JP4736432B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Description
また半導体装置に反りが発生すると、半導体装置を実装する回路基板から浮き上がってしまい、電気的接合の信頼性が低下する問題も起こる。
対策として多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりTgを高くし、無機充填剤の配合量でα1を合わせる手法が既に提案されている。しかし多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせでは流動性が低下し未充填ボイドが生じる等の不具合があった。
従来のQFPやSOP等の表面実装型半導体装置において、成形時に低粘度で高流動性を維持するためには、溶融粘度の低い樹脂を用いる方法や(例えば、特許文献2参照。)、また無機充填剤の配合量を高めるために無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしこれらは種々ある要求特性のいずれかのみを満足するものが多い。エリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、高流動、低反りに優れた樹脂を用い、更に無機充填剤の配合量を高めて信頼性を満足させる技術がこれまで求められてきた。
[3]金属基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された搭載面側の実質的に片面のみが第[1]又は[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止されていることを特徴とするエリア実装型半導体装置、
である。
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(1)中のnは平均値で、1〜5の正数、好ましくは1〜3の正数である。nが下限値を下回るとエポキシ樹脂組成物の硬化性が低下する可能性がある。nが上限値を越えると粘度が高くなりエポキシ樹脂組成物の流動性が低下する可能性がある。一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(A)としては、例えばフェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられるが、式(1)の構造であれば特に限定するものではない。
一般式(3)中のnは平均値で、1〜5の正数、好ましくは1〜3の正数である。nが下限値を下回るとエポキシ樹脂組成物の硬化性が低下する可能性がある。nが上限値を越えると、粘度が高くなりエポキシ樹脂組成物の流動性が低下する可能性がある。一般式(2)で示されるフェノール樹脂は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
一般式(3)で示されるフェノール樹脂としては、例えばフェノールビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられるが、一般式(3)の構造であれば特に限定するものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。特に本発明のエポキシ樹脂組成物は、エリア実装型半導体装置用に最適である。
実施例1
エポキシ樹脂1:フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000P、エポキシ当量274、軟化点58℃) 1.47重量部
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型結晶性エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6810、エポキシ当量171、融点45℃) 3.41重量部
フェノール樹脂1:フェノールビフェニルアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851SS、水酸基当量203、軟化点65℃) 5.12重量部
トリフェニルホスフィン 0.15重量部
球状溶融シリカ(平均粒径30μm) 88.85重量部
ポリブタジエン1(25℃での粘度:350Pa・s、オキシラン酸素量:6.5%)
0.30重量部
Nフェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.20重量部
カルナバワックス 0.20重量部
カーボンブラック 0.30重量部
を、常温においてミキサーで混合し、70〜120℃で2本ロールにより混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。単位はcm。
MAP成形(未充填ボイド):トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で、MAP−QFN(金属基板は銅フレームにニッケル−パラジウム−金メッキを施したもの、封入部分のサイズは45mm×62mm、厚み0.65mm、個片化した半導体装置(QFN−16L)サイズは4.0mm×4.0mm、半導体素子のサイズ1.5mm×1.5mm、厚み0.2mm パッシベーション種類はSiN)を成形し、未充填ボイドの個数をカウントする。
パッケージ反り量:MAP成形(未充填ボイド)の評価で成形したMAP−QFNの長手方向について、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値をパッケージ反り量とした。単位はμm。
耐半田クラック性:前記のMAP−QFNを成形し、175℃、4時間で後硬化した後に個片にカットして半導体装置(QFN−16L)サンプルを得た。各20個のサンプルを別々に60℃、相対湿度60%の環境下で120時間と85℃、相対湿度60%の環境下で168時間処理し、その後IRリフロ−(260℃)で10秒間処理した。超音波探傷装置を用いて観察し、各種界面剥離の有無を調べた。不良パッケージ(剥離が発生しているもの)の個数がn個であるとき、n/20と表示する。
表1及び表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1及び表2に示す。実施例1以外で用いた成分について、以下に示す。
エポキシ樹脂3:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000K、軟化点105℃、エポキシ当量185)
γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン
ポリブタジエン2〜6
ポリブタジエンのオキシラン酸素量、25℃の粘度については表3に示す。
Claims (3)
- 金属基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された搭載面側の実質的に片面のみの封止に用いるものであって、(A)一般式(1)で表されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で表される結晶性エポキシ樹脂、(C)一般式(3)で表されるフェノール樹脂、(D)硬化促進剤、(E)全エポキシ樹脂組成物中に対し85〜95重量%の無機充填剤、(F)一般式(4)で表されるシランカップリング剤、及び(G)分子内にオキシラン構造を有するポリブタジエンを必須成分とするエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、分子内にオキシラン構造を有するポリブタジエンのオキシラン酸素量が3〜10%であり、分子内にオキシラン構造を有するポリブタジエンの配合量が全エポキシ樹脂組成物中に対し0.05〜1.5重量%であることを特徴とするエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数)
(Xは−R2CR2−で表される基で、R1は炭素数1〜6のアルキル基で同一でも異なってもよい。mは0〜4の整数。R2は水素又は炭素数1〜4アルキル基で同一でも異なっていてもよい。)
(R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数)
(R3は炭素数1〜12の有機基。R4、R5、R6は炭素数1〜12の炭化水素基。nは1〜3の整数。) - 分子内にオキシラン構造を有するポリブタジエンの25℃での粘度が20〜700Pa・sである請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 金属基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された搭載面側の実質的に片面のみが請求項1又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止されていることを特徴とするエリア実装型半導体装置。
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