JPH07166469A - 防虫性綿の製造方法 - Google Patents

防虫性綿の製造方法

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JPH07166469A
JPH07166469A JP5317051A JP31705193A JPH07166469A JP H07166469 A JPH07166469 A JP H07166469A JP 5317051 A JP5317051 A JP 5317051A JP 31705193 A JP31705193 A JP 31705193A JP H07166469 A JPH07166469 A JP H07166469A
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repellent
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cotton
fibers
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JP5317051A
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Hideo Kawasaki
英夫 川崎
Ichiro Natsume
一郎 夏目
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維から防虫性綿を製造する工程、および、
得られた防虫性綿をさらにふとんなどに二次加工する工
程において、防虫剤が繊維から揮散したり脱落したりせ
ず、かつ防虫剤が変質したりせず、防虫性能が低下せ
ず、臭気の発生もないような防虫性綿であり、防虫性能
の持続性、特に洗濯に対する耐久性に優れた防虫性綿
を、経済的に安価に製造する方法を提供する。 【構成】 ステープルを製造する過程の繊維に、難水溶
性、かつ、低揮散性である防虫剤を0.02〜2.0%
o.w.f.の割合で、樹脂バインダーと共に作用させ
る工程を包含する、防虫性綿の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防虫性綿の製造方法、
特にふとん類、クッション、ぬいぐるみなどの中身に用
いられる防虫性綿の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、防虫性繊維製品を製造する方
法としては、防虫性能を有する繊維を製造し、この防虫
性繊維から防虫性繊維製品を製造する方法(第1の方
法)、あるいは、繊維製品に防虫性能を付与して防虫性
繊維製品を製造する方法(第2の方法)が用いられてい
る。
【0003】上記第1の方法において、防虫性能を有す
る繊維を製造する方法としては、当初、繊維に、対象と
する害虫(主としてダニ)に効く殺虫、忌避効果のある
防虫剤のみを付与することにより防虫性繊維を製造する
方法が用いられてきた。
【0004】しかし、この方法により得られた防虫性繊
維から防虫性綿などの防虫性繊維製品を製造する工程、
および、得られた防虫性綿などの防虫性繊維製品をさら
にふとんなどに二次加工する工程などにおいて、上記防
虫剤が繊維から揮散したり、防虫剤が変質したりして、
防虫性能が低下するだけでなく、臭気が発生するなどの
問題があった。さらに、この方法により得られた防虫性
繊維製品は、防虫性能の持続性、特に洗濯に対する耐久
性に問題があった。
【0005】そこで、上記防虫性能を有する繊維を製造
する方法として、例えば、対象とする害虫(主として
ダニ)に効く殺虫、忌避効果のある防虫剤を混入・混練
した、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルな
どの繊維原料から繊維を製造する方法、繊維に、マイ
クロカプセル化した防虫剤、サイクロデキストリンによ
って包接された防虫剤、あるいは多孔質セラミックスに
担持させた防虫剤を付与することにより製造する方法、
繊維の表面を、防虫剤を混合・混練した材料で被覆す
ることにより製造する方法、繊維の表面に、撥水剤と
共に防虫剤を付与することにより製造する方法、繊維
の表面で、防虫剤を閉環、ジアゾ化などの手段により、
難溶化させることにより製造する方法、繊維の内部に
防虫剤を合浸させ、乾燥した後、湿熱または乾熱処理な
どの手段により、繊維を緻密化することにより製造する
方法が開発された。
【0006】上記の方法によれば、防虫性能の持続
性、特に洗濯に対する耐久性に対する問題は改善され、
外観および風合いも満足できる繊維製品が得られるが、
繊維表面に付与し得る防虫剤の絶対量が少なく、結果的
に防虫性能の低い繊維製品しか得られないという欠点が
ある。
【0007】上記の方法においては、防虫剤の製造コ
ストが大幅に増加し、結果的に製造される繊維製品のコ
ストが増大するだけでなく、製造された繊維製品の外観
および風合いが損なわれるという欠点がある。また、こ
の方法により得られた防虫性繊維から防虫性繊維製品を
製造する工程、および、得られた防虫性綿などの防虫性
繊維製品をさらにふとんなどに二次加工する工程などに
おいて、防虫剤が繊維から脱落してしまう可能性が大き
いという欠点もある。
【0008】上記の方法においても、繊維に付与可能
な防虫性能が低く、結果的に防虫性能の低い繊維製品し
か得られないという欠点がある。
【0009】上記あるいはの方法により得られた防
虫性繊維から防虫性繊維製品を製造する工程、および、
得られた防虫性繊維製品をさらに二次加工する工程にお
いて、防虫剤が繊維から脱落したり、防虫剤が変質した
りする可能性が大きいだけでなく、撥水剤と防虫剤との
相溶性などの相互関係、あるいは防虫剤の難溶化が可能
であるか否かということなどから、使用できる防虫剤が
限定されるという欠点がある。
【0010】上記の方法により得られた防虫性繊維か
ら防虫性繊維製品を製造する工程、および、得られた防
虫性繊維製品をさらに二次加工する工程においても、防
虫剤が繊維から脱落したり、防虫剤が変質したりする可
能性が大きいという欠点がある。
【0011】上記繊維製品自体に防虫性能を付与して防
虫性繊維製品を製造する方法(第2の方法)としては、
繊維製品全体または一部に、対象とする害虫(主として
ダニ)に効く殺虫、忌避効果のある防虫剤のみを付与す
ることにより製造する方法、あるいは、繊維製品全体ま
たは一部に、上記防虫剤を接着剤や樹脂バインダーと共
に付与することにより製造する方法が用いられてきた。
【0012】しかし、これら第2の方法においては、繊
維製品(例えば、ステープルでなる綿)全体に防虫性を
付与する工程において、繊維製品の形状などにより、上
記防虫剤が繊維製品から揮散して防虫性能が低下した
り、臭気が発生したりするという問題があった。さら
に、得られた防虫性繊維製品(例えば、防虫性綿)をさ
らにふとんなどに二次加工する工程などにおいては、上
記防虫剤が繊維製品から揮散したり、防虫剤が変質した
りして、防虫性能が低下するだけでなく、臭気が発生す
るなどの問題があった。そのため、これらの方法により
得られた防虫性繊維製品は、防虫性能の持続性、特に洗
濯に対する耐久性に問題があった。
【0013】このように、上記のいずれの方法によって
も、防虫剤が繊維製品から揮散したり脱落したりせず、
かつ防虫剤が変質したりせず、防虫性能が低下したりせ
ず、臭気の発生もないような防虫性製品であり、防虫性
能の持続性、特に洗濯に対する耐久性に優れた防虫性製
品を、経済的に安価に製造することは、困難であった。
【0014】カーペットなどの繊維製品においては、製
品の基布の裏面に、防虫剤を混入・混練したバッキング
材料や、防虫剤を含有する多孔性のシートを付加的に設
けることにより、防虫性製品を得る方法も開発された
が、カーペットなどの限定された繊維製品にしか有効で
はなく、防虫性綿などにおいては使用できない。
【0015】特に、上記性質を有し、ふとんなどの二次
加工を、防虫剤を揮散、脱落させることなく行うことが
可能な防虫性綿を得ることは困難であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的とするところ
は、繊維から防虫性綿を製造する工程、および、得られ
た防虫性綿をさらにふとんなどに二次加工する工程にお
いて、防虫剤が繊維から揮散したり脱落したりせず、か
つ防虫剤が変質したりせず、防虫性能が低下せず、臭気
の発生もないような防虫性綿であり、防虫性能の持続
性、特に洗濯に対する耐久性に優れた防虫性綿を、経済
的に安価に製造する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の防虫性綿の製造
方法は、ステープルを製造する過程の繊維に、難水溶
性、かつ、低揮散性である防虫剤を0.02〜2.0%
o.w.f.の割合で、樹脂バインダーと共に作用させ
る工程を包含する。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の防虫性綿の製造方法における、ス
テープルを製造する過程の繊維は、繊維原料からステー
プルに製造されるまでの繊維を示し、その形状として
は、フィラメント、トウ、ステープルなどがある。この
繊維の素材としては、木綿、ウールなどの天然繊維、ポ
リエステル、ポリアマイド、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、アクリルなどの合成繊維、あるいはレーヨンなど
の再生繊維などがあり得る。その中で、圧縮および弾性
特性の点からは、特にポリエステルが好ましい。また、
この繊維は、上記素材からなる繊維を一種類、あるい
は、二種類以上の混紡したものであってもよい。
【0020】本発明の防虫性綿の製造方法における防虫
剤とは、生活環境で発生する害虫(ダニなど)に対する
防御・忌避効果があり、繊維に付与され得る薬剤もしく
は該薬剤を含む組成物を示す。
【0021】本発明における上記防虫剤としては、難水
溶性、かつ、低揮散性である防虫剤が用いられ得る。こ
こで、難水溶性とは、水に対する溶解度が0.1g/リ
ットル以下であり、低揮散性とは、200℃×10分乾
熱処理後の重量減少が0.1%以下であることを示す。
この防虫剤の種類は、難水溶性かつ低揮散性であれば特
に限定されず、例えば、ジフェニールエーテル系、フタ
ルアミド系、安息香酸系、デヒドロ酢酸系が用いられ得
る。このような防虫剤のなかで、上記繊維に付与しても
繊維の色に影響が少ない点からは、淡い色、とくに透明
である防虫剤が特に好ましい。また、上記繊維に付与す
る際の取り扱いの容易さ点からは、液体である防虫剤が
特に好ましい。
【0022】本発明の防虫性綿の製造方法において上記
繊維に作用させる上記防虫剤の量は、繊維の素材、防虫
性綿の用途など、特に木綿とポリエステルからなる繊維
についてはその混紡率、に応じて適宜決められ、上記繊
維に対して0.02〜2.0%o.w.f.の割合であ
り得る。該防虫剤が繊維に対し0.02%o.w.f.
より少なく作用させた場合には得られる防虫性綿の防虫
性能が不十分となり、2.0%o.w.f.を越えて作
用させた場合には過剰な防虫性能が付与されコスト面で
も不経済となる。防虫性能および経済性の点からは、特
に0.2〜1.0%o.w.f.の割合で作用させるこ
とが好ましい。
【0023】本発明の防虫性綿の製造方法において上記
防虫剤と共に、上記繊維に作用させる樹脂バインダーと
しては、繊維加工に一般的に用いられている公知の樹脂
を用い得る。このような樹脂バインダーとしては、酢酸
ビニル系、アクリル系、ウレタン系、およびシリコン系
のバインダー、ならびにゴムラッテクスが挙げられる。
カードプロセスの簡便さ、防虫性綿の風合いの良さ、お
よび、防虫性綿からふとんなどの繊維製品に二次加工す
る際の加工性の良さからは、アクリル系バインダーの水
系エマルジョンが好ましい。樹脂バインダー自身の処方
の簡便さ、低コストであることなどの点からは、ウレタ
ン系エマルジョンが好ましく、その中でも特に低温熱架
橋性のウレタン系エマルジョンがさらに好ましい。
【0024】上記樹脂バインダーを作用させる量は、繊
維の素材、防虫性綿の用途などに応じて適宜決められ、
上記防虫剤に対して0.5〜5倍の割合で使用するのが
好ましい。この割合が、0.5倍より少ない場合は、繊
維に均一に防虫剤を付与することができず、得られる防
虫性綿の防虫性能の耐久性が悪くなる。5倍より多い場
合には、単位当りの繊維に付与される防虫剤の量が相対
的に少なくなるため、防虫剤の効果が充分に発揮され
ず、防虫性能が低下する。防虫剤を含む多量の樹脂バイ
ンダーを付与した場合には、繊維の表面に防虫剤を含む
樹脂バインダーの層が厚く形成されるため、得られた防
虫性綿の風合いも悪い。さらに、防虫性綿からの防虫性
繊維製品への加工プロセスでの操業性を阻害するので好
ましくない。防虫剤と共に樹脂バインダーを繊維に作用
させた後の防虫性綿の製造工程に、加熱、乾燥工程が含
まれる場合には、上記樹脂バインダーに架橋反応を起こ
す樹脂を用いると樹脂バインダー自身の耐久性が向上す
ることから、樹脂バインダーの使用が少量でよく、経済
的である。
【0025】本発明の防虫性綿の製造方法において、上
記防虫剤を上記樹脂バインダーと共に、例えば前述の割
合で防虫剤と樹脂バインダーを混合した後で、上記ステ
ープルを製造する過程の繊維に作用させる方法として
は、公知の方法を用い得る。この公知の方法としては、
パディング法、スプレー法、プリント法、コーティング
法、浸漬脱水法などが挙げられるが、特に、作用させる
際の容易さおよび簡便さの点からは、トウ状の繊維にパ
ディング法により作用させることが好ましい。なぜな
ら、ステープルを製造する過程の繊維のうち、トウ状の
繊維に、上記防虫剤を上記樹脂バインダーと共に作用さ
せる場合には、通常のプロセスにDip設備およびNi
p設備をさらに設けるだけで、連続的かつ均一に上記防
虫剤を樹脂バインダーと共に上記繊維に付与することが
可能となるからである。
【0026】本発明の方法により製造される防虫性綿
を、かけふとん、敷ふとん(パットを含む)、座ふと
ん、こたつぶとんのようなふとん類、ベッド、イスなど
の家具に用いられる硬わたクッションのようなクッショ
ン、ぬいぐるみなどの中身として詰めることにより、防
虫性能を有する繊維製品を容易に製造することができ
る。この繊維製品を製造する際には、本発明により得ら
れた防虫性綿を100%用いても、あるいは、防虫性能
を落とさない程度にウール、木綿、アクリル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなどの防虫性能を有さない繊維綿
と混合して用いてもよい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】(実施例1)ポリエステル樹脂チップを常
法により、溶融、紡糸して、トウ状のポリエステル繊維
(単糸デニール6、トータルデニール80万)を製造し
た。このトウ状のポリエステル繊維の重量に対し、0.
02%の防虫剤(安息香酸とパラオキシ安息香酸ブチル
とを1:1の割合で混合)と、0.018%の樹脂バイ
ンダー(ウレタン系エマルジョンで固形分が41%の樹
脂ボンディック1320NS(大日本インキ化学工業
製))とを混合した後、Dip−Nip方式で、上記ト
ウ状のポリエステル繊維に作用させた。次いで、160
℃で5分間乾燥後、カッティングし、6d×64mmの防
虫性ポリエステルステープルを製造した。これを防虫性
綿1とした。
【0029】(実施例2)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、0.02%の防虫剤と0.04%の樹脂バ
インダーとを混合した後、上記トウ状のポリエステル繊
維に作用させたこと以外は実施例1と同様にして、防虫
性綿2を製造した。上記トウ状のポリエステル繊維、防
虫剤、および樹脂バインダーは、各々実施例1で使用し
たのと同様である。以下の実施例においても、同様であ
る。
【0030】(実施例3)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、0.2%の防虫剤と0.4%の樹脂バイン
ダーとを混合した後、上記トウ状のポリエステル繊維に
作用させたこと以外は実施例1と同様にして、防虫性綿
3を製造した。
【0031】(実施例4)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、2%の防虫剤と4%の樹脂バインダーとを
混合した後、上記トウ状のポリエステル繊維に作用させ
たこと以外は実施例1と同様にして、防虫性綿4を製造
した。
【0032】(実施例5)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、2%の防虫剤と12%の樹脂バインダーと
を混合した後、上記トウ状のポリエステル繊維に作用さ
せたこと以外は実施例1と同様にして、防虫性綿5を製
造した。
【0033】(比較例1)トウ状のポリエステル繊維
に、防虫剤および樹脂バインダーを作用させなかったこ
と以外は、実施例1と同様である。このポリエステルス
テープルを、比較綿1とした。上記トウ状のポリエステ
ル繊維は、実施例1で使用したのと同様である。
【0034】(比較例2)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、0.01%の防虫剤と0.02%の樹脂バ
インダーとを混合した後、上記トウ状のポリエステル繊
維に作用させたこと以外は実施例1と同様にして、比較
綿2を製造した。上記トウ状のポリエステル繊維、防虫
剤、および樹脂バインダーは、各々実施例1で使用した
のと同様である。以下比較例3においても、同様であ
る。
【0035】(比較例3)トウ状のポリエステル繊維の
重量に対し、5%の防虫剤と10%の樹脂バインダーと
を混合した後、上記トウ状のポリエステル繊維に作用さ
せたこと以外は実施例1と同様にして、比較綿3を製造
した。
【0036】(比較例4)熱揮散性の高いN,N−ジエ
チルメタトルアミドを防虫剤として用いたこと以外は、
実施例3と同様にして、比較綿4を製造した。上記トウ
状のポリエステル繊維および樹脂バインダーは、各々実
施例1で使用したのと同様である。以下比較例5におい
ても、同様である。
【0037】(比較例5)熱揮散性の高いイソボルニル
チオシアノアセテートを防虫剤として用い、トウ状のポ
リエステル繊維の重量に対し、0.1%の防虫剤と0.
2%の樹脂バインダーを混合した後、上記トウ状のポリ
エステル繊維に作用させたこと以外は実施例1と同様に
して、比較綿5を製造した。
【0038】(実施例6)実施例3で製造した防虫性綿
3を50重量部と木綿50重量部とを混紡して、防虫性
綿6を製造した。
【0039】(実施例7)実施例3で製造した防虫性綿
3を50重量部と、比較例1で製造した比較綿150重
量部とを混紡して、防虫性綿7を製造した。
【0040】(性能評価)上記実施例1〜7および比較
例1〜5で得られた各綿を、カーディングした後、カー
ドウエブを作製し、さらに厚さ3mmのシート状にし
て、以下に記述する、防虫性の測定、カード通過性およ
び風合いの評価、ならびに臭気の有無の判定のための試
料とした。
【0041】さらに、上記試料を、JIS−L0217
103法に準じて5回洗濯し、防虫性の測定の試料と
した。
【0042】(防虫性の測定)防虫性の測定は、コナヒ
ョウダニを用いて大阪府立公衆衛生研究所法に準じ、下
記に示す試験方法により、上記洗濯前および洗濯後の各
試料において行った。得られたダニ忌避率(%)を、表
1に示す。
【0043】A.試験方法 直径4cm、高さ0.6cmのプラスチックシャーレを
粘着シート上に置き、その周囲に6個の同一のシャーレ
を中央のシャーレと縁が必ず接触するように置く。その
中心部のシャーレにダニ培地を生存ダニ数として約1
0,000個体投入し、ダニを入れたシャーレの周囲6
個のシャーレにはシャーレ底面に密着するように処理区
と無処理区の試料を交互に敷込み、各試料上にダニの入
っていない粉末飼料0.05gを置く。これを27×1
3×9cmの食品保存用プラスチック製容器に粘着シー
トごと入れ、飽和食塩水を入れて蓋をして容器内の湿度
を約75%に保ち、25℃±1℃の恒温器に格納して1
昼夜飼育する。翌日、試料上の粉末飼料は飽和食塩水浮
遊法にて、試料は次項に図解したウオータージェット法
にてダニを回収ののち計測し、式1にあてはめてダニ忌
避率を求めた。なお、試験はばらつきを考慮し、3回の
繰り返しを行った。
【0044】
【数1】
【0045】B.ウオータージェット法 図1に示すように、試料1を、直径18cmの30メッ
シュのふるい3の上に広げ、下に同径のバット4(容量
5リットル)を置いて、シャワー2で勢いよく試料1に
水5を吹き付ける。この操作により、試料1に付着した
ダニは洗い出され、下のバット4に落ちる。水5をまん
べんなく吹き付け、バット4が満水になったら、バット
4内の水5を全て吸引濾過する。この操作をダニが見ら
れなくなるまで2〜3回繰り返す。
【0046】(カード通過性および風合いの評価)上記
各綿を主としてローラーカードにかけ、ウェブを得る
(カード)プロセスにおける、静電気の発生による繊維
のからまり、たるみ、カード針布による繊維の切れ、粉
末の発生、および膠着繊維の有無、並びにウエブの均一
性などに関するウエブの外観品位を、肉眼で判定し、比
較例1で製造された比較綿1から得られた試料のカード
通過性を標準(○)とし、これより劣るものを○〜△、
さらに劣るものを△として評価し、表1に示す。
【0047】同様にウエブの風合いも、比較例1で製造
された比較綿1から得られた試料の風合いを標準(○)
とし、これより劣るものを○〜△、さらに劣るものを△
として評価し、表1に示す。
【0048】(臭気の有無)パネラー3人によって異常
臭あり、あるいは、異常臭なしの評価を上記試料におい
て行い、この評価の多数決によって、臭気の有無を判定
し、表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】上述したように、本発明の方法により、
繊維から防虫性綿を製造する工程、および、得られた防
虫性綿をさらにふとんなどに二次加工する工程におい
て、防虫剤が繊維から揮散したり脱落したりせず、かつ
防虫剤が変質したりせず、防虫性能が低下せず、臭気の
発生もない防虫性綿が、経済的に安価に得られる。この
防虫性綿は、防虫性能の持続性、特に洗濯に対する耐久
性に優れている。
【0051】さらに、本発明の方法により製造された防
虫性綿を、かけふとん、敷ふとん(パットを含む)、座
ふとん、こたつぶとんのようなふとん類、ベッド、イス
などの家具に用いられる硬わたクッションのようなクッ
ション、ぬいぐるみなどの中身として詰めることによ
り、防虫性能を有する繊維製品を容易に製造することも
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】防虫性を測定するためのウオータージェット法
の説明図である。
【符号の説明】
1 試料 2 シャワー 3 ふるい 4 バット 5 水

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステープルを製造する過程の繊維に、難
    水溶性、かつ、低揮散性である防虫剤を0.02〜2.
    0%o.w.f.の割合で、樹脂バインダーと共に作用
    させる工程を包含する、 防虫性綿の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011062259A1 (ja) * 2009-11-20 2011-05-26 出光テクノファイン株式会社 組成物、抗菌性処理剤及び抗菌性成形品
JP2019019443A (ja) * 2017-07-19 2019-02-07 大阪化成株式会社 機能性繊維およびその製造方法

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WO2011062259A1 (ja) * 2009-11-20 2011-05-26 出光テクノファイン株式会社 組成物、抗菌性処理剤及び抗菌性成形品
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