JP2000333465A - インバータ装置、電動機駆動装置、および電動機駆動システム装置 - Google Patents

インバータ装置、電動機駆動装置、および電動機駆動システム装置

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JP2000333465A
JP2000333465A JP11136722A JP13672299A JP2000333465A JP 2000333465 A JP2000333465 A JP 2000333465A JP 11136722 A JP11136722 A JP 11136722A JP 13672299 A JP13672299 A JP 13672299A JP 2000333465 A JP2000333465 A JP 2000333465A
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motor
speed
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inverter device
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JP11136722A
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Keizo Matsui
敬三 松井
Yoshiteru Ito
義照 伊藤
Ryoji Sato
亮次 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低負荷域から高負荷域まで高効率で、かつ高
トルク出力が得られるインバータ装置、電動機駆動装
置、および電動機駆動システムを提供する。 【解決手段】 出力電圧可変のコンバータ装置2と、そ
の出力を電源としてスイッチングにより正弦波状の交流
電圧を出力するインバータ回路3と、インバータ回路3
で駆動される圧縮機モータ6と、モータ制御手段8とを
備え、モータ制御手段8は、インバータ回路3の最大通
流率と全通電区間長を出力し、圧縮機モータ6の速度制
御をPWM制御する系と、コンバータ装置2に直流電圧
指令を出力して速度制御をPAM制御する系の2つの速
度制御系を備え、制御状態によって前記2つの速度制御
系を切り替える。さらに、前記2つの速度制御系の切り
替え時には、切替移行領域において全通電区間長を変更
することにより、速度変動のないスムーズな切り替えを
実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機を任意の速
度で駆動するインバータ装置の速度制御、とくに正弦波
状交流により運転したときのPWM/PAM制御機能に
関わり、また、前記インバータ装置を備えた電動機駆動
装置、および電動機駆動システム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気調和機の圧縮機などの電動機
を任意の速度で駆動するインバータ装置では、とくにブ
ラシレスモータの電動機の場合、120度通電の矩形波
により電動機を駆動し、その速度制御はPWM方式によ
り電圧を調整することにより実施するか、またはインバ
ータ装置に直流電源を供給するコンバータ装置の出力電
圧を調整することにより実施されている。また、さらに
負荷の軽い領域においてはPWMにより制御を行い、負
荷の重い領域ではPAMにより制御を行うといった両者
の切り替えにより高効率の駆動を実現する方式が電動機
駆動装置、およびこれを用いた空気調和機が特開平6−
105563号公報に開示されている。
【0003】また、誘導モータの場合、インバータ装置
は、正弦波駆動により電動機を駆動して高効率運転を実
現しており、さらに、ブラシレスモータにおいても、1
20度より大きく180度以下の通電幅で駆動すること
により効率をアップさせる方式が、ブラシレスDCモー
タ駆動制御方法およびその装置および電気機器が特開平
7−827328号公報に開示されており、このように
180度通電の正弦波により電動機を駆動し、その速度
制御は、PWM方式により通電率を変化させ電圧を調整
することにより高効率駆動を実現する方法が考案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなインバータ
装置においては、120度通電の矩形波で駆動した場
合、コンバータ装置により電源電圧を上昇させることに
よりトルクを大きく取れ、最高負荷回転数を上昇させる
ことが可能であるが、一方、PWM制御領域において
は、180度通電の正弦波で駆動したよりも効率が低か
った。
【0005】一方、180度通電の正弦波で駆動した場
合、その駆動最高電圧は、電源電圧が正弦波の波高値に
達した時点の電圧となり、トルクを充分に大きくするこ
とができず、最高回転数が低く制限されていた。コンバ
ータ装置により電源電圧を上昇させてトルクを大きくす
ることは可能であるが、正弦波の最高出力電圧は、矩形
波の電圧には及ばず、トルクが不十分であると言う問題
点があった。
【0006】本発明は上記の課題を解決するもので、低
負荷領域では、正弦波駆動により高効率で駆動し、高負
荷領域では、120度全通電区間を設けた通電方式によ
り高出力トルクで駆動し、高い運転効率と高トルク出力
により電動機を駆動するとともに、その運転方式の切り
替えも速度変動のないスムーズな切り替えを実現できる
インバータ装置、電動機駆動装置、および電動機駆動シ
ステム装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、直流電源の直
流電圧を入力し、前記直流電圧をスイッチングすること
により出力電圧指令に対応した正弦波状の交流電圧を出
力するインバータ装置において、出力電圧制御手段を備
え、前記出力電圧制御手段は、出力電圧の電圧波高値が
前記直流電源の直流電圧を超えた時点から、前記電圧波
高値が最大となる点を中心に全通電とする区間の幅を出
力電圧指令に応じて変化させるように制御するインバー
タ装置である。
【0008】これにより、出力電圧指令に対応して交流
電圧出力が増加した場合に正弦波状の交流電圧に全通電
の所定区間を設けて変形正弦波とし、正弦波の交流電圧
のみで制御するよりも高い出力を得ることができ、かつ
正弦波による駆動の特徴である高い効率も併せ持つこと
ができる。
【0009】また、本発明は、負荷要素を駆動する電動
機と、出力電圧制御手段を備えたインバータ装置とを備
え、さらに、前記インバータ装置は、前記電動機の電流
を検出する電流センサを2個もしくはそれ以上備え、前
記インバータ装置が出力する電圧値と、前記電動機の特
性値とから推定される電流推定値と、前記電流センサに
より検出された電流値との差に基づいて前記電動機の回
転子磁極位置を推定する回転子位置検出手段とを備え、
推定された回転子磁極位置の情報に基づいて通電を制御
するようにした電動機駆動装置である。
【0010】これにより、正弦波状の交流電圧で高効率
に駆動しながら、負荷が増大したときには全通電の区間
を有する波形として高出力トルクを得ることができる。
【0011】また、本発明は、電圧可変の直流電圧を出
力するコンバータ装置と、前記直流電圧をスイッチング
により正弦波状の交流電圧を出力するインバータ装置
と、前記インバータ装置により駆動される電動機とを備
え、前記インバータ装置は、インバータ回路に最大通流
率および全通電区間長を指令して前記電動機の速度制御
を行うPWM制御系と、前記コンバータ装置に直流電圧
指令を出力して前記電動機の速度制御を行うPAM制御
系との2つの速度制御系を、制御状態によって切り替え
て速度制御する速度制御手段を備えた電動機駆動システ
ム装置である。
【0012】これにより、軽負荷では正弦波状のPWM
制御により低振動、高効率で電動機を制御でき、中負荷
では全通電区間を有する正弦波状の交流電圧で高い出力
トルクを得ることができ、さらに高負荷ではPAM制御
によりさらに高い出力トルクで速度制御することができ
る。
【0013】また、2つの速度制御系の切り替えに対し
て切替移行領域を設け、前記2つの速度制御系を切り替
えるとき、前記切替移行領域においてインバータ装置の
全通電区間長を変化させるようにした電動機駆動システ
ム装置である。
【0014】これにより、速度変動がないスムーズな切
り替えを実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、インバータ装置
は、直流電源を入力し、出力電圧指令に応じてスイッチ
ングにより正弦波状の交流電圧を出力するとき、その電
圧波高値の最大となる点を中心に所定の区間を全通電の
状態とし、さらに、出力電圧制御手段は、出力電圧の電
圧波高値が前記直流電源の電源電圧を超えた時点から、
電圧波高値の最大となる点を中心に全通電の状態とする
区間の幅を前記出力電圧指令に応じて変化させることに
より、正弦波駆動からさらに出力電圧を高くできて高出
力トルクを実現できるものとする。
【0016】実施例においては、コンバータ装置を直流
電源とし、モータ制御手段が前記出力電圧制御手段とし
て機能する。前記モータ制御手段において、回転数制御
手段が出力電圧指令を出力して、正弦波駆動回路が出力
する正弦波状の交流電圧が前記出力電圧指令に応じて増
加するときに前記コンバータの直流電圧で飽和して全通
電区間が生成され、その後、回転数制御手段の直流電圧
指令によりコンバータ装置の直流電圧を変化させること
により全通電区間の幅を変化させるとするが、これに限
定されるものではない。
【0017】また、本発明の電動機駆動装置において、
電動機の電流を検出し、インバータ装置が出力する電圧
値と前記電動機の特性値とから推定される電流推定値
と、前記電流センサにより検出された電流との差に基づ
いて前記電動機の回転子磁極位置を推定し、推定された
回転子磁極位置情報に基づいて通電を行うことにより、
正弦波状の交流電圧による駆動を実現しつつ、正弦波駆
動からさらに出力電圧を高くして高出力トルクを実現で
きるものとする。
【0018】実施例においては、2つの電流センサによ
り圧縮機モータの3相のうちの2つの相電流を検出す
る。また、回転子位置速度検出手段と正弦波駆動回路と
回転数制御手段とを備えたモータ制御手段を備え、前記
モータ制御手段において、前記回転子位置速度検出手段
が上記回転子位置検出手段として機能し、前記電流セン
サで検出した相電流から推定した回転子磁極位置を、イ
ンバータ装置の出力電圧と電動機である圧縮機モータの
特性値とから決まる推定電流と実際の相電流との差異で
修正して、正確に推定された回転子磁極位置を求める。
また、前記正弦波駆動回路は、その推定された回転子磁
極位置情報に基づいて、前記回転数制御手段の出力電圧
指令に対応した正弦波状の交流電圧を出力させる信号を
ベースドライバに出力する。
【0019】また、電動機駆動システム装置において、
PWM制御およびPAM制御の2つの速度制御系により
速度制御がなされ、PWM制御の場合には正弦波状の交
流により低振動と高効率運転とを実現し、PAM制御の
場合には、さらに高出力トルクを実現する。
【0020】実施例においては、正弦波駆動回路と回転
数制御手段とを備えたモータ制御手段を備え、前記回転
数制御手段が速度制御手段として機能する。前記回転数
制御手段は、目標速度に対応した出力電圧指令を前記正
弦波駆動回路に出力してPWM制御による速度制御を行
い、高負荷時には直流電圧指令を直流電源であるコンバ
ータ装置に出力してPAM制御による速度制御に移行す
る。
【0021】さらに、PWM制御およびPAM制御の2
つの速度制御系の切り替え時には、切替移行領域におい
て全通電区間長を変更することにより、速度変動のない
スムーズな切り替えを実現するものである。
【0022】実施例においては、上記回転数制御手段が
切替移行領域で前記直流出力指令により全通電区間長を
緩やかに変更する。
【0023】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】
【実施例】(実施例1)以下、本発明のインバータ装
置、電動機駆動装置、および電動機駆動システム装置の
一実施例について図面を参照しながら説明する。
【0025】図1は本実施例の構成を示すブロックであ
る。図1において、交流電源1からの入力をコンバータ
装置2で直流にされた電源は、インバータ回路3におい
てスイッチング素子4a〜4fと環流ダイオード5a〜
5fとが対となった回路により3相交流に変換され、そ
れによりブラシレスDCモータである圧縮機モータ6が
駆動される。このとき、電流センサ7aと電流センサ7
bは圧縮機モータ6の電流を検出する。
【0026】モータ制御手段8において、回転子位置速
度検出手段9は、電流センサ7aと電流センサ7bによ
り検出された圧縮機モータ6の電流を用いて、回転子の
位置を推定検出し、正弦波駆動回路10は、回転子位置
速度検出手段9により推定された回転子の位置の情報に
基づいて圧縮機モータ6を駆動するためのドライブ信号
をベースドライバ11に出力し、ベースドライバ11
は、そのドライブ信号に従ってスイッチング素子4a〜
4fを駆動するための信号を出力する。また、回転数制
御手段12は、回転子位置速度検出手段9により推定さ
れた回転子の速度と外部から与えられる目標速度との差
の情報から、回転子速度が目標速度となるようにインバ
ータ回路3の出力電圧を制御するように、正弦波駆動回
路10の出力、またはコンバータ装置2の目標出力電圧
を調整する。
【0027】なお、上記構成において、インバータ回路
3とモータ制御手段8とはインバータ装置を構成し、前
記インバータ装置と圧縮機モータ6などの電動機とで電
動機駆動装置を構成し、電動機とコンバータ装置2を含
めて電動機駆動システム装置を構成する。また、コンバ
ータ装置2は、一般的な昇圧形の出力電圧可変のPFC
(Power Factor Correcter)のように、出力電圧が制御
可能なものであれば、どのようなタイプのものでもよ
く、昇降圧のタイプのものであってもよい。
【0028】つぎに、本実施例における正弦波駆動回路
10の動作について図面を参照しながら説明する。図2
は、正弦波駆動回路10の一実施例の構成と動作を示す
ブロック図である。3相2相変換手段10aは、電流セ
ンサ7aと電流センサ7bにより検出された電流iu と
電流iv の値を、現在の回転子位置推定情報を用いて式
(1)により、ブラシレスDCモータである圧縮機モー
タ6の回転磁界に軸δ方向の電流iδと磁束の向きの軸
γ方向の電流iγに変換する。
【0029】
【数1】
【0030】一方、回転数制御手段12における速度P
I制御手段12aは、現在の速度と目標速度との差であ
る速度偏差の情報から、速度を目標速度に追従するよう
にトルク指令を演算しており、電流δPI制御手段10
bは、さらに前記トルク指令値に対して現在の電流iδ
との差から一般的なPI制御により出力指令を求め、δ
軸方向の出力とする。また、電流γPI制御手段10c
は、現在の電流iγとの差から、一般的なPI制御によ
り出力指令を求め、γ軸方向の出力とする。
【0031】2相3相変換手段10dは、上記求められ
た2方向の出力VγとVδから、出力波形が正弦波とな
るように3相の出力電圧Vu 、Vv 、およびVw を、推
定された回転子の位置θを用いて、一般的な2相3相変
換の式(2)により変換する。
【0032】
【数2】
【0033】また、ゲート信号発生手段10eは、求め
られた3相出力電圧を実現するように、3相分6素子の
スイッチング素子4a〜4fのオン−オフを決定するゲ
ート信号を演算し、ベースドライバ11へ出力する。回
転子位置速度検出手段9は、電流センサ7a〜7bによ
り検出された圧縮機モータ6の電流と正弦波駆動回路1
0の出力とを用いて、モ一タ回転子の位置と速度を推定
演算する。
【0034】つぎに、回転子位置速度検出手段9の動作
について説明する。図3は、回転子位置速度検出手段9
の一実施例の構成と動作を示すブロック図である。モー
タモデル電流演算手段13は、モータ常数(R:抵抗、
Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタン
ス、Ts:制御周期)、電流iδおよびiγ、インバー
タ出力電圧VγおよびVδ、推定速度ωM 、および推定
逆起電圧eM の情報を用いて、ブラシレスモータのモデ
ル式から式(3)により、制御周期Tsにおける現時刻
tのモータ電流iMδ(t) 、iMγ(t) を推定する。
【0035】
【数3】
【0036】推定されたモータ電流iMδ(t) 、iMγ
(t) と、実際の検出された電流iδ(t)、iγ(t)を
用いてモータモデル誤差に起因して発生したと考えられ
る電流誤差△iδ(t)、△iγ(t)が式(4)により求
められる。
【0037】
【数4】
【0038】この電流誤差は、推定逆起電圧eM 、推定
位置θおよび推定速度ωM に起因するため、この電流誤
差情報を用いれば、推定逆起電圧eM、推定位置θおよ
び推定速度ωMを正確な値へ修正することが可能であ
る。逆起電圧推定手段14は、式(5)により電流誤差
△iδとゲインGeにより修正演算して推定逆起電圧e
M を推定する。
【0039】
【数5】
【0040】また、速度推定手段15は、式(6)によ
り推定逆起電圧eM 、逆起電圧係数KE 、電流誤差△i
γ、制御周期Ts、速度平均値ωMOとゲインGθにより
推定速度ωM を推定する。
【0041】
【数6】
【0042】また、位置推定手段16は、式(7)によ
り、制御周期Ts、推定速度ωM から推定位置θM を推
定する。
【0043】
【数7】
【0044】以上の演算により、回転子の位置および速
度が推定される。
【0045】つぎに、本実施例における正弦波駆動回路
10による出力電圧の出力推移の一例について図面を参
照しながら説明する。図4は、正弦波駆動回路10の出
力電圧の推移例を示す波形図である。圧縮機モータ6な
どの負荷が徐々に高くなっていく場合を考えると、イン
バータ回路3の出力電圧はそれに応じて徐々に上昇して
いく。正弦波状電圧のピーク電圧が電源電圧に達した時
点から、出力は一部に全通電の区間を持つことにより電
圧はさらに上昇していく。
【0046】このとき、出力電圧は正弦波波形から変形
されていく。さらに負荷が上昇していくにしたがって全
通電の区間は広がっていき、最大全通電区間幅に達す
る。一方、ピーク電圧が電源電圧に到達した時点から、
コンバータ装置2への目標電圧が徐々に上昇し、さらに
最大全通電区間幅に達した以降は、電動機の回転数は、
コンバータ装置2の出力電圧によってのみ制御されるこ
ととなる。すなわち、一般的なPAM(Pulse Amplitud
e Modulataion )制御となる。
【0047】図5は、正弦波駆動回路10の全通電の区
間を有した出力電圧を示す波形図である。先に説明した
ように、正弦波状の交流電圧のピーク電圧が、直流電
源、すなわちコンバータ装置2が出力する直流電圧に達
した時点から、出力の一部が全通電の区間を持つように
なる。このときの平均出力電圧は、図5(1)に示した
ように、正弦波の上部が上限に制限されたような波形と
なる。このとき、インバータ回路3の出力電圧波形は図
5(2)のようになっている。すなわち、通常のPWM
(Pulse Width Modulation)制御により、平均電圧を実
現するようにパルス幅が1周期内で推移していく。正弦
波状電圧のピーク電圧が、電源電圧に達した時点から、
常時、ONの全通電区間となる。
【0048】つぎに、本実施例における回転数制御手段
12の動作について図面を参照しながら説明する。図6
は、本実施例におけるコンバータ装置2およびインバー
タ回路3の制御方法の一例について示す特性図である。
回転数に対して、コンバータ装置2の出力電圧、インバ
ータ回路3が出力する最大出力通電率、および全通電角
度をどのように制御するかについて説明する。
【0049】回転数N1以下の領域では、コンバータ装
置2の出力電圧は、この例の場合のように、たとえば1
50Vの一定に制御しながら、圧縮機モータ6の回転数
制御は、インバータ回路3が出力する正弦波の電圧を調
整することにより行う。すなわち、回転数の増加に応じ
て、正弦波電圧のピーク値である最大出力通電率も増加
されていく。さらに通電率が上昇して100%に達し、
回転数がN1になった後、回転数N2までの領域におい
ては、インバータ回路3の出力における全通電角度を増
加させていく。
【0050】これにより、インバータ回路3の出力電圧
も上昇していく。この全通電角度の上昇による電圧上昇
のレートは、最大出力通電率の上昇によるものとは異な
るため、回転数の制御が難しい。そこで、本発明におい
ては、この回転数N1からN2までの領域においては、
コンバータ装置2の出力電圧も所定のレートで上昇させ
ていく。これにより、回転数制御がスムーズに実施され
る。
【0051】さらに、全通電角度が大きくなっていき、
あらかじめ定められた最大全通電角度、この例では、電
気角120度に達した回転数N2からは、全通電角度は
固定され、回転数制御はコンバータ装置2の出力電圧に
よってのみ調整される。すなわち、完全にPAM制御と
なる。このように、軽負荷時はPWM制御により、そし
て中間負荷領域ではPWM制御とPAM制御との両方に
より、そして重負荷領域ではPAM制御により回転数が
スムーズに制御される。
【0052】図7は、本実施例におけるコンバータ装置
2およびインバータ回路3の制御方法の一例の動作を示
すフローチャートである。ステップS1においてPWM
制御中であるかどうか判断し、PWM制御中の場合は、
ステップS2において回転数指令に応じてインバータ回
路3の出力電圧を変更する。ステップS3において、最
大通流率が100%に達していなければ、通常の正弦波
のPWM信号により電圧制御がなされる。一方、100
%に達していたら、出力電圧ピーク値が電源電圧に達し
たことであるので、PWM制御からPAM制御への移行
領域へと入る。すなわち、まず、ステップS4で出力電
圧に応じて全通電領域を設定した後、ステップS5でコ
ンバータ装置2の出力電圧Vdc指令値を所定のレートで
上昇させる。さらにステップS6で全通電領域が最大全
通電領域長、この例では120度に達していなければ、
継続してPAMへの移行領域の制御を継続する。一方、
120度に達していたら、ステップS7でPAM制御へ
の移行と判定し、次回からはPAM制御が実施される。
なお、120度に限定するものではなく、120度より
大きく180度までの間の値とすることができる。
【0053】一方、ステップS1でPAM制御中の場合
は、ステップS8において回転数指令に応じてコンバー
タ装置2の出力電圧Vdcを変更する。ステップS9にお
いて、Vdcが所定の電圧以下でなければ、通常のPAM
制御によりコンバータ装置2の出力電圧が制御される。
一方、所定の電圧VCに達していたら、PAM制御から
PWM制御への移行領域へと入る。すなわち、まずステ
ップS10において出力電圧Vdcに応じて全通電領域が
設定する。さらにステップS11で全通電領域が0度で
なければそのまま移行領域の制御を継続する。もし、0
度になったと判断された場合、ステップ12でPWM制
御への移行と判定し、次回からはPWM制御が実施され
る。
【0054】これにより、ブラシレスモータ駆動時で
も、正弦波のPWM制御から、全通電領域を持った台形
波状の変形正弦波でのPAM制御へスムーズに移行する
ことができる。
【0055】なお、モータ制御手段8は、専用のハード
回路で実現しても、またはマイクロコンピュータを利用
したソフトウエアで実現してもよいことは言うまでもな
い。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のインバータ装置では、交流電源を入力し、出力電圧に
応じてスイッチングにより正弦波状の交流を出力すると
き、電圧波高値の最大となる点を中心に所定の区間を全
通電の状態とし、さらに、出力電圧制御手段は、出力電
圧の電圧波高値が前記直流電源の電源電圧を超えた時点
から、電圧波高値の最大となる点を中心に全通電の状態
とする区間の幅を、出力電圧指令に応じて変化させるこ
とにより、正弦波駆動からさらに出力電圧を高くするこ
とにより高出力トルクを実現することができる。
【0057】また、本発明の電動機駆動装置は、電動機
の電流を検出し、インバータ回路が出力する電圧値と電
動機の特性値とから推定される電流推定値と、電流セン
サにより検出された電流との差に基づいて電動機の回転
子磁極位置を推定し、推定された回転子磁極位置情報に
基づいて通電を行うことにより、正弦波状の交流による
駆動を実現しつつ、正弦波駆動からさらに出力電圧を高
くすることにより高出力トルクを実現することができ
る。
【0058】また、本発明の電動機駆動システム装置
は、PWM制御およびPAM制御の2つの速度制御系に
より速度制御がなされ、PWM制御の場合には、正弦波
状の交流により低振動と高効率運転を実現しつつ、PA
M制御の場合には、さらに高出力トルクを実現すること
ができる。
【0059】さらに、本発明の電動機駆動システム装置
は、PWM制御とPAM制御との2つの速度制御系の切
り替え時には、切替移行領域において全通電区間長を変
更することにより、速度変動のないスムーズな切り替え
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインバータ装置、電動機駆動装置、お
よび電動機駆動システム装置の一実施例の構成を示すブ
ロック図
【図2】本発明の一実施例における正弦波駆動回路の構
成と動作を示すブロック図
【図3】本発明の一実施例における回転子位置速度検出
手段の構成と動作を示すブロック図
【図4】本発明の一実施例における正弦波駆動回路の出
力電圧の推移例を示す波形図
【図5】本発明の一実施例における正弦波駆動回路の全
通電領域を有する出力電圧を示す波形図
【図6】本発明の一実施例におけるコンバータ装置およ
びインバータ回路の制御方法の一例を示す特性図
【図7】本発明の一実施例におけるコンバータ装置およ
びインバータ回路の制御方法の一例の動作を示すフロー
チャート
【符号の説明】
1 交流電源 2 コンバータ装置 3 インバータ回路 4a〜4f スイッチング素子 5a〜5f 環流ダイオード 6 圧縮機モータ(電動機) 7a、7b 電流センサ 8 モータ制御手段(出力電圧制御手段) 9 回転子位置速度検出手段(回転子位置検出手段) 10 正弦波駆動回路 10a 3相2相変換手段 10b 電流δPI制御手段 10c 電流γPI制御手段 10d 2相3相変換手段 10e ゲート信号発生手段 11 ベースドライバ 12 回転数制御手段(速度制御手段) 12a 速度PI制御手段 13 モータモデル電流演算手段 14 逆起電圧推定手段 15 速度推定手段 16 位置推定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 亮次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H007 BB06 CA01 CB05 CC12 CC23 DA03 DA05 DB12 DC02 DC04 EA02 5H560 BB04 DB12 DC12 EB01 UA02 XA02 XA04 XA12 XA13 5H576 BB02 CC05 DD02 EE01 EE11 GG02 GG04 HA04 HB02 JJ24 LL14 LL22 LL38 LL41

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の直流電圧を入力し、前記直流
    電圧をスイッチングすることにより出力電圧指令に対応
    した正弦波状の交流電圧を出力するインバータ装置にお
    いて、前記交流電圧を制御する出力電圧制御手段を備
    え、前記出力電圧制御手段は、前記交流電圧の波高値が
    最大となる点を中心に所定区間を全通電の状態とする機
    能を備えたインバータ装置。
  2. 【請求項2】 出力電圧制御手段は、出力される交流電
    圧の電圧波高値が直流電源の電源電圧を超えた時点か
    ら、全通電の状態とする区間の幅を出力電圧指令に応じ
    て変化させるようにした請求項1記載のインバータ装
    置。
  3. 【請求項3】 全通電区間の最大幅を電気角120度と
    した請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のインバ
    ータ装置。
  4. 【請求項4】 全通電区間の最大幅を電気角180度と
    した請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のインバ
    ータ装置。
  5. 【請求項5】 負荷要素を駆動する電動機と、請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載のインバータ装置とを
    備えた電動機駆動装置。
  6. 【請求項6】 電動機がブラシレスモータである請求項
    5記載の電動機駆動装置。
  7. 【請求項7】 インバータ装置は、電動機の電流を検出
    する電流センサを2個以上と、前記インバータ装置が出
    力する電圧値と前記電動機の特性値とから推定される電
    流推定値と前記電流センサにより検出された電流との差
    に基づいて前記電動機の回転子磁極位置を推定する回転
    子位置検出手段とを備え、推定された回転子磁極位置の
    情報に基づいて通電を制御するようにした請求項6記載
    の電動機駆動装置。
  8. 【請求項8】 電動機が駆動する負荷要素が空気調和機
    用圧縮機である請求項5ないし請求項7のいずれかに記
    載の電動機駆動装置。
  9. 【請求項9】 電圧可変の直流電圧を出力するコンバー
    タ装置と、前記直流電圧をスイッチングにより正弦波状
    の交流電圧を出力するインバータ装置と、前記インバー
    タ装置により駆動される電動機とを備え、前記インバー
    タ装置は、インバータ回路に最大通流率および全通電区
    間長を指令して前記電動機の速度制御を行うPWM制御
    系と、前記コンバータ装置に直流電圧指令を出力して前
    記電動機の速度制御を行うPAM制御系との2つの速度
    制御系を、制御状態によって切り替えて速度制御する速
    度制御手段を備えた電動機駆動システム装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載のインバータ装置を備えた請求項9記載の電動機駆
    動システム装置。
  11. 【請求項11】 インバータ装置の通流率を含む電動機
    の速度に関係して変化する少な〈とも1つの値を前記2
    つの速度制御系の切替条件として用いる請求項9ないし
    請求項10のいずれかに記載の電動機駆動システム装
    置。
  12. 【請求項12】 2つの速度制御系の切り替えに対して
    切替移行領域を設け、前記2つの速度制御系を切り替え
    るとき、前記切替移行領域においてインバータ装置の全
    通電区間長を変化させるようにした請求項11記載の電
    動機駆動システム装置。
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