JP2002019412A - 車輪駆動用軸受ユニット - Google Patents

車輪駆動用軸受ユニット

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JP2002019412A
JP2002019412A JP2000209877A JP2000209877A JP2002019412A JP 2002019412 A JP2002019412 A JP 2002019412A JP 2000209877 A JP2000209877 A JP 2000209877A JP 2000209877 A JP2000209877 A JP 2000209877A JP 2002019412 A JP2002019412 A JP 2002019412A
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spline
hub
ring
peripheral surface
male
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JP2000209877A
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English (en)
Inventor
Shigeoki Kayama
重興 嘉山
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブ4と駆動軸18との組み付け作業性を良
好に維持しつつ、雄スプライン部20aと雌スプライン
部16とのスプライン係合部の耐久性を十分に確保す
る。 【解決手段】 上記雄スプライン部20aを構成する複
数本の雄スプライン溝19a、19aと、上記雌スプラ
イン部16を構成する複数本の雌スプライン溝15と
を、上記スプライン係合部の中心軸と平行に形成する。
この様な構成を採用する事により、このスプライン係合
部でのトルクの伝達時に、上記各雄スプライン溝19
a、19aと上記各雌スプライン溝15とが軸方向の全
長に亙り接触する様にして、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車輪駆動用軸
受ユニットは、等速ジョイントとハブユニットとを一体
化したもので、独立懸架式サスペンションに支持された
駆動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、F
R車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エン
ジン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全
輪}を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、上
記駆動輪を回転駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた軸受ユニットが、各種使用されている。又、
独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持すると共に、
この駆動輪を回転駆動する為の車輪駆動用軸受ユニット
は、等速ジョイントと組み合わせて、デファレンシャル
ギヤと駆動輪との相対変位や車輪に付与された舵角に拘
らず、駆動軸の回転を上記車輪に対して円滑に(等速性
を確保して)伝達する必要がある。図9〜10は、この
様な等速ジョイントと組み合わせて、しかも比較的小型
且つ軽量に構成できる車輪駆動用軸受ユニットの従来構
造の第1例を示している。
【0003】車両への組み付け状態で、懸架装置に支持
した状態で回転しない外輪1は、外周面にこの懸架装置
に支持する為の外向フランジ状の取付部2を、内周面に
複列の外輪軌道3、3を、それぞれ有する。そして、上
記外輪1の内径側にハブ4及び内輪9を、この外輪1と
同心に配置している。このうちのハブ4は、外周面の外
端(自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる
端を言い、車輪駆動用軸受ユニットを表す各図の左端)
寄り部分に車輪を支持する為の取付フランジ5を、同じ
く中央部に第一の内輪軌道6を、それぞれ形成してい
る。尚、この第一の内輪軌道6は、上記ハブ4の外周面
に直接形成する他、このハブ4に外嵌した、別体の内輪
の外周面に形成しても良い。
【0004】又、上記ハブ4の内端(自動車への組み付
け状態で車両の幅方向中央寄りとなる端を言い、車輪駆
動用軸受ユニットを表す各図の右端)寄り部分には小径
段部7を形成し、この小径段部7に、その外周面に第二
の内輪軌道8を形成した、上記内輪9を外嵌している。
そして、上記ハブ4の内端でこの内輪9の内端面よりも
突出した部分を直径方向外方にかしめ広げる事で形成し
たかしめ部10により、上記内輪9を上記ハブ4に対し
固定している。そして、上記各外輪軌道3、3と上記第
一、第二の内輪軌道6、8との間に転動体11、11
を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けて、上記外輪1
の内径側に上記ハブ4及び内輪9を回転自在に支持して
いる。又、上記外輪1の両端部内周面と、上記ハブ4の
中間部外周面及び上記内輪9の内端部外周面との間にそ
れぞれシールリング12、12を設けて、上記各転動体
11、11を設置した空間部分の両端開口部を塞いでい
る。更に、上記ハブ4の外端開口部にキャップ13を嵌
合固定して、この外端開口部を塞ぎ、外端部側から、次
述するスプライン係合部に雨水等の異物が侵入するのを
防止している。
【0005】又、上記ハブ4の中心孔14の片半部(図
9の右半部)には、雌スプライン部16を設けている。
更に、この様なハブ4と等速ジョイントの外輪となるハ
ウジング部17とを組み合わせて、車輪駆動用転がり軸
受ユニットを構成している。このハウジング部17の内
周面には、等速ジョイントを構成する為の複数本の軌道
34を形成している。又、図9〜10に示した従来構造
の第1例の場合には、このハウジング部17の外端面に
駆動軸18の基端部(内端部)を、一体的に結合してい
る。この駆動軸18の外周面で基端寄り部分を除く部分
には、雄スプライン部20を設けている。そして、上記
駆動軸18を上記ハブ4の中心孔14に挿入する事によ
り、この駆動軸18の外周面に設けた上記雄スプライン
部20とこの中心孔14の片半部に設けた上記雌スプラ
イン部16とを、スプライン係合させている。
【0006】又、上記雌スプライン部16を構成する複
数本の雌スプライン溝15、15は、図10(A)に示
す様に、この雌スプライン部16の中心軸αと平行に形
成している。これに対して、上記雄スプライン部20を
構成する複数本の雄スプライン溝19、19は、図10
(B)に誇張して示す様に、この雄スプライン部20の
中心軸βの方向に対して捩れ角θを持たせた方向に形成
している。この様な構成を採用する事により、上記雌ス
プライン部16と上記雄スプライン部20とのスプライ
ン係合部を締め代を持たせた嵌合状態にし、このスプラ
イン係合部で円周方向のがたつきが生じない様にしてい
る。又、図示の例では、上記駆動軸18の先端面に設け
た凹孔32の内周面にねじ溝33を形成している。そし
て、上記駆動軸18を上記ハブ4の中心孔14内に挿通
する際、このねじ溝33に、引き込み用工具の先端部に
形成した雄ねじ部を螺合させる様にしている。
【0007】上述の様に互いにスプライン係合させた、
上記雌スプライン部16と上記雄スプライン部20との
間には、止め輪23を掛け渡して、上記ハブ4と上記駆
動軸18とが分離しない様にしている。即ち、上記止め
輪23を、上記駆動軸18の外端寄り部外周面に全周に
亙って形成した内側係止溝21と上記ハブ4の中心孔1
4の中間部内周面に全周に亙って形成した外側係止溝2
2との間に掛け渡して、上記駆動軸18が上記ハブ4の
中心孔14から抜け出ない様にしている。
【0008】上記止め輪23は、ばね鋼、ステンレスば
ね鋼等の弾性金属製の線材を略C字形の欠円環状に形成
する事により、直径を弾性的に拡縮自在としている。こ
の様な止め輪23は、上記駆動軸18を上記中心孔14
内に挿入するのに先立って、上記内側係止溝21に装着
しておく。上記駆動軸18を上記中心孔14内に挿入す
る際に上記止め輪23は、前記雌スプライン部16の内
端側に隣接して設けた円すい凹面状のガイド面24に案
内されつつ、外径を弾性的に縮め、上記雌スプライン部
16内に押し込まれる。そして、上記内側係止溝21と
上記外側係止溝22とが整合した状態で上記止め輪23
の直径が弾性的に広がり、この止め輪23が上述の様に
内側、外側両係止溝21、22に掛け渡される。
【0009】又、上記駆動軸18の基端寄り部外周面と
上記ハブ4の内端部内周面との間に、断面X字形のシー
ルリング25を設けている。ゴムの如きエラストマー等
の弾性材により円環状に造った、このシールリング25
は、前記キャップ13と共に、上記駆動軸18と上記中
心孔14とのスプライン係合部を密封して、このスプラ
イン係合部に塵芥を含む雨水等の異物が入り込む事を防
止し、このスプライン係合部が錆び付いたり、或はこの
係合部の摩耗が促進されるのを防止する。又、上記ハブ
4の内端部に形成した前記かしめ部10と、上記駆動軸
18のハウジング部17の外端面との間には、隙間26
を介在させている。従って、車輪駆動用車軸ユニットの
運転時に、トルク負荷時の弾性変形に基づく円周方向の
相対的運動が発生しても、上記かしめ部10と上記ハウ
ジング部17の外端面とが擦れ合う事がなく、擦れ合い
に基づく異音が発生する事もない。
【0010】上述の様に構成する車輪駆動用軸受ユニッ
トを車両に組み付ける際には、取付部2により外輪1を
懸架装置に支持し、取付フランジ5により駆動輪をハブ
4に固定する。又、エンジンによりトランスミッション
を介して回転駆動される、図示しない駆動シャフトの外
端部を、ハウジング部17の内側に設けた等速ジョイン
ト用内輪(図示せず)の内側にスプライン係合させる。
自動車の走行時には、この等速ジョイント用内輪の回転
を、複数のボール及び上記ハウジング部17を介して駆
動軸18に伝達し、この駆動軸18により上記ハブ4に
固定した駆動輪を回転駆動する。
【0011】又、上述の様に構成する従来構造の第1例
の場合、上記ハブ4と上記駆動軸18との結合作業は、
前述した様に、内側係止溝21に止め輪23を装着した
状態で、上記駆動軸18を上記ハブ4の中心孔14に挿
入する事により容易に行なえる。この為、車輪駆動用軸
受ユニットの組立作業の容易化を図れる。又、駆動軸の
先端部に設けた雄ねじ部にナットを螺合・緊締する事に
より、ハブとハウジング部とを結合する、他の従来構造
と比べて、これら雄ねじ部とナットとを省略できる分、
小型・軽量化を図れる。
【0012】次に、図11は、車輪駆動用軸受ユニット
の従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2
例の場合には、等速ジョイントの外輪となるハウジング
部17aの外端部をハブ4aの内端部に、補助リング2
7を介してスプライン係合させている。短円筒状に形成
した、この補助リング27の内外両周面のうち、内周面
には内径側雌スプライン部28を、外周面には外径側雄
スプライン部29を、それぞれ形成している。この様な
補助リング27は、上記ハブ4aの内端部外周面に、こ
の外周面に形成した内径側雄スプライン部30と上記内
径側雌スプライン部28とをがたつきなくスプライン係
合させる事で、組み付けている。そして、この状態で、
上記ハブ4aの内端部に形成したかしめ部10により上
記補助リング27の内端面を抑え付けて、この補助リン
グ27を上記ハブ4aの内端部に、がたつきなく固定し
ている。又、この補助リング27の外周面に形成した、
上記外径側雄スプライン部29には、上記ハウジング部
17aの外端部内周面に形成した外径側雌スプライン部
31をスプライン係合させている。
【0013】又、上記外径側雌スプライン部31を構成
する複数本の雌スプライン溝15、15は、前述の図1
0(A)に示す様に、この外径側雌スプライン部31の
中心軸α′と平行に形成している。これに対して、上記
外径側雄スプライン部29を構成する複数本の雄スプラ
イン溝19、19は、前述の図10(B)に誇張して示
す様に、この外径側雄スプライン部29の中心軸β′の
方向に対して捩れ角θを持たせた方向に形成している。
この様な構成を採用する事により、上記外径側雌スプラ
イン部31と上記外径側雄スプライン部29とのスプラ
イン係合を締め代を持たせた嵌合状態にし、このスプラ
イン係合部で円周方向のがたつきが生じない様にしてい
る。
【0014】上述の様に互いにスプライン係合させた、
上記外径側雌スプライン部31と上記外径側雄スプライ
ン部29との間には、止め輪23aを掛け渡して、上記
ハウジング部17aと上記補助リング27とが分離しな
い様にしている。即ち、上記止め輪23aを、上記補助
リング27の外周面に全周に亙って形成した内側係止溝
21aと上記ハウジング部17aの外端部内周面に全周
に亙って形成した外側係止溝22aとの間に掛け渡し
て、上記ハウジング部17aと上記補助リング27とが
軸方向にずれ動かない様にしている。
【0015】上記止め輪23aは、ばね鋼、ステンレス
ばね鋼等の弾性金属製の線材を略C字形の欠円環状に形
成する事により、直径を弾性的に拡縮自在としている。
この様な止め輪23aは、上記補助リング27を上記ハ
ウジング部17aの外端部の内側に挿入するのに先立っ
て、上記内側係止溝21aに装着しておく。上記補助リ
ング27を上記ハウジング部17aの外端部の内側に挿
入する際に上記止め輪23aは、上記外径側雌スプライ
ン部31の外端縁に設けた円すい凹面状のガイド面24
aに案内されつつ、外径を弾性的に縮め、上記外径側雌
スプライン部31内に押し込まれる。そして、上記内側
係止溝21aと上記外側係止溝22aとが整合した状態
で上記止め輪23aの直径が弾性的に広がり、この止め
輪23aが上述の様に内側、外側両係止溝21a、22
aに掛け渡される。
【0016】上述の様に、図11に示した従来構造の第
2例の場合も、上記補助リング27とハウジング部17
aとの結合作業は、上記内側係止溝21aに止め輪23
aを装着した状態で、上記補助リング27を上記ハウジ
ング部17aの外端部内側に挿入する事により容易に行
なえる。この為、車輪駆動用軸受ユニットの組立作業の
容易化を図れる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来構造の第
1〜2例の場合、ハブ4、4a(に結合した補助リング
27)とハウジング部17(に結合した駆動軸18)、
17aとの結合作業を容易にできる反面、(外径側)雄
スプライン部20、29と(外径側)雌スプライン部1
6、31とのスプライン係合部の耐久性を十分に確保す
るのが難しい。この理由に就いて、以下に説明する。上
述した従来構造の第1〜2例の如く、止め輪23、23
aによる結合構造を採用する場合、上記ハウジング部1
7(に結合した駆動軸18)、17aから上記ハブ4、
4a(に結合した補助リング27)へのトルクの伝達
は、主に、上記(外径側)雄スプライン部20、29と
(外径側)雌スプライン部16、31とのスプライン係
合部で行なう。この為、自動車の走行時に、このスプラ
イン係合部に大きなトルクが加わり、このスプライン係
合部でフレッチング摩耗が発生し易くなる。
【0018】特に、上述した従来構造の第1〜2例の場
合には、上記(外径側)雌スプライン部16、31を構
成する雌スプライン溝15、15を、この(外径側)雌
スプライン部16、31の中心軸α(α′)と平行に形
成すると共に、上記(外径側)雄スプライン部20、2
9を構成する雄スプライン溝19、19を、この(外径
側)雄スプライン部20、29の中心軸β(β′)の方
向に対して捩れ角θを持たせた方向に形成する事によ
り、これら両スプライン部16、31、20、29同士
のスプライン係合部を締め代を持たせた嵌合状態にして
いる。この為、このスプライン係合部では、上記各雌ス
プライン溝15、15と上記各雄スプライン溝19、1
9とが、互いに軸方向の全長に亙って接触する事なく、
軸方向の一部でのみ強く接触する状態となる。従って、
この接触部の面圧が大きくなり、この接触部で上記フレ
ッチング摩耗がより発生し易くなる。この結果、このフ
レッチング摩耗に基づいて上記スプライン係合部に円周
方向の隙間が生じ易くなり、このスプライン係合部の円
周方向のがたつきが大きくなるまでの時間が短くなる
為、このスプライン係合部の耐久性を十分に確保するの
が難しい。
【0019】この場合、図9、11にそれぞれ斜格子を
施して示す様に、上記(外径側)雄スプライン部20、
26だけでなく、上記(外径側)雌スプライン部16、
31にも焼き入れ硬化処理を施せば、これら両スプライ
ン部20、26、16、31同士のスプライン係合部で
発生するフレッチング摩耗を小さく抑える事ができる。
ところが、上述した従来構造の第1〜2例の様に、上記
雄スプライン溝19、19の形成方向に捩れ角θが付け
られ、両スプライン部20、26、16、31同士のス
プライン係合部を締め代を持たせた嵌合にすると、上記
雌スプライン部16、31の内側に上記雄スプライン部
20、26を挿入する際に、プレス等の機械を使用しな
ければならなくなる可能性を生じる。この様にプレス等
の機械を使用する必要が生じると、前述した様にハブ
4、4a(に結合した補助リング27)とハウジング部
17(に結合した駆動軸18)、17aとの結合作業を
容易にできると言った利点が損なわれる為、好ましくな
い。本発明の車輪駆動用軸受ユニットは、上述の様な事
情に鑑みて発明したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪駆動用軸受
ユニットは、前述した従来構造の第1〜2例の場合と同
様に、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転
しない外輪と、外周面の外端寄り部分に車輪を支持する
為の取付フランジを、同じく中央部に第一の内輪軌道
を、それぞれ設けると共に、同じく内端寄り部分にその
外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪を外嵌固定した
ハブと、上記各外輪軌道と上記第一、第二の内輪軌道と
の間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた転動体と、
その内周面に等速ジョイントの軌道を形成してこの等速
ジョイントの外輪となるハウジング部とを備える。そし
て、このハウジング部又はこのハウジング部に結合した
部材と、上記ハブ又はこのハブに結合した部材とをスプ
ライン係合させて、上記ハウジング部からこのハブへの
トルクを伝達自在とすると共に、上記ハウジング部又は
このハウジング部に結合した部材と上記ハブ又はこのハ
ブに結合した部材との間に掛け渡した止め輪により、上
記ハウジング部又はこのハウジング部に結合した部材と
上記ハブ又はこのハブに結合した部材との間に設けたス
プライン係合部が軸方向にずれ動く事を防止している。
特に、本発明の車輪駆動用軸受ユニットに於いては、上
記スプライン係合部を構成する雌スプライン溝と雄スプ
ライン溝とを、このスプライン係合部の中心軸と平行に
形成している。
【0021】
【作用】上述の様に、本発明の車輪駆動用軸受ユニット
の場合には、スプライン係合部を構成する雌スプライン
溝と雄スプライン溝とを、このスプライン係合部の中心
軸と平行に形成している為、上記スプライン係合部で、
上記雌スプライン溝と雄スプライン溝とを軸方向のほぼ
全長に亙り接触させる事ができる。この為、上記スプラ
イン係合部でトルクを伝達する際に、上記雌スプライン
溝と雄スプライン溝との接触部の面圧を十分に小さくで
きる。この為、自動車の運転時に上記スプライン係合部
で微小振動が生じた場合でも、このスプライン係合部で
発生するフレッチング摩耗を十分に小さく抑える事がで
きる。
【0022】一方、本発明の様にスプライン係合部を構
成する雌スプライン溝と雄スプライン溝とを、このスプ
ライン係合部の中心軸と平行に形成する場合には、この
スプライン係合部の円周方向の隙間をゼロにする加工が
難しく、このスプライン係合部を完成させた後の初期状
態から、このスプライン係合部に円周方向の小さな隙間
が生じる場合がある。但し、本発明の場合には、この様
な円周方向の小さな隙間が生じると否とに拘らず、上述
した様にスプライン係合部で発生するフレッチング摩耗
を十分に小さく抑える事ができる為、このフレッチング
摩耗の発生に基づいて上記スプライン係合部の円周方向
の隙間が大きくなる事を防止できる。この為、上記雌ス
プライン溝及び上記雄スプライン溝を焼き入れ硬化でき
ない場合でも、上記スプライン係合部の円周方向のがた
つきが大きくなるのを長期間に亙り防止でき、このスプ
ライン係合部の耐久性を十分に確保できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本例の特徴は、互いにスプ
ライン係合する、鋼製のハブ4の中心孔14の片半部に
設けた雌スプライン部16と、鋼製の駆動軸18の外周
面に設けた雄スプライン部20aとの構造にある。その
他の構造及び作用は、前述の図9に示した従来構造の第
1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を
付して、重複する部分の説明を省略若しくは簡略にし、
以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0024】本例の場合、上記雌スプライン部16を構
成する複数本の雌スプライン溝15、15と上記雄スプ
ライン部20aを構成する複数本の雄スプライン溝19
a、19aとを、何れもこれら各スプライン部16、2
0aの中心軸と平行に形成している。即ち、上記雌スプ
ライン溝15、15を、図2(A)に示す様に、上記雌
スプライン部16の中心軸αと平行に形成している。こ
れと共に、上記雄スプライン溝19a、19aを、図2
(B)に示す様に、上記雄スプライン部20aの中心軸
βと平行に形成している。車輪駆動用軸受ユニットを組
み立てた状態で、これら両中心軸α、βは互いに一致す
るので、上記両スプライン溝15、19aは、互いに平
行である。この様な構成を採用する事により、上記スプ
ライン係合部でトルクを伝達する際に、上記雌スプライ
ン溝15、15と上記雄スプライン溝19a、19aと
が軸方向のほぼ全長に亙り接触する様にしている。尚、
本例の場合、これら雌スプライン溝15、15と雄スプ
ライン溝19a、19aとのうち、雄スプライン溝19
a、19aの表面は図1に斜格子を施して示す様に焼き
入れ硬化するが、雌スプライン溝15、15の表面は焼
き入れ硬化せず、生のままとしている。
【0025】上述の様に、本例の車輪駆動用軸受ユニッ
トの場合には、上記スプライン係合部でトルクを伝達す
る際に、このスプライン係合部を構成する雌スプライン
溝15、15と雄スプライン溝19a、19aとが、軸
方向の全長に亙り接触する様にしている。この為、上記
スプライン係合部でトルクを伝達する際に、上記雌スプ
ライン溝15、15と雄スプライン溝19a、19aと
の接触部の面圧を十分に小さくできる。この為、本例の
様に雌スプライン溝15、15部分を特に焼き入れ硬化
せず、生のままとしても、自動車の運転時に上記スプラ
イン係合部に加わる微小振動に拘らず、このスプライン
係合部で発生するフレッチング摩耗を十分に小さく抑え
る事ができる。
【0026】一方、本例の様に、上記スプライン係合部
を構成する雌スプライン溝15、15と雄スプライン溝
19a、19aとを、このスプライン係合部の中心軸と
平行に形成する場合には、このスプライン係合部の円周
方向の隙間をゼロにする加工が難しく、このスプライン
係合部を完成させた初期(使用前)の状態で、このスプ
ライン係合部に円周方向の小さな隙間が生じる場合があ
る。但し、本発明の場合には、この様な円周方向の小さ
な隙間が生じると否とに拘らず、上述した様にスプライ
ン係合部で発生するフレッチング摩耗を十分に小さく抑
える事ができる為、このフレッチング摩耗の発生に基づ
いて上記スプライン係合部の円周方向の隙間が大きくな
る事を防止できる。この為、このスプライン係合部の円
周方向のがたつきが大きくなるのを長期間に亙り防止で
き、このスプライン係合部の耐久性を十分に確保でき
る。
【0027】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、外輪1aの外周面を
単なる円筒形とし、懸架装置への取付時にこの外輪1a
を、図示しないナックルに設けた取付孔に内嵌固定する
様にしている。又、ハブ4bの外周面に複列の内輪軌道
6、8を設けるべく、このハブ4bの内半部外周面に設
けた小径段部7に、それぞれの外周面にこの内輪軌道
6、8を設けた、1対の内輪9、9を外嵌し、かしめ部
10により固定している。
【0028】又、このかしめ部10の端面を、ハウジン
グ部17の外端面に、当接若しくは近接させている。そ
して、このハウジング部17の外端面に形成した保持溝
35に保持したOリング36を上記かしめ部10の端面
に弾性的に当接させて、このかしめ部10と上記ハウジ
ング部17との間をシールしている。本例の場合には、
上記かしめ部10の端面を上記ハウジング部17の外端
面に当接若しくは近接させる事により、駆動軸18が上
記ハブ4bの中心孔14に対して、図3に示した状態よ
りも左方に変位する事を阻止している。これに伴って本
例の場合には、止め輪23の外径側部分を係合させる為
に上記中心孔14の中間部内周面に設ける係合部を、軸
方向外方に向く段部37としている。
【0029】車輪駆動用軸受ユニットを組み立てた状態
で、上記段部37には、上記駆動軸18の外周面に形成
した内側係止溝21に係止した止め輪23の外径側部分
が係合し、この駆動軸18が上記中心孔14から抜け出
る事を防止する。尚、本例の場合には、図示の組み付け
状態で、上記Oリング36に予圧が付加される構造にな
っている。この為、上記駆動軸18の外周面に設けた雄
スプライン部20aと上記中心孔14の片半部に設けた
雌スプライン部16とのスプライン係合部が軸方向にが
たつくのを防止して、軸方向の微小振動によるフレッチ
ング摩耗を防止できる。尚、本例の場合、上記スプライ
ン係合部を設置した空間の外端開口部を塞ぐキャップ1
3aは、上記駆動軸18の先端面と近接対向する部分に
装着している。又、本例の場合、上記スプライン係合部
を構成する雌スプライン溝15、15と雄スプライン溝
19a、19aとの表面は、それぞれ焼き入れ硬化して
いる。この様な構成を採用する本例の場合には、上記ス
プライン係合部の耐久性をより大きくできる。その他の
構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0030】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、ハウジング部17の
外端部にエンコーダ部38を備えた芯金39を外嵌固定
して、このハウジング部17と共に回転するハブ4の回
転速度を検出自在としている。上記芯金39は、ステン
レス鋼板等の耐食性を有する磁性金属板を折り曲げ形成
する事により、円筒部40と円輪部41とを有する断面
L字形で、全体を円環状に形成している。この様な芯金
39は、上記円筒部40を上記ハウジング部17の外端
部に締り嵌めにより外嵌固定した状態で、上記円輪部4
1をこのハウジング部17の外端面に突き当てている。
又、上記円筒部40には、それぞれが軸方向(図4の左
右方向)に長いスリット状の透孔42を、円周方向に亙
って等間隔に多数形成している。これにより、この円筒
部40の磁気特性を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で
変化させて、この円筒部40を上記エンコーダ部38と
している。そして、このエンコーダ部38の外周面に、
懸架装置等の固定部分に支持したセンサ43の検知部を
近接対向させて、車輪と同期して回転する、上記ハブ4
の回転速度を検出自在とする。
【0031】又、上記円輪部41の外側面には円環状の
弾性板44を、接着、焼き付け等により添着固定してい
る。そして、この弾性板44を、上記円輪部41と上記
ハブ4の内端部に設けたかしめ部10の端面との間で弾
性的に挟持して、このかしめ部10の端面と上記ハウジ
ング部17の外端面との間をシールしている。又、本例
の場合、スプライン係合部を構成する雌スプライン溝1
5、15と雄スプライン溝19a、19aとの表面は、
それぞれ焼き入れ硬化せず、生のままとしている。前述
の図1に示した第1例で述べた通り、本発明の場合に
は、トルクの伝達時に上記雌スプライン溝15、15と
上記雄スプライン溝19a、19aとの接触部の面圧を
十分に小さくできる。この為、本例の様に上記両スプラ
イン溝15、19a部分を特に焼き入れ硬化せず、生の
ままとしても、上記スプライン係合部で発生するフレッ
チング摩耗を十分に小さく抑える事ができる。その他の
構成及び作用は、上述した第1〜2例の場合と同様であ
る。
【0032】次に、図5は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。尚、本例の特徴は、互いにスプライン
係合する、鋼製のハウジング部17aの外端部内周面に
設けた外径側雌スプライン部31と、鋼製のハブ4aの
内端部に結合固定した補助リング27の外周面に設けた
外径側雄スプライン部29aとの構造にある。その他の
部分の構造及び作用は、前述の図11に示した従来構造
の第2例の場合と同様であるから、重複する説明を省略
若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分並びに上記従
来構造の第2例と異なる部分を中心に説明する。
【0033】本例の場合、上記外径側雌スプライン部3
1を構成する複数本の雌スプライン溝15と上記外径側
雄スプライン部29aを構成する複数本の雄スプライン
溝19aとを、これら各スプライン部31、29aの中
心軸と平行に形成している。即ち、上記雌スプライン溝
15を、前述の図2(A)に示す様に、上記外径側雌ス
プライン部31の中心軸α′と平行に形成している。こ
れと共に、上記雄スプライン溝19aを、前述の図2
(B)に示す様に、上記外径側雄スプライン部29aの
中心軸β′と平行に形成している。この様な構成を採用
する事により、上記スプライン係合部でトルクを伝達す
る際に、上記雌スプライン溝15と上記雄スプライン溝
19aとが軸方向のほぼ全長で接触する様にしている。
【0034】又、本例の場合、上記ハウジング部17a
の外端部と、内輪9の内端部に設けた肩部45の外周面
との間に、シールリング46を設けている。このシール
リング46は、断面略L字形で全体が円環状の芯金47
と、この芯金47の内周縁部に全周に亙って添着したシ
ールリップ48とから成る。この様なシールリング46
は、上記芯金47を上記ハウジング部17aの外端部に
締り嵌めで外嵌固定した状態で、上記シールリップ48
の内周縁を上記肩部45の外周面に、全周に亙り当接さ
せている。これにより、上記外径側雌スプライン部31
と外径側雄スプライン部29aとのスプライン係合部を
設置した部分の外端側の隙間を塞ぎ、このスプライン係
合部に塵芥を含む雨水等の異物が入り込む事を防止し
て、このスプライン係合部が錆び付いたり、或はこの係
合部の摩耗が促進されるのを防止している。
【0035】上述の様に、本例の車輪駆動用軸受ユニッ
トの場合には、上記スプライン係合部でトルクを伝達す
る際に、このスプライン係合部を構成する雌スプライン
溝15と雄スプライン溝19aとが、軸方向のほぼ全長
で接触する。この為、上記スプライン係合部でトルクを
伝達する際に、上記雌スプライン溝15と雄スプライン
溝19aとの接触部の面圧を十分に小さくできる。この
為、これら両スプライン溝15、19a部分を焼き入れ
硬化する事なく、生のままとしても、自動車の運転時に
上記スプライン係合部に加わる微小振動に拘らず、この
スプライン係合部で発生するフレッチング摩耗を十分に
小さく抑える事ができる。尚、後述する第4〜5例の場
合を含め、上記各スプライン溝15、19aの表面に
は、適宜焼き入れ硬化処理を施す事もできる。この様に
焼き入れ硬化処理を施せば、上記スプライン係合部の耐
久性をより大きくできる。
【0036】一方、本例の様に、上記スプライン係合部
を構成する雌スプライン溝15、15と雄スプライン溝
19a、19aとを、このスプライン係合部の中心軸と
平行に形成する場合には、このスプライン係合部の円周
方向の隙間をゼロにする加工が難しく、このスプライン
係合部を完成させた初期(使用前)の状態で、このスプ
ライン係合部に円周方向の小さな隙間が生じる場合があ
る。但し、本発明の場合には、この様な円周方向の小さ
な隙間が生じると否とに拘らず、上述した様にスプライ
ン係合部で発生するフレッチング摩耗を十分に小さく抑
える事ができる為、このフレッチング摩耗の発生に基づ
いて上記スプライン係合部の円周方向の隙間が大きくな
る事を防止できる。この為、このスプライン係合部の円
周方向のがたつきが大きくなるのを長期間に亙り防止で
き、このスプライン係合部の耐久性を十分に確保でき
る。
【0037】次に、図6は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。ハウジング部17aの外端部内周面で
外径側雌スプライン部31から軸方向内方に外れた部分
に、外側円筒面部49を形成している。又、補助リング
27の外周面で外径側雄スプライン部29aから軸方向
内方に外れた部分に、内側円筒面部50を形成してい
る。尚、上記外側円筒面部49の直径は上記外径側雌ス
プライン部31の歯先円の直径よりも小さく、上記内側
円筒面部50の直径は上記外径側雄スプライン部29a
の溝底円の直径よりも小さい。そして、上記内側円筒面
部50と上記外側円筒面部49とを、締り嵌めにより互
いに嵌合させている。尚、好ましくは、この締り嵌めに
基づく静止摩擦力を、デファレンシャルギヤ側に設ける
トリポード型等速ジョイント部分で発生するスラスト荷
重よりも大きくする。この様な構成を採用する事により
本例の場合には、自動車の運転時に繰り返し異なる方向
に加わるスラスト荷重に拘らず、上記外径側雄スプライ
ン部29aと上記外径側雌スプライン部31とのスプラ
イン係合部に、軸方向変位が生じる事を防止している。
【0038】又、本例の場合、内輪9の内端面と上記補
助リング27の外端面との間にOリング51を弾性的に
圧縮挟持して、上記外径側雄スプライン部29aと外径
側雌スプライン部31とのスプライン係合部を設けた部
分の外端側の隙間を塞いでいる。尚、上記Oリング51
の弾性圧縮量を適正にすべく、このOリング51は、上
記内輪9の内端面外周寄り部分に形成した段付凹部52
に嵌合している。その他の構成及び作用は、上述した第
4例の場合と同様である。
【0039】次に、図7は、本発明の実施の形態の第6
例を示している。本例の場合には、上述の図5〜6に示
した第4〜5例の構造から補助リング27を省略し、代
わりに、内輪9の内端面に円筒状の延長部52を、軸方
向に突出する状態で、この内輪9の本体部分と同心に設
けている。そして、この延長部52の内周面に内径側雌
スプライン部28を、外周面に外径側雄スプライン部2
9aを、それぞれ形成している。又、上記延長部52の
外周面の基端(図7の左端)寄り部分には、底面を平滑
な円筒面とした係止溝部53を、全周に亙って形成して
いる。この係止溝部53は、上記外径側雄スプライン部
29aを形成する際の逃げ溝としての役目を有すると共
に、次述するOリング54を係止する役目を有する。従
って、上記係止溝部53の外径は、上記外径側雄スプラ
イン部29aの溝底部の直径よりも小さい。
【0040】又、ハウジング部17aの外端部内周面
で、外径側雌スプライン部31から軸方向外方に外れた
部分に、円筒面部55を設けている。この円筒面部55
の直径は、上記外径側雌スプライン部31の溝底部の直
径よりも大きい。そして、この円筒面部55と上記係止
溝部53との間でOリング54を弾性的に圧縮する事に
より、上記外径側雌スプライン部31と上記外径側雄ス
プライン部29aとのスプライン係合部を設けた部分の
外端側の隙間を塞いでいる。その他の構成及び作用は、
上述した第4〜5例の場合と同様である。
【0041】次に、図8は、本発明の効果を確認する為
に行なった実験の結果を示している。実験は、図1、
3、4、9に示した様な、駆動軸18を備えた車輪駆動
用軸受ユニットを使用して行なった。具体的には、従来
構造と本発明の構造とを、それぞれ捩り耐久試験機によ
り所定サイクルだけ運転した後、スプライン係合部に生
じた円周方向の隙間を測定した。その他の試験条件は、
以下の通りである。負荷トルク : ±785N・m
(両振り)スプライン係合部のピッチ円直径 : 25
mm
【0042】図8に示した実験結果から明らかな通り、
本発明の構造の場合、スプライン係合部に焼き入れ硬化
処理を施していない同一の条件下では、試験前のスプラ
イン係合部の隙間量が従来構造の場合と比べて若干大き
いにも拘らず、試験後(100万サイクル後)のスプラ
イン係合部の隙間量が従来構造の場合と比べてほぼ半分
になっている。又、本発明の構造の場合、試験後(10
0万サイクル後)のスプライン係合部の隙間増加量は、
上記スプライン係合部に焼き入れ硬化処理を施した従来
構造の場合と比べても、小さくなっている。従って、こ
の実験結果からも、本発明の構造によれば、スプライン
係合部の耐久性を十分に確保できる事が分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、小型・軽量、且つ、組み立て容易で、しかも
優れた耐久性を有する車輪駆動用軸受ユニットを実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部切断側
面図。
【図2】雌スプライン溝と雄スプライン溝とを示す部分
正面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す半部切断側
面図。
【図4】同第3例を示す半部切断側面図。
【図5】同第4例を示す半部切断側面図。
【図6】同第5例を示す半部切断側面図。
【図7】同第6例を示す半部切断側面図。
【図8】本発明の効果を確認する為に行なった実験の結
果を示す表。
【図9】従来構造の第1例を示す半部切断側面図。
【図10】雌スプライン溝と雄スプライン溝とを示す部
分正面図。
【図11】従来構造の第2例を示す半部切断側面図。
【符号の説明】
1、1a 外輪 2 取付部 3 外輪軌道 4、4a、4b ハブ 5 取付フランジ 6 第一の内輪軌道 7 小径段部 8 第二の内輪軌道 9 内輪 10 かしめ部 11 転動体 12 シールリング 13、13a キャップ 14 中心孔 15 雌スプライン溝 16 雌スプライン部 17、17a ハウジング部 18 駆動軸 19、19a 雄スプライン溝 20、20a 雄スプライン部 21、21a 内側係止溝 22、22a 外側係止溝 23、23a 止め輪 24、24a ガイド面 25 シールリング 26 隙間 27 補助リング 28 内径側雌スプライン部 29、29a 外径側雄スプライン部 30 内径側雄スプライン部 31 外径側雌スプライン部 32 凹孔 33 ねじ溝 34 軌道 35 保持溝 36 Oリング 37 段部 38 エンコーダ部 39 芯金 40 円筒部 41 円輪部 42 透孔 43 センサ 44 弾性板 45 肩部 46 シールリング 47 芯金 48 シールリップ 49 外側円筒部 50 内側円筒部 51 Oリング 52 延長部 53 係止溝部 54 Oリング 55 円筒面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 1/02 F16D 1/02 M

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時
    にも回転しない外輪と、外周面の外端寄り部分に車輪を
    支持する為の取付フランジを、同じく中央部に第一の内
    輪軌道を、それぞれ設けると共に、同じく内端寄り部分
    にその外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪を外嵌固
    定したハブと、上記各外輪軌道と上記第一、第二の内輪
    軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた転動
    体と、その内周面に等速ジョイントの軌道を形成してこ
    の等速ジョイントの外輪となるハウジング部とを備え、
    このハウジング部又はこのハウジング部に結合した部材
    と、上記ハブ又はこのハブに結合した部材とをスプライ
    ン係合させて、上記ハウジング部からこのハブへのトル
    クを伝達自在とすると共に、上記ハウジング部又はこの
    ハウジング部に結合した部材と上記ハブ又はこのハブに
    結合した部材との間に掛け渡した止め輪により、上記ハ
    ウジング部又はこのハウジング部に結合した部材と上記
    ハブ又はこのハブに結合した部材との間に設けたスプラ
    イン係合部が軸方向にずれ動く事を防止した車輪駆動用
    軸受ユニットに於いて、このスプライン係合部を構成す
    る雌スプライン溝と雄スプライン溝とを、このスプライ
    ン係合部の中心軸と平行に形成した事を特徴とする車輪
    駆動用軸受ユニット。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR101921000B1 (ko) 2017-06-05 2018-11-21 현대위아 주식회사 차량용 드라이브 샤프트의 체결 유닛

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