JP2002021283A - 壁面への台座取付方法及び構造、並びに接着剤塗布器 - Google Patents

壁面への台座取付方法及び構造、並びに接着剤塗布器

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JP2002021283A
JP2002021283A JP2000209453A JP2000209453A JP2002021283A JP 2002021283 A JP2002021283 A JP 2002021283A JP 2000209453 A JP2000209453 A JP 2000209453A JP 2000209453 A JP2000209453 A JP 2000209453A JP 2002021283 A JP2002021283 A JP 2002021283A
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adhesive
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pedestal
mounting method
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Masahiro Endo
政廣 遠藤
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ThreeBond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的強度の低い壁面への手摺等を取り付け
るための台座等の固定を安定して、且つ容易に行うこと
ができる台座取付方法及び構造を提供する。 【解決手段】 貫通孔2を有する壁材1の裏面に該貫通
孔を囲むように接着層3を形成する。次に、開口端部4
aを有する気体透過性の袋体4を該開口端部が壁材表面
側に残るように貫通孔2から挿入すると共に、挿入され
た該袋体の一部を接着層3に押圧し固着する。袋体4内
に、貫通孔から露出する開口端部を通して、充填剤8を
貫通孔よりも大きくなるように塊状に充填し、充填され
た硬化性樹脂又はモルタルに台座10をねじ9,9’を
用いて固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、マンショ
ンのような集合住宅や、図書館,体育館,美術館のよう
な民間もしくは公営施設の建造物において、その浴室,
トイレ,居室,廊下,階段等の壁面に取り付けられる手
摺のような部材の台座の取付方法及び構造に関するもの
であり、特に、比較的に強度の低い薄板状壁に一方の壁
面からのみの作業で手摺等を取り付ける際の台座のよう
な荷重支持部材の取付方法及び構造に関するものであ
る。また、本発明は、上述した取付方法の実施のために
用いる接着剤塗布器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばマンションのような集合住
宅において、その浴室,トイレ,居室等に手摺を取り付
ける際は、壁面にボルトやネジ、釘を用いて直接に手摺
を取り付けていた。ところが、近年の集合住宅では、部
屋の間仕切りを二重壁構造とすると共に、手摺側の壁材
として肉厚の薄い板材(合板,石膏ボードなど)を使用
することが多くなり、強度上の問題から壁材に直接取り
付けるだけで手摺りを設けることができない場合が増え
てきている。このため、例えば特開平7−317264
号,特開平10−266509号及び特開2000−1
04713号各公報に開示されているように、二重壁構
造において、手摺側の表面壁材とその背後に空間を介し
て存在する裏側もしくは基礎壁材とを接着剤などを利用
して連結固定し、表面壁材を補強してから手摺を取り付
ける連結固定式技術が開発されてきた。
【0003】また、上述した連結固定式の変形従来例と
して、図7に示すように、外側の基礎壁材21及び表面
壁材22を湿気硬化性変性シリコーン系プライマー23
及びエポキシ樹脂系高粘度接着剤24を用いて接着固定
し、該エポキシ樹脂系高粘度接着剤24の硬化物を利用
して、ネジや釘等の締結具29により手摺基部もしくは
台座25を取り付け、その後、台座25に手摺本体26
を固定するようにした工法がある。表面壁材22には孔
27が形成されており、この孔27から、エポキシ樹脂
系高粘度接着剤24の垂れ落ちを防ぐための環状スポン
ジ28を壁材間に例えば手で押し込んでから、上述した
湿気硬化性変性シリコーン系プライマー23を塗布し、
エポキシ樹脂系高粘度接着剤24を圧入充填する。
【0004】ところが、壁材同士を連結固定する上述の
ような工法は工事自体が大がかりになり易く、また、2
枚の壁材の間隔が広いと補強材として使用する通常樹脂
である接着剤の使用量が増えてコストアップに繋がりや
すい。更に、裏側の壁材(基礎壁材)がコンクリート製
であってその裏面が平らでなかったり、表面壁材との間
に電線や配管などが設けられている場合には、施工自体
が困難になるという欠点がある。しかも、上述した変形
工法のようにスポンジ28を使用する場合、スポンジ2
8の部分が厚くなるほど、エポキシ樹脂系高粘度接着剤
24の硬化物を壁面に固定することが難しくなる。
【0005】そこで、上述の欠点を解消すべく、表面壁
材のみを補強して手摺を取り付ける技術も開発されてき
ている。例えば特開平2−308040号及び特開平8
−270169号各公報に記載の発明では、表面壁材に
孔を開け、ここから、先端に樹脂溜りを形成する袋状ジ
ャケットが装着されたプラグを差し込み、該プラグに設
けられた樹脂注入孔から樹脂を注入して、上述した袋状
ジャケットの樹脂溜り内に樹脂を充填し拡張させること
によって、アンカー部を形成するようにしている。そし
て、特に特開平2−308040号公報に記載の発明で
は、更に、袋状ジャケットの表面に小孔を設けて、この
小孔から樹脂を漏出させることによって表面壁材の裏面
にも接着させようとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した特
開平2−308040号公報に記載の発明のように表面
壁材の裏面への樹脂による固着を行う壁材補強技術を考
えた場合、壁面への濡れ性を考慮して内部に充填される
樹脂の粘度を比較的低くする必要がある。しかし、粘度
を低くすると、漏れ出た樹脂が下方へ流れるため壁裏面
や床面を汚す等の問題が発生したり、特にジャケット内
の注入孔より高い位置への樹脂の充填が不十分になった
りする。これを避けるために粘度を高くすれば、袋状ジ
ャケットの表面に設けられた小孔からの樹脂の漏れに期
待して表面壁材の裏面との接着を行っているため、接着
が点接触になりやすく、荷重も点支持に依存しがちにな
り、特に表面壁材が石膏ボードの場合には崩れる可能性
がある。また、袋状ジャケットとプラグとは一体的に形
成されており、しかもこのプラグの内部には、袋状ジャ
ケット内に液状樹脂を導くための開口や、手摺と螺合す
るためのねじ部を形成する必要があるので、非常に製造
コストがかかる。
【0007】従って、本発明の目的は、比較的強度の低
い壁面への荷重支持部材の固定を容易するため、特に壁
面へ荷重支持部材を取り付ける際の補強部を壁裏面に比
較的大面積で強固に接着形成し、しかも、作業が容易で
熟練を必要とない、低コストの荷重支持部材取付方法及
び構造を提供することである。
【0008】また、本発明の別の目的は、上述した取付
方法の実施のために用いる新規な接着剤塗布器を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明では、背後に空間を有する壁材の表面に手摺
等を取り付けるための台座の取付方法は、前記壁材に任
意の大きさの貫通孔を設ける第一の工程と、前記壁材の
裏面に前記貫通孔の周辺を囲むように接着層を形成する
第二の工程と、開口端部を有する気体透過性の袋体を該
開口端部が前記壁材の表面側に残るように前記貫通孔か
ら挿入すると共に、挿入された該袋体の外表面の一部を
前記裏面に形成された前記接着層に押圧し固着する第三
の工程と、前記袋体内に、前記壁材に設けられた前記貫
通孔から露出する前記開口端部を通して、硬化性樹脂又
はモルタルを前記貫通孔の最大寸法よりも大きくなるよ
うに塊状に充填する第四の工程と、前記充填された硬化
性樹脂又はモルタルに前記台座を固定手段を用いて固定
する第五の工程とを含んでいる。
【0010】また、本発明では、上述の目的を達成する
ため、台座取付方法において接着層の形成に用いられる
接着剤塗布器が提供される。この接着剤塗布器は、キャ
ップ付きのチューブ状本体部と、該本体部に連通するほ
ぼL字状のヘッド部とを備え、可撓性の前記本体部内に
接着剤を収容してから該本体部を圧縮することによって
前記接着剤が押され、前記ヘッド部に設けた複数の開口
から押し出されるように構成されている。
【0011】更に、本発明では、背後に空間を有する壁
材の表面に手摺等を取り付けるための台座の取付構造、
上述の目的を達成するため、前記壁材に形成された貫通
孔の周辺を囲むように前記壁材の裏面に設けられた接着
層と、前記貫通孔の直径よりも大きな寸法を有して前記
貫通孔において前記壁材の表面に露出すると共に、前記
接着層に固着され、内部に硬化性樹脂又はモルタルの硬
化物或いは固化物が塊状に充填された袋状補強剤と、前
記壁材の表面側から前記硬化物或いは固化物に前記台座
を固定する固定手段とを備えている。
【0012】更に、本発明では、背後に空間を有する壁
材の表面に荷重支持部材を取り付けるための取付構造
は、前記壁材に形成された貫通孔の周辺を囲むように前
記壁材の裏面に設けられた接着層と、前記貫通孔の直径
よりも大きな寸法を有して前記貫通孔において前記壁材
の表面に露出すると共に、前記接着層に固着され、内部
に硬化性樹脂又はモルタルの硬化物或いは固化物が塊状
に充填された袋状補強剤と、前記壁材の表面側から前記
硬化物或いは固化物に前記荷重支持部材を固定する固定
手段とを備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図中、
同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。なお、
本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態
に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0014】本発明の好適な実施例によると、台座取付
方法は、図1に示すように、壁材1に任意の大きさの貫
通孔2を設ける工程を含んでいる。本発明を適用するの
に好適な壁材1の材質としては、例えばマンションの室
内壁を設ける際に使用される石膏ボード,ベニヤなどの
合板,プラスチック薄板又は金属薄板を利用した積層材
もしくは合板などが挙げられる。
【0015】この壁材1に設けられる貫通孔2の形状及
び大きさは、後述する気体透過性の袋体4(図3参照)
を挿入できる程度の大きさであれば特に制限はないが、
好ましくは円形で、その直径が1.5〜5cm程度であ
り、好ましくは約2.5〜4cm、最適には約3cmで
ある。直径が1.5cm未満であると袋体4の挿入が困
難になり、また、5cm以上であると袋体4の挿入や後
述する接着層3(図2参照)の塗布等の作業性は容易に
なるが、袋体4の内部に充填する硬化性樹脂或いはモル
タルの使用量が多くなるため経済的でなく、また、施工
部位の大きさが大きすぎて美観を損ねたり、或いは施工
できない場合が発生する。
【0016】しかし、本発明は、貫通孔2の直径が範囲
1.5〜5cmを超えることによる上記問題点が生じて
も、それに余りある利点を有するので、袋体4を挿入可
能ならこの範囲に限定されない。すなわち、直径1.5
cm以下であっても、袋体4を挿入可能な専用挿入具を
用意すれば、直径1.5cm以下とすることも可能であ
る。なお、壁材1に貫通孔2を開ける際は市販のドリル
などを使用すればよく、また、貫通孔2の形状は、完全
に円形である必要はなく、例えば楕円形,正方形或いは
長方形等の任意の形状とすることができ、袋体4を損傷
することなく挿入できれば、後述するように樹脂を注入
する際の注入器のノズル形状に合わせて形成すればよ
い。
【0017】次に、図2の(a)に示すように、壁材1
の裏面に貫通孔2の周辺を囲むように接着層3を形成す
る。接着層3は、空気中の湿気により常温で硬化する湿
気硬化性の接着剤(粘着剤)や2液混合硬化性の接着剤
或いは溶剤に可塑性樹脂を溶解したり或いはゴムを溶解
した溶剤系の液状接着剤(粘着剤)を環状に塗布するこ
とにより形成可能である。接着剤としては、具体的に
は、シリコーン系接着剤,変性シリコーン系接着剤,シ
アノアクリレート系接着剤,湿気硬化性変性エポキシ系
接着剤、ウレタン系接着剤等の湿気で硬化する接着剤
や、これらの2液混合硬化性接着剤、或いは溶剤系の合
成ゴム系接着剤が好ましく、特に好ましいのは、少し時
間をおく(オープンタイム)と接着性が向上する変性シ
リコーン系である。更に、室内での作業を考慮すると作
業者に対して影響の少ないことが望まれるため、シリコ
ーン系或いは変性シリコーン系接着剤の使用が特に好ま
しい。この接着剤であると、作業者に限らず居住者や環
境に対しても影響が無視しうる。
【0018】また、液状接着剤を塗布する手段として
は、図2の(b)に示す塗布器12を使用することが好
ましい。貫通孔2から部分的に挿入しうる形状及び寸法
の該塗布器12は、図示しないキャップ付きのチューブ
状本体部12aと、これに連通するほぼL字状のヘッド
部12bとからなる。可撓性の本体部12a内に接着剤
を収容してから該本体部12aを圧縮することによって
接着剤が押され、ヘッド部12bに設けた複数の開口
(図示せず)から押し出されるようになっている。な
お、符号12cはヘッド部に植設もしくは一体的に成形
されたコーム状の刷毛であり、これにより接着剤の一様
な塗布を可能としている。
【0019】図示しないがエアゾールスプレー形式の塗
布器を用いてもよい。接着剤をエアゾール化した場合
は、塗布器先端のノズルをU字状もしくはL字状に形成
し、壁材1に形成した貫通孔2からノズルを差し込み壁
材裏側に効率よく接着剤を塗布することができる。液状
接着剤以外の接着剤の場合には、パテ状の接着剤を手作
業で塗布しても良いし、その後、随意に、例えばL字状
のヘラを使用して一様に展ばすのが好ましい。代わり
に、貫通孔2の周囲に両面テープを貼り付けてもよい。
【0020】接着剤、即ち接着層3が塗布もしくは形成
される領域は、前述した気体透過性の袋体4の大きさに
よっても変わるが、貫通孔2の周縁から概ね0.5〜5
cmの範囲内であることが好ましい。接着層3は、壁材
1の裏面に塗布された後、図3に関連して後述する工程
で気体透過性の袋体4の一部と接着固定されるため、表
面に適度な粘着性を有することが必要である。また、接
着層3は、袋体4との固着までに時間があるため適度な
ポットライフを有することが好ましい。このような事情
から、接着剤としては、前述した湿気硬化性のシリコー
ン系接着剤や変性シリコーン系接着剤が少し時間をおく
と接着性が増すため、特に好ましい。
【0021】次に、図3に示すように、開口端部4aを
有する気体透過性の前述の袋体4を該開口端部4aが壁
材1の表面側に残るように貫通孔2から適切な深さまで
挿入し、その後、挿入された該袋体4の外表面の一部を
壁材裏面に形成された接着層3に押圧し固着する。この
押圧・固着は、例えば、貫通孔2から突き出た袋体4の
開口端部4aに指,へら或いは専用押圧具を挿通し、該
指,L字状のへら又は専用押圧具で、開口端部4aに繋
がる袋体本体部4cの底部4bを半径方向の外側に押し
広げるように、かつ、壁材裏面の接着層3に押し付ける
ようにして行うことができる。このため、後述するよう
に樹脂を充填した後の袋体4のアンカー形状は、キノコ
状,ドーム状,半球形状或いは帽子状に形成して、その
鍔部もしくは底部4bが壁裏面の形状(平面)に可能な
限り一致するように形成されることが好ましい。また、
前述したように袋体4をアンカー形状に予め形成する場
合、図3の(b)に示すように、柔軟性のあるワイヤー
やスプリングのような形状保持部材5を併用することに
よって、次工程の樹脂の注入充填を行い易くしたり、ア
ンカーの形状を適切に保たせることもできる。
【0022】上述した専用押圧具としては、図示しない
が、例えば、貫通孔2に挿入しうる外径の細長い円筒体
と、この円筒体に摺動して挿通されるロッドとを備え、
該ロッドの先端には放射状に延びる複数のアームが折曲
自在に設けられているものを使用できる。該専用押圧具
のアーム側を袋体の開口端部4aに挿入してから、ロッ
ドを操作すると袋体4内で放射状に開くため、次に円筒
体を手前に引っ張ればアームにより袋体4の鍔部もしく
は底部4bが接着層3に押し付けられる。
【0023】また、後述する工程で袋体4に樹脂を注入
充填し易いように、袋体4の開口端部4aは、貫通孔4
の断面形状に略一致する形状を有すると共に、一端が袋
体4の底部4bに接続し他端が開口された樹脂導入路を
画成していることが望ましい。なお、ここでいう袋体4
(アンカー部)は、前述したキノコ状,ドーム状,半球
形状或いは帽子状に初めから形成されていなくても、例
えば適当な大きさの1枚の布を用意し、この布の中央部
を壁材1に設けられた貫通孔2に壁材表面側から最初に
通すことにより壁材1の裏側に巾着状に樹脂溜まりを形
成し、しかる後ここに樹脂を充填することによって、結
果的に前述したキノコ状,ドーム状,半球形状或いは帽
子状等に形成するようにしてもよい。
【0024】前述した袋体4の材質としては、貫通孔2
から挿入可能な弾性もしくは可撓性を有すると共に、気
体透過性であり、かつ、次工程で内部に充填される樹脂
を貯留する程度の強度がある材料であればよい。具体的
には、袋体4は、例えば綿のような材料からなる織布,
不織布,或いは好ましくは安価なプラスチックシートか
ら形成もしくは成形しうる。袋体4がプラスチックシー
トから成形される場合には、図4に示すように、袋体4
の内部に空気溜まりが形成されないように、袋体4の全
面、即ち開口端部4a,鍔部4b,本体部4cに、気体
は透過させるが充填された樹脂は逃がさない大きさの多
数の小孔4dが設けられる。
【0025】次に、図5に示すように、袋体4内に、壁
材1に設けられた貫通孔2から露出する開口端部4aを
通して、充填剤8を貫通孔4aの最大寸法よりも大きく
なるように塊状に注入充填する。この充填方法として
は、コーキングガンもしくはカートリッジのような充填
手段6などを用い、該充填手段6のノズル部分6aを図
示のように例えばゴム栓7を介して貫通孔2に連結して
注入すると好都合である。ここで用いられる充填剤8と
しては、硬化性樹脂又はモルタルが好適に使用できる。
硬化性樹脂又はモルタルの具体例としては、硬化性(例
えば2液混合硬化型)のエポキシ系樹脂,シリコーン系
樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂或いはこれらの
変性樹脂に珪砂,ガラスビーズ,シラスバルーンなどの
無機中空充填剤やポリエチレンパウダーなどのプラスチ
ックフィラーなどの骨材を添加混合した樹脂や、樹脂モ
ルタルが挙げられるが、最も好適なのはエポキシ系樹脂
の使用である。
【0026】これら樹脂に配合される骨材の中でも内部
が中空のガラスビーズやシラスバルーンのような中空充
填剤を使用することにより、軽量で樹脂強度が高く、か
つネジのねじ込みや釘の打ち込みが容易な(ねじ込み又
は打ち込み時に潰れるためねじ又は釘を受け入れるスペ
ーサが作られ、これがねじ込み又は打ち込みを容易にす
る)接着剤8を得ることができる。更に、この硬化性樹
脂やモルタルは、樹脂分の少ないパテ状のものが好まし
い。本明細書において、上述した材料を使用した場合の
充填剤のパテ状とは、ジャリジャリとして垂れ落ちない
程度の硬さを有し、しかも水気が少なくサクサクした状
態を指している。この状態以外にも通常パテ状といわれ
るものであれば十分に使用可能である。
【0027】最後に、図6に示すように、充填され硬化
した充填剤8に取付台座10をねじ9のような固定手段
を用いて固定する。板状の取付台座10を取り付ける前
に、貫通孔2から充填剤8がはみ出していれば、その部
分を整形して平坦にすることが好ましい。使用するねじ
9の本数は、袋体4内の塊状充填剤8の大きさ、即ち取
付台座10の大きさに合わせて適宜変更可能であり、通
常1〜4本である。中央のねじ9’は、取付部11と一
体的に形成されている。この取付部11の外周にはねじ
山が形成され、そこに、手摺(図示せず)が適宜の態様
で取り付けられる。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について詳述する。実
施に先立ち次の通り準備した。 1)接着剤として使用する商品名・スリーロンジーS−
301(スリーボンドユニコム社製。反応性珪素基を有
するオキシアルキレン重合体と反応性珪素基を有するビ
ニル系重合体との混合物。変性シリコーンを主成分とす
る湿気硬化性の接着剤。) 2)充填剤として使用する商品名・ロンジーメントE−
202(スリーボンドユニコム社製。骨材としてシラス
バルーンを使用した2液性エポキシ樹脂系パテ状の硬化
性樹脂。) 3)石膏ボード(1m×1m×5mm)とコンクリート板
(1m×1m×5cm)を複数枚用意し、団子状の石膏
ボンドを点(直径5cm程度)付けするようにして両者
を接着接合し、隙間約5cmの内壁(石膏ボード)と外
壁(コンクリート板)からなる二層構造の壁材を製作し
た。
【0029】上述した二層構造の壁材を垂直に立てて固
定し、石膏ボード(内壁材)に直径約3cmの貫通孔を
開けた。次いで、この孔から前述した変性シリコーン系
湿気硬化性接着剤を孔の裏面周囲に刷毛、又は手などを
使用して塗布した。しかる後、キノコ形状(直径8c
m,厚さ4cm。カサの部分の外周部には形状を保持す
るためのワイヤーが縫い込まれている。また、柄に当た
る部分は直径約3cm,長さ約3cmの端部が開口され
ている)の袋体を小さく丸めて孔から挿入すると共に、
開口部を持った柄の部分を石膏ボードの手前側に残すよ
うにする。そして、袋体の開口部から指などを入れて袋
体のカサの底面部分を前述した接着剤層になじむように
押し付けて固着した。この時、ここで用いた変性シリコ
ーン系湿気硬化性接着剤は塗布の際は低粘度で塗りやす
く、また、適度にオープンタイムを設けることで表面に
粘着性が発現して前述した袋体を容易に固着できるよう
になる。更に、袋体のカサの部分にワイヤーが縫い込ん
であるのでこのワイヤーの復元力で壁裏面に適切形状で
固定できる。
【0030】次いで、前述した硬化性樹脂を配合し塗布
ガンなどを用いて袋体の開口部から注入充填する。具体
的には配合した硬化性樹脂をカートリッジ(333m
l)に収納した後、カートリッジガンにセットし、先端
のノズルを袋体の開口部に挿入して注入充填する。な
お、注入圧力が逃げないようなノズル先端と壁面の孔と
をゴム栓(中央に孔空き)を用いて密封することが好ま
しい。この時使用された樹脂量は約150mlであっ
た。次いで、袋体に充填した硬化性樹脂が硬化するのを
待って、手摺を取り付けるための台座をねじ(直径5m
m,長さ40mmを3本)を用いて固定した。使用した
硬化性樹脂は実用強度に達するのに約30分と短いた
め、次工程の台座取付作業を直ぐに行える利点がある。
また、この樹脂は中空充填剤を含有するのでねじの締め
込みが容易に行え、かつ強度も十分であった。
【0031】このようにして壁材に固定された台座に手
摺を固定したが、手摺がぐらつくこともなく、しっかり
と強固に固定することができた。
【0032】以上、本発明をマンションの壁材に手摺を
取り付ける例を想定して詳細に説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例えば、本発明が適用さ
れる壁材は室外に露出されている壁でもよいし、本発明
の取付方法及び構造により取り付けられるのは手摺とそ
の台座に限定されるのではなく、例えば、ハンガーのよ
うに物品を懸架支持するための部材の取り付けに適用し
たり、しゃがんだ状態から立ち上がる際の介助器具とし
て、ドアのノブ状部材の取り付けに適用してもよい。ま
た、その場合、台座とそれに取り付けられるハンガーも
しくはノブ状部材とは、一体部品として形成されていて
もよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、壁材裏面に形成した接
着層に樹脂充填された袋体を面接触で接着し、そこに、
ねじのような安価な固定手段で台座を固定できるので、
しっかりと安定して確実に手摺のような荷重支持部材を
固定することができる。また、接着層により袋体を予め
固定しているので、袋体への樹脂充填の際に、袋体が裏
壁面から剥離しにくくなり壁材の補強が適切に行える。
【0034】更に、充填剤として硬化の速い硬化性樹脂
或いはモルタルを使えば、作業が効率よく行える。
【0035】従って、本発明は、特に壁面へ手摺台座を
取り付ける際の補強部を壁裏面に比較的大面積で強固に
接着形成するので、比較的強度の低い壁面への手摺など
の部材の固定が容易であり、しかも、作業が容易で熟練
を必要とない、低コストの台座取付方法及び構造を提供
することができる。また、この取付方法の実施のために
好適に使用できる新規な接着剤塗布器を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による手摺取付方法の第一工程を説明す
るための壁材の断面図である。
【図2】本発明による手摺取付方法の第二工程を説明す
るための図であって、(a)は接着層が形成された壁材
の断面図、(b)は接着剤塗布器の側面図である。
【図3】本発明による手摺取付方法の第三工程を説明す
るための図であって、(a)は袋体を壁材に接着した状
態で示す断面図、(b)は樹脂が充填された袋体を抽出
して示す斜視図である。
【図4】袋体の変形例を示す断面図である。
【図5】本発明による手摺取付方法の第四工程を説明す
るための一部断面で示す図である。
【図6】本発明による手摺取付方法の第五工程を説明す
るための取付構造断面図である。
【図7】従来の手摺取付構造の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 壁材 2 貫通孔 3 接着層 4 袋体 4a 開口端部 4b 袋体の外表面の一部(鍔部もしくは底部) 5 形状保持部材(ワイヤ) 8 充填手段 9 固定手段(ねじ) 9’ 固定手段(ねじ) 10 取付台座 12 接着剤塗布器 12a チューブ状本体部 12b ヘッド部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背後に空間を有する壁材の表面に手摺等
    を取り付けるための台座の取付方法であって、 前記壁材に任意の大きさの貫通孔を設ける第一の工程
    と、 前記壁材の裏面に前記貫通孔の周辺を囲むように接着層
    を形成する第二の工程と、 開口端部を有する気体透過性の袋体を該開口端部が前記
    壁材の表面側に残るように前記貫通孔から挿入すると共
    に、挿入された該袋体の外表面の一部を前記裏面に形成
    された前記接着層に押圧し固着する第三の工程と、 前記袋体内に、前記壁材に設けられた前記貫通孔から露
    出する前記開口端部を通して、硬化性樹脂又はモルタル
    を前記貫通孔の最大寸法よりも大きくなるように塊状に
    充填する第四の工程と、 前記充填された硬化性樹脂又はモルタルに前記台座を固
    定手段を用いて固定する第五の工程と、 を含む壁面への台座取付方法。
  2. 【請求項2】 前記壁材が、石膏ボード又は合板のよう
    な薄板状壁材である請求項1に記載の台座取付方法。
  3. 【請求項3】 前記接着層が湿気硬化性接着剤、2液硬
    化性接着剤或いは溶剤系接着剤から形成される請求項1
    又は2に記載の台座取付方法。
  4. 【請求項4】 前記接着剤が湿気硬化性のシリコーン系
    接着剤或いは変性シリコーン系接着剤である請求項1〜
    3のいずれかに記載の台座取付方法。
  5. 【請求項5】 前記硬化性樹脂が中空充填剤を含む請求
    項1〜4のいずれかに記載の台座取付方法。
  6. 【請求項6】 前記中空充填剤がガラスビーズ及びシラ
    スバルーンの少なくとも一方を含む請求項5に記載の台
    座取付方法。
  7. 【請求項7】 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂,シリコ
    ーン樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂,或いはこれら
    の変性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の台座
    取付方法。
  8. 【請求項8】 前記硬化性樹脂がパテ状である請求項1
    〜7のいずれかに記載の台座取付方法。
  9. 【請求項9】 前記貫通孔の面積が2〜50cm2 であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の台座取付方法。
  10. 【請求項10】 前記袋体に充填された塊状の硬化性樹
    脂又はモルタルの充填量が50〜1000cm3 である
    請求項1〜9のいずれかに記載の台座取付方法。
  11. 【請求項11】 前記裏面に塗布された前記接着層に対
    する前記袋体の接着面積が5〜200cm2 である請求
    項1〜10のいずれかに記載の台座取付方法。
  12. 【請求項12】 前記袋体が、織布又は不織布などの繊
    維により形成されている請求項1〜11のいずれかに記
    載の台座取付方法。
  13. 【請求項13】 前記袋体が、内部に空気溜まりが形成
    されないように、多数の小孔が開口形成されたプラスチ
    ックにより成形されている請求項1〜11のいずれかに
    記載の台座取付方法。
  14. 【請求項14】 前記袋体が、キノコ状,ドーム状,半
    球形状或いは帽子状に形成されている請求項1〜13に
    記載の台座取付方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    の台座取付方法において接着層の形成に用いられる接着
    剤塗布器であって、キャップ付きのチューブ状本体部
    と、該本体部に連通するほぼL字状のヘッド部とを備
    え、可撓性の前記本体部内に接着剤を収容してから該本
    体部を圧縮することによって前記接着剤が押され、前記
    ヘッド部に設けた複数の開口から押し出されるようにし
    た接着剤塗布器。
  16. 【請求項16】 背後に空間を有する壁材の表面に手摺
    等を取り付けるための台座の取付構造であって、 前記壁材に形成された貫通孔の周辺を囲むように前記壁
    材の裏面に設けられた接着層と、 前記貫通孔の直径よりも大きな寸法を有して前記貫通孔
    において前記壁材の表面に露出すると共に、前記接着層
    に固着され、内部に硬化性樹脂又はモルタルの硬化物或
    いは固化物が塊状に充填された袋状補強剤と、 前記壁材の表面側から前記硬化物或いは固化物に前記台
    座を固定する固定手段と、 を備えた壁材への台座取付構造。
  17. 【請求項17】 背後に空間を有する壁材の表面に荷重
    支持部材を取り付けるための取付構造であって、 前記壁材に形成された貫通孔の周辺を囲むように前記壁
    材の裏面に設けられた接着層と、 前記貫通孔の直径よりも大きな寸法を有して前記貫通孔
    において前記壁材の表面に露出すると共に、前記接着層
    に固着され、内部に硬化性樹脂又はモルタルの硬化物或
    いは固化物が塊状に充填された袋状補強剤と、 前記壁材の表面側から前記硬化物或いは固化物に前記荷
    重支持部材を固定する固定手段と、 を備えた取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019035234A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 積水化学工業株式会社 セメント硬化体構造物の表面保護工法およびセメント硬化体構造物の表面保護構造
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