JP4645147B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置に関するものであり、特にプリント配線板や金属リードフレームの片面に半導体素子を搭載し、その搭載面側の実質的に片面のみが樹脂封止されたエリア実装型半導体装置に好適に用いられるものである。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々進み、また、半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、新規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構造の半導体装置から移行し始めている。半導体装置の小型化、薄型化に伴い、封止用エポキシ樹脂組成物に対しては、より一層の低粘度化、高強度化が要求されている。また、環境問題から臭素化合物、酸化アンチモン等の難燃剤を使わずに難燃化する要求が増えてきている。さらに新たな動きとして、半導体装置を実装する際、従来よりも融点の高い無鉛半田の使用が高まってきている。この半田の適用により実装温度を従来に比べ約20℃高くする必要があり、実装後の半導体装置の信頼性が現状に比べ著しく低下する問題が生じている。このようなことからエポキシ樹脂組成物のレベルアップによる半導体装置の信頼性の向上要求が加速的に強くなってきている。
エリア実装型半導体装置としては、BGA(ボールグリッドアレイ)、或いは更に小型化を追求したCSP(チップスケールパッケージ)等が代表的であるが、これらは従来のQFP、SOP等に代表される表面実装型半導体装置では限界に近づいている多ピン化・高速化への要求に対応するために開発されたものである。構造としては、BT樹脂/銅箔回路基板(ビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板)に代表される硬質回路基板、或いはポリイミド樹脂フィルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半導体素子搭載面、即ち基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物等で成形・封止されている。また、基板の半導体素子搭載面の反対面には半田ボールを2次元的に並列して形成し、半導体装置を実装する回路基板との接合を行う特徴を有している。更に、半導体素子を搭載する基板としては、上記の有機回路基板以外にもリードフレーム等の金属基板を用いる構造も開発されている。
これらエリア実装型半導体装置の構造は、基板の半導体素子搭載面のみをエポキシ樹脂組成物で封止し、半田ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態をとっている。リードフレーム等の金属基板等では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層が存在することもあるが、半導体素子搭載面では数百μmから数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、片面封止となっている。このため、有機基板や金属基板とエポキシ樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整合、或いはエポキシ樹脂組成物の成形硬化時の硬化収縮による影響で、これらの半導体装置では成形直後から反りが発生しやすい。
更に、これらの半導体装置を実装する回路基板上に半田接合を行う場合、200℃以上の加熱工程を経るが、この際に半導体装置の反りが発生し、多数の半田ボールが平坦とならず、半導体装置を実装する回路基板から浮き上がってしまい、電気的接合の信頼性が低下する問題も起こる。
基板上の片面のみをエポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置において、反りを低減するには、基板の熱膨張係数とエポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数とを近づけること、及びエポキシ樹脂組成物の成形硬化時の硬化収縮を小さくすることの二つの方法が重要である。
基板としては、有機基板ではBT樹脂やポリイミド樹脂のような高いガラス転移温度(以下、Tgという)を有する樹脂が広く用いられており、これらはエポキシ樹脂組成物の成形温度である170℃近辺よりも高いTgを有する。従って、成形温度から室温までの冷却過程では有機基板のガラス領域、換言すると線膨張係数がα1の領域のみで収縮する。よって、エポキシ樹脂組成物の硬化物も、Tgが成形温度より高く且つα1が有機基板と同じで、更に成形硬化時の硬化収縮がゼロとなれば、反りはほぼゼロとなると考えられる。このため、多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりTgを高くし、無機充填材の配合量でα1を合わせる手法が既に提案されている。しかし多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせでは流動性が低下し金線変形が生じる等の不具合があった。
また、赤外線リフロー、ベーパーフェイズソルダリング、半田浸漬等の手段での半田処理による半田接合を行う場合、エポキシ樹脂組成物の硬化物並びに有機基板からの吸湿により、半導体装置内部に存在する水分が高温で急激に気化することによる応力で、半導体装置にクラックが発生することや、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体素子搭載面にある各部材(有機基板、ボンディングパッドなどの金属メッキ部分、半導体素子等)との界面で剥離が発生することもあり、エポキシ樹脂組成物の低応力化・低吸湿化とともに、半導体装置内の各部材との密着力の強さが求められる。
従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物中に添加し、基材との界面の接着性向上を図る検討がなされてきた。しかし近年、鉛フリーハンダに対応した実装時のリフロー温度の上昇により、これらのシランカップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
その対処法として、アルコキシシランカップリング剤によりリードフレームの表面処理をする方法(例えば、特許文献1参照。)やチアゾール系、スルフェンアミド系、及びチウラム系化合物を添加した樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、前者のシランカップリング剤は、熱時安定性が悪く耐半田処理において密着向上効果が低下する欠点があり、また、後者の化合物は分子量が大きく、また、不安定な結合(窒素―硫黄結合など)を数多く含んでいるため、成形後の封止樹脂中において分解する可能性が指摘されている。
特開平6−350000号公報(第2〜5頁) 特開昭62−209170号公報(第2〜4頁) 特開昭62−260344号公報(第2〜4頁)
本発明は、従来の背景技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは硬化性及び他の諸特性を低下させることなく高流動性、成形後の低そり、耐半田特性が著しく優れたエリア実装型半導体封止用に適したエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を提供することにある。
本発明は、
[1] 結晶性エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で表されるフェノール樹脂(B)、硬化促進剤(C)、全エポキシ樹脂組成物中に対し80〜95重量%の無機充填材(D)及びトリアゾール環を有する化合物(E)を必須成分として含み、
前記トリアゾール環を有する化合物が一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 0004645147
(一般式(1)中、R1、R2は炭素数4以下のアルキル基であり、互いに同一でも異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数。nは平均値で0〜10の数。)
Figure 0004645147

(一般式(2)中、R1は水素原子、又は、メルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
] 第[1]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
] 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の片面のみの封止に用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
結晶性エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で表されるフェノール樹脂(B)、硬化促進剤(C)、全エポキシ樹脂組成物中に対し80〜95重量%の無機充填材(D)、及びトリアゾール環を有する化合物(E)を必須成分として含み、
前記トリアゾール環を有する化合物が一般式(2)で示される化合物であることを特徴とするエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 0004645147
(一般式(1)中、R1、R2は炭素数4以下のアルキル基であり、互いに同一でも異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数。nは平均値で0〜10の数。)
Figure 0004645147

(一般式(2)中、R1は水素原子、又は、メルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
] 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の片面のみが第[3]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて封止されていることを特徴とするエリア実装型半導体装置、
である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は吸湿後の半田処理においても半導体素子搭載面にある各部材との剥離が発生しにくい特徴を有しているため、それを用いて得られる半導体装置は半田処理に対する信頼性に優れている。また、高流動、低反りの特性にも優れており、特にエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置として好適である。
本発明は、結晶性エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、硬化促進剤、無機充填材及びトリアゾール環を有する化合物を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物を用いることにより、吸湿後の半田処理において半導体素子搭載面にある各部材との剥離が発生しにくい耐半田性に優れた半導体装置が得られるものである。また、高流動、低反りの特性にも優れているため、特にエリア実装型半導体装置用として好適に用いることができるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、常温時には固体で取扱い作業性に優れ、かつ成形時の溶融粘度が非常に低い結晶性エポキシ樹脂が必要である。溶融粘度が低いことにより、エポキシ樹脂組成物の高流動化を得ることができ、無機充填材を高充填化できるため、耐湿性の向上や低線膨張化が図れ、成形品としての特性向上が得られる。
結晶性エポキシ樹脂としては、ハイドロキノンのグリシジルエーテル化物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、一般式(3)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(4)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 0004645147
(一般式(3)中、R3〜R10は水素又は炭素数4以下のアルキル基で互いに同一でも異なっていても良い。)
Figure 0004645147
(一般式(4)中、R11〜R20は水素又は炭素数4以下のアルキル基で互いに同一でも異なっていても良い。)
一般式(3)のビフェニル型エポキシ樹脂の内では、作業性、実用性のバランスの取れた4,4’−ジグリシジルビフェニル、あるいは3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニル及びこの両者の溶融混合物が好ましい。
また、一般式(4)のスチルベン型エポキシ樹脂の内では、作業性、実用性のバランスの取れた5−ターシャリブチル−4,4’−ジグリシジル−2,3’,5’−トリメチルスチルベン、あるいは4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’テトラメチルスチルベン及びこの両者の溶融混合物が好ましい。
本発明の結晶性エポキシ樹脂は、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用する場合、結晶性エポキシ樹脂は全エポキシ樹脂中の少なくとも10重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。上記下限値未満であれば、結晶性エポキシ樹脂の特徴である流動性が損なわれる。併用可能なエポキシ樹脂としては特に限定はしないが、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。併用するエポキシ樹脂は、成形時の溶融粘度が非常に低い結晶性エポキシ樹脂の特徴を損なわないよう、極力粘度の低いものを使用することが望ましい。
本発明で用いられる一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、フェノール性水酸基間に疎水性で剛直なビフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は低反りの特徴を有し、また吸湿率が低く、Tgを越えた高温域での弾性率が低く、半導体素子、有機基板、及び金属基板との密着性に優れる。また、難燃性にも優れ、架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有している。
一般式(1)のR1、R2は炭素数4以下のアルキル基、aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、nは平均値で0〜10の数であるが、これらの内では硬化性の点から式(5)で示されるフェノール樹脂が好ましい。nが上記上限値を越えると樹脂の粘度が増大し、成形時の樹脂組成物の流動性が劣り、より一層の低吸湿化、低そり化のための無機充填材の高充填化が不可能となる恐れがあるので好ましくない。
Figure 0004645147
(式(5)中、nは平均値で0〜10の数。)
本発明の一般式(1)のフェノール樹脂は、他のフェノール樹脂と併用することができる。併用する場合、一般式(1)のフェノール樹脂は全フェノール樹脂中の少なくとも10重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。上記下限値未満であれば、高温時の低弾性化や低吸湿化及び接着性が十分に得られず、また耐燃性が低下する恐れがある。併用するフェノール樹脂は特に限定しないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。無機充填材の高充填化のためには、エポキシ樹脂と同様に、低粘度のものが好ましい。
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数の当量比としては、好ましくは0.5〜2であり、特に0.7〜1.5がより好ましい。上記範囲を外れると、耐湿性、硬化性などが低下する恐れがあるので好ましくない。
本発明で用いられる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基の反応を促進するものであれば特に限定しないが、例えば1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いる無機充填材としては、一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、チタンホワイト、窒化珪素等が挙げられ、最も好適に使用されるものとしては、溶融球状シリカである。これらの無機充填剤は、単独でも混合して用いても差し支えない。またこれらがカップリング剤により表面処理されていてもかまわない。無機充填材の形状としては、流動性改善のために、できるだけ真球状であり、かつ粒度分布がブロードであることが好ましい。本発明で用いられる無機充填材の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に80〜95重量%であり、好ましくは85〜93重量%である。下限値未満だと、低吸湿性、低熱膨張性が得られず耐半田性が不十分となったり、反りが大きくなったりする恐れがあるので好ましくない。上限値を越えると、流動性が低下し、成形時に充填不良等が生じたり、高粘度化による半導体装置内の金線変形等の不都合が生じたりする恐れがあるので好ましくない。
本発明で用いられるトリアゾール環を含む化合物は、窒素原子を含んだ五員環構造を有する化合物である。トリアゾール環を含む化合物は樹脂組成物との親和性を改善し、半導体素子搭載面にある各部材との界面の剥離を抑える効果があるため、樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止してなる半導体装置の耐湿信頼性、耐半田特性を改善させる役割を果たす。従って、半導体装置の信頼性が向上する。
本発明で用いられるトリアゾール環を含む化合物としては、一般式(2)で示される化合物であることが好ましい。メルカプト基をまったく含んでいないと金属との反応性がないため、半導体装置の信頼性が向上しない可能性がある。このような化合物としては、具体的には下記のものが挙げられる。
Figure 0004645147
また、本発明で用いられるトリアゾール環を含む化合物の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に0.01から2重量%であり、好ましくは0.02から1重量%である。下限値未満だと部材との密着に十分な効果が得られない。上限値を越えると流動性が低下し、成形時に充填不良等が生じたり、高粘度化による半導体装置内の金線変形等の不都合が生じたりする恐れがあるので好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分の他、必要に応じてエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、シリコーンオイル、ゴム等の低応力成分、酸化防止剤等の各種添加剤が適宜配合可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分、及びその他の添加剤等を、ミキサー等を用いて常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。その他の半導体装置の製造方法は、公知の方法を用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000K、融点105℃、エポキシ当量185) 5.25重量部
フェノール樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH7851SS、軟化点65℃、水酸基当量203) 5.77重量部
トリフェニルホスフィン 0.18重量部
溶融球状シリカ(平均粒径30μm) 88.00重量部
式(6)で表される1,2,4−トリアゾール−5−チオール(試薬)
0.10重量部
Figure 0004645147
γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン 0.20重量部
カルナバワックス 0.20重量部
カーボンブラック 0.30重量部
をミキサーで混合した後、表面温度が90℃と45℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で測定した。単位はcm。
パッケージ反り量:トランスファー成形機を用い、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で、352ピンBGA(基板は厚さ0.56mmのビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板、半導体装置のサイズは30mm×30mm、厚さ1.17mm、半導体素子のサイズ10mm×10mm、厚さ0.35mm、半導体素子と回路基板のボンディングパッドを25μm径の金線でボンディングしている)を成形し、175℃、2時間で後硬化してサンプルを得た。得られた半導体装置各10個を室温に冷却後、パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を反り量とした。単位はμm。
耐半田性:パッケージ反り量の評価と同様にして成形した352ピンBGAパッケージを、175℃、2時間で後硬化し、得られた半導体装置各10個を、60℃、相対湿度60%の環境下で168時間、又は85℃、相対湿度60%の環境下で168時間処理した後、ピーク温度260℃のIRリフロー処理(255℃以上が10秒)を行った。処理後の内部の剥離及びクラックの有無を超音波探傷機で観察し、不良半導体装置の個数を数えた。不良半導体装置の個数がn個であるとき、n/10と表示した。
実施例2〜14、比較例1〜7
表1、表2、表3の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、同様に評価した。これらの評価結果を表1、表2、表3に示す。
実施例1以外で用いた成分を以下に示す。
エポキシ樹脂2:クレゾールノボラックエポキシ樹脂(住友化学(株)製、ESCN195LA、軟化点62℃、エポキシ当量199)
フェノール樹脂2:フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製、XLC−LL、軟化点75℃、水酸基当量175)
フェノール樹脂3:フェノールノボラック樹脂(軟化点80℃、水酸基当量105)
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
式(7)で表される3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール(試薬)
Figure 0004645147
式(8)で表される3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール(試薬)
Figure 0004645147
式(9)で表される3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール(試薬)
Figure 0004645147
式(10)で表される5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール−3−メタノール(試薬)
Figure 0004645147
式(11)で表される2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(川口化学)
Figure 0004645147
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
Figure 0004645147
Figure 0004645147
Figure 0004645147
本発明のエポキシ樹脂組成物は吸湿後の半田処理においても半導体素子搭載面にある各部材との剥離が発生しにくい特徴を有しているため、それを用いて得られる半導体装置は半田処理に対する信頼性に優れている。また、高流動、低反りの特性にも優れているため、特にエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置として好適である。

Claims (4)

  1. 結晶性エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で表されるフェノール樹脂(B)、硬化促進剤(C)、全エポキシ樹脂組成物中に対し80〜95重量%の無機充填材(D)、及びトリアゾール環を有する化合物(E)を必須成分として含み、
    前記トリアゾール環を有する化合物が一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004645147
    (一般式(1)中、R1、R2は炭素数4以下のアルキル基であり、互いに同一でも異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数。nは平均値で0〜10の数。)
    Figure 0004645147

    (一般式(2)中、R1は水素原子、又は、メルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
  2. 請求項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
  3. 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の片面のみの封止に用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    結晶性エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で表されるフェノール樹脂(B)、硬化促進剤(C)、全エポキシ樹脂組成物中に対し80〜95重量%の無機充填材(D)、及びトリアゾール環を有する化合物(E)を必須成分として含み、
    前記トリアゾール環を有する化合物が一般式(2)で示される化合物であることを特徴とするエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004645147
    (一般式(1)中、R1、R2は炭素数4以下のアルキル基であり、互いに同一でも異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数。nは平均値で0〜10の数。)
    Figure 0004645147

    (一般式(2)中、R1は水素原子、又は、メルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
  4. 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の片面のみが請求項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて封止されていることを特徴とするエリア実装型半導体装置。
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