JP2002029431A - トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置Info
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Abstract
操舵トルクを舵取装置側からの逆トルクと区別して検出
する。 【解決手段】 操舵軸の回転角度に対応する磁気センサ
の出力を取込み、この出力を用いて操舵軸に加わるトル
クTを算出する一方、現状の車速vと、軸長方向に離隔
した2か所において操舵軸の角速度ω1 及びω2 とを求
め、これらの相関関係に基づいて算出トルクTが逆入力
トルクであるか否かを判定し、逆入力トルクであると判
定された場合、算出トルクTの符号を反転して補助力ト
ルクT0とし、この補助力トルクT0 を得るべく操舵補
助用のモータMを駆動する。
Description
両の操舵軸に加えられる操舵トルクを検出するトルク検
出装置、及び該トルク検出装置による検出トルクに基づ
いて操舵補助用のモータを駆動制御する電動パワーステ
アリング装置に関する。
ホイール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づい
て操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を舵
取装置に伝えて操舵を補助する構成とした電動パワース
テアリング装置は、操舵補助力の発生源として油圧アク
チュエータを用いる油圧パワーステアリング装置と比較
して、車速の高低,操舵の頻度等、走行状態に応じた補
助力特性の制御が容易であるという利点を有しており、
近年、その適用範囲が拡大する傾向にある。
おいては、舵輪に加えられる操舵トルクを検出する必要
がある。この検出は、一般的に、舵輪と舵取機構を連絡
する操舵軸の中途において、軸長方向に離隔した2か所
の回転角度を検出することにより行わせ得る。即ち、舵
取り操作中の操舵軸には、舵輪に加わえられる操舵トル
クの作用により捩れが生じており、この捩れは、前述し
た2か所での検出角度の差に対応するから、この差を用
いて操舵トルクを求めることができる。
度は、舵輪側の入力軸と舵取装置側の出力軸とを細径の
トーションバーを介して連結して操舵軸を構成し、前記
操舵トルクの作用時に、入力軸と出力軸との間にトーシ
ョンバーの捩れを伴って大なる回転角度差が生じるよう
にしておき、両軸の連結部において夫々の回転角度を検
出することにより高めることができる。
置における操舵トルクの検出に好適に用い得るトルク検
出装置を、特願平11−100665号等に提案している。この
装置は、対象となる回転軸の周方向に複数並設され、軸
長方向に対して夫々が略等角度傾斜する磁性体製のター
ゲットと、これらの外側に対向配置され、各ターゲット
の通過に応じて変化する出力を発する磁気センサ(MR
センサ)とを備えるセンサユニットを、入力軸及び出力
軸の連結部に夫々備えて構成されている。
磁気センサが、入力軸及び出力軸の周上に並ぶ複数のタ
ーゲットの夫々が通過する間、該ターゲットの傾斜に対
応する傾きを有して線形に変化する電圧出力を発するか
ら、入力軸及び出力軸の回転角度を、夫々に対応する磁
気センサの出力に基づいて非接触にて検出することがで
き、舵輪の操作により入力軸に加えられる操舵トルク
は、入力軸及び出力軸に対応する磁気センサの出力差と
して与えられる両軸の回転角度の差に基づいて算出され
る。
アリング装置における操舵補助用のモータ制御において
は、舵輪に加えられる操舵トルクの大きさに加えて、こ
の操舵トルクの方向、即ち、左右いずれの方向に操舵が
なされているかを検出する必要がある。前述の如く構成
されたトルク検出装置においては、入力軸の回転角度と
出力軸の回転角度とを比較して入力軸が先行している方
向に操舵トルクが加えられていると判定するようにして
いる。
操作に応じて舵輪側の入力軸から加わる正規の入力トル
ク(操舵トルク)と共に、操向用車輪に加わる路面反力
が、舵取装置側の出力軸からの入力トルク(以下逆入力
トルクという)として作用しており、例えば、直進走行
中の保舵状態において、路面上の凹凸への乗り上げによ
り大なる逆入力トルクが加えられたとき、これが前述の
如く構成されたトルク検出装置により検出されることが
ある。
規の入力である操舵トルクの場合とは逆に、出力軸の側
が先行する状態で加えられる結果、トルク検出装置の検
出結果に基づく前述した方向判定が、逆入力トルクの要
因となっている路面反力の作用による操向用車輪の付勢
の向きと同向きの操舵トルクが加えられているかの如く
になされ、このトルク検出に応じて操舵補助用のモータ
が駆動されたとき、該モータの駆動力が前記逆入力トル
クと同向きに舵取装置に加えられ、舵輪を把持する運転
者に、本来の逆入力トルクが助長された状態で体感さ
れ、操舵感覚の悪化を招くという問題があった。
であり、舵輪と舵取装置とを連絡する操舵軸に舵輪側か
ら加えられる操舵トルクを、舵取装置側から加えられる
逆入力トルクとを区別して検出することができるトルク
検出装置を提供し、また、このような逆入力トルクの検
出時に、これを相殺する方向に操舵補助用のモータを駆
動することにより、逆入力トルクの作用時における操舵
感覚の悪化を防止することが可能な電動パワーステアリ
ング装置を提供することを目的とする。
トルク検出装置は、車両の舵取装置と舵輪とを連絡する
操舵軸の回転角度を軸長方向の異なる位置にて検出する
第1,第2の回転角センサと、これらの検出角度の差に
基づいて前記舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさ
を算出するトルク算出手段とを備えるトルク検出装置に
おいて、前記車両の走行速度を検出する車速センサと、
前記第1,第2の回転角センサの検出結果に基づいて夫
々の検出位置での前記操舵軸の角速度を算出する手段
と、該手段による算出角加速度と前記車速センサによる
検出車速との間に所定の相関関係が成立するとき、前記
トルク算出手段により算出される操舵トルクの方向を逆
転する手段とを具備することを特徴とする。
長方向の異なる2か所において検出し、これらの差を用
いて操舵トルクの方向及び大きさを算出する一方、前記
回転角度の検出位置での操舵軸の角加速度を算出し、ま
た車両の車速を検出して、検出車速と算出された2つの
角加速度との間に所定の相関関係が成立するとき、前記
操舵軸に逆入力トルクが加わっていると判定して、先に
算出された操舵トルクの方向を逆転して出力し、逆入力
トルクの検出に伴って有害な制御動作が行われることを
防止する。
グ装置は、車両の舵取装置と舵輪とを連絡する操舵軸の
回転角度を軸長方向の異なる位置にて検出し、これらの
検出角度の差に基づいて前記操舵軸に加わる操舵トルク
を算出し、算出された操舵トルクの方向及び大きさに応
じた補助力を前記舵取装置に加えるべく、該舵取装置に
付設された操舵補助用のモータを駆動制御する電動パワ
ーステアリング装置において、前記車両の走行速度を検
出する車速センサと、前記回転角度の検出結果に基づい
て夫々の検出位置での前記操舵軸の角速度を算出する手
段と、該手段による算出角加速度と前記車速センサによ
る検出車速との間に所定の相関関係が成立するとき、前
記操舵トルクの算出結果により決定される前記モータの
駆動方向を逆転する制御手段とを具備することを特徴と
する。
様にして、正規の操舵トルクと逆入力トルクとを区別し
て検出し、逆入力トルクの検出時に操舵補助用のモータ
を、操舵トルクの検出時におけると逆方向に、即ち、逆
入力トルクを相殺する方向に駆動して、逆入力の作用に
よる操舵感覚の悪化を防止する。
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るトル
ク検出装置を備えた電動パワーステアリング装置の概略
構成を示す模式図である。図示の如く、舵取り操作用の
舵輪(ステアリングホイール)30に上端を連結された入
力軸31と、後述する舵取装置4のピニオン40に連結され
た出力軸32とを、細径のトーションバー33を介して同軸
上に連結し、前記舵輪30と舵取装置4とを連絡する操舵
軸3が構成されている。
ピニオン40が噛合するラック軸41と備えるラックピニオ
ン式の舵取装置として構成されている。前記ラック軸41
は、図示しない車両の左右方向に延設してあり、該ラッ
ク軸41の左右両端は、各別のタイロッド42,42を介して
操向用の車輪(一般的には前輪)43,43に連結されてい
る。この構成により、舵輪30の操作により操舵軸3を介
して生じるピニオン40の回転が、該ピニオン40に噛合す
るラック軸41の軸長方向の移動に変換され、この移動
が、前記タイロッド42,42を介して操向用の車輪43,43
に伝えられ、これらの向きが変更されて舵取りが行われ
る。
を操舵補助用のモータMにより補助する電動パワーステ
アリング装置として構成されている。操舵補助用のモー
タMは、操舵軸3を含む舵取装置4周辺の適宜位置に配
設することが可能である。図においてモータMは、操舵
軸3の中途部に配設され、その出力端に固着されたウォ
ーム34を前記出力軸32の中途部に嵌着固定されたウォー
ムホイール35に噛合させてある。この構成によれば、前
記モータMの回転は、ウォーム34及びウォームホイール
35を介して出力軸32に伝達され、該出力軸32の下端に連
設されたピニオン40に回転力が付与されて、この回転に
応じて前述の如く行われる舵取りが補助されることとな
る。
30の操作により操舵軸3に加えられる操舵トルクを検出
すべく、入力軸31及び出力軸32の連結部近傍に以下の如
くに構成されている。
傍に、円板形をなすターゲット環2が同軸上に外嵌固定
されており、該ターゲット環2の外周には、複数枚(図
においては10枚)のターゲット歯20,20…が一体形成さ
れている。これらのターゲット歯20,20…は、ターゲッ
ト環2が嵌着された入力軸31の軸長方向に対し、夫々が
同方向に略等角度傾斜する態様に設けられた磁性体製の
突条であり、前記ターゲット環2の周方向に等配をなし
て並設されている。
軸31との連結側端部近傍にも外嵌固定されており、該タ
ーゲット環2の外周には、これが嵌着された出力軸32の
軸長方向に対して夫々が略等角度傾斜する複数枚のター
ゲット歯20,20…が、入力軸31側のターゲット歯20,20
…と周方向に整合するように並設されている。
は、夫々のターゲット歯20,20…の並設位置を周方向の
異なる位置から臨むように2個のセンサボックス1a,1b
が配設されている。これらのセンサボックス1a,1bは、
入力軸31及び出力軸32を支承するハウジング等の動かな
い部位に固定支持されており、一方のセンサボックス1a
の内部には、入力軸31側のターゲット歯20,20…に対向
する磁気センサ1Aと、出力軸32側のターゲット歯20,20
…に対向する磁気センサ1Bとが、周方向位置を整合せし
めて収納されており、同じく他方のセンサボックス1bの
内部には、入力軸31側のターゲット歯20,20…に対向す
る磁気センサ2Aと、出力軸32側のターゲット歯20,20…
に対向する磁気センサ2Bとが、周方向位置を整合せしめ
て収納されている。
果素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性
(抵抗)が変化する特性を有する素子を用い、周辺磁界
の変化に応じて出力電圧を変えるように構成されたセン
サであり、これらの出力V1A,V1B,V2A,V2Bは、セ
ンサボックス1a,1bの外部に引き出され、マイクロプロ
セッサを用いてなる駆動制御部5に与えられている。
電圧の変化態様の一例を示す説明図である。図の横軸
は、入力軸31又は出力軸32の回転角度を示し、図中の実
線は、入力軸31側の磁気センサ1A,2Aの出力電圧V1A,
V2Aを、同じく破線は、出力軸32側の磁気センサ1B,2B
の出力電圧V1B,V2Bを夫々示している。
ゲット歯20,20…は、前述の如く、入力軸31及び出力軸
32の軸長方向に対して同向きに等角度傾斜する磁性体製
の突条であり、各ターゲット歯20,20…の間には不連続
部が存在する。従って、入力軸31及び出力軸32が軸回り
に回転した場合、各磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、対応
するターゲット歯20,20…が通過する間には、入力軸31
又は出力軸32の回転角度の変化に応じて線形に変化する
電圧信号を出力し、また相隣するターゲット歯20,20間
の不連続部が通過する間には、前記回転角度の変化に応
じて非線形に変化する電圧信号を出力する。
力電圧は、図2に示す如く、各ターゲット歯20が通過す
る間の線形に変化する領域(線形変化領域)と、ターゲ
ット歯20,20間の不連続部が通過する間の非線形に変化
する領域(非線形変化領域)とを繰り返す変化態様を示
す。この繰り返しの周期は、ターゲット環2の外周のタ
ーゲット歯20,20…の並設数に対応し、前述の如く、タ
ーゲット環2の外周に10枚のターゲット歯20,20…が並
設されている場合には、入力軸31又は出力軸32が、36°
(= 360°/10)だけ回転する間を一周期とする繰り返
しが生じる。
V1A,V2Aは、これらに対応するターゲット歯20,20…
が設けられた入力軸31の回転角度に対応し、また磁気セ
ンサ1B,2Bの出力電圧V1B,V2Bは、これらが対向する
ターゲット歯20,20…が設けられた出力軸32の回転角度
に対応する。また、磁気センサ1Aの出力電圧V1Aと磁気
センサ1Bの出力電圧V1Bとの差ΔV1 (=V1A−
V1B)、又は磁気センサ2Aの出力電圧V2Aと磁気センサ
2Bの出力電圧V2Bとの差ΔV2 (=V2A−V2B)は、入
力軸31側のターゲット歯20,20…と、出力軸32側のター
ゲット歯20,20…との間に発生する周方向の位置ずれ量
(相対角変位)に相当し、この相対角変位は、入力軸31
に加わる操舵トルクの作用下において入力軸31と出力軸
32とを連結するトーションバー33に生じる捩れ量に対応
する。従って、前記出力電圧の差ΔV1 又はΔV2 に基
づいて入力軸31に加わる操舵トルクを算出することがで
きる。
サ1A,1B,2A,2Bの出力電圧が与えられる前記駆動制御
部5において行われる。この算出手順については、本願
出願人による前記特願平11−100665号等に詳しく述べら
れており、ここでの説明は省略するが、前記出力電圧の
差ΔV1 又はΔV2 の絶対値を用いて操舵トルクの大き
さが求められ、またΔV1 又はΔV2 の正負に基づいて
操舵トルクの方向が求められる。
ト歯20,20…の外側に各2つの磁気センサ1A,2A及び1
B,2Bを並設してあるのは、図2に示す非線形変化領域
において得られる不確かな出力を用いた操舵トルクの誤
った算出がなされないようにするためである。一方のセ
ンサボックス1a内の2つの磁気センサ1A,1Bと、他方の
センサボックス1b内の2つの磁気センサ2A,2Bとは、周
方向に位相をずらせて位置決めされ、図2に示す如く、
一方の組の出力(V1A,V1B)が非線形変化領域にある
とき、他方の組の出力(V2A,V2B)が線形変化領域に
あるようにしてある。駆動制御部5においては、磁気セ
ンサ1A,1B及び磁気センサ2A,2Bの内、その出力が線形
変化領域にある組が選択され、選択された側の出力差を
用いて操舵トルクの算出が行われる。
前述の如く配された操舵補助用のモータMに与えられて
おり、駆動制御部5は、基本的には、前述の如く算出さ
れた操舵トルクの方向に、該操舵トルクの大きさに応じ
た回転力を発すべく前記モータMを駆動する操舵補助動
作を行う。このとき、モータMの回転力は、前述の如く
ウォーム34及びウォームホイール35を介して出力軸32に
伝達され、該出力軸32の下端に連設されたピニオン40に
回転力が付与されて舵取りが補助される。
算出は、舵輪30の操作に応じて入力軸31の側から加えら
れる本来の操舵トルクに対して行われる一方、前述の如
く、操向用の車輪43,43に加わる路面反力の作用に応じ
て出力軸32の側から加えられる逆入力トルクに対しても
行われ、この逆入力トルクの算出結果に基づいて操舵補
助用のモータMが同様に駆動された場合、該モータMに
より舵取装置に加えられる回転力により前記逆入力トル
クが助長されて、操舵感覚の悪化を招く虞れがある。
サ1A,1B,2A,2Bの出力電圧が与えられたとき、この出
力電圧が、正規の操舵トルクの付加下にて発生したもの
か、前記逆入力トルクの付加下にて発生したものかを以
下の手順にて判別し、この判別に従って夫々の制御動作
を行う構成としてある。駆動制御部5の入力側には、車
両の走行速度を検出する車速センサ6の出力が与えられ
ており、前記トルクの判別には、車速センサ6による検
出車速を用いる。
ローチャートである。駆動制御部5は、キースイッチの
オン操作による電源供給に応じてその動作を開始し、入
力側に接続された磁気センサ1A,1Bの出力電圧V1A,V
1Bと磁気センサ2A,2Bの出力電圧V2A,V2Bとを所定の
サンプリング周期にて取り込み(ステップ1)、これら
の内、線形変化領域にある組の出力差ΔV1 又はΔV2
を用いて操舵軸3に加わっているトルクTを算出する
(ステップ2)。
る算出トルクTが所定の不感帯ΔT内にあるか否かを調
べ(ステップ3)、不感帯ΔT内に存在する場合には、
以下の動作を行うことなくステップ1に戻り、次なる出
力電圧の取り込みを行う。
外にある場合、駆動制御部5は、入力側に接続された車
速センサ6の出力を取り込み、現状の車速vを算出する
(ステップ4)と共に、操舵トルクの算出に用いた磁気
センサの出力電圧、例えば、磁気センサ1A,1Bの出力電
圧V1A,V1Bを用いて、入力軸31及び出力軸32の角速度
ω1 及びω2 を算出し(ステップ5)、これらの算出結
果と前記車速vとを所定のマップに適用することによ
り、前記算出トルクTが、舵輪30側から加えられた操舵
トルクであるか、舵取装置4側から加えられた逆入力ト
ルクであるかを判別する(ステップ6)。
1Bは、前述の如く、これらが対向配置された入力軸31及
び出力軸32の回転角度に対応しており、前記ステップ6
での角速度ω1 及びω2 の算出は、前記出力電圧V1A,
V1Bを時間微分することにより容易に実現することがで
きる。
別に用いる判別マップの一例を示す図である。図示の如
くこの判別マップは、X,Y,Zの各軸上に、入力軸31
の角速度、出力軸32の角速度及び車速を夫々設定してな
る3次元のマップとして構成されている。前記判別は、
ステップ5にて算出された角速度ω1 ,ω2 と、ステッ
プ4において検出された現状の車速vとの組み合わせに
より決定される状態点を図示のマップに適用し、例え
ば、図中にハッチングを施して示す逆入力領域A内に前
記状態点が存在するか否かを調べ、該状態点が逆入力領
域A外に存在する場合、このときの算出トルクTは、舵
取りのために舵輪30に加えられた操舵トルクであると判
別し、同じく前記逆入力領域A内に存在する場合、この
ときの算出トルクTは、路面反力等の外乱力の作用によ
り、舵取装置4の側から加えられる逆入力トルクである
と判別する手順にて行われる。
較的大であり、出力軸32側の角速度ω2 が入力軸31側の
角速度ω1 を上回る範囲に設定されている。舵取装置4
への路面反力等の外乱に起因して逆入力トルクが発生し
た場合、この逆入力トルクの方向に出力軸32が入力軸31
に対して先行回転する状態となり、この状態は、舵輪30
が逆方向に操舵された場合の操舵トルクの作用時におい
ても同様に発生する。
た場合、操舵トルクの作用時においては、入力軸31の角
速度が出力軸32の角速度よりも大きくなるのに対し、逆
入力トルクの作用時においては、このトルクの入力側と
なる出力軸32の角速度が入力軸31の角速度よりも大きく
なることは明らかであり、前述の如き逆入力領域Aの設
定により、検出トルクTの判別が可能となる。
囲に限って設定してあるのは、逆入力トルクの発生によ
る操舵感覚の悪化が問題となるのが、高速走行時に限ら
れるためである。実際の逆入力領域Aは、実車の走行テ
ストの結果等を参照して決定するのが望ましい。
算出トルクTが操舵トルクであると判別された場合、こ
の算出トルクTを補助力トルクT0 として設定し(ステ
ップ7)、また算出トルクTが逆入力トルクであると判
別された場合、算出トルクTの正負を反転して補助力ト
ルクT0 として設定し(ステップ8)、次いで、この補
助力トルクT0 の方向に対応する補助力を発生すべく操
舵補助用のモータMに動作指令を発して該モータMを駆
動せしめ(ステップ9)、ステップ1に戻って同様の動
作を繰り返す。
には、これを相殺する方向に操舵補助用のモータMが駆
動されることになり、例えば、直進走行時の保舵状態に
おいて、路面外乱の作用による逆入力トルクの体感程度
を緩和することができ、良好な操舵感覚が得られるよう
になる。
力トルクの作用時に操舵補助用のモータMを逆向きに駆
動する構成としてあるが、操舵補助用のモータMの駆動
を行わないようにしてもよい。このことは、前記フロー
チャートのステップ9において補助力トルクT0 を零に
設定することにより容易に実現することができる。ま
た、前記ステップ9において、算出トルクTの正負を反
転するだけでなく、適宜の係数を乗じて補助力トルクT
0 を決定するようにしてもよく、これにより、より積極
的又は消極的な逆入力トルクの相殺を実現することがで
きる。
願人により特願平11−100665号に提案されたトルク検出
装置を用いているが、本発明は、操舵軸3の2か所にお
いて各別に検出された回転角度の差に基づいて操舵トル
クを求める構成としたトルク検出装置全般において適用
可能であることは言うまでもない。
るトルク検出装置においては、操舵軸の軸長方向の異な
る位置にて検出した回転角度の差を用いて操舵トルクを
算出する一方、夫々の検出位置での角速度と車速とを求
め、これらの間に所定の相関関係が成り立つとき逆入力
トルクが加わっていると判定して、先に算出された操舵
トルクの方向を逆転する構成としたから、逆入力トルク
の検出結果を正規の操舵トルクの検出結果と同等に取り
扱うことができ、逆入力トルクの検出に伴って有害な制
御動作が行われることを防止することができる。
テアリング装置においては、操舵軸の軸長方向の異なる
位置にて検出した回転角度の差を用いて操舵トルクを算
出する一方、夫々の検出位置での角速度と車速とを求
め、これらの間に所定の相関関係が成り立つとき逆入力
トルクが加わっていると判定して、操舵トルクの算出結
果により決定される操舵補助用のモータの駆動方向を逆
転する構成としたから、逆入力トルクの作用時にこれを
相殺する方向の操舵補助が行われ、逆入力トルクの作用
による操舵感覚の悪化を防止することが可能となる等、
本発明は優れた効果を奏する。
ーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
説明図である。
ある。
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 車両の舵取装置と舵輪とを連絡する操舵
軸の回転角度を軸長方向の異なる位置にて検出する第
1,第2の回転角センサと、これらの検出角度の差に基
づいて前記舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさを
算出するトルク算出手段とを備えるトルク検出装置にお
いて、 前記車両の走行速度を検出する車速センサと、 前記第1,第2の回転角センサの検出結果に基づいて夫
々の検出位置での前記操舵軸の角速度を算出する手段
と、 該手段による算出角加速度と前記車速センサによる検出
車速との間に所定の相関関係が成立するとき、前記トル
ク算出手段により算出される操舵トルクの方向を逆転す
る手段とを具備することを特徴とするトルク検出装置。 - 【請求項2】 車両の舵取装置と舵輪とを連絡する操舵
軸の回転角度を軸長方向の異なる位置にて検出し、これ
らの検出角度の差に基づいて前記操舵軸に加わる操舵ト
ルクを算出し、算出された操舵トルクの方向及び大きさ
に応じた補助力を前記舵取装置に加えるべく、該舵取装
置に付設された操舵補助用のモータを駆動制御する電動
パワーステアリング装置において、 前記車両の走行速度を検出する車速センサと、 前記回転角度の検出結果に基づいて夫々の検出位置での
前記操舵軸の角速度を算出する手段と、 該手段による算出角加速度と前記車速センサによる検出
車速との間に所定の相関関係が成立するとき、前記操舵
トルクの算出結果により決定される前記モータの駆動方
向を逆転する制御手段とを具備することを特徴とする電
動パワーステアリング装置。
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