JPH1192631A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JPH1192631A
JPH1192631A JP25547397A JP25547397A JPH1192631A JP H1192631 A JPH1192631 A JP H1192631A JP 25547397 A JP25547397 A JP 25547397A JP 25547397 A JP25547397 A JP 25547397A JP H1192631 A JPH1192631 A JP H1192631A
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JP
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epoxy resin
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positive integer
resin
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JP25547397A
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Kazuya Shigeno
数也 滋野
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エリア実装用半導体パッケージに関し、室温
及び半田付け工程での反りが少なく、耐半田性や耐温度
サイクル性などの信頼性に優れ、かつ成形性にも優れた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれにより封止さ
れた半導体装置を提供すること。 【解決手段】 一般式(1)、(2)で示されるエポキ
シ樹脂を総エポキシ樹脂中に20〜90重量%、融点5
0〜150℃の結晶性エポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中
に10〜80重量%含み、式(3)のフェノール樹脂硬
化剤を総フェノール樹脂硬化剤中に20重量%以上含
み、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7及び溶融シリカ粉末からなる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及びそれにより封止された半導体装置。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形性、信頼性、実
装性に優れた樹脂封止型半導体装置に関し、更に詳述す
ればプリント配線板や金属リードフレームの片面に半導
体素子を搭載し、その搭載面側の実質的に片面のみを樹
脂封止されたいわゆるエリア実装型半導体装置におい
て、樹脂封止後の反りや基板実装時の半田付け工程での
反りが小さく、高温時電気特性が良好で、また温度サイ
クル試験での耐パッケージクラック性や半田付け工程で
の耐パッケージクラック性や耐剥離性に優れ、かつ成形
性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び該半導
体封止用エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高性
能化の市場動向において、半導体の高集積化が年々進
み、又半導体パッケージの表面実装化が促進されるなか
で、新規にエリア実装のパッケージが開発され、従来構
造のパッケージから移行し始めている。エリア実装パッ
ケージとしてはBGA(ボールグリッドアレイ)あるい
は更に小型化を追求したCSP(チップサイズパッケー
ジ)が代表的であるが、これらは従来QFP、SOPに
代表される表面実装パッケージでは限界に近づいている
多ピン化・高速化への要求に対応するために開発された
ものである。構造としては、BT樹脂/銅箔回路基板
(ビスマレイミド・トリアジン/ガラスクロス基板)に
代表される硬質回路基板、あるいはポリイミド樹脂フィ
ルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路基板
の片面上に半導体素子を搭載し、その素子搭載面、即ち
基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物などで成形・封止
されている。また、基板の素子搭載面の反対面には半田
ボールを2次元的に並列して形成し、パッケージを実装
する回路基板との接合を行う特徴を有している。更に、
素子を搭載する基板としては、上記有機回路基板以外に
もリードフレーム等の金属基板を用いる構造も考案され
ている。
【0003】これらエリア実装型半導体パッケージの構
造は基板の素子搭載面のみを樹脂組成物で封止し、半田
ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態をと
っている。ごく希に、リードフレーム等の金属基板など
では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層
が存在することもあるが、素子搭載面では数百μmから
数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質的に片
面封止となっている。このため、有機基板や金属基板と
樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整
合、あるいは樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮によ
る影響により、これらのパッケージでは成形直後から反
りが発生しやすい。また、これらのパッケージを実装す
る回路基板上に半田接合を行う場合、200℃以上の加
熱工程を経るが、この際にパッケージの反りが発生し、
多数の半田ボールが平坦とならず、パッケージを実装す
る回路基板から浮き上がってしまい、電気的接合信頼性
が低下する問題も起こる。
【0004】また、赤外線リフロー、ベーパーフェイズ
ソルダリング、半田浸漬などの手段での半田処理による
半田接合を行う場合、樹脂組成物の硬化物並びに有機基
板からの吸湿によりパッケージ内部に存在する水分が高
温で急激に気化することによる応力でパッケージにクラ
ックが発生したり、基板の素子搭載面と硬化物との界面
で剥離が発生することもあり、硬化物の低応力化・低吸
湿化とともに、基板との密着性も求められる。さらに、
基板と硬化物の線膨張係数の不整合により、信頼性テス
トの代表例である温度サイクル試験でも、基板/硬化物
界面の剥離やパッケージクラックが発生する。従来のQ
FPやSOPなどの表面実装パッケージでは、半田実装
時のクラックや各素材界面での剥離の防止のために、ビ
フェニル型エポキシ樹脂に代表されるような結晶性エポ
キシ樹脂を用いて成形時の低粘度化を図り、かつ無機質
充填材の配合量を増加することが対策としてとられてき
た。しかし、この手法では、片面封止パッケージにおけ
る反りの問題は解決できないのが現状であった。
【0005】基板上の実質的に片面のみを樹脂組成物で
封止したパッケージにおいて、反りを低減するには、基
板の線膨張係数と樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を近
付けること、及び樹脂組成物の硬化収縮を小さくする二
つの方法が重要である。基板としては有機基板ではBT
樹脂やポリイミド樹脂のような高ガラス転移温度の樹脂
が広く用いられており、これらはエポキシ樹脂組成物の
成形温度である170℃近辺よりも高いガラス転移温度
を有する。従って、成形温度から室温までの冷却過程で
は有機基板のα1 の領域のみで収縮する。従って、樹脂
組成物もガラス転移温度が高くかつα1 が回路基板と同
じであり、さらに硬化収縮がゼロであれば反りはほぼゼ
ロであると考えられる。このため、多官能型エポキシ樹
脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりガラ
ス転移温度を高くし、無機質充填材の配合量でα1 を合
わせる手法が既に提案されている。
【0006】ところが、一分子中に3個以上のエポキシ
基を有する多官能型エポキシ樹脂と一分子中に3個以上
のフェノール性水酸基を有する多官能型フェノール樹脂
との組み合わせ系は吸湿率が大きいこと、各々の樹脂粘
度が高いため無機質充填材を高充填することができず低
吸湿化が困難なこと、半田処理温度でも高弾性を示し、
発生応力が高いことなどから、半田処理時のパッケージ
クラック発生や界面剥離の発生が解決されていない。ま
た、素子と基板との電気的接続に用いられる金線は数十
μmと細いうえに、エリア実装パッケージではその長さ
も従来構造パッケージに比較して長く、更に多ピン化に
より金線の配線が高密度化しているため、成形時に低粘
度の樹脂組成物で封止しないと金線が変形し、金線同士
が接触して電気的不良を生じることになる。特にCSP
のような薄型のパッケージでは充填性が良好で、金線変
形の少ない樹脂組成物による封止が必須の条件であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エリア実装
パッケージでの成形後や半田処理時の反りが小さく、高
温時電気特性が良好で、また温度サイクル試験や半田処
理時などの信頼性に優れ、かつ充填性が良好で金線変形
の少ない、即ち、成形時に高流動性の特徴を有する半導
体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれにより封止された
半導体装置の開発を目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、特定の多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェノー
ル樹脂硬化剤との組み合わせに、更に特殊な結晶性エポ
キシ樹脂を併用することで、ガラス転移温度の低下を少
なくしたまま低吸湿化が図れること、低粘度化が達成で
きるため無機質充填材の充填量の増量が可能となり、低
吸湿化やα1 の調整が可能となること、また、成形時の
充填性向上やワイヤー変形量の低減ができること、半田
処理温度での熱時弾性率が低減できるため発生応力が減
少し、回路基板との密着性が向上することなどを明らか
にしたものである。
【0009】即ち本発明は、(A)一般式(1)、
(2)で示されるエポキシ樹脂からなる群から選択され
る少なくとも一つのエポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に
20〜90重量%含み、かつ融点が50〜150℃の結
晶性エポキシ樹脂、特に好ましくは一般式(4)〜
(8)で示される結晶性エポキシ樹脂を総エポキシ樹脂
中に10〜80重量%含むエポキシ樹脂、(B)一般式
(3)で示されるフェノール樹脂を総フェノール樹脂中
に20重量%以上含むフェノール樹脂硬化剤、(C)
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、(D)溶融シリカ粉末からなることを特徴とする半
導体封止用エポキシ樹脂組成物であり、更に好ましく
は、成形硬化時の硬化収縮率が0.15%以下、硬化後
の線膨張係数α1 が8〜16ppm/℃で、かつガラス
転移温度が140℃以上であることを特徴とした半導体
封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物によって封止された半導体装置である。
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】式(1)〜(3)及び(8)中のRはハロ
ゲン原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、互
いに同一であっても、異なっていてもよく、lは1〜1
0の正の整数、mは0もしくは1〜3の正の整数、及び
nは0もしくは1〜4の正の整数である。式(4)〜
(7)中のRは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1
〜12のアルキル基を示し、互いに同一であっても、異
なっていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂のうち一
般式(1)で表されるエポキシ樹脂は通常トリフェノー
ルメタン型エポキシ樹脂と総称される樹脂で、具体例と
しては以下のものが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。いずれも、これを用いた樹脂組成物の硬
化物は架橋密度が高く、高いガラス転移温度となり、ま
た硬化収縮率が小さい特徴を有する。
【0017】
【化11】
【0018】一般式(2)で表されるエポキシ樹脂は式
(1)と同様、硬化物の高架橋密度構造と低硬化収縮性
を有するが、更に比較的低粘度であるという特徴も有し
ている。具体例としては以下のものが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0019】
【化12】
【0020】一般式(1)、(2)で示される多官能型
エポキシ樹脂は総エポキシ樹脂中の20〜90重量%含
まれることがガラス転移温度及び硬化収縮の点から必要
である。20重量%未満では得られる架橋構造の架橋密
度が低下するためガラス転移温度が低下するとともに、
硬化収縮も増大する。また、90重量%を越えると成形
時の流動性が低下し、金線変形を起こし易く、また基板
との密着性が低下する。
【0021】本発明に用いられる融点が50〜150℃
の結晶性エポキシ樹脂としては、一分子中にエポキシ基
を1個有するモノエポキシ化合物、1分子中にエポキシ
基を2個有するジエポキシ化合物、さらにこれらのオリ
ゴマー、ポリマー等が含まれる。これらのエポキシ樹脂
はいずれも結晶性を示すため、融点未満の温度では固体
であるが、融点以上の温度で低粘度の液状物質となる。
このため50℃未満の融点の結晶性エポキシ樹脂では、
エポキシ樹脂組成物の製造工程において融着を起こしや
すく、作業性が著しく低下する。また、150℃を越え
る融点を示す結晶性エポキシ樹脂では、エポキシ樹脂組
成物を加熱混練する製造工程で充分に溶融しないため、
材料の均一性に劣るといった問題点を有する。融点の測
定方法としては示差走査熱量計[セイコー電子(株)製S
SC/5200]による吸熱ピーク温度(昇温速度5℃
/分)から求められる。融点50〜150℃の結晶性エ
ポキシ樹脂としては、式(4)のビフェニル型エポキシ
化合物、式(5)のハイドロキノン型エポキシ化合物、
式(6)のスチルベン型エポキシ化合物、式(7)のビ
スフェノールF型エポキシ化合物、式(8)のアラルキ
ル変性ビフェニル型エポキシ樹脂が特に好ましい。以下
にこれら結晶性エポキシ樹脂の具体例を示すがこれらに
限定されるものではない。
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】これらの結晶性エポキシ樹脂は1分子中の
エポキシ基の数は1個からせいぜい数個と少なく、単独
では架橋密度が低く、耐熱性の低い硬化物しか得られな
い。しかし構造として剛直な平面ないし棒状骨格を有し
ており、かつ結晶化する性質、即ち分子同士が配向しや
すいという特徴を有する。このため、一般式(1)、
(2)で示される多官能型エポキシ樹脂と併用した場
合、硬化後の多官能型エポキシ樹脂による架橋構造の架
橋密度は低下させても、ガラス転移温度などの耐熱性を
低下させ難い。一方、通常の2官能非結晶性エポキシ樹
脂を多官能型エポキシ樹脂と併用した場合では単に架橋
密度が低下するだけであり、ガラス転移温度の大幅な低
下が起こる。ところが、結晶性エポキシ樹脂を併用した
場合、一旦ガラス転移温度を越えた温度領域では低官能
基数化合物の特徴である低弾性率を示すため、半田処理
温度での低応力化に効果的である。このため、半田処理
でのパッケージクラック発生や基板と樹脂組成物界面の
剥離発生を防止する効果がある。更に、溶融状態では低
粘度を示すため成形時に樹脂組成物の流動性が高く、薄
型パッケージへの充填性に優れる。融点50〜150℃
の結晶性エポキシ樹脂は総エポキシ樹脂中に10〜80
重量%含まれることが必要である。10重量%未満では
熱時の低弾性化や低粘度化の効果が得難く、80重量%
を越えると成形されたパッケージの反りが大きくなり好
ましくない。
【0026】本発明のエポキシ樹脂は更に他のエポキシ
樹脂と併用しても差し支えない。併用可能なエポキシ樹
脂としては、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマー全般を指し、例えば、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。又、
これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは混合して用いて
も差し支えない。
【0027】本発明で用いられるB成分のフェノール樹
脂硬化剤の内、式(3)で示されるフェノール樹脂硬化
剤はいわゆるトリフェノールメタン型フェノール樹脂と
呼ばれるもので、具体例を以下に示す。
【0028】
【化16】
【0029】これらフェノール樹脂を使用すると硬化物
の架橋密度が高くなり、高いガラス転移温度の硬化物が
得られる。式(3)のフェノール樹脂の使用量として
は、ガラス転移温度の点から総フェノール樹脂中の20
重量%以上配合することが必要である。20重量%未満
ではガラス転移温度が低下し、また硬化収縮率も大きく
なり、成形後のパッケージの反り量が大きくなる。式
(3)のフェノール樹脂は他のフェノール樹脂と適宜併
用可能であり、特に限定されるものではないが、フェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフ
トールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0030】一般にエポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化
剤との架橋反応で使用される硬化促進剤としてはトリブ
チルアミンや1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−
7−ウンデセン等のアミン化合物、トリフェニルホスフ
ィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニル
ボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾ
ール化合物等のイミダゾール化合物がある。中でも耐湿
性の点からトリフェニルホスフィンに代表される有機リ
ン系化合物が多く用いられている。しかしながら有機リ
ン系化合物は高温時でのリード間のリーク電流がアミン
系化合物よりも大きいという問題点があり、またイミダ
ゾール化合物はプレッシャークッカーバイアステスト
(PCBT)等の電気的特性に問題点があるため、本発
明に用いられる硬化促進剤としてはアミン化合物が適し
ており中でも1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7が最も適した硬化促進剤である。
【0031】本発明で用いられる(D)成分の溶融シリ
カ粉末は、破砕状、球状のいずれでも使用可能である
が、溶融シリカ粉末の配合量を高め、かつ樹脂組成物の
溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状シリカを主に用
いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるた
めには、球状シリカの粒度分布をより広くとるよう調整
することが望ましい。
【0032】本発明の樹脂組成物は、(A)〜(E)ま
での必須成分以外にも必要に応じて臭素化エポキシ樹
脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、カップリング剤、カ
ーボンブラックに代表される着色剤、天然ワックス及び
合成ワックス等の離型剤等が適宜配合可能である。樹脂
組成物とするには各成分を混合後、加熱ニーダや熱ロー
ルにより加熱混練し、続いて冷却、粉砕することで目的
とする樹脂組成物が得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装
置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレ
ッションモールド、インジェクションモールド等の従来
からの成形方法で硬化成形をすればよい。本発明の半導
体装置は有機基板としてBT樹脂基板を用いる場合は、
エポキシ樹脂組成物の硬化後の線膨張係数(α1)が8〜
16ppm/℃、熱機械分析装置(TMA)で測定され
るガラス転移温度が140℃以上、かつ硬化収縮率が
0.15%以下であることが特に好ましい。BT樹脂基
板の線膨張係数は、14ppm/℃程度であるが、これ
にシリコンチップ、銅箔回路などの金属とが組合される
複合基板では、チップの面積比率、銅箔回路の面積比率
により線膨張係数が変化する。この基板の線膨張係数と
合わせて樹脂組成物の硬化物の線膨張係数と硬化収縮率
を上記範囲とすることで、BT樹脂基板の成形温度から
室温までの熱収縮量に合わせて樹脂組成物の硬化物の熱
収縮量がほぼ同じとなり、成形後の反りを小さくでき
る。なお、ここでいう硬化収縮率とは、成形温度におけ
る金型の寸法と成形温度での成形品寸法との比率を指
す。
【0033】本発明でのガラス転移温度、線膨張係数、
硬化収縮率、高温リーク電流は以下の方法で測定する。 ・ガラス転移温度(Tg)及び線膨張係数(α1):17
5℃、2分間トランスファー成形したテストピースを更
に175℃、8時間後硬化し、熱機械分析装置[セイコ
ー電子(株)製TMA−120、昇温速度5℃/分]で測
定した。 ・硬化収縮率:テストピースを180℃の金型温度、7
5kg/cm2 の射出圧力で2分間トランスファー成形
し、更に175℃で8時間、後硬化した。180℃に加
熱された状態の金型のキャビティ寸法と180℃に加熱
された成形品の寸法をノギスにより測定し、成形品寸法
/金型キャビティ寸法の比率で硬化収縮率を表した。 ・高温リーク電流:16p−DIPを180℃の金型温
度、75kg/cm2 の射出圧力で2分間トランスファ
ー成形し、更に175℃で8時間、後硬化した。このパ
ッケージを150℃のオーブン乾燥機に入れ、その中で
10分間放置後、乾燥機内でパッケージのリード間に流
れる電流値を測定した。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。 《実施例1》 ・式(9)で示されるエポキシ樹脂 4.6重量部 [油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1032H、軟化点60℃、エポキシ 当量170] ・式(10)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂 4.6重量部 [油化シェルエポキシ(株)製、YX−4000H、融点105℃、エポキシ当量 195] ・式(11)で示されるフェノール樹脂 4.8重量部 [明和化成(株)製、MEH−7500、軟化点107℃、水酸基当量97] ・1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 0.2重量部 ・球状溶融シリカ 85.0重量部 ・カルナバワックス 0.5重量部 ・カーボンブラック 0.3重量部 上記の全成分をミキサーにより混合した後、表面温度が
90℃と45℃の2本ロールを用いて30回混練し、得
られた混練物シートを冷却後粉砕して、樹脂組成物とし
た。得られた樹脂組成物の特性を以下の方法で評価をし
た。評価結果を表1に示す。
【0035】
【化17】
【0036】なお、上記実施例及び比較例で使用した式
(12)〜(17)のエポキシ樹脂及び式(18)のフ
ェノール樹脂の構造及び性状を以下に示す。
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】・式(12)の構造を主成分とするエポキ
シ樹脂:融点144℃、エポキシ当量175 ・式(13)の構造を主成分とするエポキシ樹脂:融点
52℃、エポキシ当量225 ・式(14)の構造を主成分とするエポキシ樹脂:融点
133℃、エポキシ当量182 ・式(15)の構造を主成分とするエポキシ樹脂:融点
82℃、エポキシ当量190 ・式(16)の構造を主成分とするエポキシ樹脂:軟化
点65℃、エポキシ当量210 ・式(17)の構造を主成分とするエポキシ樹脂:液
状、粘度(25℃)55Poise、エポキシ当量168 ・式(18)のフェノール樹脂:軟化点80℃、水酸基
当量104
【0039】《評価方法》 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパ
イラルフロー測定用の金型を用いて、金型温175℃、
注入圧力70kg/cm2 、硬化時間2分で測定した。 ・ガラス転移温度(Tg)及び線膨張係数(α1):前記
した方法による。 ・熱時弾性率:240℃での曲げ弾性率をJIS−K6
911の試験条件により測定した。 ・硬化収縮率:前記した方法による。 ・パッケージ反り量:225ピンBGAパッケージ(基
板は0.36mm厚のBT樹脂基板、パッケージサイズ
は24×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップ
はサイズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路
基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボン
ディングしている)を180℃の金型温度、75kg/
cm2 の射出圧力で2分間トランスファー成形を行い、
更に175℃で8時間、後硬化した。室温に冷却後パッ
ケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて
高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を反り
量とした。 ・耐半田性:パッケージ反り量測定に用いた成形品パッ
ケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間
放置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬した。
超音波探傷機を用いてパッケージを観察し、内部クラッ
ク数及び基板/樹脂組成物界面の剥離数を(発生パッケ
ージ数)/(全パッケージ数)の%表示で表した。 ・金線変形量:パッケージ反り量評価で成形した225
ピンBGAパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線
の変形率を(流れ量)/(金線長)で%表示した。 ・高温リーク電流:前記した方法による。
【0040】《実施例2、3及び比較例1〜5》実施例
1を基本配合とし、式(1)と式(2)との配合比率を
変えて、またそれに伴いフェノール樹脂硬化剤の配合量
も変えて、その他は基本配合と同じ割合で各成分を配合
し、実施例1と同様に混合、混練して樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に評価を行った。配合処方及び評価
結果を表1に示す。(比較例1〜3は1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7の代わりにトリフ
ェニルホスフィンを使用。) 《実施例4〜6及び比較例6〜9》実施例1を基本配合
とし、実施例4〜6では式(2)の種類、及び比較例9
ではフェノール樹脂硬化剤の種類並びにそれらの配合量
も変えて、その他は基本配合と同じ割合で各成分を配合
し、実施例1と同様に混合、混練して樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に評価を行った。配合処方及び評価
結果を表2に示す(比較例6〜8は1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7の代わりにトリフェ
ニルホスフィンを使用。)
【0041】《実施例7、8及び比較例10〜12》実
施例1を基本配合とし、無機質充填材の配合量を変え、
及びそれに伴ってエポキシ樹脂及びフェノール樹脂硬化
剤の種類並びにそれらの配合量も変えて、その他は基本
配合と同じ割合で各成分を配合し、実施例1と同様に混
合、混練して樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価
を行った。配合処方及び評価結果を表3に示す。[比較
例10、11は1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7の代わりにトリフェニルホスフィンを使
用。]
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は金線変形など成形性においても優れおり、該半導体
封止用エポキシ樹脂組成物により封止されたエリア実装
型半導体装置は、室温及び半田付け工程での反りが小さ
く、高温リーク電流が小さく、耐半田性や耐温度サイク
ル性などの信頼性が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/36 C08K 3/36 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)、(2)で示される
    エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つ
    のエポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に20〜90重量%
    含み、かつ融点が50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂
    を総エポキシ樹脂中に10〜80重量%含むエポキシ樹
    脂、(B)一般式(3)で示されるフェノール樹脂を総
    フェノール樹脂中に20重量%以上含むフェノール樹脂
    硬化剤、(C)1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
    ウンデセン−7、(D)溶融シリカ粉末からなることを
    特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 式(1)〜(3)中のRはハロゲン原子又は炭素数1〜
    12のアルキル基を示し、互いに同一であっても、異な
    っていてもよい。lは1〜10の正の整数、mは0もし
    くは1〜3の正の整数、及びnは0もしくは1〜4の正
    の整数である。
  2. 【請求項2】 融点が50〜150℃の結晶性エポキシ
    樹脂が、一般式(4)〜(8)で示されるエポキシ樹脂
    からなる群から選択される少なくとも一つのエポキシ樹
    脂である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。 【化4】 【化5】 式(4)〜(7)中のRは水素原子、ハロゲン原子又は
    炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同一であっ
    ても、異なっていてもよい。式(8)中のRはハロゲン
    原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
    一であっても、異なっていてもよく、lは1〜10の正
    の整数、及びnは0もしくは1〜4の正の整数である。
  3. 【請求項3】 成形硬化時の硬化収縮率が0.15%以
    下、硬化後の線膨張係数α1が8〜16ppm/℃であ
    り、かつガラス転移温度が140℃以上である請求項1
    又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 基板の片面に半導体素子が搭載され、こ
    の半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみ
    が請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂組成物によっ
    て封止されていることを特徴とする半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350552A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Nippon Kayaku Co Ltd 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2006117711A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4491900B2 (ja) * 2000-03-28 2010-06-30 パナソニック電工株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2015160893A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 新日鉄住金化学株式会社 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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