JP2002020970A - 貝殻粉末を用いた繊維製品 - Google Patents

貝殻粉末を用いた繊維製品

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JP2002020970A
JP2002020970A JP2000209822A JP2000209822A JP2002020970A JP 2002020970 A JP2002020970 A JP 2002020970A JP 2000209822 A JP2000209822 A JP 2000209822A JP 2000209822 A JP2000209822 A JP 2000209822A JP 2002020970 A JP2002020970 A JP 2002020970A
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Jiyunrou Itou
潤郎 伊藤
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TOOCHIRAIFU KK
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SHIBATA TOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌性、防かび性および防ダニ性に優れる上、
人体に対する安全性に優れ、廃棄処理しても有害な物質
の発生しない環境負荷の少ない繊維製品を提供するこ
と。 【解決手段】ポリエステル等の繊維基材表面に貝殻粉末
を定着せしめた構成とする。貝殻粉末としては、ホタテ
貝の貝殻粉末を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性、防かび
性、防ダニ性に優れた繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住環境の衛生に対する消費者の関
心がとみに高まっており、室内に配置される様々な物
品、たとえばカーテン、絨毯、壁紙等に抗菌性や防かび
性を付与する検討が種々行われている。ところが、これ
らの多くは、菌処理成分として有機化合物を用いたもの
であるため、その効果の持続性が充分でないものが多
く、また、焼却した際に有害物質を発生する等、環境汚
染のおそれを有しているものが多い。
【0003】また、繊維製品への抗菌性付与方法とし
て、銀や銅、亜鉛等の金属イオンを繊維中に含有させる
方法が古くから知られている(特開昭54−14722
0号公報等)。しかしこの方法による場合は、金属の添
加割合が著しく制限されたり、繊維化工程での工程通過
性が低下する等の課題を有している。また、繊維表面に
存在する金属イオン量が時間の経過や使用に伴って減少
してゆくにつれて抗菌性能が短期間に急激に低下し、長
期間にわたって良好な抗菌作用を維持することが困難で
ある。
【0004】室内に配置される備品に対しては、抗菌性
と防かび・防ダニ性を兼ね備えることが望まれる。とこ
ろが、これらの性能を両立させることは難しく、これら
を兼ね備えた菌処理成分は、未だ見出されていないのが
現状である。
【0005】一方、最近では、畳の衛生度を高めること
についてのニーズも高まっている。わが国は高温多湿の
気候であるため、長期間、室内を締め切った状態でいる
と、畳がカビ臭を帯びることがある。また、種々の栄養
物を含む液体が畳にこぼれた場合、この液体が畳の内部
に浸透してカビや様々な菌が発生し、不衛生となりやす
かった。畳の衛生度を高める検討として、銀等の金属イ
オンおよびセラミックスを利用することにより抗菌性お
よび消臭性を付与する方法(特開平6−257067号
公報)や、活性炭の利用により消臭効果を得る方法、抗
菌剤として化学薬品を用いる方法等が知られている。し
かしながらこれらの方法は、長期間にわたって良好な効
果を維持することが困難である上、特に防カビ性につい
て消費者のニーズを満足するような高い水準の性能を得
ることが困難であった。また、化学薬品を用いる方法で
は、焼却処分した場合に環境汚染のおそれがある化合物
を用いたものが多く、この点でも改善の余地を有してい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、抗菌性、防かび性および防ダ
ニ性に優れる上、人体に対する安全性に優れ、廃棄処理
しても有害な物質の発生しない環境負荷の少ない繊維製
品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によれば、繊維基材と、該繊維基材に定着せしめた貝
殻粉末と、を有することを特徴とする繊維製品、が提供
される。
【0008】また本発明によれば、表面または裏面に配
置された物品を衛生な状態に維持する衛生シートであっ
て、シート状の繊維基材と、該繊維基材に定着せしめた
貝殻粉末と、を有することを特徴とする衛生シート、が
提供される。
【0009】本発明は、繊維基材に定着した貝殻粉末に
より、優れた抗菌性、防かび性および防ダニ性を発揮す
る。ここで、抗菌性とは、細菌の繁殖を防止する性能の
ほか、これらの細菌類を殺菌する性能を含む。本発明に
おいては、使用初期から優れた抗菌性、防かび性および
防ダニ性を発揮し、しかもその作用が長期にわたって持
続する。これは、貝殻を粒子状の粉末として繊維等に定
着した形態で用いていること、および、有効成分の放出
源である貝殻粉末が徐放性を備えていることによるもの
である。
【0010】本発明の繊維製品は、周囲に対して、各種
細菌やダニ等を忌避させる作用効果を有するため、表面
または裏面に配置された物品を衛生な状態に維持する衛
生シートとして好適に用いることができる。
【0011】また、貝殻粉末は、もともと天然に存在す
るものであり、人体に対する安全性に優れる。室内に配
置されるカーテン、壁紙等の物品は、幼児やペットが口
にすることもあり、特に安全性が要求されるところ、本
発明の繊維製品等は、このような高い安全性の要求を満
たすものである。
【0012】また、本発明の繊維製品等は、焼却しても
有害な物質が発生せず、環境負荷も少ない。従来、繊維
製品に抗菌性を付与する方法として、有機化合物からな
る抗菌剤を繊維に添加する方法が用いられてきたが、こ
の方法では、余った抗菌剤の廃棄が困難であった。すな
わち、抗菌剤をそのまま下水に流すと下水処理に用いら
れるバクテリアを死滅させてしまうことから、一定の処
理を経た後に廃棄することが要求される。これに対して
本発明においては、もともと天然に存在する貝殻粉末を
用いていることから有害物質が発生せず、廃棄処理が簡
便となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における繊維基材として
は、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリウレタン
繊維、ナイロン、ポリアミド繊維等の化学繊維のほか、
綿、不織布、フェルト、紙等を用いることができる。こ
のうち、ポリエステル繊維等の化学繊維や不織布が好ま
しい。貝殻粉末を安定的に定着できるからである。繊維
基材の大きさや厚みは、目的に応じて適宜設定すること
ができる。
【0014】本発明における貝殻粉末は、貝を脱殻後、
必要に応じて加熱乾燥し、その後クラッシャー等を用い
て粉砕して粉末(粒状物)とすることに得ることができ
る。貝殻粉末の平均粒子径は、用途に応じて適宜な値が
選択されるが、通常は0.01〜300μm程度、好ま
しくは0.05〜100μm、より好ましくは0.05
〜20μmとする。このような粒径とすることにより、
繊維基材へ安定に定着させることができ、また、繊維製
品の柔軟性を良好に維持できる。
【0015】本発明における貝殻粉末の原料となる貝と
しては、ホタテ、カキ、あわび、ハマグリ貝等、種々の
ものを用いることができるが、ホタテが特に好ましい。
【0016】ホタテ貝による抗菌作用が他の貝類に比べ
て顕著である理由は明らかでないが、貝殻の結晶構造や
カルシウム以外の微量成分の存在比の差異により、抗菌
作用の差が生じているものと考えられる。優れた抗菌作
用を長期間にわたって持続的に発揮させるためには、貝
殻の結晶構造や他の微少成分の組成が好適な形態となっ
ていることが重要となり、ホタテ貝はこのような条件を
満たしているため、長期にわたる優れた抗菌性が得られ
るものと推察される。
【0017】一方、ホタテ貝は産業廃棄物として大量に
発生するものであり、本発明は、その再利用を図る途を
提供する点でも重要な意義を有するものである。我国に
おいて、ホタテ貝は毎年大量に水揚げされ食用に供され
ているが、その残滓としての貝殻も大量に発生する。こ
の大量に発生するホタテ貝の貝殻を如何に再利用するか
はホタテ貝事業の存続にとって最大の関心事であると共
に、地域の環境保全の立場からも重要な意味を有するも
のである。従来、ホタテ貝の再利用方法について種々の
検討が行われてきたが、有効な再利用方法は未だ見い出
されていないのが現状であった。本発明によれば、かか
る産業廃棄物としてのホタテ貝を有効利用することがで
きる。
【0018】なお、本発明の貝殻粉末として、ホタテ貝
の中でも、陸奥湾産のホタテ貝を用いた場合、抗菌効果
の持続性がより向上する。前述したように、抗菌作用の
程度および持続性は、貝殻の組成や結晶構造によって相
違すると考えられる。一口にホタテ貝といっても、産地
によって貝殻の組成や結晶構造が相違するため、上記の
ようにホタテ貝の産地によって抗菌性の差異が生じるも
のと推察される。
【0019】本発明において、繊維基材に対する貝殻粉
末の定着する形態は特に制限がないが、繊維基材表面に
貝殻粉末が定着した形態が好ましい。このような形態と
することにより、抗菌性、防かび性および防ダニ性が使
用初期から充分に発揮され、しかもその効果が持続する
からである。
【0020】繊維基材に対して貝殻粉末を定着させる方
法は特に制限がないが、たとえば下記の方法を採用する
ことができる。
【0021】(プリント方法)プリント糊、水、貝殻粉
末を含む液状組成物を、スクリーン印刷法を用いて繊維
基材に付着する。その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着
させる。
【0022】(パッド法)繊維基材を連続的に移動さ
せ、水、貝殻粉末、粘度調整剤および適宜、糊を含む液
状組成物の入ったバケットに繊維基材を浸漬した後、マ
ングルを用いて絞り、加熱乾燥する。これにより、貝殻
粉末が繊維基材に定着する。粘度調整剤としては低粘度
アルギン剤等が用いられる。
【0023】(コーティング方法)プリント糊、水、貝
殻粉末を含む液状組成物を、繊維基材にコーティングす
る。その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着させる。
【0024】(噴射プリント法)プリント糊、水、貝殻
粉末を含む液状組成物を繊維基材表面に噴射し、付着す
る。その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着させる。
【0025】(泡付着法)水、貝殻粉末、発泡剤および
適宜、糊を含む液状組成物を調製した後、撹拌により発
泡させる。このようにして得られた泡状の液体を繊維基
材表面に接触させ、付着させる。その後、加熱乾燥し、
繊維基材に定着させる。
【0026】(内添法)貝殻粉末を添加した繊維原料を
用いて繊維を形成する。
【0027】上記の方法のうち、プリント法およびパッ
ド法は、繊維基材表面に貝殻粉末を安定に定着させるこ
とができる点、および、製造の歩留まりが良好である点
で好ましい。
【0028】繊維製品に対する貝殻粉末の配合量は、繊
維基材の種類や用途に応じて適宜設定することができ、
通常、繊維製品100質量%に対し、0.001〜30
質量%、好ましくは0.01〜10質量%とする。この
ような範囲とすれば貝殻粉末を繊維基材に安定に定着さ
せることができる。
【0029】本発明の繊維製品は種々の用途に適用する
ことができ、人間の生活空間内で使用される各種の物品
に好ましく用いることができる。たとえば、室内用途と
して、床の下敷きシート、押入用下敷きシート、壁紙、
カーテン、キッチン用品、トイレ用品、バス用品、ペッ
トゲージの敷物シート等が挙げられる。また、衣料用途
として、靴の内部の底に敷くシート、あるいは、医療用
使い捨て手術着等が挙げられる。その他、洗濯機の洗濯
槽の裏面に本発明の繊維製品を貼り、洗濯槽の内部の衛
生度を高めるといった用途に用いることもできる。
【0030】上記用途のうち、特に、室内で使用され
る、床の下敷きシート、壁紙、カーテン等の用途に用い
た場合、より効果的である。本発明の繊維製品は、優れ
た抗菌、防かび、防ダニ効果が長期にわたって持続する
点、および、特に防かび性が顕著に優れる点が特徴であ
るため、これらが要求される上記用途に適用した場合、
特に効果的となるのである。
【0031】本発明の衛生シートとは、繊維基材に貝殻
粉末を定着させたものである。繊維基材としては、前記
したようにポリエステル等の化学繊維、綿、不織布、フ
ェルト等を用いることができる。シートの大きさや厚み
は、目的に応じて適宜設定することができる。基材に対
して貝殻粉末を定着する方法については前記したとおり
である。たとえば、糊等を用いて、繊維製品に対して後
加工で付着、定着させる方式が好ましい。本発明の衛生
シートは、人体に対しても無害である。また、そのまま
廃棄処理しても有害な物質が発生せず、この点でも安全
性に優れている。
【0032】本発明の衛生シートは、それ自身が抗菌
性、防カビ性、防ダニ性に優れる上、周囲に対して、各
種細菌やダニ等を忌避させる作用効果を有するため、表
面または裏面に配置された物品を衛生な状態に維持する
ことができる。物品としては、畳、絨毯等の敷物、食
器、調理器具、衣類、布団等が挙げられ、このうち、畳
や絨毯等の敷物とした場合、特に効果的である。本発明
における貝殻粉は、抗菌作用にくわえて、防かび、防ダ
ニ性に優れるため、かびやダニの発生が問題となる畳や
絨毯に適用すれば顕著な効果が得られる。
【0033】本発明の衛生シートは、床の下敷きシー
ト、すなわち、住居の床面に敷き、室内の衛生度を高め
るためのシートとして好適に用いることができる。適用
の方法としては、たとえば畳を設けた部屋においては、
床と畳の間、畳と、その上に敷く絨毯との間に配設する
ことができる。また、フローリングの部屋において、フ
ローリング床と、その上に敷く絨毯との間に配置するこ
とができる。畳や絨毯の配置された床廻りは通気性が悪
くかびやダニが発生しやすい。本発明の衛生シートは特
に防カビ・防ダニ性に優れるため、このような用途に好
適に用いられる。
【0034】また、本発明に係る衛生シートは、押入の
下敷きシート、すなわち、押入の床面に敷いてその上に
保管する布団の衛生度を高めるためのシートとして好適
に用いられる。押入の中は、湿気の多い布団が保管され
るため、かびやダニが発生しやすい。本発明の衛生シー
トは特に防カビ・防ダニ性に優れるため、このような用
途にも好適に用いられる。
【0035】また、本発明に係る衛生シートは、食器棚
に衛生シートを敷き、その上に食器を衛生な状態に維持
するのに用いることができる。その他、ペットゲージの
敷物用として用いることもできる。
【0036】本発明の繊維製品の好ましい実施形態とし
て、カーテン地を挙げることができる。カーテン地は、
繊維基材と、その上に適宜設けられる各種の層と、によ
り構成される。本発明をカーテン地に適用する場合、上
記繊維基材に貝殻粉末を定着させた構成とすることがで
きる。繊維基材としては、前記したようにポリエステル
等の化学繊維、綿等の天然繊維、不織布、フェルト等を
用いることができる。繊維基材の上に設けられる層とし
ては、美観性や消臭性、難燃性等種々の機能を付与する
層が挙げられる。貝殻粉末を定着する方法については前
記したとおりである。たとえば、糊等を用いて、繊維基
材に定着させる方式が好ましい。本発明をカーテン地に
適用した場合、他の機能成分、たとえば難燃性付与剤、
消臭性付与剤、撥水性付与剤等と併用しても、これらの
成分の作用を損なうことがないという利点を有する。
【0037】本発明の繊維製品の他の好ましい実施形態
として、壁紙を挙げることができる。壁紙は、化学繊
維、紙、不織布等からなる繊維基材と、その上に適宜設
けられる各種の層と、により構成される。本発明を壁紙
に適用する場合、上記繊維基材に貝殻粉末を定着させた
構成とすることができる。本発明に係る壁紙は、貝殻粉
末を定着する方法については前記したとおりである。た
とえば、糊等を用いて繊維基材に定着させる方式が好ま
しい。本発明に係る壁紙は、他の機能成分、たとえば難
燃性付与剤、消臭性付与剤、撥水性付与剤等と併用して
も、これらの成分の作用を損なうことがなく、この点に
おいても利点を有する。
【0038】本発明の他の実施形態として、衛生畳を挙
げることができる。畳の内部、たとえば畳表と畳床との
間に、前述した衛生シートを配置することにより、良好
な抗菌性、防かび性および防ダニ性が持続し、畳内部に
かびが発生したり菌が繁殖することを効果的に防止でき
る。
【0039】なお、カーテン、壁紙、畳等、室内の備品
として用いられる物品は、いったん配置されるとそのま
ま長期間使用されるという性質を有する。このため、抗
菌性、防かび性および防ダニ性に関して、特に長期持続
性が要求される。この点、本発明によれば、有効成分の
放出源である貝殻粉末が徐放性を備えているため、その
性能が長期にわたって持続し、このような用途に好適に
用いられる。
【0040】
【実施例】実施例1 陸奥湾で採取された天然ホタテの貝殻を、粉砕し、粒径
分布0.1〜10μm、平均粒径5μmのホタテ貝殻粉
末からなる試料を得た。粒径は、堀場製作所社製、粒径
分布測定器LA−700を用いて測定した。このホタテ
貝殻粉末を下記試験菌とともに綿布の上に敷き詰め、J
IS Z 2911.6.2.2(湿式法)により、防
かび性の評価を行った。 試験菌:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger
(IFO 6341))、ペニシリウム シトリニウム(Penicill
ium citrinum(IFO 6352))、カトミウム グロボスム
(Chaetomium globosum(IFO 6347))、ミロテシウム
ベルカリア(Myrothecium verrucaria(IFO 6113)) 使用培地:JIS無機塩寒天培地 評価は、財団法人日本化学繊維検査協会によって行われ
た。評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】評価基準 1:試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3を超え
て認められる。 2:試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3以内で
認められる。 3:試験片上に菌糸の発育部分が認められない。
【0043】実施例2 (i)試料の作製 陸奥湾で採取された天然ホタテの貝殻を、粉砕し、粒径
分布0.1〜10μm、平均粒径5μmのホタテ貝殻粉
末からなる試料を得た。粒径は、堀場製作所社製、粒径
分布測定器LA−700を用いて測定した。このホタテ
貝殻粉末をポリエステル繊維の表面に付着させ、試料を
得た。ホタテ貝殻粉末の付着方法は、以下の方法を用い
た。
【0044】(プリント方法)プリント糊、水、貝殻粉
末を含む液状組成物を、スクリーン印刷法により繊維基
材に塗布し、その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着させ
た。
【0045】(パッド法)水、貝殻粉末および粘度調整
剤を含む液状組成物を、パッドを用いて繊維基材に塗布
し、その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着させた。粘度
調整剤としては低粘度アルギン剤を用いた。
【0046】以上の塗布方法を用い、下記試料A〜Eを
作製した。 ・試料A バインダー糊(水を含む)99質量%、ホタテ貝殻粉末
1質量%からなる液状組成物をプリント法により生地に
塗布した後、乾燥し、試料Aを得た。 ・試料B バインダー糊(水を含む)95質量%、ホタテ貝殻粉末
5質量%からなる液状組成物をプリント法により生地に
塗布した後、乾燥し、試料Bを得た。 ・試料C 水99質量%、ホタテ貝殻粉末1質量%からなる液体
を、パッド法により生地に塗布した後、乾燥し、試料C
を得た。 ・試料D 水95質量%、ホタテ貝殻粉末5質量%からなる液体
を、パッド法により生地に塗布した後、乾燥し、試料D
を得た。 ・試料E 市販の抗菌性カーテン地を評価に供した。 (ii)評価 上記試料について、抗菌性、防かび性、防ダニ性を評価
した。
【0047】(抗菌性)JIS L 1902により、
抗菌性を評価した。
【0048】評価結果を下記表に示す。評価は、財団法
人日本化学繊維検査協会によって行われた。
【0049】
【表2】
【0050】次に試験菌として肺炎桿菌を用いた場合の
抗菌性評価結果を下記表に示す。
【0051】
【表3】
【0052】(防かび性)各試料を、それぞれ下記試験
菌とともに綿布の上に敷き詰め、JIS Z 291
1.6.2.2(湿式法)により、防かび性の評価を行
った。 試験菌:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger
(IFO 6341))、ペニシリウム シトリニウム(Penicill
ium citrinum(IFO 6352))、カトミウム グロボスム
(Chaetomium globosum(IFO 6347))、ミロテシウム
ベルカリア(Myrothecium verrucaria(IFO 6113)) 使用培地:JIS無機塩寒天培地 評価結果を下記表に示す。評価は、財団法人日本化学繊
維検査協会によって行われた。
【0053】
【表4】
【0054】*評価基準 1:試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3を超え
て認められる。 2:試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3以内で
認められる。 3:試験片上に菌糸の発育部分が認められない。
【0055】(防ダニ性)防ダニ性を忌避テストにより
評価した(侵入阻止法)。容器内に各試料および未加工
試料を配置し、ダニを1万匹を加えた。24時間後、試
料に付着した生存ダニ数を測定することにより忌避率を
測定した。供試ダニは、ヤケヒョウヒダニ(Dermatopha
goides pteronyssinus(東京女子医大系))を用いた。
忌避率の測定は下記式によった。 忌避率(%)=(b−a)×100/b a:加工試料(試料1、2)の生存ダニ数 b:未加工試料の生存ダニ数 評価は、財団法人日本化学繊維検査協会によって行われ
た。結果を下記表に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る各種繊
維製品は、繊維基材に貝殻粉末を定着しているため、抗
菌性、防かび性および防ダニ性に優れる上、人体に対す
る安全性に優れ、さらに廃棄処理しても有害な物質の発
生せず環境負荷が少ない。このため、人間の住環境で使
用される種々の物品に有効に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C058 AA02 AA03 BB07 JJ03 JJ04 4H011 AA02 AA03 AC04 BA01 BB23 BC19 DH06 4L031 AB01 BA14 BA24 DA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材と、該繊維基材に定着せしめた
    貝殻粉末と、を有することを特徴とする繊維製品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維製品において、前
    記貝殻粉末がホタテ貝の貝殻粉末であることを特徴とす
    る繊維製品。
  3. 【請求項3】 表面または裏面に配置された物品を衛生
    な状態に維持する衛生シートであって、シート状の繊維
    基材と、該繊維基材に定着せしめた貝殻粉末と、を有す
    ることを特徴とする衛生シート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の衛生シートにおいて、
    前記貝殻粉末がホタテ貝の貝殻粉末であることを特徴と
    する衛生シート。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の衛生シートに
    おいて、前記物品が畳または絨毯であることを特徴とす
    る衛生シート。
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