JP2002027776A - 同期電動機の制御装置および制御方法、ならびに駆動系の作動流体制御用電動ポンプ - Google Patents
同期電動機の制御装置および制御方法、ならびに駆動系の作動流体制御用電動ポンプInfo
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Abstract
するための電動ポンプにおいて、長寿命で制御性能の良
い電動ポンプが望まれていた。 【解決手段】センサおよびブラシのないセンサレスブラ
シレスモータを駆動源とする車載用駆動源に使われる作
動流体を制御するための電動ポンプを発明した。電動ポ
ンプ6には、モータ8およびドライバ9として、センサ
レスブラシレスモータが採用されている。モータ8は回
転子が永久磁石タイプの同期電動機である。ドライバ9
は、モータ8の回転子の位置検出は行わず、モータ8に
正弦波の電流を加え、そのときの電圧と電流の位相を検
出してその差が零になるように周波数を制御する。さら
に、その周波数は設定された値になるように、電流を制
御する。つまり、周波数と電流との二重ループ制御を行
う。
Description
に使われている作動流体を制御するための電動ポンプに
関する。より具体的には、CVT(Continuously Varia
ble Transmission: 無段変速装置)や油圧式パワーステ
アリング装置等の車載用駆動系に使用されている作動流
体(オイル等)の流量制御を行うための電動ポンプに関
する。
を作動流体として用いる方式のものがある。たとえば特
開2000−46166号公報には、係るCVTの先行
技術が開示されている。先行技術では、エンジン回転数
が所定速度以上では、機械式ポンプのみによって自動変
速機に作動流体を供給し、エンジン回転数が所定速度未
満では、機械式ポンプに加えて、電動ポンプによって自
動変速機に作動流体を供給し、エンジンが停止している
ときには電動ポンプによって自動変速機に作動流体を供
給する構成になっている。
ンプが作動流体の供給補助用として利用されている。
するための電動ポンプには、従来、その駆動源としてブ
ラシ付モータが用いられていた。しかし、CVTは自動
車のエンジンルームに配置され、雰囲気温度が120℃
以上の高温環境下であるため、ブラシ摩耗が激しく、寿
命が短いという課題があった。そこで本願発明者は、電
動ポンプの駆動源にブラシレスモータを使用することを
検討した。ブラシレスモータとは、直流電動機と等価な
特性を示すようにした同期電動機のことであり、同期電
動機および駆動用ドライバを含む装置である。
する場合には、一般に、回転子の角度位置を検出するた
めのセンサが必要である。そしてセンサにより検出され
た回転子の角度位置に対応した交流電流がインバータに
よって発生され、界磁巻線に与えられる。上記センサ付
のブラシレスモータを電動ポンプに組み込んだ場合、電
動ポンプの使用環境は上述のように高温雰囲気であり、
しかも雨天等の運転を考えると、多湿雰囲気である。こ
のため、かかる過酷な環境下におけるセンサの耐温度性
能を確認しなければ、車載用の電動ポンプとしては実用
化することができない。
に、ブラシレスモータで、しかもセンサのないものを使
用した作動流体制御用の電動ポンプを発明した。この発
明の目的は、センサおよびブラシのないセンサレスブラ
シレスモータを駆動源とする車載用駆動源に使われる作
動流体を制御するための電動ポンプを提供することであ
る。この発明の他の目的は、運転効率の良いセンサレス
ブラシレスモータ装置およびその制御方法を提供するこ
とである。
優れたセンサレスブラシレスモータ装置を提供すること
である。
1記載の発明は、同期電動機の制御装置であって、同期
電動機に正弦波の電流を加え、そのときの電圧と電流の
位相差が零になるように周波数を制御し、さらに、その
周波数が設定周波数になるように電流を制御することを
特徴とする、同期電動機の制御装置である。請求項2記
載の発明は、請求項1記載の制御装置において、周波数
を制御するための制御ループには、差動増幅器が含ま
れ、差動増幅器の利得を0から無限大まで電気的な信号
で可変する構造を有することを特徴とする同期電動機の
制御装置である。
方法であって、同期電動機に正弦波の電流を加え、その
ときの電圧と電流の位相差が零になるように周波数を制
御し、さらに、その周波数が設定周波数になるように電
流を制御することを特徴とする同期電動機の制御方法で
ある。請求項4記載の発明は、自動車の駆動系に使われ
る作動流体を制御するための電動ポンプであって、作動
流体を移動させるためのポンプ本体と、ポンプ本体を回
転させるためのモータと、モータのドライバとを有し、
モータおよびドライバにセンサレスブラシレスモータが
用いられていることを特徴とする作動流体を制御するた
めの電動ポンプである。
動ポンプにおいて、前記モータは、回転子が永久磁石タ
イプの同期電動機であり、前記ドライバは、モータに正
弦波の電力を加え、そのときの電圧と電流の位相差が零
になるように周波数を制御し、さらに、その周波数が設
定周波数になるように電流を制御することを特徴とす
る、作動流体を制御するための電動ポンプである。請求
項1または3の発明では、同期電動機の駆動対象(たと
えば作動流体を移動させるためのポンプ)の負荷が変化
しても、同期電動機がその負荷変動に追従し、脱調しな
いように、周波数と電流との二重ループ制御が行われ
る。従って、同期電動機の回転数を所望の回転数に好適
に制御できる。また負荷変動に対しても同期電動機が脱
調することなく、良好に制御できる。
りが滑らかに制御できる。つまり、同期電動機はある一
定の回転速度にならないと力率の検出はできない。しか
るに、停止状態にある同期電動機に制御周波数の電力を
加えても、同期電動機は回転を開始せず、最初から脱調
状態となっていて起動しない。そこで、始動時は、停止
状態でも十分に大きな引き込みトルクが発生するような
超低周波電力を加え、徐々にその電力の周波数を上げて
ゆく方法がとられる。そして同期電動機がある回転速度
に達すると、請求項1に記載の周波数制御を行う。この
場合に、一気に差動増幅器の利得を解放すると、同期電
動機の速度が急上昇して用途によっては甚だ不都合なこ
とがある。そこで、速度の設定信号に、低い範囲で、差
動増幅器の利得が比例するようにしておくことにより、
見かけ上滑らかな加速が得られる制御装置とすることが
できる。
に使われる作動流体(オイル等)を制御するための電動
ポンプを、ブラシレスでかつセンサレスのモータを駆動
源とすることができるので、耐温度特性に優れた長寿命
な電動ポンプとなる。また、センサがないことから、低
コスト化、省スペース化が可能な電動ポンプを構成でき
る。請求項5の構成においても、請求項1または3と同
様、モータに対して周波数と電流との二重ループ制御を
行うことによって、電動ポンプの負荷が変化しても、脱
調することなく良好に制御することができる。
発明の一実施形態について説明をする。図1は、この発
明の一実施形態にかかる作動流体制御用電動ポンプを含
む車両の駆動システム(トランスミッション系の駆動シ
ステム)の概略構成図である。エンジン1の回転力はト
ランスミッション2に含まれる主オイルポンプ3に与え
られる。つまりエンジン1の駆動中は、エンジン1によ
って主オイルポンプ3が動作される。主オイルポンプ3
は油圧制御部であるコントロールバルブ4にオイルを供
給する。そしてコントロールバルブ4はアクチュエータ
に制御油圧を与え、所定の変速制御が実行される。
ポンプ6が含まれている。電動ポンプ6には、ポンプ本
体7と、ポンプ本体7を駆動するためのモータ8と、モ
ータ8のドライバ9とが含まれており、ドライバ9およ
びモータ8はバッテリ10から供給される電力によって
動作される。電動ポンプ6、より具体的にはポンプ本体
7が回転するとコントロールバルブ4にオイルが供給さ
れ、コントロールバルブ4によってアクチュエータ5に
与えられる制御油圧が変化され、所定の変速制御が実行
される。
によってコントロールバルブ4にオイルが供給される
が、エンジン1の回転数が低速であったり、エンジン1
が停止しているときには、電動ポンプ6が動作されて、
コントロールバルブ4へのオイル供給が行われる。この
実施形態における電動ポンプ6には、モータ8およびド
ライバ9として、センサレスブラシレスモータ装置が採
用されている。すなわち、モータ8として同期電動機が
用いられ、しかもその回転子の角度位置を検出するため
のセンサはなく、ドライバ9によってモータ(同期電動
機)8が直流電動機と等価な特性を示すように、高効率
で常に運転される。
以下のように行われる。モータ8の回転子の位置検出に
はこだわらず、モータ8に正弦波の電流を加え、その時
の電圧と電流の位相を検出してその差が零になるように
周波数を制御する。さらに、その周波数が設定された値
になるように、電流を制御する。つまり、周波数と電流
との二重ループ制御が行われる。直接電流を制御せず
に、周波数と電流との二重ループ制御にする理由は、次
の通りである。モータ8の力率は、周波数の変動に対し
ては俊敏に反応するが、電流の変化に対しては比較的緩
慢な反応しかしない。このため、モータ8が軽負荷で、
力率1の状態で運転しているときに、急に負荷が重くな
ると、モータ8は一瞬進み力率になった後、脱調に至
る。負荷が重くなったことに対応して、素早くモータ8
に与える周波数を下げるような制御をすると、モータ8
は脱調しない。ところが、モータ8に与える周波数をそ
のままにして、モータ8に与える電流を増加させても、
モータ8の脱調は免れない。これは結果を見てから原因
を制御したのでは間に合わないのであって、原因に対し
てそれを補正するような逆の原因を加えるといった同じ
次元での制御をしなければならないことを教示してい
る。従って、この実施形態では、電流を制御するのでは
なく、周波数と電流との二重ループ制御を行うようにし
た。
ているセンサレスブラシレスモータ装置について説明す
る。モータ8には小型の同期電動機が用いられ、その回
転子は永久磁石タイプである。ドライバ9にはインバー
タが含まれていて、バッテリ10から与えられる直流電
力を交流電力に変えてモータ8に与える。モータ8は、
与えられる交流電力の電圧Vが一定で、周波数が上昇す
れば、電流位相が進む。また、与えられる電圧Vおよび
周波数fを一定にし、負荷(ポンプ7によるオイル供給
量等)が上昇すると、電流位相が進む。
御するのである。ところで、モータ8が回転子の角度位
置センサを有するものの場合は、そのセンサ信号を、ド
ライバ9に含まれるインバータのオン/オフ信号(発振
信号)として用いることができる。ところが、この実施
形態のように、モータ8がセンサレスモータの場合は、
回転子の角度位置を検知しようとすると、センサに代え
て回転子の位置信号を出力するものを利用しなければな
らない。一般的な方法としては、モータ8の逆起電力を
回転子の位置信号として利用する方法が知られている。
からまず低い周波数の駆動電力を加え、回転子の引き込
みを行って、モータ8の回転を開始させる。次いで、モ
ータ8が回転開始後は、回転数に同期して回転子に逆起
電力が生じるから、その逆起電力の波形から回転子の角
度位置を検知することができる。ところが、かかる方法
は、モータ8に与える駆動電力が方形波でなければなら
ず、駆動電力が正弦波の場合は回転子の逆起電力を検知
することができない。
御よりも正弦波の電流制御の方が効率その他の特性上の
すべての点で望ましいことが知られている。そこでこの
実施形態では、上述したように、モータ8における回転
子の位置検出は行わず、ドライバ9からモータ8に対し
て正弦波の電力を加え、そのときの電圧と電流の位相差
を検出してその差が零になるように周波数を制御し、か
つ、その周波数が設定された値になるように電流を制御
することにした。
的な回路構成例を示す。図2を参照して、モータ8の界
磁巻線81には、三相のインバータ回路91から交流電
流が与えられる。一方、VCO(Voltage Controlled O
scilator: 電圧制御発振器)101(発振回路)の発振
出力は基準波発生器102へ与えられて、基準波として
の正弦波が発生される。このとき、VCO101の出力
周波数と、モータ速度設定に対応した設定周波数との差
が基準波発生器102へ電流値として与えられる。これ
により基準波発生器102で発生される正弦波の波高値
が制御される。
に与えられる電流は、電流検出用の直流CT103で検
出される。この直流CT103が出力する電流検出信号
と基準波との偏差をとって誤差信号が作成され、さら
に、この誤差信号が増幅される。増幅後の誤差信号は、
位相比較器104へ与えられる。一方、基準波発生器1
02の出力から電圧の位相が取り出されて、位相比較器
104へ与えられる。位相比較器104では、基準波と
誤差信号との位相差を検出することにより、結果とし
て、直流CT103で検出される電流の位相と、モータ
8にかかる電圧の位相とが比較されることになり、その
差が差動アンプ105を介してVCO101にフィード
バックされる。これにより、VCO101の発振周波数
が制御される。
モータ8にかかる電圧の位相との比較のためには、直流
CT103が出力する電流検出信号を位相比較器104
に入力し、この位相比較器104において、基準波と電
流検出信号との位相差を検出することとしてもよい。た
だし、モータ8が無負荷の場合には、直流CT103に
よる電流検出ができない。そのため、上述の図2に示さ
れた構成のように、誤差信号と基準波との位相差を検出
することによって、電流の位相とモータ8にかかる電圧
との位相差を検出する構成を採用することが好ましい。
e Width Modulation: パルス幅変調)106へ与えら
れ、その出力によってインバータ回路91が制御され
る。この回路において、モータ8の負荷が増加すると、
VCO101の出力周波数が下がり、設定周波数との差
が増加するから、その周波数差が電流値として基準波発
生器102へ与えられて、基準波発生器102で発生さ
れる正弦波の波高値が大きくなるように制御される。
01へ与えられる位相差信号は、差動アンプ105を介
して与えられる。この場合、モータ8がある回転速度に
達すると差動アンプ105を介して位相比較器104の
出力がVCO101へ与えられるが、一気に差動アンプ
105の利得を解放すると、モータ8の速度が急上昇す
るおそれがある。そこで、差動アンプ105の利得を0
から無限大まで電気的に信号で可変する構成にすれば、
見かけ上、滑らかな加速が得られる。つまり、モータ8
の速度の設定信号に、低い範囲で、差動アンプ105の
利得が比例するようにされている。
タ8およびドライバ9からなるセンサレスブラシレスモ
ータ装置を、車載用駆動源の作動流体を制御するための
電動ポンプ6の駆動源とすることができる。この発明は
以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求
項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
電動ポンプを含む車両の駆動システムの概略構成図であ
る。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】同期電動機の制御装置であって、 同期電動機に正弦波の電流を加え、そのときの電圧と電
流の位相差が零になるように周波数を制御し、さらに、
その周波数が設定周波数になるように電流を制御するこ
とを特徴とする、同期電動機の制御装置。 - 【請求項2】請求項1記載の制御装置において、 周波数を制御するための制御ループには、差動増幅器が
含まれ、差動増幅器の利得を0から無限大まで電気的な
信号で可変する構造を有することを特徴とする同期電動
機の制御装置。 - 【請求項3】同期電動機の制御方法であって、 同期電動機に正弦波の電流を加え、そのときの電圧と電
流の位相差が零になるように周波数を制御し、さらに、
その周波数が設定周波数になるように電流を制御するこ
とを特徴とする同期電動機の制御方法。 - 【請求項4】自動車の駆動系に使われる作動流体を制御
するための電動ポンプであって、 作動流体を移動させるためのポンプ本体と、 ポンプ本体を回転させるためのモータと、 モータのドライバとを有し、 モータおよびドライバにセンサレスブラシレスモータが
用いられていることを特徴とする作動流体を制御するた
めの電動ポンプ。 - 【請求項5】請求項4記載の電動ポンプにおいて、 前記モータは、回転子が永久磁石タイプの同期電動機で
あり、 前記ドライバは、モータに正弦波の電力を加え、そのと
きの電圧と電流の位相差が零になるように周波数を制御
し、さらに、その周波数が設定周波数になるように電流
を制御することを特徴とする、作動流体を制御するため
の電動ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2000206733A JP3756045B2 (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 同期電動機の制御装置および制御方法、ならびに駆動系の作動流体制御用電動ポンプ |
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- 2000-07-07 JP JP2000206733A patent/JP3756045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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