JP2002012505A - 固形化ギ酸、黴・細菌汚染防止飼料及びその製造方法 - Google Patents

固形化ギ酸、黴・細菌汚染防止飼料及びその製造方法

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JP2002012505A
JP2002012505A JP2001131911A JP2001131911A JP2002012505A JP 2002012505 A JP2002012505 A JP 2002012505A JP 2001131911 A JP2001131911 A JP 2001131911A JP 2001131911 A JP2001131911 A JP 2001131911A JP 2002012505 A JP2002012505 A JP 2002012505A
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Atsushi Uchiyama
敦 内山
Hiroyuki Inaoka
広行 稲岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サルモネラ菌等の黴・細菌汚染の防止が可能
で、安全で、容易な操作で飼料原料と均一に混合できる
汚染防止用添加剤、該添加剤を使用した汚染防止配合飼
料、及び汚染防止方法を提供すること。 【解決手段】 ギ酸を含水二酸化ケイ素、バーミキュラ
イト等の無機物に担持させてなる固形化ギ酸を使用し
て、該固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算
して0.1/100〜10/100となるように飼料に
配合し、20〜40℃で、24〜48時間保持し、黴・
細菌汚染防止飼料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形化ギ酸、固形
化ギ酸を配合した黴・細菌汚染防止配合飼料、及び固形
化ギ酸を使用した黴・細菌汚染防止飼料の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、家畜、家禽および卵の黴・細菌汚
染、なかでも特にサルモネラ菌汚染が問題化している。
家禽は、飼料を介してサルモネラ菌等の細菌に汚染され
易く、該汚染された家禽から生み出された卵もサルモネ
ラ菌等に汚染されている確率が高い。そこで、配合飼料
を抗菌処理してサルモネラ菌等による汚染を防止するた
めに、抗生物質が飼料に配合されることが提案された。
しかし、抗生物質の配合された飼料で育てられた家禽、
および該家禽から生み出された卵には、抗生物質が残留
する問題があり、残留問題のない添加剤が検討されてき
た。このため、ギ酸、プロピオン酸を用いた飼料の細菌
汚染防止が提案された(特公平4−66529、特公平
6−97950、特開平9−308438号公報)。し
かし、これらの酸は液体であり、一方、飼料は固体であ
るため、通常汚染防止に必要な量の酸を固体飼料全体に
均一に混合することは困難であった。従って、混合され
た飼料は不均一な組成の状態となり、十分な細菌汚染防
止効果を得ることが困難であった。特公平6−9795
0号公報には、ギ酸、プロピオン酸の混合物をシリカの
ような固体キャリアに含浸し、保存する飼料と混合する
ことができると簡単に記載されているが、詳細には示さ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解決し、サルモネラ菌等の黴・細菌
汚染の防止が可能で、安全で、容易な操作で飼料原料と
均一に混合できる汚染防止用添加剤、該添加剤を使用し
た汚染防止配合飼料、及び汚染防止方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、下記飼料安全法で許可された無機物又は本件特許
発明が実施される該当国で飼料に添加されることが可能
なもしくは許可された無機物、好ましくは特定の物性を
持つ無機物を使用し、該無機物が飼料等と容易に均一に
混合できるようにして、該無機物にギ酸水溶液を含浸さ
せて固形化ギ酸とすることにより、安全で、容易な操作
で飼料等と均一に混合できて、サルモネラ菌等の黴・細
菌汚染を防止できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、ギ酸を飼料安全
法(日本国,昭和28年4月11日,法律第35号)で
許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国
で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無
機物に担持させてなる固形化ギ酸に関する。また本発明
の第2は、該無機物が、天然又は合成の無水ケイ酸、含
水結晶形もしくは無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸
塩類、またはこれらの混合物である本発明の第1の固形
化ギ酸に関する。より具体的には、該無機物が無水ケイ
酸、軽質無水ケイ酸及びその塩類、ケイ酸カルシウム、
含水二酸化ケイ素、含水無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、
バーミキュライト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベ
ントナイト、又はこれらの混合物である本発明の第1の
固形化ギ酸に関する。また本発明の第3は、該無機物
が、含水無晶形二酸化ケイ素、またはバーミキュライト
である本発明の第2の固形化ギ酸に関する。また本発明
の第4は、該無機物の最大粒径が30μm〜1mmφで
ある本発明の1〜3のいずれかの固形化ギ酸に関する。
また本発明の第5は、該無機物の細孔容積が0.1〜1
0ml/gである本発明の第1〜4のいずれかの固形化
ギ酸に関する。また本発明の第6は、ギ酸の含有率が
0.1〜70wt%である本発明の第1〜5のいずれかの
固形化ギ酸に関する。また本発明の第7は、本発明の第
1〜6のいずれかの固形化ギ酸と飼料とからなる黴・細
菌汚染防止飼料に関する。また本発明の第8は、固形化
ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/
100〜10/100である本発明の第7の黴・細菌汚
染防止飼料に関する。また本発明の第9は、黴・細菌が
サルモネラ菌及び/又は大腸菌である本発明の第7又は
8の黴・細菌汚染防止飼料に関する。また本発明の第1
0は、本発明の第1〜6のいずれかの固形化ギ酸と飼料
とを、均一な分散状態で、20〜40℃で、24〜48
時間保持することを特徴とする飼料の黴・細菌汚染防止
飼料の製造方法に関する。また本発明の第11は、固形
化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1
/100〜10/100である本発明の第10の黴・細
菌汚染防止飼料の製造方法に関する。また本発明の第1
2は、黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸菌である
本発明の第10又は11の黴・細菌汚染防止飼料の製造
方法に関する。また、本発明は固形ギ酸の製造方法も開
示する。以下、本発明について詳しく説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の固形化ギ酸が配合される
飼料は、家畜、家禽、養殖魚類用等の動物用飼料及びそ
の原料に使用されるものであれば特に限定しない。動物
用飼料及び配合飼料の原料には、例えば小麦、大麦、カ
ラス麦、ライ麦、とうもろこし、米、大豆、なたね、魚
粉、フェザーミール、ミートボーンミール等、及びこれ
らの混合物が挙げられる。
【0007】本発明でギ酸を担持させるために使用する
無機物としては、下記飼料安全法で許可されてない無機
物にもギ酸を含浸させることもできるが、許可されてい
ない無機物は飼料用としては使えないので、ここでは日
本の飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に
関する法律,昭和28年4月11日,法律第35号)で
許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国
で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無
機物に限定する。また、例えば、脱脂大豆粕やトウモロ
コシといった有機物にもギ酸は含浸させることができる
が、高濃度のギ酸によって脱脂大豆粕、トウモロコシ等
の植物性蛋白質が変性してしまうために、含浸物は飼料
添加物としての安定性、保存性に問題がある。上記飼料
安全法で許可された無機物としては、天然または合成
の、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水結晶形もしくは
無晶形二酸化ケイ素のような二酸化ケイ素類;ケイ酸お
よびその塩類;及びこれらの混合物が挙げられる。天然
の無機物としては、ケイ酸カルシウム、バーミキュライ
ト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト等、
及びこれらの混合物が挙げられる。
【0008】上記無機物としては、種々の形態のものが
使用できるが、常温常圧で液体であるギ酸の担持という
関点からは、多孔質あるいは積層構造の無機物が好まし
い。このような無機物には直径数μm程度の細孔や同じ
く数μm程度の層間隔があれば、ギ酸を吸着、含浸など
により担持させることが可能である。さらに、その吸着
力が適度に弱いことを利用してギ酸が徐々に揮発してい
くことが可能である。この性質は、固形化ギ酸を添加し
た飼料を20〜40℃、好ましくは25〜35℃で、1
〜72時間、好ましくは24〜48時間、熟成させるこ
とによってギ酸を徐々に揮発させ、飼料全体に万遍なく
添加物を行き渡らせて、添加物としての効果を発揮させ
ることができる。従って、固形化ギ酸に用いる最も好ま
しい担体は無機物であり、特に、含水無晶形二酸化ケイ
素粉末、バーミュキュライト粉末等が好ましい。
【0009】固形化ギ酸中のギ酸の含有率は、0.1〜
70wt%、好ましくは10〜70wt%、特に好ましくは
50〜70wt%である。ギ酸の含有率が上記範囲より少
なすぎると飼料の処理が不充分になり、多すぎると後述
するように、飼料の均一な処理が困難になる。
【0010】本発明の固形化ギ酸は、粉末状態で取り扱
われるので、ギ酸含有量には上限が発生する。ギ酸含有
量が上限を超えると、スラリー状態になるからであり、
この状態でのハンドリングは極めて難しくなる。従っ
て、固形化ギ酸のギ酸含有量は担体にギ酸を含浸させた
状態で粉末として扱えるかどうかで決定される。この量
は、担体の種類、性質、粒径等に大きく依存する。本発
明の固形化ギ酸は、ギ酸の含浸量を無機物担体がもつ上
限までの間の任意の量で設定することができる。例え
ば、ギ酸あるいはギ酸水溶液の含有量の上限が70wt%
の担体を用い、該担体30gと98wt%ギ酸70gから
固形化ギ酸を作った場合、そのギ酸含有率は約69wt%
である。一方、担体70gと98wt%ギ酸30gとから
作った固形化ギ酸の場合、そのギ酸含有率は約29wt%
である。このように、ギ酸あるいはギ酸水溶液の担持量
は上限でなくても構わないので、適用する飼料や、使用
状況に応じて任意にギ酸組成を変化させた固形化ギ酸を
製造、使用すればよい。
【0011】本発明では、上記範囲でギ酸が担体に担持
される範囲内において、ギ酸を水溶液として使用するこ
とができる。ギ酸水溶液の濃度としては、1wt%以上、
好ましくは30wt%以上、特に好ましくは50wt%以上
である。ギ酸水溶液を担持させることにより、蒸発量と
蒸発時間を調節することができるので、用途によって、
使い分けることができる。担体にギ酸もしくはギ酸水溶
液を担持させるため、上記無機物の細孔容積は0.1m
l/g以上、好ましくは1〜10ml/g、特に好まし
くは2〜5ml/gである。
【0012】上記無機物の粒径は、配合飼料原料、配合
飼料と容易に均一に混合されるために、最大粒径30μ
m〜1mm、好ましくは50μm〜1mm、さらに好ま
しくは100μm〜1mmである。
【0013】本発明における固形化ギ酸の製造方法につ
いて以下に示す。固形化ギ酸は無機物である担体に液体
のギ酸あるいはギ酸水溶液を含浸させて製造する。この
際に用いる機器、設備、道具は無機物粉体を混合し、例
えば攪拌のような無機物粉体を流動させることができる
ものであれば、特に制限はない。例えば、ガラス瓶に所
定量の無機物担体及び所定量のギ酸あるいはギ酸水溶液
を投入した後に瓶の蓋をして激しく振る方法で製造する
ことが可能である。また、粉体攪拌の可能な混合槽、例
えば円錐内面に自転、公転する攪拌スクリューのついた
ナウタ社製混合機であるナウタミキサーや、リボンブレ
ンダー、ヘンシェルミキサーのような汎用粉体混合機器
に担体を投入し、攪拌を開始後に、ギ酸あるいはギ酸水
溶液を投入する方法でもよい。各原料の投入順序や方法
は一切問わず、無機物粉体を均一に混合攪拌できる機
器、道具、方法であればよい。
【0014】ギ酸を無機物にできるだけ均一に担持させ
ることにより、得られた固形化ギ酸から、飼料にギ酸を
均一に供給することができる。ギ酸は、融点8.4℃、
沸点100.5℃、比重1.220であり、水と107
℃で共沸する。ギ酸は前記水溶液とすることにより0℃
以下で保存し、取り扱うことができる。ギ酸を上記無機
物に実質的に均一に担持させる方法としては、無機物を
混合撹拌しながらギ酸のガスを担持させる方法、無機物
を混合撹拌しながらギ酸又はギ酸の水溶液を散布して担
持させる方法、ギ酸又はギ酸の水溶液に無機物を加えて
混合撹拌する方法などが挙げられる。ギ酸は空気、窒素
もしくは炭酸ガス等の気体に同伴させて無機物に加える
こともできる。また、ギ酸はエタノールなどの他の溶媒
に溶解して有機溶媒溶液で加えることもできる。上記混
合撹拌は、撹拌翼の回転、振動など、混合容器の回転、
振動、傾斜など、無機物の流動などであってもよい。上
記無機物は、予め乾燥させて水分を減少、好ましくは1
wt%以下にさせてギ酸またはギ酸水溶液を担持しやすく
することができる。
【0015】本発明の黴・細菌汚染防止飼料は、上記固
形化ギ酸と飼料とからなる。固形化ギ酸/飼料の重量比
は、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/10
0、好ましくは1/100〜5/100である。本発明
の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法について以下に示
す。本発明の黴・細菌汚染防止飼料は、上記固形化ギ酸
を飼料に添加して、好ましくは固形化ギ酸と飼料が均一
に分散された状態になるようにして、20〜40℃、好
ましくは25〜35℃で、1〜72時間、好ましくは2
4〜48時間保持する。これにより、ギ酸の放出を実質
的に促進させ、飼料を有効に処理することができる。保
持中は、撹拌することが好ましい。また、保持中は、撹
拌したり、空気、窒素、二酸化炭素などのガスを通気さ
せることができる。
【0016】得られた黴・細菌汚染防止飼料は、バルク
のまま、またはペレット等に成形されて、サイロ等に保
存したり、袋詰め、フレコンバッグ、バルク等の状態で
輸送することができる。
【0017】本発明において飼料を汚染する黴・細菌と
しては、サルモネラ菌、大腸菌、キャンピロバクター
菌、セレウス菌、クロストリジウム菌など、及びこれら
の混合菌が挙げられる。サルモネラ菌としては、Salmon
ella enteritidis、Salmonellatyphimurium、Salmonell
a kedougouなどが挙げられる。
【0018】本発明の固形化ギ酸は、動物用飼料、特に
家禽飼料の配合に使用できる他に、サイレージ(貯蔵牧
草)の調整や、畜舎、鶏舎、田畑、飼料製造または保管
設備等の黴・細菌の殺菌にも使用できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)固形化ギ酸の製造方法(その1) 蓋のできるガラス瓶に、無機物として含水無晶形二酸化
ケイ素粉末として「カーブレックスXR」(平均粒径約
100μm、最大粒径約300μm、細孔容積2ml/g、塩野義製
薬(株)社製)33g、85wt%のギ酸水溶液67gを添加
し、蓋をして3分間激しく振り、内部の粉体がサラサラ
でほぼ均一と思われる時点で、内容物を取り出し、固形
化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量を水酸化ナ
トリウム標準液で定量したところ、57wt%であった。
【0020】(実施例2)固形化ギ酸の製造方法(その
2) 98wt%のギ酸水溶液67gを添加した以外は実施例1と同
様にして、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含
有量は、66wt%であった。
【0021】(実施例3)固形化ギ酸の製造方法(その
3) バーミキュライト粉末(平均粒径約100μm、最大粒径85
0μm、細孔容積1.6ml/g)を50g、85wt%のギ酸水溶液
を50g使用した以外は実施例1と同様にして、固形化ギ
酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量は、43wt%で
あった。
【0022】(実施例4)固形化ギ酸の製造方法(その
4) 98wt%のギ酸水溶液50gを添加した以外は実施例3と同
様にして、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含
有量は49wt%であった。
【0023】(実施例5)固形化ギ酸のサルモネラ菌に
対する抗菌性(その1) 実施例1及び実施例3で得られた固形化ギ酸及びSalmon
ella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumを用
い、最小発育阻止濃度の測定を行なった。試験方法は日
本化学療法学会の定める方法(寒天培地に固形化ギ酸を
所定量添加し、サルモネラ菌を接種後37℃、20時間培養
を行う方法。)に基づく。その結果、Salmonella enter
itidisおよびSalmonella typhimuriumの発育阻止が、い
ずれも、実施例1の固形化ギ酸では1,000wt/wtppmで、
実施例3の固形化ギ酸では5,000wt/wtppmで、可能であ
ることが分かった。
【0024】(参考例1)実施例5と同様の方法で、ギ
酸のSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimu
riumに対する最小発育阻止濃度の測定を行った。その結
果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimu
riumのいずれに対しても250wt/wtppmで発育阻止できる
ことがわかった。
【0025】(参考例2)担体である無晶形二酸化ケイ
素粉末およびバーミキュライト粉末の抗菌性を実施例5
と同様の方法でSalmonella enteritidisおよびSalmonel
la typhimuriumを用いて測定した。その結果、100,000w
t/wtppmまでの濃度でも発育の阻止は認められなかっ
た。100,000wt/wtppm以上の濃度は寒天培地の作成が困
難であったため測定できなかった。
【0026】(実施例6)固形化ギ酸のサルモネラ菌に
対する抗菌性(その2) 実施例1で得られた固形化ギ酸及びSalmonella enterit
idisを用い、殺菌効果試験を行なった。試験方法はDeut
sche Gesellschaft fur Hygiene und Microbiogicの定
める方法(培地に固形化ギ酸を添加した後に菌を接種、
37℃、48時間の培養後、生菌数を測定する方法。)に基
づく。その結果、菌数が1/10に減少するのに要する
時間は、固形化ギ酸0.1wt%の添加では9.4分間、0.25wt
%の添加では2.3分間であった。
【0027】(比較例1)含水無晶形二酸化ケイ素粉末
に、ギ酸:プロピオン酸:水=68:20:12(重量比)の
混合物を含浸させ、ギ酸およびプロピオン酸の合計の酸
含有量が約57wt%とした組成物Aを製造した。この組成
物AについてSalmonella enteritidisを用い、実施例6
と同じ方法で殺菌効果試験を行なった。その結果、菌数
が1/10に?減少するのに要する時間は、組成物Aの0.1w
t%添加では10.2分間、0.25wt%添加では7.2分間であっ
た。明らかに、組成物Aよりも実施例1の固形化ギ酸の
方が高い殺菌効果を示した。
【0028】(参考比較例1)参考例1と同様の方法で
ギ酸:プロピオン酸=77.3:22.7(重量比)の混合有機
酸のSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimu
riumに対する最小発育阻止濃度の測定を行った。その結
果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimu
riumのいずれに対しても500wt/wtppmで発育阻止される
ことがわかった。
【0029】(比較例2)実施例5と同様の方法で、比
較例1で得られた組成物AのSalmonella enteritidisお
よびSalmonella typhimuriumに対する最小発育阻止濃度
の測定を行った。その結果、Salmonella enteritidisお
よびSalmonella typhimuriumのいずれに対しても1,000w
t/wtppmで発育阻止されることがわかった。
【0030】(実施例7)固形化ギ酸配合飼料 カツオおよびマグロを主体とする魚粉を、あらかじめ12
0℃、15分間滅菌をした後に、Salmonella enteritidis
を3×106(/ml)に調整した菌液を、魚粉10gに0.1gの割
合で加え、37℃、24時間放置して魚粉飼料の前処理を行
なった。次に、前処理した魚粉1,000gに対し、実施例1
の固形化ギ酸2gを添加して、35℃で均一になるまで2時
間攪拌後、48時間熟成して試料Aを得た。対照試験とし
て、固形化ギ酸を添加せず、前処理した魚粉のみを、35
℃、48時間放置して試料Bを得た。試料A、Bを各々、
滅菌精製水によってSalmonella enteritidisを抽出し、
抽出液を標準寒天培地に塗布、37℃、48時間培養した。
固形化ギ酸を添加した魚粉(試料A)では培地上で菌の
生育は確認できなかったが、未添加の魚粉(試料B)で
は菌の生育を確認した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、サルモネラ菌等の黴・
細菌汚染の防止が可能で、安全で、容易な操作で飼料原
料と均一に混合できる汚染防止用固形化ギ酸が得られ、
これを使用した汚染防止配合飼料、及び飼料や設備の汚
染防止方法が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B150 AB10 AE01 CD10 CD30 CE02 CE04 CE05 CE07 CE12 CE15 DA32 DC11 DH15 DH22 DH24 4H011 AA02 AA03 BA01 BB06 BC18 BC20 DA02 DG13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギ酸を飼料安全法(日本国,昭和28年
    4月11日,法律第35号)で許可された無機物又は本
    件特許発明が実施される該当国で飼料に添加されること
    が可能なもしくは許可された無機物に担持させてなる固
    形化ギ酸。
  2. 【請求項2】 該無機物が、無水ケイ酸、軽質無水ケイ
    酸及びその塩類、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ
    素、含水無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、バーミキュライ
    ト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト、又
    はこれらの混合物である請求項1に記載の固形化ギ酸。
  3. 【請求項3】 該無機物が、含水無晶形二酸化ケイ素ま
    たはバーミキュライトである請求項2に記載の固形化ギ
    酸。
  4. 【請求項4】 該無機物の最大粒径が30μm〜1mm
    φである請求項1〜3のいずれかに記載の固形化ギ酸。
  5. 【請求項5】 該無機物の細孔容積が0.1〜10ml
    /gである請求項1〜4のいずれかに記載の固形化ギ
    酸。
  6. 【請求項6】 ギ酸の含有率が0.1〜70wt%である
    請求項1〜5のいずれかに記載の固形化ギ酸。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の固形化
    ギ酸と飼料とからなる黴・細菌汚染防止飼料。
  8. 【請求項8】 固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼
    料に換算して0.1/100〜10/100である請求
    項7に記載の黴・細菌汚染防止飼料。
  9. 【請求項9】 黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸
    菌である請求項7又は8に記載の黴・細菌汚染防止飼
    料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載の固形
    化ギ酸と飼料とを、均一な分散状態で、20〜40℃
    で、24〜48時間保持することを特徴とする飼料の黴
    ・細菌汚染防止飼料の製造方法。
  11. 【請求項11】 固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/
    飼料に換算して0.1/100〜10/100である請
    求項10に記載の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法。
  12. 【請求項12】 黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大
    腸菌である請求項10又は11に記載の黴・細菌汚染防
    止飼料の製造方法。
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