JP2003199388A - モータ駆動装置 - Google Patents

モータ駆動装置

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JP2003199388A
JP2003199388A JP2001397570A JP2001397570A JP2003199388A JP 2003199388 A JP2003199388 A JP 2003199388A JP 2001397570 A JP2001397570 A JP 2001397570A JP 2001397570 A JP2001397570 A JP 2001397570A JP 2003199388 A JP2003199388 A JP 2003199388A
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rotation speed
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Yasuaki Kato
康昭 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期的に負荷トルクが変動する場合でも、ロ
ータ位置を精度よく推定して、モータのトルク制御を行
う。 【解決手段】 モータへの電圧指令値Vδ*、Vγ*とモ
ータコイルの電流検出値Iγ、Iδとからロータ位置誤
差を演算する。このロータ位置誤差よりロータ回転速度
ωを推定し、この推定ロータ回転速度ωから推定ロータ
位置θを演算する。ロータ回転速度ωを推定演算すると
き、ロータ位置誤差の積分値を推定ロータ位置θ毎に記
憶して、周期的に変動する負荷の影響による推定値の変
動が抑圧されるように記憶された積分値を周期毎に出力
して、推定ロータ回転速度ωを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷トルクの変動
が大きい圧縮機等の負荷を駆動するモータの駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】DCブラシレスモータなどの同期モータ
は、ロータ位置に応じて励磁電流を流すことによって、
その性能を発揮させることができる。そのため、モータ
駆動にはロータ位置を検出する必要がある。通常はロー
タ位置検出器として、ホール素子、レゾルバ、光学式エ
ンコーダなどが用いられる。しかし、モータの用途によ
ってはこれらのロータ位置検出器を使用できないことが
ある。例えば、空気調和機や冷蔵庫の圧縮機駆動のため
の用途では、圧縮機内における高温、高圧、油循環のた
めに、上記のようなロータ位置検出器を使うことは困難
である。
【0003】このような場合には、ロータ位置検出器を
使用せずに、通電期間中に無通電期間を設けた間欠通電
駆動を行い、無通電期間中にモータコイルに発生する誘
起電圧からロータ位置検出を行う手法が用いられてい
る。一般に120度矩形波通電と呼ばれる上記の通電方
式では、無通電期間のない180度正弦波通電と比較す
ると、無通電期間の存在により、効率低下、振動および
騒音の増大を招くことになる。
【0004】しかし、モータ制御技術の発展により、モ
ータに流れる電流を検出してロータ位置を推定するとい
った、無通電期間を設けずにロータ位置検出を行う技術
が広く確立してきており、このロータ位置推定技術を用
いた空気調和機も商品化され始めている。ただし、この
ロータ位置推定技術は、2ピストン・ロータリー式の圧
縮機への適用は容易であるが、1ピストン・ロータリー
式には適用が困難である。1ピストン・ロータリー圧縮
機では、冷媒吐出時に最大となる負荷トルクの変動に起
因する振動エネルギーを多ピストン化によって打消すこ
とができないため、特に低回転域では振動が大きくな
り、運転が困難となる。
【0005】そのため、1ピストン・ロータリー圧縮機
を駆動するには、トルク制御により負荷変動に対応する
必要がある。このような圧縮機を駆動可能なモータの駆
動装置が、例えば特開2001−37281号公報に開
示されている。これには、以上で説明したようなロータ
位置検出とトルク制御について記載されている。
【0006】ロータ位置検出手法としては、インバータ
が出力する電圧値およびモータ特性値から推定される電
流推定値と電流センサにより検出された電流値との偏差
に基づいて、実ロータ位置および実速度と仮想ロータ位
置および仮想速度との誤差を推定演算し、これらの誤差
が小さくなるように仮想値を制御することにより、実値
を推定検出するものである。このロータ位置検出手法で
は、ロータ回転位置に係わらず時間的に連続に制御して
いる。
【0007】トルク制御手法としては、ロータ位置検出
により得られた値から、ロータ回転加速度またはロータ
回転速度または相対ロータ位置での速度差を導き、それ
らと指令値の偏差に基づいて、モータトルクを制御しよ
うとするものである。このトルク制御手法では、ロータ
回転位置に係わらず時間的に連続に制御される場合と、
ロータ回転位置毎に繰返し制御される場合とがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、負荷の異なる
トルク変動による速度変動に対して制御を行う場合に
は、異なる制御応答が必要となるので、二自由度制御系
を構成しなければならない。したがって、ロータ位置毎
に負荷トルクが大きく変動し、かつロータ回転速度毎に
負荷トルクが変動する場合には、従来のロータ位置検出
手法でモータを駆動制御するのは困難である。
【0009】ここで、トルク制御手法によって、ロータ
回転位置毎の大きな負荷トルク変動下でも一定の回転速
度となるように制御できれば、従来のロータ位置検出手
法でもモータを駆動制御することは可能といえる。しか
し、従来のトルク制御手法は、通常のロータ位置検出手
法による結果に基づいた制御であるので、大きな負荷ト
ルク変動がある場合、精度よくロータ位置を推定でき
ず、トルク制御を行うこと自体が困難となる。
【0010】本発明は、上記に鑑み、負荷トルクが大き
く変動する場合でもロータ位置検出を安定的に行え、モ
ータを制御できるモータ駆動装置を提供することを目的
とするものである。さらに、トルク制御を行うことによ
り、一定回転でモータ駆動を行える駆動装置を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、圧縮機等の周期的にトルクが変動する負荷を駆動
するモータのロータの状態に応じてモータを駆動制御す
るモータ駆動装置であって、目標値と検出値とからロー
タの状態を推定する推定手段と、該推定手段によって得
られた時点毎に推定値を記憶して、周期的に変動する負
荷の影響による前記推定値の変動が抑圧されるように前
記推定値を周期毎に前記推定手段に入力する繰返し制御
手段とを備えたものである。
【0012】そして、モータが発生するトルクと負荷が
発生する負荷トルクとが一致するように推定されたロー
タの状態に基づいてモータのトルク制御を行うトルク制
御手段を備えている。さらに、推定手段によって得られ
た時点毎に推定値を記憶して、周期的に変動する負荷の
影響による前記推定値の変動が抑圧されるように前記推
定値を周期毎にトルク制御手段に入力する繰返し制御手
段を備えている。
【0013】ここで、ロータの状態は、モータの回転速
度、回転加速度、回転位置であり、モータコイルに流れ
る電流値を検出することによって、その状態を判別する
ものとする。なお、ロータ位置検出器を用いてもよい。
【0014】推定手段において、モータへの指令値とロ
ータの状態の検出値とからモータのロータ位置誤差を演
算し、演算によって算出されたロータ位置誤差よりロー
タ位置およびロータ回転速度を推定する。推定ロータ回
転速度は、ロータ位置誤差が0となるようにロータ位置
誤差をPI制御して、導き出される。推定ロータ位置
は、推定ロータ回転速度を積分することによって得られ
る。
【0015】このとき、繰返し制御手段において、ロー
タ位置誤差の積分値を推定ロータ位置毎に記憶して、ロ
ータ位置誤差が0となるようにロータ回転速度を推定す
るために前記積分値を周期毎に出力する。これによっ
て、変動する負荷の影響を受けずにロータ回転速度を推
定できる。さらに、推定ロータ回転速度を推定ロータ位
置毎に記憶して、推定ロータ回転速度を周期毎に推定手
段に入力することにより、周期的に変動する負荷の影響
による推定値の変動が抑圧され、精度よくロータ位置を
推定できる。
【0016】トルク制御手段において、推定ロータ回転
速度に基づいてモータへの指令値を調整して、駆動信号
としてモータに出力する。このとき、繰返し制御手段に
おいて、推定ロータ回転速度と指令値とから得られるロ
ータ回転速度誤差の積分値を推定ロータ位置毎に記憶し
て、記憶された積分値を周期毎に出力して、モータへの
指令値を調整するようにする。これによって、周期的に
変動する負荷の影響による推定ロータ回転速度の変動を
抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態のモ
ータ駆動装置は、セパレートタイプの空気調和機の1ピ
ストン・ロータリー圧縮機を駆動するものである。空気
調和機における室外機の制御回路を図1に示す。10は
室外機内の圧縮機駆動部、11は商用交流電源、12は
ダイオードブリッジなどにより構成される全波整流回
路、13は電解コンデンサなどにより構成される平滑回
路、14は3相バイポーラ接続されたIGBTとフライ
ホイール・ダイオードなどにより構成されるインバータ
部、15は電圧レベル変換ICなどにより構成されるベ
ースドライバ部、16は圧縮機駆動用のDCブラシレス
モータ、17はカレントトランスなどにより構成される
電流センサ、18は制御演算を行うマイクロプロセッサ
である。
【0018】モータ駆動は、一般にベクトル制御と呼ば
れる方式をベースにして行う。ベクトル制御は、図2の
座標に示すように、U,V,W3相入力をロータ上の界
磁軸とそれに直交する方向のd−q座標軸に変換して制
御するものである。これはモータ特性がd−q軸上で扱
いやすいためであり、各物理変数はこの軸に変換して取
り扱われる。この座標変換は式(1)のようになる。
【0019】
【数1】
【0020】上記のモータ駆動装置では、ロータ位置検
出器を備えていないので、ロータ上の座標d−q軸は検
出できない。そこで、d−q軸に対応する仮想軸γ−δ
軸で制御を行う。
【0021】これらの制御はマイクロプロセッサ18の
ソフトウェア上で実行される。マイクロプロセッサ18
の制御ブロックを図3に示す。20は速度制御部、21
は電流制御部、22はγδ→3相変換部、23はPWM
(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)部、24は
ロータ位置速度推定部、25は3相→γδ変換部であ
る。
【0022】以下にその動作を説明する。空気調和機を
運転するための電力は、室内機(図示せず)および室外
機に接続された商用交流電源11から供給される。その
交流は全波整流回路12と平滑回路13により直流化さ
れ、インバータ部14へ入力される。マイクロプロセッ
サ18は、圧縮機駆動用のDCブラシレスモータ16を
駆動するためのPWM波形を演算生成して、ベースドラ
イバ部15へ出力する。そこでPWM波形はIGBT駆
動電圧に変換され、インバータ部14のIGBTスイッ
チングを行う。このようにしてインバータ部14よりモ
ータ16へ電力が供給されて、空気調和機が運転され
る。なお、モータ16は磁石トルクのみを発生し、常に
進め位相0で最高性能が得られるものとする。電流セン
サ17により検出されたモータコイルの電流値Iu,I
vは、マイクロプロセッサ18へフィードバックされて
制御に用いられる。
【0023】マイクロプロセッサ18において、速度制
御部20では、図4に示すように、ロータ回転速度指令
値ω*と推定ロータ回転速度値ωの偏差ΔωからPI制
御を行うことにより、δ軸電流指令値Iδ*を出力す
る。モータ16はIδに比例したトルクを発生するの
で、Iδ*を調整することにより速度制御を行うことが
できる。
【0024】電流制御部21では、δ軸電流指令値Iδ
*とδ軸電流値Iδとの偏差からPI制御を行うことに
より、δ軸電圧指令値Vδ*を出力する。ここで一般
に、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスL
q、磁石磁束φ、抵抗Rなどのモータ特性値によりγ軸
とδ軸の非干渉制御器を構成し、δ軸電流制御ループか
らγ軸の影響を排除する。また、γ軸電流指令値Iγ*
とγ軸電流値Iγの偏差からPI制御を行うことによ
り、γ軸電圧指令値Vγ*を出力する。ここでは、常に
進め位相0で制御するため、Iγ*=0としている。ま
た、δ軸の場合と同様に非干渉制御器を構成し、γ軸電
流制御ループからδ軸の影響を排除する。
【0025】γδ→3相変換部22では、Vγ*および
Vδ*に推定ロータ位置θ毎に式(1)の逆変換を施す
ことによって、3相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*
出力する。
【0026】PWM部23では、3相電圧指令値を例え
ばキャリア周期4kHzで変調して、PWMデューティ
に変換し、6個のPWMスイッチング信号としてベース
ドライブ部15に出力する。
【0027】3相→γδ変換部25では、電流センサ1
7からのU,V軸電流値Iu,Ivに推定ロータ位置θ
毎に式(1)の変換を施すことによって、Iγ,Iδを
出力する。
【0028】ロータ位置速度推定部24は、電圧指令値
Vγ*,Vδ*および検出電流値Iγ,Iδおよび各モー
タ特性値より推定ロータ回転速度ωおよび推定ロータ位
置θを出力する。すなわち、ロータ位置速度推定部24
は、モータ16への電圧指令値Vγ*,Vδ*とロータの
状態である検出電流値Iγ,Iδとからモータ16のロ
ータ位置誤差Δθを演算する演算手段と、演算手段によ
って算出されたロータ位置誤差Δθよりロータ位置およ
びロータ回転速度を推定する位置速度推定手段と、推定
ロータ回転速度ωを推定ロータ位置θ毎にメモリに順次
記憶して、周期的に変動する負荷の影響によるこれら推
定値の変動が抑圧されるように推定ロータ位置θおよび
推定ロータ回転速度ωを周期毎に演算手段に入力する繰
返し制御手段とを備えたものである。
【0029】このような演算を実行するためのロータ位
置速度推定部24の制御ブロック図を図5に示す。31
はロータ位置誤差演算部、32はPLL(Phase Locked
Loup)制御部、33はロータ位置繰返し制御部、34
はロータ回転速度繰返し制御部である。ここで、演算手
段はロータ位置誤差演算部31によって構成され、位置
速度推定手段はPLL制御部32によって構成され、繰
返し制御手段はロータ位置繰返し制御部33およびロー
タ回転速度繰返し制御部34によって構成される。
【0030】上記の動作について、以下に説明する。モ
ータ特性を表すd−q軸上のモータ電圧方程式は式
(2)、(3)となる。
【0031】
【数2】
【0032】式(2)、(3)のpは時間微分演算子で
ある。このとき、d−q軸とΔθだけずれた仮想γ−δ
軸上のモータ電圧方程式は、d−q軸とγ−δ軸での回
転速度が一致するとすれば、式(4)で表される。
【0033】
【数3】
【0034】式(4)を用いて、微分項の近似またはオ
ブザーバの構成などの手法を用いることによりロータ位
置誤差Δθを推定演算することができる。つまり、ロー
タ位置誤差演算部31はVγ、Vδ、Iγ、Vδ、R、
Ld、Lq、φ、ωの入力により、ロータ位置誤差Δθ
を出力できることになる。このΔθが零となるように推
定ロータ回転速度ωを制御することによって、ロータ位
置推定を行う。Δθが零となるようωを調整するPLL
制御器32では、式(5)のようにΔθに対してPI制
御を行って、推定ロータ回転速度ωが得られる。
【0035】
【数4】
【0036】式(5)のKpは比例ゲイン、Kiは積分
ゲインである。さらに、推定ロータ回転速度ωを積分す
ることによって推定ロータ位置θが得られる。推定ロー
タ位置θは、γδ→3相変換部22および3相→γδ変
換部25にそれぞれ入力される。
【0037】ここで、ロータ位置推定演算において、負
荷トルク変動の周期性の影響を排除するために、PLL
制御器32内の積分演算部にロータ位置繰返し制御部3
3を設ける。ロータ位置繰返し制御部33は、360分
割された整数値となる推定ロータ位置θ毎に、ロータ位
置誤差Δθを積分した積分値をメモリに保持するととも
に次段に出力する。積分値が比例積分演算された結果、
推定ロータ回転速度ωが得られ、この推定ロータ回転速
度ωもロータ回転速度繰返し制御部34において、推定
ロータ位置θ毎にメモリに保持されて、次回転における
同じ推定ロータ位置θ時にロータ位置誤差演算部31に
フィードバックされる。このようにして、推定ロータ位
置θ毎に制御を行う構成とすることにより、ロータ位置
に依存した回転周期変動に影響されない繰返し制御を用
いたロータ位置推定演算を実現でき、精度の高い推定値
が得られる。
【0038】なお、一定の周期、例えばPWMキャリア
周期4kHzに同期して本制御を行うとすると、モータ
16は可変速運転されるので、制御周期とロータ位置更
新周期は一致しない。そのため、制御周期よりロータ位
置更新周期が短い場合には、同じ推定値をメモリに保持
することにする。例えば、制御周期4kHz間に推定ロ
ータ位置θが0から5まで更新されるときには、ロータ
位置繰返し制御部33のΔθ0からΔθ5には同じ推定演
算値を記憶する。これは、ロータ回転速度繰返し制御部
34の推定ロータ回転速度ωについても同様にする。
【0039】以上の推定演算によって得られた推定ロー
タ回転速度ωを速度制御部20に入力することにより、
δ軸電流指令値Iδ*が導き出される。また、推定ロー
タ回転速度ωを電流制御部21に入力することにより、
δ軸電圧指令値Vδ*、γ軸電圧指令値Vγ*が導き出さ
れる。そして、これらの指令値に基づいて推定ロータ位
置θ毎に3相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*が出力さ
れ、モータ16が駆動制御される。
【0040】(第2実施形態)第1実施形態では、ロー
タ位置推定演算に繰返し制御を用いることにより、負荷
のトルク変動に起因する速度変動が生じても脱調せずに
モータを駆動することができる。しかし、速度変動が生
じているため、振動および騒音は大きいままである。こ
れを回避するためには、周期的に変動する負荷トルクに
応じてトルク制御を行い、ロータ回転速度が一定となる
ようにすればよい。そこで、速度制御部において繰返し
制御を用いることによって、トルク制御を行う。
【0041】すなわち、図6に示すように、速度制御部
41では、ロータ回転速度指令値ω *と推定ロータ回転
速度値ωとのロータ回転速度誤差ΔωにPI制御を行
い、δ軸電流指令値Iδ*を出力するものであり、積分
演算部に繰返し制御部42を設けている。なお、その他
の構成および動作は第1実施形態と同じである。
【0042】繰返し制御部42は、360分割された整
数値となる推定ロータ位置θ毎にロータ回転速度誤差Δ
ωを積分した積分値をメモリに保持するとともに次段に
出力する。この積分値を比例積分演算して得られたδ軸
電流指令値Iδ*はトルク指令値である。つまり、全て
のロータ位置範囲で速度指令値、すなわち負荷トルクに
一致するように、推定ロータ位置θ毎にトルク指令値が
生成されることになる。このようにして、推定ロータ位
置θ毎に独立した制御器を構成することにより、ロータ
位置に依存した周期的な変動に影響されることなく、繰
返し制御を用いたトルク制御を実現できる。
【0043】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。各実施
形態において、磁石トルクのみを利用するDCブラシレ
スモータについて説明したが、磁石トルクおよびリラク
タンストルクを利用するDCブラシレスモータ、リラク
タンストルクのみを利用するリラクタンスモータなどに
適用してもよく、モータの種類は何ら制限されない。な
お、リラクタンストルクを利用する場合には、γ軸電流
指令値Iγ*の一部もトルク指令値となる。
【0044】電流制御などにPI制御を用いたが、PI
D制御を用いてよい。PLL制御部では、制御を安定さ
せるためのフィルタやアッテネータを省略したが、これ
らを付加した構成であってもよい。
【0045】ロータ位置誤差推定について、Δθ〜0近
似による理論やインダクタンス誤差に基づく推定理論な
どを用いた制御を行ってもよく、誤差推定に用いる理論
は何ら制限されない。さらに、繰返し制御はロータ回転
に同期した周期変動の影響を排除するように構成されて
いたが、周期性を持つならばロータ回転に同期している
必要はなく、繰返し制御周期および対象は何ら制限され
ない。トルク制御として、速度制御部に繰返し制御を適
用するものに限らず、テーブル参照によるトルク指令値
補正を行う手法によってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、ロータ位置毎に繰返し制御を適用することによ
り、周期性をもつ負荷トルク変動下でもロータ位置誤差
を抑えて、ロータ位置の推定演算を行うことができ、推
定ロータ位置の精度が高まる。
【0047】このように推定されたロータ位置に基づい
て負荷トルクに一致するようにトルク制御を行うことに
より、大きな負荷トルク変動がある場合でも、一定回転
でモータ駆動を実現することができる。また、トルク制
御に繰返し制御を適用することにより、特に周期性をも
つ負荷トルク変動下において、確実に一定回転でモータ
駆動を行うことができる。
【0048】したがって、空気調和機、冷蔵庫等の圧縮
機を駆動するモータのように位置検出器を使用できない
場合、上記の駆動制御を適用すれば、位置検出器を用い
なくても、低振動、低騒音かつ安定したモータ駆動を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のモータ駆動装置が使用される空気
調和機の制御回路図
【図2】 UVW軸とd−q軸との関係を示す図
【図3】 第1実施形態のモータ駆動装置のブロック
【図4】 速度制御部の構成図
【図5】 ロータ位置速度推定部の構成図
【図6】 第2実施形態の速度制御部の構成図
【符号の説明】
16 モータ 17 電流センサ 20 速度制御部 21 電流制御部 24 ロータ位置速度推定部 31 ロータ位置誤差演算部 32 PLL制御器 33 ロータ位置繰返し制御部 34 ロータ回転速度繰返し制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA04 AB03 BB57 CC07 CC58 CC62 3H045 AA09 AA25 BA12 CA21 CA29 DA07 EA34 5H560 AA02 BB04 BB12 DA14 DB14 DB20 EB01 GG04 RR01 TT15 UA03 XA02 XA04 XA12 XA13 5H576 AA10 BB04 CC05 DD02 DD07 EE01 EE11 FF03 GG02 GG04 HA02 HB02 JJ03 JJ04 JJ08 JJ24 KK06 LL14 LL22 LL39 LL41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷を駆動するモータのロータの状態に
    応じてモータを駆動制御するモータ駆動装置であって、
    目標値と検出値とからロータの状態を推定する推定手段
    と、該推定手段によって得られた時点毎に推定値を記憶
    して、周期的に変動する負荷の影響による前記推定値の
    変動が抑圧されるように前記推定値を周期毎に前記推定
    手段に入力する繰返し制御手段とを備えたことを特徴と
    するモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 モータが発生するトルクと負荷が発生す
    る負荷トルクとが一致するように推定されたロータの状
    態に基づいてモータのトルク制御を行うトルク制御手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 推定手段によって得られた時点毎に推定
    値を記憶して、周期的に変動する負荷の影響による前記
    推定値の変動が抑圧されるように前記推定値を周期毎に
    トルク制御手段に入力する繰返し制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項2記載のモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 負荷を駆動するモータのロータ位置に応
    じてモータを駆動制御するモータ駆動装置であって、モ
    ータへの指令値とロータの状態の検出値とからモータの
    ロータ位置誤差を演算する演算手段と、該演算手段によ
    って算出されたロータ位置誤差よりロータ位置およびロ
    ータ回転速度を推定する位置速度推定手段と、前記推定
    ロータ回転速度を推定ロータ位置毎に記憶して、周期的
    に変動する負荷の影響による推定値の変動が抑圧される
    ように前記推定ロータ回転速度を周期毎に前記演算手段
    に入力する繰返し制御手段とを備えたことを特徴とする
    モータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 ロータ位置誤差の積分値を推定ロータ位
    置毎に記憶して、前記ロータ位置誤差が0となるように
    ロータ回転速度を推定するために前記積分値を周期毎に
    出力する繰返し制御手段が設けられたことを特徴とする
    請求項4記載のモータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 モータが発生するトルクと負荷が発生す
    る負荷トルクとが一致するように推定ロータ回転速度に
    基づいてモータのトルク制御を行うトルク制御手段を備
    え、該トルク制御手段は、推定ロータ回転速度と指令値
    とから得られるロータ回転速度誤差を推定ロータ位置毎
    に記憶して、周期的に変動する負荷の影響による前記推
    定ロータ回転速度の変動が抑圧されるように前記ロータ
    回転速度誤差を周期毎に出力する繰返し制御手段を有す
    ることを特徴とする請求項4または5記載のモータ駆動
    装置。
  7. 【請求項7】 モータの負荷が圧縮機とされたことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモータ駆動装
    置。
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