JP2002021732A - 圧力調節弁とこれを用いた気体圧縮機 - Google Patents

圧力調節弁とこれを用いた気体圧縮機

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JP2002021732A
JP2002021732A JP2000207292A JP2000207292A JP2002021732A JP 2002021732 A JP2002021732 A JP 2002021732A JP 2000207292 A JP2000207292 A JP 2000207292A JP 2000207292 A JP2000207292 A JP 2000207292A JP 2002021732 A JP2002021732 A JP 2002021732A
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Yasuhide Kumakura
泰秀 熊倉
Toru Takahashi
徹 高橋
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力調節弁付きの気体圧縮機を低コストに製
造できるようにする。 【解決手段】 圧力調節弁50の構造上、吸入室11と
背圧室23に通じる通路51の途中に、背圧室23に通
じる連絡通路58を設け、該通路51内にスプール60
をスライド可能に配置し、両室11、23の差圧力によ
り、スプール一端面60aが連絡通路58を越える位置
まで進むと、通路51の吸入室開口端51a側と連絡通
路58との連通状態がスプール60の胴体腹部により遮
断され、逆に、スプール一端面60aが連絡通路58を
越えない位置まで戻ると、通路51の吸入室開口端51
a側と連絡通路58とが連通状態となるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーエアコンシス
テム等に用いられる気体圧縮機に関し、特に、圧力調節
弁付きの気体圧縮機を低コストに製造できるようにした
ものである。
【0002】
【従来の技術】図4はカーエアコンシステム用の気体圧
縮機を示したものであり、同図の気体圧縮機は、吸入室
11と背圧室23間での室内圧力の逆転現象を防止する
手段として、圧力調節弁50を内蔵している。
【0003】すなわち、図4に示した気体圧縮機の場
合、その運転時は、吸入室11内の低圧冷媒をシリンダ
1内で圧縮し高圧冷媒として吐出室19へ吐出するた
め、この吐出室19と、これにオイル供給路(油穴21
や軸受5、6クリアランス等)を介して通じている背圧
室23とを比較したとき、その両室内圧力は吸入室11
の方が低くなる。しかし、特に、真夏の炎天下に車両を
停止状態で長時間駐車したとき等においては、エアコン
システムを構成するエバポレータ内の油中に冷媒が溶け
込んでいることと、その油中の冷媒が高温の外気で暖め
られて発泡ガス化し気体圧縮機の吸入室11側へ流入す
ること等から、気体圧縮機を起動する以前の停止状態
で、吸入室11の室内圧力の方が背圧室23の室内圧力
よりも高くなる、いわゆる圧力の逆転現象が生じること
がある。
【0004】また、図4に示したようなベーンロータリ
ー式の気体圧縮機においては、図5に示したように、シ
リンダ1内側での圧縮室10の容積変化により冷媒の圧
縮が行われるが、この圧縮室10を仕切り形成している
ベーン9の先端にも、吸入室11からシリンダ1内に吸
い込まれる冷媒の圧力が作用する。
【0005】したがって、図4に示した構造の気体圧縮
機によると、その起動以前の停止状態で、上記のような
吸入室11と背圧室23間での室内圧力の逆転が生じ、
この逆転のため、吸入室11内の冷媒の圧力によりベー
ン9がロータ4のベーン溝8内に押し戻されていること
から、起動時に、ベーン9等によって仕切り形成される
圧縮室10の密閉性が失われ、圧縮室10の容積変化に
よる冷媒の圧縮機能が低下するという不具合が生じる。
【0006】そこで、図4の気体圧縮機では、背圧室2
3と吸入室11の間に、図6に示すような圧力調節弁5
0を設置し、この圧力調節弁50により背圧室23と吸
入室11との間での室内圧力の逆転現象が防止されるも
のとしている。
【0007】図6に示した圧力調節弁50は、吸入室1
1と背圧室23を結ぶ通路51の吸入室開口端側を大径
に開口形成するとともに、その大径開口孔51cに鋼球
形状の弁体55を入れた後、該大径開口孔51cに円筒
状のブッシュ54を圧入してなる構造であり、該ブッシ
ュ54の円筒中空孔54aの奥端部側に、上記弁体55
の弁座部として円錐台状の孔52が開設されている。
【0008】上記のような構造の圧力調節弁50の場
合、吸入室11の室内圧力が背圧室23の室内圧力に比
し低いときは、その両室11、23の差圧力により弁体
55が円錐台状の孔52に押し込まれて通路51を閉と
するが、その両室11、23の室内圧力が逆転すると、
逆転時の両室11、23の差圧力により弁体55が円錐
台状の孔52から離脱移動して通路51を開とする。こ
れにより、吸入室11の圧力が通路51を通じて背圧室
23側へ開放され、かつ吸入室11の室内圧力が背圧室
23の室内圧力と等しくなる。
【0009】しかしながら、上記のような従来構造の圧
力調節弁50によると、通路51の大径開口孔51cに
円筒状のブッシュ54を圧入する構造であるため、ブッ
シュ54の材料費、加工費等を要するばかりでなく、気
体圧縮機の組立製造上、そのブッシュ54の圧入工程や
高価なブッシュ用の圧入機が必要となり、気体圧縮機の
組立製造コストが高くなるという問題がある。
【0010】また、従来構造の圧力調節弁50にあって
は、円筒状ブッシュ54が圧入される大径開口孔51c
や、弁体55の弁座部となる円錐台状の孔52のよう
に、少なくとも2箇所に精度の要求される穴加工が必要
となり、これらも気体圧縮機の組立製造上、コストアッ
プの要因となっている。
【0011】さらに、従来構造の圧力調節弁50による
と、その構造上、ブッシュ54の圧入時には予め通路5
1の大径開口孔51cに弁体55を入れておくか、また
はブッシュ54と一緒に弁体55を大径開口孔51cに
入れる必要があるが、ブッシュ54や弁体55という独
立した別部品が2つあることから、気体圧縮機への組付
け作業が煩雑で、弁体55の入れ忘れ防止の管理が必要
となり、この点でも気体圧縮機の組立製造上、コストア
ップの要因となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、その目的とすると
ころは、圧力調節弁付きの気体圧縮機を低コストに製造
できるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る圧力調節弁は、第1の室および第2の
室を結ぶ通路と、上記通路の途中から上記第2の室に通
じる連絡通路と、上記通路内にスライド可能に配置され
たスプールとからなり、上記第1の室の室内圧力が上記
第2の室の室内圧力に比し低いときは、その両室の差圧
力により上記スプールがスライド前進し、これにより該
スプールの一端面が上記連絡通路を越える位置まで進む
と、上記通路の第1の室への開口端側と上記連絡通路と
の連通状態が上記スプールにより遮断され、上記両室の
室内圧力が逆転したときは、その逆転時の両室の差圧力
により上記スプールがスライド後退し、これにより該ス
プールの一端面が上記連絡通路を越えない位置まで戻る
と、上記通路の第1の室への開口端側と上記連絡通路と
が連通状態となることを特徴とするものである。
【0014】本発明に係る圧力調節弁は、上記連絡通路
が、上記通路の途中に一端を開口し、他端を上記第2の
室に開口してなる孔からなることを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明に係る圧力調節弁は、上記連絡通路
が、上記通路の途中から上記第2の室側に向かって切込
み形成された該通路内壁の溝からなることを特徴とする
ものである。
【0016】また、本発明に係る気体圧縮機は、一対の
サイドブロック間に配置されたシリンダと、上記両サイ
ドブロックに設けた軸受とこれに支持されるロータ軸と
を介して上記シリンダ内側に回転可能に横架されたロー
タと、上記ロータ外周面から上記シリンダ内壁に向かっ
て出没自在に設けられたベーンと、上記シリンダ、サイ
ドブロック、ロータおよびベーンによって仕切り形成さ
れるとともに、該ロータの回転により容積の大小変化を
繰り返し、この容積変化により吸入室内の冷媒を吸入し
圧縮して吐出室側へ吐出する圧縮室と、上記吐出室底部
のオイル溜まりから上記サイドブロックの軸受クリアラ
ンスを経て上記ベーン底部に連通する背圧室側へオイル
を圧送するオイル供給路と、上記冷媒の吸入圧力と上記
背圧室圧力が逆転したときに、その両圧力を等しくする
圧力調節弁とを備えてなる気体圧縮機において、上記圧
力調節弁が、上記吸入室側に一端を開口し、他端を背圧
室側に開口してなる通路と、上記通路の途中から上記背
圧室に通じる連絡通路と、上記通路内にスライド可能に
配置されたスプールとからなり、上記吸入室の室内圧力
が上記背圧室の室内圧力に比し低いときは、その両室の
差圧力により上記スプールがスライド前進し、これによ
り該スプールの一端面が上記連絡通路を越える位置まで
進むと、上記通路の吸入室開口端側と上記連絡通路との
連通状態が上記スプールにより遮断され、上記両室の室
内圧力が逆転したときは、その逆転時の両室の差圧力に
より上記スプールがスライド後退し、これにより該スプ
ールの一端面が上記連絡通路を越えない位置まで戻る
と、上記通路の吸入室開口端側と上記連絡通路とが連通
状態となることを特徴とするものである。
【0017】本発明に係る気体圧縮機は、上記連絡通路
が、上記通路の途中に一端を開口し、他端を上記背圧室
に開口してなる孔からなることを特徴とするものであ
る。
【0018】本発明に係る気体圧縮機は、上記連絡通路
が、上記通路の途中から上記背圧室側に向かって切込み
形成された該通路内壁の溝からなることを特徴とするも
のである。
【0019】本発明では、圧力調節弁の組み付け作業
が、通路内にスプールという1部品を配置するだけで済
む。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気体圧縮機の
実施形態について図1ないし図5を基に詳細に説明す
る。
【0021】本実施形態の気体圧縮機の基本的な構成は
図4および図5に示されている。すなわち、同図の気体
圧縮機は内周略楕円状のシリンダ1を有し、シリンダ1
の両端面にはサイドブロック2、3がそれぞれ取り付け
られている。このように左右一対のサイドブロック2、
3間に配置されたシリンダ1の内側にはロータ4が配設
されており、ロータ4は、その軸心に一体に設けられた
ロータ軸5と、これを支持する両サイドブロック2、3
の軸受6、7とを介して回転可能に横架されている。
【0022】ロータ4にはその径方向にスリット状のベ
ーン溝8が複数切り込み形成され、その各ベーン溝8の
それぞれにベーン9が1つずつ装着されており、これら
のベーン9はそれぞれロータ4外周面からシリンダ1内
壁に向かって出没自在に設けられている。
【0023】シリンダ1の内側は、シリンダ1内壁、サ
イドブロック2、3内面、ロータ4外周面およびベーン
9先端側両側面によって複数の小室に仕切られ、この仕
切り形成された小室が圧縮室10であり、圧縮室10は
ロータ4が図中矢印イの方向に回転することにより容積
の大小変化を繰り返す。
【0024】圧縮室10の容積変化が生じると、その容
積増加時に、吸入室(第1の室)11内の低圧冷媒が、
シリンダ1等の吸入通路12とサイドブロック2、3の
吸入口13を介して圧縮室10へ吸入される。そして、
圧縮室10の容積が減少し始めると、その容積減少効果
により圧縮室10内の冷媒が圧縮され始める。その後、
圧縮室10の容積が最小付近に近づくと、圧縮された高
圧冷媒の圧力により、シリンダ1楕円短径部付近に位置
するシリンダ吐出孔14のリードバルブ15が開く。こ
れにより、圧縮室10内の高圧冷媒は、シリンダ吐出孔
14からシリンダ1外部空間の吐出チャンバ16へ吐出
し、さらに吐出チャンバ16から油分離器18等を経て
吐出室19側へ導かれる。
【0025】吐出チャンバ16内に吐出した高圧冷媒中
には、潤滑油がミストの状態で含まれており、この高圧
冷媒中の潤滑油成分は、油分離器18を通過する際に分
離され、吐出室19底部のオイル溜まり20に滴下し貯
留される。
【0026】オイル溜まり20には、吐出室19内へ吐
出した高圧冷媒の圧力が作用しており、このような吐出
圧力Pdの作用するオイル溜まり20のオイルは、オイ
ル供給路、すなわちサイドブロック2、3やシリンダ1
の油穴21、軸受6、7クリアランスをその順に通過
し、最終的にベーン9底部に連通する背圧室(第2の
室)23へ圧送される。なお、背圧室23は、サイドブ
ロック2、3のシリンダ対向面側に形成されたサライ溝
22と、これに繋がるベーン9の底部空間とから構成さ
れる。そして、この背圧室23に圧送されたオイルの圧
力が、ベーン9をシリンダ1内壁に向かって押し上げる
力(背圧)として、当該ベーン9に作用する。
【0027】本実施形態の気体圧縮機には、冷媒の吸入
圧力と背圧室圧力が逆転したときに、これを等しくする
手段として、図1に示すような構造の圧力調節弁50が
内蔵されている。
【0028】同図の圧力調節弁50は、サイドブロック
2に穿孔形成した通路51と、この通路51の途中から
背圧室23に通じる連絡通路58とを備えており、通路
51の一端は吸入室11に開口され、該通路51の他端
は背圧室23に開口されている。本実施形態の場合、連
絡通路58は孔59からなり、この孔59の一端は通路
51の途中に開口され、該孔59の他端は背圧室23に
開口されている。
【0029】通路51内には、スプール60が該通路5
1に沿ってスライド可能に配置されており、このスプー
ル60の一端面60aには、通路51の吸入室開口端5
1a側から吸入室11の室内圧力が作用する一方、その
スプール60の他端面60bには、通路51の背圧室開
口端51b側から背圧室23の室内圧力が作用するよう
に構成されている。したがって、スプール60は、吸入
室11と背圧室23の両室内圧力の差圧力により、前後
にスライド移動できる。
【0030】また、図1に示した圧力調節弁50の場
合、吸入室11の室内圧力が背圧室23の室内圧力に比
し低いときは、その両室11、23の差圧力によりスプ
ール60が通路51の吸入室開口端51aに向かってス
ライド前進する。これにより、スプール60の一端面6
0aが連絡通路58を越える位置(本実施形態において
は孔59の通路側開口端59aを越える位置)まで進む
と、そのスプールの一端面60aが吸入室11内のスト
ッパ62に当接して止まるとともに、通路51の吸入室
開口端側51aと連絡通路58との連通状態がスプール
60の胴体腹部により遮断される。
【0031】そして、上記両室11、23の室内圧力が
逆転したとき、つまり吸入室11の室内圧力が背圧室2
3の室内圧力に比し高くなると、その逆転時の両室1
1、23の差圧力によりスプール60が通路51の背圧
室開口端51b側へ向かってスライド後退し、これによ
り、スプール60の一端面60aが連絡通路58を越え
ない位置(本実施形態では孔59の通路側開口端59a
を越えない位置)まで戻ると、そのスプールの他端面6
0bが通路51内のストッパ62に当接して止まるとと
もに、それまで遮断されていた通路51の吸入室開口端
51a側と連絡通路59とが連通状態となる。
【0032】なお、本実施形態の気体圧縮機において
も、図4を用いて説明すると、その外装ケース24を構
成しているフロントヘッド25の内側ボス部26が吸入
室11内に位置する構造であることから、その内側ボス
部26の先端側を圧力調節弁50側まで延長し、この延
長部分が吸入室11内のストッパ62として機能するよ
うに構成している。また、通路51内のストッパ62に
ついては、通路51の背圧室開口端51b側に段部63
を設け、この段部63がストッパ62として機能するよ
うに構成している。
【0033】次に、上記の如く構成された気体圧縮機の
動作について図1および図4を用いて説明する。
【0034】図4に示したように、本実施形態の気体圧
縮機にあっても、その運転を開始すると、吸入室11内
の低圧冷媒がシリンダ1内で圧縮され高圧冷媒として吐
出室19側へ吐出されるため、この吐出室19とこれに
オイル供給路(油穴21や軸受5、6クリアランス等)
を介して通じている背圧室23とを運転中に比較する
と、吸入室11の室内圧力の方が低くなる。このような
圧力関係が維持されている間は、図1(a)に示したよ
うに、上記両室11、23の差圧力により、圧力調節弁
50のスプール一端面60aが孔59の通路側開口端5
9aを越える位置まで進み、通路51の吸入室開口端側
51aと連絡通路58との連通状態が該スプール60の
胴体腹部により遮断されている。したがって、背圧室2
3側の圧力が連絡通路58を介して吸入室11側へ抜け
ることはない。
【0035】ところで、本実施形態の気体圧縮機におい
ても、真夏の炎天下に車両を停止状態で長時間駐車した
とき等に、従来と同様な現象、すなわち気体圧縮機を起
動する以前の停止状態で、吸入室11の室内圧力の方が
背圧室23の室内圧力よりも高くなる、いわゆる圧力の
逆転現象が生じ得る。
【0036】上記のような圧力の逆転現象が生じると、
図1(b)に示したように、その逆転時の両室11、2
3の差圧力により、圧力調節弁50のスプール一端面6
0aが孔59の通路側開口端59aを越えない位置まで
戻り、通路51の吸入室開口端側51aと連絡通路58
とが連通状態となる。したがって、吸入室11の圧力が
通路51の吸入室開口端側51aから連絡通路58を介
して背圧室23側へ抜け、その両室11、23の室内圧
力が等しくなる。
【0037】以上説明したように、上記実施形態の気体
圧縮機にあっては、圧力調節弁50として、通路51内
に弁体55やブッシュ54という2部品を配置する従来
構造(図6参照)を廃止し、これに代えて、通路51内
にスプール60という1部品を配置するだけの構造を採
用したものである。このため、部品点数が減り、ブッシ
ュ54の圧入工程や高価なブッシュ用の圧入機が不要と
なるとともに、スプール60のスライドする通路51だ
けに精度の要求される穴加工を施せばよく、高精度の穴
加工を要する部位が1箇所で済むこと等から、低コスト
に製造することができる。
【0038】なお、図1の実施形態では孔59からなる
連絡通路58を採用したが、その連絡通路58は図2に
示すような溝61から構成することもでき、この場合、
該溝61は、通路51の途中から背圧室23側に向かっ
て該通路51内壁に切込み形成されるものとする。
【0039】図2に示した構造の溝61からなる連絡通
路58を採用した場合、スプール60の一端面60aが
溝61の通路側切込端61aを越える位置まで進むと、
通路51の吸入室開口端側51aと連絡通路58との連
通状態が該スプール60の胴体腹部により遮断される。
そして、スプール60の一端面60aが溝61の通路側
切込端61aを越えない位置まで戻ると、それまで遮断
されていた通路51の吸入室開口端51a側と連絡通路
59とが連通状態となる。
【0040】また、図1の実施形態では、スリーブ60
の一端面60aが吸入室11内のストッパ62に直接当
接するように構成したが、この当接形態については、図
3に示すように、そのスリーブ端面60a側に小径の凸
部64を設け、この凸部64が吸入室11内のストッパ
62に当接するように構成することもできる。
【0041】本発明に係る圧力調節弁は、上記実施形態
の気体圧縮機のほか、2つの室の室内圧力が逆転したと
きに、これを確実かつ速やかに等しくする必要性のある
機器に広く適用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明にあっては、上記の如く、圧力調
節弁として、通路内に弁体やブッシュという2部品を配
置する従来構造に代えて、通路内にスプールという1部
品を配置するだけの構造を採用したものである。このた
め、部品点数が減り、ブッシュの圧入工程や高価なブッ
シュ用の圧入機が不要となるとともに、スプールのスラ
イドする通路だけに精度の要求される穴加工を施せばよ
く、高精度の穴加工を要する部位が1箇所で済むこと等
から、この種の圧力調節弁およびこの圧力調節弁付きの
気体圧縮機を低コストに製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の要部の実施形態を示した断面図
であり、同図(a)は吸入室の室内圧力が背圧室の室内
圧力に比し低い状態にあるときの圧力調節弁の動作説明
図、同図(b)はその両室の室内圧力が逆転したときの
圧力調節弁の動作説明図である。
【図2】図2は本発明の要部の他の実施形態を示した断
面図であり、同図(a)は吸入室の室内圧力が背圧室の
室内圧力に比し低い状態にあるときの圧力調節弁の動作
説明図、同図(b)はその両室の室内圧力が逆転したと
きの圧力調節弁の動作説明図である。
【図3】本発明の要部の他の実施形態を示した断面図。
【図4】気体圧縮機の基本構造とこれに内蔵された圧力
調節弁の概略説明図。
【図5】図4のC−C線断面図。
【図6】図4に示した気体圧縮機内に従来内蔵されてい
た圧力調節弁の説明図。
【符号の説明】
1 シリンダ 2、3 サイドブロック 4 ロータ 5 ロータ軸 6、7 軸受 8 ベーン溝 9 ベーン 10 圧縮室 11 吸入室(第1の室) 12 吸入通路 13 吸入口 14 シリンダ吐出孔 15 リードバルブ 16 吐出チャンバ 18 油分離器 19 吐出室 20 オイル溜まり 21 油穴 22 サライ溝 23 背圧室(第2の室) 24 外装ケース 25 フロントヘッド 26 内側ボス部 50 圧力調節弁 51 通路 51a 通路の吸入室開口端 51b 通路の背圧室開口端 51c 大径開口孔 52 円錐台状の孔 54 円筒状のブッシュ 54a ブッシュの円筒中空孔 55 弁体 58 連絡通路 59 孔(連絡通路) 60 スプール 60a スプール一端面 60b スプール他端面 61 溝(連絡通路) 62 ストッパ 63 段部 64 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA05 AB07 AC03 CC05 CD05 3H040 AA09 BB05 BB14 CC11 CC18 DD07 DD22 DD24 DD27 3H060 AA09 BB01 CC29 CC40 DA02 DC10 DD12 DD17 GG08 HH07 HH15 HH17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の室および第2の室を結ぶ通路と、 上記通路の途中から上記第2の室に通じる連絡通路と、 上記通路内にスライド可能に配置されたスプールとから
    なり、 上記第1の室の室内圧力が上記第2の室の室内圧力に比
    し低いときは、その両室の差圧力により上記スプールが
    スライド前進し、これにより該スプールの一端面が上記
    連絡通路を越える位置まで進むと、上記通路の第1の室
    への開口端側と上記連絡通路との連通状態が上記スプー
    ルにより遮断され、 上記両室の室内圧力が逆転したときは、その逆転時の両
    室の差圧力により上記スプールがスライド後退し、これ
    により該スプールの一端面が上記連絡通路を越えない位
    置まで戻ると、上記通路の第1の室への開口端側と上記
    連絡通路とが連通状態となることを特徴とする圧力調節
    弁。
  2. 【請求項2】 上記連絡通路が、上記通路の途中に一端
    を開口し、他端を上記第2の室に開口してなる孔からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の圧力調節弁。
  3. 【請求項3】 上記連絡通路が、上記通路の途中から上
    記第2の室側に向かって切込み形成された該通路内壁の
    溝からなることを特徴とする請求項1に記載の圧力調節
    弁。
  4. 【請求項4】 一対のサイドブロック間に配置されたシ
    リンダと、上記両サイドブロックに設けた軸受とこれに
    支持されるロータ軸とを介して上記シリンダ内側に回転
    可能に横架されたロータと、上記ロータ外周面から上記
    シリンダ内壁に向かって出没自在に設けられたベーン
    と、上記シリンダ、サイドブロック、ロータおよびベー
    ンによって仕切り形成されるとともに、該ロータの回転
    により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により
    吸入室内の冷媒を吸入し圧縮して吐出室側へ吐出する圧
    縮室と、上記吐出室底部のオイル溜まりから上記サイド
    ブロックの軸受クリアランスを経て上記ベーン底部に連
    通する背圧室側へオイルを圧送するオイル供給路と、上
    記冷媒の吸入圧力と上記背圧室圧力が逆転したときに、
    その両圧力を等しくする圧力調節弁とを備えてなる気体
    圧縮機において、 上記圧力調節弁が、 上記吸入室側に一端を開口し、他端を背圧室側に開口し
    てなる通路と、 上記通路の途中から上記背圧室に通じる連絡通路と、 上記通路内にスライド可能に配置されたスプールとから
    なり、 上記吸入室の室内圧力が上記背圧室の室内圧力に比し低
    いときは、その両室の差圧力により上記スプールがスラ
    イド前進し、これにより該スプールの一端面が上記連絡
    通路を越える位置まで進むと、上記通路の吸入室開口端
    側と上記連絡通路との連通状態が上記スプールにより遮
    断され、 上記両室の室内圧力が逆転したときは、その逆転時の両
    室の差圧力により上記スプールがスライド後退し、これ
    により該スプールの一端面が上記連絡通路を越えない位
    置まで戻ると、上記通路の吸入室開口端側と上記連絡通
    路とが連通状態となることを特徴とする気体圧縮機。
  5. 【請求項5】 上記連絡通路が、上記通路の途中に一端
    を開口し、他端を上記背圧室に開口してなる孔からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の気体圧縮機。
  6. 【請求項6】 上記連絡通路が、上記通路の途中から上
    記背圧室側に向かって切込み形成された該通路内壁の溝
    からなることを特徴とする請求項4に記載の気体圧縮
    機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR101467024B1 (ko) * 2012-02-16 2014-12-01 한라비스테온공조 주식회사 스크롤 압축기
CN109578278A (zh) * 2017-09-29 2019-04-05 株式会社丰田自动织机 叶片型压缩机
JP7414942B2 (ja) 2021-06-28 2024-01-16 櫻護謨株式会社 減圧弁

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