JP2002027744A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2002027744A
JP2002027744A JP2000212002A JP2000212002A JP2002027744A JP 2002027744 A JP2002027744 A JP 2002027744A JP 2000212002 A JP2000212002 A JP 2000212002A JP 2000212002 A JP2000212002 A JP 2000212002A JP 2002027744 A JP2002027744 A JP 2002027744A
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circuit
voltage
switching element
switching
primary
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JP2000212002A
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English (en)
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次側アクティブクランプ回路を備える複合
共振形コンバータとして、回路規模の小型化を図る。 【解決手段】 二次側アクティブクランプ回路の駆動制
御して定電圧化を図るための回路系を、アナログのPW
M制御回路によって直接駆動するように構成する。これ
により、他励式による場合のように、汎用のPWM制御
ICを採用した場合と比較して、回路構成を簡略化し部
品点数を削減することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図7の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできる、先行技術として
のスイッチング電源回路の一例を示している。この図に
示す電源回路の基本構成としては、一次側に1石のスイ
ッチング素子による電圧共振形コンバータを備えてい
る。また、この電源回路には、先に本出願人が提案した
アクティブクランプ回路が一次側と二次側とに設けられ
る。
【0004】この図に示す電源回路では、ブリッジ整流
回路Di及び平滑コンデンサCiによって、商用交流電
源(交流入力電圧VAC)から交流入力電圧VACの1倍の
レベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成する。
【0005】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のメインスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシ
ングルエンド方式によるスイッチング動作を行う、電圧
共振形コンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コ
ンバータは他励式の構成を採っており、メインスイッチ
ング素子Q1には例えばMOS−FETが使用される。
ここでは、メインスイッチング素子Q1に対して、図示
するように並列共振コンデンサCr、クランプダイオー
ドDDが並列に接続される。ここで、並列共振コンデン
サCrは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に得られるリーケージインダクタンスL1と共に、一次
側並列共振回路を形成している。メインスイッチング素
子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路
による共振動作が得られるが、これによって、電圧共振
形コンバータとしての動作が得られる。
【0006】メインスイッチング素子Q1のスイッチン
グ出力は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に伝送され、更に二次巻線N2に対して励起されるよう
にして伝達される。ここでの詳しい説明は省略するが、
絶縁コンバータトランスPITには、コアに対してギャ
ップが形成されていることで、疎結合の状態が得られる
ようになっている。
【0007】また、この図に示す回路の一次側において
は、先に本出願人が提案したアクティブクランプ回路と
して、一次側アクティブクランプ回路30が設けられ
る。この一次側アクティブクランプ回路30は、図示す
るように、クランプコンデンサCCL1−補助スイッチン
グ素子Q2の直列接続回路を、絶縁コンバータトランス
PITの一次巻線N1に対して並列に接続して形成され
るものである。ここでは、補助スイッチング素子Q2に
はMOS−FETが採用される。
【0008】一次側スイッチング駆動部10は、一次側
のメインスイッチング素子Q1及び補助スイッチング素
子Q2を他励式によりスイッチング駆動するために設け
られている。この一次側スイッチング駆動部10は、発
振回路11、第1ドライブ回路12,レベルシフト回路
13、第2ドライブ回路14を統合的に備えており、こ
れらの回路の動作によって、メインスイッチング素子Q
1及び補助スイッチング素子Q2が所定のスイッチングタ
イミングでスイッチング動作するように駆動する。その
スイッチングタイミングとしては、スイッチング周波数
は固定とされた上で、メインスイッチング素子Q1と補
助スイッチング素子Q2とが、ほぼ交互となるタイミン
グでオン/オフするようにされるが、この結果、メイン
スイッチング素子Q1がオフとなる期間において、一次
側並列共振コンデンサCrの両端に発生する一次側並列
共振電圧V1の波形をクランプするように動作する。こ
れにより、一次側並列共振電圧V1のピークレベルが抑
制され、例えばメインスイッチング素子Q1や一次側並
列共振コンデンサCrなどについて低耐圧品を選定する
ことができる。また、上記一次側スイッチング駆動部1
0としては、例えば1つのIC(集積回路)として構成
されるもので、電源投入時においては、起動抵抗Rsを
介して得られる整流平滑電圧Eiにより起動される。
【0009】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
の二次側においては、図示するように二次巻線N2に対
して並列に二次側並列共振コンデンサC2が接続される
ことで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と
共に二次側並列共振回路を形成する。そして、この二次
側並列共振回路に対して、図示する接続形態によって整
流ダイオードDO1及び平滑コンデンサCO1から成る半波
整流回路が接続されることで、二次側直流出力電圧EO1
を出力する。また、ここでは、二次巻線N2に対してタ
ップを設け、このタップ出力と二次側アース間に対し
て、整流ダイオードDO2及び平滑コンデンサCO2から成
る半波整流回路が接続されることで、低圧の二次側直流
出力電圧EO2が出力されるようになっている。
【0010】このような構成による電源回路では、一次
側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列
共振回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るた
めの並列共振回路が備えられることになる。なお、本明
細書では、このように一次側及び二次側に対して共振回
路が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータ
については、「複合共振形スイッチングコンバータ」と
もいうことにする。
【0011】また、この図に示す電源回路においては、
二次側に対して、二次側アクティブクランプ回路31が
設けられる。この二次側アクティブクランプ回路31
は、二次側並列共振コンデンサC2に対して、二次側ク
ランプコンデンサCCL2−二次側補助スイッチング素子
Q3から成る直列接続回路を並列に接続して成る。ま
た、二次側補助スイッチング素子Q3のドレイン−ソー
ス間に対しては、図示する方向にクランプダイオードD
D3が並列に接続される。
【0012】二次側補助スイッチング素子Q3は、二次
側整流ダイオードDO1のオン/オフタイミングに対して
ほぼ交互となるオン/オフタイミングでスイッチングを
行うことで、結果的には、二次側並列共振コンデンサC
2(二次巻線N2)の両端に得られる二次側並列共振電圧
VOをクランプして、そのピークレベルを抑制する。
【0013】上記した二次側補助スイッチング素子Q3
は、二次側スイッチング駆動部20によって他励式で駆
動される。また、この電源回路における安定化制御も二
次側スイッチング駆動部20により行われる。この二次
側スイッチング駆動部20は、発振回路24、ドライブ
回路22、PWM制御回路21、及び誤差増幅回路23
から成る。発振回路24から出力された所定周波数の発
振信号が、PWM制御回路21→ドライブ回路22を介
して二次側補助スイッチング素子Q3のゲートに印加さ
れることで、二次側補助スイッチング素子Q3はスイッ
チング動作を行う。そして、この際、誤差増幅回路23
において検出した二次側直流出力電圧EO1のレベルに応
じた検出出力をPWM制御回路21が入力することで、
PWM制御回路21では、入力された発振信号波形につ
いてPWM制御を行う。この結果、二次側補助スイッチ
ング素子Q3は、オン/オフ期間のデューティ比が変化
するようにしてスイッチング動作を行うが、これによっ
て、二次側整流ダイオードのオン/オフ期間も同時に制
御されることになる。そして、この動作によって二次側
直流出力電圧Eoのレベルが変化する結果、安定化が図
られるものである。
【0014】ここで、図において一点鎖線で括って示す
発振回路24、ドライブ回路22、PWM制御回路21
から成る部位は、PWM制御IC40とされて、1つの
ICによって構成される。このPWM制御IC40とし
ては、例えば汎用のものを採用している。ここではPW
M制御IC40に対して接続される外付け部品として、
起動抵抗Rs2、及びトリガ抵抗Rtが示される。PWM
制御IC40は、起動抵抗Rs2を介して供給される低圧
の二次側直流出力電圧EO2により起動する。トリガ抵抗
Rtは二次巻線N2のタップ出力と接続されており、発
振回路24は、このトリガ抵抗Rtを介して得られる二
次巻線N2の交番電圧をトリガ信号として入力する。
【0015】図8は、本出願人の提案に基づく他の電源
回路の構成例を示している。なお、この図において、図
7と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。こ
の図8に示す回路としても、一次側に電圧共振形コンバ
ータを備えると共に、二次側並列共振回路を備えた複合
共振形コンバータとしての構成を採る。但し、ここでは
一次側アクティブクランプ回路30が省略され、二次側
において、二次側アクティブクランプ回路31が備えら
れる構成を採る。
【0016】この図に示す回路では、一次側電圧共振形
コンバータとしては、自励式で、1石のシングルエンド
方式による電圧共振形コンバータが採用される。この場
合、一次側電圧共振形コンバータを形成するスイッチン
グ素子Q1には、BJT(BJT;接合型トランジス
タ)が選定され、このスイッチング素子Q1のコレクタ
−エミッタ間に対して、一次側並列共振コンデンサCr
が並列に接続される。また、ベース−エミッタ間に対し
ては、クランプダイオードDDが接続される。そして、
スイッチング素子Q1のベースに対しては、インダクタ
LB−共振コンデンサCB−駆動巻線NB−ベース電流制
限抵抗RBから成る自励発振駆動回路が接続される。こ
の自励発振駆動回路の駆動巻線NBは、図示するよう
に、絶縁コンバータトランスPITの一次側に巻装され
ることで、一次巻線N1に得られる交番電圧が励起され
るようになっている。スイッチング素子Q1は、この自
励発振駆動回路にて発生される発振信号を基とするベー
ス電流が供給されることで、ここでは固定による所定の
スイッチング周波数によりスイッチング動作を行う。
【0017】この図8に示す電源回路の二次側の構成
は、図7の場合とほぼ同様とされるのであるが、二次側
アクティブクランプ回路31における補助スイッチング
素子としてBJTが採用される。そして、ここでは2本
の補助スイッチング素子Q10,Q11をダーリントン接続
することで、1つの補助スイッチング素子としての機能
を与えている。また、クランプダイオードDD3は、この
場合には図示するように、出力側の補助スイッチング素
子Q10に対して並列に接続される。
【0018】図9は、図7及び図8に示す電源回路の動
作として、主として二次側における定電圧制御動作を示
している。図9(a)(b)(c)(d)は、交流入力
電圧VAC=100V、最大負荷電力Pomax=200W
時の動作が示され、図9(e)(f)(g)(h)に
は、交流入力電圧VAC=100V、最小負荷電力Pomi
n=20W時の動作が示される。
【0019】最大負荷電力Pomax=200W時におい
ては、図9(a)に示す二次側並列共振回路の両端に得
られる二次側並列共振電圧V0は、整流ダイオードDO1
がオンとなる期間DONにおいて正極性の所定レベルでク
ランプされ、オフとなる期間DOFFにおいて、負極方向
にピークとなる波形が得られている。また、この整流ダ
イオードDO1のオン/オフタイミングに応じて、整流ダ
イオードDO1には、期間DONにおいて図9(d)に示す
波形により二次側整流電流Ioが流れる。そして、二次
側アクティブクランプ回路31の補助スイッチング素子
Q3のドレインに流れるスイッチング電流IQ3として
は、補助スイッチング素子Q3がオンとなる期間TON3に
おいて図9(c)に示すようにして流れる。この波形
は、前半期間においては、クランプダイオードDD3→ク
ランプコンデンサCCL2の方向に流れ、後半期間におい
ては、クランプコンデンサCCL2→補助スイッチング素
子Q3のドレインの方向に流れることを示している。一
方、オフとなる期間TOFF3においては、0レベルとな
る。また、このような補助スイッチング素子Q3のオン
/オフタイミングに応じて、補助スイッチング素子Q3
の両端電圧V3は、図9(b)に示すようにして期間TO
N3には0レベルで、期間TOFF3には、図示するように所
定レベルでクランプされる波形が得られる。この図によ
れば、補助スイッチング素子Q3と二次側整流ダイオー
ドDoは、ほぼ交互となるタイミングでオン/オフ動作
を行っていることが分かる。
【0020】これに対して、最小負荷電力Pomax=2
0Wという軽負荷の状態となったことで、二次側直流出
力電圧が上昇したときにおいては、図9(a)〜図9
(d)に示した各波形は、図9(e)〜(h)に示すよ
うにして、そのタイミングが変化する。つまり、図9
(f)に示す補助スイッチング素子Q3の両端電圧V3
と、図9(g)に示す補助スイッチング素子Q3のスイ
ッチング電流IQ3の波形から分かるように、スイッチン
グ周波数は固定とされた上で、1スイッチング周期内に
おける期間TON3が長くなっている。これに応じて、期
間TOFF3は短くなる。このような補助スイッチング素子
Q3のスイッチング動作は、二次側スイッチング駆動部
20によって行われる。そして、このようにして補助ス
イッチング素子Q3のオン/オフタイミングが可変制御
されるのに応じて、補助スイッチング素子Q3とほぼ交
互のタイミングでオン/オフ動作を行う二次側整流ダイ
オードDoは、図9(e)に示す二次側並列共振電圧V
0及び図9(h)に示す二次側整流電流Ioとして示さ
れるように、オンとなる期間DONが短くなり、オフとな
る期間DOFFが長くなっている。
【0021】このように、図7及び図8に示す回路で
は、負荷変動に応じて補助スイッチング素子Q3のオン
/オフ期間(導通角)を可変制御することで、これと同
時に、二次側整流ダイオードの導通角の可変制御を行う
ようにしている。この場合には、軽負荷となって二次側
出力電圧が上昇するのに応じて、補助スイッチング素子
Q3のオン期間(TON3)を長くすることで、二次側整流
ダイオードのオン期間(DON)を短くするように制御
し、これによって、二次側直流出力電圧のレベルを抑制
することで安定化を図るようにしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7及び図
8に示される電源回路において、汎用のPWM制御IC
40を適正に動作させるのには、実際には、いくつかの
抵抗、コンデンサ等の外付け部品を接続することが必要
とされ、例えば図7及び図8には、これら外付け部品の
一部として起動抵抗Rs2及びトリガ抵抗Rtが示されて
いた。このようにして、汎用のPWM制御ICを流用し
た場合には、外付け部品を基板に実装しなければならな
いことから、それだけ、電源回路を構成する部品点数が
増加し、回路サイズの小型軽量化の妨げになる。
【0023】また、汎用のPWM制御ICの場合には、
過電流保護のための電流検出回路と増幅回路が内蔵され
ているのが一般的ではあるが、図7及び図8に示した電
源回路のように、二次側にアクティブクランプ回路を備
える構成では、この回路の動作によって過電流となる状
態が生じないようにされる。このために、PWM制御I
Cに備えられる過電流保護のための回路は、使用されな
いことになるので、この点で回路の有効活用ができずに
無駄となり、在る意味では、余計なコストをかけてしま
っていることにもなる。
【0024】また、汎用のPWM制御ICでは、MOS
−FETとしてのスイッチング素子を駆動するためのド
ライブ回路22を備え、いわゆるPWMラッチと出力回
路によって直接的にスイッチング素子を駆動する。この
ために、図7及び図8に示す回路の場合であれば、二次
側直流出力電圧EO1からの入力電力は0.5W程度とな
り、ここで、在る程度の電力消費の増加が生じてしまっ
ている。
【0025】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成する。つまり、入力された直流入力電圧を、固定
のスイッチング周波数によりスイッチングして出力する
ためのスイッチング素子を備えて形成されるスイッチン
グ手段と、スイッチング手段の動作を電圧共振形とする
一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる
一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについ
て疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャ
ップが形成され、一次側に得られる上記スイッチング手
段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと
を備える。また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に
対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続すること
で形成される二次側並列共振回路と、絶縁コンバータト
ランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流動
作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成さ
れる直流出力電圧生成手段とを備える。そして、アクテ
ィブクランプ手段としては、二次側並列共振コンデンサ
に対して並列に接続される、クランプコンデンサと二次
側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備え、
上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧レベルをク
ランプするように設けられる二次側アクティブクランプ
手段を設ける。また、二次側アクティブクランプ手段を
駆動制御して二次側直流出力電圧について定電圧制御を
行うようにされる駆動手段を備え、この駆動手段は、入
力される二次側直流出力電圧のレベルを検出して、この
二次側直流出力電圧のリップル成分が低下していく期間
内において動作するようにされたシャントレギュレータ
回路と、このシャントレギュレータ回路の出力に応じて
導通制御される増幅素子を備え、この増幅素子の増幅出
力により二次側補助スイッチング素子を導通制御する増
幅回路とを備えることとした。
【0026】また、スイッチング電源回路として次のよ
うにも構成する。つまり、入力された直流入力電圧を、
固定のスイッチング周波数によりスイッチングして出力
するためのスイッチング素子を備えて形成されるスイッ
チング手段と、このスイッチング手段の動作を電圧共振
形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備
えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側
とについて疎結合とされる所要の結合係数が得られるよ
うにギャップが形成され、一次側に得られる上記スイッ
チング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータト
ランスとを備える。また、絶縁コンバータトランスの二
次巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続
することで形成される二次側並列共振回路と、絶縁コン
バータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力し
て整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るよう
に構成される直流出力電圧生成手段とを備える。また、
アクティブクランプ手段としては2つが備えられる。つ
まり、メインスイッチング素子のオン/オフタイミング
に同期した所定のオン/オフタイミングを有するように
してスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を
備えることで、一次側並列共振コンデンサの両端に発生
する一次側並列共振電圧をクランプするように設けられ
る一次側アクティブクランプ手段と、二次側並列共振コ
ンデンサに対して並列に接続される、クランプコンデン
サと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路
を備え、二次側並列共振回路に得られる交番電圧レベル
をクランプするように設けられる二次側アクティブクラ
ンプ手段とが設けられる。更に、二次側アクティブクラ
ンプ手段を駆動制御して二次側直流出力電圧について定
電圧制御を行うようにされる駆動手段を備え、この駆動
手段は、入力される二次側直流出力電圧のレベルを検出
して、この二次側直流出力電圧のリップル成分が低下し
ていく期間内において動作するようにされたシャントレ
ギュレータ回路と、このシャントレギュレータ回路の出
力に応じて導通制御される増幅素子を備え、この増幅素
子の増幅出力により二次側補助スイッチング素子を導通
制御する増幅回路とを備えることとした。
【0027】上記各構成によれば、一次側においては電
圧共振形コンバータを形成するための一次側並列共振回
路を備え、二次側には、二次巻線及び二次側並列共振コ
ンデンサとにより形成される二次側並列共振回路とが備
えられた、いわゆる複合共振形スイッチングコンバータ
の構成が得られる。ここで、一次側電圧共振形コンバー
タのスイッチング周波数は所定周波数で固定とされてい
る。この構成を基として、二次側には、二次側並列共振
回路に得られる電圧レベルを抑制するためのアクティブ
クランプ手段を備える。また、また、定電圧制御として
は、アクティブクランプ手段の補助スイッチング素子の
駆動制御によって行うようにされる。そして、この定電
圧制御のための構成としては、シャントレギュレータ、
及び増幅素子を備える増幅回路により、二次側直流出力
電圧のレベル検出によってリップル成分が低下していく
期間内に、二次側アクティブクランプ手段を形成する二
次側補助スイッチング素子を導通させるように制御す
る。これにより、負荷変動等に伴う二次側直流出力電圧
の変動に応じて、二次側補助スイッチング素子の導通角
が制御される結果、二次側整流ダイオードのオン/オフ
期間のデューティ比も可変されるものであるが、これに
より定電圧化が図られる。従って、本発明においては、
二次側アクティブクランプ回路を駆動し、また、PWM
制御(導通角制御)を行う回路部位として、他励式駆動
に対応するPWM制御用ICを採用する必要はないこと
になる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としての電源回路の構成を示している。この図1に示
す電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータを備える
と共に二次側には並列共振回路を備えた複合共振形スイ
ッチングコンバータとしての構成を採る。この図に示す
電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電
圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑
回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサ
Ciからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧V
ACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成す
るようにされる。
【0029】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングル
エンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コ
ンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータ
は自励式の構成を採っており、スイッチング素子Q1と
しては、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が使用される。スイッチング素子Q
1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続さ
れ、エミッタは一次側アースに接続される。
【0030】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列
に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシ
タンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次
側並列共振回路を形成するものとされている。そして、
スイッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、こ
の並列共振回路による共振動作が得られることで、スイ
ッチング素子Q1のスイッチング動作としては電圧共振
形となる。
【0031】また、スイッチング素子Q1のベース−エ
ミッタ間に対しては、いわゆるボディダイオードによる
クランプダイオードDDが並列に接続されていること
で、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクラン
プ電流の経路を形成する。
【0032】また、スイッチング素子Q1のベースは起
動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続さ
れており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗R
sを介して得られるベース電流が流れることで起動する
ようにされている。
【0033】スイッチング素子Q1のベースに対して
は、図示するように、[インダクタLB−共振コンデン
サCB−駆動巻線NB−ベース電流制限抵抗RB]の直列
接続回路が接続される。この直列接続回路は、スイッチ
ング素子Q1を自励式により駆動するための自励発振駆
動回路とされる。この場合、自励発振駆動回路内の駆動
巻線NBは、絶縁コンバータトランスPITの一次側に
巻装されることで、一次巻線N1により励起される。そ
して、自励発振駆動回路としては、インダクタLB−共
振コンデンサCB−駆動巻線NBとによって、直列共振回
路を形成する。この直列共振回路の共振周波数は、イン
ダクタLBと駆動巻線NBのインダクタンスと、共振コン
デンサCBのキャパシタンスとによって決定される。
【0034】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
の一次巻線N1により励起される駆動巻線NBには、ドラ
イブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ電
圧は、ベース電流制限抵抗RBと直列共振回路(LB−C
B−NB)とを介するようにして、ドライブ電流としてス
イッチング素子Q1のベースに出力される。これによ
り、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波
数により決定される固定のスイッチング周波数でスイッ
チング動作を行うことになる。そして、そのコレクタに
得られるスイッチング出力を絶縁コンバータトランスP
ITの一次巻線N1に伝達する。
【0035】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。絶縁コンバータトランスPITは、図5に示すよう
に、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2
を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア
が備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割
ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれ
ぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に
対しては図のようにギャップGを形成するようにしてい
る。これによって、所要の結合係数による疎結合が得ら
れるようにしている。ギャップGは、E型コアCR1,
CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすること
で形成することが出来る。また、結合係数kとしては、
例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るようにし
ており、その分、飽和状態が得られにくいようにしてい
る。
【0036】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0037】つまり、この電源回路は、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を
備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回
路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」とさ
れるものである。
【0038】上記のようにして形成される電源回路の二
次側に対しては、二次巻線N2の巻始め端部に接続され
る二次側整流ダイオードDO1と平滑コンデンサCO1とか
らなる半波整流回路が備えられ、これにより、二次巻線
N2に誘起される交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する
二次側直流出力電圧EO1を得るようにしている。また、
ここでは、二次巻線N2に対してタップ出力を設けて、
このタップ出力と二次側アース間に対して、図示するよ
うに、二次側整流ダイオードD02と平滑コンデンサCO2
から成る半波整流回路を接続することで、低圧の二次側
直流出力電圧EO2を得るようにしている。この場合、二
次側直流出力電圧EO1は、後述する二次側アクティブク
ランプ回路1内のPWM制御回路部3に対して、定電圧
制御のための検出電圧として入力される。また、二次側
直流出力電圧EO2は、PWM制御回路部3の動作電源と
しても利用される。
【0039】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
の二次側の動作としては、一次巻線N1、二次巻線N2の
極性(巻方向)と整流ダイオードDO(DO1,DO2)の
接続関係と、二次巻線N2に励起される交番電圧の極性
変化によって、一次巻線N1のインダクタンスL1と二次
巻線N2のインダクタンスL2との相互インダクタンスM
について、+Mとなる場合と−Mとなる場合とがある。
例えば、図6(a)に示す回路と等価となる場合に相互
インダクタンスは+Mとなり、図6(b)に示す回路と
等価となる場合に相互インダクタンスは−Mとなる。こ
れを、図1に示す二次側の動作に対応させてみると、二
次側の半波整流回路では、二次巻線N2に得られる交番
電圧が正極性のときに二次側整流ダイオードDO1に整流
電流が流れることから、この動作は+Mの動作モード
(フォワード動作)と見ることができる。
【0040】そして、この図に示す電源回路の二次側に
対しては、二次側アクティブクランプ回路1が備えられ
る。この二次側アクティブクランプ回路1は、クランプ
回路部2とPWM制御回路部3とにより形成される。
【0041】クランプ回路部2は、1石の補助スイッチ
ング素子Q3を備えている。また、この場合には、補助
スイッチング素子Q3にはMOS−FETが採用され
る。また、補助スイッチング素子Q3のドレイン−ソー
ス間には、クランプダイオードDD3が図示する方向によ
って接続される。そして、補助スイッチング素子Q3の
ドレインは、クランプコンデンサCCL2を介して、二次
巻線N2の巻始め端部に対して接続される。
【0042】つまり、クランプ回路部2は、補助スイッ
チング素子Q3に対してクランプコンデンサCCL2を直列
に接続した直列接続回路を有し、この直列接続回路を、
二次巻線N2//二次側並列共振コンデンサC2の二次側並
列共振回路に対して、並列に接続して構成される。
【0043】PWM制御回路部3は、補助スイッチング
素子Q3を駆動し、また、負荷変動等による二次側直流
出力電圧の変動に応じて補助スイッチング素子Q3のオ
ン/オフ期間のディーティ比についてPWM制御を実行
することで、定電圧制御を図る。このPWM制御回路部
3においては二次側直流出力電圧EO1のラインと二次側
アース間に対して分圧抵抗R1−R2が接続される。分圧
抵抗R1−R2の接続点は、制御素子Q5の制御端子に対
して接続される。また、制御素子Q5のカソードは、抵
抗R3を介して低圧二次側直流出力電圧EO2のラインに
対して接続され、アノードは二次側アースに接地され
る。また、制御素子Q5のカソードと制御端子間には、
コンデンサC10が接続される。
【0044】そして、制御素子Q5のカソードと抵抗R3
の接続点に対しては、PNPトランジスタであるドライ
ブトランジスタQ4のベースが接続される。ドライブト
ランジスタQ4のエミッタは、低圧二次側直流出力電圧
EO2のラインと接続され、コレクタは抵抗R4を介して
二次側アースに接続されると共に、クランプ回路2内の
補助スイッチング素子Q3のゲートに対して接続され
る。また、PWM制御回路部3を構成するこれらの素子
は、例えば1つのセラミック基板上に対して実装される
ことでモジュール化され、1部品として扱われる。
【0045】つまり、PWM制御回路部3は、制御素子
Q5を備えるシャントレギュレータと、ドライブトラン
ジスタQ4を備える反転増幅回路とが組み合わされた構
成を採るもので、次のようにして、クランプ回路部2を
駆動する。
【0046】図2は、上記図1に示した構成の電源回路
における二次側の動作を示す波形図である。この図によ
り、上記した二次側アクティブクランプ回路1の動作に
ついて説明する。なお、この図において、図2(a)〜
(g)は、交流入力電圧VAC=100Vで最大負荷電力
200W時の動作を示し、図2(h)〜(n)は、交流
入力電圧VAC=100Vで最小負荷電力20W時におけ
る、図2(a)〜(g)と同一部位の波形を示してい
る。
【0047】先ず、図2(a)〜(g)に示される、最
大負荷電力200W時の動作から説明する。ここで、二
次巻線N2//二次側並列共振コンデンサC2の二次側並列
共振回路に得られる二次側並列共振電圧Voは、図2
(a)に示すようにして、二次側整流ダイオードDO1が
オフとなる期間DOFFにおいて負極性方向に緩やかなピ
ークとなる波形が得られ、オンとなる期間DONにおいて
二次側直流出力電圧EO1のレベルでクランプされる波形
が得られる。そして、これに応じて、二次側整流ダイオ
ードDO1を流れる整流電流Ioは、期間DOFFにおいて
0レベルを維持し、期間DONにおいて図示する波形によ
り流れる。
【0048】そして、二次側直流出力電圧EO1として
は、図2(c)に示すようにして、その平均値(=13
5V)をほぼ中心として、期間DOFFにおいて平滑コン
デンサCO1にて放電が行われることでレベルが低下し、
期間DONにおいて平滑コンデンサCO1に対する整流電流
Ioの充電が行われることで、レベルが上昇していくと
いう波形が得られる。これはつまり、二次側並列共振電
圧Vo(図2(a))に対応する周期によるリップル成
分ΔEoが重畳した波形となるものである。なお、ここ
では、リップル成分ΔEoについては、二次側直流出力
電圧EO1の平均値よりも高いレベルを正極性とし、低い
レベルを負極性として扱うものとする。
【0049】PWM制御回路部3では、分圧抵抗R1−
R2によって二次側直流出力電圧EO1を分圧し、この分
圧された電圧レベルを制御素子Q5の制御端子に対して
印加することになる。そしてこの場合には、図2(c)
に示す二次側直流出力電圧EO1の低下を検出し、この期
間(期間t4〜t5→t0〜t1)において動作するよ
うになっている。ここで、二次側直流出力電圧EO1が負
極性の領域で低下していく期間t0〜t1において制御
素子Q1が導通するように制御されると、抵抗R3による
電圧降下によってドライブトランジスタQ4は導通し
て、コレクタ電流を流すことになる。このコレクタ電流
によっては、図2(d)に示すようにして、期間t0〜
t1において、抵抗R4の両端に正極性パルスのドライ
ブ電圧VGが発生し、このドライブ電圧VGによって、補
助スイッチング素子Q3が導通する。これに応じて、期
間期間t0〜t1においては、図2(f)に示す波形に
より、補助スイッチング素子Q3のドレイン−ソース間
において電流IQ3が流れる。
【0050】続く期間t1〜t2においては、リップル
成分ΔEoの低下が終了するが、これにより、制御素子
Q5及びドライブトランジスタQ4はオフ状態に遷移す
る。これに伴って、補助スイッチング素子Q3も非導通
の状態となって、電流IQ3は0レベルに変化する。この
0レベルの状態は、時点t5まで継続される。また、期
間t1〜t2においては、クランプコンデンサCCL2が
放電を行って、その放電電流を二次巻線N2に対して流
す部分共振モードの動作が得られる。
【0051】そして、期間t2〜t3までは、二次側直
流出力電圧Eoのリップル成分ΔEoが上昇していく期
間となる。そして、期間t3〜t4においてリップル成
分ΔEoの上昇が終了すると、この期間において、二次
側並列共振電圧Voが負極性方向に反転する。これは絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られる
励磁電流の作用による。また、同じ期間t3〜t4にお
いては、二次巻線N2から二次側並列共振コンデンサC2
に共振電流が流れる部分共振モードの動作が得られる。
【0052】次の期間t4〜t5においては、二次側並
列共振電圧Voの電圧レベルの絶対値が、クランプコン
デンサCCL2の初期時(期間DON開始時)の電圧レベル
に対して同電位もしくはそれ以上となる。これにより、
補助スイッチング素子Q3に並列接続されるクランプダ
イオードDD3の導通条件が満たされて導通することで、
クランプダイオードDD3→クランプコンデンサCCL2の
経路で、図2(g)に示すようにクランプ電流ID3が流
れるようにされる。なお、この期間t4〜t5において
は、前述したPWM制御回路部3が正極性領域での二次
側直流出力電圧EO1のレベルの低下を検出して動作する
ことにより、図2(d)に示すようにして負極性パルス
のドライブ電圧VGが得られ、これによっても補助スイ
ッチング素子Q3を導通状態に制御しているが、このと
きには、上述のようにしてクランプ電流ID3(図2
(g))が流れていることから、補助スイッチング素子
Q3には電流IQ3(図2(f))は流れない。
【0053】クランプ回路2では、上記のようにして二
次側整流ダイオードDO1がオフとなる期間DOFF内にお
ける期間t4〜t5において、先ず、クランプ電流ID3
が流れ、続くとされる期間t0〜t1において、補助ス
イッチング素子Q3が導通して電流IQ3を流すという動
作が得られ、従って、補助スイッチング素子Q3のドレ
イン−ソース間電圧V3としては、図2(e)に示す波
形が得られる。つまり、期間t1〜t2の部分共振モー
ド期間で0レベルから立ち上がり、期間t2〜t3(D
ON)において正極性の所定レベルでクランプされる。そ
して、期間t3〜期間t4の部分共振モード期間におい
て立ち下がって0レベルとなるものである。
【0054】また、クランプコンデンサCCL2のキャパ
シタンスは二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタ
ンスの25倍以上となるように選定されている。このた
め、この図2の期間t4〜t5においては、大部分の電
流がクランプ電流ID3としてクランプコンデンサCCL2
に対して流れるようにされ、二次側並列共振コンデンサ
C2に対してはほとんど流れない。これにより、この時
に得られる二次側並列共振電圧Voの傾きは緩やかとな
るようにされ、結果的には図2(a)に示すようにし
て、負極性のピークは抑制されて矩形波状になる。即
ち、二次側並列共振電圧Voに対するクランプ動作が得
られる。
【0055】上記図2(a)〜(g)に示した各波形
は、最小負荷電力Pomin20W時においては、それぞ
れ図2(h)〜(n)に示すものとなる。ここで、確認
のために述べておくと、一次側の電圧共振形コンバータ
は固定のスイッチング周波数によってスイッチング動作
を行っていることから、絶縁コンバータトランスPIT
の二次巻線N2に得られる交番電圧の周波数(周期)
も、負荷条件の変化に関わらず一定となるものである。
【0056】軽負荷の条件となると、二次側直流出力電
圧EO1としては、図2(j)に示すようにして、リップ
ル成分ΔEoの上昇期間(期間t2〜t3)が短くな
り、下降期間(期間t4〜t5→t0〜t1)が長くな
るように変化する。このため、PWM制御回路部3が二
次側直流出力電圧EO1の下降を検出して動作するのは、
期間t4〜t5→t0〜t1となるが、この期間は、最
大負荷電力時よりも拡大されたものとなる。この場合、
二次側直流出力電圧EO1が負極性の領域で低下していく
期間t0〜t1も図示するように拡大されることにな
り、従って、ドライブ電圧VG(図2(k))が正極性
パルスとなって電流IQ3(図2(m))が流れる期間も
拡大されることになる。また、クランプダイオードDD3
にクランプ電流ID3(図2(n))が流れる期間t4〜
t5も拡大することになる。そして相対的には、PWM
制御回路部3が動作しないとされる期間t2〜t3は、
例えば図2(j)のドライブ電圧VGが0レベルとなる
期間を見ても分かるように、短縮されるように変化して
いるものである。つまり、本実施の形態では、負荷変動
に応じて、先ずは、1周期内における補助スイッチング
素子Q3の導通角(オン期間)を可変するようにして、
PWM制御を行っているものである。
【0057】そして、上記のようにしてPWM制御回路
部3がクランプ回路部2を駆動制御する結果、図2
(h)に示す二次側並列共振電圧Voからも分かるよう
に、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に誘
起される電圧としては、負極性の波形のパルス幅が拡大
し、正極性の波形のパルス幅が短くなる。二次側整流ダ
イオードDO1では、この二次側並列共振電圧Voをフォ
ワード動作により整流を行うことから、二次側整流ダイ
オードDO1を流れる整流電流Ioとしては、図2(i)
に示されるようになる。つまり、二次側整流ダイオード
DO1が導通してオンとなる期間DONは短縮され、一方の
オフとなる期間DOFFは拡大することになる。このよう
にして、結果的には整流ダイオードDO1の導通角が制御
されることで、二次側直流出力電圧の安定化が図られる
ことになる。
【0058】このようにして本実施の形態では、二次側
アクティブクランプ回路1が動作することによって、二
次側並列共振電圧Voのピークレベルを抑制すると共
に、クランプ回路部2における導通角制御によって、二
次側整流ダイオードDO1における導通角も制御して安定
化を図るようにされるものである。
【0059】このような構成によれば、二次側整流ダイ
オードや二次側並列共振コンデンサC2などの部品素子
の低耐圧化を図ることが可能になる。また、一次側のス
イッチング動作制御によって安定化を図る場合のよう
に、定電圧制御系について一次側と二次側を絶縁する必
要は無くなる。
【0060】このうえで本実施の形態としては、二次側
に備えられる定電圧制御系としては、シャントレギュレ
ータと反転増幅回路という、アナログ回路から成るPW
M制御回路部3により、直接的に補助スイッチング素子
Q3を駆動するように構成される。これにより、例えば
他励式により補助スイッチング素子を駆動する場合のよ
うに、汎用のPWM制御用ICを採用する必要は無くな
り、これに伴ってPWM制御用ICに必要となる各種の
外付け部品を実装する必要もなくなる。また、PWM制
御回路部3は、比較的少ないアナログの部品素子によっ
て簡略に構成される。従って、本実施の形態では、特に
二次側の回路構成が簡略化されて回路の実装面積も小さ
くて済むための、回路の小型化が図られるものである。
【0061】また、本実施の形態の場合、PWM制御モ
ジュール3は、1つの基板に部品を実装することでモジ
ュール化されて1部品として扱うことができる。そし
て、このモジュール化にあたっては、制御素子Q5及び
ドライブトランジスタQ4はセラミック基板上に表面実
装するが、各種抵抗は、プリントによっていわゆる厚膜
抵抗として形成され、分圧抵抗R1−R2はいわゆるファ
ンクショントリミングをするようにしている。これによ
り、PWM制御モジュール3としては小型な1部品とし
て扱うことが可能になるもので、上記した回路の簡略化
及び小型化は更に促進される。特に、このPWM制御モ
ジュール3としての基板を垂直方向に実装すれば、基板
実装面積は更に縮小できるものである。
【0062】更に、例えば汎用のPWM制御用ICの入
力電力は0.5Wであるのに対して、本実施の形態のP
WM制御モジュール3は0.15Wであり、0.35W
程度の入力電力の低減が図られ、それだけ、電力変換効
率は向上するものである。
【0063】図3は、第2の実施の形態としての電源回
路の構成を示している。この図に示される電源回路も、
一次側に電圧共振形コンバータを備え、また、二次側に
は並列共振回路を備えた複合共振形コンバータとしての
基本構成を採る。従って、絶縁コンバータトランスPI
Tとしては、図5に示した構造を有する。また、二次側
においては、図1の実施の形態とほぼ同様の構成の二次
側アクティブクランプ回路1を備える。なお、この図3
において図1と同一部分には同一符号を付して、ここで
の説明は省略することとする。
【0064】先ず、ここでは、二次側アクティブクラン
プ回路1内のクランプ回路部2Aにおいては、BJTが
採用されている。このようにしてBJTを採用する場合
には、例えば図示するように、BJTとして2本のNP
Nトランジスタである、スイッチング素子Q3A,Q3Bを
備え、これをダーリントン接続するようにされる。ここ
では、スイッチング素子Q3Bのベースをドライブトラン
ジスタQ4のコレクタと接続して、スイッチング素子Q3
A,Q3Bの各コレクタを接続する。そして、このコレク
タの接続点をクランプコンデンサCCL2を介して、二次
巻線N2の巻始め端部に対して接続する。また、スイッ
チング素子Q3Bのエミッタは、スイッチング素子Q3Aの
ベースと接続される。スイッチング素子Q3Aのエミッタ
は二次側アースに接続される。そして、この場合には、
クランプダイオードDD3については、出力側であるスイ
ッチング素子Q3Aのベース−エミッタ間に対して挿入す
るようにされる。ここでは。クランプダイオードDD3の
アノード側をベースに対して接続し、カソード側をエミ
ッタに対して接続している。この接続形態では、クラン
プダイオードDD3を流れるクランプ電流は、スイッチン
グ素子Q3Aのベース−コレクタのPN接合を介してクラ
ンプコンデンサCCL2に対して流されるようになってい
る。このような二次側アクティブクランプ回路1の構成
によっても、二次側の動作としては、図2に示したのと
同様の動作が得られる。
【0065】また、図3に示す電源回路の一次側の全体
構成としては、先ず、メインとなるメインスイッチング
素子Q1を備え、基本的にはシングルエンド方式として
のスイッチング動作を他励式により行う電圧共振形コン
バータが設けられる。また、これに加えて、後述するよ
うにして、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並
列共振電圧V1をクランプするための一次側アクティブ
クランプ回路30が備えられる。この一次側アクティブ
クランプ回路30には、補助スイッチング素子Q2が備
えられる。そして、上記メインスイッチング素子Q1及
び補助スイッチング素子Q2のそれぞれについてスイッ
チング駆動するための一次側スイッチング駆動部10が
備えられる。なお、この場合、メインスイッチング素子
Q1及び補助スイッチング素子Q2には、共にMOS−F
ETが使用される。
【0066】メインスイッチング素子Q1のドレイン
は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介
して平滑コンデンサCiの正極と接続され、ソースは一
次側アースに接続される。
【0067】また、メインスイッチング素子Q1のドレ
イン−ソース間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャ
パシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻
線N1に得られるリーケージインダクタンスとによって
一次側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング
素子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回
路による共振動作が得られることで、スイッチング素子
Q1のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0068】また、スイッチング素子Q1のドレイン−
ソース間に対しては、いわゆるボディダイオードによる
クランプダイオードDDが並列に接続されていること
で、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクラン
プ電流の経路を形成する。
【0069】この場合、一次側アクティブクランプ回路
30は、補助スイッチング素子Q2,クランプコンデン
サCCL1,クランプダイオードDD2を備えて形成され
る。補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に
対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。
ここでは、クランプダイオードDD2のアノードがソース
に対して接続され、カソードがドレインに対して接続さ
れる。また、補助スイッチング素子Q2のドレインはク
ランプコンデンサCCL1を介して、整流平滑電圧Eiの
ラインと一次巻線N1の巻始め端部との接続点に対して
接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソース
は一次巻線N1の巻終わり端部に対して接続される。つ
まり、本実施の形態の一次側アクティブクランプ回路3
0としては、上記補助スイッチング素子Q2//クラン
プダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコ
ンデンサCCL1を直列に接続して成るものとされる。そ
して、このようにして形成される回路を絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1に対して並列に接続して
構成されるものである。メインスイッチング素子Q1と
補助スイッチング素子Q2とでは、後述するようにして
同一のスイッチング周波数で同期してスイッチングを行
うが、スイッチング周期内におけるオン/オフタイミン
グは互いに異なるようにされる。
【0070】本実施の形態としての一次側スイッチング
駆動部10は、図示するように、発振回路11,第1ド
ライブ回路12、レベルシフト回路13、第2ドライブ
回路14を備えてなる。
【0071】発振回路11は、この場合には例えば10
0KHzで固定の発振信号として、メインスイッチング
素子Q1のオン/オフタイミングに対応した波形の発振
信号を第1ドライブ回路12に対して出力し、補助スイ
ッチング素子Q2のオン/オフタイミングに対応した波
形の発振信号をレベルシフト回路13に対して出力す
る。
【0072】第1ドライブ回路12では、発振回路11
から入力された信号を電圧信号に変換して、MOS−F
ETであるメインスイッチング素子Q1を駆動するため
のスイッチング駆動信号を生成し、メインスイッチング
素子Q1のゲート端子に印加する。このスイッチング駆
動信号に応じて、メインスイッチング素子Q1はスイッ
チング動作を行うことになる。
【0073】また、レベルシフト回路13では、入力さ
れた信号についてスイッチング素子Q2を駆動するのに
適当とされるレベルにまでシフトして、オン/オフタイ
ミングに対応した波形の信号を得る。そして、この信号
を第2ドライブ回路14に対して供給する。第2ドライ
ブ回路14では、入力された信号を電圧変換して補助ス
イッチング素子Q2のためのスイッチング駆動信号を生
成し、MOS−FETである補助スイッチング素子Q2
のゲート端子に対して印加する。これにより、補助スイ
ッチング素子Q2が所要のオン/オフタイミングで以て
スイッチング動作を行うようにされる。なお、上記構成
による本実施の形態の一次側スイッチング駆動部10と
しては、1つのICとして構成されるものとされる。ま
た、二次側の構成及びその動作は、先の第1の実施の形
態に対応する図1及び図2による説明と同様となる。
【0074】図4の波形図は、上記図1に示した回路の
動作として、主として一次側のスイッチング動作を示し
ている。つまり、一次側アクティブクランプ回路30が
設けられた電圧共振形コンバータとしての動作が示され
ているものである。この図4に示される動作は、図1に
示す回路についてAC100V系に対応する構成とした
場合に得られるものとされ、交流入力電圧VAC=100
V、最大負荷電力Pomax=200Wとされる条件での
各部の動作が示されている。
【0075】この図では、メインスイッチング素子Q
1,補助スイッチング素子Q2の各ゲートに対して印加さ
れるスイッチング駆動信号は、それぞれ図4(b)
(e)に示すゲート電圧VG1,VG2が相当する。ゲート
電圧VG1,VG2は、この最大負荷電力Pomax=200
W時においては、それぞれ図4(b)(e)に示すよう
にして、そのオン/オフ期間が設定されている。これに
より、図4(a)(d)のスイッチング素子Q1、Q2の
各両端電圧V1、V3としても示されるように、スイッチ
ング素子Q1、Q2は、例えばスイッチング周波数100
KHzで固定とされ、かつ、ほぼ50%のデューティに
よってオン/オフを行う。
【0076】ここで図4においては、1スイッチング周
期内の動作モードについて、モード〜までの5段階
の動作モードが示される。ゲート電圧VG1によってメイ
ンスイッチング素子Q1がオンとなるように制御される
のは、図4(c)に示すスイッチング出力電流IQ1が流
れる期間ton2においてであり、この期間ton2において
はモードとしての動作が得られる。なお、補助スイッ
チング素子Q2は、この期間ton2においては0レベルの
ゲート電圧VG2によってオフ状態にあるように制御され
る。
【0077】モード(期間ton2)においては、絶縁
コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリ
ーケージインダクタンスL1を介して上記スイッチング
出力電流IQ1が流れる動作が得られる。このときのスイ
ッチング出力電流IQ1としては、図4(c)の期間ton
2に示すように、負の方向から正の方向に反転する波形
となる。ここで、スイッチング出力電流IQ1が負の方向
に流れる期間は、直前の期間td2の終了を以て並列共
振コンデンサCrにおける放電が終了することでクラン
プダイオードDD1が導通し、クランプダイオードDD1→
一次巻線N1を介してスイッチング出力電流IQ1を流す
ことで、電源側に電力を回生するモードとなる。そし
て、スイッチング出力電流IQ1(図4(c))が負の方
向から正の方向に反転するタイミングにおいては、図4
(b)に示すゲート電圧VG1がHレベルに立ち上がるよ
うに制御されていることで、このタイミングで、メイン
スイッチング素子Q1は、ZVS(Zero Volt Switching)
及びZCS(Zero Current Switching)によりターンオン
する。
【0078】そして、次の期間td1においては、モー
ドとしての動作となる。この期間では、メインスイッ
チング素子Q1がターンオフすることで、一次巻線N1に
流れていた電流は、並列共振コンデンサCrに流れるこ
とになる。これにより、図4(d)の電流Icrとして
は、図示するように正極性によりパルス的に現れる波形
を示す。これは部分共振モードとしての動作とされる。
また、このときには、メインスイッチング素子Q1に対
して並列に並列共振コンデンサCrが接続されているこ
とで、メインスイッチング素子Q1はZVSによりター
ンオフされるものである。
【0079】続いては、補助スイッチング素子Q2がオ
ン状態となるように制御されると共に、メインスイッチ
ング素子Q1がオフ状態にあるように制御される期間と
なり、これは、図4(e)に示すゲート電圧VG2がHレ
ベルとなる期間TON2に相当する。この期間TON2は、ア
クティブクランプ回路の動作期間であり、先ずモード
としての動作を行った後にモードとしての動作を行う
ようにされる。
【0080】先のモードの動作では、一次巻線N1か
ら流れる電流Icrによって並列共振コンデンサCrへ
の充電が行われるが、これによりモードの動作として
は、一次巻線N1に得られている電圧が、クランプコン
デンサCCL1の初期時(期間TON2開始時)電圧レベルに
対して同電位もしくはそれ以上となる。これにより、補
助スイッチング素子Q2に並列接続されるクランプダイ
オードDD2の導通条件が満たされて導通することで、ク
ランプダイオードDD2→クランプコンデンサCCL1の経
路で電流が流れるようにされ、クランプ電流IQ2として
は、図4(g)の期間TON2開始時以降において、負方
向から時間経過に従って0レベルに近づく鋸歯状波形が
得られることになる。ここで、クランプコンデンサCCL
1のキャパシタンスは並列共振コンデンサCrのキャパ
シタンスの25倍以上となるように選定されている。こ
のため、このモードとしての動作によっては、大部分
の電流がクランプ電流IQ2としてクランプコンデンサC
CL1に対して流れるようにされ、並列共振コンデンサC
rに対してはほとんど流れない。これにより、この期間
TON2時にメインスイッチング素子Q1にかかる並列共振
電圧V1の傾きは緩やかとなるようにされ、結果的には
図4(a)に示すようにして、270Vpにまで抑制さ
れてその導通角は広がることになる。即ち、並列共振電
圧V1に対するクランプ動作が得られる。これに対し
て、例えば図4(a)において破線により示す、一次側
アクティブクランプ回路30を備えないとした回路にお
いて得られる並列共振電圧V1は、550Vpのレベル
を有するパルス波形となるものである。
【0081】そして、期間TON2において上記モード
が終了すると引き続いてモードとしての動作に移行す
る。このモード開始時は、図4(g)に示すクランプ
電流IQ2が負の方向から正方向に反転するタイミングと
される。このタイミングでは、図4(e)に示すように
Hレベルのゲート電圧VG2が出力されている状態にある
ことから、補助スイッチング素子Q2は、このクランプ
電流IQ2が負の方向から正方向に反転するタイミング
で、ZVS及びZCSによりターンオンする。このよう
にして補助スイッチング素子Q2がオンとなる状態で
は、このときに得られる一次側並列共振回路の共振作用
によって、補助スイッチング素子Q2に対しては、一次
巻線N1→クランプコンデンサCCL1を介して、正方向に
増加していくクランプ電流IQ2が図4(g)に示すよう
にして流れる。
【0082】上記モードの動作は、期間TON2におけ
るHレベルのゲート電圧VG2がLレベルに立ち下がるタ
イミングを以て終了するようにされ、続いては、期間t
d2におけるモードとしての動作に移行する。モード
では、並列共振コンデンサCrが一次巻線N1に対し
て電流Icrを流すようにして放電を行う動作が得られ
る。つまり部分共振動作が得られる。このときにメイン
スイッチング素子Q1にかかる並列共振電圧V1は、上述
もしたように並列共振コンデンサCrのキャパシタンス
が小さいことに因って、その傾きが大きいものとなり、
図4(a)に示すようにして、急速に0レベルに向かっ
て下降するようにして立ち下がっていく。そして、補助
スイッチング素子Q2は、上記モードが終了してモー
ドが開始されるタイミングでターンオフを開始する
が、このときには、上記したようにして並列共振電圧V
1が或る傾きを有して立ち下がることで、ZVSによる
ターンオフ動作となる。また、補助スイッチング素子Q
2がターンオフすることによって発生する電圧は、上記
したようにして並列共振コンデンサCrが放電を行うこ
とで、急峻には立ち上がらないようにされる。この動作
は、例えば図4(f)のスイッチング出力電圧V2とし
て示されるように、期間td2(モード時)を以て、
或る傾きを有して0レベルからピークレベルに遷移する
波形として示されている。なお、このスイッチング出力
電圧V2としては、補助スイッチング素子Q2がオフとさ
れる期間TOFF2において240Vpを有すると共に、こ
の期間TOFF2の開始期間である期間td1(モード
時)を以て240Vpから0レベルに遷移し、終了期間
である期間td2(モード時)を以て、上述のように
0レベルから240Vpに遷移する波形となる。そし
て、以降は、1スイッチング周期ごとにモード〜の
動作が繰り返される。
【0083】このような構成によっては、一次側におい
ても、アクティブクランプ回路が備えられることで、一
次側並列共振電圧V1のレベルが抑制されることで、例
えば一次側に備えられるメインスイッチング素子Q1、
補助スイッチング素子Q2及び一次側並列共振コンデン
サCrなどの低耐圧化を図ることができる。更には、二
次側の構成としては、図1と同様とされることで、アク
ティブクランプ回路を備える二次側回路の簡略化を図る
ことが可能になる。
【0084】なお、本発明の実施の形態として各図に示
した構成に限定されるものではない。例えば、上記各実
施の形態における一次側の電圧共振形コンバータの構成
として、第1の実施の形態では自励式とされ、第2の実
施の形態では他励式とされているが、これは、本発明と
しては、一次側の電圧共振形コンバータの構成としては
特に限定されないことを意味する。従って、例えば第1
の実施の形態の二次側の構成に対して他励式の一次側電
圧共振形コンバータを備えてもよいものである。また、
メインとなるスイッチング素子と補助スイッチング素子
とについては、MOS−FET、BJT等を採用するも
のとしているが、ほかにも例えばIGBT(Insulated G
ate Bipolar Transistor)、SIT(静電誘導サイリス
タ)などの他の素子を採用することも考えられるもので
ある。また、メインスイッチング素子を他励式もしくは
自励式により駆動するためのスイッチング駆動部の構成
も各図に示したものに限定される必要はなく、適宜適切
とされる回路構成に変更されて構わない。また、二次側
共振回路を含んで形成される二次側の整流回路として
も、実施の形態としての各図に示した構成に限定される
ものではなく、他の回路構成が採用されて構わないもの
である。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスイッチン
グ電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータ、又は一
次側アクティブクランプ回路を設けた電圧共振形コンバ
ータが備えられる。また、二次側には並列共振回路を備
えることで、複合共振形スイッチングコンバータとして
構成される。そして、一次側の電圧共振形コンバータは
スイッチング周波数固定でスイッチング駆動させる。そ
して二次側に対しては、二次側アクティブクランプ回路
を設ける。この二次側アクティブクランプ回路は、二次
側直流出力電圧レベルに応じて1スイッチング周期内の
導通角が制御されるようになっており、これによって二
次側出力の安定化を図り、また、二次側に生じる交番電
圧レベルを抑制する。また、二次側アクティブクランプ
回路を備えた電源回路では、負荷短絡時でもスイッチン
グ周波数は低下することなく一定となるようにされ、二
次側の補助スイッチング素子は安定したZVS、ZCS
によりスイッチング動作を行うようにされる。このた
め、過電流又は過電圧保護回路は不要となる。
【0086】そして、本発明としては、二次側のアクテ
ィブクランプ回路の駆動制御のための回路系を、シャン
トレギュレータと、増幅素子を備えた反転増幅回路とか
ら成るPWM制御回路系によって駆動するように構成す
る。つまり、アナログの制御回路によってアクティブク
ランプ回路を直接的に駆動制御して安定化を図るように
される。これによって、例えば他励式による場合のよう
に、汎用のPWM制御ICを採用した場合と比較して、
回路構成を簡略化して部品点数を削減することが可能と
なるために、回路の小型化を促進することが可能にな
る。また、定電圧制御回路系の入力電力も低減されるた
めに、電力変換効率も向上する。また、例えば汎用のP
WM制御ICでは、過電圧保護回路や過電流保護回路が
既に内蔵されているために、この機能は無駄となって、
コスト的に不利であったが、本発明の構成によって自励
式により制御を行うことで、この汎用のPWM制御IC
の無駄な機能も省くことができるために、それだけコス
ト的に有利となるものである。そして、このようなアナ
ログの定電圧制御回路系として例えば1つの基板に対し
て実装されてモジュール化されることから、上記した回
路の小型化は一層促進されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチン
グ電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の電源回路の二次側の動作を示す
波形図である。
【図3】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の構成を示す回路図である。
【図4】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の一次側の動作を示す波形図である。
【図5】絶縁コンバータトランスの構成を示す断面図で
ある。
【図6】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各動
作を示す等価回路図である。
【図7】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成
例を示す回路図である。
【図8】先行技術としてのスイッチング電源回路の他の
構成例を示す回路図である。
【図9】図7及び図8に示す電源回路の要部の動作を示
す波形図である。
【符号の説明】
1 二次側アクティブクランプ回路、2,2A クラン
プ回路部、3 PWM制御回路部、10 一次側スイッ
チング駆動部、11 発振回路、12 第1ドライブ回
路、13 レベルシフト回路、14 第2ドライブ回
路、30 一次側アクティブクランプ回路、Q1 (メ
イン)スイッチング素子、Q2,Q3,Q3A,Q3B 補助
スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、
Cr 一次側並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共
振コンデンサ、DO1 二次側整流ダイオード、Q4 ド
ライブトランジスタ、Q5 制御素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された直流入力電圧を、固定のスイ
    ッチング周波数によりスイッチングして出力するための
    スイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段
    と、 上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側
    並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側
    並列共振コンデンサと、 一次側と二次側とについて疎結合とされる所要の結合係
    数が得られるようにギャップが形成され、一次側に得ら
    れる上記スイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶
    縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される
    二次側並列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行うことで二次側直流出力電
    圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、 上記二次側並列共振コンデンサに対して並列に接続され
    る、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子
    とによる直列接続回路を備え、上記二次側並列共振回路
    に得られる交番電圧レベルをクランプするように設けら
    れる二次側アクティブクランプ手段と、 上記二次側アクティブクランプ手段を駆動制御して上記
    二次側直流出力電圧について定電圧制御を行うようにさ
    れる駆動手段と、を備え、 上記駆動手段は、 入力される上記二次側直流出力電圧のレベルを検出し
    て、この二次側直流出力電圧のリップル成分が低下して
    いく期間内において動作するようにされたシャントレギ
    ュレータ回路と、 上記シャントレギュレータ回路の出力に応じて導通制御
    される増幅素子を備え、この増幅素子の増幅出力により
    上記二次側補助スイッチング素子を導通制御する増幅回
    路と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 入力された直流入力電圧を、固定のスイ
    ッチング周波数によりスイッチングして出力するための
    スイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段
    と、 上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側
    並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側
    並列共振コンデンサと、 一次側と二次側とについて疎結合とされる所要の結合係
    数が得られるようにギャップが形成され、一次側に得ら
    れる上記スイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶
    縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される
    二次側並列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行うことで二次側直流出力電
    圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、 上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに
    同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにし
    てスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を備
    えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発
    生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けら
    れる一次側アクティブクランプ手段と、 上記二次側並列共振コンデンサに対して並列に接続され
    る、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子
    とによる直列接続回路を備え、上記二次側並列共振回路
    に得られる交番電圧レベルをクランプするように設けら
    れる二次側アクティブクランプ手段と、 上記二次側アクティブクランプ手段を駆動制御して上記
    二次側直流出力電圧について定電圧制御を行うようにさ
    れる駆動手段と、を備え、 上記駆動手段は、 入力される上記二次側直流出力電圧のレベルを検出し
    て、この二次側直流出力電圧のリップル成分が低下して
    いく期間内において動作するようにされたシャントレギ
    ュレータ回路と、 上記シャントレギュレータ回路の出力に応じて導通制御
    される増幅素子を備え、この増幅素子の増幅出力により
    上記二次側補助スイッチング素子を導通制御する増幅回
    路と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 上記駆動手段は、 1基板によりモジュール化されていることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7199552B2 (en) 2004-01-16 2007-04-03 Sony Corporation Control circuit apparatus and power supply circuit control method
CN107370504A (zh) * 2017-06-14 2017-11-21 华讯方舟科技(湖北)有限公司 一种微波变频电路及变频器
CN110326187A (zh) * 2017-03-02 2019-10-11 欧姆龙株式会社 非接触供电装置

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