JP2002016020A - 切断装置及び切断方法 - Google Patents

切断装置及び切断方法

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JP2002016020A
JP2002016020A JP2000192412A JP2000192412A JP2002016020A JP 2002016020 A JP2002016020 A JP 2002016020A JP 2000192412 A JP2000192412 A JP 2000192412A JP 2000192412 A JP2000192412 A JP 2000192412A JP 2002016020 A JP2002016020 A JP 2002016020A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工効率を向上させ、切断後に被加工物のば
りの発生を抑制するとともに、ブレードの長寿命化を可
能にする切断装置及び切断方法を提供する。 【解決手段】 ステージ上に載置された基板3と、回転
軸4と、回転軸4に固定されブレード回転方向7に回転
しながらブレード移動方向9に移動するブレード6とを
備え、ステージを回転振動させることにより基板3自体
を、所定の回転半径かつ大きい周速でステージ回転方向
8B,8Cの順に回転振動させる。これにより、まず、
基板3自体がステージ回転方向8Bに回転してブレード
6の刃先に押しつけられて切削され、切りくず10が発
生する。次に、基板3自体がステージ回転方向8Cに回
転してブレード6の刃先から引き離される。これらのこ
とにより、加工抵抗が減少し、切りくず10がブレード
回転方向7に移動してブレード6の刃先と基板3との間
から排出され、ブレード6で発生した摩擦熱が放出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレード等のツー
ルを使用して被加工物を切断する、切断装置及び切断方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン基板、セラミック基板、
プリント基板等(以下、基板という)やシリコンインゴ
ット等のような欠けやすい被加工物を切断する場合に
は、砥粒を含有する円板状のツール、すなわちブレード
を回転させて、基板等を切断加工している。この場合に
は、ブレードを備えた、ダイサー、スライサー等と呼ば
れる装置を使用する。これらの装置によって基板を切断
する場合には、次のようにして切断を行っている。すな
わち、ステージ上に固定された基板に対して回転するブ
レードを移動させ、あるいは、回転するブレードに対し
て基板を固定したステージを移動させることによって、
基板と回転するブレードとを接触させる。これにより、
基板を切断することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の切断加工によれば、加工効率を高める目的でブレー
ドの回転数、つまり周速を増加させた場合には、次のよ
うな問題がある。すなわち、ブレードの回転数を増加さ
せた場合には、被加工物からブレードが受ける加工抵抗
を低減させるには限界がある。したがって、切断加工の
効率化が阻害されるとともに、摩擦によってブレードの
表面温度が上昇するのでブレードの寿命が短くなる。更
に、加工抵抗を低減させるには限界があることから、切
断後の被加工物において、本来完全に除去されるべき部
分が中途半端に残存して、ばり(かえり)が発生するお
それがある。特に、シリコン基板を切断してチップサイ
ズパッケージ(CSP)用の半導体チップを形成する工
程でばりが発生した場合には、プリント基板に半導体チ
ップを装着する工程で、半導体チップの浮き、ひいては
接続不良を引き起こすおそれがある。したがって、この
ようなばりは、CSPの信頼性を低下させる原因にな
る。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、加工効率を向上させ、ばりの発生を
抑制するとともに、ツールの長寿命化を可能にする切断
装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明に係る切断装置は、被加工物が載置
されたステージと、被加工物を切断するためのツール
と、ツールが被加工物を切断する切断面と同一の平面内
において、所定の回転径かつ所定の周速でステージを回
転するように振動させるステージ振動機構とを備えると
ともに、ステージと被加工物とが所定の相対速度で移動
し、ステージが振動して被加工物がツールに断続的に接
触することにより、被加工物が切断されることを特徴と
する。
【0006】これによれば、被加工物がツールに断続的
に接触することにより被加工物が切断される。したがっ
て、被加工物が切断される際の加工抵抗は、被加工物が
ツールに接触する時間が短くなり、かつツールに接触し
ていない状態が生じることによって、減少する。これに
より、本来除去されるべき部分が残存しにくくなるの
で、ばりの発生が抑制される。また、被加工物がツール
に接触していない状態において、切りくずが排出されや
すくなるので加工効率が向上し、被加工物がツールに接
触した際に発生した摩擦熱が放出されるのでツールの長
寿命化を図ることができる。
【0007】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、ツールは軸中心を中心として回転する
ブレードからなるとともに、ステージ振動機構はブレー
ドの回転よりも大きな周速で軸中心を振動させることを
特徴とする。
【0008】これによれば、被加工物が回転するブレー
ドに断続的に接触することにより被加工物が切断され
る。したがって、被加工物が切断される際の加工抵抗が
減少するので、ばりの発生が抑制される。また、被加工
物がブレードに接触していない状態において、切りくず
が排出されやすくなるので加工効率が向上し、摩擦熱が
放出されるのでブレードの長寿命化を図ることができ
る。
【0009】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、回転径の値は、ブレードが1回転する
間における該ブレードと被加工物との間の相対速度によ
る移動距離に対して所定の比率を有することを特徴とす
る。
【0010】これによれば、被加工物は、ブレードに接
触した後にブレードから十分に引き離される。したがっ
て、切りくずが更に排出されやすくなるとともに、発生
した摩擦熱がブレードから更に放出されやすくなる。
【0011】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、ブレードの回転方向とステージの振動
方向とが同一であることを特徴とする。
【0012】これによれば、ブレードと被加工物とが、
互いに接触する個所の近傍で、対向して逆方向に移動す
ることになる。したがって、被加工物に対するブレード
の相対的な周速が増加するので、加工効率が向上する。
【0013】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、ステージ回転機構は、ブレードの回転
面と同一の平面内において各々第一及び第二の方向にス
テージを往復微動させる第一及び第二の微動機構を有す
るとともに、第一及び第二の方向はほぼ直角をなすこと
を特徴とする。
【0014】これによれば、ブレードの回転面と同一の
平面内において、ステージが、所定の値を有する回転径
で高速に回転するので、ブレードによって、びびりを生
じることなく被加工物が切断される。
【0015】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、被加工物を切断する際に、第一及び第
二の微動機構のうちいずれか一方を停止させることを特
徴とする。
【0016】これによっても、回転するブレードに被加
工物が断続的に接触することによって、被加工物が切断
される。
【0017】上述の技術的課題を解決するために、本発
明に係る加工方法は、ツールとステージに載置された被
加工物とを所定の相対速度で移動させつつ接触させるこ
とによって被加工物を切断する切断方法であって、ツー
ルが被加工物を切断する切断面と同一の平面内におい
て、所定の回転径かつ所定の周速でステージを回転する
ように振動させる工程と、被加工物が載置されたステー
ジとツールとを相対速度で移動させる工程と、ステージ
を振動させ、被加工物にブレードを断続的に接触させる
ことによって、被加工物を切断する工程とを備えたこと
を特徴とする。
【0018】これによれば、ツールを被加工物に断続的
に接触させることにより被加工物を切断する。したがっ
て、被加工物を切断する際の加工抵抗は、ツールが被加
工物に接触する時間が短くなり、かつ、被加工物に接触
していない状態が生じることによって、減少する。これ
により、本来除去されるべき部分が残存しにくくなるの
で、ばりの発生が抑制される。また、ツールが被加工物
に接触していない状態において、切りくずが排出されや
すくなるので加工効率が向上し、ツールが被加工物に接
触した際に発生した摩擦熱が放出されるのでツールの長
寿命化を図ることができる。
【0019】また、本発明に係る加工方法は、上述の加
工方法において、ツールは軸中心を中心として回転する
ブレードからなるとともに、振動させる工程ではブレー
ドの回転よりも大きな周速でステージを振動させること
を特徴とする。
【0020】これによれば、回転するブレードに被加工
物を断続的に接触させることにより被加工物を切断す
る。したがって、切断する際の加工抵抗を減少させるの
で、ばりの発生を抑制することができる。また、ブレー
ドに被加工物を接触させていない状態で、切りくずを排
出させやすくするので加工効率を向上させ、摩擦熱を放
出するのでブレードの長寿命化を図ることができる。
【0021】また、本発明に係る加工方法は、上述の加
工方法において、回転径の値は、ブレードが1回転する
間における該ブレードと被加工物との間の相対速度によ
る移動距離に対して所定の比率を有することを特徴とす
る。
【0022】これによれば、ブレードに被加工物を接触
させた後に、ブレードから被加工物を十分に引き離す。
したがって、切りくずを更に排出しやすくするととも
に、発生した摩擦熱をブレードから更に放出しやすくす
る。
【0023】また、本発明に係る加工方法は、上述の加
工方法において、ブレードの回転方向とステージの振動
方向とが同一であることを特徴とする。
【0024】これによれば、ブレードと被加工物とを、
互いに接触する個所の近傍で、対向して逆方向に移動さ
せることになる。したがって、被加工物に対するブレー
ドの相対的な周速を増加させるので、加工効率を更に向
上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る切断装置及び加工方
法を、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明
に係る切断装置において、ブレードが基板を切断する際
の要部を示す部分正面図である。図1において、1は被
加工物を載置するステージ、2はステージ1の被加工物
載置面に貼付され両面に粘着層を有する粘着テープ、3
は粘着テープ2によってステージ1に固定された例えば
シリコンからなる基板である。4は主軸(図示なし)の
回転に従って回転する回転軸、5はその回転軸4の軸中
心である。6は、砥粒を含有し回転軸4に固定された円
板状のツール、すなわちブレードである。また、7はブ
レード6が回転する方向であるブレード回転方向を、8
Aはステージ1自体が回転する方向であるステージ回転
方向を、9はブレード6が移動する方向であるブレード
移動方向を、それぞれ示している。
【0026】図1に示された切断装置の動作を説明す
る。まず、回転軸4が、軸中心5を中心として所定のブ
レード回転方向7(図1では反時計回り方向)に回転す
るとともに、ステージ1が、ステージ回転方向8Aに所
定の微小な回転半径で、かつ高速に回転するように振
動、すなわち回転振動する。これにより、ブレード6の
周縁部、すなわち刃先が一定の周速になるようにブレー
ド回転方向7に回転するブレード6に対して、ステージ
1は、ステージ回転方向8Aに微小な回転半径で高速に
回転振動することになる。
【0027】次に、ブレード6は、移動機構(図示な
し)によって、ステージ1上に固定された基板3に向か
って、所定のブレード移動方向9(図1では左)に水平
移動して基板3に接触する。そして、ブレード6が含有
する砥粒により基板3を切削して基板3の上面に溝を形
成し、基板3の下面にまで達する切り欠きを形成する。
引き続いてブレード6は左に水平移動して、最終的には
基板3を、上面から下面にわたって右から左へと切断す
る。ここで、基板3を厚さ方向に完全に切断するために
は、ブレード6の下端が、ステージ1上に固定された基
板3の下面よりも下方に位置する状態が生じるようにし
て、ステージ1を回転振動させる。また、加工効率を更
に向上させるためには、ステージ回転方向8Aを、ブレ
ード回転方向7と同じ方向(図1では反時計回り方向)
にすることが好ましい。これにより、ブレード6と基板
3とが接触する個所の近傍では、ブレード6と基板3と
が対向して逆方向に移動する。したがって、基板3に対
するブレード6の相対的な周速が増加するので、加工効
率が向上する。
【0028】ここで、本発明に係る切断装置及び加工方
法の特徴は、第一に、ブレード6が1回転する間に水平
移動する距離(以下、切り進み量という)に対して所定
の比率を有する直径で、ステージ1が回転振動すること
である。例えば、切り進み量が5μmのブレード6につ
いて、基板3の材質や切りくずの大きさ等に応じて、そ
の切り進み量に対する所定の比率を有するとともに切り
進み量以上又はそれより小さい値に、ステージ1自体が
回転振動する直径を設定することができる。第二に、ス
テージ1自体が回転振動する際の周速が、ブレード6の
刃先の周速よりも大きいことである。例えば、ステージ
1が回転振動する周速は、ブレード6の刃先の周速に対
して数倍〜数十倍になるように設定することが好まし
い。
【0029】本発明に係る切断装置及び加工方法の作用
を、図2を参照して説明する。図2(1),(2)は、
本発明に係る切断装置及び加工方法において、ブレード
が基板を切断する際に、ブレードに対して基板が押しつ
けられる場合と引き離される場合との作用をそれぞれ示
す部分断面図である。
【0030】まず、図2(1)に示されているように、
軸中心5を中心として回転軸4が回転し、これに伴いブ
レード6がブレード回転方向7に回転する。一方、基板
3を載置したステージ(図示なし)は、ブレード回転方
向7と同一の方向、すなわちステージ回転方向8Bの矢
印が示すように回転する。これにより、ステージは、回
転しながら移動するブレード6の刃先に対して、基板3
を押しつける。したがって、ブレード6が含有する砥粒
によって基板3が切削され、切りくず10が発生する。
この場合には、ブレード6と基板3とが、互いに接触す
る個所の近傍において、対向して逆方向に移動すること
になる。したがって、基板3に対するブレード6の相対
的な周速が増加するので、加工効率が向上する。ここ
で、発生した切りくず10は、ブレード6の刃先近傍に
供給される切削水(図示なし)により、ブレード回転方
向7に沿って移動してブレード6の刃先と基板3の表面
との間から排出される。しかし、基板3がブレード6の
刃先に押しつけられているので、切りくず10は十分に
は排出されない。
【0031】次に、図2(2)に示されているように、
ステージ(図示なし)は、ステージ回転方向8Cの矢印
が示すように回転する。これにより、ステージは、ブレ
ード回転方向7に回転しつつブレード移動方向9に移動
するブレード6の刃先から、基板3を引き離す。ここ
で、ブレード6の切り進み量に対して、ステージが回転
振動する直径を所定の比率に設定しているので、ブレー
ド6の刃先と基板3との間隙が十分に広がる。これによ
り、切りくず10は、切削水とともにブレード回転方向
7に沿って移動しやすくなるので、ブレード6の刃先と
基板3の表面との間から容易に排出される。
【0032】次に、図2(1)に示されているように、
引き続きステージ(図示なし)は、ステージ回転方向8
Bの矢印が示すように回転する。これにより、ステージ
は、ブレード6の刃先に基板3を押しつける。したがっ
て、ブレード6が含有する砥粒によって基板3が切削さ
れ、切りくず10が発生する。以下、同様に、ブレード
6の刃先に基板3を押しつけて基板3を切削する工程
と、ブレード6の刃先から基板3を引き離して切りくず
10を排出する工程とを繰り返す。
【0033】本発明に係る切断装置を、図3を参照して
説明する。図3は、本発明に係る切断装置の構成を示す
斜視図である。図3において、11及び12は、それぞ
れ印加された電圧に応じて、所定の方向、すなわち垂直
及び水平方向に微小に変位する圧電素子からなる、垂直
微動機構及び水平微動機構である。13は、垂直微動機
構11が変位する垂直方向を示す垂直微動方向である。
14は、水平微動機構12が変位する水平方向を示す水
平微動方向である。すなわち、垂直微動方向13と水平
微動方向14とは、互いにほぼ垂直である。
【0034】図3の切断装置は、次のようにして動作す
る。まず、回転軸4が回転することにより、回転軸4に
固定されたブレード6がブレード回転方向7に回転す
る。
【0035】次に、それぞれ垂直微動機構11と水平微
動機構12とに、例えば所定の正弦波状の電圧を印加す
る。これにより、垂直微動機構11は垂直微動方向13
に、水平微動機構12は水平微動方向14に、それぞれ
微小に変位した後に元の位置に復帰し、これを繰り返し
て往復微動する。したがって、垂直微動機構11と水平
微動機構12とによる変位が合成されることにより、ブ
レード6の回転面と同一の平面においてステージ1自体
が所定の回転直径及び周速で回転振動する。ここで、垂
直微動機構11と水平微動機構12とについて、それぞ
れ変位量、変位方向、及び変位するタイミングを、予め
適当に設定しておく。これにより、ブレード回転方向7
と同一のステージ回転方向8Aで、ステージ1自体が回
転振動する直径を、切り進み量に対して所定の比率に設
定するとともに、回転振動する際の周速を、ブレード6
の刃先の周速よりも大きくなるように設定することがで
きる。
【0036】以上説明したように、本発明によれば、切
りくず10が、切削水とともにブレード回転方向7に沿
って移動しやすくなるので、ブレード6の刃先と基板3
の表面との間から容易に排出される。これにより、切り
くず10がブレード6による切断を阻害しにくくなるの
で、ブレード6の回転速度を増加させることにより、被
加工物を高速に切断して加工効率を向上させることがで
きる。また、基板3に接触してこれを切削する工程を断
続的に繰り返すので、ブレード6の回転速度が増加して
も、加工抵抗の増加が抑制される。加えて、ブレード6
が基板3に接触した際に発生した摩擦熱が、ブレード6
が基板3に接触していない状態においてブレード6から
放熱される。したがって、ブレード6の表面温度が上昇
しにくくなるので、ブレード6の長寿命化を図ることが
できる。更に、加工抵抗の増加が抑制されるので、切断
後の基板3においてばりの発生が抑制される。したがっ
て、シリコン基板を切断して形成した半導体チップを使
用してチップサイズパッケージ(CSP)を組み立てる
際に、半導体チップの浮きを防止することができるの
で、CSPの信頼性を向上させることができる。
【0037】なお、上述の説明では、基板の厚さ方向に
おいて、基板を完全に切断するいわゆるフルカットを行
う場合について説明した。これに限らず、基板を途中ま
で部分的に切削するいわゆるハーフカットを行う場合に
おいても、本発明を適用することができる。
【0038】また、ステージ1を真円状に回転振動させ
てもよく、楕円状に回転振動させてもよい。更に、垂直
微動機構11と水平微動機構12とのいずれか一方を停
止させて、ステージ1が二方向からなる往復微動による
回転振動ではなく、一方向のみからなる往復微動による
回転振動、すなわち単振動を行う状態で、基板3を切断
してもよい。いずれの場合においても、基板3がブレー
ド6に断続的に接触することによって、基板3を切断す
ることができる。
【0039】また、基板3を載置し微小かつ高速に回転
振動するステージ1を水平移動させることなく、回転す
るブレード6を水平移動させたが、これに限らず、回転
するブレード6を固定して、そのブレード6に向かって
上述のステージ1を水平移動させてもよい。更に、ステ
ージ1とブレード6との双方を水平移動させて、基板3
を載置したステージ1にブレード6を相対的に接近させ
てもよい。
【0040】また、回転軸4の軸中心5自身を固定し
て、基板3を載置したステージ1を微小かつ高速に回転
振動させたが、これに限らず、基板3を載置したステー
ジ1を固定して、回転軸4の軸中心5自身を微小かつ高
速に回転振動させてもよい。更に、ステージ1と軸中心
5との双方を微小かつ高速に回転振動させてもよい。こ
れらのいずれの構成によっても、ブレード6の刃先に対
して基板3を押しつけて基板3を切削する工程と、ブレ
ード6の刃先から基板3を引き離して切りくず10を排
出する工程とを繰り返すことができる。
【0041】また、図1に示すように、ブレード6がブ
レード回転方向7に回転し、ステージ1自体がステージ
回転方向8Aに微小かつ高速に回転振動して、回転する
ブレード6が、回転振動する基板3を切断することとし
た。これに限らず、ブレード6を回転させることなく、
ステージ1自体の微小かつ高速な回転のみにより、回転
しないブレード6が回転振動する基板3を切断すること
もできる。更に、円板状のブレード6に代えて、例えば
矩形の薄板状で砥粒を含有するツール自体を、微小かつ
高速に回転振動させてもよい。この場合においても、加
工抵抗が減少するのでばりの発生が抑制され、切りくず
が排出されやすくなるので加工効率が向上し、ツールに
おいて発生した摩擦熱が放出されやすくなるのでツール
の長寿命化を図ることができる。
【0042】また、垂直微動機構11及び水平微動機構
12として圧電素子を使用したが、これに限らず、ステ
ージ1に対して互いに垂直な往復微動を与えることがで
きる他の機構を使用してもよい。
【0043】また、被加工物は、シリコン基板に限ら
ず、SOI(Silicon OnInsulato
r)基板、化合物半導体基板、ガラス基板、セラミック
基板、金属ベース基板、石材、宝石類、結晶体等であっ
てもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、被加工物がツールに断
続的に接触するので、切りくずが排出されやすくなると
ともに、被加工物が加工される際の加工抵抗が減少す
る。したがって、加工効率が向上するとともに加工後の
ばりの発生が抑制される。更に、切断の際に発生した摩
擦熱が、ツールが被加工物に接触していない状態におい
てツールから放出されるので、ツールの長寿命化を図る
ことができる。また、ステージ自体の回転振動により、
ツールであるブレードの回転面と同一の平面においてブ
レードの回転方向と同一の方向に、被加工物が回転振動
する。したがって、被加工物に対するブレードの相対的
な周速が増加するので、加工効率が更に向上する。これ
らのことにより、本発明は、加工効率を向上させ、ばり
の発生を抑制するとともに、ツールの長寿命化を可能に
する切断装置及び切断方法を提供できるという、優れた
実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切断装置において、ブレードが基
板を切断する際の要部を示す部分正面図である。
【図2】(1),(2)は、本発明に係る切断装置及び
加工方法において、ブレードが基板を切断する際に、ブ
レードに対して基板が押しつけられる場合と引き離され
る場合との作用をそれぞれ示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る切断装置の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ステージ 2 粘着テープ 3 基板(被加工物) 4 回転軸 5 軸中心 6 ブレード(ツール) 7 ブレード回転方向 8A,8B,8C ステージ回転方向 9 ブレード移動方向 10 切りくず 11 垂直微動機構(第一の微動機構) 12 水平微動機構(第二の微動機構) 13 垂直微動方向(第一の方向) 14 水平微動方向(第二の方向)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物が載置されたステージと、 前記被加工物を切断するためのツールと、 前記ツールが前記被加工物を切断する切断面と同一の平
    面内において、所定の回転径かつ所定の周速で前記ステ
    ージを回転するように振動させるステージ振動機構とを
    備えるとともに、 前記ステージと前記被加工物とが所定の相対速度で移動
    し、前記ステージが振動して前記被加工物が前記ツール
    に断続的に接触することにより、前記被加工物が切断さ
    れることを特徴とする切断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の切断装置において、 前記ツールは軸中心を中心として回転するブレードから
    なるとともに、 前記ステージ振動機構は前記ブレードの回転よりも大き
    な周速で前記軸中心を振動させることを特徴とする切断
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の切断装置において、 前記回転径の値は、前記ブレードが1回転する間におけ
    る該ブレードと前記被加工物との間の前記相対速度によ
    る移動距離に対して所定の比率を有することを特徴とす
    る切断装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の切断装置におい
    て、 前記ブレードの回転方向と前記ステージの振動方向とが
    同一であることを特徴とする切断装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の切断装
    置において、 前記ステージ回転機構は、前記ブレードの回転面と同一
    の平面内において各々第一及び第二の方向に前記ステー
    ジを往復微動させる第一及び第二の微動機構を有すると
    ともに、 前記第一及び第二の方向はほぼ直角をなすことを特徴と
    する切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の切断装置において、 前記被加工物を切断する際に、前記第一及び第二の微動
    機構のうちいずれか一方を停止させることを特徴とする
    切断装置。
  7. 【請求項7】 ツールとステージに載置された被加工物
    とを所定の相対速度で移動させつつ接触させることによ
    って前記被加工物を切断する切断方法であって、 前記ツールが前記被加工物を切断する切断面と同一の平
    面内において、所定の回転径かつ所定の周速で前記ステ
    ージを回転するように振動させる工程と、 前記被加工物が載置された前記ステージと前記ツールと
    を前記相対速度で移動させる工程と、 前記ステージを振動させ、前記被加工物に前記ブレード
    を断続的に接触させることによって、前記被加工物を切
    断する工程とを備えたことを特徴とする切断方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の切断方法において、 前記ツールは軸中心を中心として回転するブレードから
    なるとともに、 前記振動させる工程では前記ブレードの回転よりも大き
    な周速で前記ステージを振動させることを特徴とする切
    断方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の切断方法において、 前記回転径の値は、前記ブレードが1回転する間におけ
    る該ブレードと前記被加工物との間の前記相対速度によ
    る移動距離に対して所定の比率を有することを特徴とす
    る切断方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の切断方法におい
    て、 前記ブレードの回転方向と前記ステージの振動方向とが
    同一であることを特徴とする切断方法。
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