食品用界面活性剤として利用されるがこのエステル化において末端の水酸基では反応は速やかに進行するが中央部の水酸基は反応が遅くなる。そのため特に脂肪酸を多く付加させて親油性のエステルを調製する際苛烈な条件を必要とし、そのため風味、色相の悪いものとなってしまう。一方エステル化度の低い親水性のエステルにおいて、親水部の形状はその性能に大きな影響をおよぼす。界面活性剤が効果を発揮するためには界面に吸着し、覆い尽くさなければならないが、従来の直鎖型のポリエーテルポリオールのエステルは界面に吸着したときの1分子あたりの占有面積が小いため、界面を完全に覆うためには多量のエステルを使用する必要がある。その結果として食品の風味を損ねるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は分子中に存在する水酸基の反応性が高く、樹脂などの添加剤、食品、化粧品、医薬品用界面活性剤の原料として利用でき、また、1分子当たりの分子占有面積が大きいため高性能の界面活性剤の親水部分として好適である新規ポリエーテルポリオール化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記現状を鑑み鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、組成式C3n6n+22n+1で表されかつnが4以上の偶数の場合1、2−ジオールおよび/または1、3−ジオールを合わせて((n/2)+1)個有し、nが5以上の奇数の場合1、2−ジオールおよび/または1、3−ジオールを合わせて(((n−1)/2)+1)個およびこれとは独立の1個の水酸基を有するポリエーテルポリオール化合物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明でいうポリエーテルポリオール化合物とは、分子中に複数のアルコール性水酸基とエーテル結合を有し、これ以外の酸素原子を含む官能基を有しない化合物である。
本発明のポリエーテルポリオール化合物は組成式C3n6n+22n+1(nは4以上の整数)で表される。これはポリエーテルポリオール化合物の元素分析を行うことにより確認される。簡便には本化合物を高分解能質量分析装置に付し、その組成式を得ることができる。
本発明のポリエーテルポリオール化合物が有する1、2−ジオールとは水酸基を1個ずつ有している炭素原子2個が直接結合している構造であり、1、3−ジオールとは水酸基を1個ずつ有している炭素原子2個が間に水酸基を持たない炭素原子1個を介して結合している構造である。
【0008】
また本ポリエーテルポリオール化合物はnが4以上の偶数の場合((n/2)+1)個の1、2−ジオールおよび/または1、3−ジオールを有する。これは近接する炭素原子上に存在する水酸基に特有の反応を施すことにより確認できる。例えば1、2−ジオールの場合は本化合物を一定量の過ヨウ素酸と反応させた後ヨウ化カリウムを加え、生成するヨウ素をチオ硫酸ナトリウム液で滴定することにより消費された過ヨウ素酸を求める。これを理論値と比較することにより確認することができる。また、1、2−ジオールおよび1、3−ジオールの部分構造に特有の反応として本ポリエーテルポリオール化合物を触媒存在下アセトンと反応させ、得られたポリエーテルポリオールのアセトナイドの赤外吸収スペクトルを測定するとき、水酸基の吸収を認めない。更にこのアセトナイドを高分解能質量分析装置に付し、得られた組成式を理論組成式と比較することにより本発明のポリエーテルポリオール化合物であることを確認することができる。
【0009】
また本ポリエーテルポリオール化合物はnが5以上の奇数の場合(((n−1)/2)+1)個の1、2−ジオールおよび/または1、3−ジオールおよびこれとは独立の1個の水酸基を有する。これは以下の方法により確認できる。すなわち本ポリエーテルポリオール化合物を触媒存在下アセトンと反応させ、得られたポリエーテルポリオールのアセトナイドの分子量を測定することにより1、2−ジオールおよび/または1、3−ジオールの個数を確認することができる。次いでポリエーテルポリオールのアセトナイドを無水酢酸とピリジンでアセチル化してその分子量を測定するとき、分子量はアセチル化前に比べ42増加している。なお、このポリエーテルポリオールのアセトナイドおよびそのアセチル化物を高分解能質量分析装置に付し、得られた組成式を理論組成式と比較することにより、より確実に本特許の構造を確認することができる。
本発明のポリエーテルポリオールの構造を例示すると次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
【化2】
Figure 0003691678
【0011】
【化3】
Figure 0003691678
【0012】
【化4】
Figure 0003691678
【0013】
【化5】
Figure 0003691678
【0014】
【化6】
Figure 0003691678
【0015】
【化7】
Figure 0003691678
【0016】
【化8】
Figure 0003691678
【0017】
【化9】
Figure 0003691678
【0018】
【化10】
Figure 0003691678
【0019】
本化合物の合成法は特に問わない。例えば原料となる多価アルコールや相当するエポキシド化合物を触媒存在下加熱重合させた後、アセトン等のカルボニル化合物と反応させてアセトナイドとし、分別蒸留等により目的物を精製した後アセトナイドを分解して調製できる。より好ましくは合成的手法によるもので例えばグリセリンやジグリセリンといった多価アルコールとハロゲン化アリルを縮合させ、次いでアリル基を2個の水酸基に変換することにより合成できる。また、この反応を繰り返すことにより、さらに分子量の大きなポリエーテルポリオールを合成することも可能である。
【0020】
ハロゲン化アリルとしては塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルなどが利用でき、経済的な面から塩化アリルまたは臭化アリルが望ましい。
【0021】
本発明によれば、先ずグリセリンまたはグリセリン誘導体とハロゲン化アリルのエーテル化が最初の段階となる。このエーテル化は既知の方法で実施でき、とくに限定するものではない。このとき、グリセリンまたはグリセリン誘導体の水酸基をすべてをアリルエーテル化するため、ハロゲン化アリルは等モル量以上使用することが望ましい。原料グリセリンまたはグリセリン誘導体の水酸基の数に対し、1.5から5倍モル、好ましくは2から3倍モルが適当である。
【0022】
反応温度は室温でも進行するが、より効率を上げるため加温してもよい。その際、温度の上限は用いるハロゲン化アリルの沸点によって決まる。また、いずれのハロゲン化アリルでも温度が低いと反応性が低下して効率が悪くなるため、塩化アリルの場合は10〜45℃、好ましくは30〜45℃、臭化アリルの場合は10〜71℃、好ましくは30〜71℃、ヨウ化アリルの場合は10〜103℃、好ましくは30〜103℃が適当である。この反応は塩基または触媒を添加することにより反応速度を増大させることができる。この塩基または触媒としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属、これらの金属の酸化物、水素化物、水酸化物、炭酸塩、トリエチルアミンなどの有機塩基性化合物、酸化銀、銅粉末などの金属やその酸化物があげられるが、これらに限定されるものではない。なお、とくにアルカリ金属水酸化物を用いる場合にはグリセリン誘導体と混合して加熱脱水し、アルコキシドとしてからハロゲン化アリルと反応させてもよい。
【0023】
さらに、反応を効率的に進めるため、溶媒の使用も可能である。溶媒として水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあげられるがこれらに限定されるものではない。使用量はとくに制限するものではないが他の原料に対して等量から5倍量程度が適当である。
【0024】
最終生成物の純度を上げるためにはアリルエーテル化反応の終了後、何らかの精製を行うことが望ましい。例えばアリルエーテル体を水洗することにより未反応の原料グリセリンまたはグリセリン誘導体やエーテル化度の低い不要な生成物、過量の塩基や触媒、または反応で生成した塩などを除去できる。また、用いたハロゲン化アリルの沸点以上まで加熱することにより過剰のハロゲン化アリルを除去でき、これは減圧にすることでより効率よく実施できる。さらに目的のエーテル体の純度を向上させるためには常圧下または減圧下加熱してアリルエーテル体自身を蒸留精製することもできる。また、シリカゲル、アルミナなどの吸着剤やイオン交換樹脂などの分離剤を用いたカラムクロマトグラフィーや、有機溶剤を用いた分配も精製に利用できる。
【0025】
このアリルエーテル化反応では、反応終了時において原料のグリセリンまたはグリセリン誘導体の水酸基が全て消失していることが望ましい。アリルエーテル化されたグリセリン誘導体は極性が著しく低下するため、薄層クロマトグラフィーで容易に確認できる。また赤外スペクトルを測定して水酸基に基づく吸収の消失を確認してもよい。反応とそれに続く精製の結果得られたアリルエーテル体の中に未反応の水酸基が存在する場合は、再度ハロゲン化アリルと反応させればよい。このアリルエーテル化誘導体は既知の方法で水酸基に誘導でき、その方法はとくに限定するものではない。例えば塩素、臭素などのハロゲンまたはハロヒドリンを導入後加水分解して水酸基に誘導する方法やエポキシドを経由して水酸基に誘導する方法を挙げることができる。一般的には二重結合をエポキシドとし、次いで酸またはアルカリで開環させて水酸基とする。このエポキシド化には一般的に過酸が用いられる。過酸としては過酢酸、過ギ酸、過トリフルオロ酢酸などが利用でき、通常過酸化水素水を該当する酸に添加して調製される。この他メタクロロ過安息香酸、オルトスルホ過安息香酸、ペルオキシフタル酸、モノペルオキシコハク酸、ジスクシノイルペルオキシドといった有機過酸も利用できる。さらに過マンガン酸カリウム、四酸化オスミウムといった酸化剤も利用できる。
【0026】
このエポキシド化の工程は10〜100℃で反応できるが、温度が低いと反応性が低く、また高いと生成したエポキシド体同士が重合して生成物の純度が低下するため好ましくは30〜50℃の温度で達成される。
このエポキシド体は引き続き加水分解され、水酸基へと誘導され、ポリグリセリンまたはポリグリセリン誘同体となる。加水分解には酸またはアルカリ水溶液が用いられるが、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液が望ましい。温度は20〜60℃、好ましくは40〜50℃で達成できる。この時、反応温度が低いと反応性が低く、温度が高いとエポキシド同士が重合して生成物の純度が低下する。大部分のエポキシド体が分解した後は反応を完結させるため最終的には100℃以上まで昇温し加熱還流させることもできる。
また、このエポキシド体をグリセリンまたはグリセリン誘導体の水酸基と反応させてポリグリセリンまたはポリグリセリン誘導体とすることもできる。この場合、反応は無触媒でも進行するが触媒を用いてもよい。塩基性触媒としてアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート、有機塩基性化合物が挙げられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などのプロトン酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどのルイス酸、ギ酸、酢酸などの有機酸が挙げられるがこれらに限るものではない。反応温度は40〜250℃で好ましくは70〜150℃である。40℃以下では反応終了までに時間がかかり、効率が悪い。また250℃以上ではエポキシドの分解が起きるため好ましくない。
【0027】
これらの方法で得られたポリグリセリンまたはポリグリセリン誘導体(以下反応物という)にはエポキシド化や加水分解に使用した原料や副成した塩が含まれる。これらは常圧下または減圧下で低分子を留去したり、イオン交換樹脂を用いることにより除去できる。さらに反応物を分子蒸留、クロマト装置といった既知の方法により、精製することもできる。このようにして得られたポリグリセリンまたはポリグリセリン誘導体の純度は、例えば先に述べたガスクロマトグラフや液体クロマトグラフといった分析手法で測定できる。
【0028】
本法によれば、単一の重合度のグリセリン重合物を高純度で含有するポリグリセリンを効率よく合成できる。本法における高純度ポリグリセリンとは特に限定されるものではないが、例えば先に示したガスクロマトグラフまたは液体クロマトグラフ分析を行った場合に、単一成分の純度が60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。
また、グリセリン誘導体に関しても同様の手法によりグリセリン骨格を延長させることができる。この結果得られたポリグリセリン誘導体は、導入された置換基を外してポリグリセリンとしてもよいが、置換基を生かしてそのまま利用することもできる。例えばグリセリンアルキルエーテルを原料として得られたポリグリセリンアルキルエーテルはそのままで親水性界面活性剤としての利用が可能である。この場合親水部のグリセリン重合度が揃っていることに加え、モノアルキルエーテルのみが効率的に得られることになる。
本ポリエーテルポリオール化合物の利用分野は特に限定されるものではなく、そのまま、または適当な化学修飾を施して利用できる。例えば工業分野では樹脂用架橋剤、湿潤剤、界面活性剤、染色の助剤、紙の改質剤、帯電防止剤、可塑剤などに利用できる。化粧品分野では保湿剤、界面活性剤の原料などに利用できる。また食品分野では食品用乳化剤として利用できる。さらに本ポリエーテルポリオール化合物単独または分子量の異なる本ポリエーテルポリオール化合物、または他の物質と組み合わせて使用できる。
次に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
実施例1
撹拌装置、還流管および温度計を備えた1リットルの四つ口フラスコにグリセリン100g、50%水酸化ナトリウム水溶液310gおよび塩化アリル310mlを加え、40℃で10時間撹拌した。生成物に水を加えて撹拌後静置して水層を除去後、減圧下加熱濃縮し、残渣196gを得た。別途3リットルのフラスコにギ酸1リットルと35%過酸化水素水500mlを加え、ここへ先の反応物を徐々に添加、45℃で8時間反応させた。次いで減圧下加熱してギ酸と水を留去後、残渣に10%水酸化ナトリウム水溶液500mlを加え、40℃で5時間撹拌した。反応液を10%塩酸で中和後減圧下加熱脱水し、残渣に水を加えて陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に通じて脱塩し、減圧下脱水してポリエーテルポリオール化合物(テトラグリセリン)205gを得た。
本化合物の一部を質量分析装置にて分析したところ、分子量314、組成式C1226を得、これはテトラグリセリンの理論値と完全に一致した。また、この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、エーテル結合、水酸基の吸収を認めた。また、撹拌装置、還流管および温度計を備えた100mlの四つ口フラスコに得られたテトラグリセリン1g、乾燥アセトン40mlおよび塩化第二鉄0.4gを加え、40℃で8時間撹拌した。減圧下アセトンを除去後残渣にジエチルエーテル50mlを加えて水洗、ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去し、残渣1.3gを得た。この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸基の吸収は認められなかった。また、このアセトナイド化合物を質量分析装置にて分析し、分子量434、組成式C2138を得、これは理論値と完全に一致した。これらの結果よりこのテトラグリセリンは1、2−ジオールの部分構造を3個有していることが明らかとなった。
【0030】
実施例2
撹拌装置、還流管および温度計を備えた1リットルの四つ口フラスコにジグリセリン(ソルベー社製、純度94%)100g、50%水酸化ナトリウム水溶液240gおよび塩化アリル245mlを加え、40℃で10時間撹拌した。生成物に水を加えて撹拌後静置して水層を除去後、減圧下加熱濃縮し、残渣165gを得た。別途3リットルのフラスコにギ酸800mlと35%過酸化水素水400mlを加え、ここへ先の反応物を徐々に添加、45℃まで昇温し8時間反応させた。次いで減圧下加熱してギ酸と水を留去後、残渣に10%水酸化ナトリウム水溶液500mlを加え、40℃で5時間撹拌した。反応液を10%塩酸で中和後減圧下加熱脱水し、残渣に水を加えて陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に通じて脱塩し、減圧下脱水してポリエーテルポリオール化合物(ヘキサグリセリン)183gを得た。
本化合物の一部を質量分析装置にて分析したところ、分子量462、組成式C183813を得、これはヘキサグリセリンの理論値と完全に一致した。また、この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、エーテル結合、水酸基の吸収を認めた。また、撹拌装置、還流管および温度計を備えた100mlの四つ口フラスコに得られたヘキサグリセリン1g、乾燥アセトン40mlおよび塩化第二鉄0.4gを加え、40℃で8時間撹拌した。減圧下アセトンを除去後残渣にジエチルエーテル50mlを加えて水洗、ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去し、残渣1.3gを得た。この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸基の吸収は認められなかった。また、このアセトナイド化合物を質量分析装置にて分析し、分子量622、組成式C305413を得、これは理論値と完全に一致した。これらの結果よりこのヘキサグリセリンは1、2−ジオールの部分構造を4個有していることが明らかとなった。
【0031】
実施例3
撹拌装置、還流管および温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに実施例1で得たテトラグリセリン50g、50%水酸化ナトリウム水溶液100gおよび塩化アリル100mlを加え、40℃で15時間撹拌した。生成物に水を加えて撹拌後静置して水層を除去後、減圧下加熱濃縮し、残渣69gを得た。別途1リットルのフラスコにギ酸400mlと35%過酸化水素水200mlを加え、ここへ先の反応物を徐々に添加、45℃まで昇温し10時間反応させた。次いで減圧下加熱してギ酸と水を留去後、残渣に10%水酸化ナトリウム水溶液200mlを加え、40℃で10時間撹拌した。反応液を10%塩酸で中和後減圧下加熱脱水し、残渣に水を加えて陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に通じて脱塩し、減圧下脱水してポリエーテルポリオール化合物(デカグリセリン)71gを得た。
本化合物の一部を質量分析装置にて分析したところ、分子量758、組成式C306221を得、これはデカグリセリンの理論値と完全に一致した。また、この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、エーテル結合、水酸基の吸収を認めた。また、撹拌装置、還流管および温度計を備えた100mlの四つ口フラスコに得られたデカグリセリン1g、乾燥アセトン40mlおよび塩化第二鉄0.4gを加え、40℃で8時間撹拌した。減圧下アセトンを除去後残渣にジエチルエーテル50mlを加えて水洗、ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去し、残渣1.3gを得た。この化合物の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸基の吸収は認められなかった。また、このアセトナイド化合物を質量分析装置にて分析し、分子量998、組成式C488621を得、これは理論値と完全に一致した。これらの結果よりこのデカグリセリンは1、2−ジオールの部分構造を6個有していることが明らかとなった。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば分子中に存在する水酸基の反応性が高いポリエーテルポリオール化合物が提供でき、それ自体または適当な誘導体とすることで工業、化粧品、食品などの分野で利用が可能である。

Claims (3)

  1. 組成式C3n6n+22n+1で表されかつnが6以上の偶数であって、1,2−ジオールおよび/または1,3−ジオールを合わせて((n/2)+1)個有するポリエーテルポリオール化合物。
  2. アリル化合物の二重結合を2個の水酸基に変換して調整される請求項1記載のポリエーテルポリオール化合物。
  3. グリセリンまたは重合度2以上のポリグリセリンにハロゲン化アリルを付加させ、次いで二重結合を2個の水酸基に変換して調製される請求項1記載のポリエーテルポリオール化合物。
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