JP2002020460A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2002020460A
JP2002020460A JP2000206376A JP2000206376A JP2002020460A JP 2002020460 A JP2002020460 A JP 2002020460A JP 2000206376 A JP2000206376 A JP 2000206376A JP 2000206376 A JP2000206376 A JP 2000206376A JP 2002020460 A JP2002020460 A JP 2002020460A
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integer
carbon atoms
alkyl group
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JP2000206376A
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Masayuki Ikeda
雅之 池田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エリア実装用半導体パッケージに関し、室温
及び半田付け工程での反りが少なく、耐半田性や耐温度
サイクル性等の信頼性に優れ、かつ成形性にも優れた半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)3官能型エポキシ樹脂とビフェニ
ル型エポキシ樹脂、(B)α−ナフトールとフェノール
類とをアルデヒドを介在して酸触媒存在下で共縮合して
得られる変性ノボラック樹脂、(C)硬化促進剤、及び
(D)溶融シリカ粉末を全エポキシ樹脂組成物中65〜
90重量%含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキ
シ樹脂組成物の成形温度における溶融粘度が2〜10P
a.Sで、硬化物の寸法変化率が0.30%以下であ
り、かつガラス転移温度が140℃以上である半導体封
止用エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形性、信頼性、実
装性に優れたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高性
能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々
進み、又半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、
新規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構造の
半導体装置から移行し始めている。エリア実装型半導体
装置としては、BGA(ボールグリッドアレイ)、或い
は更に小型化を追求したCSP(チップスケールパッケ
ージ)が代表的であるが、これらは従来QFP、SOP
に代表される表面実装型半導体装置では、限界に近づい
ている多ピン化・高速化への要求に対応するために開発
されたものである。構造としては、BT樹脂/銅箔回路
基板(ビスマレイミド・トリアジン/ガラスクロス基
板)に代表される硬質回路基板、或いはポリイミド樹脂
フィルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路
基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半導体素子搭
載面、即ち基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物等で成
形・封止されている。又基板の半導体素子搭載面の反対
面には半田ボールを2次元的に並列して形成し、半導体
を実装する回路基板との接合を行う特徴を有している。
更に、半導体素子を搭載する基板としては、上記有機回
路基板以外にもリードフレーム等の金属基板を用いる構
造も考案されている。
【0003】これらエリア実装型半導体装置の構造は、
基板の半導体素子搭載面のみを樹脂組成物で封止し、半
田ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態を
とっている。ごく希に、リードフレーム等の金属基板等
では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層
が存在することもあるが、半導体素子搭載面では数百μ
mから数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質
的に片面封止となっている。半導体素子と外部接続用端
子や回路との電気的接続には、金線を用いず半導体素子
面に形成した半田バンプ等を外部接続用端子や回路に熱
圧着したり、導電性接着剤で接着する方法と、従来の金
線を用いるワイヤーボンド法がある。ワイヤーボンド法
の場合、従来のSOPやQFP構造に比べワイヤールー
プの垂直高低差が大きく、又小型薄型の半導体装置の形
状のためワイヤー周囲の樹脂層が薄く樹脂封止過程で樹
脂流入速度が高速になりやすいため金線流れが発生しや
すく問題となっている。又有機基板や金属基板と樹脂組
成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整合、或い
は樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮による影響によ
り、これらの半導体装置では成形直後から反りが発生し
やすい。又これらの半導体装置を実装する回路基板上に
半田接合を行う場合、200℃以上の加熱工程を経る
が、この際に半導体装置の反りが発生し、多数の半田ボ
ールが平坦とならず、半導体装置を実装する回路基板か
ら浮き上がってしまい、電気的接合信頼性が低下する問
題も起こる。
【0004】一方、赤外線リフロー、ベーパーフェイズ
ソルダリング、半田浸漬等の手段での半田処理による半
田接合を行う場合、樹脂組成物の硬化物並びに有機基板
からの吸湿により半導体装置内部に存在する水分が高温
で急激に気化することによる応力で半導体装置にクラッ
クが発生したり、基板の半導体素子搭載面と樹脂組成部
の硬化物との界面で剥離が発生することもあり、樹脂組
成物の低応力化・低吸湿化とともに、基板との密着性も
求められる。更に基板と樹脂組成物の硬化物の線膨張係
数の不整合により、信頼性テストの代表例である温度サ
イクル試験でも、基板/封止材料界面での剥離や半導体
装置にクラックが発生する。従来のQFPやSOP等の
表面実装型半導体装置では、半田実装時のクラックや各
素材界面での剥離の防止のために、ビフェニル型エポキ
シ樹脂に代表されるような結晶性エポキシ樹脂を用いて
成形時の低粘度化を図り、かつ無機質充填材の配合量を
増加することが対策としてとられてきた。しかし、この
手法では、片面封止型半導体装置における反りの問題は
解決できないのが現状であった。
【0005】基板上の実質的に片面のみを樹脂組成物で
封止した半導体装置において、反りを低減するには、基
板の線膨張係数と樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を近
付けること、及び樹脂組成物の硬化収縮を小さくする二
つの方法が重要である。基板としては有機基板では、B
T樹脂やポリイミド樹脂のような高ガラス転移温度の樹
脂が広く用いられており、これらはエポキシ樹脂組成物
の成形温度である170℃近辺よりも高いガラス転移温
度を有する。従って、成形温度から室温までの冷却過程
では有機基板のα1の領域のみで収縮する。従って、樹
脂組成物もガラス転移温度が高く、かつα1が回路基板
と同じであり、更に硬化収縮がゼロであれば反りはほぼ
ゼロであると考えられる。このため、多官能型エポキシ
樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりガ
ラス転移温度を高くし、無機質充填材の配合量でα1を
合わせる手法が既に提案されている。
【0006】ところが、1分子中に3個以上のエポキシ
基を有する多官能型エポキシ樹脂と1分子中に3個以上
のフェノール性水酸基を有する多官能型フェノール樹脂
との組み合わせ系は、各々の樹脂粘度が高いため成形時
の金線流れが発生し問題があった。エリア実装型半導体
装置では、金線の長さも従来構造の半導体装置に比較し
て長く、更に多ピン化により金線の配線が高密度化して
いるため、成形時に低粘度の樹脂組成物で封止しないと
金線が変形し、金線同士が接触して電気的不良を生じる
ことになる。特にCSPのような薄型のものでは、充填
性が良好で金線変形の少ない樹脂組成物による封止が必
須の条件であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エリア実装
型半導体装置での成形後や半田処理時の反りが小さく、
又温度サイクル試験や半田処理時等の信頼性に優れ、か
つ充填性が良好で金線変形の少ない、即ち、成形時に高
流動性の特徴を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物
及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(1)、一般式(2)で示されるエポキシ樹脂から選ば
れる少なくとも1種以上のエポキシ樹脂と融点50〜1
50℃の結晶性エポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂、
(B)α−ナフトールとフェノール類とをアルデヒドを
介在して酸触媒存在下で共縮合して得られる変性ノボラ
ック樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)溶融シリカ粉
末を全エポキシ樹脂組成物中65〜90重量%含むエポ
キシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物の成形
温度における溶融粘度が2〜10Pa.Sで、硬化物の
寸法変化率が0.30%以下であり、かつガラス転移温
度が140℃以上であることを特徴とする半導体封止用
エポキシ樹脂組成物及び基板の片面に半導体素子が搭載
され、この半導体素子が搭載された基板面側の実質的に
片面のみが、前記エポキシ樹脂組成物で封止されてなる
ことを特徴とするエリア実装型半導体装置である。
【化8】 (式中のR1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互い
に同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整
数、bは0〜4の整数で、lは平均値で、1〜10の正
数)
【0009】
【化9】 (式中のR3は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
一であっても異なっていてもよい。cは0〜4の整数)
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂の内、一
般式(1)で示されるエポキシ樹脂は、通常トリフェノ
ールメタン型エポキシ樹脂と総称される樹脂で、具体例
としては以下のものが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂
を用いた樹脂組成物の硬化物は架橋密度が高く、高いガ
ラス転移温度となり、又硬化収縮率が小さい特徴を有し
ている。
【0011】
【化10】
【0012】
【化11】
【0013】
【化12】 一般式(2)で示されるエポキシ樹脂は、一般式(1)
と同様、硬化物の架橋密度が高く、硬化収縮率が小さ
く、更に比較的低粘度であるという特徴も有している。
具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0014】
【化13】
【0015】
【化14】 一般式(1)、一般式(2)で示される多官能型エポキ
シ樹脂を用いることが、寸法変化率及びガラス転移温度
の点から必要であり、これらを用いないと得られる硬化
物の架橋密度が低下し、寸法変化率も増大し、ガラス転
移温度も低下するので好ましくない。
【0016】本発明に用いられる融点50〜150℃の
結晶性エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を
1個有するモノエポキシ、1分子中にエポキシ基を2個
有するジエポキシ、更にこれらのオリゴマー、ポリマー
等が含まれる。これらのエポキシ樹脂はいずれも結晶性
を示すため、融点未満の温度では固体であるが、融点以
上の温度で低粘度の液状物質となる。このため融点50
℃未満の結晶性エポキシ樹脂では、エポキシ樹脂組成物
の製造工程において融着を起こしやすく、作業性が著し
く低下する。又150℃を越えるとエポキシ樹脂組成物
を加熱混練し成形材料とする製造工程で充分に溶融しな
いため、成形材料の均一性に劣るといった問題点を生じ
る。融点の測定方法としては、示差走査熱量計(セイコ
ー電子(株)・製SSC/5200)による吸熱ピーク
温度(昇温速度5℃/分)から求められる。融点50〜
150℃の結晶性エポキシ樹脂としては、一般式(3)
のビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(4)のハイドロ
キノン型エポキシ樹脂、一般式(5)のスチルベン型エ
ポキシ樹脂、一般式(6)のビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、一般式(7)のエポキシ樹脂が特に好ましい。
以下にこれら結晶性エポキシ樹脂の具体例を示すがこれ
らに限定されるものではない。
【0017】
【化15】
【0018】
【化16】
【0019】
【化17】
【0020】
【化18】
【0021】これらの結晶性エポキシ樹脂は1分子中の
エポキシ基の数は1個からせいぜい数個と少なく、単独
では架橋密度が低く、耐熱性の低い硬化物しか得られな
い。しかし、構造として剛直な平面ないし棒状骨格を有
しており、かつ結晶化する性質、即ち分子同士が配向し
やすいという特徴を有している。このため、一般式
(1)、一般式(2)で示される多官能型エポキシ樹脂
と併用した場合、硬化後の多官能型エポキシ樹脂による
架橋構造の架橋密度は低下させても、ガラス転移温度等
の耐熱性を低下させ難い。一方通常の2官能型の非結晶
性エポキシ樹脂を多官能型エポキシ樹脂と併用した場合
単に架橋密度が低下するだけでなく、ガラス転移温度の
大幅な低下も起こる。ところが結晶性エポキシ樹脂を併
用した場合には、一旦ガラス転移温度を越えた温度領域
では低官能基数の樹脂の特徴である低弾性率を示すた
め、半田処理温度での低応力化に効果的である。このた
め半田処理での半導体装置のクラック発生や基板と樹脂
組成物の硬化物との界面での剥離発生を防止する効果が
ある。更に溶融状態では低粘度を示すため成形時に樹脂
組成物の流動性が高く、薄型半導体装置への充填性に優
れ金線流れの問題を解決できる。結晶性エポキシ樹脂を
用いないと、熱時の低弾性化や低粘度化の効果が得難く
なり好ましくない。
【0022】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、その
特性が損なわれない範囲で他のエポキシ樹脂と併用して
も差し支えない。併用可能なエポキシ樹脂としては、エ
ポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般
を指し、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール
型エポキシ樹脂等が挙げられる。又これらの樹脂は、単
独もしくは混合して用いても差し支えない。
【0023】本発明に用いられるα−ナフトールとフェ
ノール類とをアルデヒドを介在して酸触媒存在下で共縮
合して得られた変性ノボラック樹脂(以下、変性ノボラ
ック樹脂という)は、1分子中にナフトール構造とフェ
ノール類構造を共に有しており、従来のフェノール類ノ
ボラック樹脂に比べ、ナフトール構造の導入により耐熱
性、熱時高強度、低吸湿性、低熱膨張性を有するため、
これを用いたエポキシ樹脂組成物で封止された半導体装
置の吸湿後の半田処理時に発生する応力を低減すること
ができ、かつ高強度であることにより吸湿半田処理後の
密着性、耐半田クラック性に優れている。一方ナフトー
ルのみをホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類で
縮合したナフトールノボラック樹脂は、分子中のナフタ
レン構造がパッキングしやすいため溶融粘度が高く、し
かも立体障害によりナフトールの水酸基の反応性が低
く、これを用いたエポキシ樹脂組成物は成形時の流動性
が劣り、硬化性も低い。これに対し、変性ノボラック樹
脂は、分子中のフェノール類構造によりナフタレン構造
のパッキングが阻害されることにより低溶融粘度を示
し、又硬化性に優れ、更にナフトールノボラック樹脂と
フェノール類ノボラック樹脂との単なる併用では両者の
相溶解性が低く、かつ硬化性の差が大きいため、不均一
な樹脂組成物となり、樹脂組成物の硬化物の物性にバラ
ツキが生じ、このため熱時強度が低下する。又成形時の
金型汚れや離型性低下が発生する。変性ノボラック樹脂
に用いられるフェノール類としては、クレゾール類、キ
シレノール類等が挙げられ、硬化性の点からフェノール
が好ましい。又アルデヒドとしては、ホルマリン(ホル
ムアルデヒド)、パラホルムアルデヒド等の通常ノボラ
ック樹脂の製造に用いられるものでよく、酸触媒として
は有機酸、無機酸が挙げられる。変性ノボラック樹脂
は、例えばα−ナフトール、フェノール類、ホルマリン
及び酸触媒を反応釜に仕込み、所定の時間加熱反応し、
脱水して得ることができる。
【0024】変性ノボラック樹脂中のα−ナフトール/
フェノール類の割合(重量%)としては、10/90〜
90/10、より好ましくは25/75〜75/25で
ある。α−ナフトールの割合が、10/90未満だと耐
熱性、熱時高強度、低吸湿性、低熱膨張性の効果が少な
くなり、半導体装置の吸湿半田処理後の特性が劣る。一
方α−ナフトールの割合が、90/10を越えるとエポ
キシ樹脂組成物の成形時の流動性が劣り、又硬化性が低
くなる。重量割合はNMRで求めることができる。変性
ノボラック樹脂の特性を最大限引き出すためには、全フ
ェノール樹脂中30重量%以上、好ましくは50重量%
以上配合することが望ましい。変性ノボラック樹脂を他
のフェノール樹脂と併用する場合、併用可能な樹脂とし
ては,エポキシ樹脂と硬化反応し架橋構造を形成できる
フェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポ
リマー全般を指す。例えば,フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジ
エン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA、トリフェ
ノールメタン等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの樹脂は単独もしくは混合して用い
てもよい。変性ノボラック樹脂の具体例を、以下に示
す。
【化19】 (Rはアルキル基で、iは0〜3の整数であり、両末端
のXはα−ナフトール又はフェノール類の芳香環から1
個の水素を除いた残基を示し、互いに同一であっても異
なっていてもよい)
【0025】本発明に用いられる硬化促進剤としては、
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応の触媒
となり得るものを指し、具体的にはトリブチルアミン等
のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフ
ェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート塩等の
有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの硬化促進剤は単独であっても混合
して用いても差し支えない。
【0026】本発明に用いられる溶融シリカ粉末は、破
砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカ
粉末の配合量を高め、かつ樹脂組成物の溶融粘度の上昇
を抑えるためには、球状シリカを用いる方が好ましい。
更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカ
の粒度分布がより広くなるように調整することが望まし
い。配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中65〜9
0重量%が良く65重量%未満では、反りが大きくな
り、90重量%を越えると粘度が増大し、金線流れや未
充填の問題がある。
【0027】本発明でのエポキシ樹脂組成物の特性とし
ては、成形温度における溶融粘度が2〜10Pa.S、
該樹脂組成物の硬化物の寸法変化率が0.30%以下
で、かつ硬化物のガラス転移温度が140℃以上のもの
が好ましい。成形温度における溶融粘度が、2Pa.S
未満だと、成形時にバリ、ボイドの発生の問題があり、
10Pa.Sを越えると、金線流れや未充填を生じるお
それがあり好ましくない。更に樹脂組成物の硬化物の寸
法変化率が0.30%を越えると、エリア実装型半導体
装置の反りが大きくなり、又硬化物のガラス転移温度が
140℃未満となると同様に反りが大きくなるので好ま
しくない。
【0028】本発明での溶融粘度、ガラス転移温度及び
寸法変化率は以下の方法で測定する。 溶融粘度:高化式フロー粘度テスター((株)島津製作
所)を用い、樹脂組成物で半導体素子を封止する温度
(例えば、175℃)と同一の温度で、10KGの荷重
下、直径0.5mm、長さ1.0mmのノズル(ダイ
ス)を使用し測定した。 ガラス転移温度及び寸法変化率:175℃、射出圧力7
5kg/cm2、2分間トランスファー成形したテスト
ピースを、更に175℃、8時間後硬化し、熱機械分析
装置(セイコー電子(株)・製TMA−120、昇温速
度 5℃/分)を用いて、ガラス転移温度を測定した。
寸法変化率は、前記テストピースを25℃から175℃
に昇温した時の寸法変化から求めた。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分以外にも、必要に応じて臭素化エポキシ樹
脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、カップリング剤、カ
ーボンブラックに代表される着色剤、天然ワックス及び
合成ワックス等の離型剤等が適宜配合可能である。本発
明のエポキシ樹脂組成物を成形材料とするには、各成分
を混合後、加熱ニーダや熱ロールにより加熱混練し、続
いて冷却、粉砕することで目的とする樹脂組成物が得ら
れる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。 《実施例1》 ・式(8)で示されるエポキシ樹脂[油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1 032H、軟化点60℃、エポキシ当量170](以下、エポキシ樹脂E1とい う) 5.2重量部 ・式(9)を主成分とするビフェニル型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ(株) 製、YX−4000H、融点105℃、エポキシ当量195](以下、エポキシ 樹脂E2という) 5.2重量部 ・式(10)で示される変性ノボラック樹脂[軟化点83℃、水酸基当量175 (以下、変性ノボラック樹脂という) 9.8重量部 ・トリフェニルホスフィン 0.2重量部 ・球状溶融シリカ 78.0重量部 ・シランカップリング剤 0.8重量部 ・カルナバワックス 0.4重量部 ・カーボンブラック 0.4重量部 上記の全成分をミキサーにより混合した後、表面温度が
90℃と45℃の2本ロールを用いて30回混練し、得
られた混練物シートを冷却後粉砕して、成形材料とし
た。得られた成形材料の特性を以下の方法で評価をし
た。評価結果を表1に示す。
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】
【化22】 (Xはα−ナフトール又はフェノールの芳香環から1個
の水素を除いた残基を示す)
【0034】他の実施例及び比較例で使用した式(1
2)〜(14)のエポキシ樹脂の構造及び性状を以下に
示す。 ・式(11)を主成分とするエポキシ樹脂:融点144
℃、エポキシ当量175(以下、エポキシ樹脂E3とい
う) ・式(12)を主成分とするエポキシ樹脂:融点152
℃、エポキシ当量225(以下、エポキシ樹脂E4とい
う) ・式(13)を主成分とするエポキシ樹脂:融点133
℃、エポキシ当量182(以下、エポキ シ樹脂E5と
いう) ・式(14)を主成分とするエポキシ樹脂:軟化点65
℃、エポキシ当量210(以下、エポキシ樹脂E6とい
う) なお、比較例5に用いたフェノールノボラック樹脂の軟
化点は80℃、水酸基当量は104である。
【化23】
【0035】
【化24】
【0036】
【化25】
【0037】
【化26】
【0038】《評価方法》 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパ
イラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175
℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定し
た。 ・溶融粘度(175℃で測定)、ガラス転移温度(T
g)及び寸法変化率:前記した方法による。 ・パッケージ反り量:225ピンBGAパッケージ(基
板は0.36mm厚のBT樹脂基板、パッケージサイズ
は24×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップ
はサイズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路
基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボン
ディングしている)を180℃の金型温度、75kg/
cm2の射出圧力で2分間トランスファー成形を行い、
更に175℃で8時間、後硬化した。室温に冷却後パッ
ケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて
高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を反り
量とした。 ・耐半田性:パッケージ反り量測定に用いた成形品パッ
ケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間
放置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬した。
超音波探傷機を用いてパッケージを観察し、内部クラッ
ク数及び基板/樹脂組成物界面の剥離数を(発生パッケ
ージ数)/(全パッケージ数)の%表示で表した。 ・金線変形量:パッケージ反り量評価で成形した225
ピンBGAパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線
の変形率を(流れ量)/(金線長)で%表示した。
【0039】《実施例2〜5》実施例1を基本配合と
し、エポキシ樹脂の種類を変えて成形材料を得た。 《比較例1〜4》表1の配合比率に従い、実施例1と同
様に混合、混練して成形材料を得た。実施例1と同様に
評価を行った。配合処方及び評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、金線変形等の成形性に優れており、これを用いて
封止されたエリア実装型半導体装置は、室温及び半田付
け工程での反りが小さく、耐半田性や耐温度サイクル性
等の信頼性がに優れている。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC07Y CD04X CD05X CD07W DJ017 EN026 EU116 EW016 EW176 FD14Y FD156 GJ02 4J036 AC01 AC02 AC05 AD07 AD08 AD10 AF05 AF06 DC05 DC41 DD07 FA05 FB08 GA04 JA07 4M109 AA01 BA03 CA21 EA02 EB02 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB13 EC05 EC20 GA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)、一般式(2)で示
    されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の
    エポキシ樹脂と融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂とを含むエポキシ樹脂、(B)α−ナフトールとフェ
    ノール類とをアルデヒドを介在して酸触媒存在下で共縮
    合して得られる変性ノボラック樹脂、(C)硬化促進
    剤、及び(D)溶融シリカ粉末を全エポキシ樹脂組成物
    中65〜90重量%含むエポキシ樹脂組成物であって、
    該エポキシ樹脂組成物の成形温度における溶融粘度が2
    〜10Pa.Sで、硬化物の寸法変化率が0.30%以
    下であり、かつガラス転移温度が140℃以上であるこ
    とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中のR1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互い
    に同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整
    数、bは0〜4の整数で、lは平均値で、1〜10の正
    数) 【化2】 (式中のR3は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一であっても異なっていてもよい。cは0〜4の整数)
  2. 【請求項2】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(3)〜(7)の群から選ばれる1種以上
    のエポキシ樹脂である請求項1記載の半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。 【化3】 (式中のR4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一であっても異なっていてもよい。dは0〜4の整数) 【化4】 (式中のR5は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一であっても異なっていてもよい。eは0〜4の整数) 【化5】 (式中のR6は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、
    互いに同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素
    数1〜4のアルキル基で、fは0〜4の整数) 【化6】 (式中のR8は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一であっても異なっていてもよい。gは0〜4の整数) 【化7】 (式中のR9は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一であっても異なっていてもよい。hは0〜2の整数)
  3. 【請求項3】 基板の片面に半導体素子が搭載され、該
    半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが
    請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物でて封止され
    てなることを特徴とするエリア実装型半導体装置。
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