JP4389589B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両に搭載され、電動モータを用いてドライバーの操舵動作を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、操舵部材と操向車輪との間に設けられた操舵軸に連結された電動モータを備えており、ドライバーによる操舵部材への運転操作に応じたモータ動力を操舵軸に付与することで当該運転操作を補助するようになっている。
また、従来の電動パワーステアリング装置には、操舵部材の回転方向とは反対方向のモータ動力(反力)を操舵軸に作用させることにより、操舵部材がその中立位置で落ち着く、所謂中立感をドライバーに与えるように構成されたものが提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。具体的には、この従来装置では、運転操作に伴って変動する、例えば操舵部材に対する操舵トルクを検出し、このトルク検出値が小さな範囲内の値であることを判別したときに、その検出値をパラメータxとする関数f(x)で規定される反力をモータから操舵軸に付与することでドライバーに中立感を与えるようになっていた。
特開2002−87300号公報(第3〜5頁、第4図)
しかしながら、上記のような従来装置は、トルク検出値に基づく反力を単に与える構成にすぎず、操向車輪側から操舵軸に逆入力される外乱トルクについては充分に考慮されていなかった。このため、操舵部材側及び操向車輪側から操舵軸にそれぞれ作用する操舵トルク及び外乱トルクを判別することができずに、適切な反力を的確なタイミングで与えられないことがあった。この結果、操舵部材が中立位置付近にあるときでの操舵感(中立感)を改善できないことがあった。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、操舵部材がその中立位置付近にあるときでの操舵感(中立感)を確実に改善することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、電動モータを用いて操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であって、
一端部及び他端部が、それぞれ操舵部材側及び操向車輪側に連結されるトーションバーを備えた操舵軸と、前記操舵部材の舵角を検出する舵角検出器と、前記トーションバーに作用したトルクを検出するトルク検出器と、前記電動モータの駆動制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記舵角検出器にて検出された舵角θに基づき前記操舵部材がその中立位置付近の所定の角度範囲にあることを検知し、かつ前記トルク検出器にて検出されたトルクが所定のトルク範囲にあることを判別した場合、さらに、前記舵角θ及びトルクTに基づいて、前記操舵部材の回転方向と前記トーションバーにおける操舵部材側からみたときのトルクの作用方向とが互いに同じ方向であると判別したことを条件として、前記舵角θに応じた反力が前記操舵軸に付与されるように前記電動モータの駆動制御を行うことを特徴とするものである。
上記のように構成された電動パワーステアリング装置では、制御装置が舵角検出器にて検出された操舵部材の舵角が上記所定の角度範囲にあることを検知することにより、制御装置は当該操舵部材がその中立位置付近にあるか否かについて判別している。さらに、制御装置は、操舵部材が中立位置付近にあることを判別したときに、トルク検出器にて検出されたトルクが所定のトルク範囲にあることを判別した場合、制御装置は、上記検出された舵角に応じた反力を電動モータからのモータ動力により発生させて操舵軸に付与している。つまり、舵角検出器からの検出舵角及びトルク検出器からの検出トルクがともに対応する所定範囲にあるときに、制御装置は上記反力を操舵軸に作用させるので、上記従来例と異なり、制御装置は操舵部材側からの操舵トルクと操向車輪側からの外乱トルクとの判別を行いつつ、ドライバーに中立感を体感させる必要があるか否かについて判断して反力を付与することができる。
また、制御装置は検出舵角及び検出トルクに従って、操舵部材の回転方向とトルクの上記作用方向とが一致するか否かについて判別して、一致した場合に反力を与えているので、上記操舵トルクと外乱トルクとの判別をより精度よく行うことができ、適切な中立感をより確実にドライバーに体感させることができる。
また、上記電動パワーステアリング装置において、前記制御装置には、前記操向車輪を設けた車両の速度を示す車速信号が入力されるとともに、前記制御装置は、前記速度が所定の速度以上であることを判別した場合に、前記反力を前記操舵軸に与えてもよい。
この場合、高速走行中の車両の操舵軸に対し適切な反力が付与されることとなり、中立感の良し悪しが判別され易い速度域での操舵感の改善をより確実に行うことができる。
本発明によれば、制御装置が操舵部材側及び操向車輪側からそれぞれ操舵軸に作用する操舵トルク及び外乱トルクの判別を行いつつ、ドライバーに中立感を体感させる必要があるか否かについて判断しているので、制御装置は適切な反力を的確なタイミングで操舵軸に付与することが可能となって、操舵部材が中立位置付近にあるときでの操舵感(中立感)を確実に改善することができる。
以下、本発明の電動パワーステアリング装置を示す好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態1
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置の要部構成例を示す図である。図において、自動車等に搭載される当該装置は、操舵部材(ハンドル)1とピニオン2との間に操舵軸3が介在し、操舵部材1は入力軸32に、ピニオン2は出力軸33にそれぞれ接続されている。操舵軸3上にはトルク検出器3T及び舵角検出器3Sが構成されている。出力軸33にはウォームホイール4が取り付けられ、これが、電動モータ6の出力軸に取り付けられたウォーム5と噛み合っている。このモータ6の回転は、ウオーム5及びウォームホイール4を介してピニオン2に伝達されて、操舵補助力となる。ピニオン2の回転は、ラック7の直線運動に変換され、左右のタイロッド8を介して操向車輪9が転舵される。
上記トルク検出器3T及び舵角検出器3Sは、図2又は図3に示す各要素によって構成されている。図において、操舵軸3は、トーションバー31と、このトーションバー31の一端部側(上方)及び他端部側(下方)にそれぞれ固定された入力軸32及び出力軸33を備えており、トーションバー31の一端部及び他端部は入出力軸32,33を介して上記操舵部材1側及び操向車輪9側にそれぞれ連結されている。また、入力軸32には、第1ターゲット板34及び第2ターゲット板35が外嵌固定され、出力軸33には、第3ターゲット板36が外嵌固定されている。これらの入出力軸32,33は、互いに同軸に配置されているが、相互には直接接続されず、トーションバー31を介して接続されている。また、第1ターゲット板34、第2ターゲット板35及び第3ターゲット板36も、互いに同軸に配置されている。
上記各ターゲット板34〜36は、平歯車状の形態を成し、磁性体から成る外周の歯が、入力軸32、出力軸33の各軸周りに周方向へ等間隔で凹凸の「ターゲット」を形成している。歯数は、第1ターゲット板34と第3ターゲット板36とが同数N(例えば36)で、第2ターゲット板35はNとは互いに素(1以外の公約数をもたない)である数(例えば35)である。
なお、上記の各ターゲット板34〜36は、入力軸32や出力軸33とは別体であって外嵌される構造であるが、入力軸32や出力軸33を磁性体とし、対応するターゲット板34〜36と一体に形成してもよい。
また、平歯車状のターゲット板34〜36に代えて、スリット状の多数の孔が周方向に等間隔で形成されたリング状のターゲットや、外周面に磁極のN・Sを交互に配置したターゲットを用いることもできる。
一方、上記各ターゲット板34〜36の外周の歯に対向して、3段2列に6個の磁気センサA1,B1,A2,B2,A3,B3が配置され、これらはセンサボックスSbに収められている。センサボックスSbは車体の所定位置に固定されている。磁気センサA1,B1は、第1ターゲット板34の外周の互いに異なる周方向位置に対向して配置されている。同様に、磁気センサA2,B2は、第2ターゲット板35の外周の互いに異なる周方向位置に対向して配置され、磁気センサA3,B3は、第3ターゲット板36の外周の互いに異なる周方向位置に対向して配置されている。
上記磁気センサA1〜A3,B1〜B3は、磁気抵抗効果素子(MR素子)等、磁界の作用により抵抗が変化する特性を有する素子を用いたもので、対向する各ターゲット板34〜36の外周の凹凸に応じて周期的に変化する信号電圧を出力する。従って、磁気センサA1,B1の出力は、入力軸32及び第1ターゲット板34の角変位に対応したものとなり、磁気センサA2,B2の出力は、入力軸32及び第2ターゲット板35の角変位に対応したものとなる。同様に、磁気センサA3,B3の出力は、出力軸33及び第3ターゲット板36の角変位に対応したものとなる。
また、これらの磁気センサA1〜A3,B1〜B3の出力(図1におけるトルク検出器3T及び舵角検出器3Sの各出力に相当する。)は、A/Dコンバータ等(図示せず。)を介して、図1に示す制御装置10内の演算部11に入力される。
また、上記磁気センサA1とB1とは、それらの出力信号(電圧)が電気角で例えばπ/2の位相差を生じるよう第1ターゲット板34に対向して配置されている。また、センサA1,B1からの出力信号は、いずれも正弦波(又は余弦波)に近いものであり、互いに位相がπ/2ずれていることにより、各信号は、一方を正弦波とすれば、他方が余弦波である。同様に、磁気センサA2とB2とは、それらの出力信号がπ/2の位相差を生じるよう第2ターゲット板35に対向して配置され、磁気センサA3とB3とは、それらの出力信号がπ/2の位相差を生じるよう第3ターゲット板36に対向して配置されている。このように、一対の磁気センサA1〜A3,B1〜B3からの出力信号の位相を各々ずらすことにより、対応するターゲット板34〜36の凹凸形状に応じて、非線形な変化が出力波形の極大値及び極小値付近で現れたときでも、制御装置10では一対の磁気センサA1〜A3,B1〜B3の一方の信号が非線形領域のときは他方の線形領域の信号を用いることができ、入出力軸32,33の各回転検出精度が低下するのを防ぐことができる。
さらに、第2ターゲット板35の歯数(=35)が第1ターゲット板34の歯数(=36)より1少ないことにより、磁気センサA2,B2の出力は、磁気センサA1,B1の出力と比べて、入力軸32の回転量(2π/36)当たりに((2π/36)−(2π/35))の位相ずれを生じ、入力軸32の1回転で元に戻る。従って、予め入力軸32の絶対回転位置と上記位相のずれとの関係を調べてテーブル化しておくことにより、位相ずれから入力軸32の絶対回転位置、ひいては操舵部材1の中立位置からの絶対回転角(舵角)を割り出すことができる。このようなテーブルは、制御装置10の後述のデータ記憶部に予め格納されている。
上記制御装置10は、磁気センサA1〜A3,B1〜B3の出力を用いて所定の演算を行う演算部11と、この演算部11からの指令を基に電動モータ6に電流を供給して当該モータ6を駆動するモータドライバとしての駆動部12とを備えている。また、この制御装置10には、車速センサ21によって検出された車速の信号が入力されるようになっており、車両の速度を鑑みて電動モータ6にて発生させる回転力(モータ動力)を決定するようになっている。そして、制御装置10では、操舵部材1へのドライバーの運転操作に応じたモータ動力(操舵補助力)を操舵軸3に付与することで当該操作をアシストしたり、操舵部材1の中立位置をドライバーに把握させるべく当該部材1の回転方向と反対方向へのモータ動力(反力)を操舵軸3に与えることで中立感をドライバーに体感させたりするようになっている。
また、制御装置10には、不揮発性メモリなどにより構成されたデータ記憶部(図示せず)が設けられており、このデータ記憶部には、電動モータ6の駆動制御に必要なプログラムやテーブル化された情報等が予め格納され、さらには、当該装置10の各部での演算結果などや上記車速センサ21等からの車両の走行状態等を示す情報が適宜記憶される。
上記演算部11は、CPU等により構成されたものであり、複数の機能ブロックが設けられている。つまり、演算部11には、図1に示すように、目標電流値設定部13、不感帯電流値設定部14、反力電流値設定部15、及び車速ゲイン設定部16が設けられており、これらの設定部は磁気センサA1〜A3,B1〜B3及び車速センサ21の出力を用いて操舵部材1のその中立位置からの舵角、トーションバー31に作用したトルク、及び車速などを演算により適宜求め、上記指令を生成して駆動部12に出力することでドライバーの運転操作などに応じた所望のモータ制御が行われるようになっている。
ここで、磁気センサA1〜A3,B1〜B3の出力を用いて、操舵部材1の舵角及びトーションバー31に作用したトルクの演算方法について具体的に説明する。
演算部11では、操舵部材1の中立位置からの第1ターゲット板34,第2ターゲット板35,第3ターゲット板36の角変位をそれぞれθ1,θ2,θ3としている。また、上記磁気センサA1,B1の出力する信号は一方がsinθ1、他方がcosθ1であるから、第1ターゲット板34が磁気センサB1から磁気センサA1の方向へ回転する場合、磁気センサA1,B1の各出力VA1 ,VB1 は、VA1=sinθ1、VB1=cosθ1とみなすことができる。上記データ記憶部には、予め、センサ出力の中点電圧値を差し引いた磁気センサA1の出力とsin波とを対応させた参照テーブル(sin近似テーブル)が記憶されており、磁気センサA1の出力をsin値に近似させるようにしてある。また、同様に、センサ出力の中点電圧値を差し引いた磁気センサB1の出力とcos波とを対応させた参照テーブル(cos近似テーブル)も記憶されており、磁気センサB1の出力をcos値に近似させるようにしてある。
上記のようにsinθ1、cosθ1が求まると、tanθ1をsinθ1/cosθ1から求め、その逆関数(tan−1)からそのときの角変位θ1を求めることができる。尚、tanθ1から角度θ1を求めるため、データ記憶部には、tan値とそれに対応する角度値との参照テーブルであるtan探索テーブルが記憶されている。
同様にして、角変位θ2及びθ3を求めることができる。
さらに、演算部11では、求めた角変位θ1〜θ3を次の(1)式及び(2)式に代入することにより、ドライバーのハンドル操作に応じて操舵部材1側から作用する操舵トルクや操向車輪9側から逆入力される路面抵抗などに起因する外乱トルクに応じて操舵軸3のトーションバー31に作用したトルク演算値(検出トルク)T及び操舵部材1での中立位置からの舵角演算値(検出舵角)θが算出されるようになっている。但し、K1,K2は定数である。
T=K1(θ1−θ3) ...(1)
θ=K2(θ1−θ2) ...(2)
上記目標電流値設定部13は、(1)式により求めた検出トルクTと車速センサ21の出力から取得された車両の速度Vとに基づいて、電動モータ6に供給すべき供給電流の値である目標電流値を定めて、加算器17に出力する。この目標電流値は、操舵部材1へのドライバーの運転操作を補助する操舵補助力(つまり、操舵軸3に与えられるモータ動力のうち、アシスト成分)を規定しており、上記不感帯電流値設定部15や反力電流値設定部16にて設定された電流値で適宜補償されるようになっている。また、目標電流値には、操舵部材1の中立位置を基準点としてその回転方向に応じた符号、すなわちモータ動力によるアシスト方向を示す符号が決められており、例えば正及び負の場合にそれぞれ操舵部材1での右方向操舵及び左方向操舵を補助するように電動モータ6を回動させることを指示するようになっている。
上記不感帯電流値設定部14は、上記検出トルクTを基に操舵部材1での不感帯を規定する不感帯電流値を定めて乗算器18に出力している。この不感帯電流値は、上記目標電流値と正負が反対の符号を有するよう決定されている。乗算器18には、車速ゲイン設定部16が上記速度Vに基づき設定したゲイン値が入力されており、乗算器18は不感帯電流値設定部14からの不感帯電流値と車速ゲイン設定部16からのゲイン値との積の値を求めており、速度Vに応じて不感帯が変更されるようになっている。そして、乗算器18がその演算結果を加算器17に出力して、加算器17が目標電流値に不感帯電流値を加算することで不感帯電流値設定部14での演算結果を目標電流値に反映し加算器20に出力する。
上記反力電流値設定部15は、(1)式及び(2)式によりそれぞれ求めた検出トルクT及び検出舵角θと上記車両の速度Vとに従って、上記反力を規定する反力電流値を設定する。この反力電流値は、上記目標電流値と正負が反対の符号を有するよう決定されており、操舵軸3に与えられるモータ動力のうち、反力成分を規定している。
具体的にいえば、反力電流値設定部15は、検出舵角θ及び検出トルクTが図4(a)の斜線部に示す範囲にあることを検知したときに、上記中立感を体感させるための反力が発生するよう反力電流値を決定している。すなわち、反力電流値設定部15は、検出舵角θが所定の角度範囲(例えば、±10(deg))にあることを検知し、かつ検出トルクTが所定のトルク範囲(例えば、±2(Nm))にあることを判別し、さらにはこれら検出舵角θ及び検出トルクTが図4(a)の第1及び第3象限、つまり操舵部材1の回転方向とトーションバー31における操舵部材1側からみたときのトルクの作用方向とが同じ方向であることを判別した場合に、その検出トルクTはドライバーの運転操作に応じて操舵部材1に加えられた操舵トルクであると判断して、電動モータ6を駆動して反力を操舵軸3に与えるように構成されている。また、この検出舵角θ及び検出トルクTに基づく反力付与は、反力電流値設定部15が上記速度Vが所定の速度(例えば、60km/h)以上であることを判別した場合に、反力付与を行う判断をするよう構成されており、操舵部材1に対する車両挙動の変化が現れ易い速度域で車両が走行されている場合にのみ、ドライバーに適切な中立感を体感させうるようになっている。
そして、反力電流値設定部15は、例えば図4(b)のカーブ40に示すように、上記検出舵角θに応じた反力が生じるよう反力電流値を決定して、乗算器19に出力する。この乗算器19には、車速ゲイン設定部16から速度Vを基に設定されたゲイン値(上記乗算器18に与えたゲイン値と同一値とは限らない。)が入力されており、これら入力値の乗算結果を加算器20に出力する。その後、加算器20では、加算器17からの不感帯電流値によって補償された目標電流値と乗算器19からの乗算値との和の値が求められて、その加算結果が駆動部12に出力されて電動モータ6が駆動される。尚、この説明以外に、反力が検出舵角θに応じて例えば直線的に変化するよう反力電流値を設定する構成でもよい。
また、反力電流値設定部15は、検出舵角θ及び検出トルクTが図4(a)に示した斜線部に対応する角度範囲及びトルク範囲外の値であることを判別した場合には、その検出トルクTは操向車輪9側からの外乱トルクによるものであると判断して、反力を付与するのを停止すべく反力電流値の設定を行わない。
以上のように構成された本実施形態の電動パワーステアリング装置では、制御装置10が検出舵角θが操舵部材1の中立位置付近の所定の角度範囲にあることを判別することにより、操舵部材1が中立位置付近に存在しているか否かの判断を行いつつ、この検出舵角θ及び検出トルクTを基に操舵トルクと外乱トルクとの判別、及び中立感を体感させるための反力を操舵軸3に与えるか否かについての判断を実施している。従って、上記従来例と異なり、適切な反力を迅速に操舵軸3に付与することができ、操舵部材1が中立位置付近にあるときでの操舵感(中立感)を確実に改善することができる。なお、図4(b)のカーブ40に示したように、反力電流値で定められる反力は例えば±1(Nm)の範囲に設定されているので、検出トルクTが0〜±1(Nm)の範囲内の場合には上記アシスト成分に比べて反力成分が比較的大きい値となり、上記角度範囲、つまり操舵部材1の中立位置付近での中立感を確実に体感させるようになっている。また、検出トルクTが0〜±1(Nm)の範囲外で大きい値となるに比例してアシスト成分も大きくなって、ドライバーの操舵動作に応じた適切な操舵補助が行われるようになっている。また、上記のように、制御装置10が適切な中立感を的確なタイミングで体感させることができるので、例えば操舵部材1の中立位置付近で当該操舵部材1に抵抗を与えることにより中立感を向上する機械的な中立感向上機構の設置を省略することができ、コンパクトな電動パワーステアリング装置を容易に構成することが可能となる。
また、本実施形態では、制御装置10が検出舵角及び検出トルクに基づき操舵部材1の回転方向とトーションバー31における操舵部材1側からみたときのトルクの作用方向とが一致した場合に反力を操舵軸3に与えているので、当該制御装置10は操舵トルクと外乱トルクとの判別をより精度よく行うことができる。この結果、適切な中立感をより確実にドライバーに体感させることができる。
また、本実施形態では、制御装置10は車両の速度が所定の速度以上であることを判別した場合に反力を操舵軸3に付与しているので、高速走行中の車両の操舵軸3に対し適切な反力を与えることができ、中立感の良し悪しが判別され易い速度域での操舵感の改善をより確実に行うことができる。
実施形態2
図5は、別の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置での具体的な反力制御を示す図である。この実施形態と上記実施形態との主な相違点は、図1に示した反力電流値設定部が検出舵角θに応じて反力電流値を継続的に設定する点である。
本実施形態では、図5(a)の実線41にて示すように、反力電流値設定部15は検出舵角θが0から所定の角度(例えば、5(deg))以下であることを判別したときには、上記実施形態と同様に、検出トルクTが所定のトルク範囲にあることを検知したときに反力電流値を定めている。但し、この実施形態では、反力電流値設定部15は検出舵角θに比例して増加するように反力電流値を設定しており、上記実施形態と異なり、検出舵角θに応じて直線的に変化する反力が操舵軸3に付与されるようになっている。
また、反力電流値設定部15は、検出舵角θが継続的に大きくなっていることを検知すると、当該設定部15は直線41に示すようにその検出舵角θが例えば90(deg)以下の場合には、当該舵角θが5(deg)のときに設定される反力電流値と同じ値を乗算器19に出力する。そして、検出舵角θがさらに大きくなって90(deg)を越えた場合には、反力電流値設定部15は、検出舵角θに応じて段階的に小さくなる反力電流値を定めて乗算器19に出力する。
また、図5(b)の実線43に示すように、上記車速ゲイン設定部16は、速度Vが200(km/h)以下であることを検知すると、その速度Vに応じてゲイン値を変更することなく、同一の80%のゲイン値を乗算器19に出力している。
以上の構成により、本実施形態では、制御装置10が電動モータ6を駆動して中立感を体感させる反力を発生させた後、さらに操舵部材1にドライバーからの運転操作が加えられた場合でのモータ動力によるトルクのリニアリティが低下するのを防ぐことができ、このリニアリティ低下に伴う操舵感の低下をも防止することができる。つまり、反力電流値設定部15が反力電流値を継続的に設定しているので、操舵軸3に電動モータ6から付与されるモータ動力には、上記実施形態と異なり、アシスト成分に加えて反力成分が継続的に反映されることになる。この結果、検出舵角θが上記所定の角度範囲を継続的に越えたときでも、操舵補助力がアシスト成分だけで規定されるのを防ぐことができ、当該角度範囲の境界領域で操舵補助力が極端に大きくなるのを防止することができる。
また、例えば図5(a)の点線42に示すように、反力電流値設定部15が反力電流値の最大値を乗算器19に出力した後、当該設定部15が検出舵角θに応じて段階的に小さくなる反力電流値を出力することも可能ではある。しかしながら、同図の実線41に示したように、検出舵角θが所定角度(すなわち、90(deg))に達するまでは反力電流値設定部15が同じ反力電流値を選定し乗算器19に出力する場合の方が、滑らかな操舵感を得ることができる点で好ましい。
また、車速ゲイン設定部16において、図5(b)の点線44に示すように、速度Vが低速度域(例えば、0〜40(km/h))にある場合にのみ、速度Vに応じて漸次減少するゲイン値を選んで乗算器19に出力させることもできる。しかしながら、同図の実線43に示したように、車速ゲイン設定部16が同一のゲイン値を乗算器19に出力する場合の方が、モータ動力によるトルクのリニアリティ低下を防げる反力制御を容易に行える点で好ましい。
ここで、図6(a)及び(b)を参照して、本願発明者等が実施したシミュレーション結果の一例について具体的に説明する。
図6(a)は実施形態1または2に示した本発明の制御装置での操舵角度と操舵(体感)トルクとのシミュレーション結果を示す図であり、図6(b)は従来相当品での操舵角度と操舵(体感)トルクとのシミュレーション結果を示す図である。図において、これらのシミュレーションでは、車両が一定速度V(例えば、100(km/h))で走行している場合において、操舵部材1の操舵角度を変更したときにドライバーが当該操舵部材1を介して体感する操舵(体感)トルクを所定の演算によって仮想的に求めた。
図6(a)に示すように、本発明品では、操舵部材1の中立位置付近での体感トルクの勾配が図6(b)に示した従来相当品のものより大きくなっている。つまり、ドライバーに操舵部材1の中立位置が明確に判別されるような反力を付与できることが明らかとなり、本発明品では中立感を確実に改善できることが検証された。
尚、上記の説明では、図2及び図3に示したように一体化されたトルク検出器と舵角検出器とを用いた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば互いに独立して構成された別個のトルク検出器及び舵角検出器を使用する構成でもよい。また、第3ターゲット板と異なる歯数を有する第4ターゲット板を出力軸に外嵌固定するとともに、このターゲット板に対し周方向の異なる位置で対向配置された一対の磁気センサを設けることにより、操向車輪の絶対回転角(タイヤ角)を検出し、制御装置が上記検出舵角等に加え検出タイヤ角も考慮して反力発生の要否を決定する構成でもよい。
また、上記の説明では、反力電流値設定部が検出舵角に応じた反力を設定する構成について説明したが、検出トルクをも用いて反力を設定する構成でもよい。
本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置の要部構成例を示す図である。 図1に示すトルク検出器及び舵角検出器の具体的な構成例を示す図である。 図2に示すトーションバー、入出力軸、各ターゲット板及び磁気センサを模式的に表した図である。 図1に示した制御装置での具体的な反力制御を示す図であり、(a)は検出舵角と検出トルクとで規定される反力付与範囲を示す図であり、(b)は検出舵角に応じて付与される反力を示すグラフである。 別の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置での具体的な反力制御を示す図であり、(a)は検出舵角と反力電流値との関係を示すグラフであり、(b)は車速とゲインとの関係を示すグラフである。 (a)及び(b)は、それぞれ上記制御装置及び従来相当品での操舵角度と操舵(体感)トルクとのシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
1 操舵部材
3 操舵軸
31 トーションバー
6 電動モータ
9 操向車輪
10 制御装置
21 車速センサ
3T トルク検出器
3S 舵角検出器

Claims (2)

  1. 電動モータを用いて操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であって、
    一端部及び他端部が、それぞれ操舵部材側及び操向車輪側に連結されるトーションバーを備えた操舵軸と、
    前記操舵部材の舵角を検出する舵角検出器と、
    前記トーションバーに作用したトルクを検出するトルク検出器と、
    前記電動モータの駆動制御を行う制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記舵角検出器にて検出された舵角θに基づき前記操舵部材がその中立位置付近の所定の角度範囲にあることを検知し、かつ前記トルク検出器にて検出されたトルクが所定のトルク範囲にあることを判別した場合、さらに、前記舵角θ及びトルクTに基づいて、前記操舵部材の回転方向と前記トーションバーにおける操舵部材側からみたときのトルクの作用方向とが互いに同じ方向であると判別したことを条件として、前記舵角θに応じた反力が前記操舵軸に付与されるように前記電動モータの駆動制御を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置には、前記操向車輪を設けた車両の速度を示す車速信号が入力されるとともに、
    前記制御装置は、前記速度が所定の速度以上であることを判別した場合に、前記反力を前記操舵軸に与えることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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