JP2004285241A - アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク - Google Patents

アゾ化合物及びそれを用いるインクジェット用インク Download PDF

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Rihoko Suzuki
理穂子 鈴木
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Tadashi Okuma
正 大熊
Tatsu Oi
龍 大井
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Abstract

【課題】色相が鮮明であり耐候性に優れ、有機溶媒への溶解性が高く、かつ保存安定性に優れた、インクジェット用インクのマゼンタ色素を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるアゾ化合物を少なくとも1種含有するインク。
Figure 2004285241

[式中、R、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQ(Q、Qは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を表す)を表す。R、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基を表し、RとRで環を形成していてもよく、また、R、Rはそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよい。Aは酸素原子を含有する連結基を表し、nは2または3の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアゾ化合物および該化合物を含むインク、特にインクジェット記録方式のインクに関する。
【0002】
【従来の技術】
マーカーなどの筆記用具、グラビア等の印刷、インクジェット記録方式のインクには着色剤として各種色素が用いられている。
このうち、インクジェット記録方式の記録用インクとしては、多くの場合、水溶性色素を用いた水系インクが用いられている。水系インクは、基本的に色素、水及び水溶性有機溶剤から構成され、水を主溶媒とする均一系インクとなっている。また、色素としては、一般的には酸性染料、塩基性染料、反応性染料、及び直接性染料等の水溶性染料が使用されている。インクジェット記録用インク及び色素に関しては、以下に示す様々な要求特性、すなわち、
(1)インクの長期保存安定性が良好であること
(2)インクの溶解安定性または分散安定性が高く、ノズルを目詰まりさせないこと
(3)被記録材での速乾性が良好であること
(4)記録画像が鮮明であり、耐候性、耐水性が良好であること
が挙げられるが、全ての特性を満足するに至っていないのが現状である。
特に、通常使用されている水系インクの場合、水溶性染料を使用しているために、記録画像に水が掛かった場合、染料が溶出し記録画像が滲んだり消失してしまうなど、耐水性に大きな問題がある。そのため、現在、耐水性向上に注力した様々な検討がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1あるいは特許文献2等には、顔料を色素として用いるインクの記載がある。しかし、顔料を用いた場合には、分散安定性が悪く保存安定性が不良であったり、ノズルの目詰まりを引き起こす等の問題がある。また顔料インクは記録画像が鮮明性に欠ける。
一方、特許文献3等に、染料または顔料によって着色されたポリエステル樹脂を分散質とする水系分散体を用いるインクの記載がある。しかし、顔料については、依然として前記の問題が残されており、染料についても樹脂との相溶性が不足しているため、インク中に析出物が現れ、保存安定性が不良となり、ノズルの目詰まりを引き起こす等の問題を依然として抱えている。
また、特許文献4等に、油溶性色素を用いた油性インクの記載がある。しかし、油性インクに用いる色素は、用いる有機溶剤への溶解性が不足しているとインク中の色素が析出しやすく、保存安定性が不良となりノズルの目詰まりの原因となるため、有機溶剤への高い溶解性が求められる。また、色素の吸光度が低いと、インクとしての吸光度を稼ぐために色素の添加量が増加するため、より高い溶解性が要求される。
【0004】
このようにこれまで種々の油溶性色素の検討がなされてきたが、残念ながら高い溶解性、鮮明な色相、高い吸光度を兼ね備える色素はまだあまり知られていない。さらに、インクとして用いる場合には高耐候性も求められるが、これらの特性を総て満たす色素はほとんど見当たらないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−246807号公報
【特許文献2】
特開2000−86948号公報
【特許文献3】
特開平6−340835号公報
【特許文献4】
特開2002−129047号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色相が鮮明であり、さらには耐候性、保存安定性に優れ、かつ有機溶媒への溶解性が高いインクジェット用インクのマゼンタ色素を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記目的に適う特定の構造を有する色素を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるアゾ化合物ならびに、該化合物を少なくとも1種含有するインク、より具体的にはインクジェット用インク、さらに具体的にはエマルションを形成してなる水系インクジェット用インクに関するものである。
【0008】
【化3】
Figure 2004285241
【0009】
[式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQ(Q、Qはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基を表す)を表す。
、Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルケニル基を表し、RとRで環を形成していてもよく、また、R、Rはそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよい。
Aは酸素原子を含有する連結基を表し、nは2または3の整数を表す。]
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる前記一般式(1)で表されるアゾ化合物における置換基について、以下具体的に説明する。
一般式(1)において、Aで表される連結基は、酸素原子を含有することを特徴とする。Aで表される連結基において、酸素原子を含有する形態としては、酸素原子を有する結合を含有する場合と、酸素原子を有する置換基を含有する場合が挙げられ、いずれか一方のみならず、双方、すなわち酸素原子を有する結合および酸素原子を有する置換基を有する連結基であっても良い。
酸素原子を有する結合としては、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合が挙げられる。
酸素原子を含有する置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルアミノカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルアミノカルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニルアミノ基が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ化合物のうち、耐光性および色相の観点から、好ましい化合物は、下記一般式(2)〜(5)で表されるものである。
【0011】
【化4】
Figure 2004285241
【0012】
[式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQ(Q、Qはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基を表す)を表す。
、Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルケニル基を表し、RとRで環を形成していてもよく、また、R、Rはそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよい。
またR、Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルケニル基を表す。
は水酸基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、−OCOQ、−OCONHQ(Qは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基を表し、Qは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表す)を表す。
およびRは環を形成しており、Wはエーテル結合を有する連結基、X、Y、Zは連結基を表し、nは2または3を表す。]
一般式(2)〜(5)において、置換基の具体例を以下に示す。
一般式(2)において、Wで表されるエーテル結合を有する連結基として、下記式の連結基(化5)が挙げられる。
【0013】
【化5】
Figure 2004285241
【0014】
(式中、m、n、pおよびqは0〜20の整数を表す。)
一般式(3)において、Xで表される連結基は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、あるいは、下記式で表される連結基(化6)が挙げられる。
【0015】
【化6】
Figure 2004285241
【0016】
ここで、m、n、pおよびqは0〜20の整数を表し、R20、R21は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、あるいはビスフェノール残基を表す。
ビスフェノール残基の例としては以下の残基(化7)が挙げられる。
【0017】
【化7】
Figure 2004285241
【0018】
一般式(4)および(5)において、RとRで形成する環は、シクロアルカンであり、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンが例示され、これらの環は連結基以外に置換基を有していてもよい。
一般式(4)において、Yで表される連結基は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、あるいは、下記式で表される連結基(化8)が挙げられる。
【0019】
【化8】
Figure 2004285241
【0020】
(式中、R22〜R24は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表す。)
一般式(5)において、Zで表される連結基は、上述のX、Yで例示される連結基のうち、n=2の場合のものが挙げられる。
一般式(1)〜(5)において、 R、Rにおいて、RとRが環を形成していてもよいものとして、例えば
【0021】
【化9】
Figure 2004285241
【0022】
(式中、Aは水素原子、置換されていてもよいアルキル基を示す)
が挙げられ、R、Rがそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよいものとして、例えば、
【0023】
【化10】
Figure 2004285241
【0024】
(A〜A20は水素原子、置換されていてもよいアルキル基を示し、Rは前記に同じ)。
が挙げられる。
本発明の化合物における、各種置換基(R〜R、R20〜R24、Q〜Q、A、A〜A20)について以下、具体的に説明する。
【0025】
各種置換基において、
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0026】
置換されていてもよいアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、デシル基、及び炭素数20までのアルキル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、
トリフルオロメチル基、クロロエチル基等のハロゲノアルキル基、シアノエチル基等のシアノアルキル基、
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、ペンチルオキシカルボニルメチル基、ヘキシルオキシカルボニルメチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基、フェノキシカルボニルメチル基等のアリールオキシカルボニルアルキル基、
アセチルオキシエチル基、エチルカルボニルオキシエチル基、プロピルカルボニルオキシエチル基、ブチルカルボニルオキシエチル基、ペンチルカルボニルオキシエチル基、ヘキシルカルボニルオキシエチル基等のアルキルカルボニルオキシアルキル基、
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、
メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、メトキシプロピル基等のアルコキシアルキル基、
メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基等のアルコキシアルコキシアルキル基
などが挙げられる。
【0027】
置換されていてもよいアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、プロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、等のアルコキシアルコキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシアルコキシ基等が挙げられる。
【0028】
置換されていてもよいアルケニル基としては特に限定されるものではないが、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
【0029】
置換されていてもよいアリール基としては特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリジル基、ナフチル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
【0030】
置換されていてもよいアリールオキシ基としては特に限定されるものではないが、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、クロロフェノキシ基、ブロモフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0031】
本発明の一般式(1)で表される化合物において、耐光性および色相の観点から好ましい具体例は前述の一般式(2)〜(5)であり、より好ましくは、一般式(3)〜(5)であり、さらに好ましくは一般式(3)で表される化合物である。
また、溶解性(特に油性媒体に対して)、耐光性、溶媒安定性、エマルション安定性、樹脂への着色性等の諸物性の観点から、好ましい置換基としては、下記の置換基が挙げられる。
【0032】
において、好ましくは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQであり、より好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQであり、さらに好ましくは−NHSOまたは、−NHCOQである。
、Qにおいて、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基であり、より好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基であり、置換されていてもよいアルキル基は特に好ましい。
R2において、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基であり、特に好ましくは、水素原子である。
およびRにおいて、好ましくは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基であり、より好ましくは置換されていてもよいアルキル基である。
また、RおよびRにおいて、好ましくはRとRに含まれる炭素数の合計がが6個以上であり、より好ましくは合計が8個以上であり、さらに好ましくは合計が10個以上であり、最も好ましくは合計が12個以上である。
およびRにおいて、好ましくはRが水素原子であり、さらに好ましくはRおよびRが水素原子である。
【0033】
は、溶解性と色相の観点から、好ましくは、水酸基、置換されていてもよいアルコキシ基、−OCOQ、−OCONHQが挙げられ、より好ましくは、水酸基、−OCOQ、−OCONHQ、であり、さらに好ましくは、−OCOQ、−OCONHQである。
において、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基であり、より好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基であり、置換されていてもよいアルキル基は特に好ましい。Qにおいて、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基であり、置換されていてもよいアルキル基は特に好ましい。
【0034】
なお、色相の評価方法としては、
▲1▼色素溶液の吸収スペクトルを分光光度計により測定
▲2▼画像記録された紙の印字部分を分光測色計により測定
すること等により、L*、a*、b*を算出(JIS Z8729)することによりが一般的であるが、本願発明の色素は、印刷時の色相に優れる。
【0035】
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を表−1(表1〜表5)に示すが、本発明に用いられる色素は表−1(表1〜表5)の化合物に限定されるものではない。
【0036】
【表1】
Figure 2004285241
【0037】
【表2】
Figure 2004285241
【0038】
【表3】
Figure 2004285241
【0039】
【表4】
Figure 2004285241
【0040】
【表5】
Figure 2004285241
【0041】
本発明の一般式(1)で表される化合物の製造方法として、一般式(2)〜(4)で表される化合物(n=2)の製造方法を具体例として、以下説明する。まず、定法のアゾカップリングに従い、アミノイミダゾール化合物(6)とアニリン類(7)とをカップリングすると、(8)で表されるアゾ化合物が得られる。次にエーテル化合物(9)と反応させることにより、一般式(2)の化合物(n=2)を製造することが出来る。また、アゾ化合物(8)とオキシラン化合物(10)とを反応させることにより、一般式(3)の化合物(n=2、R=OH)を製造することが出来る。さらに、アゾ化合物(8)とオキシラン化合物(11)とを反応させることにより、一般式(4)の化合物(n=2、R=OH)を製造することが出来る。
【0042】
【化11】
Figure 2004285241
【0043】
(式中、R〜R、R〜R、m、n、p、q、X,Yは、前記に同じであり、Q10はハロゲン原子を表し、sは0〜20の整数を表す。)
さらに、式(3)、(4)中のRが、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、−OCOQ、−OCONHQから選ばれる化合物は、前記のRが水酸基である化合物を定法により、アルキル化、アリール化、アルキルカルボニル化、アリールカルボニル化、アルキルアミノカルボニル化、アリールアミノカルボニル化等行うことによって製造することが出来る。なお、製造方法は、前記の方法に限定されるものではない。
【0044】
本発明のインクジェット用インクは、本発明のアゾ化合物を、各種有機溶剤、ワックス、樹脂類に均一に溶解させて作ることも出来るし、或いは水系溶媒中に界面活性剤等を用いて分散させる事もできる。更に、エマルション樹脂を着色或いは、マイクロカプセル化して、水系溶媒中に分散させて用いることも出来る。特に好ましい形態としては、各種有機溶剤、ワックス、樹脂類に均一に溶解させて作成したインク、或いはエマルション樹脂を着色して水系溶媒中に分散して作成したインクである。本発明のインクジェット用インクは、必要に応じて、添加剤を含有しても良く、アゾ色素は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いてもよく、また、その他の構造の異なった色素を混合してもよい。
【0045】
各種有機溶剤、ワックス、樹脂類に均一に溶解させて作成したインクを作成するにあたり、各種有機溶剤、ワックス、樹脂類が特に制限無く使用できる。例えば、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワックス、高級飽和あるいは不飽和脂肪酸、ステアロン、ラウロン等のケトン、飽和あるいは不飽和脂肪酸アミド、飽和あるいは不飽和脂肪酸エステル、グリセライド、飽和あるいは不飽和脂肪酸エステルアミド、 飽和あるいは不飽和脂肪族アルコールさらにロジン系樹脂、炭化水素系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸系及びメタクリル酸系高分子、スチレン系高分子、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリケトン、シリコーン、クマロン等の高分子量の樹脂等がある。
【0046】
有機溶剤としては、通常の有機溶剤が必要とする条件において適宜選択して使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアルコール、アニスアルコール等のアルコール類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、チオグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、エチレングリコールジアセテート、プロピレングルコールジアセテート等の多価アルコールアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールエーテルアセテート類、
ブチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類、
酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸フェノキシエチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジブチル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、桂皮酸3−ヘキセニル等のエステル類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルアセトン、ジアセトンアルコール、シキロヘキサノン等のケトン類、
石油エーテル、石油ベンジル、トルエン、キシレン、メシチレン、t−アミルベンゼン、テトラリン、デカリン、ジメチルナフタレン等の炭化水素系溶剤類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルドデカンアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、アセトニトリル、スルホラン、N,N−ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で使用することも、2種類以上を選定し混合してしようすることもできるが、なんらこれらに限定されるものではない。
【0047】
固体の油性媒体としては、例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワックス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの天然ワックス;ポリエチレンワックス、塩素化炭化水素、パルミチン酸、ステアリル酸、ベヘン酸、チグリン酸、2 −アセトナフトベヘン酸、12 −ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸などの有機酸;ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ドデセノール、ミリシルアルコール、テトラセノール、ヘキサデセノール、エイコセノール、ドコセノール、ピネングリコール、ヒノキオール、ブチンジオール、ノナンジオール、イソフタリルアルコール、メシセリン、ヘキサンジオール、デカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ドコサンジオール、テトラコサンジオール、テレビネオール、フェニルグリセリン、エイコサンジオール、オクタンジオール、フェニルプロピレングリコールなどのアルコール類;
ビスフェノールA 、p −α−クミルフェノールなどのフェノール類;前記有機酸のグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の有機酸エステル;ステアリン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、メリシン酸コレステロールなどのコレステロール脂肪酸エステル;ステアリン酸サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘン酸サッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン酸サッカロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン酸ラクトース、ベヘン酸ラクトース、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトースなどの糖類脂肪酸エステル;ベンゾイルアセトン、ジアセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコサノン、ヘプタコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘントリアコンタノン、ステアロン、ラウロンなどのケトン類;オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、リシノール酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、ブラシジン酸アミド、テトラヒドロフラン酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン酸アミド、12 −ヒドロキシステアリン酸アミド、N −ステアリルエルカ酸アミド、N −オレイルステアリン酸アミド、N ,N −エチレンビスラウリン酸アミド、N ,N −エチレンビスステアリン酸アミド、N ,N −エチレンビスベヘン酸アミド、N ,N −キシリレンビスステアリン酸アミド、N ,N −ブチレンビスステアリン酸アミド、N ,N −ジオレイルアジピン酸アミド、N ,N −ジオレイルセバシン酸アミド、N ,N −ジステアリルセバシン酸アミド、N ,N −ジステアリルテレフタル酸アミド、N .N ´−2 −ヒドロキシエチルステアリン酸アミド、N .N ´−エチレンビスオレイン酸アミド、N .N ´−キシレンビスステアリン酸アミド、、ステアリン酸モノメチロールアミド、N −ステアリルステアリン酸アミド、N −オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、
フェナセチン、トルアミド、アセトアミドなどのアミド類;p −トルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ブチルベンゼンスルホンアミドなどのスルホンアミド類;α−メチルナフタレン、β−メチルナフタレン、2 ,6−ジメチルナフタレンなどのアルキルナフタレン類;ジブチルナフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルアジペート、ジメチルテレフタレート、ベンジルベンゾエート、ナフタレン−2 ,6 −ジカルボン酸メチルエステルなどのカルボン酸エステル類;リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルなどのリン酸エステル類;が挙げられる。
【0048】
脂肪酸エステルアマイドとしてはCPH −380N が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては一価または多価アルコール脂肪酸エステルが望ましい。例えば、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチンモノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライドなどが挙げられる。
セロチン酸ミリシル、セロチン酸セリル、モンタン酸セリル、パルミチン酸ミリシル、ステアリン酸ミリシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル等の高級脂肪酸の高級アルコールエステル類等も挙げられる。
【0049】
ポリアミド類は、一般に芳香族ポリアミドとダイマー酸ポリアミドに大別されるが、本発明では特にダイマー(二量体)酸ベースのポリアミドが望ましい。さらに、このベースとなる酸がオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸またはエレオステアリン酸であることが最適である。
【0050】
グリセライドとしては、ロジンエステル、ラノリンエステル、硬化ひまし油、部分水添ひまし油、大豆油の極度硬化油、ナタネ油の極度硬化油、植物性極度硬化油などから選ばれる少なくても1 種または2 種以上を混合して用いることができる。
ワックス系としては、具体的にはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックスに代表される植物系ワックス、ポリエチレンワックスや硬化ひまし油、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、および高級アルコール、ステアロン、ラウロン等のケトン、特に脂肪酸エステルアミド、飽和あるいは不飽和脂肪酸アミド、脂肪酸エステルが望ましい。
更に上記の脂肪酸、脂肪酸アミド、グリセライド、ワックス等他のインク成分と適応性である限り、考えられるどの組み合わせにおいても使用できる。
【0051】
インク組成物中の色素の含有量は、用途、目的、色素の種類、インク組成、インクの印字濃度、目詰まり性にもよるが、インク組成物に対して、1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%である。
色素の含有量が少ないと十分な記録画像を得ようとした際、多量のインクを必要とし、記録装置の印字ヘッドや記録紙に負荷がかかり、また、多いと色素が有機溶剤から析出し易くなりインク中に析出物を生じ、印字ヘッドの目詰まりや印字した時に滲み等を引き起こす。
【0052】
また、本発明のインクジェット用インクには、インクの色調を調製するために、その他の色素や、インク特性を損なわない程度に、公知の染料や顔料をエマルジョンあるいは微分散状態に処理したものを添加しても差し支えない。
【0053】
また、本発明のインクには、従来使用されている種々の添加剤を必要に応じて加えることができる。例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、分散安定剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、マスキング剤、防かび剤、防腐剤、粘度調節剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗値調整剤、近赤外線吸収剤、浸透剤等の添加剤が挙げられる。
【0054】
前記成分から構成される本発明のインクは、インクジェット記録方式のインクとして使用する以外に、筆記用具等のインクとしても使用可能であり、記録特性、保存安定性、被記録材への定着性、記録画像の鮮明性、耐光性、耐水性等に優れたものである。
【0055】
エマルション樹脂を着色して水系溶媒中に分散して作成したインクは、本発明のアゾ色素、水、樹脂を主成分とし、必要により、その他の成分、例えば分散剤、乳化剤、その他の添加剤や助剤を用いてもよく、本発明に係る色素で着色された樹脂微粒子を水媒体中に分散し、乳化工程により乳化分散したエマルジョンの形態をとっている。また、本発明のインクジェット用インクは、必要に応じて、有機溶剤、添加剤等を含有していてもよい。本発明の色素は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよく、また、その他の構造の異なった色素を混合してもよい。
【0056】
本発明のインクジェット用インクにおいて、樹脂微粒子を構成する樹脂としては、その表面にイオン性基を有するものであれば良く、例えば、ポリエステル系樹脂、ビニル重合体、ポリウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の様々な樹脂を用いることができる。
【0057】
ポリエステル系樹脂としては、多価カルボン酸類と多価アルコール類から構成され、単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させた樹脂等が挙げられる。多価カルボン酸類としては、特に限定されるものではなく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらは金属塩、アンモニウム塩等としても使用できる。
【0058】
多価アルコール類としては、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、ラクトン系ポリエステルポリオール類等の脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等が挙げられる。また、前記の多価カルボン酸類と多価アルコール類との単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させたポリエステル樹脂は、通常知られている末端封止可能な化合物を用いて、高分子鎖の末端の極性基を封止したものを使用することもできる。
【0059】
ビニル重合体、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下に挙げる重合性単量体から得られるものが挙げられる。この重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル系芳香族炭化水素;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸エステル系、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリルアミド、N−置換マレイミド、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、ビニルケトン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン等の単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させた樹脂等が挙げられる。
【0060】
ポリウレタン系樹脂としては、イソシアネート類とイソシアネート類と反応し得る官能基を有する化合物から構成され、単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させた樹脂等が挙げられる。イソシアネート類としては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α、α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチレントリイソシアネート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアネート、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、ノルボルナンビス(イソシアナトメチル)等の脂環族ポリイソシアネート;
フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピレンフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4−4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメリックMDI、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4−メチル−ジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、フェニルイソシアナトメチルイソシアネート、フェニルイソシアナトエチルイソシアネート、テトラヒドロナフチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシアネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ジベンゾフランジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;
チオジエチルジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルフォンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオプロピルジイソシアネート、ジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート等の含硫脂肪族イソシアネート;
ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4、4’−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3’−ジイソシアネート等の芳香族スルフィド系イソシアネート;
ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネート等の芳香族ジスルフィド系イソシアネート;ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジディンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベンジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンエチレンジスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート等の芳香族スルホン系イソシアネート;
4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル、4−メトキシ−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル等のスルホン酸エステル系イソシアネート;
4−メチル−4’−イソシアネート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニルアニリド−4−メチル−3’−イソシアネート等の芳香族スルホン酸アミド;
チオフェン−2,5−ジイソシアネート、チオフェン−2,5−ジイソシアナトメチル、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアネート、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナトメチル等の含硫複素環化合物等が挙げられる。
【0061】
前記イソシアネート類と反応し得る官能基を有する化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリオール化合物:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグリコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレンエーテルグリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4,3,0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカンジオール、ビシクロ[4,3,0]ノナンジメタノール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカン−エタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ[5,3,1,1]ドデカノール、スピロ[3,4]オクタンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール等の脂肪族ポリオール;
ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ビスフェノールS等の芳香族ポリオール;
ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フランジメタノールの他にシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、ピロメリット酸等の有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生成物、前記ポリオールとエチレンオキシドや、プロピレンオキシド等アルキレンオキシドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとアルキレンオキシドとの付加反応生成物、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、及びこれらのカプロラクトン変性品;
2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3ーメルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルフォン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチル−トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられる。
【0062】
この他、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、α,α’−メチレンビス(2ークロルアニリン)3,3’−ジクロル−α,α’−ビフェニルアミン、m−キシレンジアミン、イソフォロンジアミン、N−メチル−3,3’−ジアミノプロピルアミン、ノルボルネンジアミン等に挙げられるポリアミノ化合物、ポリチオール化合物、セリン、リジン、ヒスチジン、等のα−アミノ酸、更にこれら上記の活性水素化合物のハロゲン置換体も使用することが出来る。これらはそれぞれ単独で用いることも、また2種類以上混合して用いても良い。これらの樹脂は、単独あるいは二種類以上混合させて用いることもできるが、なんらこれらに限定されるものではない。
【0063】
樹脂は、その表面にイオン性基を含有することによって優れた水分散性を発現する。このようなイオン性基としてはスルホン酸基、カルボン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基もしくはこれらのアルカリ金属塩基やアンモニウム塩基、または第1級〜第3級アミン基等を例示することができ、カルボン酸アルカリ金属塩基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸アルカリ金属塩基およびスルホン酸アンモニウム塩基が好ましく、特にスルホン酸アルカリ金属塩基およびスルホン酸アンモニウム塩基が水分散安定性の点で好ましい。イオン性基の導入は、樹脂合成時にイオン性基を有する単量体を添加すればよい。例えば、ポリエステル系樹脂にイオン性基としてカルボン酸アルカリ金属塩基またはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することにより、樹脂末端にカルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を用いることができる。
【0064】
また、ポリエステル系樹脂微粒子にイオン性基としてスルホン酸アルカリ金属塩基またはスルホン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、スルホン酸アルカリ金属塩基またはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノまたはジカルボン酸を系内に導入することにより、これらのイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができる。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等が挙げられ、特に好ましいものはKまたはNaである。
【0065】
本発明に係るアゾ化合物で着色された樹脂微粒子は、次のように製造される。
▲1▼前記の重合性単量体に色素を溶解または分散させた後、乳化重合を行う方法、
▲2▼前記の重合性単量体の重合を行い樹脂を得た後、色素を直接添加し、必要に応じて添加 剤等を加えて均一溶解または均一分散させて着色する方法、
▲3▼水溶性有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオ キサン等)や通常知られている造膜助剤(例えば、テキサノール、N,N−ジメチルピ ロリドン等)に色素を溶解または分散させたものを、重合を行った前記の樹脂に加え、 また、必要に応じて添加剤等を加えて均一溶解または均一分散して、着色する方法、
▲4▼水不溶性有機溶媒(例えば、トルエン等)に色素を溶解または分散させたものを、重合 を行った前記の樹脂に加え、また、必要に応じて添加剤等を加えて均一溶解または均一 分散、さらに水を加えて水分散体とし乳化を行い、さらに必要に応じて水不溶性有機溶 媒を留去して着色する方法、または、
▲5▼前記の樹脂の水系分散体を得た後、アゾ化合物を加えて、高温処理を行う高温染色法等 によって着色する方法、等で製造される。
【0066】
これらの方法で製造される本発明のアゾ化合物で着色された樹脂微粒子は、その粒子径については特に限定されないが、水媒体中に分散剤を用いて分散させる分散体においては、粒子径が小さいほど好ましく、特にインクジェット記録用色素分散体として用いられる場合は、平均粒径が0.01〜1μm、さらに0.05〜0.8μmであるのが好ましい。又、色素で着色された樹脂微粒子の水媒体中に分散させた分散体の製造は、特に限定されるものではなく、分散体を適用する用途に応じて、選択された分散剤を用い、及び所望の組成の分散体とすることができる。着色された樹脂微粒子において、色素は、色素と樹脂との相容性に左右されて、樹脂中に均一に溶解または一部樹脂の表面に均一に分散付着するものも含むが、好ましくは、色素は樹脂中に均一に溶解したものである。樹脂に対する色素の量は、通常1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%である。しかし、特に限定されるものではない。また、これらの着色された樹脂微粒子又はその分散体は、その疎水性を活かして各種の着色、記録用材料として適用できる。また、これらを乳化する工程を経てエマルジョンとしてインクジェット用インクを製造することができる。
【0067】
更に本発明のインクジェット用インクは、本発明のアゾ化合物と樹脂及び水を必須の成分として用いるエマルジョンであり、次の方法で製造できる。
▲1▼前記の重合性単量体にインクジェット用色素を溶解あるいは分散させた後、乳化重合を 行い、必要に応じて添加剤等を加えて均一溶解あるいは均一分散、さらに水を加えて水 分散体とし乳化を行う方法、
▲2▼重合を行い前記の樹脂を得た後、インクジェット用色素を直接添加し、必要に応じて添 加剤等を加えて均一溶解または均一分散、さらに水を加えて水分散体とし乳化を行う方 法、
▲3▼水溶性有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオ キサン等)や通常知られている造膜助剤(例えば、テキサノール、N,N−ジメチルピ ロリドン等)にインクジェット記録用色素を溶解あるいは分散させたものを、重合を行 った前記の樹脂に加え、また、必要に応じて添加剤等を加えて均一溶解あるいは均一分 散、さらに水を加えて水分散体とし乳化を行い、さらに必要に応じて水溶性有機溶媒を 留去する方法、
▲4▼水不溶性有機溶媒(例えば、トルエン等)にインクジェット用色素を溶解あるいは分散 させたものを、重合を行った前記の樹脂に加え、また、必要に応じて添加剤等を加えて 均一溶解あるいは均一分散、さらに水を加えて水分散体とし乳化を行うい、さらに必要 に応じて水不溶性有機溶媒を留去する方法、あるいは、
▲5▼前記の樹脂の水系分散体を得た後、インクジェット用色素を加えて、高温処理を行う高 温染色法等によって樹脂を着色し、着色した樹脂微粒子の水分散体の乳化を行う方法等 により製造される。なお、製造に際しては、不溶物を除去するため、メンブランフィル ター等の微小孔径のフィルターで濾過することもある。
【0068】
乳化して得られた水系分散体中の着色樹脂微粒子(以下、色素で着色した樹脂微粒子を単に着色樹脂微粒子と言うこともある)は、平均粒径が0.01〜1μmであることが好ましく、さらに0.05〜0.8μmであることが特に好ましい。平均粒径が小さすぎると画像濃度の低下や耐水性の低下を引き起こす可能性があり、また、大きすぎるとインク中における分散安定性が低下して沈降物が生じ保存安定性が悪くなる問題や、ノズルの目詰まり等の問題を引き起こす可能性がある。。
【0069】
着色樹脂微粒子中の色素の含有量は、用途、目的、色素の種類、インク組成、インクの印字濃度、目詰まり性にもよるが、樹脂中に、1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%である。色素の含有量が少ないと十分な記録画像を得ようとした際、多量のインクを必要とし、記録装置の印字ヘッドや記録紙に負荷がかかり、また、多いと色素が樹脂粒子から析出し易くなりインク中に析出物を生じ、印字ヘッドの目詰まり等を引き起こす。また、本発明のインクジェット記録用インクには、インクの色調を調製するために、その他の色素や、インク特性を損なわない程度に、公知の染料や顔料をエマルジョンあるいは微分散状態に処理したものを添加しても差し支えない。また、インク中の着色樹脂微粒子の含有量は1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0070】
本発明のインクには、必要に応じて、インクの保湿性、表面張力、粘度、乾燥速度等を調整するために、水溶性有機溶媒を含有させることが可能である。水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、チオグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、グリセリン等を用いることができる。これらの水溶性有機溶媒を含有させる場合には、インク全量に対して1〜20重量%含有させることが好ましい。
【0071】
また、インクの保存安定性を向上させるためにインクのpHを7〜10に調整することが好ましい。pH調整剤としては、NaHCO3、Na2B4O7 、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。
【0072】
また、本発明のインクには、従来使用されている種々の添加剤を必要に応じて加えることができる。例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、分散安定剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、マスキング剤、防かび剤、防腐剤、粘度調節剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗値調整剤、近赤外線吸収剤、浸透剤等の添加剤が挙げられる。
【0073】
なお、本発明のアゾ化合物は、特にインクジェット用インクに好適であるが、他の用途に使用しても構わない。具体的には、他の各種インク用途のみならず、該化合物は3原色のうちの一つであるマゼンタ色として良好な色相を示すので、カラー電子写真用マゼンタトナーや、カラーフィルターにも用いることができる。また、該色素を溶融状態あるいは分散状態にすることで、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の着色剤、染料、塗料などにも用いても良い。
また、光学的用途としては、光記録媒体の記録層に含有させる色素を用いても良い。
【0074】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
実施例1
色素No.1の合成
下記式(6)8.7部を水175部と35%塩酸25部に加えて、10℃以下まで冷却した。そこへ30%亜硝酸ナトリウム水溶液16.5部を10℃以下で滴下し、2時間攪拌し、スルファミン酸4部を加えてジアゾ液とした。別に、化合物(7A)24.4部をメタノール80部に加え、10℃以下まで冷却したところへ、前記ジアゾ液を加えてカップリングを行った。反応終了後、析出している結晶を濾過し、水洗、乾燥を行い、下記化合物(8A)31部を得た。
【0075】
【化12】
Figure 2004285241
【0076】
次に化合物(8A)20部と1,2,7,8−ジエポキシオクタン2部をエタノール中で7時間加熱還流し、反応終了後、濾過し、ヘキサンで洗浄、乾燥を行い、下記式(3A)の化合物を14部得た。
【0077】
【化13】
Figure 2004285241
【0078】
上記式(3A)の化合物の分析結果は下記の通りであった。
Figure 2004285241
さらに、上記式(3A)の化合物を10部、ピリジン30部を5℃に冷却し、無水酢酸15部を滴下した。室温で3時間攪拌後、50℃で2時間攪拌後、放冷、濾過し、ヘキサンで洗浄、乾燥を行い、色素No.1を9部得た。
色素No.1の化合物の分析結果は下記の通りであった。
Figure 2004285241
【0079】
実施例2
インクの調整(処方1)
下記の組成にて調整し、1μmのメンブランフィルターを通してインクを作製した。
色素No.1 5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10部
トルエン 85部
(特性の評価)
調製したインクを用い、ピエゾ方式インクジェットプリンター用インクカートリッジに充填し、同方式プリンターにより印字及び画像記録を行い、後述の項目について試験を行った。その結果、
(A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良好であった。
【0080】
実施例3
実施例1で製造した式(3A) を用い、実施例2(処方1)に従いインクを作製した後、同様に特性評価を行った。その結果、(A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良好であった。
【0081】
実施例4
色素No.3の合成
前記化合物(6)20部と1,4−ブタンジオール ジグリシジルエーテル3部をエタノール中で7時間還流し、反応終了後、放冷、濾過し、ヘキサンで洗浄、乾燥を行い、色素No.3を15部得た。
色素No.3の分析結果は下記の通りであった。
Figure 2004285241
【0082】
実施例5
実施例4で製造した色素No.3を用い、実施例2(処方1)に従いインクを作製した後、同様に特性評価を行った。その結果、(A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良好であった。
【0083】
比較例1
C.I.Solvent Red 24 を用い、実施例2(処方1)に従いインクを作製したところ、一部不溶物が見られた。該インクをフィルターを通して不溶物を除去した後、同様に特性評価を行った。
その結果、(A)画像評価:○、(B)耐水性評価:○、(C)耐光性評価:×、(D)インクの保存安定性評価:×となった。
【0084】
比較例2
下記式の公知のアゾ化合物 を用い、実施例2に従いインクを作製したところ、一部不溶物が見られた。該インクをフィルターを通して不溶物を除去した後、同様に特性評価を行った。
その結果、(A)画像評価:○、(B)耐水性評価:○、(C)耐光性評価:△、(D)インクの保存安定性評価:×となった。
【0085】
【化14】
Figure 2004285241
【0086】
実施例6
インクの調整(処方2)
下記の組成にて調整し、1μmのメンブランフィルターを通してインクを作製した。
色素No.3 5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 50部
メチルイソブチルケトン 45部
実施例2と同様に特性評価を行ったところ、
(A)画像評価;◎、(B)耐水性評価;◎、(C)耐光性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良好であった。
【0087】
実施例7〜14
表−1に記載のアゾ色素を用い、実施例2(処方1)或いは実施例6(処方2)に従ってインクジェット用インクを試作し、その特性評価を行った。その結果を表−2(表6)に示す。
【0088】
【表6】
Figure 2004285241
【0089】
実施例15
着色樹脂微粒子及びその分散液の製造例(処方3)
温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、ジメチルテレフタレート180部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル10部、エチレングリコール130部、トリシクロデカンジメタノール25部、テトラブトキシチタネート0.1部を装入し、180〜220℃で約3時間加熱してエステル交換反応を行った。次いで、反応混合物を240℃まで加熱した後、オートクレーブ内の圧力を10mmHgまでゆっくりと下げ、1時間反応を続けた。オートクレーブ内の圧力を大気圧までもどし、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得られたポリエステル樹脂100部、メチルエチルケトン150部、テトラヒドロフラン150部、実施例1で製造した色素No.1で表されるアゾ化合物10部を混合した後、イオン交換水600部を添加し、さらに混合した。この混合物を0.8ミクロンのメンブランフィルターで濾過し、加熱して溶剤を留去させた。冷却後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20重量%とし、着色樹脂微粒子分散液(処方3)を得た。分散液中に分散している微小樹脂粒子は平均粒径0.1μmを有するマゼンタ色に着色された樹脂の微小粒子であった。特性の評価該着色樹脂微粒子分散液にグリセリンおよびイオン交換水を添加し、固形分15重量%を含有する水系インクを得た。
この水系インクを用い、ピエゾ方式インクジェットプリンター用インクカートリッジに充填し、同方式プリンターにより印字及び画像記録を行い、下記の項目について試験を行った。その結果、
(A)画像評価:◎、(B)耐水性評価:◎、(C)耐光性評価:◎、(D)インクの保存安定性評価:○、(E)乳化評価:◎と良好であった。
【0090】
実施例16
着色樹脂微粒子分散液の製造(処方4)
温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、ジメチルテレフタレート 150部、ジメチルイソフタレート 50部、5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル5部、エチレングリコール 150部、ネオペンチルグリコール250部、テトラブトキシチタネート 0.1部を装入し、180〜220℃で約3時間加熱してエステル交換反応を行った。次いで、反応混合物を240℃まで加熱した後、オートクレーブ内の圧力を10mmHgまでゆっくりと下げ、1時間反応を続けた。オートクレーブ内の圧力を大気圧までもどし、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得られたポリエステル樹脂100部、メチルエチルケトン150部、テトラヒドロフラン150部、実施例5で製造した色素No.1で表されるアゾ化合物10部を混合した後、イオン交換水600部を添加し、さらに混合した。この混合物を0.8ミクロンのメンブランフィルターで濾過し、加熱して溶剤を留去させた。冷却後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20重量%とし、着色樹脂微粒子分散液(処方4)を得た。分散液中に分散している微小樹脂粒子は平均粒径0.1μmを有するマゼンタ色に着色された樹脂の微小粒子であった。該着色樹脂微粒子分散液にグリセリンおよびイオン交換水を添加し、固形分15重量%を含有する水系インクを得た。
実施例16と同様にインク特性の評価を行った結果、
(A)画像評価:◎、(B)耐水性評価:◎、(C)耐光性評価:◎、(D)インクの保存安定性評価:○、(E)乳化評価:◎と良好であった。
【0091】
実施例17
着色樹脂微粒子分散液の製造例(処方5)
温度計、撹拌機、還流冷却管、滴下装置、および窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水900部 を装入し、窒素置換を十分に行った。70 ℃まで加熱した後、過硫酸カリウム2部 を装入した。次に、滴下装置中のイオン交換水70部 、ラウリル硫酸ナトリウム1 .0部 にスチレン53部 、ブチルアクリレート59部 、グリシジルメタクリレート48部 、t −ドデシルメルカプタン0 .16部 からなる混合物を、反応容器へ2 時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、2 時間熟成させた。次に、過硫酸アンモニウム2部 、イオン交換水20部 からなる水溶液を反応容器へ装入し、滴下装置中のイオン交換水300部 、ラウリル硫酸ナトリウム2部 、アクリルアミド16部 にスチレン298部 、ブチルアクリレート297部 、メタクリル酸29部 、エチレングリコールジメタクリレート10部 、およびt −ドデシルメルカプタン0 .65部からなる混合物を反応容器へ3 時間かけて滴下した。滴下終了後、3 時間熟成させた。室温まで冷却した後、イオン交換水とアンモニア水を装入して水性アクリル樹脂を得た。得られた水性アクリル樹脂100部、メチルエチルケトン150部、テトラヒドロフラン150部、実施例5で製造したNo.3で表される色素10部を混合した後、イオン交換水600部を添加し、さらに混合した。この混合物を0.8ミクロンのメンブランフィルターで濾過し、加熱して溶剤を留去させた。冷却後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20重量%とし、着色樹脂微粒子分散液(処方5)を得た。分散液中に分散している微小樹脂粒子は平均粒径0.1μmを有するマゼンタ色に着色された樹脂の微小粒子であった。該着色樹脂微粒子分散液にグリセリンおよびイオン交換水を添加し、固形分15重量%を含有する水系インクを得た。実施例16と同様にインク特性の評価を行った結果、
(A)画像評価:◎、(B)耐水性評価:◎、(C)耐光性評価:◎、(D)インクの保存安定性評価:○、(E)乳化評価:◎であった。
【0092】
実施例18〜22
表−1に記載のアゾ色素を用い、実施例15(処方3)、実施例16(処方4)、実施例17(処方5)に従ってインクジェット用インクを試作し、その特性評価を行った。その結果を表−3(表7)に示す。
【0093】
【表7】
Figure 2004285241
【0094】
比較例3
色素No.1の化合物に代え、 C.I.Solvent Red 24を用いた以外は、実施例15に従いインクを調整しようと試みたが、乳化が困難であった。該インクをフィルターに通して不純物を除去した後、実施例15と同様にインク特性の評価を行った結果、
(A)画像評価:○、(B)耐水性評価:○、(C)耐光性評価:×、(D)インクの保存安定性評価:×、(E)乳化評価:×であった。
【0095】
比較例4
色素No.1の化合物に代え、 下記式の公知のアゾ化合物(化15)を用いた以外は、実施例15に従いインクを調整しようと試みたが、乳化が困難であった。該インクをフィルターに通して不純物を除去した後、実施例15と同様にインク特性の評価を行った結果、
(A)画像評価:○、(B)耐水性評価:○、(C)耐光性評価:△、(D)インクの保存安定性評価:×、(E)乳化評価:△であった。
【0096】
【化15】
Figure 2004285241
【0097】
尚、各試験項目の評価基準は以下の通りである。
(A)画像評価:マット紙(キャノン(株)製HR−101S)に画像を形成させ、滲み状態を目視により判定した。
Figure 2004285241
(B)耐水性評価:試験の画像記録されたマット紙の印字部分を、水に漬けて自然乾燥後、反射濃度計(マクベス社製)を用い、印字濃度(OD値)を測定し、下記式にてOD1値を算出し耐水性評価を行った。
OD1=(水に漬けて自然乾燥後の印字部分の印字濃度)/(水に漬けてる前の印字部分の印字濃度)×100
Figure 2004285241
(C)耐光性評価:キセノンフェードメーター(スガ試験機社製)を用い、100時間照射した後、印字濃度(OD値)を測定し、下記式にてΔOD2値を算出し耐光性評価を行った。
OD2値=(100時間照射後の印字部分の印字濃度)/(照射前の印字部分の印字濃度)×100
Figure 2004285241
(D)インクの保存安定性評価:インクを40℃で1ヶ月間保存後、不溶物の有無を目視にて観察した。
Figure 2004285241
(E)乳化評価:エマルションインク作製時における乳化の状況を目視にて評価した。
Figure 2004285241
【0098】
【本発明の効果】
本発明のマゼンタ色素は、色相が鮮明である。さらには耐候性、保存安定性にも優れ、かつ有機溶媒への溶解性が高く、特にインクジェット用インク用途として有用である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)(化1)で表されるアゾ化合物を少なくとも1種含有するインク。
    Figure 2004285241
    [式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQ(Q、Qはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基を表す)を表す。
    、Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルケニル基を表し、RとRで環を形成していてもよく、また、R、Rはそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよい。
    Aは酸素原子を含有する連結基を表し、nは2または3の整数を表す。]
  2. 請求項1記載のインクからなるインクジェット用インク。
  3. インクジェット用インクがエマルションを形成してなる水系インクである請求項2記載のインクジェット用インク。
  4. 一般式(1)(化2)で表されるアゾ化合物。
    Figure 2004285241
    [式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、−NHSOまたは、−NHCOQ(Q、Qはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基を表す)を表す。
    、Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルケニル基を表し、RとRで環を形成していてもよく、また、R、Rはそれぞれ隣接している芳香環と結合して環を形成していてもよい。
    Aは酸素原子を含有する連結基を表し、nは2または3の整数を表す。]
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