JP2002022924A - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置および該表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置および該装置の製造方法、表示装置用のパネル、表示装置用のパネルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置および該表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置および該装置の製造方法、表示装置用のパネル、表示装置用のパネルの製造方法及び製造装置

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JP2002022924A JP2000208197A JP2000208197A JP2002022924A JP 2002022924 A JP2002022924 A JP 2002022924A JP 2000208197 A JP2000208197 A JP 2000208197A JP 2000208197 A JP2000208197 A JP 2000208197A JP 2002022924 A JP2002022924 A JP 2002022924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示部を形成するための第1の凹部内におい
て複数の材料が混ざり合うことを低減あるいは抑制する
ことが可能な表示装置用パネル(カラーフィルタ・EL
素子等)の製造方法を提供すること。 【解決手段】 表示部を形成するための第1の凹部と非
表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板
を用い、該基板の第1凹部に対して材料を充填して表示
装置用のパネルを製造するに際し、第1の凹部に対して
材料を吐出する直前に、第2の凹部に対して材料を予備
吐出する。そして、第2の凹部に対して吐出される材料
の着弾位置の間隔と第1の凹部に対して吐出される材料
の着弾位置の間隔とが異なるように材料の吐出動作を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
によりカラーフィルタやEL素子等の表示装置用のパネ
ルを製造する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用のパーソナルコンピュータの発達に伴い、液
晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需
要が増加の一途を辿っている。しかしながら、更なる普
及のためには液晶ディスプレイのコストダウンが必要で
あり、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタのコス
トダウンに対する要求が高まっている。従来から、カラ
ーフィルタの要求特性を満足しつつ上記の要求に応える
べく種々の方法が試みられているが、いまだ全ての要求
特性を満足する方法は確立されていない。以下にそれぞ
れの方法を説明する。
【0003】第1の方法は顔料分散法である。この方法
は、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、こ
れをパターニングすることにより単色のパターンを得
る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、
G、B のカラーフィルタ層を形成するものである。
【0004】第2の方法は、染色法である。染色法は、
ガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を
塗布し、これをフォトリソグラフィー法により所望の形
状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に
浸漬して着色パターンを得る。これを3 回繰り返すこ
とによりR、G、Bのカラーフィルタ層を得るものであ
る。
【0005】第3の方法としては電着法がある。この方
法は、基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹
脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1の色を
電着する。この工程を3回繰り返してR、G、Bを塗り
分けた後、樹脂を熱硬化させることにより表色層を形成
するものである。
【0006】第4の方法としては、印刷法がある。この
方法は熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷を3 回
繰り返すことによりR、G、Bを塗り分けた後、樹脂を
熱硬化させることにより着色層を形成するものである。
また、上記いずれの方法においても着色層上に保護層を
形成するのが一般的である。
【0007】これらの方法に共通している点は、R、
G、Bの3 色を着色するために同一の工程を3回繰り
返す必要があり、コスト高になることである。また工程
が多いほど歩留まりが低下するという問題点を有してい
る。さらに、電着法においては、形成可能なパターン形
状が限定されるため、現状の技術ではTFT 方式のカ
ラー液晶ディスプレイには適用が難しい。また、印刷法
は、解像性、平滑性が悪いためファインピッチのパター
ンは形成が難しい。
【0008】これらの欠点を補うべく、特開昭59−7
5205号公報、特開昭63−235901号公報、特
開昭63−294503号公報、あるいは、特開平1−
217320号公報等には、インクジェット方式を用い
てカラーフィルタを製造する方法が開示されている。
【0009】インクジェット法を用いてカラーフィルタ
の製造(着色)する方法を図31に示す。インクジェッ
ト法による大きなメリットは、図31に示すように3色
のヘッド55(光の三原色である赤(RED)、緑(G
REEN)、青(BLUE)のインクを吐出するための
ヘッド)により基板1上の着色領域(画素領域)を1度
に着色することが可能な点である。尚、図31では、使
用するノズルピッチとカラーフィルタの画素ピッチとを
一致させるために各ヘッドを傾けている。そして、ヘッ
ドのノズルを5ノズル毎に使用することで画素領域の着
色を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット方式の場合、一定時間(例えば1分間程度)イ
ンク吐出を休止すると、インク中の揮発成分である水や
溶剤が蒸発してインクが高粘度となり、インクの吐出状
態が安定しにくい。特に、インク吐出を休止してからイ
ンク吐出を再開するまでの時間が長くなると、インクの
吐出方向がよれる、インク吐出量が多くなり過ぎる、イ
ンク吐出量が少なくなり過ぎる等の現象が起こり、イン
ク吐出動作がより不安定になりやすい傾向がある。この
現象は、樹脂を含有するインクを吐出してカラーフィル
タを製造する場合において特に起こりやすい。また、イ
ンク吐出を再開したとき、特に再開後の1発目のインク
吐出は安定せず、吐出が乱れやすい傾向がある。1発目
のインクは、特に、着弾精度が悪く、吐出量が多くなり
やすいのである。
【0011】カラーフィルタのように、高精細にパター
ンニングされた凹部内にインクを着弾させる場合、1発
目のインクの吐出方向が乱れると隣接する異なる色の画
素にインクが入り込み混色を発生させてしまったり、イ
ンク吐出量が変化して所望の色濃度が得られなくなり画
素間で濃度ムラが発生してしまったりするという問題が
発生する場合がある。
【0012】このような問題を回避するために、通常イ
ンクジェット方式では、情報を表示するための表示領域
として機能することになる領域(凹部)に対してインク
を吐出する前に、基板外の所定位置で予備吐出動作を行
っている。ところが、近年、NTSC規格やPAL規格
の色再現範囲に近づけるために、カラーフィルタの色再
現範囲の拡大化がなされ、これに伴ってインク中の色材
の比率は高まってきており、インク粘度が高粘度化して
いる。その結果、吐出再開時の1発目のインクの吐出特
性変化が発生するまでの時間が短くなってきており、基
板外での予備吐出動作だけでは不十分である場合も多
い。
【0013】このようなインクジェット方式の課題を解
決するために、特開平9−101410号公報、特開平
10−73712号公報、特開平10−73709号公
報等では、基板上の表示領域以外の周辺領域(額縁部)
に対して予備吐出動作を行っている(図32)。具体的
には、図33及び図34に示されるように、額縁部から
インクの吐出を開始して表示領域を着色している。この
ように表示領域を着色する前に額縁部に対して予備吐出
することで、表示領域の着色時におけるインク吐出状態
を安定化させることができる。
【0014】また、特開平10−186123公報で
も、基板上に予備吐出を行っている。具体的には、特開
平10−186123公報では、表示領域の第1画素に
対して吐出する前に、表示領域の周辺領域である遮光部
上(BM上)に直接インクを予備吐出している。これに
より、第1画素に対してインクを吐出するときには既に
吐出状態は安定しており、正確な位置にインクを吐出す
ることができる。
【0015】しかしながら、遮光部上に残ったインク
(遮光部上に直接付着しているインク)は、カラーフィ
ルタの平滑性の問題や保護膜成膜時における塗布不良の
問題、保護膜と遮光部との密着性不良の問題等を引き起
こす場合がある。また、特開平10−186123号公
報では撥インク性を有する遮光部上にインクを予備吐出
させているが、この場合予備吐出されたインクが遮光部
上を自由に移動してしまい混色を発生させてしまう場合
がある。また、このような現象は、基板上に設けた隔壁
により囲まれる凹部内に自発光材料(EL発光材料)を
付与することで形成されるEL素子を製造する際におい
ても同様に起こりうることである。尚、EL素子の場
合、混色ではなく、自発光材料の混合である。
【0016】また、上記課題とは別に、カラーフィルタ
では表示領域を広げるようとする傾向があり、そのため
に額縁部分を狭めることが望まれている。
【0017】本発明は上述した課題に鑑みてなされたも
のであり、表示領域に対してインクを吐出させる際の吐
出状態を安定させ、異なる色の画素間での混色を低減さ
せることが可能なカラーフィルタの製造方法、その製造
装置を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、保護膜と遮光部との密着
性が十分なカラーフィルタ、該カラーフィルタを製造す
ることが可能なカラーフィルタの製造方法および製造装
置を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明は、額縁部を狭めることが可
能なカラーフィルタの製造方法および製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】また、本発明は、平坦性のよいカラーフィ
ルタ、該カラーフィルタを製造することが可能なカラー
フィルタの製造方法、その製造装置を提供することを目
的とする。
【0021】また、本発明は、上記製造方法もしくは製
造装置により製造されたカラーフィルタ、該カラーフィ
ルタを用いた表示装置の製造方法、該表示装置を備えた
装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0022】また、本発明は、表示領域に対して材料を
付与させる際の付与状態を安定させ、画素領域において
異なる材料が混合することを起こりにくくすることが可
能な、表示装置用のパネルの製造方法及び製造装置を提
供することを目的とする。
【0023】また、本発明は、額縁部を狭めることが可
能なEL素子の製造方法および製造装置を提供すること
を目的とする。
【0024】また、本発明は、上記製造方法もしくは製
造装置により製造された表示装置用パネルを提供するこ
とを目的する。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる
複数の凹部内にインクジェットヘッドからインクを吐出
して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造する方
法であって、表示に用いられる着色部を形成するための
第1の凹部と、表示には用いられない非表示部を形成す
るための第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程
と、前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェ
ットヘッドからインクを吐出した後に、前記基板上の前
記第1の凹部に対し前記インクジェットヘッドからイン
クを吐出することで前記着色部を形成する工程とを備
え、前記第1の凹部に対して前記インクを吐出するとき
の前記インクの吐出条件と前記第2の凹部に対して前記
インクを吐出するときの前記インクの吐出条件とが異な
ることを特徴とするものである。
【0026】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッド
からインクを吐出して複数の着色部を有するカラーフィ
ルタを製造する装置であって、表示に用いられる着色部
を形成するための第1の凹部と表示には用いられない非
表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板
と、前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させる
ための移動手段と、前記移動手段によって前記基板と前
記インクジェットヘッドを相対移動させながら、前記基
板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッド
からインクを吐出させた後に前記基板上の前記第1の凹
部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出す
ることで前記着色部を形成するように、前記インクジェ
ットヘッドと前記移動手段とを制御するための制御手段
とを備え、前記第1の凹部に対して前記インクを吐出す
るときの前記インクの吐出条件と前記第2の凹部に対し
て前記インクを吐出するときの前記インクの吐出条件と
が異なることを特徴とするものである。
【0027】また、本発明は、カラーフィルタであっ
て、請求項1乃至21のいずれかに記載の製造方法によ
り製造されたことを特徴とするものである。
【0028】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてな
る形成された複数の着色部を有するカラーフィルタを備
えた表示装置であって、請求項43に記載のカラーフィ
ルタと、光量を可変とする光量可変手段と、を備えるこ
とを特徴とするものである。
【0029】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてな
る複数の着色部を有するカラーフィルタを用いた表示装
置を備えた装置であって、請求項44に記載の表示装置
と、該表示装置に画像信号を供給するための画像信号供
給手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0030】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてな
る複数の着色部を有するカラーフィルタを備えた表示装
置を製造する方法であって、請求項1乃至21のいずれ
かに記載の製造方法によりカラーフィルタを製造する工
程と、前記製造されたカラーフィルタと、光量を可変と
する光量可変手段とを一体化する工程と、を備えること
を特徴とするものである。
【0031】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてな
る複数の着色部を有するカラーフィルタを用いた表示装
置を備えた装置を製造する方法であって、請求項46に
記載の製造方法により表示装置を製造する工程と、表示
装置に画像信号画像信号を供給するための画像信号供給
手段と、前記製造された表示装置とを接続する工程と、
を具備することを特徴とするものである。
【0032】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にヘッドから表示に用い
られる材料を付与して表示部を有する表示装置用のパネ
ルを製造する方法であって、表示に用いられる前記表示
部を形成するための第1の凹部と、表示には用いられな
い非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する
基板を用意する工程と、前記基板上の前記第2の凹部に
対し前記ヘッドから前記材料を付与した後に、前記基板
上の前記第1の凹部に対し前記ヘッドから前記材料を付
与することで前記表示部を形成する工程とを備え、前記
第1の凹部に対して前記材料を付与するときの前記材料
の付与条件と前記第2の凹部に対して前記材料を付与す
るときの前記材料の付与条件とが異なることを特徴とす
るものである。
【0033】また、本発明は、基板上に設けた仕切り部
材により囲まれる複数の凹部内にヘッドから表示に用い
られる材料を付与して表示部を有する表示装置用のパネ
ルを製造するための装置であって、表示に用いられる前
記表示部を形成するための第1の凹部と表示には用いら
れない非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有
する基板と、前記ヘッドとを相対的に移動させるための
移動手段と、前記移動手段によって前記基板と前記ヘッ
ドを相対移動させながら、前記基板上の第2の凹部に対
し前記ヘッドから前記材料を付与させた後に前記基板上
の前記第1の凹部に対し前記ヘッドから前記材料を付与
することで前記表示部を形成するように、前記ヘッドと
前記移動手段とを制御するための制御手段とを備え、前
記第1の凹部に対して前記材料を付与するときの前記材
料の付与条件と前記第2の凹部に対して前記材料を付与
するときの前記材料の付与条件とが異なることを特徴と
するものである。
【0034】また、本発明は、表示装置用パネルであっ
て、請求項48乃至59のいずれかに記載の製造方法に
より製造されたことを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して説明する。
【0036】なお、本発明において定義する表示装置用
パネル(表示用素子)とは、表示に用いられる表示部を
有するものである。より具体的には、表示装置用パネル
とは、例えば着色部を備えるカラーフィルタあるいは自
己発光する材料により形成された発光部を備えるEL素
子等を含む、表示装置に使用されるパネルのことであ
る。カラーフィルタであれば着色部が上記表示部に相当
し、EL素子であれば発光部が上記表示部に相当する。
また、本発明において定義するカラーフィルタとは、着
色部と被着色体(基体)とを備えるものであり、入力光
に対し、特性を変えた出力光を得ることができるもので
ある。
【0037】〔第1の実施形態〕図1はカラーフィルタ
の製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図
1において、51は装置架台、52は架台51上に配置
されたXYθステージ、53はXYθステージ52上に
セットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィル
タ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラ
ーフィルタ54の着色を行うためのR(赤)、G
(緑)、B(青)のインクジェットヘッド、56はカラ
ーフィルタの着色状態(画素の白抜け・混色・濃度ムラ
等)をモニタするためのカメラ、58はカラーフィルタ
製造装置90の全体動作を制御するためのコントロー
ラ、59はコントローラの表示部であるところのティー
チングペンダント(パソコン)、60は59の操作部で
あるところのキーボード、62は情報を表示するための
表示画面を示している。
【0038】尚、R(赤)、G(緑)、B(青)の各イ
ンクジェットヘッドを有するヘッドユニットは、カラー
フィルタ製造装置90の支持部に対して着脱自在に、か
つ水平面内で回動角度を調整可能に装着されている。ま
た、XYθステージ52の延長上に、各色のインクジェ
ットヘッド55(R)・55(G)・55(B)のイン
ク吐出ノズルからインクを吸引してノズルの吐出不良の
回復を図るための回復ユニット(不図示)を配置しても
よい。尚、この回復ユニットには、ノズルをキャッピン
グするキャップ部がある。
【0039】図2はカラーフィルタ製造装置90の制御
コントローラの構成図である。59は制御コントローラ
58の入出力手段であるパソコン、62は製造の進行状
況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示画
面、60はカラーフィルタ製造装置90の動作等を指示
する操作部(キーボード)である。
【0040】58はカラーフィルタ製造装置90の全体
動作を制御するところのコントローラ、65はパソコン
59とコントローラ58のデータの受け渡しを行うイン
タフェース、66はカラーフィルタ製造装置90の制御
を行うCPU、67はCPU66を動作させるための制
御プログラムを記憶しているROM、68は異常情報や
予備吐出動作を行うために必要な情報等を記憶するRA
M、70はカラーフィルタ基板上における凹部内に対す
るインク吐出動作を制御する吐出制御部、71はカラー
フィルタ製造装置90のXYθステージ52の動作を制
御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続
され、その指示に従って動作するカラーフィルタ製造装
置を示している。
【0041】図3は、上記のカラーフィルタの製造装置
90に使用されるインクジェットヘッド55の構造を示
す図である。通常インクジェットヘッドはR,G,Bの3
色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘ
ッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3
個のヘッドのうちの1つの構造を代表して示している。
【0042】図3において、インクジェットヘッド55
は、インクを加熱するための複数のヒータ102が形成
された基板であるヒータボード104と、このヒータボ
ード104の上にかぶせられる天板106とから概略構
成されている。天板106には、複数の吐出口108が
形成されており、吐出口108の後方には、この吐出口
108に連通するトンネル状の液路110が形成されて
いる。各液路110は、隔壁112により隣の液路と隔
絶されている。各液路110は、その後方において1
つのインク液室114に共通に接続されており、インク
液室114には、インク供給口116を介してインクが
供給され、このインクはインク液室114から夫々の液
路110に供給される。
【0043】ヒータボード104と、天板106とは、
各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来る様
に位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。
図3においては、2つのヒータ102しか示されていな
いが、ヒータ102は、夫々の液路110に対応して1
つずつ配置されている。そして、図3の様に組み立てら
れた状態で、ヒータ102に所定の駆動パルスを供給す
ると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成
し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108か
ら押し出されて吐出される。従って、ヒータ102に加
える駆動パルスを制御、例えば電力の大きさを制御する
ことにより気泡の大きさを調整することが可能であり、
吐出口から吐出されるインクの体積を自在にコントロー
ルすることができる。
【0044】図4はインクジェットヘッドのヒータに印
加するための駆動パルスの例を示した図である。(A)
はシングルパルス駆動の例を示しており、(B)はダブ
ルパルス駆動の例を示している。(A)のシングルパル
ス駆動、(B)のダブルパルス駆動のどちらの場合で
も、ヒータに与えるパルスの電圧値やパルス幅を変化さ
せることで、ノズルから吐出されるインクの吐出量を制
御することができる。尚、(A)のシングルパルス駆動
方法に比べ(B)のダブルパルス駆動方法の方がインク
吐出量の調整幅が広く、吐出量の調整に関して有利であ
る。
【0045】図4(B)において、T1はプレパルスの
パルス幅、T2は休止時間、T3はメインパルスのパル
ス幅である。プレパルスは、実際にインクを吐出するに
先立ってインクを所定温度に暖めるためのパルスであ
り、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅より
も短い値に設定されている。従って、このプレパルスに
よりインクが吐出されることはない。プレパルスをヒー
タ102に印加するのは、インクの初期温度を、一定の
温度にまで上昇させておくことにより、後に一定のメイ
ンパルスを印加したときのインク吐出量を常に一定にす
るためである。また、逆にプレパルスの長さT1を調節
することにより、予めインクの温度を調節しておき、同
じメインパルスが印加された場合でも、インクの吐出量
を異ならせることも可能である。また、メインパルスの
印加に先立ってインクを暖めておくことにより、メイン
パルスを印加した時のインク吐出の時間的な立ち上がり
を早めて応答性を良くする働きも持っている。一方、メ
インパルスは、実際にインクを吐出させるためのパルス
であり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅
よりも長く設定されている。ヒータ102が発生するエ
ネルギーは、メインパルスの幅(印加時間)T3に比例す
るものであるため、このメインパルスの幅T3を調節す
ることにより、ヒータ102の特性のバラツキを調節す
ることが可能である。
【0046】なお、プレパルスとメインパルスとの間隔
(休止時間)T2を調整して、プレパルスによる熱の拡
散状態を制御することによってもインクの吐出量を調節
することが可能となる。また、ヒーターに対して与える
(印加する)電圧パルスの電圧値を変化させることでイ
ンクの吐出量を調節することも可能である。
【0047】上記の説明から分かる様に、インクの吐出
量は、プレパルスの印加時間(プレパルスのパルス幅)
T1を調節することによって制御することも可能である
し、メインパルスの印加時間(メインパルスのパルス
幅)T3を調節することによって制御することも可能で
あるし、プレパルスとメインパルスの双方の印加時間
(パルス幅)を調節することによって制御することも可
能である。またプレヒートパルスとヒートパルスの印加
間隔(休止時間)T2を調節することによって制御する
ことも可能である。また、ヘッドの駆動電圧を調整する
ことによって制御することも可能である。従って、プレ
ヒートパルス及びヒートパルスの印加時間、プレヒート
パルスとヒートパルスの印加間隔、ヘッドの駆動電圧等
を必要に応じて調整することにより、インクの吐出量や
インクの吐出の印加パルスに対する応答性を自在に調節
することが可能となる。
【0048】本実施形態では、インク吐出量を広く調整
することが可能なダブルパルス駆動を用いる。そして、
特に、プレパルスのパルス幅T1を可変させることで、
カラーフィルタにおける表示領域の周辺の領域(周辺領
域。予備吐出領域)に対してインクを吐出(予備吐出)
するときのインク吐出量を多くしたり、少なくしたりす
ることを可能としている。尚、プレパルスのパルス幅T
1を長くすると吐出量は増加し、逆に、短くすると吐出
量は減少する。
【0049】ここで、インク吐出量を制御する方法につ
いて、図5〜図8を用いて具体的に説明する。尚、本実
施形態においては、パルス幅T1が異なる複数種類のプ
レパルスから1つを選択することにより吐出量を制御し
ている。
【0050】図5に示すように、ヘッドをコントロール
するためのコントロールボードのROMのエリアA及び
Bに、各ノズルに対応した2ビットのデータが書き込ま
れている。そして、図5のような2ビットのデータによ
り、図6に示すような4種類のパルス幅が選択可能であ
るものとする。つまり、(エリアA・エリアB)=(0
・0)のデータの場合、プレパルス1(PH1)が選択
され、(エリアA・エリアB)=(0・1)のデータの
場合、プレパルス2(PH2)が選択され、(エリアA
・エリアB)=(1・0)のデータの場合、プレパルス
3(PH3)が選択され、(エリアA・エリアB)=
(1・1)のデータの場合、プレパルス4(PH4)が
選択される。例えば、図5のノズル1は(0・1)であ
るのでPH2が選択され、ノズル3は(1・0)である
のでPH3が選択され、ノズル5は(1・1)であるの
でPH4が選択され、ノズル8は(0・0)であるので
PH1が選択される。尚、図6に示すようにPH1、P
H2、PH3、PH4のパルス幅は夫々異なるものであ
り、これらのパルス幅の関係はPH1<PH2<PH3
<PH4となっている。
【0051】このようにビットデータ(選択ビット)に
より各ノズルに対するプレパルス幅T1が決定され、そ
の後、所定のメインパルスが印加されることでインク吐
出動作は行われる。また、インク吐出量を変更したいと
きは、所望の位置でビットデータを書き換えることで吐
出量の制御を行うことが可能である。
【0052】図7は、吐出制御回路の構成を示す図であ
る。,図7において、VHはヘッドの電源、HGNDは
ヘッド電源VHに対するGND線、MHはメインパルス
の信号線、PH1〜PH4は上記で説明したプレパルス
の信号線、BLATはPH1〜PH4を選択するための
ビットデータをラッチするための信号線、DLATはイ
ンク吐出に必要なデータ(インク吐出パターンデータ)
をラッチするための信号線である。また、DATAは、
ビットデータ及びインク吐出パターンデータをシリアル
データとして転送し、Shift Registerに格納するための
信号線である。
【0053】この様な構成において、図5で示したビッ
トデータ(選択ビット)がシリアルデータとしてDAT
A信号線からShift Registerに格納される。全ノズルの
ビットデータが揃ったところでBLAT信号が発生し、
ビットデータがラッチされる。次に、カラーフィルタを
着色するのに必要なインク吐出パターンデータが、上記
ビットデータと同様にDATA信号からにShift Regist
er格納される。全ノズルのデータが揃ったところでDL
AT信号が発生してデータがラッチされる。先にラッチ
されたビットデータからSelect Logic回路を介してPH
1〜PH4の何れかが選択される。選択されたプレパル
ス信号とメインパルス信号が合成され、更にインク吐出
パターンデータとのANDをとって、ノズルMのトラン
ジスタが駆動され抵抗(ヒーターボード)に電源VHが
印可されることによりノズルMからインクが吐出され
る。以上のような構成は、全ノズルに渡ってなされてい
る。つまり、上記の吐出量制御回路が各ノズルに対応し
て設けられているのである。
【0054】図8は、プレパルス信号PHとメインパル
ス信号MHが合成される様子を示す図である。インク吐
出量を変更したい場合は、吐出量を変更したい所望のタ
イミングで新たなビットデータをShift Registerに送
り、BLAT信号を発生させればよい。これによりイン
ク吐出量を変更することができる。尚、本実施形態で
は、2ビットのデータを使用して4種類のプレパルスを
選択可能としているが、1ビットデータを使用して2種
類のプレパルスを選択可能としても良い。また、より細
かく吐出量を制御したい場合には、ビット数を増して選
択可能なプレパルスの種類を増加させても良い。選択可
能なプレパルスの種類を増加させるに伴い、Select Log
ic回路が複雑となることは言うまでもない。
【0055】図9は、カラーフィルタの製造工程を示し
た図である。以下に、図9を参照してカラーフィルタ5
4の製造工程を説明する。
【0056】本実施形態においては、基板(基材、基
体)として一般にガラス基板が用いられるが、カラーフ
ィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有す
るものであればガラス基板に限定されるものではない。
例えば、プラスチック基板でもよい。
【0057】図9(a)は、光透過性の基板1上に設け
た撥インク性を有する隔壁(仕切り部材)2aにより囲
まれる凹部32内に、インクジェットヘッド55からイ
ンク14を付与する工程を示したものである。
【0058】本実施形態において隔壁(仕切り部材)2
aは、インク14を受けるための凹部を形成し、且つ隣
接する凹部32間で異なる色のインクの混色を防止する
ために設けられる部材である。
【0059】隔壁2aは、例えば感光性樹脂をパターニ
ングして容易に形成することができるが、該隔壁2aを
ブラックマトリクスやブラックストライプで兼用するこ
ともでき、その場合には黒色の樹脂をパターニングすれ
ば良い。
【0060】本実施形態において、隔壁12は光透過性
基板1上に直接形成しても良いが、必要に応じて他の機
能を有する層を形成した基板、例えばTFTアレイを作
製したアクティブマトリクス基板上に形成しても良い。
いずれの場合にも、硬化性インクの拡散性を高めるため
に、基板上表面に何らかの表面処理を施しても良い。
【0061】具体的に本実施形態では、先ず、透明基板
1上に黒色顔料含有レジストを塗布し、一般的なフォト
リソグラフィー法によりパターニングしてブラックマト
リクスを形成する。この時、ブラックマトリクスの厚み
を0.5μm以上にすることが好ましい。厚みが0.5
μm未満の場合、ブラックマトリクスの光学濃度が低く
なり、遮光層としての機能が低下してしまい好ましくな
い。 また、厚みが0.5μm未満の場合、インクジェ
ット法によりインクを付与した際に、隣接する異なる色
のインク同士が混じり合うという現象、いわゆる混色を
引き起こしてしまうことがある。即ち、隔壁2aの厚み
が0.5μm未満の場合、隔壁が混色防止壁としての十
分に機能しないことがある。
【0062】また、隔壁2aの材料としては黒色顔料含
有レジストの他に、クロム、酸化クロム等の金属膜を用
いることが可能である。隔壁2aとして金属膜を用いる
場合、厚みを0.5μm以上とするため、インクの混色
を防止するための混合防止壁として機能するシリコーン
ゴム等の層を金属層の上部に設ける必要がある。いずれ
にせよ、隔壁2aの上部は撥インク性であることが好ま
しく、また遮光性と混色防止の観点から厚みを0、5μ
m以上とすることが好ましい。
【0063】本発明において適用可能なインク14は、
少なくとも色材成分、エネルギー付与により硬化する硬
化成分を含有するものである。ここでエネルギーの付与
とは、例えば、光照射を行うこと、熱処理を行うこと、
或いは光照射及び熱処理の双方を行うこと等である。本
発明において適用可能なインク14は、光照射又は熱処
理、或いはこれらの併用によって硬化するので、硬化性
インクということもできる。硬化性インクとしては、液
状インク、ソリッドインク共に使用可能である。また、
硬化成分としては、市販の樹脂や硬化剤を用いることが
でき、具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、
メラミン樹脂等が好適に用いられる。
【0064】上記色材としては、染料、顔料、いずれも
適用可能である。染料としては、直接染料、酸性染料、
反応性染料、分散染料、油溶性染料等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの染料、顔料
はインク中で0.1〜20重量%の範囲で使用されるの
が好ましい。エネルギー付与により硬化する化合物(硬
化成分)としては、例えば、熱硬化型の化合物として、
公知の樹脂と架橋剤との組み合わせが使用できる。具体
的には、メラミン樹脂、水酸基或いはカルボキシル基含
有ポリマーとメラミン、水酸基或いはカルボキシル基含
有ポリマーと多官能エポキシ化合物、水酸基或いはカル
ボキシル基含有ポリマーと繊維素反応型化合物、エポキ
シ樹脂とレゾール型樹脂、エポキシ樹脂とアミン類、エ
ポキシ樹脂とカルボン酸又は酸無水物、エポキシ化合物
などが挙げられる。また光硬化型の化合物としては、公
知の光硬化型材料、例えば市販のネガ型レジストが好適
に用いられる。上記した化合物は熱或いは光だけでなく
これらを併用して硬化させても良い。
【0065】本発明に用いるインクとしては、種々の溶
媒を用いることができる。特にインクジェット方式に用
いる場合の吐出性の面から、水及び水溶性有機溶剤の混
合溶媒が好ましく用いられる。水としては、イオン交換
水(脱イオン水)を用いるのが好ましい。本発明におい
て併用し得る任意の溶剤成分としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、ジアセトンアルコール類のケトン又はケトアル
コール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチ
レングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチ
ル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリシノン、さらにベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;プロピレンカーボ
ネート等が挙げられる。上記有機溶剤の中でもジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコ
ールの低級アルキルエーテルが好ましい。また、上記の
熱或いは光硬化型化合物を安定に溶解或いは分散させる
ためにはエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
が好ましく用いられる。さらに、インクの吐出の安定性
を得るためには、エチルアルコール、或いは、イソプロ
ピルアルコール、又は多価アルコールの低級アルキルエ
ーテル類を添加することが効果的である。これはこれら
溶剤を添加することによって、熱エネルギー方式による
インクジェットヘッドにおける薄膜抵抗体上でインクの
発泡をより安定に行なうことができるからと推測され
る。本発明に用いるインクは、上記成分の他に必要に応
じて所望の特性を持たせるために、界面活性剤、消泡
剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水
溶性染料などを添加することもできる。例えば、界面活
性剤としては、インクの保存安定性に悪影響を及ぼさな
いものであれば好適に用いることができ、脂肪酸塩類、
高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エス
テル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエ
チレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアル
コール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性
剤があり、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使
用できる。また、インクの保存安定性を保つために、p
H調整が必要である場合に用いられるpH調整剤として
は、例えば、アンモニア、或いはジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や無機酸が
挙げられる。また、上記した光或いは熱硬化型化合物の
うち、水或いは水溶性有機溶剤に溶解しないものでも安
定に吐出可能なものであれば、水や水溶性有機溶剤以外
の溶媒を用いても構わない。また、特に光により重合す
るタイプの硬化性化合物を用いる場合には、色材をモノ
マーに溶解した無溶剤タイプとすることもできる。
【0066】図9(b)は、隔壁2aで囲まれる各凹部
32内に硬化性インク14が付与された直後の状態を示
している。ここでは、付与インクの高さが隔壁2aの高
さより高くなっている。
【0067】その後、必要に応じて乾燥処理を行い、光
照射又は熱処理、或いはこれらの併用によってインクを
硬化し、着色部(画素部)3を形成する(図9
(c))。この図9(c)では、着色部9の高さ(膜
厚)が隔壁2aの高さよりも低くなっているが、これに
は限定されず、着色部9の高さ(膜厚)と隔壁2aの高
さとが略同じになるようにしてもよい。尚、着色部表面
の平坦化の観点から、着色部3の膜厚(着色部3の底面
から表面までの高さ)を隔壁2aの高さ(隔壁2aの底
面から表面までの高さ)の20〜80%とすることが好
ましい。また、着色部の表面をより平坦化させるために
は、40〜60%とすることが好ましい。
【0068】その後、必要に応じて保護膜(保護部)8
を形成する(図9(d))。尚、保護層8としては、光
照射又は光照射と熱処理による硬化する樹脂組成物が好
ましく用いられ、カラーフィルタとしての透明性を有
し、その後のプロセス、例えばITO膜形成プロセス、
配向膜形成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能
である。また、本発明においては、保護膜8はなくても
構わない。
【0069】図10乃至図12は、本発明に係わるカラ
ーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置30の基本
構成を示す断面図である。11は偏光板、1はガラスな
どの基板、2aは隔壁、3は着色部、8は保護層、16
は共通電極、17は配向膜、18は液晶化合物、19は
配向膜、20は画素電極、22は偏光板、23はバック
ライト光である。54は上記のカラーフィルタ、24
は対向基板である。
【0070】本発明におけるカラー液晶表示装置(カラ
ー液晶ディスプレイ)は、本発明に係るカラーフィルタ
基板1と対向基板21を合わせこみ、液晶化合物18を
封入することにより形成される。液晶表示装置の一方の
基板21の内側に、TFT(Thin Film Transistor)(不
図示)と透明な画素電極20がマトリクス状に形成され
る。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極に対
向する位置にRGBの色材が配列するようカラーフィル
タ54が設置され、その上に透明な対向電極(共通電
極)16が一面に形成される。ブラックマトリクス2
は、通常カラーフィルター基板1側に形成されるが(図
10参照)、BM(ブラックマトリクス)オンアレイタ
イプの液晶パネルにおいては対向するTFT基板側に形
成される(図11参照)。さらに、両基板の面内には配
向膜19が形成されており、これをラビング処理するこ
とにより液晶分子を一定方向に配列させることができ
る。また、それぞれのガラス基板の外側には偏光板1
1,22が接着されており、液晶化合物18は、これら
のガラス基板の間隙(2〜5μm程度)に充填される。
また、バックライトとしては蛍光灯(不図示)と散乱板
(不図示)の組み合わせが一般的に用いられており、液
晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャ
ッターとして機能させることにより表示を行う。尚、液
晶化合物は、カラーフィルタに照射される光量を可変す
る機能を有しているため、光量可変手段ともいえる。
【0071】また、図12に示すように、画素電極20
上に着色部を形成し、カラーフィルタとして機能させる
ようにしても良い。すなわち、カラーフィルタを構成す
る着色部は、ガラス基板上に形成されることに限定され
るものではない。
【0072】図13は上記の液晶表示装置をワードプロ
セッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、
複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した
場合の概略構成を示すブロック図である。
【0073】図中、1801は装置全体の制御を行う制
御部(画像信号供給手段)で、マイクロプロセッサ等の
CPUや各種I/Oポートを備え、各部に制御信号やデ
ータ信号等を出力したり、各部よりの制御信号やデータ
信号を入力して制御を行っている。1802はディスプ
レイ部で、この表示画面には各種メニューや文書情報及
びイメージリーダ1807で読み取ったイメージデータ
等が表示される。1803はディスプレイ部1802上
に設けられた透明な感圧式のタッチパネルで、指等によ
りその表面を押圧することにより、ディスプレイ部18
02上での項目入力や座標位置入力等を行うことができ
る。
【0074】1804はFM(Frequency Modulation)音
源部で、音楽エディタ等で作成された音楽情報をメモリ
部1810や外部記憶装置1812にデジタルデータと
して記憶しておき、それらメモリ等から読み出してFM
変調を行うものである。FM音源部1804からの電気
信号はスピーカ部1805により可聴音に変換される。
プリンタ部1806はワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置の出力端末と
して用いられる。
【0075】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路中に設け
られており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原稿
の読取りを行う。
【0076】1808はイメージリーダ部1807で読
取った原稿データのファクシミリ送信や、送られてきた
ファクシミリ信号を受信して復号するファクシミリ(F
AX)の送受信部であり、外部とのインタフェース機能
を有する。1809は通常の電話機能や留守番電話機能
等の各種電話機能を有する電話部である。
【0077】1810はシステムプログラムやマネージ
ャープログラム及びその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォント及び辞書等を記憶するROMや、外
部記憶装置1812からロードされたアプリケーション
プログラムや文書情報、さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0078】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0079】1812はフロッピーディスクやハードデ
ィスク等を記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記
憶装置1812には文書情報や音楽あるいは音声情報、
ユーザのアプリケーションプログラム等が格納される。
【0080】図14は図13に示す情報処理装置の模式
的概観図である。
【0081】図中、1901は上記の液晶表示装置を利
用したフラットパネルディスプレイで、各種メニューや
図形情報及び文書情報等を表示する。このディスプレイ
1901上ではタッチパネル1803の表面は指等で押
圧することにより座標入力や項目指定入力を行うことが
できる。1902は装置が電話機として機能するときに
使用されているハンドセットである。キーボード190
3は本体と着脱可能にコードを介して接続されており、
各種文書機能や各種データ入力を行うことができる。ま
た、このキーボード1903には各種機能キー1904
等が設けられている。1905は外部記憶装置1812
へのフロッピー(登録商標)ディスクの挿入口である。
【0082】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を載置する用紙載置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907よりプリン
トされる。
【0083】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部1811から入力された各種情報が制御部1801に
より所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部1
806に画像として出力される。
【0084】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0085】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0086】なお、上述した情報処理装置は図15に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図14と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。このように表
示装置を備えた装置は、まず、本発明に係るカラーフ
ィルタを用意し、次に、用意したカラーフィルタと対
向基板との間に液晶化合物を充填して表示装置を製造
し、最後に、その表示装置に、画像信号供給手段を接
続することにより、製造されるものである。
【0087】次に、本実施形態の特徴的部分である、基
板に対して実行する予備吐出動作について説明する。本
実施形態では、表示領域の周辺の領域にある遮光部に凹
部を設け、その凹部内に予備吐出を行うことを特徴とし
ている。これに関して、図16〜図19を参照しながら
詳述する。尚、予備吐出が行われた部分が非表示部とな
る。
【0088】図16は、隔壁2a(仕切り部材、例えば
BM)により囲まれる複数の凹部32を有した基板1を
示す図であり、着色する前の状態を示している。尚、図
16(a)は基板を上から見た上面図であり、図16
(b)は図16(a)のA−Aの線で切断した断面図であ
る。図17は、図16の基板に対してインクを吐出する
様子を示しており、着色途中の状態を示している。尚、
図17(a)は基板を上から見た上面図であり、図17
(b)は図17(a)のA−Aの線で切断した断面図であ
る。図18は、着色後の状態を示しており、カラーフィ
ルタが完成した様子を示している。
【0089】図16において、1はガラス基板、2aは
凹部32を形成するための隔壁(仕切り部材)である。
32は隔壁により囲まれる凹部であり、第1の凹部32
aと第2の凹部32bとから構成される。第1の凹部3
2aは表示のために用いられ、表示部を形成するための
部分であり、第2の凹部32bは表示には用いられず、
非表示部を形成するための部分である。第1の凹部32
aは色を表す領域として機能し、該第1の凹部の各々に
はRGBの各着色部が形成される。第2の凹部32bは
予備吐出領域として機能し、該第2の凹部32bには2
色以上のインクが予備吐出される。35は表示に用いら
れる複数の表示部を有する表示領域である。37は表示
領域35の周辺の領域である周辺領域(額縁部)であ
り、この周辺領域には遮光部が形成されている。尚、こ
の周辺領域37にある第2の凹部は、表示には用いられ
ない非表示部となる部分である。尚、周辺領域(額縁
部)に上記第2の凹部を形成する方法は、フォトリソグ
ラフィー法による隔壁(BM)のパターニング法と同様
の方法である。つまり、まず、隔壁のパターンを形成す
るための材料(レジスト材料)を基板上にスピンあるい
はロールコータで塗布し、その後、隔壁パターン用の露
光マスクを用いて露光する。この露光マスクには、額縁
部に第2の凹部が形成できるように細工を施しておく。
このような露光マスクを用いて露光した後、エッチング
を行うことでレジストの一部を剥離する。これにより、
第1の凹部と第2の凹部とが形成された隔壁パターンが
完成する。その後は、隔壁の少なくとも上部に対し撥水
処理を施す。これらのプロセスをまとめると、下記1)
〜7)の手順となる。1)レジスト材料の塗布、2)プ
リベーク、3)露光(必要なパターンによって露光マス
クを選択)、4)現像、5)リンス、6)ポストベー
ク、7)BM部の撥水処理。
【0090】通常インクジェットヘッドは、インクを連
続して吐出している状態では各ノズルからのインクの吐
出量が安定している。ところが、一旦インクの吐出を休
止させると、ノズル内でインクが乾燥し増粘する等の影
響で吐出を再開させたときのインクの吐出量が安定しな
かったり、吐出方向が乱れたりする場合がある。具体的
には、インクの吐出を数分間休止するとその後吐出を再
開したときの初めの数発から十数発はインクの吐出が安
定せず、インクの種類によっては、数十秒停止させただ
けでもインクの吐出が安定しなくなる場合もある。ま
た、第1の凹部32aの着色の際にインク吐出状態が安
定していないと、第1の凹部で混色が生じ、不良品のカ
ラーフィルタとなってしまう。
【0091】そこで本実施形態では、図17(a)と図1
7(b)で示すように、第1凹部32a内にインクを吐出
する前に、表示領域35の周辺の遮光部に形成された第
2の凹部に向けてインクを吐出するようにしている。
尚、第2の凹部に対するインク吐出動作は着色部を形成
するためでなく、単にインクの吐出状態を安定化させた
めに行う予備的な吐出動作であるので、ここでは予備吐
出と称することとする。このように第2の凹部に対して
予備吐出を行うことで、ノズル内のインクがリフレッシ
ュされるため、第1の凹部32aに対してインクを吐出
する際の吐出状態を安定化させることができる。尚、こ
の第2の凹部は表示に用いられず非表示部39となる部
分であるため、複数色のインクを予備吐出させて第2の
凹部内で混合させても問題は生じない。また、第2の凹
部に対する上記予備吐出動作は、インクの吐出状態が安
定化するまで実行することが好ましい。また、予備吐出
動作の回数や予備吐出動作を実行する時間の長さは、使
用するインクの種類や吐出口径、吐出方式等に応じて適
宜決定すればよい。例えば、粘性の高いインクを使用す
る場合や吐出状態が直ぐに悪化するような系にてインク
吐出を行う場合は、予備吐出動作の回数を多くしたり、
予備吐出動作を実行する時間の長さを長くすればよく、
反対に、粘性が低いインクを使用する場合や吐出状態が
あまり悪化しないような系にてインク吐出を行う場合
は、予備吐出動作の回数を少なくしたり、予備吐出動作
を実行する時間の長さを短くすればよい。
【0092】本実施形態において上記予備吐出領域の大
きさは、インクジェットの吐出開始時に発生する吐出不
安定さを解消できる大きさに設計することが好ましい。
そのためには、吐出量が安定するまでの全吐出総量を受
容できる大きさであることが好ましい。また、吐出方向
の乱れによるインクの着弾位置のズレ量を受容できる大
きさであることが好ましい。しかしこれらは、使用する
インクジェットヘッドの性能、インクジェットヘッドと
基板との距離、吐出していない休止時間、クリーンルー
ムの温湿度環境、使用するインクの特性等の多くの条件
により左右されるため、それぞれの使用条件・製造条件
等により実験的に大きさを決定することが好ましい。
尚、カラーフィルタは年々その表示領域を広げるために
額縁部分を狭めようとする傾向にあり、このことを考慮
すれば予備吐出領域も可能な限り小さくする形成するこ
とが好ましい。
【0093】上記第2の凹部(予備吐出領域)32b内
に複数色のインクが予備吐出されることにより形成され
た非表示部39は、RGBの色を表示するための部分で
はなく、情報を表示するための部分でもない。この非表
示部39はカラーフィルタの額縁に相当する部分であ
り、通常、カラーフィルタが液晶表示装置に組み込まれ
たとき該液晶表示装置の表示パネル(画面)における最
外郭の黒色の部分に相当する箇所である。従って、予備
吐出領域32b内に形成される非表示部39は黒色系に
着色されていることが好ましい。仮に、非表示部39が
赤色や緑色等の黒色以外の色に着色されていると、ユー
ザーが画面を見たとき、その部分だけが周りの色と異な
るためユーザーに違和感を持たせる場合がある。そこ
で、本実施形態では、第2の凹部(予備吐出領域)32
b内において2色以上のインクが混ざり合うようにして
いる。つまり、この第2の凹部内では複数色のインクが
混合しており、減法混色領域となっているのである。
【0094】また、本実施形態においては、非表示部3
9の光学濃度が遮光部として必要とされる程度の光学濃
度を有するようにしている。仮に、この非表部の光学濃
度が低いとこの部分からバックライトが回り込んでしま
うことがあり、その場合ユーザーの視認性の観点から好
ましくない。つまり、この非表示部は、遮光性機能を有
することが好ましいのである。そこで、本実施形態で
は、複数色のインクを第2の凹部内にて混合させて、黒
色系且つ遮光部として必要とされる程度の光学濃度を有
する非表示部を形成している。具合的には、第2の凹部
内にRGBの3色のインクを吐出して、それを混合して
黒色としている。ここではRGBのインクを混合させ
て、非表示部39の光学濃度が遮光部の光学濃度と略同
じになるようにしている。尚、RGBの3色のインクを
混合させることには限定されず、RGBのうち任意の2
つの色を混合させるだけでもよい。2色のインクの混合
でも、カラーフィルタの額縁としての機能を十分に果た
す程度の黒色系となるからである。また、上記RGBの
インクとは異なる色のインクを第2の凹部内に更に付与
することで、非表示部を形成するようにしてもよい。上
記異なる色のインクとしては、黒色系のインクや、予備
吐出される複数色(RGB)のインクの減法混色の補色
となるインクが好ましく、これらのインクを付与するこ
とで、遮光部の可視波長依存性を均一にして、より一層
の遮光性能を確保することが可能である。
【0095】尚、上記のように、第2の凹部(予備吐出
領域)32b内において2色以上のインクが混合するこ
とは必須ではないが、非表示部を黒色系にする点や光学
濃度を遮光部として機能し得る程度にする点等から2色
以上のインクを混合することが好ましい。また、上記で
は、凹部内に予備吐出されたインクを混合させると説明
したが、凹部内に予備吐出されたインク同士は勝手に混
じり合うため、何らかの手段を講じインクをわざわざ混
合させる必要なない。凹部の底面は親水性を有するガラ
ス基板であり、予備吐出されたインクは該ガラス上に付
着し直ぐに広がるため、インクの混合は勝手に起こるの
である。
【0096】また、本実施形態では、予備吐出領域が凹
状に形成されていることが特徴である。仮に、上述した
特開平10−186123公報のように表示領域の周辺
の遮光部上にインクを予備吐出すると、予備吐出された
インク151が遮光部上を自由に移動してしまい混色を
発生させる場合がある(図19)。尚、図19ではR色
の予備吐出インク151が、G色の着色部及びB色の着
色部に入り込んでしまい、混色が発生してしまってい
る。一方、本実施形態では上記図17のように、予備吐
出されたインクは凹部内に充填されるので、予備吐出さ
れたインクが遮光部上を自由に移動することがない。
【0097】また、表示領域の周辺の遮光部上に予備吐
出を行うと、平滑性の点及び密着性の点において不十分
となってしまう。これを図20を参照しながら、以下で
説明する。尚、図20は、カラーフィルタ54と対向基
板24との間に液晶化合物18を充填することにより形
成された液晶表示装置の断面図であり、周辺の遮光部上
には予備吐出されたインクが付着している。また、遮光
部上及び着色部上には、表面を平坦化し且つ着色部を保
護するための保護層が形成されている。
【0098】まず、平滑性について説明する。図20の
ように周辺の遮光部上に予備吐出インク151が付着す
ると、着色部3や他の隔壁部に比べ予備吐出されたイン
ク部分が盛り上がってしまう。このような状態で保護層
を形成すると、予備吐出インク151上の保護層が他の
部分に比べ盛り上がってしまい、保護層の表面が平坦化
しにくい。(図20のように、平坦性の悪い部分160
が発生する)。保護層の表面が平坦化していないと、カ
ラーフィルタと対向基板とを平行に保持することが困難
となってしまう。このようにカラーフィルタの保護層の
表面は平滑性を有していることが好ましいのであるが、
上述したように遮光部上に予備吐出インクが付着してい
ると、表面の平滑性の点で不十分となってしまう。
【0099】次に、密着性について説明する。図20の
ように周辺の遮光部上に予備吐出インク151が付着す
ると、この予備吐出インクと遮光部との密着性が不十分
であるために、予備吐出インクと遮光部との接触部分1
63において膜剥れが生じる場合がある。上記接触部分
163において密着性が不十分となるのは、遮光部上が
發インク性を有しているからである。
【0100】これに対し、本実施形態では、図17のよ
うに周辺領域の遮光部に設けた凹部内にインクを予備吐
出するため、着色部3や他の隔壁に比べ予備吐出された
インク部分が盛り上がることはない。その結果、保護層
を形成したとき保護層表面が平坦化しやすく、カラーフ
ィルタと対向基板とを平行に保持しやすくなる。また、
本実施形態では、親水性のガラス基板に予備吐出インク
を付着させているので、予備吐出インクとガラス基板と
の密着性が十分であり、図20の場合に比べて膜剥れの
発生をかなり抑制できる。このように凹部内に予備吐出
を行うことで、カラーフィルタ表面が平滑性を有するよ
うになり、且つ膜剥れの発生を抑制することができる。
【0101】上記のように予備吐出動作を実行した後
に、第1の凹部内の各々に対してインクを吐出して各着
色部の形成を行う。このようにして着色されたカラーフ
ィルタを図18に示す。図18では、RGBの着色部3
の列がストライプ状に形成されている。また、第2の凹
部内に予備吐出された、RGBの3色のインクにより非
表示部が形成されている。この非表示部は、黒色を呈し
ている。尚、着色部は、ユーザーに視覚的に色を認識さ
せるための部分であり、情報の表示を行うための部分で
もあるので、表示部ということもできる。
【0102】次に、基板とインクジェットヘッドとを相
対的に移動させながら隔壁を備えた基板に向けてインク
を吐出し着色を行っていく様子を、図21〜図23を用
いて説明する。尚、図21は、カラーフィルタの着色工
程を示すフローチャートであり、図22、図23は予備
吐出領域(第2の凹部)32bと表示領域領域35の位
置関係を示した図である。また、本実施形態では、基板
を載せたステージとインクジェットヘッドとを相対的に
一回または複数回走査させながら、第1の凹部内にイン
クを吐出して各着色部を形成する。その際、表示領域の
第1の凹部のうち端部に位置する凹部に対する着色を開
始する前に、第2の凹部(予備吐出領域)に対してイン
クを適宜吐出させている。
【0103】まず、図21のステップS1において、カ
ラーフィルタ製造装置90のXYθステージ52上にカ
ラーフィルタ基板53をセットし、位置決めを行う。本
実施形態では、図22・図23に示すようなカラーフィ
ルタ基板を用いる。すなわち、1枚のカラーフィルタ基
板から多数枚のカラーフィルタを取ることが可能な基板
である。この図22・図23では、基板の大きさが36
0mm×460mmの場合を示しており、10インチサ
イズのカラーフィルタであれば、その中に4枚のカラー
フィルタ54a、54b,54c,54dを形成するこ
とが可能である。尚、本実施形態では、予備吐出領域
(第2の凹部)32bと、カラーフィルタとして機能す
ることになる第1の凹部(表示部)を含む表示領域35
とを共に有する基板を用いることとする。
【0104】次に、ステップS2において、カラーフィ
ルタ基板53とインクジェットヘッド120とを相対的
に移動させて、基板53の予備吐出領域32b(32b
−(A))の真上にインクジェットヘッド55を位置さ
せる。この相対移動はXYθステージ52を移動させる
ことにより実行しても良いし、インクジェットヘッドを
移動させることにより実行しても良い。
【0105】次に、ステップS3において、インクジェ
ットヘッド55から予備吐出領域32b(32b−
(A))に対してインクを吐出する(予備吐出工程)。
また、カラーフィルタとして機能する表示部と、この表
示部を有する表示領域の外側にある予備吐出領域との位
置関係は、図22のように表示領域35の片側にだけ形
成されていてもよいし、図23のように表示領域35の
両側に形成されていてもよい。いずれにせよ、本実施形
態では第1の凹部を着色する直前に、カラーフィルタ基
板上であってカラーフィルタとして機能しない領域(予
備吐出領域32b)に対して予備吐出を行っている。こ
れは、予備吐出を行ってから第1の凹部を着色するまで
の時間を短くするためである。予備吐出を行ってから第
1の凹部を着色するまでの時間を短くすることで、イン
クの吐出を休止して吐出を再開するまでの時間が長くな
ることに起因して生じるインク吐出の不安定性を低減す
ることができるとともに、第1の凹部の着色の際には常
にインクの吐出状態を安定化させることができる。
【0106】ステップS3にて予備吐出動作を行った
後、ステップS4において、カラーフィルタ基板53と
インクジェットヘッド55とを相対的に移動させなが
ら、インクジェットヘッドから基板に対してインクを吐
出して複数の第1の凹部を着色する。このステップS4
では、基板とヘッドとの相対移動を1回行う。すなわ
ち、図22における32bの位置からY2の位置まで基
板をヘッドに対して相対走査させるのである。その後、
ステップS5へ進む。ステップS5において、予め設定
された所定の回数だけ、ヘッドと基板とを相対移動させ
たかどうかを判定する。所定回数移動させたと判定され
れば、ステップS6へ進み、そのカラーフィルタ基板の
着色は終了する。一方、ステップS5において所定回数
移動させていなければ、ステップS2へ戻り、ステップ
S2以降の工程を繰り返す。すなわち、今度はヘッドが
Y2に位置しているので、Y1の方向に向けてヘッドと
基板とを相対走査させて、ヘッドが予備吐出領域32b
(32b−(B))の真上にくるようにし、予備吐出領
域32b(32b−(B))に対して予備吐出を行い、
その後、第1の凹部を着色していくのである。上記から
分かるように、1回目・3回目…等の奇数回目の相対走
査では、32b−(A)もしくは32b−(C)の予備
吐出領域に対して予備吐出を実行するのに対し、2回目
・4目…等の偶数回目の相対走査では、32b−(B)
もしくは32b−(D)の予備吐出領域に対して予備吐
出を実行する。このように1回走査する度に予備吐出を
行っているので、走査と走査の間の休止によって生じる
吐出安定性の低下を招くことがない。また、奇数回目の
相対走査では基板に対してヘッドをY1からY2の方向
へ移動するのに対し、偶数回目の相対走査では基板に対
してヘッドをY2からY1の方向へ移動する。
【0107】尚、上記ステップS3における予備吐出を
実行するタイミングや位置は、上述したタイミングや位
置に限られるものでない。上記ステップS3では、図2
2に示すような位置に対して予備吐出動作を行うと説明
したが、本実施形態では図23に示すような位置に対し
て予備吐出を行ってもよい。すなわち、図23に示すよ
うに表示領域35の両側に予備吐出を行ってもよい。こ
の場合、1回の走査中では、下記〜の工程が順々に
行われる。予備吐出領域32b−(A)に予備吐出を
行う工程、カラーフィルタ54aにおける第1の凹部
にインク吐出を行う工程、予備吐出領域32b−
(E)に予備吐出を行う工程、予備吐出領域32b−
(F)に予備吐出を行う工程、カラーフィルタ54b
における第1の凹部にインク吐出を行う工程、予備吐
出領域32b−(B)に予備吐出を行う工程。図23の
ように両側に予備吐出を行うことでインク吐出状態の更
なる安定化が図れる。
【0108】このように予備吐出動作を実行すること
で、インク吐出開始時において吐出量の不安定性や吐出
方向の不安定性等が存在したとしても、表示領域内を着
色するときには吐出状態が安定化しているため、混色が
なく且つ均一な色濃度を有するカラーフィルタを製造す
ることができる。
【0109】図24は、第2の凹部(予備吐出領域)3
2bに吐出される複数のインクの着弾位置の間隔L1と
第1の凹部に吐出される複数のインクの着弾位置の間隔
L2との関係を示す図である。図24ではL1=L2の
関係となっており、予備吐出領域に対してインクを吐出
するときも表示領域に対してインクを吐出するときも、
同一の吐出間隔(吐出タイミング)にてインクを吐出す
ればよく、インク吐出制御が簡単である。尚、この吐出
条件を第1の吐出条件と称することとする。
【0110】これに対し、図25に示すように、第2の
凹部(予備吐出領域)32bに吐出される複数のインク
の着弾位置の間隔L1と第1の凹部に吐出される複数のイ
ンクの着弾位置の間隔L2との関係がL1<L2となるよ
うなインク吐出条件(第2の吐出条件)にて吐出動作を
行うことも考えられる。つまり、L1<L2の関係となる
ようなインク吐出条件にてインクを吐出すれば、予備吐
出領域に対して高密度でインクを吐出することができ、
予備吐出領域に対して多くの量のインクを吐出すること
ができる。この吐出方法は、例えば、高粘度のインクを
吐出する場合であって多くの量のインクを予備吐出する
必要がある場合には非常に有効である。また、予備吐出
領域における着弾インクの間隔を狭くすればする程、そ
れだけ単位長さあたりの着弾インクの数を多くすること
ができるため、予備吐出領域を小さくすることができ
る。つまり、仮に、10μm間隔で10発のインクを、
Xμmの長さの予備吐出領域に対して打ち込んでいたと
する。ここで上記間隔を5μmに変更すると、予備吐出
領域の長さはX/2μmでいいことになる。このように
予備吐出領域でのインクの着弾位置の間隔を狭めること
により、予備吐出領域を小さくすることができ、ひいて
は額縁部分の面積も小さくすることができる。上述した
ように、カラーフィルタの表示領域は年々広がる傾向に
あり、そのために額縁部分を狭くすることは非常に有効
である。尚、インクの着弾位置の間隔を狭めるために
は、インク吐出タイミングの間隔(インク吐出間隔)を
短くすることで実現できる。以上のように、予備吐出領
域でのインク吐出間隔を短くする、もしくはインクの着
弾位置の間隔を狭くすることで、予備吐出領域を小さく
することができる。また、多量のインクを予備吐出しな
ければならない場合であっても、インク吐出間隔を短く
したり、インクの着弾位置の間隔を狭くすることで対応
できる。このように図25に示すような上記吐出条件に
てインク吐出を行うことは、額縁部分を狭くすることが
でき、多量のインクを予備吐出することも可能であるの
で、非常に有効なインク吐出方法である。
【0111】また、図26のように、第2の凹部(予備
吐出領域)32bに対して吐出するときのインク吐出量
1と第1の凹部に対して吐出するときのインク吐出量M
2との関係がM1>M2となるようなインク吐出条件(第
3の吐出条件)にて吐出動作を行うことも考えられる。
つまり、M1>M2の関係となるようなインク吐出条件に
てインクを吐出すれば、予備吐出領域に対して多くの量
のインクを吐出することができる。この吐出方法は、例
えば、インクの粘度が高く、多くの量のインクを予備吐
出する必要がある場合には非常に有効である。また、予
備吐出領域の光学濃度を遮光部として必要とされる程度
の光学濃度( 遮光部の光学簿濃度に近い光学濃度)と
するために、予備吐出領域に打ち込むインクの量を多く
する必要がある場合等にも有効である。尚、予備吐出領
域でのインク吐出量を多くするには、上記プレパルスの
幅T1、休止時間T2、メインパルスの幅T3等を調整
すればよい。また、ここでいうインク吐出量とは、1回
の吐出動作にて吐出されるインクの量のことである。
【0112】さらに、このN第3の吐出条件と上記第2
の吐出条件とを組み合わせた吐出条件(第4の吐出条
件)にてインクを吐出すれば、第2吐出条件にてインク
を吐出する場合に比べて予備吐出領域を更に小さするこ
とが可能となる。また、予備吐出領域でのインク着弾位
置の間隔および/または予備吐出領域に対するインク吐
出量等を調整することで、予備吐出領域に充填するイン
クの量を調整することができ、これにより予備吐出領域
の平坦化が図れ、ひいてはカラーフィルタの平坦化にも
寄与することが可能となる。例えば、予備吐出領域に充
填するインクの量を増加させる場合には、インク着弾位
置の間隔を狭めるか、インク吐出量を多くするか、ある
いはこれらを組み合わせるか、を実行すればよく、一
方、予備吐出領域に充填するインクの量を減少させる場
合には、インク着弾位置の間隔を広くするか、インク吐
出量を少なくするか、あるいはこれらを組み合わせる
か、を実行すればよい。
【0113】以上のように、インク着弾位置・インク吐
出量・インク吐出タイミング等のインク吐出条件(イン
ク吐出パターン)を第1の凹部と第2の凹部とで異なら
せることで、予備吐出領域の縮小化やカラーフィルタの
平坦化等の図ることができる。尚、図24〜図26で
は、着色動作をイメージするために各インクの着弾ドッ
トが残った状態で示されているが、実際には、これら各
インクドットは第2の凹部(予備吐出領域)内で混ざり
合い(混色し)、全体にわたって黒色となっている。
【0114】図27は、カラーフィルタの着色動作及び
予備吐出動作を説明するための図である。図27では、
インクジェットヘッド55のノズルピッチとカラーフィ
ルタの画素ピッチとが一致していないため、ヘッド55
を傾けて着色を行うようにしている。そして、ここでは
4ノズルおきのノズルが常時使用しされ、他のノズルは
使用されない。つまり、黒丸で示したノズルが着色動作
で使用される使用ノズル271であり、白丸で示したノ
ズルが着色動作で使用されない不使用ノズル(予備ノズ
ル)275である。
【0115】このように使用ノズル271と不使用ノズ
ル275とがある場合、使用ノズル271のみで予備吐
出動作を行うようにしてもよいし、使用ノズル271と
不使用ノズル275の両方で予備吐出動作を行うように
してもよい。使用ノズル271のみで予備吐出動作を行
う場合、インクの使用量が少なくて済むというメリット
がある。一方、使用ノズル271と不使用ノズル275
の両方で予備吐出動作を行う場合、予備吐出領域に充填
されるインクの量が多くなり、それに伴い光学濃度もア
ップし、より濃度の高い黒色とすることができる。
【0116】また、使用ノズル271に不吐出等の異常
が発生した場合には、1ノズルずつ使用するノズルをず
らして予備ノズル275で着色を行う場合がある。この
ような場合でも、上記のように予備ノズル275からも
インクを予備吐出させておけば、全てのノズルが即座に
本吐出に対応できる状態となっているため、急に使用す
るノズルを切り替えたとしても正常な着色動作を実行す
ることができる。
【0117】尚、本実施形態では、第2の凹部(予備吐
出領域)内が全く区画されていない場合を示したが、第
2の凹部内は複数に区画されていてもよい。
【0118】以上のように本実施形態によれば、第1の
凹部の着色の直前に第2の凹部に対して予備吐出動作を
行っているため、第1の凹部を着色する際にはインク吐
出状態が安定しており、表示領域における混色の発生を
低減あるいは抑制することができる。
【0119】〔第2の実施形態〕本実施形態では、図2
8に示すように、ヘッドと基板の相対走査の方向におい
て、隣り合う画素領域の色が異なる色となるような着色
パターンを形成することを特徴としており、その他は上
記実施形態1と同じなので説明を省略する。
【0120】図28に示すような場合でも、第1の凹部
を着色する前に第2の凹部内に対しインクを予備吐出さ
せる。また、第2の凹部内で複数色のインクを混合さ
せ、第2の凹部を黒色とすることが好ましい。尚、図2
8では、予備吐出領域に吐出されたRGBのインクの着
弾位置が異なっているが、これには限定されず、同じ位
置にRGBのインクを予備吐出するようにしてもよい。
図28のような着色パターンを形成する場合において、
RGBのインクを同じ位置に予備吐出させるようにすれ
ば、上記第1の実施形態に比べて更に予備吐出領域を縮
小化することが可能となる。
【0121】〔その他の実施形態〕なお、本発明は、そ
の主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正又は変
形したものに適用可能である。
【0122】例えば、近年TFTアレイ側にカラーフィ
ルタを設けたパネルも存在するが、本明細書で定義して
いるカラーフィルタは、色材により着色された被着色体
であり、TFTアレイ側にあるか否かにかかわらず、ど
ちらも包含する。
【0123】また、上記実施形態ではR・G・Bの色材
を用いた場合について説明したが、色材はこれに限定さ
れるものでなく、例えば、C(シアン)・M(マゼン
タ)・Y(イエロー)の色材を用いることもできる。特
に、反射型カラーフィルタの場合ではCMYの色材を用
いることが有効である。
【0124】また、上記実施形態では、熱エネルギー方
式によるインクジェットヘッドの例を説明したが、本発
明はこれには限定されず、例えば、電気エネルギーが与
えられることによって変位し前記変位に伴う圧力変化に
よってインクを吐出させる圧電素子(ピエゾ素子)を備
えたヘッドも適用可能であるし、静電吸引力によりイン
クを吐出させるヘッドも適用可能である。
【0125】また、上記実施形態では、各色に対応して
1個のインクジェットヘッドを設けることとしたが、こ
れには限定されず、各色に対応して複数個のインクジェ
ットヘッドを用いることとしてもよい。例えば、Rヘッ
ドを2個、Gヘッドを2個、Bヘッドを2個用いてカラ
ーフィルタを製造してもよい。このように各色に対応し
て複数個のインクジェットヘッドを用いる場合、一度に
着色可能な領域が広くなるため着色時間の短縮化を図れ
る。
【0126】また、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々に変更して
適用することが可能である。
【0127】本発明は、たとえば、EL(エレクトロル
ミネッセンス、electroluminesence)表示素子の製造方
法や製造装置等にも適用可能である。EL表示素子は、
蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽
極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔
(ホール)を注入して再結合させることにより励起子を
生成させ、この励起子が失活する際の蛍光或いは燐光の
放出を利用して発光させる素子である。こうしたEL表
示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青
色の発光色を呈する材料を本発明の製造装置を用いて、
TFT等の素子基板上にインクジェット法によりパター
ニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製
造することができる。本発明には、このようなEL表示
素子、該表示素子の製造方法及びその製造装置等も含ま
れる。
【0128】本発明の製造装置は、EL材料が付着しや
すいように、樹脂レジスト、画素電極および下層となる
層の表面に対し、プラズマ処理、UV処理、カップリン
グ処理等の表面処理工程を実行するための手段を有する
ものであってもよい。
【0129】本発明の製造方法を用いて製造したEL表
示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示
等のローインフォメーション分野にも利用できるし、点
・線・面形状をもった光源としても利用することができ
る。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT
等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応
答性の優れたフルカラー表示素子を得ることが可能であ
る。
【0130】以下に、本発明により製造される有機EL
素子の一例を示す。図29に、有機EL素子の積層構造
断面図を示す。図29に示す有機EL素子は、透明基板
3001、隔壁(仕切り部材)3002、発光層(発光
部)3003、透明電極3004および金属層3006
を備えている。また、3007は、透明基板3001と
透明電極3004とから構成される部分を示しており、
これを駆動基板と呼ぶ。
【0131】透明基板3001としては、EL表示素子
としての透明性や機械的強度等の必要特性を有していれ
ば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板や
プラスチック基板等の光透過性の基板が適用可能であ
る。
【0132】隔壁(仕切り部材)3002は、液体付与
ヘッドから発光層3003となる材料を付与するに際し
隣接する画素間で該材料が混合しないように画素と画素
の間を隔離するための機能を有するものである。すなわ
ち、隔壁3002は混合防止壁として機能するのであ
る。また、この隔壁3002を透明基板3001上に設
けることにより、基板上には複数の凹部(画素領域)が
形成される。尚、隔壁3002は、該材料に対して親和
性の異なる多層構造であっても問題無い。
【0133】発光層3003は、電流を流すことにより
発光する材料、例えばポリフェニレンビニレン(PP
V)等公知の有機半導体材料を使用して、十分な光量が
得られる厚み、例えば0.05μm〜0.2μm程度積
層して構成される。発光層3003はインクジェット方
式によって薄膜材料液(自発光材料)を隔壁3002で
囲まれる凹部に充填し加熱処理することで形成される。
【0134】透明電極3004は、導電性がありかつ光
透過性のある材料、例えばITO等により構成されてい
る。透明電極3004は、画素単位で発光させるため
に、画素領域ごとに独立して設けられている。
【0135】金属層3006は、導電性のある金属材
料、例えばアルミニウムリチウム(Al−Li)を0.
1μm〜1.0μm程度積層して構成される。金属層3
006は、透明電極3004に対向する共通電極として
作用するように形成されている。
【0136】駆動基板3007は、図示しない薄膜トラ
ンジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等が多層に積
層されており、金属層3006および各透明電極300
4間に画素単位で電圧を印加可能に構成されている。駆
動基板3007は公知の薄膜プロセスによって製造され
る。
【0137】上記のような層構造を有する有機EL素子
において、透明電極3004と金属層3006との間に
電圧が印加された画素領域では、発光層3003に電流
が流れ、エレクトロルミネッセンス現象を生じ、透明電
極3004および透明基板3001を通して光が射出さ
れるようになっている。
【0138】ここで、有機EL素子の製造工程について説
明する。
【0139】図30は、有機EL素子の製造工程の一例を
示したものである。以下、図30に沿って、各工程
(a)〜(d)について説明する。
【0140】工程(a) まず、透明基板3001としてガラス基板を用い、これ
に図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜およ
び絶縁膜等を多層に積層したうえ、透明電極3004を
形成して画素領域に電圧を印加できるようにする。
【0141】工程(b) 次に、隔壁3002を各画素間にあたる位置に形成す
る。隔壁3002は、発光層となるEL材料液をインク
ジェット法によって付与する際に隣接する画素間でEL
材料液が混合しないようにするための混合防止壁として
機能するものであればよい。ここでは、黒色の材料を添
加したレジストを用いてフォトリソグラフィー法により
形成するが、本発明はこれには限定されず、種々の材
料、色、形成方法等が使用可能である。
【0142】工程(c) 次に、インクジェット方式よってEL材料を隔壁300
2で囲まれる凹部に充填し、その後加熱処理することで
発光層3003を形成する。
【0143】工程(d) さらに、発光層3003上に金属層3006を形成す
る。
【0144】この様な工程(a)〜(d)を経ることに
よって、簡便な工程でフルカラーのEL素子を形成する
ことが可能となる。特にカラーの有機EL素子を形成す
る場合には、赤、緑または青などの異なる発光色を有す
る発光層を形成する必要があるため、任意の位置に所望
のEL材料を吐出可能なインクジェット方式を用いるこ
とは有効である。
【0145】尚、本発明では、隔壁に囲まれる凹部内
に、表示に用いられるための材料を充填することで表示
部を形成しており、カラーフィルタであれば着色部が上
記表示部に相当し、EL素子であれば発光部が上記表示
部に相当する。上記着色部や発光部を含む表示部は、情
報の表示のために用いられる部分であり、視覚的に色を
認識するための部分でもある。
【0146】また、カラーフィルタの着色部やEL素子
の発光部は、色を生じさせる(色が発さられる)部分で
もあるため発色部というもできる。例えば、カラーフィ
ルタの場合、バックライトによる光が着色部を通過して
RGBの光が発せられ、また、EL素子の場合、発光部
が自発光することによりRGBの光が発せられる。
【0147】また、インクや自発光材料は、上記発色部
を形成するための材料であるので、発色を生じさせる材
料ということもできる。またインクや自発光材料は、液
体であるので、総称して液体材料ということもできる。
また、インクや自発光材料は、表示に用いられる表示部
を形成するための材料でもある。
【0148】また、上記では、カラーフィルタを製造す
るに際し、画素領域(第1の凹部)において混色が発生
することを起こりにくくすることができると説明した。
一方、EL素子の製造の場合、画素領域(第1の凹部)
において複数の自発光材料が混ざり合うことを起こりに
くすることができる。
【0149】以上のように本発明は、隔壁により囲まれ
る複数の凹部に材料を充填することで複数の表示部が形
成されたパネル、例えばカラーフィルタ・EL素子等を
含むカラー表示装置に使用されるパネル(表示用素子)
の製造に適用可能である。尚、この表示装置用のパネル
は上記カラーフィルタ及びEL表示素子に限定されるも
のでなく、基板上に設けられた凹部に液体材料を充填し
ていくことにより形成されたパネルであって、表示装置
に利用できるパネル全般を含むものである。
【0150】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネル
ギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーにより
インクの状態変化を生起させる方式のプリント装置につ
いて説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、
高精細化が達成できる。
【0151】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0152】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0153】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59-123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59-138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0154】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0155】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0156】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての加圧あるいは吸引手段、電気
熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うた
めに有効である。
【0157】以上説明した本発明実施形態においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化す
るものを用いても良く、使用記録信号付与時にインクが
液状をなすものであればよい。
【0158】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54-56847号公報あ
るいは特開昭60-71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
示部を形成するための第1の凹部において複数の材料が
混ざり合うことを起こりにくくすることができ、歩留ま
りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成
を示す概略図である。
【図2】カラーフィルタの製造装置の動作を制御する制
御部の構成を示す図である。
【図3】カラーフィルタの製造装置に使用されるインク
ジェットヘッドの構造を示す図である。
【図4】インクジェットヘッドに印加するための駆動パ
ルスの例を示した図である。
【図5】プレパルスを決定するためのデータがコントロ
ールボードのROMのエリアに格納されている様子を概
念的に示した図である。
【図6】パルス幅の異なる複数のプレパルスを示した図
である。
【図7】吐出制御回路の構成を示す図である。
【図8】プレパルス信号PHとメインパルス信号MHが
合成される様子を示す図である。
【図9】カラーフィルタの製造工程の一例を示した図で
ある。
【図10】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラ
ー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図11】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラ
ー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図12】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラ
ー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図13】液晶表示装置を情報処理装置に適用した場合
の概略構成を示すブロック図である。
【図14】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示
した図である。
【図15】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示
した図である。
【図16】第1の実施形態において用いた基板を示す図
である。
【図17】図12の基板に対してインクを吐出する様子
を示した図である。
【図18】第1の実施形態において製造されたカラーフ
ィルタを示す図である。
【図19】遮光部上に予備吐出されたインクが遮光部上
を自由に移動してしまい混色を発生させる場様子を示し
た図である。
【図20】カラーフィルタ54と対向基板24との間に
液晶化合物18を充填することにより形成された液晶表
示装置の断面図である。
【図21】カラーフィルタの着色工程を示すフローチャ
ートである。
【図22】予備吐出領域と表示領域の位置関係を示した
図である。
【図23】予備吐出領域と表示領域の位置関係を示した
図である。
【図24】第2の凹部(予備吐出領域)に吐出される複
数のインクの着弾位置の間隔L1と第1の凹部に吐出さ
れる複数のインクの着弾位置の間隔L2との関係を示す
図である。
【図25】第2の凹部(予備吐出領域)に吐出される複
数のインクの着弾位置の間隔L1と第1の凹部に吐出さ
れる複数のインクの着弾位置の間隔L2との関係を示す
図である。
【図26】第2の凹部(予備吐出領域)32bに対して
吐出するときのインク吐出量M1と第1の凹部に対して
吐出するときのインク吐出量M2との関係を示す図であ
る。
【図27】カラーフィルタの着色動作及び予備吐出動作
を説明するための図である。
【図28】ヘッドと基板の相対走査の方向と、カラーフ
ィルタの着色パターンとの関係を示した図である。
【図29】EL素子の構成の一例を示す図である。
【図30】EL素子の製造工程の一例を示す図である。
【図31】インクジェットヘッドを用いてカラーフィル
タを着色することを説明するための図である。
【図32】基板上の表示領域外の額縁部分にインクを予
備吐出することを説明するための図である。
【図33】基板上の表示領域外の額縁部分にインクを予
備吐出することを示す図である。
【図34】基板上の表示領域外の額縁部分にインクを予
備吐出することを示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ブラックマトリクス 2a 隔壁(仕切り部材) 3 着色部(表示部) 8 保護層 11 偏光板 16 共通電極 17 配向膜 18 液晶化合物 19 配向膜 20 画素電極 21 ガラス基板 22 偏光板 24 対向基板 23 バックライト 30 液晶表示装置 32 凹部 32a 第1の凹部 32b 第2の凹部(予備吐出領域) 35 表示領域 37 周辺領域 39 非表示部 51 装置架台 52 XYθステージ 53 カラーフィルタ基板 54 カラーフィルタ 55 インクジェットヘッド 56 テレビカメラ 58 制御コントローラ 59 ティーチングペンダント(パソコン) 60 キーボード 102 ヒータ 104 ヒータボード 106 天板 108 吐出口 110 液路 112 隔壁 114 液室 116 インク供給口 150 スペーサー 151 予備吐出インク 160 平坦性の悪い部分 163 予備吐出インクと遮光部との接触部分 271 使用ノズル 275 予備ノズル(不使用ノズル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/22 Z 33/22 B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C056 EA12 FA03 FA04 FB01 2H048 BA11 BA45 BA48 BA57 BA64 BA66 BB01 BB02 BB24 BB37 BB44 2H091 FA03Y FA35Y FB02 FC12 GA02 GA16 LA15 LA30 3K007 AB02 AB04 AB18 BA06 BB06 CA01 CA05 CB01 DA00 DB03 EA04 EB00 FA00 FA01 (54)【発明の名称】 カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置 および該表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置および該装置の製造方法、表示装置用の パネル、表示装置用のパネルの製造方法及び製造装置

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けた仕切り部材により囲まれ
    る複数の凹部内にインクジェットヘッドからインクを吐
    出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造する
    方法であって、 表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部
    と、表示には用いられない非表示部を形成するための第
    2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、 前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェット
    ヘッドからインクを吐出した後に、前記基板上の前記第
    1の凹部に対し前記インクジェットヘッドからインクを
    吐出することで前記着色部を形成する工程とを備え、 前記第1の凹部に対して前記インクを吐出するときの前
    記インクの吐出条件と前記第2の凹部に対して前記イン
    クを吐出するときの前記インクの吐出条件とが異なるこ
    とを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部に
    吐出される複数のインクの着弾位置の間隔に関する条件
    であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の凹部に吐出される前記複数の
    インクの着弾位置の間隔は、前記第1の凹部に吐出され
    る前記複数のインクの着弾位置の間隔より狭いことを特
    徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部に
    対して前記インクを吐出するときの前記インクの吐出間
    隔に関する条件である特徴とする請求項1に記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の凹部に対して前記インクを吐
    出するときの前記インクの吐出間隔は、前記第1の凹部
    に対して前記インクを吐出するときの前記インクの吐出
    間隔より短いことを特徴とする請求項4に記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部に
    対して前記インクを吐出するときのインク吐出量に関す
    る条件であることを特徴とする請求項1に記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の凹部に対して前記インクを吐
    出するときのインク吐出量は、前記第1の凹部に対して
    前記インクを吐出するときのインク吐出量より多いこと
    を特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記仕切り部材は、光を遮光するための
    遮光部であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記遮光部は、ブラックマトリクスであ
    ることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ブラックマトリクスは、黒色の樹
    脂材料からなることを特徴とする請求項9に記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記黒色の樹脂材料からなるブラック
    マトリクスの表面は發インク性であることを特徴とする
    請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記インクは樹脂を含有していること
    を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記インクは異なる複数の色のインク
    であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記異なる複数の色のインクとは、赤
    色のインク、青色のインク、緑色のインクであることを
    特徴とする請求項13に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  15. 【請求項15】前記第1の凹部の各々に形成される前記
    着色部の各々は、前記赤色のインク、青色のインク、緑
    色のインクのいずれかのインクにより形成され、 前記着色部の各々は、赤色、青色、緑色のいずれかの色
    を呈することを特徴とする請求項14に記載のカラーフ
    ィルタの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第2の凹部内に吐出される複数色
    のインクは、前記第2の凹部内において混ざり合うこと
    により前記非表示部を形成することを特徴とする請求項
    1乃至15のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記非表示部は、前記遮光部として必
    要とされる光学濃度を有することを特徴とする請求項1
    6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記非表示部の光学濃度は、前記遮光
    部の光学濃度と略同じであることを特徴とする請求項1
    7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記非表示部は、黒色に着色されてい
    ることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記インクジェットヘッドは、熱エネ
    ルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、イ
    ンクに与える熱エネルギーを発生させるための熱エネル
    ギー発生体を備えていることを特徴とする請求項1乃至
    19のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記インクジェットヘッドは、電気エ
    ネルギーが与えられることによって変位し前記変位に伴
    う圧力変化によってインクを吐出させるピエゾ素子を備
    えることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  22. 【請求項22】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にインクジェットヘッドからインクを
    吐出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造す
    る装置であって、 表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と
    表示には用いられない非表示部を形成するための第2の
    凹部とを共に有する基板と、前記インクジェットヘッド
    とを相対的に移動させるための移動手段と、 前記移動手段によって前記基板と前記インクジェットヘ
    ッドを相対移動させながら、前記基板上の前記第2の凹
    部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出さ
    せた後に前記基板上の前記第1の凹部に対し前記インク
    ジェットヘッドからインクを吐出することで前記着色部
    を形成するように、前記インクジェットヘッドと前記移
    動手段とを制御するための制御手段とを備え、 前記第1の凹部に対して前記インクを吐出するときの前
    記インクの吐出条件と前記第2の凹部に対して前記イン
    クを吐出するときの前記インクの吐出条件とが異なるこ
    とを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
  23. 【請求項23】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部
    に吐出される複数のインクの着弾位置の間隔に関する条
    件であることを特徴とする請求項22に記載のカラーフ
    ィルタの製造装置。
  24. 【請求項24】 前記第2の凹部に吐出される前記複数
    のインクの着弾位置の間隔は、前記第1の凹部に吐出さ
    れる前記複数のインクの着弾位置の間隔より狭いことを
    特徴とする請求項23に記載のカラーフィルタの製造装
    置。
  25. 【請求項25】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部
    に対して前記インクを吐出するときの前記インクの吐出
    間隔に関する条件である特徴とする請求項22に記載の
    カラーフィルタの製造装置。
  26. 【請求項26】 前記第2の凹部に対して前記インクを
    吐出するときの前記インクの吐出間隔は、前記第1の凹
    部に対して前記インクを吐出するときの前記インクの吐
    出間隔より短いことを特徴とする請求項25に記載のカ
    ラーフィルタの製造装置。
  27. 【請求項27】 前記インクの吐出条件とは、前記凹部
    に対して前記インクを吐出するときのインク吐出量に関
    する条件であることを特徴とする請求項22に記載のカ
    ラーフィルタの製造装置。
  28. 【請求項28】 前記第2の凹部に対して前記インクを
    吐出するときのインク吐出量は、前記第1の凹部に対し
    てインクを吐出するときのインク吐出量より多いことを
    特徴とする請求項27に記載のカラーフィルタの製造装
    置。
  29. 【請求項29】 前記仕切り部材は、光を遮光するため
    の遮光部であることを特徴とする請求項22乃至28の
    いずれかに記載のカラーフィルタの製造装置。
  30. 【請求項30】 前記遮光部は、ブラックマトリクスで
    あることを特徴とする請求項29に記載のカラーフィル
    タの製造装置。
  31. 【請求項31】 前記ブラックマトリクスは、黒色の樹
    脂材料からなることを特徴とする請求項30に記載のカ
    ラーフィルタの製造装置。
  32. 【請求項32】 前記黒色の樹脂材料からなるブラック
    マトリクスの表面は發インク性であることを特徴とする
    請求項31に記載のカラーフィルタの製造装置。
  33. 【請求項33】 前記インクは樹脂を含有していること
    を特徴とする請求項22乃至32のいずれかに記載のカ
    ラーフィルタの製造装置。
  34. 【請求項34】 前記インクは異なる複数の色のインク
    であることを特徴とする請求項22乃至33のいずれか
    に記載のカラーフィルタの製造装置。
  35. 【請求項35】 前記異なる複数の色のインクとは、赤
    色のインク、青色のインク、緑色のインクであることを
    特徴とする請求項34に記載のカラーフィルタの製造装
    置。
  36. 【請求項36】 前記第1の凹部の各々に形成される前
    記着色部の各々は、前記赤色のインク、青色のインク、
    緑色のインクのいずれかのインクにより形成され、 前記着色部の各々は、赤色、青色、緑色のいずれかの色
    を呈することを特徴とする請求項35に記載のカラーフ
    ィルタの製造装置。
  37. 【請求項37】 前記第2の凹部内に吐出される複数色
    のインクは、前記第2の凹部内において混ざり合うこと
    により前記非表示部を形成することを特徴とする請求項
    22乃至36のいずれかに記載のカラーフィルタの製造
    装置。
  38. 【請求項38】 前記非表示部は、前記遮光部として必
    要とされる光学濃度を有することを特徴とする請求項3
    7に記載のカラーフィルタの製造装置。
  39. 【請求項39】 前記非表示部の光学濃度は、前記遮光
    部の光学濃度と略同じであることを特徴とする請求項3
    8に記載のカラーフィルタの製造装置。
  40. 【請求項40】 前記非表示部は、黒色を呈しているこ
    とを特徴とする請求項37乃至39のいずれかに記載の
    カラーフィルタの製造装置。
  41. 【請求項41】 前記インクジェットヘッドは、熱エネ
    ルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、イ
    ンクに与える熱エネルギーを発生させるための熱エネル
    ギー発生体を備えていることを特徴とする請求項22乃
    至40のいずれかに記載のカラーフィルタの製造装置。
  42. 【請求項42】 前記インクジェットヘッドは、電気エ
    ネルギーが与えられることによって変位し前記変位に伴
    う圧力変化によってインクを吐出させるピエゾ素子を備
    えることを特徴とする請求項22乃至40のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造装置。
  43. 【請求項43】 請求項1乃至21のいずれかに記載の
    製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  44. 【請求項44】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にインクが充填されてなる形成された
    複数の着色部を有するカラーフィルタを備えた表示装置
    であって、 請求項43に記載のカラーフィルタと、 光量を可変とする光量可変手段と、 を備えることを特徴とする表示装置。
  45. 【請求項45】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色
    部を有するカラーフィルタを用いた表示装置を備えた装
    置であって、 請求項44に記載の表示装置と、 該表示装置に画像信号を供給するための画像信号供給手
    段と、 を具備することを特徴とする、表示装置を備えた装置。
  46. 【請求項46】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色
    部を有するカラーフィルタを備えた表示装置を製造する
    方法であって、 請求項1乃至21のいずれかに記載の製造方法によりカ
    ラーフィルタを製造する工程と、 前記製造されたカラーフィルタと、光量を可変とする光
    量可変手段とを一体化する工程と、 を備えることを特徴とする表示装置の製造方法。
  47. 【請求項47】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色
    部を有するカラーフィルタを用いた表示装置を備えた装
    置を製造する方法であって、 請求項46に記載の製造方法により表示装置を製造する
    工程と、 表示装置に画像信号画像信号を供給するための画像信号
    供給手段と、前記製造された表示装置とを接続する工程
    と、 を具備することを特徴とする、表示装置を備えた装置の
    製造方法。
  48. 【請求項48】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にヘッドから表示に用いられる材料を
    付与して表示部を有する表示装置用のパネルを製造する
    方法であって、 表示に用いられる前記表示部を形成するための第1の凹
    部と、表示には用いられない非表示部を形成するための
    第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、 前記基板上の前記第2の凹部に対し前記ヘッドから前記
    材料を付与した後に、前記基板上の前記第1の凹部に対
    し前記ヘッドから前記材料を付与することで前記表示部
    を形成する工程とを備え、 前記第1の凹部に対して前記材料を付与するときの前記
    材料の付与条件と前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与条件とが異なることを特徴
    とする表示装置用パネルの製造方法。
  49. 【請求項49】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    付与される複数の材料の着弾位置の間隔に関する条件で
    あることを特徴とする請求項48に記載の表示装置用パ
    ネルの製造方法。
  50. 【請求項50】 前記第2の凹部に付与される前記複数
    の材料の着弾位置の間隔は、前記第1の凹部に付与され
    る前記複数の材料の着弾位置の間隔より狭いことを特徴
    とする請求項49に記載の表示装置用パネルの製造方
    法。
  51. 【請求項51】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与間隔に
    関する条件である特徴とする請求項48に記載の表示装
    置用パネルの製造方法。
  52. 【請求項52】 前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与間隔は、前記第1の凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与間隔よ
    り短いことを特徴とする請求項51に記載の表示装置用
    パネルの製造方法。
  53. 【請求項53】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与量に関
    する条件であることを特徴とする請求項48に記載の表
    示装置用パネルの製造方法。
  54. 【請求項54】 前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与量は、前記第1の凹部に対
    して前記材料を付与するときの前記材料の付与量より多
    いことを特徴とする請求項53に記載の表示装置用パネ
    ルの製造方法。
  55. 【請求項55】 前記材料は、電圧を印加したときに発
    光する自発光材料であることを特徴とする請求項48乃
    至54のいずれかに記載の表示装置用パネルの製造方
    法。
  56. 【請求項56】 前記自発光材料とは、EL材料である
    ことを特徴とする請求項55に記載の表示装置用のパネ
    ルの製造方法。
  57. 【請求項57】 前記第1の凹部に形成される前記表示
    部は、前記EL材料により形成される発光層であること
    を特徴とする請求項56に記載の表示装置用パネル製造
    方法。
  58. 【請求項58】 前記発光層は、赤色を発光するための
    発光層、青色を発光するための発光層、緑色を発光する
    ための発光層からなることを特徴とする請求項57に記
    載の表示装置用パネルの製造方法。
  59. 【請求項59】 前記表示素子は、EL素子であること
    を特徴とする請求項48乃至58のいずれかに記載の表
    示装置用パネルの製造方法。
  60. 【請求項60】 基板上に設けた仕切り部材により囲ま
    れる複数の凹部内にヘッドから表示に用いられる材料を
    付与して表示部を有する表示装置用のパネルを製造する
    ための装置であって、 表示に用いられる前記表示部を形成するための第1の凹
    部と表示には用いられない非表示部を形成するための第
    2の凹部とを共に有する基板と、前記ヘッドとを相対的
    に移動させるための移動手段と、 前記移動手段によって前記基板と前記ヘッドを相対移動
    させながら、前記基板上の第2の凹部に対し前記ヘッド
    から前記材料を付与させた後に前記基板上の前記第1の
    凹部に対し前記ヘッドから前記材料を付与することで前
    記表示部を形成するように、前記ヘッドと前記移動手段
    とを制御するための制御手段とを備え、 前記第1の凹部に対して前記材料を付与するときの前記
    材料の付与条件と前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与条件とが異なることを特徴
    とする表示装置用パネルの製造装置。
  61. 【請求項61】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    付与される複数の材料の着弾位置の間隔に関する条件で
    あることを特徴とする請求項60に記載の表示装置用パ
    ネルの製造装置。
  62. 【請求項62】 前記第2の凹部に付与される前記複数
    の材料の着弾位置の間隔は、前記第1の凹部に付与され
    る前記複数の材料の着弾位置の間隔より狭いことを特徴
    とする請求項61に記載の表示装置用パネルの製造装
    置。
  63. 【請求項63】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与間隔に
    関する条件である特徴とする請求項60に記載の表示装
    置用パネルの製造装置。
  64. 【請求項64】 前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与間隔は、前記第1の凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与間隔よ
    り短いことを特徴とする請求項63に記載の表示装置用
    パネルの製造装置。
  65. 【請求項65】 前記材料の付与条件とは、前記凹部に
    対して前記材料を付与するときの前記材料の付与量に関
    する条件であることを特徴とする請求項60に記載の表
    示装置用パネルの製造装置。
  66. 【請求項66】 前記第2の凹部に対して前記材料を付
    与するときの前記材料の付与量は、前記第1の凹部に対
    して前記材料を付与するときの前記材料の付与量より多
    いことを特徴とする請求項65に記載の表示装置用パネ
    ルの製造装置。
  67. 【請求項67】 前記材料は、電圧を印加したときに発
    光する自発光材料であることを特徴とする請求項60乃
    至66のいずれかに記載の表示装置用パネルの製造装
    置。
  68. 【請求項68】 前記自発光材料とは、EL材料である
    ことを特徴とする請求項67に記載の表示装置用パネル
    の製造装置。
  69. 【請求項69】 前記第1の凹部に形成される前記表示
    部は、前記EL材料により形成される発光層であること
    を特徴とする請求項68に記載の表示装置用パネルの製
    造装置。
  70. 【請求項70】 前記発光層は、赤色を発光するための
    発光層、青色を発光するための発光層、緑色を発光する
    ための発光層からなることを特徴とする請求項69に記
    載の表示装置用パネルの製造装置。
  71. 【請求項71】 前記表示素子は、EL素子であること
    を特徴とする請求項60乃至70のいずれかに記載の表
    示装置用パネルの製造装置。
  72. 【請求項72】 請求項48乃至59のいずれかに記載
    の製造方法により製造された表示装置用パネル。
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