JP2002020886A - コンクリート構造物の電気防食装置および電気防食方法 - Google Patents

コンクリート構造物の電気防食装置および電気防食方法

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JP2002020886A JP2000202624A JP2000202624A JP2002020886A JP 2002020886 A JP2002020886 A JP 2002020886A JP 2000202624 A JP2000202624 A JP 2000202624A JP 2000202624 A JP2000202624 A JP 2000202624A JP 2002020886 A JP2002020886 A JP 2002020886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート構造物に対する影響が小さく、
施工が容易な電気防食装置を提供する。 【解決手段】 コンクリート表面に、コンクリート表面
との接触部に開口部を有した不良導電性の電気防食電極
用保持部材を有し、該電気防食電極保持部材中に電気防
食電極を有するとともに充填材が満たされており、電気
防食電極とコンクリート構造物中の鋼材との間に防食電
流を通電する手段を有するコンクリート構造物の電気防
食装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の電気防食に関し、特にコンクリート構造物中の鉄筋
等の鋼材の電気防食装置および電気防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物中の鉄筋は、コンク
リート中のアルカリ性環境では、通常は腐食は進行しな
い。しかし、沿岸部に位置するコンクリート構造物や凍
結防止用に散布された塩化カルシウム、食塩等のハロゲ
ン化物を含有した水に接触する構造物においては、ハロ
ゲン化物がコンクリート中に侵入して、鉄筋の腐食が生
じることがある。鉄筋が腐食すると、生成した鉄の水酸
化物等によって鉄筋の体積が膨脹して、周囲のコンクリ
ートに応力が作用してコンクリートのひび割れが生じ
る。コンクリートに生じたひび割れによって、さらに海
水等のハロゲン化物を含有した水が浸入すると、さらに
鉄筋の腐食が進行し、コンクリート構造物の落下等の重
大な問題が生じる危険性がある。
【0003】コンクリート構造物中の鉄筋等の鋼構造物
の腐食を防止する手段として、コンクリート構造物の表
面にチタン等の耐食性金属の表面に電極触媒被覆を形成
した電極を装着し、鉄筋を陰極として鉄筋に防食電流を
供給する電気防食方法が知られている。電気防食方法
は、腐食環境下にある鉄筋の電位を、腐食が生じない卑
の方向へと変化させることによって腐食が生じないもの
とするものであり、電気防食用の陽極のコンクリート表
面への設置方法には各種の方法が知られている。例え
ば、サンドブラスト等を使用してコンクリート表面に凹
凸を設ける等の方法によって下地処理を行い、網状陽極
を固定治具を用いてコンクリート表面に設置する。次
に、各網状陽極を電流分配材料を用いスポット溶接し、
陽極間の電気的導通を確保することが行われている。ま
たコンクリート表面に固定した網状陽極は、セメント系
の陽極被覆材(オーバーレイ材)により、陽極全面を被
覆する方法が知られている。ところが、陽極の設置の際
のオバーレイモルタルにより、施工後構造物の死荷重が
増加するという問題点があった。また、オーバーレイ材
等のモルタルの防食対象への被覆は、所定の厚さまで何
回かに分けて塗布し、モルタルとコンクリート躯体との
接着力を十分に確保することが必要であり、熟練した技
能者による作業が必要となる。
【0004】また、コンクリート表面に帯状陽極を埋設
するために、コンクリートカッター等を用いて一定の間
隔で溝の切削を行う方法が知られている。この方法で
は、切削した溝へ帯状陽極を固定し、各陽極を電流分配
部材で結合し、同一回路内で電気的に一体となるように
した後、溝をセメントモルタルで充填する。また、直接
海水などのしぶきを受けるような厳しい環境において
は、溝に型枠を設置しセメント系充填材を注入すること
が行われている。ところが、既設構造物に施工する場
合、帯状陽極をコンクリート表面に埋設するための溝を
コンクリートカッター等により切削して除去する必要が
あり、対象構造物において、劣化の見られない健全な個
所にも陽極を埋設するための溝を設ける必要がある。帯
状陽極は、対象構造物中の鋼材に均一に防食電流を供給
するため少なくとも両極の配置間隔が30cm以下とな
るように溝を設け、陽極を設置する必要があり、この作
業に時間を要する。また、鉄筋上のコンクリートのかぶ
り厚さが小さい場合には、陽極と鉄筋が短絡する危険性
があるので施工が不可能となる。また、コンクリート中
に埋め込まれた鉄筋の結束に用いられた結束線との短絡
の可能性もあり、常に陽極と鉄筋との絶縁を確認しなが
ら施工しなければならないと言う問題点があった。
【0005】また、コンクリート構造物に所定の径、お
よび深さの孔を振動ドリル等によって形成し、陽極棒を
孔に挿入する方法が知られている。この方法では、孔内
部にバックフィルを充填後、陽極棒を孔に挿入し、チタ
ン線などによって各陽極棒を結線し、陽極棒頭部及びチ
タン線を溝に収めて調合モルタル等で埋め戻すことが行
われている。ところが、この方法では、陽極棒の配置は
コンクリート表面積1m2 当たり少なくとも10本以上
埋設するために、数多くの設置孔を設ける必要があっ
た。また、コンクリート表面からコンクリート中へ陽極
棒を挿入するために、コンクリート中の鉄筋との接触の
危険性があり、陽極棒の1本、1本が鉄筋と接触してい
ないかを調査しながら施工しなくてはならず、陽極設置
に手間を要した。また、鉄筋上のコンクリートのかぶり
厚さが陽極棒の長さよりも小さい場合には、陽極棒を設
置することが不可能である。また、防食電流を均一に供
給するためには、挿入した個々の陽極棒の先端と鉄筋と
の距離が問題となるので、挿入用の孔を設ける前に、対
象構造物中の鉄筋の配置状況をレーダー等を用いて調査
をし、最適な陽極位置を求めることが必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気防食電
極の取り付けが容易で、またコンクリート構造物に対し
ても負担が小さく、施工性が良好で、しかも防食効果が
大きなコンクリート構造物中の鋼材の電気防食装置およ
び電気防食方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、コンク
リート構造物の電気防食装置において、コンクリート表
面に、コンクリート表面との接触部に開口部を有した電
気防食電極保持部材を有し、該電気防食電極保持部材中
には電気防食電極を有するとともに充填材が満たされて
おり、電気防食電極とコンクリート構造物中の鋼材との
間に防食電流を通電する手段を有するコンクリート鋼構
造物の電気防食装置によって解決することができる。電
気防食電極がコンクリート表面に固定部材によって固定
されている前記のコンクリート構造物の電気防食装置で
ある。
【0008】また、コンクリート構造物の電気防食方法
において、防食対象のコンクリート表面に、コンクリー
ト表面との接触部に開口部を有した電気防食電極保持部
材を固定した後に、該電気防食電極保持部材中に電気防
食電極を配置し固定し、その後に電気防食電極保持部材
中に充填材を塗布あるいは注入によって充填し、コンク
リート構造物の鋼材と電気防食電極との間に防食電流を
通電するコンクリート構造物の電気防食方法である。コ
ンクリート構造物の電気防食方法において、防食対象の
コンクリート表面に、コンクリート表面との接触部に開
口部を有し、内部に電気防食電極を備えた電気防食電極
保持部材を固定した後に、該電気防食電極保持部材中に
充填材を塗布あるいは注入によって充填し、コンクリー
ト構造物の鋼材と電気防食電極との間に防食電流を通電
するコンクリート構造物の電気防食方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、電気防食電極保持部材
を用いることによって、コンクリート表面を切削加工す
る等の工程を経ることなく直接に電気防食電極を装着す
ることができるので、施工性良く電気防食装置を作製す
ることができるという特徴を有している。そして、本発
明の電気防食装置および電気防食方法によって施工後の
死荷重の増加等の問題点、コンクリートの切削加工、あ
るいは電極用の孔形成の問題点等を解決することがで
き、コンクリート構造物中の鋼材へ防食電流が均一に供
給され、コンクリート構造物中の鋼材を効果的に防食す
ることができる。
【0010】以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の電気防食装置を説明する図である。本
発明の電気防食装置1をコンクリート2の表面に装着し
た状態を説明する斜視図であり、一部を切り欠いて示し
ている。コンクリート2中には鉄筋3が配置されてお
り、コンクリート2の表面に、電気防食電極保持部材4
が取り付けられている。電気防食電極保持部材4中に
は、電気防食電極5がコンクリート2の表面に接して配
置されており、電気防食電極保持部材4中には、充填材
10が充填されており、電気防食電極5を被覆してい
る。また、電気防食電極保持部材の上部は、蓋体41が
設けられており、内部の電気防食電極および充填材10
が保護されている。各電気防食電極は、電流分配部材6
によって電気的に接続されており、電流分配部材6、お
よび鉄筋3には防食電流供給用リード線7および8が接
統されており、電源9から、防食電流が供給される。
【0011】図2は、本発明の電気防食装置の電気防食
電極保持部材の断面を示す図である。電気防食電極5
は、コンクリート2の表面に接するように配置されてお
り、電気防食電極保持部材4の設置面42がコンクリー
ト表面に固定されている。また、電気防食電極保持部材
4内には、電気防食電極5を被覆する充填材10で満た
されており、蓋体41で覆われている。
【0012】図3は、電気防食電極保持部材の一例を説
明する図であり、図3(A)は、平面図、図3(B)
は、A−A’線での断面図であり、図3(C)はB−
B’線での断面図である。また、図3(D)は、電極を
取り付けた状態を説明する図である。電気防食電極保持
部材4は、コンクリート2の表面に接する設置面42を
有し、内部に配置する防食電極がコンクリート表面と接
するように底部には開口部43を有すると共に、開口部
43の間には、電気防食電極保持部材4の両側の部材を
結合する保持部44を有し、保持部44には、コンクリ
ート表面に固定部材によって電気防食電極保持部材4、
電気防食電極の少なくともいずれか一方を取り付けるた
めの貫通孔45が設けられている。また、図3(D)に
示した例では、電気防食電極保持部材4は、コンクリー
ト表面に設置面42によって設置され、電気防食電極5
は、固定部材11によって取り付けらている。固定部材
11は、固定部の電極面が表面に表れるように、プラグ
部12と開口部を設けたフランジ部13から構成されて
いる。
【0013】本発明の電気防食装置に使用する電気防食
電極としては、チタン等の耐食性金属からなる帯状の基
材、あるいはエキスパンデッドメタルからなる基材上
に、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、および
ルテニウム等の白金族の金属酸化物と酸化チタン、酸化
タンタル等のバルブ金属酸化物との複合酸化物からなる
電極触媒被覆を形成したもの、あるいはコバルトスピネ
ル化合物からなる電極触媒被覆を形成したものが好まし
く、電極触媒被覆の形成に先だって、白金等の金属から
なる下地層を形成したものであっても良い。
【0014】また、電気防食電極保持部材としては、絶
縁性材料を用いることができるが、コンクリートと同程
度の体積固有抵抗を有する材料の場合には、電気防食電
極保持部材を通じた電気防食電流の通電が可能となり、
電気防食電極保持部材が電気的な障害物とならないので
より好ましい。このような物質を用いる場合には、体積
固有抵抗が1000Ωcm以上、50000Ωcm以下
のものが好ましい。具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリ
アミド樹脂等の耐食性が大きな合成樹脂材料、セラミッ
クス等の不良導電性材料と共にチタン等の腐食性環境に
おいて表面に緻密な酸化皮膜を形成し電極としては機能
しなくなる薄膜形成性金属等、あるいはコンクリートを
用いることができる。
【0015】特に、セメント系のモルタル等を材料とし
たセメント系の材料は、防食電流を通電した場合に防食
対象のコンクリートと電気抵抗等の面において同等の挙
動を示すので、電気防食電極保持部材には開口部を設け
なくてもコンクリート中の防食対象の鉄筋に対して防食
電流を通電することが可能である。しかも、セメント系
の材料によって製造した電気防食電極保持部材は、熱膨
張係数等もコンクリートと同等の値のものが得られるの
で、熱膨張係数の不一致による変形等が生じることが少
ない。
【0016】また、電気防食電極保持部材中に充填する
充填材としては、電気防食電極とコンクリート表面との
間に生じた空隙を充填するとともに電気防食電極を被覆
して、防食対象のコンクリートと一体化するコンクリー
トと同程度のイオン導電性を示す材料を用いることが好
ましく、例えば、セメント系のモルタル、セメントペー
スト等が挙げられる。これらの充填材中には、pH12
程度の高pHで非導電性の繊維を含有してもも良い。使
用可能な繊維としては、アルミナ、チタニア及びジルコ
ニアの繊維等のセラミック繊維、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等ポリオレフィンの繊維、芳香族ポリアミド繊
維、ポリアミドの繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊
維を含むポリハロカーボン繊維、ポリカーボネート繊維
及びポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル
繊維等を挙げることができ、表面が平滑ではない繊維が
好ましい。
【0017】また、コンクリート表面に装着した複数の
電気防食電極保持部材内の各電気防食電極を導電接統す
る電流分配部材としては、電気防食電極の基材として使
用するチタン等の耐食性が大きな金属材料で作製するこ
とが好ましいが、被覆した電線等を用いて接合しても良
い。
【0018】次に、本発明の電気防食装置の設置方法に
ついて説明する。まず、防食対象となるコンクリート構
造物の表面に塗膜があれば表面の塗膜を除去し、コンク
リート表面にひび割れ等がある場合には、ひび割れ部を
充填する。次いで、コンクリート中に配置された鉄筋の
配置間隔、あるいは配置の疎密に応じて、鉄筋に所望の
防食電流が通電可能となるように電気防食電極の配置間
隔を考慮して電気防食電極保持部材および電気防食電極
を取り付ける。電気防食電極保持部材の取り付けは、コ
ンクリートに設けた孔に固定部材を挿入することによっ
て取り付けても、あるいは接着性物質で取り付けても良
く、あるいは両者を用いて取り付けても良い。
【0019】また、電気防食電極は、電気防食電極保持
部材と一体に固定部材によって取り付けても、あるいは
電気防食電極保持部材の取り付け手段とは別個の取り付
け手段によって取り付けても良い。電気防食電極を取り
付けた後に、各電気防食電極に電流分配部材を結合した
後に電気防食電極保持部材中に充填材を充填し、次い
で、電気防食電極保持部材の上部に蓋体を取り付けても
良い。また、電流分配部材を配置する部分を残して施工
し、電流分配部材を後から取り付けても良い。次いで、
電流分配部材とコンクリート中の鉄筋に防食電流の供給
用のリード線を接続し、電源から防食環境に応じた防食
電流を供給することによって防食することができる。
【0020】図4は、本発明の電気防食電極保持部材を
用いた一実施例を説明する図であり、施工面の断面を説
明する図である。図4(A)に示すように、コンクリー
ト2の表面に、コンクリート2内部の鉄筋3に均等に防
食電流が供給されるように所定の間隔を設けて防食電極
保持部材4を配置する。次いで、図4(B)に示すよう
に、固定部材11によって防食電極保持部材を固定した
後に、電気防食電極保持部材4の内部に電気防食電極5
を固定する。次いで、図4(C)に示すように電気防食
電極保持部材4の内部にモルタル等の充填材10を充墳
し、電気防食電極5の表面を覆う。また、各電気防食電
極には、充填材を充填する前に電流分配部材を結合して
も、あるいは電流分配部材との結合部分を残して施工
し、電流分配部材を後から取り付けても良い。
【0021】図5は、本発明の電気防食電極保持部材を
用いた他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を
説明する図である。図5(A)に示すように、コンクリ
ート2の表面に、コンクリート2内部の鉄筋3に均等に
防食電流が供給されるように所定の間隔を設けて電気防
食電極保持部材4を配置する。次いで、図5(B)に示
すように、固定部材11によって電気防食電極保持部材
を固定した後に、電気防食電極保持部材4の内部に電気
防食電極5を固定する。更に、図4(C)に示すよう
に、蓋体41を取り付けた後に、充填材注入管14によ
ってモルタル等の充填材10を充填し、図4(D)に示
すように充填材を硬化した後に、図4(E)に示すよう
に、電気防食電極保持部材4を覆った蓋体41を取り除
くことによって電気防食装置を完成する。また、各電気
防食電極には、充填材を充填する前に電流分配部材を結
合しても、あるいは電流分配部材との結合部分を残して
施工し、電流分配部材を後から取り付けても良い。
【0022】図6は、本発明の電気防食電極保持部材を
用いた他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を
説明する図である。図6(A)に示すように、電気防食
電極保持部材4に電気防食電極5を取り付けた後に、図
6(B)に示すように、コンクリート2の表面に、コン
クリート2内部の鉄筋3に均等に防食電流が供給される
ように所定の間隔を設けて電気防食電極保持部材4を配
置し、固定部材11によって固定する。次いで、図6
(C)に示すように、電気防食電極保持部材の内部にモ
ルタル等の充填材10を充填し電気防食電極5の表面を
覆い電気防食装置を完成する。また、各電気防食電極に
は、充填材を充填する前に電流分配部材を結合しても、
あるいは電流分配部材との結合部分を残して施工し、電
流分配部材を後から取り付けても良い。
【0023】図7は、本発明の電気防食電極保持部材を
用いた他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を
説明する図である。図7(A)に示すように、コンクリ
ート2の表面に、コンクリート2内部の鉄筋3に均等に
防食電流が供給されるように所定の間隔を設けて、内部
に予め電気防食電極5を設けた防食電極保持部材4を配
置し、固定部材11によって電気防食電極保持部材4を
固定する。次いで、図7(B)に示すように、電気防食
電極保持部材4に蓋体41を取り付けた後に、充填材注
入管14によってモルタル等の充填材10を充填する。
更に、図7(C)に示すように充填材を硬化した後に、
図7(D)に示すように、電気防食電極保持部材4を覆
った蓋体41を取り除くことによって電気防食装置を完
成する。また、各電気防食電極には、充填材を充填する
前に電流分配部材を結合しても、あるいは電流分配部材
との結合部分を残して施工し、電流分配部材を後から取
り付けても良い。
【0024】また、図8は、本発明の電気防食装置を施
工した例を説明する図である。図8(A)は、コンクリ
ート構造物20の側面を説明する図であり、コンクリー
ト構造物の壁面に本発明の電気防食電極保持部材4を配
置したものである。コンクリート構造物中には、直径9
mmの異形鉄筋が100mmの間隔で縦横に配置されて
おり、コンクリート表面にモルタルが付着しやすいよう
に下地処理を行った後に、図8(B)に示すように、底
面に開口部を有し、内部に電気防食電極を取り付けた塩
化ビニル樹脂製の幅25mm、長さ100mmの防食電
極保持部材4を300mmの間隔でコンクリート構造物
の壁面に取り付けた。そして、各電気防食電極を電流分
配部材6によって結合した後に、電気防食電極保持部材
4内部にモルタル充填した。次いで、鉄筋と電気防食電
極の間に電流を通電することによって、鉄筋には100
mVの均一な分極を与えることができた。
【0025】
【発明の効果】本発明の電気防食装置によって、コンク
リート構造物の鋼材の電気防食を容易に、しかもコンク
リート構造物に大きな荷重を与えることがなく行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電気防食装置を説明する図で
ある。
【図2】図2は、本発明の電気防食装置の防食電極保持
部材の断面を示す図である。
【図3】図3は、防食電極保持部材の一例を説明する図
である。
【図4】図4は、本発明の電気防食電極保持部材を用い
た実施例を説明する図であり、施工面の断面を説明する
図である。
【図5】図5は、本発明の電気防食電極保持部材を用い
た他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を説明
する図である。
【図6】図6は、本発明の電気防食電極保持部材を用い
た他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を説明
する図である。
【図7】図7は、本発明の電気防食電極保持部材を用い
た他の実施例を説明する図であり、施工面の断面を説明
する図である。
【図8】図8は、本発明の電気防食装置を施工した例を
説明する図である。
【符号の説明】
1…電気防食装置、2…コンクリート、3…鉄筋、4…
電気防食電極保持部材、5…電気防食電極、6…電流分
配部材、7,8…防食電流供給用リード線、9…電源、
10…充填材、11…固定部材、12…プラグ部、13
…フランジ部、14…充填材注入管、20…コンクリー
ト構造物、41…蓋体、42…設置面、43…開口部、
44…保持部、45…貫通孔
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH26 EA01 GA07 GA33 GA77 HA01 HA04 HA14 HB01 HB02 HB08 HD11 HD13 JA28 JB07 JD04 4K060 AA03 BA02 BA05 BA07 BA17 BA26 BA33 BA43 DA03 DA07 EA01 EA08 EB01 FA03 FA09 FA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物の電気防食装置にお
    いて、コンクリート表面に、コンクリート表面との接触
    部に開口部を有した電気防食電極保持部材を有し、該電
    気防食電極保持部材中には電気防食電極を有するととも
    に充填材が満たされており、電気防食電極とコンクリー
    ト構造物中の鋼材との間に防食電流を通電する手段を有
    することを特徴とするコンクリート鋼構造物の電気防食
    装置。
  2. 【請求項2】 電気防食電極がコンクリート表面に固定
    部材によって固定されていることを特徴とする請求項1
    記載のコンクリート構造物の電気防食装置。
  3. 【請求項3】 コンクリート構造物の電気防食方法にお
    いて、防食対象のコンクリート表面に、コンクリート表
    面との接触部に開口部を有した電気防食電極保持部材を
    固定した後に、該電気防食電極保持部材中に電気防食電
    極を配置し固定し、その後に電気防食電極保持部材中に
    充填材を塗布あるいは注入によって充填し、コンクリー
    ト構造物の鋼材と電気防食電極との間に防食電流を通電
    することを特徴とするコンクリート構造物の電気防食方
    法。
  4. 【請求項4】 コンクリート構造物の電気防食方法にお
    いて、防食対象のコンクリート表面に、コンクリート表
    面との接触部に開口部を有し、内部に電気防食電極を備
    えた電気防食電極保持部材を固定した後に、該電気防食
    電極保持部材中に充填材を塗布あるいは注入によって充
    填し、コンクリート構造物の鋼材と電気防食電極との間
    に防食電流を通電することを特徴とするコンクリート構
    造物の電気防食方法。
JP2000202624A 2000-07-04 2000-07-04 コンクリート構造物の電気防食装置および電気防食方法 Expired - Lifetime JP3403152B2 (ja)

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