JP2002028538A - ノズル構造及び該ノズル構造が備えられた薬剤散布車 - Google Patents

ノズル構造及び該ノズル構造が備えられた薬剤散布車

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル個数の増加や、噴霧密度、噴霧バラン
スの調整が簡単に行えるノズル構造及び該ノズル構造が
備えられた薬剤散布車を提供する。 【解決手段】 ナット21を雄ねじ15に螺合する際に
は、ナット21に対しパイプ23が回動可能なため、パ
イプ27の配設位置を180度反対等とすることが可能
である。ノズル39はナット43回りに回動自在のた
め、噴頭周方向に向けた放射角度の調整が可能である。
一方、ノズル47はナット51回りに回動自在のため、
機体の前後方向に向けた放射角度の調整が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノズル構造及び該ノ
ズル構造が備えられた薬剤散布車に係わり、特にノズル
個数の増加や、噴霧密度、噴霧バランスの調整が簡単に
行えるノズル構造及び該ノズル構造が備えられた薬剤散
布車に関する。
【0002】
【従来の技術】農業用薬剤散布車10には、図6に示す
ように機体のタンク1後部に配設されたエンジン室3
と、このエンジン室3内に搭載された図示しないエンジ
ンにより駆動される送風機5の間に噴頭部7が形成され
ている。この噴頭部7には、ノズルパイプ9に接続され
た複数個のノズル11が配設されている。
【0003】ノズルパイプ9は、エンジン室3内に搭載
された図示しない薬液ポンプを介してタンク1と接続さ
れている。そして、タンク1から吸入された薬液は、薬
液ポンプにより圧送されてノズルパイプ9を経てノズル
11から噴霧される。
【0004】ノズルパイプ9は機体の後方より進行方向
に見て上側に位置する上側ノズルパイプ9A、右側に位
置する右側ノズルパイプ9B、左側に位置する左側ノズ
ルパイプ9Cが周状に配設され、これらの各ノズルパイ
プ9には、ノズル11が等ピッチに配置されている。
【0005】このノズル11からは、機体の胴回りに放
射状に薬剤の噴霧がされる。そして、この噴霧された薬
剤は送風機5からの風により搬送されて遠くに飛ばされ
る。
【0006】薬剤散布車10のノズルパイプ9は、従来
は噴頭部7の前寄りであるエンジン室3側か、若しくは
後寄りである送風機5側のいずれかに配設されるか、あ
るいはその両側に配設されていた(実開平2−5313
8号公報、実公平6−14805号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のノズ
ル構造では、ノズル11の個数を変更したりする場合は
となりのノズル11との霧の干渉を考慮しながら、ノズ
ルパイプ9を付け替える必要がありコスト高の要因とな
っていた。
【0008】また、ノズル11は、噴頭部7の略周方向
にしか首を振る自由度が与えられず(ノズル吐き出し方
向の調節が周方向しかできない)薬剤散布車10の前後
方向にはできなかった。
【0009】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、ノズル個数の増加や、噴霧密度、噴霧バ
ランスの調整が簡単に行えるノズル構造及び該ノズル構
造が備えられた薬剤散布車を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明(請求項
1)は、液体が導入されるノズルパイプ(9)と、該ノ
ズルパイプ(9)の複数箇所より水平かつ前記ノズルパ
イプ(9)に対し垂直に分岐されたパイプ接続口(1
3)と、該パイプ接続口(13)に対し一端部が連絡さ
れる第1のパイプ(23、25)と、該第1のパイプ
(23、25)の一端部を前記パイプ接続口(13)の
端部に対し、回動調整後に固定可能な第1のパイプ回動
固定手段(15、21、23)と、前記第1のパイプ
(23、25)の他端部側に該第1のパイプ(23、2
5)に対し直角に配設される第1のノズル(39、5
3)と、該第1のノズル(39、53)を前記第1のパ
イプ(23、25)の他端部に対し、回動調整後に固定
可能な第1のノズル回動固定手段(33、37、43)
と、前記第1のパイプ (23、25)の途中より該第
1のパイプ(23、25)に対し直角に分岐された第2
のパイプ(27)と、該第2のパイプ(27)の端部側
に該第2のパイプ(27)に対し直角に配設される第2
のノズル(47、53)と、該第2のノズル(47、5
3)を前記第2のパイプ(27)の端部に対し、回動調
整後に固定可能な第2のノズル回動固定手段(35、4
5、51)とを備えて構成した。
【0011】ノズルパイプ(9)の複数箇所にはパイプ
接続口(13)が分岐されている。第1のパイプ(2
3、25)は、第1のパイプ回動固定手段(15、2
1、23)により、パイプ接続口(13)の端部に対し
回動調整可能である。
【0012】また、第1のノズル(39、53)は、第
1のノズル回動固定手段(33、37、43)により、
第1のパイプ(23、25)の他端部に対し回動調整可
能である。更に、第2のノズル(47、53)は、第2
のノズル回動固定手段(35、45、51)により、第
2のパイプ(27)の端部に対し回動調整可能である。
【0013】以上により、噴霧方向の変更は360度ど
のポイントに対しても霧が届くように自由に行える。
【0014】また、本発明(請求項2)は、前記第1の
ノズル(53)及び/又は前記第2のノズル(53)に
は複数のノズル口が配設され、それぞれのノズル口から
の放出及び全ノズル口からの放出停止が選択可能である
ことを特徴とする。
【0015】このことにより、開口径等の選択や噴霧の
停止が自在となる。このため、噴霧密度や噴霧範囲の変
更に対し、更に一層の自由度が増す。不要なノズルは停
止等すれば、部分的に噴霧密度を変えたりすることも容
易に行える。
【0016】更に、本発明(請求項3)は、前記ノズル
パイプ(9)に分岐されるパイプ接続口(13)はほぼ
等ピッチずつ隔てて配設され、前記第2のノズル(4
7、53)は該ピッチのほぼ中心に位置され、かつ前記
第1のノズル(39、53)より所定距離隔てて位置す
るように配設されたことを特徴とする。
【0017】以上により、第1のノズル(39、53)
と第2のノズル(47、53)とは千鳥足状に配設する
ことが可能となる。このように千鳥足状に配設すること
で、隣のノズルとの間の霧の干渉が避けられる。第2の
ノズル(47、53)同士の間のノズルピッチを改めて
調整する必要はないので簡単である。
【0018】更に、本発明(請求項4)は、請求項1〜
3に記載の前記ノズル構造が備えられた薬剤散布車であ
って、前記ノズルパイプ(9)は機体の胴回り方向に一
本又は複数本(9A、9B、9C)で構成され、前記パ
イプ接続口(13)は前記機体の前方及び/又は後方に
向けて配設され、前記第1のノズル(39、53)及び
/又は前記第2のノズル(47、53)は前記機体に対
し放射状に薬剤を噴霧可能なように配設されたことを特
徴とする。
【0019】第1のノズル(39、53)は第1のノズ
ル回動固定手段(33、37、43)により、噴頭周方
向に向けた放射角度の調整が可能である。一方、第2の
ノズル(47、53)は第2のノズル回動固定手段(3
5、45、51)により、機体の前後方向に向けた放射
角度の調整が可能である。
【0020】以上により、薬剤の被散布対象に応じて薬
剤散布車からの噴霧密度や噴霧バランスの調整が簡単に
行える。このため、きめ細かな散布が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明の実施形態の構成図を図1に示す。な
お、図6と同一要素のものについては同一符号を付して
説明は省略する。図1において、ノズルパイプ9にはパ
イプ接続口13が等ピッチに複数個配置されている。そ
して、このパイプ接続口13には雄ねじ15が突設され
ている。
【0022】ノズルアダプタ20は、パイプ23、パイ
プ25及びパイプ27が連結部材24により略T字型に
連結されている。但し、パイプ23とパイプ25とは1
本のパイプとして用いてもよい。
【0023】パイプ23にはナット21が貫通されてお
り、パイプ23の図示しない左端は管路が径方向外方に
折り返されている。この折り返し部分にはパッキン31
が当接され、ナット21は雄ねじ15に螺合されるよう
になっている。
【0024】パイプ25及びパイプ27の端部には、そ
れぞれ雄ねじ33及び雄ねじ35が刻設されている。ノ
ズル支持パイプ37の一端にはノズル39が固定され、
他端は管路が径方向外方に折り返されている。この折り
返し部分にはパッキン41が当接され、ナット43は雄
ねじ33に螺合されるようになっている。
【0025】パイプ27側も同様であり、ノズル支持パ
イプ45の一端にはノズル47が固定され、他端は管路
が径方向外方に折り返されている。この折り返し部分に
はパッキン49が当接され、ナット51は雄ねじ35に
螺合されるようになっている。
【0026】なお、ノズル39及びノズル47に代えて
図2に示す双方向ノズル53を取り付けることも可能で
ある。双方向ノズル53には、例えばそれぞれに開口径
の異なるノズル開口部55a、55bが配設されてい
る。ノズル支持パイプ57はノズル開口部保持パイプ5
9の内側に挿入されている。
【0027】そして、ノズル開口部保持パイプ59はノ
ズル支持パイプ57回りに回動自在なようになってい
る。ノズル開口部保持パイプ59の回動は、止めリング
61により停止されるようになっている。
【0028】ノズル支持パイプ57の上部には1箇所の
み図示しない通孔が配設され、この通孔はノズル開口部
55a、55bに対するようになっている。例えば図2
の場合には、通孔が面するノズル開口部55aのみから
噴霧可能なようになっている。
【0029】ノズル開口部55aとノズル開口部55b
の位置を反転させれば、ノズル開口部55bのみから噴
霧可能であり、更にノズル開口部55a、55bを図2
の位置から90度回転させた場合にはノズル開口部55
a、55b共に噴霧は停止されるようになっている。
【0030】ノズル支持パイプ57の端部は管路が径方
向外方に折り返されている。この折り返し部分にはパッ
キン49又はパッキン41が当接され、ナット63は雄
ねじ35又は雄ねじ33に螺合されるようになってい
る。
【0031】図3には、ノズルアダプタ20に双方向ノ
ズル53が取り付けられた場合の噴頭部構造を示す。
【0032】次に、本発明の実施形態の作用を説明す
る。かかる構成によれば、既存のノズルパイプ9を利用
して簡単にノズル個数を増加することが出来る。この際
には、既存のノズルパイプ9を使用し他に手を加える必
要がないためコストを押さえられる。
【0033】図1において、ノズル39はナット43回
りに回動自在のため、噴頭周方向に向けた放射角度の調
整が可能である。一方、ノズル47はナット51回りに
回動自在のため、機体の前後方向に向けた放射角度の調
整が可能である。
【0034】このことにより、噴霧密度や噴霧バランス
の調整が簡単に行える。棚作等で部分的に密度の濃い散
布をしたい場合は、部分的にこのノズルアダプタ20を
使用して簡単にノズル個数を増やすことができる。
【0035】また、ナット21を雄ねじ15に螺合する
際にはナット21に対しパイプ23が回動可能なため、
パイプ27の配設位置を図1の状態より180度反対と
することも出来る。この際には、ノズル47の位置をナ
ット51回りに反転させ、かつノズル39の位置をナッ
ト43回りに反転すればよい。
【0036】この手法を利用して様々な噴霧調整が可能
となる。例えば、図4に示すようにパイプ27のすべて
を左方に向けて揃えた状態では、ノズル39C1とノズ
ル39A4の間にノズル47C1が配設され、ノズルパ
イプ9C側より給水されている。ノズル39とノズル4
7とは千鳥足状に配設される。
【0037】ノズル39のノズルピッチは、隣接するノ
ズル39間で霧の干渉が生じないように予め決められて
いる。従って、隣接するノズル39同士の間に新たにノ
ズルを追加することは困難である。
【0038】しかしながら、このように千鳥足状に配設
することで、隣のノズルとの間(隣接するノズル39と
ノズル47)の霧の干渉が避けられる。隣接するノズル
47間もノズル39のノズルピッチと同一ピッチになる
ので霧の干渉が生じるおそれはない。この際には、ノズ
ル47同士の間のノズルピッチを改めて調整する必要は
ないので簡単である。
【0039】一方、図5に示すように、ノズルパイプ9
C左端のノズルアダプタ30はT字型を止め、ストレー
ト型とする。そして、ノズル47C2〜47C4は図4
と同様に左方に向けて揃え、ノズル47A1〜47A4
は右方に向けて揃える。
【0040】この際には、ノズル39C1とノズル39
A4の間の図4におけるノズル47C1の位置に、ノズ
ル47C1に代えてノズル47A4が配設され、このノ
ズル47A4にはノズルパイプ9A側より給水されてい
る。
【0041】このように、給水用のノズルパイプを簡単
に変更出来ると共に、噴霧密度を変えずに噴霧範囲を変
えることが出来る。
【0042】なお、ノズル39やノズル47に代えて双
方向ノズル53を用いれば、開口径の選択や噴霧の停止
が自在となる。このため、噴霧密度や噴霧範囲の変更に
対し、更に一層の自由度が増す。例えば、不要なノズル
を停止等すれば、部分的に噴霧密度を変えたりすること
も容易に行える。
【0043】なお、噴頭部構造を、かかるノズル39群
とノズル47群の2段構成とする場合、送風機5からの
風が各段単位に区分されて供給されるように図示しない
導風板を配設するのが望ましい。このことにより、一層
霧の干渉が生じるおそれは少なくなる。
【0044】本発明は噴頭部構造として説明したが、ト
ンネル等の洗浄装置のノズル群のアタッチメント等とし
ても適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノズル構造
によれば、第1のパイプ(23、25)、第1のノズル
(39、53)、第2のノズル(47、53)を回動調
整可能としたので、噴霧方向の変更は360度どのポイ
ントに対しても霧が届くように自由に行える。
【0046】また、既存のノズルパイプを変更せずに必
要なところに自由にノズル個数を増加できる。
【0047】更に、本ノズル構造を薬剤散布車に適用し
た場合には、噴頭周方向に向けた放射角度の調整や機体
の前後方向に向けた放射角度の調整が可能となり、薬剤
の被散布対象に応じて薬剤散布車からの噴霧密度や噴霧
バランスの調整が簡単に行える。このため、きめ細かな
散布が可能となり、防除効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の構成図
【図2】 双方向ノズルの例
【図3】 ノズルアダプタに双方向ノズルが配設された
場合の噴頭部構造
【図4】 ノズル配設の一例
【図5】 ノズル配設の別例(ノズルの一部を反転)
【図6】 農業用薬剤散布車に配設された噴頭部構造の
【符号の説明】 7 噴頭部 9 ノズルパイプ 13 パイプ接続口 20 ノズルアダプタ 21、43、51 ナット 23、25、27 パイプ 24 連結部材 39、47 ノズル 53 双方向ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が導入されるノズルパイプ(9)
    と、該ノズルパイプ(9)の複数箇所より水平かつ前記
    ノズルパイプ(9)に対し垂直に分岐されたパイプ接続
    口(13)と、該パイプ接続口(13)に対し一端部が
    連絡される第1のパイプ(23、25)と、該第1のパ
    イプ(23、25)の一端部を前記パイプ接続口(1
    3)の端部に対し、回動調整後に固定可能な第1のパイ
    プ回動固定手段(15、21、23)と、前記第1のパ
    イプ(23、25)の他端部側に該第1のパイプ(2
    3、25)に対し直角に配設される第1のノズル(3
    9、53)と、該第1のノズル(39、53)を前記第
    1のパイプ(23、25)の他端部に対し、回動調整後
    に固定可能な第1のノズル回動固定手段(33、37、
    43)と、前記第1のパイプ(23、25)の途中より
    該第1のパイプ(23、25)に対し直角に分岐された
    第2のパイプ(27)と、該第2のパイプ(27)の端
    部側に該第2のパイプ(27)に対し直角に配設される
    第2のノズル(47、53)と、該第2のノズル(4
    7、53)を前記第2のパイプ(27)の端部に対し、
    回動調整後に固定可能な第2のノズル回動固定手段(3
    5、45、51)とを備えたことを特徴とするノズル構
    造。
  2. 【請求項2】 前記第1のノズル(53)及び/又は前
    記第2のノズル(53)には複数のノズル口が配設さ
    れ、それぞれのノズル口からの放出及び全ノズル口から
    の放出停止が選択可能であることを特徴とする請求項1
    記載のノズル構造。
  3. 【請求項3】 前記ノズルパイプ(9)に分岐されるパ
    イプ接続口(13)はほぼ等ピッチずつ隔てて配設さ
    れ、前記第2のノズル(47、53)は該ピッチのほぼ
    中心に位置され、かつ前記第1のノズル(39、53)
    より所定距離隔てて位置するように配設されたことを特
    徴とする請求項1又は2記載のノズル構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の前記ノズル構造が
    備えられた薬剤散布車であって、前記ノズルパイプ
    (9)は機体の胴回り方向に一本又は複数本(9A、9
    B、9C)で構成され、前記パイプ接続口(13)は前
    記機体の前方及び/又は後方に向けて配設され、前記第
    1のノズル(39、53)及び/又は前記第2のノズル
    (47、53)は前記機体に対し放射状に薬剤を噴霧可
    能なように配設されたことを特徴とする薬剤散布車。
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