JP2000015622A - 外周刃切断加工法および加工装置 - Google Patents

外周刃切断加工法および加工装置

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JP2000015622A
JP2000015622A JP19967898A JP19967898A JP2000015622A JP 2000015622 A JP2000015622 A JP 2000015622A JP 19967898 A JP19967898 A JP 19967898A JP 19967898 A JP19967898 A JP 19967898A JP 2000015622 A JP2000015622 A JP 2000015622A
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outer peripheral
peripheral blade
work
blade
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JP19967898A
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Kenichi Ishikawa
憲一 石川
Hitoshi Suwabe
仁 諏訪部
Michio Uneda
道雄 畝田
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Maruzen Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック、磁性合金等の硬脆材料の外周刃
切断加工法において、加工精度を維持しながら加工能率
を向上させ、加工液の使用量を抑制する。 【解決手段】 加工液をワークの切削部に供給しながら
高速回転している外周刃ブレードの水平な接線方向にワ
ークを送って切断する外周刃切断加工法において、ワー
クにその送り方向と直交する方向の微小な振動を与え、
外周刃ブレードの前方及び両側方からミスト状の加工液
を供給しながら切断する。ミスト状の加工液は、加工液
を供給する給液管とこれに所定角度を成す空気噴射管と
からなる複合ノズルを外周刃ブレードの前方及び両側方
に配置して供給する。外周刃ブレードとワークとの間で
接触・離隔を繰り返す断続切断現象を生じ、離隔時に切
削部への加工液の流入が容易となり、切屑の排除や切削
部の冷却を促進させ、砥粒の磨耗を抑制し、加工能率を
向上させ、加工精度の低下も防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セラミック、磁
性合金、サファイヤ、石英ガラス又は水晶時計や無線機
に用いる振動子その他の硬脆材料の切断加工方法及び切
断加工装置に関するものであり、特に外周刃ブレードを
用いた硬脆材料の切断加工法及び加工装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】外周刃切断加工法は、内周刃切断加工法
に比べて装置が簡単で価格も安いので、材料損失に問題
がなくかつ高い切断精度も要求されない硬脆材料の切
断、例えば単結晶インゴットの両端の切断やブロック切
断に用いられている。
【0003】図11及び図12は従来の外周刃切断加工
装置とそれに用いられている加工液供給ノズルの一例を
示したものである。図の加工液供給ノズル41は直方体
の本体42の一側面に直径2.2mmの細管43を7本
並置したものである。この加工液供給ノズル(普通ノズ
ル)41は、その中心が外周刃ブレード2の前方で、か
つワーク8のすぐ上方の位置に設置されている。一方、
ワーク8は基台に固定されており、切断加工時にはノズ
ル及びブレードが矢印Dの方向に一定速度で送られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】硬脆材料の切断加工に
おいては、加工中に材料の塑性変形による応力緩和が期
待できないことから、切削部において亀裂を生じ、ピッ
チングや欠けなどの脆性的な破壊が起こる。このため、
加工精度の高い製品を製造するためには低速度、低切込
みとならざるを得ず、他の加工法と比較して加工能率が
低くなるという問題がある。
【0005】また、近年、各種産業分野において環境を
保全するための対策が求められており、切断加工分野に
おいても使用する加工液を低減することが要望されてい
る。しかし、加工液は切削部を冷却すると共に加工中に
発生した切屑が外周刃ブレードに付着するのを防止し、
切断面の加工精度を高く維持するものであり、また、切
屑を加工部から排除して加工能率を向上させる作用を有
しており、加工液の使用を完全に排除することは困難で
ある。
【0006】本発明は、外周刃切断加工法において、加
工精度を維持しながら加工能率を向上させることを第1
の目的としており、更に加工液の使用量をできる限り抑
制することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の外周刃切
断加工法は、加工液をワークの切削部に供給しながら高
速回転している外周刃ブレードの水平な接線方向にワー
クを送って切断する外周刃切断加工法において、ワーク
にその送り方向と直交する方向の微小な振動を与えなが
ら切断することを特徴とするものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の外
周刃切断加工法において、外周刃ブレードの前方及び両
側方からミスト状の加工液を供給しながら切断すること
を特徴とするものである。
【0009】請求項3記載の外周刃切断加工装置は、高
速回転するスピンドル3に固定された外周刃ブレード2
と、外周刃ブレードの水平な接線方向にワーク8を送る
送り装置20と、ワークの切削部に加工液を供給する加
工液供給ノズルとを備えた外周刃切断加工装置におい
て、ワーク8にその送り方向と直交する方向の微小な振
動を与える加振装置18を設けたことを特徴とするもの
である。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の外
周刃切断加工装置において、加工液供給ノズルが加工液
11を供給する給液管5と、これに所定角度を成す空気
噴射管6とからなる複合ノズル4であり、この複合ノズ
ルを外周刃ブレード2の前方及び両側方に配置したこと
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1記載の切断加工法は、ワークに微小な
振動を与えながら切断加工をするものであるから、切断
加工中に外周刃ブレードとワークとの間で接触・離隔を
繰り返す断続切断現象を生じ、離隔時に切削部への加工
液の流入が容易となり、切屑の排除や切削部の冷却を促
進させることができる。このため切れ刃となる砥粒の磨
耗現象を抑制でき、送り速度を高めて加工能率を向上さ
せることができる。また、切削反力により弾性変形して
いた外周刃ブレードが、離隔時にもとの平坦な形に復旧
し、この状態から再度切削を開始するので、加工精度の
低下を防止することができる。
【0012】請求項2記載の方法では、ワークの切削部
にミスト状の加工液を供給することにより、加工液のみ
を多量に供給する従来の供給方法とほぼ同等な値の負荷
電流値を得ることができ、全加工液流量を少量(40g
/min)にすることができる。即ち、切削部にミスト
状の加工液を供給することにより、加工液の使用量を従
来の約1/100にすることができる。また、複合ノズ
ルを外周刃ブレードの前方及び両側方に設置することに
より、外周刃ブレードとワークとの間の全接触領域にミ
スト状の加工液を供給することができ、ブレード側面へ
の砥粒の付着を防止することができ、切断面の表面粗さ
の低下を防止することができる。
【0013】請求項3記載の装置は、加振装置18によ
ってワーク8にその送り方向と直交する方向の振動を簡
単かつ正確に与えることができる。機械式の加振装置を
用いてやれば、硬脆材料の切断加工に必要な剛性をワー
ク取付台に与えることができ、請求項1記載の発明方法
の実施に好適な機械を提供することができる。
【0014】請求項4記載の装置は、給液管5と噴射管
6とによって加工液11を簡単かつ迅速にミスト化する
ことができる。またミスト化した加工液をワークの切削
部12及び外周刃ブレードの側面に効率良く供給するこ
とができ、切屑を切削部12から排出し、ブレード側面
への切屑の付着を防止することができ、更に加工液の使
用量を減少させることができる。従って職場が汚染され
ず、加工廃液の回収が容易である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の外周刃ブレードに
よる切断加工法を示したものである。外周縁にダイヤモ
ンド砥粒1を固着した外周刃ブレード2は、空気制圧軸
受で水平方向に軸支されたスピンドル3にその中心孔を
介して固着されている。スピンドルを高速で左回転(矢
印A方向)させると共に、外周刃ブレード2の前方及び
両側方に配置した複合ノズル4(4a、4b)からミス
ト状の加工液11(11a、11b)を供給する。複合
ノズル4は、加工液11を供給する給液管5と圧縮空気
を供給する噴射管6とからなり、所定角度を持たせて配
置した両管5、6の先端が外周刃ブレードに向くように
したものである。なお、側方の複合ノズル4b、4bの
後方には、ミスト状の加工液が飛散するのを防止する遮
蔽板7が外周刃ブレード2の下部を覆うように配置され
ている。外周刃ブレードの水平な接線を含む水平面上に
ワーク8を配置し、加振装置11でワーク8を上下方向
に振動させながら外周刃ブレード2に向けて送り込んで
ワークを切断する。
【0016】図2及び図3はワークの切断加工時の模式
図である。振動切断時においては、切断加工中のブレー
ド2とワーク8の間に接触・離隔を繰り返す断続切断現
象を生じる。図2に示すように、ワーク8と外周刃ブレ
ード2とが接触しているときは、ダイヤモンド砥粒がワ
ークを切削すると同時に切削反力により外周刃ブレード
2が弾性変形する。切削により生じた切屑9は砥粒間の
ポケットに収納されている。図3に示すように、ワーク
8と外周刃ブレード2とが離隔しているときは、ミスト
状の加工液11が砥粒間のポケットを洗ってその中の切
屑9を切削部12の後方に排出する。同時に外周刃ブレ
ード2が切削反力から解放されて元の平坦な形に復旧す
る。なお、ミスト状の加工液11は外周刃ブレード2の
接離に係わらず切削部12を冷却している。
【0017】図4及び図5は本発明の切断加工装置を示
したものである。装置の基枠15の中央には移動台16
が設けられており、この移動台の上面は箱形のカバー1
7で覆われており、カバー17の中に後述する加振装置
18が移動台上に収納されている。移動台16は制御器
によって制御されるボールねじ装置20により左右方向
に摺動可能であり、基枠に設けられた手動ハンドルによ
っても摺動可能である。基枠15の上部には水平方向の
スピンドル3が空気静圧軸受で軸支されており、スピン
ドル3の先端は加振装置18の上方まで延びている。ス
ピンドル3には外周刃ブレード2がその中心孔を介して
固着されており、外周刃ブレードの前方及び両側方にミ
スト状の加工液を供給する複合ノズル4(4a、4b)
が配置されている。複合ノズルの各給液管5は貯蔵タン
ク19からポンプ21を介して配管22で連結されてお
り、ポンプで供給された加工液をゆっくりと給液する。
各噴射管6はコンプレッサ23に配管24で連結されて
おり、圧縮空気を給液管5の先端に向けて噴射する。
【0018】加振装置18は支持枠25にベアリング2
6を介して水平に軸支された駆動軸27を備えている。
駆動軸の一端にはモータのピニオンとを噛合する歯車2
8が固着されており、中間には偏心内軸29及び偏心外
軸31とからなる偏心カム32が形成されている。偏心
カムにニードルベアリング33を介して偏心リング34
が外挿されており、偏心リングの上面に一体的に設けら
れた突起35にはニードルベアリングを介して水平ピン
36の中間部が回転自在に装着されている。水平ピンの
両端部には昇降枠37の脚に固着されており、昇降枠の
上面にワーク8を固着するワーク取付台38が設けられ
ている。基枠15の右側には制御器39が設けられてお
り、この制御器39がブレード周速、切り込み深さ、送
り速度、振動数、振幅、加工液の流量、空気圧等を制御
している。なお、図の加振装置は機械的なものである
が、実用的には圧電素子を用いた加振装置を利用するこ
とで、構造が簡単で保守や取扱いの容易な装置を提供で
きる。
【0019】
【実施例】ワークとして表1の組成のソーダガラスを用
い、上記の切断加工装置を表2の切断条件に設定して切
断した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】試験1 はじめにミスト状の加工液を供給する本発明の切断加工
法を実施するに当たり、切削部で火花を伴わずに切断加
工を行える最低の加工液流量(限界流量)を求めた。外
周刃ブレードの前方の複合ノズル4aの給液管5から少
量の加工液を供給しながら噴射管6から圧縮空気を給液
管5に向けて噴射し、それらを混合させてミスト状の加
工液を製造した。加工条件は、外周刃ブレード:φ12
5×1mm、切り込み深さc:8mm、送り速度X:4
0mm/min、振動数f:0、20Hz、振幅a:1
5μm、メインノズルの流量Qm:0〜225g/mi
n、メインノズルの空気圧Pm:0.05、0.10、
0.15、0.20、0.25MPaである。
【0023】図6は圧縮空気の圧力(エア圧)と限界流
量との関係を示したグラフであり、●は無振動切断、○
は20Hzの振動切断である。これより、無振動切断時
及び振動切断時ともにエア圧を増大させるに伴って、限
界流量は増大していることがわかる。特に、無振動切断
時においてはエア圧を0.15MPa以上にすると限界
流量は大幅に増大していることがわかる。この理由とし
ては、エア圧を過剰に増大させると切削部へミスト状の
加工液が供給される前に大きく分散してしまうことが原
因で、実際に切削部へミスト状の加工液が供給される加
工液流量が減少してしまうためであると考えられる。ま
た、無振動切断時に比較して振動切断時の方がエア圧を
増大させるに伴って限界流量が大幅に低減化されている
ことにより、ミスト状の加工液を供給する場合において
も、作用の項で述べたように、振動による加工液の流入
出効果が十分に得られていることが分かる。さらに、こ
の結果から無振動切断時及び振動切断時におけるミスト
加工液の最適エア圧は0.05及び0.1Mpaと考え
られるが、少しでも大きいエア圧で切断加工中の切屑排
除を向上させるために最適エア圧は0.1MPaとして
以後の検討を行うことにした。
【0024】ところで、上記切断条件で切断したワーク
の表面粗さを測定したところ、普通ノズルを使用したと
きに比較して非常に悪化していることが明らかになっ
た。この理由としては、ブレード(台金部)に切屑が付
着してしまうことが原因で、ウエハの表面粗さが悪化し
たものと考えられる。そこで、ブレードの下部にサイド
ノズルとこれから噴射されたミスト状の加工液の飛散を
防止する遮蔽板を設けてブレードへの切屑の付着を防止
することにした。以後の実施に際して、サイドノズルの
流量Qs:5、10g/min、サイドノズルの空気圧
Ps:0.10MPaとする。
【0025】試験2 次にスピンドルを駆動するモータの負荷電流値を測定し
て、外周刃ブレードの切削抵抗を測定した。切断条件
は、外周刃ブレード:φ125×1mm、切り込み深さ
c:11mm、送り速度X:40m/min、振動数
f:0、20Hz、振幅a:15μm、メインノズルの
空気圧Pm:0.1MPa、サイドノズルの空気圧P
s:0.1MPaである。図7は全加工液流量と負荷電
流値の関係を示したグラフであり、■、▲、●は無振動
切断を示し、□、△、○は20Hzの振動切断を示して
いる。また、□及び■はサイドノズルの流量Qs:5g
/minのときに、全加工液流量を20g/min(メ
インノズルの流量Qm:10g/min)、30g/m
in(メインノズルの流量Qm:20g/min)、4
0g/min(メインノズルの流量Qm:30g/mi
n)に変化させものであり、△及び▲はサイドノズルの
流量Qs:10g/minのときに、全加工液流量30
g/min(メインノズルの流量Qm:10g/mi
n)、40g/min(メインノズルの流量Qm:20
g/min)、50g/min(メインノズルの流量Q
m:30g/min)に変化させたものであり、○及び
●は従来の加工液供給ノズルを用いてその流量Q:38
11g/minとしたものである。
【0026】図7から明らかなように、無振動切断時及
び振動切断時にかかわらず、全加工液流量を増大させる
に伴って負荷電流値は普通ノズル使用時とほぼ同程度の
値になっていることがわかる。また、無振動切断時に比
較して振動切断時の方が全加工液流量にかかわらず負荷
電流値は減少していることがわかる。
【0027】試験3 更に、全加工液流量と表面粗さの関係を調べた。切断条
件は、外周刃ブレード:φ125×1mm、切り込み深
さc:11mm、送り速度X:40m/min、振動数
f:20Hz、振幅a:15μm、メインノズルの空気
圧Pm:0.1MPa、サイドノズルの空気圧Ps:
0.1MPaである。図8にそれぞれメインノズルと両
サイドノズルからの加工液流量を変化させた場合におけ
る全加工液流量とワークの下部測定線での表面粗さ(R
a)の関係を示すグラフであり、下部測定線はワークの
上面から8mmの位置である。メインノズルの流量Qm
とサイドノズルの流量Qsとの関係及び普通ノズルの流
量は図7と同様であり、各色の四角、三角及び丸印も図
7と同様である。
【0028】切断したワークの下部測定線での表面粗さ
は、無振動切断時及び振動切断時にかかわらず全加工液
流量を増大させるに伴って表面粗さは向上していること
がわかる。また、無振動切断時並びに振動切断時におい
て前に述べたメインノズルのみと両サイドノズルを使用
した場合において、同量の全加工液流量を供給した場
合、両サイドノズルを使用した場合の方がメインノズル
のみと比較して表面粗さは向上している。つまり、普通
ノズル使用時と同程度の表面粗さを得るためにはメイン
ノズルだけではなく両サイドからもミスト加工液を供給
した方が良好な結果が得られることが明らかになった。
【0029】上記結論から、以下から行うミスト加工液
供給下による加工実験の加工液流量は、加工液流量がで
きる限り少なく、かつ、表面粗さが下部測定線において
普通ノズル使用時と同等の結果が得られることのできる
条件、即ち、メインノズルからの加工液流量が20g/
min、両サイドノズルからの加工液流量が10g/m
inとする。
【0030】試験4 切断加工に於けるチッピング量によって加工精度を測定
した。チッピング量の測定は、光学顕微鏡カメラで撮影
したチッピングの拡大写真を用いて、切断溝とチッピン
グの境界線からチッピングの最大値までをノギスで測定
した。切断条件は、外周刃ブレードD:φ125×1m
m、切り込み深さc:11mm、送り速度X:40m/
min、振動数f:0、20Hz、振幅a:15μm、
メインノズルの空気圧Pm:0.1MPa、サイドノズ
ルの空気圧Ps:0.1MPaである。図9はミスト状
の加工液による全加工液流量とチッピング量の関係を示
したグラフである。メインノズルの流量Qmとサイドノ
ズルの流量Qsとの関係及び普通ノズルの流量は図7と
同様であり、各色の四角、三角及び丸印も図7と同様で
ある。
【0031】図9から明らかなように、普通ノズル使用
時の際に得られたチッピングに関しては、無振動切断時
に比較して振動切断時の方がチッピング量は軽減されて
いることがわかる。この理由としては、無振動切断時に
おいては切断加工中のブレードに弾性変形を生じやす
く、その際に伴うブレードの復元(弾性)力によって切
断面エッジ部には大きな付加が作用することからチッピ
ング量は大きくなるものと考えられる。一方、振動切断
時においては、切断加工中のブレードと工作物の間に接
触・離隔の現象が生じることから、ブレードの弾性変形
が離隔の際に自己修正されるため、ブレードの復元力に
よる切断面エッジ部への付加が減少することからチッピ
ングに関しても軽減されるものと考えられる。また、ミ
スト加工液供給条件下において、普通ノズル使用時と比
較すると、全加工液流量が40g/min以上では同等
の結果が得られることがわかる。加えて、無振動切断時
及び振動切断時にかかわらず、全加工液流量を増大させ
るとチッピング量は若干ながら減少していることがわか
る。この理由としては、全加工液流量の研削抵抗が軽減
されるためであると考えられる。また、両サイドの加工
液流量が5g/minよりも10g/minの方がチッ
ピング量が小さい理由に関しても同等のことが言えるも
のと考えられる。
【0032】試験5 連続切断加工を行った際の切削負荷を検討した。切断条
件は、外周刃ブレード:φ125×1mm、切り込み深
さc:11mm、送り速度X:40m/min、振動数
f:20Hz、振幅a:81μm、メインノズルの流量
Qm:20g/min、メインノズルの空気圧Pm:
0.1MPa、サイドノズルの流量Qs:10g/mi
n、サイドノズルの空気圧Ps:0.1MPaである。
図10は切断回数と負荷電流値の関係を示すグラフであ
る。図中、●は無振動切断であり、○は20Hzの振動
切断である。
【0033】図10から明らかなように、無振動切断時
においては、切断回数を重ねると負荷電流値は切断回数
の増加に比例して増大していることがわかる。この理由
としては、無振動切断時においては切削部への加工液の
流入及び切屑の排除を行うことが困難であることが原因
で、切断回数を重ねるに伴って砥粒の摩耗・摩減現象が
生じ、切断能率が除々に低下するためであると考えられ
る。一方、振動切断時においては切断回数を重ねても負
荷電流値はほぼ一定であることがわかる。これより、ミ
スト状の加工液を使用した場合においても、振動による
加工液の流入出効果で、外周刃ブレードのドレッシング
が十分に行われたことが明らかとなった。
【0034】
【発明の効果】従来の方法で加工液を供給しても、また
ミスト状の加工液を供給しても、振動切断の場合は無振
動切断の場合に比較して、研削負荷が軽減される。また
チッピング量が軽減されて加工精度が向上する。また、
外周刃ブレードの前方及び両側方からミスト状の加工液
を供給し、かつ、加工液の流量を30g/min以上供
給することによって、従来の供給方式の場合と同程度の
加工精度を維持しながら、加工液の使用量を飛躍的に減
少させることができる。従って、ミスト状の加工液を供
給しながら振動切断することにより、従来と同程度の加
工精度を維持した状態で研削能率を高めることができ、
かつ、加工液の使用量を低減することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切断加工法の斜視図
【図2】外周刃ブレードとワークとが接触している状態
を示す模式図
【図3】外周刃ブレードとワークとが離隔している状態
を示す模式図
【図4】本発明の外周刃切断装置の正面図
【図5】加振装置の断面図
【図6】エア圧に対する加工液の限界流量を示すグラフ
【図7】全加工流量に対する負荷電流値を示すグラフ
【図8】全加工流量に対する表面粗さを示すグラフ
【図9】全加工流量に対するチッピング量を示すグラフ
【図10】切断回数に対する負荷電流値を示すグラフ
【図11】従来の加工液供給ノズルを示す斜視図
【図12】従来の外周刃切断加工法を示す平面図
【符号の説明】
1 ダイヤモンド砥粒 3 スピンドル 4 複合ノズル 5 吐出管 6 噴射管 8 ワーク 12 切削部 18 加振装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畝田 道雄 石川県石川郡野々市町扇が丘7の1 金沢 工業大学内 Fターム(参考) 3C069 AA01 BA04 BB01 BC01 CA02 CA03 CB01 CB04 DA06 DA07 EA01 EA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液をワークの切削部に供給しながら
    高速回転している外周刃ブレードの水平な接線方向にワ
    ークを送って切断する外周刃切断加工法において、ワー
    クにその送り方向と直交する方向の微小な振動を与えな
    がら切断することを特徴とする、外周刃切断加工法。
  2. 【請求項2】 外周刃ブレードの前方及び両側方からミ
    スト状の加工液を供給しながら切断することを特徴とす
    る、請求項1記載の外周刃切断加工法。
  3. 【請求項3】 高速回転するスピンドル(3) に固定され
    た外周刃ブレード(2) と、外周刃ブレードの水平な接線
    方向にワーク(8) を送る送り装置(20)と、ワークの切削
    部に加工液を供給する加工液供給ノズルとを備えた外周
    刃切断加工装置において、ワーク(8) にその送り方向と
    直交する方向の微小な振動を与える加振装置(18)を設け
    たことを特徴とする、外周刃切断加工装置。
  4. 【請求項4】 加工液供給ノズルが加工液(11)を供給す
    る給液管(5) とこれに所定角度を成す空気噴射管(6) と
    からなる複合ノズル(4) であり、この複合ノズルを外周
    刃ブレード(2) の前方及び両側方に配置したことを特徴
    とする、請求項3記載の外周刃切断加工装置。
JP19967898A 1998-06-29 1998-06-29 外周刃切断加工法および加工装置 Pending JP2000015622A (ja)

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