JP2002020661A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

Info

Publication number
JP2002020661A
JP2002020661A JP2000204836A JP2000204836A JP2002020661A JP 2002020661 A JP2002020661 A JP 2002020661A JP 2000204836 A JP2000204836 A JP 2000204836A JP 2000204836 A JP2000204836 A JP 2000204836A JP 2002020661 A JP2002020661 A JP 2002020661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
group
diisocyanate
acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000204836A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Kougo
修 高後
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Yukari Sakai
由香里 酒井
Tadashi Okuma
正 大熊
Tatsu Oi
龍 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2000204836A priority Critical patent/JP2002020661A/ja
Publication of JP2002020661A publication Critical patent/JP2002020661A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1)で表される色素を少なくと
も1種含有することを特徴とするインクジェット記録用
インク。 【効果】 耐光性、保存安定性に優れた性能を示し、イ
ンクジェット記録方式のインクとして使用する場合、高
品位で滲みのない画像形成が可能となり、記録画像も耐
水性に優れた特性を有するインクジェット記録用インク
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式に好適に用いられるインクジェット記録用インク
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、インクジェット記録方式の記録用
インクとしては水系インクが用いられている。水系イン
クは、基本的に色素、水及び有機溶剤から構成され、臭
気、人体及び周辺環境への安全性の配慮から、水を主溶
媒とするインクとなっている。また、色素としては、一
般的には酸性染料、塩基性染料、反応性染料、及び直接
性染料等の水溶性染料が使用されている。このようなイ
ンクジェット記録用インク及び色素に関しては、以下に
示す様々な要求特性が挙げられる。すなわち、 (1)インクの粘度、表面張力、比電導度、密度、pH
等の物性値が適当であること (2)インクの長期保存安定性が良好であること (3)溶解成分の溶解安定性が高く、ノズルを目詰まり
させないこと (4)被記録材での速乾性が良好であること (5)記録画像が鮮明であり、耐光性、耐水性が良好で
あること などであるが、従来のインクでは、これら全ての特性を
満足するに至っていないのが現状である。
【0003】通常使用されている水系インクの場合、水
溶性染料を使用している。このために、特に記録画像に
水が掛かった場合、染料が溶出し、記録画像が滲んだ
り、消失してしまうなど耐水性に大きな問題があり、現
在、耐水性向上に注力した様々な検討がなされている。
例えば、顔料あるいは油溶性染料を色素として用いたイ
ンクや、水溶性染料を用いた水性インクに有機溶剤や樹
脂等を添加する方法等が検討されている。しかし、顔料
を用いたインクは分散安定性が悪く保存安定性が劣った
り、ノズルの目詰まりを引き起こす等の問題がある。ま
た、油溶性染料を用いたインクでは有機溶剤を用いてい
るため、臭気等の環境衛生等に問題があったり、インク
の滲みが大きく画像品位の低下を招くなどの問題があっ
た。また、添加剤を加えたインクの場合でも、保存安定
性が劣っていたり、ノズルの目詰まり、あるいはインク
が高粘度化しインクの飛翔が悪い等の問題点もあった。
【0004】最近では、特開平6−340835号公報
等に、染料または顔料によって着色されたポリエステル
樹脂を分散質とする水系分散体を用いるインクが記載さ
れている。しかしながら、顔料については依然として前
記の問題が残されており、染料についても樹脂との相溶
性が低いため、インク中に析出物が現れ、保存安定性が
低下し、ノズルの目詰まりを引き起こす等の問題を依然
として抱えている。このように、特にインクジェット記
録方式に用いられるインクの諸特性は、色素固有の特性
に影響されるところが大きく、これら諸条件を満たす色
素を選択することが極めて重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
耐水性に優れ、耐光性、かつ保存安定性に優れたインク
ジェット記録方式に最適のインクジェット記録用インク
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に到った。すなわち、本発明は、 水、色素、および樹脂を主成分とするインクにおい
て、下記一般式(1)(化2)で表される色素を、少な
くとも1種含有することを特徴とするインクジェット記
録用水性インク。
【0007】
【化2】 [式中、R、Rはそれぞれ独立に、置換されていて
もよい炭素数が4以上のアルキル基、Rは置換されて
いてもよいアルキル基、または、置換されていてもよい
アリール基、R、Rは置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよいアラルキル基、または、−
(CH)n−OCOR(ただし、R7は置換されて
いてもよいアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表
す。)、R6は水素原子、または置換されていてもよい
アルコキシ基を表す。] 一般式(1)において、R、Rがそれぞれ独立
に、置換されていてもよい炭素数が4以上のアルキル
基、Rが置換されていてもよいアルキル基、R、R
が−(CH)n−OCOR(ただし、Rは置換
されていてもよいアルキル基を表し、nは1〜4の整数
を表す。)、Rは水素原子、または置換されていても
よいアルコキシ基である記載のインクジェット記録用
水性インク。 着色樹脂微粒子が分散したエマルション形態である
、および記載のインクジェット記録用水性インク。
に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用イ
ンクは、水、色素、および樹脂を主成分とするインク組
成物において、前記一般式(1)で表される色素〔以
下、インクジェット記録用色素ともいう〕を、少なくと
も1種含有することを特徴とするものである。
【0009】本発明で用いる一般式(1)で表される色
素において、R、Rはそれぞれ独立に、置換されて
いてもよい炭素数が4以上のアルキル基、Rは置換さ
れていてもよいアルキル基、または、置換されていても
よいアリール基、R、Rは置換されていてもよいア
ルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、また
は、−(CH)n−OCOR(ただし、Rは置換
されていてもよいアルキル基を表し、nは1〜4の整数
を表す。)、Rは水素原子、または置換されていても
よいアルコキシ基を表す。
【0010】R〜RおよびRにおいて、置換され
ていてもよいアルキル基は、特に限定されるものではな
いが、炭素数1以上の直鎖、分岐又は環状のアルキル基
であり、例としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso
−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、
2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オ
クチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基等の直鎖ま
たは分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、
クロロエチル基等のハロゲノアルキル基;シアノエチル
基等のシアノアルキル基;メトキシメチル基、エトキシ
メチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−
プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基、n
−ブトキシエチル基、iso−ブトキシエチル基、te
rt−ブトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、等
が挙げられる。
【0011】置換されていてもよいアリール基として
は、特に限定されるものではないが、例えばフェニル
基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリ
フルオロメチルフェニル基等が挙げられる。置換されて
いてもよいアラルキル基としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙
げられる。
【0012】置換されていてもよいアルコキシ基として
は、特に限定されるものではないが、例えばメトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキ
シ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert
−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチ
ルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシル
オキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−
トリメチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、
n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の直鎖ま
たは分岐のアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シ
クロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基;メトキ
シメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ
基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメ
トキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポ
キシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブ
トキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、n
−ペンチルオキシエトキシ基、iso−ペンチルオキシ
エトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、iso−
ヘキシルオキシエトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ
エトキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシエ
トキシ基、n−ヘプチルオキシエトキシ基、n−オクチ
ルオキシエトキシ基、n−ノニルオキシエトキシ基等の
アルコキシアルコキシ基;ベンジルオキシ基等のアラル
キルオキシ基等が挙げられる。
【0013】一般式(1)で表される色素として好まし
いものは、置換基として、RおよびRがそれぞれ独
立に置換されていてもよい炭素数4以上のアルキル基で
あり、Rが炭素数1以上のアルキル基であり、R
よびRが置換されていてもよいアルキル基、または、
−(CH)n−OCOR(ただし、Rは置換され
ていてもよいアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表
す。)であり、Rが水素原子または置換されていても
よいアルコキシ基である。前記一般式(1)で表される
色素の具体例を第1表(表1〜5)に示すが、本発明で
用いられる色素は、第1表の色素に限定されるものでは
ない。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】本発明で用いる一般式(1)で表される色
素は、常法のアゾカップリングに従い、下記に示すルー
ト(化3)のように、一般式(2)で表される化合物類
と一般式(3)で表される化合物類とをカップリング
し、得られた一般式(4)で表される化合物類をシアノ
化することにより製造される。
【0020】
【化3】 [式中、R〜Rは前記に同じである。]
【0021】一般式(1)で表される色素は、具体的に
は、例えば塩酸中で、一般式(2)で表される化合物類
に、亜硝酸ナトリウム水溶液を加えてジアゾ化した後、
一般式(3)で表される化合物類へ前記のジアゾ化物を
加え、アゾカップリング反応を行い、生成した化合物を
濾別することで一般式(4)で表される化合物をまず得
た後、DMF等の溶媒中でシアン化銅を用いてシアノ化
反応を行い、水中に排出し生成物を濾別することで得ら
れる。なお、一般式(1)で表される色素の製造方法
は、前記の方法に限定されるものではない。
【0022】本発明で用いる色素は、各種インク、特に
インクジェット記録方式用の色素として有用である。該
色素はそのままでも使用可能であるが、特にインクジェ
ット記録方式用の色素として用いる場合、色素中に含ま
れる無機物等による記録装置の吐出ノズルの目詰まりを
防止するために、例えば、イオン交換樹脂や限外濾過に
よる脱塩処理や、その他の脱塩処理方法等、あるいはカ
ラムクロマトグラフィーにより精製を行ってもよい。
【0023】本発明のインクジェット記録用インクは、
一般式(1)で表される色素、水、樹脂を主成分とする
ものであり、乳化工程において一般式(1)で表される
色素により着色された樹脂微粒子が分散したエマルショ
ンの形態のインクである。また、本発明のインクジェッ
ト記録用インクには、必要に応じて、有機溶剤、添加剤
等を配合していてもよい。一般式(1)で表される色素
は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよく、また、その他の構造の異なった色素を混合し
てもよい。
【0024】本発明のインクジェット記録用インクにお
いて、着色樹脂微粒子を構成する樹脂としては、その表
面にイオン性基を有するものであれば良く、例えば、ポ
リエステル系樹脂、ビニル重合体、ポリウレタン系樹
脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の
様々な樹脂を用いることができる。ポリエステル系樹脂
としては、多価カルボン酸類と多価アルコール類から構
成され、単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させ
た樹脂等が挙げられる。
【0025】多価カルボン酸類としては、特に限定され
るものではなく、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、ス
ルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スル
ホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン
酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホ
テレフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ
エトキシ)安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フマ−ル
酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、
テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸等で示される芳香族多価カルボン
酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂
環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらは金属塩、アン
モニウム塩等としても使用できる。
【0026】多価アルコール類としては、特に限定され
るものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ペンタエルスリトール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリ
コール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカン
ジメタノール、メタキシレングリコール、オルトキシレ
ングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフ
ェノールA、ラクトン系ポリエステルポリオール類等で
示される脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコー
ル類、芳香族多価アルコール類等が挙げられる。また、
前記の多価カルボン酸類と多価アルコール類との単独あ
るいは二種類以上組み合わせて重合させたポリエステル
樹脂は、通常知られている末端封止可能な化合物を用い
て、高分子鎖の末端の極性基を封止したものを使用する
こともできる。
【0027】ビニル重合体、スチレン系樹脂、スチレン
−アクリル共重合体等の樹脂としては、特に限定される
ものではなく、例えば、以下に挙げる重合性単量体から
得られるものが挙げられる。この重合性単量体として
は、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−ter
t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベ
ンゼン等のビニル系芳香族炭化水素、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチ
ル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチ
ル)ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アク
リル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペン
チル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−
(メチル)ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等等の(メタ)アク
リル酸エステル系、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、(メタ)アク
リルアミド、N−置換マレイミド、無水マレイン酸、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルケトン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン等の単独あるいは二種類以上組み合
わせて重合させた樹脂等が挙げられる。 ポリウレタン
系樹脂としては、イソシアネート類とイソシアネート類
と反応し得る官能基を有する化合物から構成され、単独
あるいは二種類以上組み合わせて重合させた樹脂等が挙
げられる。
【0028】イソシアネート類としては、例えば、エチ
レンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、
ノナメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペン
タンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネ
ート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−
1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデ
カトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレント
リイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソ
シアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−
1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオク
タン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス
(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレング
リコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアネ
ート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジント
リイソシアネート、2−イソシアナトエチル−2,6−
ジイソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサ
ノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソ
シアナトヘキサノエート、キシリレンジイソシアナー
ト、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソ
シアナトプロピル)ベンゼン、α,α、α’,α’−テ
トラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシ
アナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)
ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエ
ーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシ
チレントリイソシアネート、2,6−ジ(イソシアナト
メチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シ
クロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘ
キサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメ
タンジイソシアネート、2,2−ジメチルジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナト
−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジ
イソシアネート、2−イソシアナトメチル−3−(3−
イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメ
チル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシ
アナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2
−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピ
ル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−
イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメ
チル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−
イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプ
タン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナ
トプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシ
クロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチ
ル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イ
ソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタ
ン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナト
プロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシク
ロ[2,2,1]−ヘプタン、ノルボルナンビス(イソ
シアナトメチル)等の脂環族ポリイソシアネート、フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピレンフ
ェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソ
シアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジ
イソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチル
ベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレン
ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリ
ジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4’
−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エ
チレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4−4’−
ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネ
ート、ポリメリックMDI、ナフタレントリイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシア
ネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−
トリイソシアネート、4−メチル−ジフェニルメタン−
3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、フ
ェニルイソシアナトメチルイソシアネート、フェニルイ
ソシアナトエチルエチルイソシアネート、テトラヒドロ
ナフチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジ
イソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシ
アネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、1,3−プロピレングリコールジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシ
アネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジ
イソシアネート、ジベンゾフランジイソシアネート、カ
ルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイ
ソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート、チオジエチルジイソシ
アネート、チオプロピルジイソシアネート、チオジヘキ
シルジイソシアネート、ジメチルスルフォンジイソシア
ネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエ
チルジイソシアネート、ジチオプロピルジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシ
アネート等の含硫脂肪族イソシアネート、ジフェニルス
ルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルス
ルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルチオエ
ーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スル
フィド、4、4’−メトキシベンゼンチオエチレングリ
コール−3,3’−ジイソシアネート等の芳香族スルフ
ィド系イソシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,
4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニ
ルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジ
イソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスル
フィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメ
チルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネ
ート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−
4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジ
フェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネート等
の脂肪族ジスルフィド系イソシアネート、ジフェニルス
ルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスル
ホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジディンスル
ホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
スルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジ
フェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネー
ト、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,
3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ジイソシアネートジベンジルスルホン、4,4’
−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシア
ネート、4,4’−ジ−tert−ブチルジフェニルス
ルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−メト
キシベンゼンエチレンジスルホン−3,3’−ジイソシ
アネート、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−
3,3’−ジイソシアネート等の芳香族スルホン系イソ
シアネート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンス
ルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル、4
−メトキシ−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−
4’−イソシアナトフェノールエステル等のスルホン酸
エステル系イソシアネート、4−メチル−4’−イソシ
アネート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−
4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベン
ゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソ
シアネート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンス
ルホニルアニリド−4−メチル−3’−イソシアネート
等の芳香族スルホン酸アミド、チオフェン−2,5−ジ
イソシアネート、チオフェン−2,5−ジイソシアナト
メチル、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアネー
ト、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナトメチル
等の含硫複素環化合物等が挙げられる。
【0029】前記イソシアネート類と反応し得る官能基
を有する化合物としては、例えば、以下のものが挙げら
れる。ポリオール化合物としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−
メチルグリコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビト
ール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、ア
ラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトー
ル、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシ
トール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグ
リペロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラエチレンエーテルグリコール、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シ
クロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロ
ヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオ
クタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロ
キシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5,
2,1,02,6 ]デカン−ジメタノール、ビシクロ
[4,3,0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジ
オール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカンジオー
ル、ビシクロ[4,3,0]ノナンジメタノール、トリ
シクロ[5,3,1,1]ドデカン−エタノール、ヒド
ロキシプロピルトリシクロ[5,3,1,1]ドデカノ
ール、スピロ[3,4]オクタンジオール、1,1’−
ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオ
ール、マルチトール、ラクチトール等の脂肪族ポリオー
ル、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレ
ン、テトレヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼ
ン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピ
ロガオール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、ト
リヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス−
(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビス
フェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス−
(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ビスフェノールS
等の芳香族ポリオール、ジブロモネオペンチルグリコー
ル等のハロゲン化ポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトン、ポリチオエーテルポリオー
ル、ポリアセタールポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリチオエー
テルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フランジ
メタノールの他にシュウ酸、グルタミン酸、アジピン
酸、酢酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、ピロ
メリット酸等の有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生
成物、前記ポリオールとエチレンオキシドや、プロピレ
ンオキシド等アルキレンオキシドとの付加反応生成物、
アルキレンポリアミンとアルキレンオキシドとの付加反
応生成物、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、
2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブタン
スルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン
酸、及びこれらのカプロラクトン変性品、2−メルカプ
トエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオ
ール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒ
ドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジ
メルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノ
ン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト
−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1,3−
ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3ーメ
ルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ
(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリト
ールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトー
ルペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒド
ロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)
メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエ
チルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプト
ジフェニルスルフォン、2−(2−メルカプトエチルチ
オ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ
(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタ
ンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチル
−トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられ
る。
【0030】この他、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミ
ン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シク
ロヘキシレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラ
ジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレ
ンジアミン、α,α’−メチレンビス(2ークロルアニ
リン)3,3’−ジクロル−α,α’−ビフェニルアミ
ン、m−キシレンジアミン、イソフォロンジアミン、N
−メチル−3,3’−ジアミノプロピルアミン、ノルボ
ルネンジアミン等に挙げられるポリアミノ化合物、ポリ
チオール化合物、セリン、リシン、ヒスチジン、等のα
−アミノ酸、更にこれら上記の活性水素化合物のハロゲ
ン置換体も使用することが出来る。これらはそれぞれ単
独で用いることも、また2種類以上混合して用いても良
い。これらの樹脂は、単独あるいは2種類以上混合させ
て用いることもできるが、なんらこれらに限定されるも
のではない。また、これらの樹脂は、その表面にイオン
性基を含有することによって優れた水分散性を発現す
る。
【0031】このようなイオン性基としてはスルホン酸
基、カルボン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基お
よびホスフィン酸基もしくはこれらのアルカリ金属塩基
やアンモニウム塩基、または第1級〜第3級アミン基等
を例示することができ、カルボン酸アルカリ金属塩基、
カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸アルカリ金属
塩基およびスルホン酸アンモニウム塩基が好ましく、特
にスルホン酸アルカリ金属塩基およびスルホン酸アンモ
ニウム塩基が水分散安定性の点で好ましい。イオン性基
の導入は、樹脂合成時にイオン性基を有する単量体を添
加すればよい。例えば、ポリエステル系樹脂にイオン性
基としてカルボン酸アルカリ金属塩基またはカルボン酸
アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの
重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に
導入することにより、樹脂末端にカルボキシル基を付加
し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて
中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法用
いることができる。
【0032】また、ポリエステル系樹脂微粒子にイオン
性基としてスルホン酸アルカリ金属塩基またはスルホン
酸アンモニウム塩基を導入する場合には、スルホン酸ア
ルカリ金属塩基またはスルホン酸アンモニウム塩基を有
するモノまたはジカルボン酸を系内に導入することによ
り、これらのイオン性基をポリエステル樹脂に導入する
ことができる。塩としてはアンモニウム系イオン、L
i、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等が挙げられ、
特に好ましいものはKまたはNaである。
【0033】本発明のインクジェット記録用インクは、 前記の重合性単量体にインクジェット記録用色素を溶
解あるいは分散させた後、乳化重合を行い、必要に応じ
て添加剤等を加えて均一溶解あるいは均一分散、さらに
水を加えて水分散体とし乳化を行う方法、 重合を行い前記の樹脂を得た後、インクジェット記録
用色素を直接添加し、必要に応じて添加剤等を加えて均
一溶解あるいは均一分散、さらに水を加えて水分散体と
し乳化を行う方法、 水溶性有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケ
トン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)や通常知ら
れている造膜助剤(例えば、テキサノール、N,N−ジ
メチルピロリドン等)にインクジェット記録用色素を溶
解あるいは分散させたものを、重合を行った前記の樹脂
に加え、また、必要に応じて添加剤等を加えて均一溶解
あるいは均一分散、さらに水を加えて水分散体とし乳化
を行い、さらに必要に応じて水溶性有機溶媒を留去する
方法、 水不溶性有機溶媒(例えば、トルエン等)にインクジ
ェット記録用色素を溶解あるいは分散させたものを、重
合を行った前記の樹脂に加え、また、必要に応じて添加
剤等を加えて均一溶解あるいは均一分散、さらに水を加
えて水分散体とし乳化を行うい、さらに必要に応じて水
不溶性有機溶媒を留去する方法、あるいは、 前記の樹脂の水系分散体を得た後、インクジェット記
録用色素を加えて、高温処理を行う高温染色法、等によ
って製造される。 なお、製造に際しては、不溶物を除去するため、メンブ
ランフィルター等の微小孔径のフィルターで濾過するこ
ともある。
【0034】乳化して得られた水系分散体中の着色樹脂
微粒子は、平均粒径が0.01〜1μmであることが好
ましく、さらに0.05〜0.8μmであることが特に
好ましい。平均粒径が小さすぎると画像濃度の低下や耐
水性の低下を引き起こす可能性があり、また、大きすぎ
るとインク中における分散安定性が低下して沈降物が生
じ保存安定性が悪くなる問題や、ノズルの目詰まり等の
問題を引き起こす可能性がある。
【0035】着色樹脂微粒子中の色素の含有量は、用
途、目的、色素の種類、インク組成、インクの印字濃
度、目詰まり性にもよるが、樹脂中に、1〜90重量
%、好ましくは5〜50重量%である。インク用色素の
含有量が少ないと十分な記録画像を得ようとした際、多
量のインクを必要とし、記録装置の印字ヘッドや記録紙
に負荷がかかる。また、色素の含有量が多いと色素が樹
脂粒子から析出し易くなりインク中に析出物を生じ、印
字ヘッドの目詰まり等を引き起こす。
【0036】また、本発明のインクジェット記録用イン
クには、インクの色調を調製するために、その他の色素
や、インク特性を損なわない程度に、公知の染料や顔料
をエマルジョンあるいは微分散状態に処理したものを添
加しても差し支えない。また、インク中の着色樹脂微粒
子の含有量は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量
%である。
【0037】本発明のインクには、必要に応じて、イン
クの保湿性、表面張力、粘度、乾燥速度等を調整するた
めに、水溶性有機溶媒を含有させてもよい。水溶性有機
溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、グリセリン、チオグリ
コール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル等の多価アルコールエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N
−ビニル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等の含窒素化合物、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−ブタノール等のアルコール類、グリセリン等
を用いることができる。これらの水溶性有機溶媒を含有
させる場合には、インク全量に対して1〜30重量%含
有させることが好ましい。
【0038】また、インクの保存安定性を向上させるた
めにインクのpHを7〜10に調整することが好まし
い。pH調整剤としては、NaHCO3 、Na24
7 、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリ
エタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化カリ
ウム及び水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物等
が挙げられる。
【0039】さらにまた、本発明のインクには、従来使
用されている種々の添加剤を必要に応じて加えることが
できる。例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、
分散安定剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、マスキン
グ剤、防かび剤、防腐剤、粘度調節剤、界面活性剤、表
面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗値調整剤、近赤外線
吸収剤、浸透剤等の添加剤が挙げられる。前記成分から
構成される本発明のインクは、インクジェット記録方式
のインクとして使用する以外に、筆記用具等のインクと
しても使用可能であり、記録特性、保存安定性、被記録
材への定着性、記録画像の鮮明性、耐光性、耐水性等に
優れたものである。また、本発明で使用する色素は、有
機溶剤に対する溶解性が高いため、捺染用途、印刷用途
等の溶剤型インクジェットインクとしても利用可能であ
る。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は重量部を示し、「色素N
o.」は第1表中のNo.を表す。
【0041】実施例1 着色樹脂微粒子分散液(A)の製造例 温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、ジメチル
テレフタレート180部、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチルエステル10部、エチレングリコール1
30部、トリシクロデカンジメタノール25部、テトラ
ブトキシチタネート0.1部を装入し、180〜220
℃で約3時間加熱してエステル交換反応を行った。次い
で、反応混合物を240℃まで加熱した後、オートクレ
ーブ内の圧力を10mmHgまでゆっくりと下げ、1時
間反応を続けた。オートクレーブ内の圧力を大気圧まで
戻し、共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0042】次に、得られたポリエステル樹脂100
部、メチルエチルケトン150部、テトラヒドロフラン
150部、第1表中No.56で表されるインクジェッ
ト記録用色素10部を混合した後、水600部を添加
し、さらに混合した。この混合物を0.8ミクロンのメ
ンブランフィルターで濾過し、加熱して溶剤を留去させ
た。冷却後、水を加えて固形分濃度を20重量%とし、
着色樹脂微粒子分散液(A)を得た。分散液中に分散し
ている微小樹脂粒子は平均粒径0.2μmを有するマゼ
ンタ色に着色された樹脂の微小粒子であった。
【0043】特性の評価 該着色樹脂微粒子分散液に、液粘度が3センチポイズに
なるように、グリセリンおよび水を添加し、固形分15
重量%を含有する水系インクを得た。この水系インクを
用い、ピエゾ方式インクジェットプリンター用インクカ
ートリッジに充填し、同方式プリンターにより印字及び
画像記録を行い、下記の項目について試験を行った。そ
の結果、 (A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐
光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良
好であった。
【0044】なお、各試験項目の評価基準は下記の通り
である。 (A)画像評価:普通紙に画像を形成させ、滲み状態を
目視により判定した。 評価基準:滲みがなく、濃度も高く鮮明 ; ◎ 滲みがあるが画像には影響なし ; ○ 滲みが目立つ ; × (B)耐水性評価:試験の画像記録された普通紙の印字
部分を、水に漬けて自然乾燥後、反射濃度計(マクベス
社製)を用い、印字濃度(OD値)を測定し、耐水性評
価を行った。 (C)耐光性評価:キセノンフェードメーター(スガ試
験機社製)を用い、100時間照射した後、印字濃度
(OD値)を測定し、耐光性評価を行った。 (D)インクの保存安定性評価:水系インクを40℃で
1ヶ月間保存後、上記プリンターで長時間連続記録し
て、目詰まりの有無を観察した。
【0045】実施例2 着色樹脂微粒子分散液(B)の製造例 温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、ジメチル
テレフタレート 150部、ジメチルイソフタレート
50部、5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエス
テル5部、エチレングリコール 150部、ネオペンチ
ルグリコール250部、テトラブトキシチタネート
0.1部を装入し、180〜220℃で約3時間加熱し
てエステル交換反応を行った。次いで、反応混合物を2
40℃まで加熱した後、オートクレーブ内の圧力を10
mmHgまでゆっくりと下げ、1時間反応を続けた。オ
ートクレーブ内の圧力を大気圧までもどし、共重合ポリ
エステル樹脂を得た。
【0046】次に、得られたポリエステル樹脂100
部、メチルエチルケトン150部、テトラヒドロフラン
150部、第1表中No.56で表されるインクジェッ
ト記録用色素10部を混合した後、水600部を添加
し、さらに混合した。この混合物を0.8ミクロンのメ
ンブランフィルターで濾過し、加熱して溶剤を留去させ
た。冷却後、水を加えて固形分濃度を20重量%とし、
着色樹脂微粒子分散液(B)を得た。分散液中に分散し
ている微小樹脂粒子は平均粒径0.3μmを有するマゼ
ンタ色に着色された樹脂の微小粒子であった。
【0047】該着色樹脂微粒子分散液にグリセリンおよ
び水を添加し、固形分15重量%を含有する水系インク
を得た。実施例1と同様にインク特性の評価を行った結
果、 (A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐
光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良
好であった。
【0048】実施例3〜51 第1表に記載の各種のインクジェット記録用色素を用
い、実施例1あるいは2の方法でインクを作製し、該イ
ンク特性の評価を行い、その結果を、第2表(表6、表
7)に示した。なお、中の「インク製造法」は実施例
1、2のいずれかの方法を示す。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】本発明のインクジェット記録用色素を用い
た全ての水系インクは、特に耐水性に優れ、長期に渡る
保存安定性に優れたものであった。また、記録画像にお
いても良好で滲みもなく、耐光性に優れたものであっ
た。
【0052】比較例 油溶性染料C.I.Solvent Red 3 を用い、実施例1に準じ
てインクを作製したところ、色素の溶解性が低いため、
一部不溶物が見られた。該インクをフィルターに通して
不溶物を除去した後、同様に特性評価を行った。
【0053】 その結果、 (A)画像評価:○、(B)耐水性評価:○、(C)耐
光性評価:×、(D)インクの保存安定性評価:×とな
った。特に、色素の溶解性および樹脂との相溶性が悪い
ため、作製したインクに色素の沈殿物が生じ、保存安定
性がかなり悪くなった。そのため、印字ヘッドの目詰ま
りを引き起こし、印字が出来なくなるなど、本発明のイ
ンクジェット記録用色素に比べ、著しく悪かった。
【0054】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用色素は、
耐光性、保存安定性に極めて優れた性能を示す。特にイ
ンクジェット記録方式のインクとして使用する場合、高
品位で滲みのない画像形成が可能となり、記録画像も耐
水性に優れた特性を有するものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大熊 正 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番地32 三井化学株式会社内 (72)発明者 大井 龍 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番地32 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA55 BA59 4J039 AD02 AD03 AD04 AD08 AD10 AD11 AD12 AD14 AE04 AE06 BC12 BC20 BC33 BC36 BC40 BC44 BC76 BC77 CA06 EA35 EA38 EA42 EA44 EA47 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、色素、および樹脂を主成分とするイ
    ンクにおいて、下記一般式(1)(化1)で表される色
    素を、少なくとも1種含有することを特徴とするインク
    ジェット記録用水性インク。 【化1】 [式中、R、Rはそれぞれ独立に、置換されていて
    もよい炭素数が4以上のアルキル基、Rは置換されて
    いてもよいアルキル基、または、置換されていてもよい
    アリール基、R、Rは置換されていてもよいアルキ
    ル基、置換されていてもよいアラルキル基、または、−
    (CH)n−OCOR(ただし、Rは置換されて
    いてもよいアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表
    す。)、Rは水素原子、または置換されていてもよい
    アルコキシ基を表す。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R、Rがそ
    れぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数が4以上の
    アルキル基、Rが置換されていてもよいアルキル基、
    、Rが−(CH)n−OCOR(ただし、R
    は置換されていてもよいアルキル基を表し、nは1〜
    4の整数を表す。)、Rは水素原子、または置換され
    ていてもよいアルコキシ基である請求項1記載のインク
    ジェット記録用水性インク。
  3. 【請求項3】 着色樹脂微粒子が分散したエマルション
    形態である請求項1、または2記載のインクジェット記
    録用水性インク。
JP2000204836A 2000-07-06 2000-07-06 インクジェット記録用インク Withdrawn JP2002020661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204836A JP2002020661A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 インクジェット記録用インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204836A JP2002020661A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 インクジェット記録用インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002020661A true JP2002020661A (ja) 2002-01-23

Family

ID=18702030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000204836A Withdrawn JP2002020661A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 インクジェット記録用インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002020661A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021065250A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 富士フイルム株式会社 着色樹脂粒子分散物、インク、インクセット、インクジェット捺染方法、油溶性染料の製造方法、及び捺染物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021065250A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 富士フイルム株式会社 着色樹脂粒子分散物、インク、インクセット、インクジェット捺染方法、油溶性染料の製造方法、及び捺染物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7091261B1 (en) Yellow hue compound and aqueous ink for ink-jet recording system using the same
JP2000239584A (ja) インクジェット記録用インク
JP4047405B2 (ja) インクジェットインク組成物の形成方法
JP5433173B2 (ja) アゾ顔料および該アゾ顔料の製造方法、該顔料を含む顔料分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インク
KR20100124745A (ko) 아조 안료 조성물, 아조 안료 조성물의 제조방법, 아조 안료 조성물을 포함하는 분산물, 착색 조성물 및 잉크젯 기록용 잉크
JP2001146562A (ja) ピリドンアゾ化合物および該化合物を用いたインクジェット記録用水系インク
JP2000297234A (ja) インクジェット記録用水性インク
JP2002020661A (ja) インクジェット記録用インク
US6800674B2 (en) Anthraquinone compound and water-based ink-jet recording ink containing the compound
JP2004300224A (ja) 水系インク
JP3839640B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
KR100384956B1 (ko) 잉크젯기록용의 수성 잉크
JP2001131454A (ja) キノフタロン化合物および該化合物を用いたインクジェット記録用水系インク
JP2004292571A (ja) 水系インク
JP2004204150A (ja) アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク
JP3736742B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP2005041897A (ja) 黒色インク
JP2004285241A (ja) アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク
JP2004269619A (ja) アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク
JP2001131453A (ja) フタロシアニン化合物含有インク
JP2004203924A (ja) 水系インク及びその用途
JP2004292715A (ja) アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク
JP2005120235A (ja) アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク
JP2010159406A (ja) アゾ顔料組成物、アゾ顔料組成物の製造方法、アゾ顔料組成物を含む分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インク
JP2005120267A (ja) 黒色インク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060922