JPS63176687A - スライデイングベ−ン式圧縮機のベ−ン背圧付与装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車用空調装置等に供されるスライディング
ベーン式圧縮機に使用するベーン背圧付与装置に関する
ものである。

従来の技術 周知のようにスライディングベーン式圧縮機においては
ロータの回転に伴なってベーンがその先端をシリンダ内
壁に接して回転摺動運動をするようベーン後端に高圧の
潤滑油を圧力差によシ供給する構造が広く用いられてい
る。

以下図面を参照しながら、上述した従来のスライディン
グベーン式圧縮機のベーン背圧付与装置の一例について
説明する。

第２図乃至第４図は従来の差圧給油式のベーン背圧付与
装置を有するスライディングベーン式圧縮機の具体構成
を示すものである。同図において、１は円筒内壁を有す
るシリンダ、２はその外周の一部がシリンダ１内壁と微
少隙間を形成するロータ、３はロータ２に設けられた複
数のベーンスロット、４はベーンスロット４内に摺動自
在に挿入された複数のベーン、５はロータ２と一体的に
形成された回転自在に軸支される駆動軸、６および７は
それぞれシリンダ１の両端を閉塞して内部に作動室８を
形成する前部側板および後部側板である。９は低圧側の
作動室８に連通する吸入口、１０は高圧側の作動室８に
連通ずる吐出口、１１は吐出口に配設された吐出弁、１
２は高圧通路１３に連通ずる高圧室１４を形成して圧縮
された高圧流体中の潤滑油を分離捕捉するスクリーン１
５を配設した高圧ケースである。１６は後部側板７に配
設されたベーン背圧付与装置本体で、高圧室１４下方の
油溜シ部の潤滑油をベーン背圧室１７に供給している。

１８は高圧室１４下方の油溜シ部とベーン背圧室１７と
を連通ずる給油通路、１９は差圧による給油量を制限す
る通路、２０は給油通路１８途中に設けられた球座、２
１は球座２０と当接あるいは遊離して給油通路１８を連
通遮断する球体、２２は球座２０に開口するプランジャ
室、２３はプランジャ室２２内部に摺動自在に配設され
球座２０側へ移動した時球体２１を球座２０から遊離さ
せるプランジャ、２４はプランジャの下端の下部プラン
ジャ室２５と吐出弁１１直前の作動室８とを連通ずる圧
力導入路である。

以上のように構成されたスライディングベーン式圧縮機
のベーン背圧付与装置について、以下その動作について
説明する。

エンジンなどの駆動源よシ動力伝達を受けて駆動軸５お
よびロータ２が第４図において時計方向に回転すると、
これに伴ない低圧流体が吸入口９よシ作動室８内に流入
する。ロータ２の回転に伴ない圧縮された高圧流体は吐
出口１０よシ吐出弁１１を押し上げて高圧通路１３よシ
高圧室１４に流入し、スクリーン１５によって潤滑油が
分離捕捉される。一方圧力導入路２４からは高圧流体の
圧力に打ち勝って吐出弁１１を押し上げるだけの５　・
　− 圧力を有する作動室８内の過圧縮ガスが下部プランジャ
室２５へ供給されるので、プランジャは球座２０側へ移
動して球体２１を球座２０から遊離させる。したがって
給油通路１８は連通されるので、高圧流体中よシ分離さ
れて高圧室１４下方に貯えられた潤滑油は差圧によって
通路１９．給油通路１８からベーン背圧室１７へ供給さ
れてベーン４の押圧に供されロータ２と前部側板６およ
び後部側板７との隙間を通シ作動室８内へ流入するので
ある。また圧縮機が停止した場合には作動室８内の圧力
は急激に低圧側流体の圧力まで降下するため、下部プラ
ンジャ室２５内の圧力も低圧側流体の圧力まで降下しプ
ランジャ２３下端の圧力はプランジャ２３上端の圧力よ
シ小さくなるのでプランジャ２３は下部プランジャ室２
５側へ移動する。このため球体２１は球座２０に当接し
給油通路１８は遮断される。したがって潤滑油はそれ以
上供給されないから、作動室８内に潤滑油が滞留するこ
とによって生ずる圧縮機始動時の液圧縮を防止すること
ができる。

６　・へ−。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来のベーン背圧付与装置では、圧縮
機の停止後ある時間が経過した場合のように低圧側の流
体の圧力と高圧側の流体の圧力とが等しくなった状態で
圧縮機を始動すると、ロータ２の回転に伴なってベーン
４が回転しベーンス性および慣性による流れ始めの抵抗
が大きいことなどのため、結果としてベーン４の伸張没
入の原生ずるベーン背圧室１７の容積変動に対し十分な
潤滑油量が供給できない。このため特に圧縮機始動時の
回転数が低い場合にベーン背圧室１７の圧力低下を生じ
ベーン４がシリンダ１内壁から遊離し再び衝突する周知
の不調現象や流体を圧縮しない圧縮不良現象が生ずると
いう問題点を有していた。

また潤滑油量を確保するため通路１９の通路面積を拡大
することは、定常運転時にベーン４を過度にシリンダ１
内壁に押接せしめベーン４先端部およびシリンダ１内壁
の摩耗増と圧ｈａの入力増をひき起こす結果となシ圧縮
機の耐久性や効率を悪くするという問題があシ、高回転
時には増大するベーン４の遠心力がこの傾向をさらに助
長するという問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み、圧縮機の高低圧力差が無い
か小さい場合に低速回転で圧ｈｂＥ＆を始動した場合で
もベーンの不調現象や圧縮不良現象が防止できかつ耐久
性や効率を損なわないスライディングベーン式圧縮機の
ベーン背圧付与装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のスライディングベ
ーン式圧縮機のベーン背圧付与装置は、従来の圧縮機の
給油通路と油路開閉手段とに加えて、この給油通路内に
、形状記憶合金製のノくネによシ、潤滑油の量を制御す
る制御バルブを備えたものである。

作　　用 本発明は上記構成によシ、高低圧力差が無いか、または
小さい状態で圧縮機を始動させた場合、形状記憶合金製
のバネからなる制御バルブは低温の潤滑油内にあるので
バイアスバネによシ通路面也は大きくなっている。その
ため圧縮機が始動し給油通路が連通ずると同時にベーン
背圧室へ潤滑油が供給されベーンの不調現象や圧縮不良
現象を防止できる。また始動後、高圧ガスによシ潤滑油
温度が高くなシ形状記憶合金バネが変態温度以上になる
と初期に記憶させた形状になシ制御バルブの通路面積を
小さくし、ベーン背圧室へは適正量の潤滑油が供給され
る。このためベーン背圧が過大にならず高効率、高耐久
性の圧縮機を提供できるのである。

実施例 以下、本発明の一実施例について添付図面の第１図を参
照しながら説明する。

同図において前記従来のスライディングベーン式圧縮機
のベーン背圧付与装置と同一の作用効果を有するものは
同一の符号を記して説明を省略する。

９　′・−７ 同図において、２６は給油通路１８内部に設けられた潤
滑油の量を制御する制御バルブである。

この制御バルブ２６はピストン２７と、形状記憶合金製
のバネ（以下、形状記憶合金バネという）２８と、この
形状記憶合金バネ２８に対向してバイアスバネ２９とか
ら構成されている。

以上のように構成されたスライディングベーン式圧縮機
のベーン背圧付与装置について以下その動作を説明する
。

圧縮機が停止し、ある時間が経過した状態では、高圧ケ
ース１２内の潤滑油は常温あるいは低温の状態になって
おシ、形状記憶合金バネ２８の周辺温度は常温以下にな
っている。そのためピストン２７はバイアスバネ２９の
圧縮力によシ下方向へ移動しておシ、給油通路１８は開
放された状態になっている。この状態から圧縮機が始動
すると、ロータの回転に伴なってベーン４が回転しベー
ンスロット３内を伸張没入する原生ずるベーン背圧室１
７の容積変動によってベーン背圧室１７内の圧力が低く
なれば、高圧ケース１２内に溜まった１　０ベーノ 潤滑油は、給油通路内の通路抵抗が小さいため給油通路
１８が連通ずると同時に圧力損失なしにベーン背部へ供
給される。そのため圧縮機始動直後の高圧側と低圧側と
の圧力差が小さい場合でもベーンの不調現象が生じない
。

圧縮機始動後ある時間が経過して高圧側と低圧側の圧力
差が十分に大きい状態では高圧ケース１２内の潤滑油の
温度が高くなり、形状記憶合金バネ２８は潤滑油の熱に
よシ変態温度よシ高くなシ、初期に記憶させた形状に変
形してピストン２７を上方向へ移動させて、給油通路断
面積を小さくする。そのため通路抵抗が生じ、ベーン背
圧室へ潤滑油が過剰に供給されるのを防ぎ、ベーン背圧
を適性に保つことができるので圧縮機の高効率化が図れ
る。またベーン先端の摩耗による損消も最小限に抑える
ことができ耐久性の向上を図れる。また圧縮機が停止し
た場合には、給油通路１８が遮断されて球座２０からベ
ーン背圧室１７に至る給油通路１８内の圧力は作動室８
内の圧力と等しくなシ、給油通路１８の遮断によって作
動１１　′−・ 室８内への潤滑油の流入が防止できることも前記従来の
スライディングベーン式圧縮機のベーン背圧付与装置と
同様である。

以上のように本実施例によれば、ベーン背圧室と高圧室
の油溜シ部とを連通ずる給油通路と、この給油通路内に
配置され、形状記憶合金製のバネによシ、潤滑油の量を
制御する制御バルブを設けることによシ、高低圧均圧状
態から圧縮−を始動した場合でも、給油通路内の通路面
積も大となっているため、ベーン押圧に必要な潤滑油を
圧力損失なしに供給できるので、ベーンの不調現象や圧
縮不良現象を防止できる。また通常の運転時においても
適正量の潤滑油をベーン背圧室へ供給できるので耐久性
や効率を損なうことがない。

なお本実施例においてスライディングベーン式圧縮機は
吸入口９、吐出口１ｏが各々一つしかない真円式を示し
たが吸入口９、吐出口１０が各々複数個ある形式のもの
でもかまわない。またべ−発明の効果 以上のように本発明は、スライディングベーン式圧縮機
のベーン背圧付与装置として、ベーン背圧室と高圧室の
油溜シ部とを連通する給油通路と、この給油通路内に配
置され、形状記憶合金バネによシ、潤滑油の量を制御す
る制御バルブを設けることによシ、圧縮機の高低圧力差
がないか小さい場合に圧縮機を始動した場合は、給油通
路の通路面積を大としかつ圧縮機の運転開始後潤滑油温
度が高くなった場合は給油通路の通路面積を小とするよ
うにしたもので、圧縮機の高低圧力差が無いか小さい場
合に圧縮機を低回転で始動した場合でも、ベーンの不調
現象や圧縮不良現象を防止でき、さらに通常運転時はベ
ーン背圧室へ適正量の潤滑油を供給できるので高効率で
高耐久性の圧縮機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるベーン背圧１３′−
７ 式圧縮機の縦断面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線による
断面図、第４図は従来のベーン背圧付与装置の要部拡大
断面図である。 １・・・・・・シリンダ、２・・・・・・ロータ、３・
・・・・・ベーンスロット、４・・・・・・ベーン、５
　・・・ｇｉ軸、６・・・・−前部側板、７・・・・・
・後部側板、８・・・・・・作動室、９・・・・・・吸
入口、１０・・・・・・吐出口、１１・・・・・吐出弁
、１４・・・・・・高圧室、１７・・・・・・ベーン背
圧室、１８・・・・・・給油通路、２８・・・・・・形
状記憶合金バネ、２９・・・・・バイアスバネ。 代理人の氏名　弁理士　中　尾　敏　男　ほか１名２−
Ｄ−夕 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 筒状内壁を有するシリンダと、このシリンダの内部に配
   設されその外周の一部がシリンダ内壁と微小隙間を形成
   するロータと、このロータに設けられたベーンスロット
   内に摺動自在に挿入された複数のベーンと、前記ロータ
   と一体的に形成され回転自在に軸支される駆動軸と、前
   記シリンダの両端を閉塞して内部に作動室を形成する前
   部側板および後部側板と、前記ロータ外周とシリンダ内
   壁が近接している部分をはさんで作動室に連通する吸入
   口および吐出口と、この吐出口に設けられた吐出弁と、
   吐出口に連通し圧縮された高圧流体中の潤滑油を分離し
   かつその下方部分に油溜り部を含む高圧室を有する高圧
   ケースと、前記ベーンスロットとベーン端部とで形成さ
   れるベーン背圧室と前記高圧室の油溜り部とを連通する
   給油通路と、この給油通路内に配置され、形状記憶合金
   製のバネにより、潤滑油の量を制御する制御バルブとを
   備えたスライディングベーン式圧縮機のベーン背圧付与
   装置。