JP2003080493A - 切断装置及び切断方法 - Google Patents

切断装置及び切断方法

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JP2003080493A
JP2003080493A JP2001271906A JP2001271906A JP2003080493A JP 2003080493 A JP2003080493 A JP 2003080493A JP 2001271906 A JP2001271906 A JP 2001271906A JP 2001271906 A JP2001271906 A JP 2001271906A JP 2003080493 A JP2003080493 A JP 2003080493A
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cutting
cut
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individual
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JP2001271906A
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Michio Osada
道男 長田
Makoto Matsuo
真 松尾
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Towa Corp
Original Assignee
Towa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工抵抗を低減し、ブレードの長寿命化を可
能にする切断装置及び切断方法を提供する。 【解決手段】 切断装置に、回転軸1と、ブレード2
と、ブレード外周部で連なる仮想的な個別領域3,4,
・・と、ブレード2の側面から離間して回転軸1に固定
された剛性部材5F,5Rと、個別領域3,4,・・と
剛性部材5F,5Rとの間に固定された圧電素子6F,
6R,7F,7R,・・とを備える。基板8を切断する
際に、個別領域3をはさむ圧電素子6F,6Rには互い
に逆位相の電圧が印加され、個別領域4をはさむ圧電素
子7F,7Rには圧電素子6F,6Rの印加電圧とは各
々逆位相の電圧が印加される。これにより、隣接する個
別領域3,4は、基板8に対して交互に離間・接触を繰
り返すので、離間した部分で、切りくずが排出されて加
工抵抗が低減され、ブレード2が冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥粒を含有する円
板状の回転刃、すなわちブレードを使用して被切断物を
切断する、切断装置及び切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン基板、リードフレームや
プリント基板等(以下、基板という)の各領域に装着さ
れたチップ状の電子部品(以下、チップという)を一括
して樹脂封止し、樹脂封止後の基板を切断して、個々の
パッケージを完成させている。この場合には、ブレード
を備えている、ダイサーやスライサー等と呼ばれる装置
を使用する。これらの装置によって基板を切断するに
は、次のようにしている。すなわち、ステージ上に固定
された基板とブレードとを相対的に移動させることによ
って、基板とブレードとを接触させる。これにより、基
板を切断することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の切断加工によれば、加工効率を高める目的でブレー
ドの回転数、つまり周速を増加させた場合には、次のよ
うな問題がある。すなわち、ブレードの回転数を増加さ
せた場合には、被切断物からブレードが受ける加工抵抗
が増大する。したがって、切断加工の効率化が阻害され
るとともに、摩擦熱によってブレードの表面温度が上昇
するのでブレードの寿命が短くなる。更に、加工抵抗が
増大することから、切断後の被切断物において、本来完
全に除去されるべき部分が中途半端に残存して、ばり
(かえり)が発生するおそれがある。特に、チップサイ
ズパッケージ(CSP)を形成する切断工程でばりが発
生した場合には、CSPを実装する工程で、CSPの浮
き、ひいては接続不良を引き起こすおそれがある。した
がって、このようなばりは、CSPの信頼性を低下させ
る原因になる。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、加工効率を向上させ、ばりの発生を
防止するとともに、ブレードの長寿命化を可能にする切
断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明に係る切断装置は、ブレードが被切
断物に接触することにより被切断物を切断する切断装置
であって、ブレードの外周を含む領域において所定の範
囲を区切って設けられた複数の個別領域と、複数の個別
領域に各々対応して設けられ複数の個別領域を各々独立
して所定の方向に振動させる振動機構とを備えたことを
特徴とする。
【0006】これによれば、各個別領域が、被切断物に
断続的に接触してこれを切断することになる。したがっ
て、ブレードと被切断物とが周期的に離間・接触するの
で、切断する際に発生した切りくずが離間した部分を通
って排出されやすくなる。これにより、加工抵抗が低減
されるので、加工効率を向上させることができるととも
に、ばりを防止することができる。また、切断する際に
ブレードで発生した摩擦熱が、離間した部分を通して奪
われる。これにより、ブレードの表面温度が低下するの
で、ブレードの長寿命化を図ることができる。
【0007】また、本発明に係る切断装置は、上述の切
断装置において、振動機構は各々圧電素子からなるとと
もに、ブレードの周方向に沿って隣接する圧電素子同士
には互いに逆位相の電圧が印加されることを特徴とす
る。
【0008】これによれば、ブレードの周方向に沿って
隣接する個別領域同士が互いに逆方向に振動する。した
がって、ある個別領域と被切断物とが離間すると、ブレ
ードの周方向に沿ってその個別領域に隣接する個別領域
と被切断物とが接触する。これにより、隣接する離間さ
れた部分を通して、切りくずが更に排出されやすくなる
ので、加工効率の向上とばりの防止とを図ることができ
る。また、隣接する離間された部分を通して摩擦熱が奪
われることにより、ブレードの表面温度が更に低下する
ので、ブレードの長寿命化を図ることができる。
【0009】また、本発明に係る切断方法は、ブレード
と被切断物とを接触させることにより被切断物を切断す
る切断方法であって、ブレードを回転させる工程と、ブ
レードの外周を含む領域において所定の範囲を区切って
設けられた複数の個別領域に各々対応して設けられ個別
領域を各々独立して所定の方向に振動させる工程と、個
別領域を各々振動させながらブレードと被切断物とを接
触させる工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】これによれば、各個別領域を被切断物に断
続的に接触させて、被切断物を切断する。したがって、
ブレードと被切断物とを周期的に離間・接触させるの
で、切断する際に発生した切りくずを、離間した部分を
通って排出しやすくなる。このことにより、加工抵抗を
低減するので、加工効率を向上させることができるとと
もに、ばりを防止することができる。また、切断する際
にブレードで発生した摩擦熱を、離間した部分を通して
奪うことにより、ブレードの表面温度を低下させるの
で、ブレードの長寿命化を図ることができる。
【0011】また、本発明に係る切断方法は、上述の切
断方法において、振動させる工程では、ブレードの周方
向に沿って隣接する個別領域同士を互いに逆方向に振動
させることを特徴とする。
【0012】これによれば、ブレードの周方向に沿って
隣接する個別領域同士を、互いに逆方向に振動させる。
したがって、ある個別領域と被切断物とを離間させる
と、ブレードの周方向に沿ってその個別領域に隣接する
個別領域と被切断物とが接触する。これにより、隣接す
る離間した部分を通して、更に切りくずを排出しやすく
なるので、加工効率の向上とばりの防止とを図ることが
できる。また、隣接する離間した部分を通して摩擦熱を
奪うことにより、ブレードの表面温度を更に低下させる
ので、ブレードの長寿命化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明に係る
切断装置の第1の実施形態を、図1〜図3を参照して説
明する。図1(A)及び(B)は、本実施形態に係る切
断装置の要部をそれぞれ示す、正面図及び側面図であ
る。図1において、1はモータ等の回転手段に接続され
た回転軸、2は回転軸1に固定された円板状のブレード
である。3,4,・・・は、ブレード2の外周を含む領
域において所定の範囲を区切って設けられた個別領域で
ある。5F,5Rは、ブレード2をはさみ、かつブレー
ド2から所定の間隔を置いて取り付けられた剛性部材で
ある。6F,7F,・・・は、ブレード2と剛性部材5
Fとの間において、個別領域3,4,・・・に対応して
それぞれ設けられた圧電素子である。6R,7R,・・
・は、ブレード2と剛性部材5Rとの間において、個別
領域3,4,・・・に対応してそれぞれ設けられた圧電
素子である。
【0014】圧電素子6F及び圧電素子6R,圧電素子
7F及び圧電素子7R,・・・は、それぞれ個別領域
3,4,・・・における周方向に沿った中央部でブレー
ド2をはさんで固定されている。また、圧電素子6F,
7F,・・・及び6R,7R,・・・は、所定の電圧+
V,−Vを発生可能な電源(図示なし)に、それぞれ導
線等の電圧供給手段(図示なし)を介して接続されてい
る。そして、各圧電素子6F,7F,・・・及び6R,
7R,・・・は、電圧+Vが印加された場合には伸長
し、電圧−Vが印加された場合には収縮するように動作
する。
【0015】図1の切断装置が、被切断物を切断する際
の動作を説明する。図2(A)及び(B)は、ブレード
2の各個別領域が所定の方向に微小振動する状態をそれ
ぞれ示す、正面図及び側面図である。図3(A)及び
(B)は、ブレード2の各個別領域が、図2に示された
方向とは逆の方向に微小振動する状態をそれぞれ示す、
正面図及び側面図である。
【0016】まず、回転軸1を使用して、ブレード2を
図1(A)に示された方向に回転させる。
【0017】次に、各圧電素子6F,7F,・・・及び
各圧電素子6R,7R,・・・に対して、次のようにし
て電圧を供給する。ブレード2をはさんで相対向する圧
電素子、例えば圧電素子6F,6Rには、互いに逆位相
の電圧を印加する。また、剛性部材5Fの側で周方向に
沿って並ぶ圧電素子6F,7F,・・・において隣接す
る圧電素子同士、例えば圧電素子6F,7Fには、互い
に逆位相の電圧を印加する。その結果として、剛性部材
5Rの側で周方向に沿って並ぶ圧電素子6R,7R,・
・・において隣接する圧電素子同士、例えば圧電素子6
R,7Rにも、互いに逆位相の電圧を印加することにな
る。具体的には、圧電素子6R,7Fに電圧+Vを印加
してこれらを伸長させるとともに、圧電素子6F,7R
に電圧−Vを印加してこれらを収縮させる。これによ
り、図2(B)に示すように、ブレード2において圧電
素子6R,6Fにはさまれた個別領域3は、図の左側へ
押圧されて、ブレード2自体の弾性により左に微小に変
位する。同様に、圧電素子7R,7Fにはさまれた個別
領域4は、図の右側へ押圧されて、右に微小に変位す
る。したがって、ブレード2全体では、外周端部が、個
別領域3,4,・・・単位で交互に逆方向に、微小に変
位することになる。
【0018】次に、各圧電素子6F,7F,・・・及び
各圧電素子6R,7R,・・・に印加する電圧の位相
を、直前の状態からそれぞれ反転させる。すなわち、圧
電素子6R,7Fに電圧−Vを印加してこれらを収縮さ
せるとともに、圧電素子6F,7Rに電圧+Vを印加し
てこれらを伸長させる。これにより、図3(B)に示す
ように、圧電素子6R,6Fにはさまれた個別領域3は
右に微小に変位するとともに、圧電素子7R,7Fには
さまれた個別領域4は左に微小に変位する。
【0019】次に、各圧電素子6F,7F,・・・及び
各圧電素子6R,7R,・・・に印加する電圧の位相
を、再び直前の状態からそれぞれ反転させる。これによ
り、各個別領域3,4,・・・は、図2(B)に示され
たように変位する。
【0020】以下、図2及び図3に示された状態を周期
的に繰り返す。したがって、ブレード2全体では、個別
領域3,4,・・・において隣接する個別領域が、互い
に逆方向に微小に変位して振動することになる。
【0021】図1の切断装置が被切断物を切断する際の
作用を、図4を参照して説明する。図4(A)はブレー
ド2の個別領域が所定の方向に微小振動して基板を切断
する状態を、図4(B)はその個別領域が逆の方向に微
小振動して基板を切断する状態を、それぞれ示す断面図
である。図4において、8は被切断物である基板、9は
基板8を固定する粘着テープである。10は、基板8が
切削されることにより基板8に生じた開口である。1
1,12は、それぞれ基板8が切削されることにより生
じた切りくずである。
【0022】まず、ブレード2を所定の方向に回転させ
るとともに、各圧電素子6F,・・・及び6R,・・・
に対して、電圧+V,−Vを、上述の説明のように周期
的に供給する。すなわち、図4(A)に示すように、圧
電素子6Rに電圧−Vを印加してこれを収縮させるとと
もに、圧電素子6Fに電圧+Vを印加してこれを伸長さ
せる。これにより、圧電素子6R,6Fにはさまれた個
別領域は右に微小に変位する。
【0023】次に、ブレード2と被切断物である基板8
とを、相対的に移動させながら接触させる。これによ
り、基板8は切削されて、開口10が生じる。ブレード
2と基板8とが接触する領域には、水(図示なし)を供
給しておく。
【0024】ここで、基板8は、以下のプロセスにより
切断される。まず、図4(A)に示すように、ブレード
2において、圧電素子6R,6Fにはさまれた個別領域
は右に微小に変位するので、右側の切削面が基板8に接
触する。これにより、基板8が切削されるとともに切り
くず11が発生するが、切削面が基板8に接触している
ので、切りくず11は排出されにくい。また、それ以前
に左側の切削面が基板8に接触することにより発生した
切りくず12が、左側の切削面と開口10の内壁との間
において離間された部分から、供給された水により開口
10の外へ効果的に排出される。その後に、図4(B)
に示すように、圧電素子6Rに電圧+Vを印加してこれ
を伸長させるとともに、圧電素子6Fに電圧−Vを印加
してこれを収縮させる。これにより、圧電素子6R,6
Fにはさまれた個別領域は左に微小に変位するので、左
側の切削面が基板8に接触する。したがって、基板8が
切削されるとともに切りくず12が発生する。また、そ
れ以前に右側の切削面が基板8に接触することにより発
生した切りくず11が、右側の切削面と開口10の内壁
との間において離間された部分から、供給された水によ
り開口10の外へ効果的に排出される。また、いずれの
場合にも、ブレード2が基板8を切断する際にブレード
2の両側の切削面に発生した摩擦熱が、切削面付近で片
側ずつ交互に離間された部分に供給される水によって、
効果的に奪われる。
【0025】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、切りくず11,12が開口10の外へ排出されやす
くなる。これにより、基板8を切断する際の加工抵抗が
低減される。したがって、切断する際の加工効率を向上
させることができるとともに、ばりの発生を防止するこ
とができる。更に、切断により発生した摩擦熱をブレー
ド2の切削面から奪うことにより、ブレード2の表面温
度を低下させる。したがって、ブレード2の長寿命化を
図ることができる。
【0026】なお、本実施形態では粘着テープ9を使用
したが、これに代えて、吸着により基板8を固定する治
具を使用することもできる。切断する際にブレード2が
治具と接触しないようにするために、この治具には、切
断する領域の下方に相当する部分に溝を設けておくとよ
い。
【0027】また、いわゆるフルカットの場合について
説明したが、厚さ方向の部分的な切断、すなわちハーフ
カットの場合についても本発明を適用することができ
る。
【0028】(第2の実施形態)本発明に係る切断装置
の第2の実施形態について、図5を参照して説明する。
図5(A)及び(B)は、本実施形態に係る切断装置の
要部の動作をそれぞれ示す、正面図及び側面図である。
【0029】図5において、13は、回転軸1に固定さ
れた円板状の剛性部材である。14は、剛性部材13に
嵌装された円環状の保持部材である。15は、保持部材
14に嵌装された円環状のブレードである。16,1
7,18,19,・・・は、ブレード15において所定
の範囲を区切って仮想的に設けられた個別領域である。
20,21,22,23,・・・は、各個別領域16,
17,18,19,・・・に対応して保持部材14にお
いて半径方向に設けられた貫通孔に、それぞれ伸縮自在
に嵌装された圧電素子である。
【0030】図5の切断装置の動作を説明する。まず、
第1の実施形態と同様に、ブレード15を図5(A)に
示された方向に回転させる。
【0031】次に、各圧電素子20,21,22,2
3,・・・に対して、互いに隣接する圧電素子に逆位相
の電圧が印加されるように、電圧を供給する。具体的に
は、図5(A)に示されているように、圧電素子21,
23,・・・に電圧+Vを印加してこれらを伸長させる
とともに、圧電素子20,22,・・・に電圧−Vを印
加してこれらを収縮させる。これにより、ブレード15
の個別領域17,19,・・・は突出するとともに、個
別領域16,18,・・・は初期状態を保つ。
【0032】次に、各圧電素子20,21,22,2
3,・・・に対して、直前に印加した電圧とは逆位相の
電圧を印加する。すなわち、圧電素子21,23,・・
・に電圧−Vを印加してこれらを収縮させるとともに、
圧電素子20,22,・・・に電圧+Vを印加してこれ
らを伸長させる。
【0033】次に、再び、各圧電素子20,21,2
2,23,・・・に対して、直前に印加した電圧とは逆
位相の電圧を印加し、以下、これを周期的に繰り返す。
したがって、ブレード15全体では、1個おきの個別領
域17,19,・・・が突出して変位した後に、これら
に隣接する1個おきの個別領域16,18,・・・が突
出して変位し、再び個別領域17,19,・・・が突出
して変位することを繰り返す。
【0034】次に、ブレード15と被切断物である基板
(図示なし)とを、相対的に移動させながら接触させ
る。ここで、第1の実施形態と同様に、ブレード15と
基板とが接触する領域には、水(図示なし)を供給して
おく。
【0035】本実施形態によれば、基板が切断される際
に、まず、回転するブレード15のうち突出する個別領
域、例えば図5(A)の個別領域17,19,・・・が
基板に押し当てられて、基板が切削され、切りくず(図
示なし)が発生する。次に、個別領域17,19,・・
・が初期状態に復帰するとともに、個別領域16,1
8,・・・が突出する。これを繰り返すことにより、発
生した切りくずが、初期状態に復帰した個別領域の切削
面と基板との間において離間された部分から、供給され
た水により排出される。また、ブレード15が基板を切
断する際にブレード15の切削面に発生した摩擦熱が、
初期状態に復帰した個別領域の切削面と基板との間にお
いて離間された部分に供給される水によって奪われる。
【0036】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、切りくずが排出されやすいので、基板を切断する際
の加工抵抗が低減される。したがって、切断の加工効率
を向上させることができるとともに、ばりの発生を防止
することができる。更に、摩擦熱をブレード15の切削
面から奪うことによって、ブレード15の表面温度を低
下させる。したがって、ブレード15の長寿命化を図る
ことができる。
【0037】(第3の実施形態)本発明に係る切断装置
の第3の実施形態について、図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る切断装置の要部の動作を示す
正面図である。
【0038】図6において、24は、回転軸1に固定さ
れた、円板状の剛性部材である。25は、後述する複数
の圧電素子を介して剛性部材24に固定された円環状の
ブレードである。26,27,28,29,・・・は、
ブレード25において所定の範囲を区切って仮想的に設
けられた個別領域である。30,31,32,33,・
・・は、各個別領域26,27,28,29,・・・に
対応して、剛性部材24とブレード25との間に、周方
向に縦列になるようにして嵌装された圧電素子である。
【0039】図6の切断装置の動作を説明する。まず、
第1及び第2の実施形態と同様に、ブレード25を図6
に示された方向に回転させる。
【0040】次に、各圧電素子30,31,32,3
3,・・・に対して、互いに隣接する圧電素子に逆位相
の電圧が印加されるように、電圧を供給する。具体的に
は、図6に示されているように、圧電素子30,32,
・・・に電圧+Vを印加してこれらを伸長させるととも
に、圧電素子31,33,・・・に電圧−Vを印加して
これらを収縮させる。これにより、ブレード25の個別
領域27,29,・・・は突出するとともに、個別領域
26,28,・・・は初期状態からへこむようにして退
く。
【0041】次に、各圧電素子30,31,32,3
3,・・・に対して、直前に印加した電圧とは逆位相の
電圧を印加する。すなわち、圧電素子30,32,・・
・に電圧−Vを印加してこれらを収縮させるとともに、
圧電素子31,33,・・・に電圧+Vを印加してこれ
らを伸長させる。これにより、個別領域27,29,・
・・は初期状態からへこむようにして退くとともに、個
別領域26,28,・・・は突出する。
【0042】次に、再び、各圧電素子30,31,3
2,33,・・・に対して、直前に印加した電圧とは逆
位相の電圧を印加し、以下、これを周期的に繰り返す。
したがって、ブレード25全体では、1個おきの個別領
域27,29,・・・が突出して変位した後に、隣接す
る1個おきの個別領域26,28,・・・が突出して変
位し、再び個別領域27,29,・・・が突出して変位
することを繰り返す。
【0043】以上のようにして動作する切断装置を使用
して、第2の実施形態と同様に基板を切断する。これに
より、本実施形態によっても、基板を切断する際の加工
抵抗が低減されるので、切断の加工効率を向上させるこ
とができるとともに、ばりの発生を防止することができ
る。また、ブレード25の表面温度を低下させることに
より、ブレード25の長寿命化を図ることができる。
【0044】また、本実施形態においては、次のような
変形例が考えられる。この変形例では、ブレードが両側
から剛性部材によって挟持される。そして、それらの剛
性部材とブレードとの間には、圧電素子が回転軸を中心
にして放射状に設けられている。更に、各圧電素子は、
回転軸に近い側の端部が剛性部材に固定されているとと
もに、ブレードの外周に近い側の端部がブレードに固定
されている。この変形例によっても、ブレードの外周に
おいて、圧電素子が伸長した部分が突出し、圧電素子が
収縮した部分がへこむようにして退く。したがって、本
変形例に係る切断装置を使用した場合においても、各圧
電素子に適当な電圧を印加することにより、切断の加工
効率を向上させ、ばりの発生を防止するとともに、ブレ
ードの長寿命化を図ることができる。
【0045】なお、上述の各実施形態では、ブレード
2,15,25は、ある程度の弾性を有する構造である
ことが好ましい。例えば、レジノイド法、すなわち、樹
脂を結合材として使用して砥粒を焼結する方法によって
製造されるブレードを、使用することができる。
【0046】また、ブレード5,15,25が基板をア
ッパーカットする場合について説明した。これに限ら
ず、ブレード5,15,25が基板をダウンカットする
場合についても、本発明を適用することができる。
【0047】また、被切断物として、樹脂封止後のシリ
コン基板、リードフレームやプリント基板等を使用する
場合について説明した。これに限らず、被切断物は、例
えばシリコン基板等自体や、シリコンインゴット、SO
I(Silicon OnInsulator)基板、
化合物半導体基板、ガラス基板、セラミック基板、金属
ベース基板、石材、宝石類、結晶体等であってもよい。
【0048】また、ブレード5の形状を単純な円板状と
したが、これに代えて、鋸刃を有する円板状とすること
もできる。更に、ブレード15,25の形状を単純な円
環状としたが、これに代えて、鋸刃を有する円環状とす
ることもできる。これらの場合には、鋸刃のそれぞれが
個別領域に相当することになる。
【0049】また、周方向に沿って隣接する圧電素子
に、互いに逆位相の電圧を印加した。これに代えて、周
方向に沿って隣接する圧電素子に、同位相の電圧を印加
することもできる。この場合には、第1の実施形態で
は、各個別領域が、同じタイミングで軸方向の同一方向
に微小に変位して振動する。また、第2及び第3の実施
形態では、各個別領域が、同じタイミングで、半径方向
に突出して変位した後にへこむように退いて変位し、こ
れを繰り返して振動する。そして、いずれの場合でも、
切断する際の加工効率の向上と、ばりの発生の防止と、
ブレードの長寿命化とを図ることができる。
【0050】また、本発明は、上述の各実施形態に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更し、選択し、
又は組み合わせて採用できるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ブレードの各個別領域
が微小に変位することにより、ブレードの切削面と被切
断物とが、周期的に離間・接触する。これにより、離間
した部分において、切りくずが排出されやすくなるとと
もに、ブレードで発生した摩擦熱が奪われる。したがっ
て、加工抵抗の低減による加工効率の向上及びばりの防
止と、ブレードの長寿命化とを図ることができる。以上
のように、本発明は、加工効率の向上と、ばりの防止
と、ブレードの長寿命化とを可能にする切断装置及び切
断方法を提供できるという、優れた実用的な効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は、本発明の第1の実施形態
に係る切断装置の要部をそれぞれ示す、正面図及び側面
図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1の切断装置が有する
ブレードの各個別領域が所定の方向に微小振動する状態
をそれぞれ示す、正面図及び側面図である。
【図3】(A)及び(B)は、図1の切断装置が有する
ブレードの各個別領域が、図2に示された方向とは逆の
方向に微小振動する状態をそれぞれ示す、正面図及び側
面図である。
【図4】(A)はブレードの個別領域が所定の方向に微
小振動して基板を切断する状態を、(B)はその個別領
域が逆の方向に微小振動して基板を切断する状態を、そ
れぞれ示す断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、本発明の第2の実施形態
に係る切断装置の要部の動作をそれぞれ示す、正面図及
び側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る切断装置の要部
の動作を示す正面図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 ブレード 3,4 個別領域 5F,5R 剛性部材 6F,6R,7F,7R 圧電素子(振動機構) 8 基板(被切断物) 9 粘着テープ 10 開口 11,12 切りくず 13 剛性部材 14 保持部材 15 ブレード 16,17,18,19 個別領域 20,21,22,23 圧電素子(振動機構) 24 保持部材 25 ブレード 26,27,28,29 個別領域 30,31,32,33 圧電素子(振動機構)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレードが被切断物に接触することによ
    り前記被切断物を切断する切断装置であって、 前記ブレードの外周を含む領域において所定の範囲を区
    切って設けられた複数の個別領域と、 前記複数の個別領域に各々対応して設けられ前記複数の
    個別領域を各々独立して所定の方向に振動させる振動機
    構とを備えたことを特徴とする切断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の切断装置において、 前記振動機構は各々圧電素子からなるとともに、 前記ブレードの周方向に沿って隣接する圧電素子同士に
    は互いに逆位相の電圧が印加されることを特徴とする切
    断装置。
  3. 【請求項3】 ブレードと被切断物とを接触させること
    により前記被切断物を切断する切断方法であって、 前記ブレードを回転させる工程と、 前記ブレードの外周を含む領域において所定の範囲を区
    切って設けられた複数の個別領域に各々対応して設けら
    れ前記個別領域を各々独立して所定の方向に振動させる
    工程と、 前記個別領域を各々振動させながら前記ブレードと前記
    被切断物とを接触させる工程とを備えたことを特徴とす
    る切断方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の切断方法において、 前記振動させる工程では、前記ブレードの周方向に沿っ
    て隣接する個別領域同士を互いに逆方向に振動させるこ
    とを特徴とする切断方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004291636A (ja) * 2003-03-13 2004-10-21 Kazumasa Onishi 円盤状ブレード及び切断装置
CN111113966A (zh) * 2019-12-31 2020-05-08 浙江泽安电力设备有限公司 一种电力管道加工方法

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CN111113966B (zh) * 2019-12-31 2020-11-10 安吉兴华电力管道股份有限公司 一种电力管道加工方法

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