JP2002012695A - 熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法Info
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Abstract
微多孔膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と溶剤(A)とを溶融混練さ
せて得られた溶液を押し出し、冷却して得られたゲル状
成形物から残存する前記溶剤(A)を除去する熱可塑性樹
脂微多孔膜の製造方法において、前記溶剤(A)を除去す
るに際し、前記溶剤(A)と相溶性を有し、前記熱可塑性
樹脂とは相溶性が無く、かつ、沸点が100℃以上であっ
て引火点0℃以上の非水系溶剤(B)を用いて二段階以上
の工程で処理することにより、環境への負荷を低減しつ
つ、かつ効率良く熱可塑性樹脂微多孔膜を製造すること
ができる。尚、前記ゲル状成形物を延伸する場合、前記
溶剤(A)の除去は、延伸前及び/又は延伸後に行うこと
ができる。
Description
孔膜の製造方法に関し、特に、環境への負荷を低減し、
乾燥工程中に引火爆発の危険性を低下できる製造方法に
関する。
性樹脂微多孔膜は、電池セパレーター、電解コンデンサ
ー用隔膜、各種フィルター、透湿防水衣料、逆浸透濾過
膜、限外濾過膜及び精密濾過膜等の各種用途に用いられ
ている。
剤法、乾式法及び開孔延伸法等があるが、この中で溶剤
法が一般に用いられている。溶剤法は、熱可塑性樹脂に
溶剤を添加し、溶融混練した後に溶剤を除去する工程を
含み、この溶剤除去工程の効率性が、熱可塑性樹脂微多
孔膜の生産性だけでなく、微多孔膜の機械物性にも影響
を与える。溶剤除去工程には、従来から塩化メチレンを
始めとする低沸点の塩素化アルカンや、ヘキサン等の沸
点の低い脂肪族炭化水素系化合物が使用されている。低
沸点の塩素化アルカンは、洗浄力が高く、かつ乾燥工程
が容易になる等の長所を有してはいるが、環境汚染上の
観点から、その使用に対する規制が強化される方向にあ
る。また、低沸点の脂肪族炭化水素系化合物に関して
は、乾燥工程における引火爆発の危険性が高い上、大気
中に放出されやすいため、一部の県では放出を規制する
条例が施行されている。
えば、特開平6-256559号及び特開平6-298985号には、有
機溶剤と水との混合溶剤及び界面活性剤水溶液等の代替
溶剤が提案されている。しかし、これらのような準水系
及び水系溶剤は、熱可塑性樹脂に含まれる溶剤に対し、
必ずしも十分な洗浄力を有しているとは言えない。
低減可能であるとともに効率良く溶剤除去でき、かつ、
乾燥工程中に引火爆発の危険性の低い熱可塑性樹脂微多
孔膜の製造方法を提供することである。
の結果、本発明者らは、熱可塑性樹脂と溶剤(A)とを溶
融混練させて得られた溶液を押し出し、冷却して得られ
たゲル状成形物から残存する前記溶剤(A)を除去する熱
可塑性樹脂微多孔膜の製造方法において、前記溶剤(A)
を除去するに際し、沸点が100℃以上かつ引火点が0℃
以上の非水系溶剤(B)を用いて二段階以上の工程で処理
することにより、上記問題を解決できることを見出し、
本発明に想到した。
工程において、沸点が100℃以上かつ引火点が0℃以上
の非水系溶剤(B)を用いて二段階以上の工程で処理する
ことを特徴とする。これにより、環境への負荷が低い微
多孔膜の製造方法を提供できる。
可塑性樹脂は、下記条件(1)〜(5)を満たす。
レフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレンス
ルフィドの中から選ばれることが好ましく、これらの熱
可塑性樹脂を単独で用いても良いし、2種以上を混合し
て用いても良い。これらの中で特に好ましいものはポリ
オレフィンである。
エチレン、ポリプロピレン、ボリブテン-1の中から少な
くとも一種以上選ばれることが好ましく、より好ましく
はポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
平均分子量5×105以上のポリオレフィンが好ましく、重
量平均分子量1×106〜15×106のポリオレフィンがより
好ましい。また、熱可塑性樹脂として、かかる重量平均
分子量を有するポリオレフィンを含む組成物を用いるこ
とも好ましく、より好ましくは重量平均分子量5×105以
上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×104
以上5×105未満の高密度ポリエチレンとからなる組成物
である。
レフィン組成物の重量平均分子量/数平均分子量(以
下、「Mw/Mn」と記載する)は、5〜300であることが好
ましい。
平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンと重量
平均分子量1×104以上5×105未満の高密度ポリエチレ
ンとシャットダウン機能(電池内部の温度上昇時に、発
火等の事故を防止するため、微多孔膜が溶融して微多孔
を目詰りさせ、電流を遮断する機能)を付与するポリオ
レフィンとからなり、前記シャットダウン機能を付与す
るポリオレフィンが、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、分子量1×103〜4×103の低分子量ポリエ
チレン又はシングルサイト触媒を用いて製造されたエチ
レン/α-オレフィン共重合体の中から少なくとも一つ
選ばれるものであることが好ましい。
溶剤(A)とは異なる溶剤を用いて多段階処理する工程
は、二段〜五段階の工程で行うことが好ましい。
の工程において、第一段階の工程で、非水系溶剤(B)を
用いる。
水系溶剤(B)は、下記条件(6)〜(17)を満たす群の中か
ら少なくとも一種以上選ぶことができる。
ン、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換さ
れた炭素数5以上のノルマルパラフィン、炭素数8以上
のイソパラフィン、炭素数7以上のシクロパラフィン、
水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された
炭素数5以上のシクロパラフィン、炭素数7以上の芳香
族炭化水素、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子
で置換された炭素数6以上の芳香族炭化水素、水素原子
の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数5
〜1Oのアルコール、水素原子の一部がハロゲン原子で置
換されることのある炭素数7〜14のエステル及びエーテ
ル、炭素数5〜10のケトンの中から少なくとも一種以上
選ばれることが好ましい。
ィンは、炭素数8〜12であることが好ましく、より好ま
しくはノルマルオクタン、ノルマルノナン、ノルマルデ
カン、ノルマルウンデカン、ノルマルドデカンの中から
少なくとも一種以上選ばれるものが好ましい。
ロゲン原子で置換された炭素数5以上のノルマルパラフ
ィンは、1-クロロペンタン、1-クロロヘキサン、1-クロ
ロヘプタン、1-クロロオクタン、1-ブロモペンタン、1-
ブロモヘキサン、1-ブロモヘプタン、1-ブロモオクタ
ン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン、1,
7-ジクロロヘプタンの中から少なくとも一種以上選ばれ
ることが好ましい。
は、2,3,4-トリメチルペンタン、2,2,3-トリメチルペン
タン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘ
キサン、2,3,5-トリメチルヘプタン、2,5,6-トリメチル
オクタンの中から少なくとも一種以上選ばれることが好
ましい。
ンは、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロ
ヘキサン、シス-及びトランス-1,2-ジメチルシクロヘキ
サン、シス-及びトランス-1,3-ジメチルシクロヘキサ
ン、シス-及びトランス-1,4-ジメチルシクロヘキサンの
中から少なくとも一種以上選ばれることが好ましい。
で置換された炭素数5以上のシクロパラフィンは、クロ
ロシクロペンタン、クロロシクロヘキサンの中から少な
くとも一種以上選ばれることが好ましい。
は、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキ
シレンの中から少なくとも一種以上選ばれることが好ま
しい。
で置換された炭素数6以上の芳香族炭化水素がクロロベ
ンゼン、2-クロロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロ
ロトルエン、3-クロロオルトキシレン、4-クロロオルト
キシレン、2-クロロメタキシレン、4-クロロメタキシレ
ン、5-クロロメタキシレン、2-クロロパラキシレンの中
から少なくとも一種以上選ばれることが好ましい。
で置換されることのある炭素数5〜10のアルコールは、
イソペンチルアルコール、ターシャリーペンチルアルコ
ール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、3-メ
トキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノ
ール、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル、
5-クロロ-1-ペンタノールの中から少なくとも一種以上
選ばれることが好ましい。
で置換されることのある炭素数7〜14のエステルは、炭
酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ノルマルプロピ
ル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソペンチル、酢酸3-メ
トキシブチル、酢酸3-メトキシ-3-メチルブチル、ノル
マル酪酸エチル、ノルマル吉草酸エチル、酢酸2-クロロ
エチルの中から少なくとも一種以上選ばれることが好ま
しい。
で置換されることのある炭素数7〜14のエーテルとして
はノルマルブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ビ
スクロロエチルエーテルの中から少なくとも一種以上選
ばれることが好ましい。
ンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノ
ン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンの中から少な
くとも一種以上選ばれることが好ましい。
て、C5H2F10の組成式で示される鎖状ハイドロフルオロ
カーボン、C4F9OCH3及びC4F9OC2H5の組成式で示される
ハイドロフルオロエーテル、C5H3F7の組成式で示される
環状ハイドロフルオロカーボンの中から少なくとも一種
以上選ばれる溶剤を混合したものを使用することが好ま
しい。
上の工程において、最終段階の工程で、オゾン破壊性が
なく、かつ沸点100℃以下の溶剤(C)で処理することが好
ましい。前記溶剤(C)としては、下記条件(18)〜(20)を
満たすことが好ましい。
1〜4のアルコールと水との混合物、C5H2F10の組成式
で示される鎖状ハイドロフルオロカーボン、C4F9OCH3及
びC4F9OC2H5の組成式で示されるハイドロフルオロエー
テル、C5H3F7の組成式で示される環状ハイドロフルオロ
カーボンから少なくとも一種以上選ばれることが好まし
い。
ノルマルプロパノール、イソプロパノール、セカンダリ
ーブタノール、ターシャリーブタノールの中から少なく
とも一種以上選ばれることが好ましい。
との混合物に使用されるアルコールがメタノール、エタ
ノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、セ
カンダリーブタノール、ターシャリーブタノールから選
ばれることが好ましい。
塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアリレンスルフィドが好ましい。より好
ましくはポリオレフィンである。
×105以上のものが好ましく、1×10 6〜15×106のもの
がより好ましい。重量平均分子量が5×105未満では延伸
時に破断が起こりやすいため、好適な微多孔膜を得るこ
とは困難である。
子量が5×105である超高分子量ポリエチレンを用いるこ
とが好ましい。
合体のみならず、他のα-オレフィンを少量含有する共
重合体であってもよい。エチレン以外の他のα-オレフ
ィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、ペ
ンテン-1,4-メチルペンテン-1、オクテン、酢酸ビニ
ル、メタクリル酸メチル、スチレンが好ましい。
子量5×105以上のポリオレフィンを含有するポリオレフ
ィン組成物を用いることも可能である。前記ポリオレフ
ィン組成物は、重量平均分子量5×105以上のポリオレフ
ィンと重量平均分子量1×104以上5×105未満のポリオレ
フィンとからなる組成物が好ましい。重量平均分子量が
5×105未満のポリオレフィンを含有していない組成物で
は、延伸時に破断が起こりやすいため、好適な微多孔膜
を得ることは困難である。また、ポリオレフィン及びポ
リオレフィン組成物の重量平均分子量の上限は、15×10
6以下にすることにより、溶融押出を容易にすることが
できる。
平均分子量5×105以上のポリオレフィンとしては、超高
分子量ポリエチレンが好ましいが、他のα-オレフィン
を少量含有する共重合体であってもよい。
て、重量平均分子量1×104以上5×105未満のポリオレフ
ィンとしては、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレン
の種類は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンが好まし
く、より好ましくは高密度ポリエチレンである。これら
はエチレンの単独重合体のみならず、他のα-オレフィ
ンを少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以
外の他のα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-
1、ヘキセン-1、ペンテン-1,4-メチルぺンテン-1、オク
テン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレンが好
ましい。
ルトダウン温度(熱可塑性微多孔膜の破膜温度)を向上
させるために、ポリプロピレンを添加することが好まし
い。
のほかに、ブロック共重合体、ランダム共重合体も使用
することができる。ブロック共重合体、ランダム共重合
体には、プロピレン以外の他のα-オレフィンとの共重
合成分を含有することができ、前記他のα-オレフィン
としてはエチレンが好ましい。
ー用途としての特性を向上させるため、シャットダウン
機能を付与するポリオレフィンとして、前述の低密度ポ
リエチレンを用いることができる。低密度ポリエチレン
としては、分岐状の低密度ポリエチレン(LDPE)、線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト触媒に
より製造されたエチレン/α-オレフィン共重合体のう
ち、少なくとも一種以上選ばれるポリオレフィンを添加
することができる。
ター用途としての特性を向上させるため、シャットダウ
ン機能を付与するポリオレフィンとして、重量平均分子
量1×103〜4×103の低分子量ポリエチレンを添加しても
よい。但し、添加量が多いと延伸する場合に破断が起こ
り易くなるので、その添加量は、熱可塑性樹脂全体を10
0重量部としてその20重量部以下にすることが好まし
い。
レフィン組成物のMw/Mnは、5〜300が好ましく、10〜10
0がより好ましい。Mw/Mnが5未満では高分子量成分が多
くなり過ぎて溶融押出が困難になり、Mw/Mnが300を超
えると低分子量成分が多くなり過ぎるために強度の低下
を招く。
熱可塑性樹脂に溶剤を添加して溶融混練し、熱可塑性樹
脂溶液を調製する工程、(b)熱可塑性樹脂溶液をダイリ
ップより押し出し、冷却してゲル状成形物を形成する工
程、(c)ゲル状成形物から溶剤除去する工程、並びに(d)
得られた膜を乾燥する工程を含む。更に、(a)〜(d)の工
程の後、必要に応じて、(e)電離放射による架橋処理、
(f)熱処理、及び(g)親水化処理等を行ってもよい。
融混練し、熱可塑性樹脂溶液を調製する工程 本発明の製造方法では、まず熱可塑性樹脂に適当な溶剤
(A)を添加して溶融混練し、熱可塑性樹脂溶液を調製す
る。熱可塑性樹脂溶液には必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機
充填材等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲
で添加することができる。特に、孔形成剤として微粉珪
酸を添加するのが好ましい。
デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動
パラフィン等の脂肪族又は環式の炭化水素、又は沸点が
これらに対応する鉱油留分等を用いることができる。溶
剤含有量が安定なゲル状成形物を得るためには、流動パ
ラフィンのような不揮発性の溶剤を用いるのが好まし
い。
cStであるのが好ましく、50〜200cStであるのがより好
ましい。25℃における粘度が30cSt未満では、不均一な
ダイリップからの吐出を生じ、混練が困難であり、また
500cStを超えると、溶剤除去が困難となる。
常、押出機中で均一に混練することにより行う。この方
法は熱可塑性樹脂の高濃度溶液を調製するのに適する。
溶融温度は熱可塑性樹脂の融点+30℃〜+100℃が好ま
しく、通常160〜230℃であるのが好ましく、170〜200℃
であるのがより好ましい。ここで、融点とはJIS K7121
に基づき、示差走査熱量測定(DSC)により求められる
値を言う(以下同様)。前記溶剤(A)は混練開始前に添
加しても、混練中に押出機の途中から添加してもよい
が、混練開始前に添加して予め溶液化するのが好まし
い。溶融混練にあたっては熱可塑性樹脂の酸化を防止す
るために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
脂と前記溶剤(A)との配合割合は、両者の合計を100重量
%として、熱可塑性樹脂が1〜50重量%、好ましくは20
〜40重量%である。熱可塑性樹脂が1重量%未満では、
ゲル状成形物を形成する際にダイス出口でスウェルやネ
ックインが大きくなり、ゲル状成形物の成形性及び自己
支持性が低下する。一方、50重量%を超えると、ゲル状
成形物の成形性が低下する。
押し出し、冷却してゲル状成形物を形成する工程 溶融混練した熱可塑性樹脂溶液を直接に又は別の押出機
を介して、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押
出機を介して、ダイリップから押し出す。ダイリップと
しては、通常長方形の口金形状をしたシート用ダイリッ
プを用いるが、二重円筒状の中空状ダイリップ、インフ
レーションダイリップ等も用いることができる。シート
用ダイリップの場合、ダイリップのギャップは通常0.1
〜5mmであり、押し出し時には140〜250℃に加熱する。
加熱溶液の押し出し速度は0.2〜15m/分であるのが好ま
しい。
加熱溶液を冷却することによりゲル状成形物を形成す
る。冷却は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以
上の速度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅い
と、得られるゲル状成形物の高次構造が粗くなり、それ
を形成する擬似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速
度が速いと、密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分
未満では、結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状成形
物となりにくい。冷却方法としては、冷風、冷却水、そ
の他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却した
ロールに接触させる方法等を用いることができる
ル状成形物を延伸する。延伸を行う場合は、ゲル状成形
物を加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレー
ション法、圧延法又はこれらの方法の組合せによって所
定の倍率で行う。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい
が、二軸延伸が好ましい。また、二軸延伸の場合は、縦
横同時延伸又は逐次延伸のいずれでもよいが、特に同時
二軸延伸が好ましい。延伸により機械的強度が向上す
る。
なるが、一軸延伸では2倍以上が好ましく、より好まし
くは3〜30倍である。二軸延伸では、いずれの方向でも
少なくとも2倍以上とし、面倍率で10倍以上が好まし
く、より好ましくは15〜400倍である。面倍率が10倍未
満では延伸が不十分で高弾性及び高強度の熱可塑性樹脂
微多孔膜が得られない。一方面倍率が400倍を超える
と、延伸装置、延伸操作等の点で制約が生じる。
にするのが好ましく、結晶分散温度から結晶融点未満の
範囲にするのがより好ましい。延伸温度が融点+10℃を
超えると樹脂が溶融し、延伸による分子鎖の配向ができ
ない。また、延伸温度が結晶分散温度未満では樹脂の軟
化が不十分で、延伸において破膜しやすく、高倍率の延
伸ができない。本発明では、延伸温度を通常100〜140
℃、好ましくは110〜120℃とする。ここで、結晶分散温
度とは、ASTM D 4065に基づき動的粘弾性の温度特性測
定により求められる値を言う(以下同様)。
伸前及び/又は延伸後に行うことができるが、延伸後に
行うのが好ましい。
つ引火点0℃以上の非水系溶剤(B)を用いて少なくとも
二段階以上の工程で処理する
上であれば特に制限されないが、通常二段〜五段階であ
り、好ましくは二段〜三段階である。一段階だけの処理
では、前記溶剤(A)を十分除去することができないた
め、得られる熱可塑性樹脂微多孔膜の物性が低下する。
また、各々の段階において同じ溶剤で処理しても、単に
製造工程が長くなるため、熱可塑性樹脂微多孔膜製造設
備のスペースが拡大し、また溶剤除去の効率性が低下す
るため、各段階では互いに異なる溶剤を用いることが好
ましい。但し、互いに異なる溶剤を用いることには限定
されるものではない。従って、例えば三段階の処理の場
合、第一段階及び第二段階において同一の溶剤を用い、
第三段階で第一及び第二段階とは異なる溶剤を用いるこ
ともできる。
段階以上の工程において、少なくとも第一段階の工程
で、沸点100℃以上かつ引火点0℃以上の非水系溶剤(B)
を用い、最終段階の工程で、オゾン破壊性が無く、か
つ、沸点が100℃以下の溶剤(C)で処理することが好まし
い。前記溶剤(B)の引火点について、好ましくは5℃以
上であり、より好ましくは40℃以上である。
の負荷が低く、乾燥工程において引火爆発する危険性が
低いため使用上安全である。また、高沸点であるため凝
縮しやすく、回収が容易となり、リサイクル利用し易
い。尚、本願明細書において、「沸点」とは、1.01×10
5Paにおける沸点を言い、「引火点」とは、JIS K 2265
に基づいて測定したものを言う。
性を有し、前記熱可塑性樹脂とは相溶性を有しないもの
を使用することが好ましい。
を用いるべきであり、これを水溶液化することは、前記
溶剤(A)の除去を十分に行うことができないため、好ま
しくない。
以上のノルマルパラフィン、水素原子の少なくとも一部
がハロゲン原子で置換された炭素数5以上のノルマルパ
ラフィン、炭素数8以上のイソパラフィン、炭素数7以
上のシクロパラフィン、水素原子の少なくとも一部がハ
ロゲン原子で置換された炭素数5以上のシクロパラフィ
ン、炭素数7以上の芳香族炭化水素、水素原子の少なく
とも一部がハロゲン原子で置換された炭素数6以上の芳
香族炭化水素、水素原子の一部がハロゲン原子で置換さ
れることのある炭素数5〜1Oのアルコール、水素原子の
一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数7〜1
4のエステル及びエーテル、炭素数5〜10のケトンから
少なくとも一種以上選ばれるものが好ましい。
しては、ノルマルオクタン、ノルマルノナン、ノルマル
デカン、ノルマルウンデカン、ノルマルドデカンが好ま
しく、より好ましくはノルマルオクタン、ノルマルノナ
ン、ノルマルデカンである。
原子で置換された炭素数5以上のノルマルパラフィンと
しては、1-クロロペンタン、1-クロロヘキサン、1-クロ
ロヘプタン、1-クロロオクタン、1-ブロモペンタン、1-
ブロモヘキサン、1-ブロモヘプタン、1-ブロモオクタ
ン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン、1,
7-ジクロロヘプタンが好ましく、より好ましくは1-クロ
ロペンタン、1-クロロヘキサン、1-ブロモペンタン、1-
ブロモヘキサンである。
は2,3,4-トリメチルペンタン、2,2,3-トリメチルペンタ
ン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキ
サン、2,3,5-トリメチルヘプタン、2,5,6-トリメチルオ
クタンが好ましく、より好ましくは2,3,4-トリメチルペ
ンタン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,2,5-トリメチル
ヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキサンである。
ては、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロ
ヘキサン、シス-及びトランス-1,2-ジメチルシクロヘキ
サン、シス-及びトランス-1,3-ジメチルシクロヘキサ
ン、シス-及びトランス-1,4-ジメチルシクロヘキサンが
好ましく、より好ましくはシクロヘキサンである。
原子で置換された炭素数5以上のシクロパラフィンとし
ては、クロロシクロペンタン、クロロシクロヘキサンが
好ましく、より好ましくはクロロシクロペンタンであ
る。
は、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキ
シレンが好ましく、より好ましくはトルエンである。
原子で置換された炭素数6以上の芳香族炭化水素として
はクロロベンゼン、2-クロロトルエン、3-クロロトルエ
ン、4-クロロトルエン、3-クロロオルトキシレン、4-ク
ロロオルトキシレン、2-クロロメタキシレン、4-クロロ
メタキシレン、5-クロロメタキシレン、2-クロロパラキ
シレンが好ましく、より好ましくはクロロベンゼン、2-
クロロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロロトルエン
である。
されることのある炭素数5〜10のアルコールとしては、
イソペンチルアルコール、ターシャリーペンチルアルコ
ール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、3-メ
トキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノ
ール、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル、
5-クロロ-1-ペンタノールが好ましく、より好ましくは3
-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタ
ノール、プロピレングリコールノルマルブチルエーテ
ル、5-クロロ-1-ペンタノールである。
されることのある炭素数7〜14のエステルとしては炭酸
ジエチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ノルマルプロピ
ル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソペンチル、酢酸3-メ
トキシブチル、酢酸3-メトキシ-3-メチルブチル、ノル
マル酪酸エチル、ノルマル吉草酸エチル、酢酸2-クロロ
エチルが好ましく、より好ましくは酢酸イソペンチル、
酢酸3-メトキシブチル、酢酸3-メトキシ-3-メチルブチ
ル、ノルマル酪酸エチル、酢酸2-クロロエチルである。
されることのある炭素数7〜14のエーテルとしてはジプ
ロピレングリコールジメチルエーテル、ノルマルブチル
エーテル、ジイソブチルエーテル、ビスクロロエチルエ
ーテルが好ましく、より好ましくはジプロピレングリコ
ールジメチルエーテル、ビスクロロエチルエーテルであ
る。
タノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、
シクロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましく、より
好ましくは2-ペンタノン、3-ペンタノンである。
して用いてもよいが、前記溶剤(B)に、任意成分(B)’と
して、C5H2F10の組成式で示される鎖状ハイドロフルオ
ロカーボン、C4F9OCH3及びC4F9OC2H5の組成式で示され
るハイドロフルオロエーテル、C 5H3F7の組成式で示され
る環状ハイドロフルオロカーボンの中から少なくとも一
種以上選ばれる溶剤をさらに混合したものを使用するこ
とが好ましい。この場合、前記溶剤(B)と前記任意成分
(B)’の混合溶剤100重量部中において、前記任意成分
(B)’の割合は、好ましくは98重量部以下、より好まし
くは70重量部以下、最も好ましくは50重量部以下にす
る。
る方法、前記溶剤(B)をシャワーする方法、又はこれら
の組合せによる方法等により行うことができる。また、
前記溶剤(B)は、前記ゲル状成形物100重量部に対し300
〜30000重量部使用することが好ましい。
溶剤(B)の沸点が100〜150℃の場合は室温での洗浄が可
能であり、必要に応じて加熱洗浄すればよく、一般に20
〜80℃で洗浄することが好ましい。また溶剤(B)の沸点
が150℃以上の場合、室温では膜内部への浸透性が悪い
ので、加熱洗浄することが好ましい。洗浄は、残留した
前記溶剤(A)が、その添加量に対して1重量%未満にな
るまで行うことが好ましい。
とも最終段階工程で用いる溶剤 (C)としては、前記溶剤
(B)と相溶性を有し、熱可塑性樹脂とは相溶せず、オゾ
ン破壊性が無く、かつ、沸点が100℃以下のものが好ま
しい。
溶剤(A)の除去をより十分に行うことができ、乾燥工程
の効率が向上し、かつ、製造工程における環境への負荷
をより低くできる。特に溶剤(B)として、沸点150℃以上
の溶剤を用いる場合は、単に熱風で乾燥するだけでは乾
燥に時間がかかり、その影響等で後の熱処理で空孔率が
低下し透気性が低下する恐れがあるので、溶剤(C)によ
る処理を追加することが好ましい。
ルコール、炭素数1〜4のアルコールと水との混合物、
C5H2F10の組成式で示される鎖状ハイドロフルオロカー
ボン、C4F9OCH3及びC4F9OC2H5の組成式で示されるハイ
ドロフルオロエーテル、C5H3F 7の組成式で示される環状
ハイドロフルオロカーボンの中から少なくとも一種以上
選ばれる化合物が好ましい。
ノルマルプロパノール、イソプロパノール、セカンダリ
ーブタノール、ターシャリーブタノールが好ましく、よ
り好ましくはノルマルプロパノール、イソプロパノール
である。
合物としてはメタノールと水、エタノールと水、ノルマ
ルプロパノールと水、イソプロパノールと水、セカンダ
リーブタノールと水、ターシャリーブタノールと水が好
ましく、より好ましくはノルマルプロパノールと水、又
はイソプロパノールと水との混合物である。
することができ、例えば、C5H2F10の組成式で示される
鎖状ハイドロフルオロカーボン、C4F9OCH3及びC4F9OC2H
5の組成式で示されるハイドロフルオロエーテル、C5H3F
7の組成式で示される環状ハイドロフルオロカーボンの
中から少なくとも一種以上選ばれた化合物と炭素数3〜
4のアルコールとの混合物を使用することができる。ま
た、炭素数3〜4のアルコールの中から二種類を選んで
使用することもできる。
げ、各々、第一段階で使用する溶剤(B)と第二段階で使
用する溶剤(C)との組み合せとして好ましいものを示
す。但し、これらは、二段階で行うことに限定する趣旨
ではない。例えば、 (B)/(C)=エーテル/ハイドロフ
ルオロエーテル、エーテル/環状ハイドロフルオロカー
ボン、エーテル/アルコール、エーテル/アルコールと
水との混合物、ノルマルパラフィン/ハイドロフルオロ
エーテル、ノルマルパラフィン/環状ハイドロフルオロ
カーボン、ノルマルパラフイン/アルコール、ノルマル
パラフイン/アルコールと水との混合物、イソパラフィ
ン/ハイドロフルオロエーテル、イソパラフィン/環状
ハイドロフルオロカーボン、イソパラフィン/アルコー
ル、イソパラフィン/アルコールと水との混合物、シク
ロパラフイン/ハイドロフルオロエーテル、シクロパラ
フィン/環状ハイドロフルオロカーボン、シクロパラフ
ィン/アルコール、シクロパラフィン/アルコールと水
との混合物、ケトン/ハイドロフルオロエーテル、ケト
ン/環状ハイドロフルオロカーボン、ケトン/アルコー
ル、ケトン/アルコールと水との混合物が挙げられる。
このようなものを用いることにより、前記溶剤(A)の除
去を効果的に行うことができる。
用量を100重量部として50〜200重量部になるようにする
ことが好ましい。洗浄方法は、前記溶剤(C)に浸漬し抽
出する方法、前記溶剤(C)をシャワーする方法、又はこ
れらの組合せによる方法等により行うことができる。更
に、上述の洗浄は、20〜80℃で行うことが好ましい。
風乾法等により乾燥することができる。乾燥温度は、熱
可塑性樹脂の結晶分散温度以下の温度で行うことが好ま
しく、特に結晶分散温度より5℃以上低い温度が好まし
い。
に残存する溶剤(B)の含有量を、5重量%以下とすること
が好ましく(乾燥後の膜重量を100重量%とする)、よ
り好ましくは3重量%以下とする。乾燥が不十分で膜中
に溶剤(B)が多量に残存する場合、後の熱処理で空孔率
が低下し、透気性が悪化するので好ましくない。
て、電離放射による架橋処理、熱処理、及び親水化処理
等を施してもよい。
い。電離放射線としてはα線、β線、γ線、電子線が用
いられ、電子線量0.1〜100Mrad、加速電圧100〜300kVに
て行うことができる。これによりメルトダウン温度を向
上させることができる。
処理のいずれも用いることができる。これらの処理は、
熱可塑性樹脂微多孔膜の融点以下、好ましくは60℃以上
融点−10℃以下で行う。
式、ロール方式、又は圧延方式により行われ、少なくと
も一方向に延伸倍率1.01〜2.0倍で行うことが好まし
く、より好ましくは1.01〜1.5倍である。
式、圧延方式により行われる。
式、若しくは圧延方式により行うか、又はベルトコンベ
ア若しくはフローティング等を用いて行ってもよい。な
お、熱収縮処理は、少なくとも一方向に50%以下の範囲
が好ましく、より好ましくは30%以下の範囲にする。
理、熱固定処理及び熱収縮処理を多数組み合せて行って
もよい。
と、低収縮率で高強度の微多孔膜が得られるため好まし
い。
理、コロナ放電処理等を用いる。なお、親水化処理は電
離放射後に行うのが好ましい。
面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤及び両イオン系界面活性剤のいずれも使用することが
できるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
ール、エタノール又はイソプロピルアルコール等の低級
アルコールの溶液にして、ディッピング及びドクターブ
レード等の方法により親水化される。
る。ここで、透過性を向上させるため、熱可塑性樹脂微
多孔膜の融点以下の温度で収縮を防止又は延伸しながら
熱処理することが好ましい。
空孔率が25〜70%、透気度が10〜800秒/100ccである。
熱可塑性樹脂微多孔膜の膜厚は、用途に応じて適宜選択
しうるが、例えば電池セパレーターとして使用する場合
は5〜200μmとするのが好ましい。このように、本発明
のポリエチレン微多孔膜は優れた透過性を示すので、電
池セパレーター、フィルター等として好適に使用できる
するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
(UHMWPE)20重量%と重量平均分子量が3.5×105の高密
度ポリエチレン(HDPE)80重量%とからなり、Mw/Mn=
16.8であるポリエチレン組成物(融点135℃、結晶分散
温度90℃)に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-
3-(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-
プロピオネート]メタンをポリエチレン組成物100重量部
当たり0.375重量部加えたポリエチレン組成物を得た。
得られたポリエチレン組成物30重量部を二軸押出機(58
mmφ、L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押
出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70重量部を
供給し、200℃・200rpmで溶融混練して、押出機中にて
ポリエチレン溶液を調製した。続いて、このポリエチレ
ン溶液を押出機の先端に設置されたTダイから二軸延伸
膜が50μm程度になるように押し出し、50℃に温調され
た冷却ロールで引き取りながら、ゲル状シートを成形し
た。得られたゲル状シートについて、バッチ延伸機を用
いて118℃で5×5倍になるように二軸延伸を行い、延伸
膜を得た。得られた膜を20cm×20cmのアルミニウム製の
固定枠に固定し、50℃に温調されたグリコールエーテル
の酢酸エステル(酢酸3-メトキシ-3-メチルブチル、沸
点188℃、引火点75℃(以下、エステル(1)と記述す
る)))の第1洗浄槽において1OOrpmで揺動させながら3
分間含浸洗浄し、更に50℃に温調されたハイドロフルオ
ロエーテル((C4F9OCH3)、住友スリーエム(株)製HF
E-7100、沸点61℃、引火点なし(以下同様))の第2洗
浄槽で1分間含浸させて洗浄処理した(以下、第2洗浄槽
のことを「リンス槽」といい、第2洗浄槽における洗浄
処理のことを「リンス処理」という)。リンス処理後に
膜を自然乾燥し、更に120℃で10分間熱固定してポリエ
チレンの微多孔膜を作製した。
のリンス槽で1分間含浸させてリンス処理した以外は実
施例1と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製し
た。
液(沸点80℃)のリンス槽で1分間含浸させてリンス処
理した以外は実施例1と同様にしてポリエチレンの微多
孔膜を作製した。
ソパラフィンの炭素数が9/10/11=1/36/50(wt%)
とその他の不可避不純物からなるもの、沸点154〜174
℃、引火点41℃、(以下、イソパラフィン(1)と記述す
る))の第1洗浄槽で1分間含浸洗浄した以外は実施例1
と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
引火点65℃)の第一洗浄槽で2回洗浄し、50℃に温調さ
れた水のリンス槽で1分間含浸して2回リンス処理し、
70〜80℃の熱風で乾燥した以外は実施例1と同様にして
ポリエチレンの微多孔膜を作製した。
(UHMWPE、融点135℃、結晶分散温度90℃)に、酸化防
止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジターシャリ
ーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]メタ
ンをポリエチレン組成物100重量部当たり0.375重量部加
えたポリエチレン組成物を得た。得られたポリエチレン
組成物17重量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、強混
練タイプ)に投入し、微粉珪酸18重量部とフタル酸ジオ
クチル50重量部及び流動パラフィン15重量部をこの二軸
押出機のサイドフィーダーから供給し、200℃・200rpm
で溶融混練して、押出機中にてポリエチレン溶液を調製
した。続いて、このポリエチレン溶液を押出機の先端に
設置されたTダイから二軸延伸膜が200μm程度になるよ
うに押し出し、50℃に温調された冷却ロールで引き取り
ながら、ゲル状シートを成形した。得られたゲル状シー
トを20cm×20cmのアルミニウム製の固定枠に固定し、50
℃に温調されたエステル(1)の第1洗浄槽において100rpm
で揺動させながら3分間含浸洗浄し、フタル酸ジオクチ
ル及び流動パラフィンを抽出した後、50℃に温調された
HFE-7100のリンス槽で1分間含浸させてリンス処理し
た。得られた膜を乾燥し、更に60℃に温調された25%の
苛性ソーダの洗浄槽に10分間含浸して、微粉珪酸を抽出
した後、自然乾燥した。更に、この膜を125℃に加熱さ
れたバッチ延伸機により膜厚が30μm程度になるように
一軸延伸し、115℃で1O分間熱固定を行った。
(UHMWPE)20重量%と重量平均分子量が3.5×105の高密
度ポリエチレン(HDPE)80重量%とからなり、Mw/Mn=
16.8のポリエチレン組成物(融点135℃、結晶分散温度9
0℃)に酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3,5-
ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピ
オネート]メタンをポリエチレン組成物100重量部当たり
0.375重量部加えたポリエチレン組成物を得た。得られ
たポリエチレン組成物20重量部を二軸押出機(58mmφ、
L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押出機の
サイドフィーダーから流動パラフィン80重量部を供給
し、200℃・200rpmで溶融混練して、押出機中にてポリ
エチレン溶液を調製した。続いて、このポリエチレン溶
液を押出機の先端に設置されたTダイから二軸延伸膜が6
0μm程度になるように押し出した。Tダイから3m/分の
速度で押出された直後に80℃に温調された冷却ロールで
引き取りながら、ゲル状シートを成形した。得られたゲ
ル状シートを、20cm×20cmのアルミニウム製の固定枠に
固定し、50℃に温調されたエステル(1)の第1洗浄槽で3
分間含浸洗浄し、更に50℃に温調されたHFE-7100のリン
ス槽で1分間含浸しリンス処理した。リンス処理後に膜
を自然乾燥し、更に115℃で10分間熱固定してポリエチ
レンの微多孔膜を作製した。
℃)/HFE-7100(沸点61℃、引火点なし)混合溶剤(重
量比50/50)の第1洗浄槽で3分間含浸洗浄し、さらに
室温のHFE-7100のリンス槽で1分間含浸させてリンス処
理した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレンの微
多孔膜を作製した。
℃、引火点41℃)/環状ハイドロフルオロカーボン(C5
H3F7、日本ゼオン(株)製ゼオローラH、沸点80℃、引
火点なし)混合溶剤(重量比50/50)の第1洗浄槽で3
分間含浸洗浄し、さらに80℃のゼオローラHのリンス槽
で1分間含浸させてリンス処理した以外は、実施例1と
同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
エーテル(沸点170℃、引火点62℃)/HFE-7100(沸点6
1℃、引火点なし)混合溶液(重量比95/5)の第1洗浄
槽で3分間含浸洗浄し、さらに室温のHFE-7100のリンス
槽で1分間含浸させてリンス処理した以外は、実施例1
と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
テル(沸点175℃、引火点60℃)/HFE-7100(沸点61
℃、引火点なし)混合溶液(重量比95/5)の第1洗浄
槽で3分間含浸洗浄し、さらに室温のHFE-7100のリンス
槽で1分間含浸させてリンス処理した以外は、実施例1
と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
し、リンス処理を行わず、70〜80℃の熱風で乾燥した以
外は実施例1と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作
製した。
乾燥した以外は実施例1と同様にしてポリエチレンの微
多孔膜を作製した。
例4と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
1と同様にしてポリエチレンの微多孔膜を作製した。
洗浄槽において100rpmで揺動させながら3分間含浸洗浄
し、フタル酸ジオクチル及び流動パラフィンを抽出した
後、実施例6記載のリンス処理を行わない以外は実施例
6と同様にしてポリエチレンの膜を作製した。
熱可塑性樹脂微多孔膜の物性を以下の方法で測定した。 ・膜厚:走査型電子顕微鏡により測定した。 ・透気度:JIS P8117に準拠して測定した。 ・空孔率:重量法により測定した。 ・残留物:微多孔膜から95mm×95mmの大きさのサンプル
を打ち抜き、重量を測定した。この時の重量をaとす
る。その後、前記サンプルを塩化メチレン300mlで10分
間超音波抽出し、抽出後のサンプルを105℃で5分間乾
燥後、再度重量を測定した。この時の重量をbとする。
残留物の割合X(wt%)はX=(a-b)/a×100により算出した。
残留物の成分は、流動パラフィンが主であり、その他少
量の酸化防止剤、フタル酸ジオクチル、微粉ケイ酸、溶
剤(B)及び/又は(C)等も含む。
造した実施例1〜11の熱可塑性樹脂微多孔膜は、流動パ
ラフィンが十分に除去されており、優れた透過性を有し
ていることが分かる。一方、比較例1〜5の微多孔膜
は、一段処理のみで作製されているために、実施例1〜
11と比較して流動パラフィンの除去が少なく、物性が劣
っている。
よる熱可塑性樹脂微多孔膜の製造において、熱可塑性樹
脂と溶剤との溶融混練後の溶剤除去工程で、熱可塑性樹
脂に添加した溶剤とは異なる溶剤を用いて二段階以上の
工程で処理することにより、環境への負荷を低減しつ
つ、効率良く熱可塑性樹脂微多孔膜を製造することがで
きる。また、該非水系溶剤は高沸点であるため凝縮しや
すく、回収が容易となり、リサイクル利用し易い。さら
に、少なくとも最終段階で使用する低沸点溶剤は、オゾ
ン破壊性がないため、環境問題上有用である。得られた
熱可塑性樹脂微多孔膜は優れた物性を有しており、電池
セパレーター、フィルター等に有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂と溶剤(A)とを溶融混練さ
せて得られた溶液を押し出し、冷却して得られたゲル状
成形物から残存する前記溶剤(A)を除去する熱可塑性樹
脂微多孔膜の製造方法において、前記溶剤(A)を除去す
るに際し、沸点が100℃以上かつ引火点が0℃以上の非
水系溶剤(B)を用いて二段階以上の工程で処理すること
を特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性樹脂微多孔膜
の製造方法において、ゲル状成形物を延伸する前及び/
又は延伸した後に、残存する溶剤(A)を除去することを
特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂微
多孔膜の製造方法において、前記溶剤(A)を除去する二
段階以上の工程において、最終段階の工程で、オゾン破
壊性が無く、かつ沸点が100℃以下の溶剤(C)で処理する
ことを特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。
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