JP2002011077A - 蒸気滅菌装置及び蒸気滅菌方法 - Google Patents

蒸気滅菌装置及び蒸気滅菌方法

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JP2002011077A
JP2002011077A JP2000193988A JP2000193988A JP2002011077A JP 2002011077 A JP2002011077 A JP 2002011077A JP 2000193988 A JP2000193988 A JP 2000193988A JP 2000193988 A JP2000193988 A JP 2000193988A JP 2002011077 A JP2002011077 A JP 2002011077A
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temperature
sterilization chamber
sterilization
steam
pressure
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JP2000193988A
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Hideji Sakata
秀司 坂田
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Chiyoda Manufacturing Corp
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Chiyoda Manufacturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】滅菌室内を所定の滅菌温度・圧力とし得る蒸気
滅菌方法を提供する。 【解決手段】滅菌室16内に挿入された被滅菌物を蒸気
滅菌する際に、制御弁32を開き、ヒータ22により加
熱して発生した水蒸気によって滅菌室16内の空気を排
除しつつ、滅菌室16の内温を昇温し、滅菌室16の内
温の上昇が実質的に零の状態となって、滅菌室16の内
温が水の沸点温度に到達したとき、制御弁32を閉じて
滅菌室16の内圧及び内温を上昇せしめ、次いで、滅菌
室16の内温が水の沸点温度よりも高温で且つ滅菌温度
よりも低温の所定温度に到達し、且つ滅菌室16の内圧
が、前記所定温度における飽和水蒸気圧力と実質的に等
しいとき、滅菌室16を滅菌温度・圧力となるように、
昇圧・昇温を続行することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気滅菌装置及び蒸
気滅菌方法に関し、更に詳細には圧力容器としての本体
部の滅菌室内に設けられ、水を貯留する貯留部と、前記
貯留部に貯留された水を加熱し、前記滅菌室内に水蒸気
を発生する加熱手段と、発生した水蒸気を前記滅菌室外
に排出する蒸気抜出配管に設けられたストッパ弁とを具
備する蒸気滅菌装置、及びその蒸気滅菌装置を用いた蒸
気滅菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気滅菌装置には、小型で且つ簡易な蒸
気滅菌装置として、図9に示す蒸気滅菌装置が汎用され
ている。図9に示す蒸気滅菌装置100の圧力容器とし
ての本体部102には、蓋体104によって密閉可能に
設けられた滅菌室112が設けられ、この滅菌室112
には、被滅菌物が載置される載置板110が設けられて
いる。更に、載置板110の下方には、水が貯留される
凹部が水貯留部116として形成され、水貯留部116
には、貯留水を加熱して水蒸気を発生させるヒータ11
8が配設されている。この水貯留部116には、配管1
27によって補給水が補給される給水タンク126から
制御弁130が途中に設けられた給水配管128を経由
して給水される。かかる本体部102には、滅菌室11
2の内圧及び温度を検出する圧力センサP及び温度セン
サTが設けられ、水貯留部116の貯留水の有無を検出
する貯留水検出センサFLが設けられている。また、本
体部102の滅菌室112から水蒸気を抜き出す蒸気抜
出配管119と水貯留部116から水を抜き出す水抜配
管122とが設けられている。この蒸気抜出配管119
にはストッパ弁としての制御弁120が設けられてお
り、水抜配管122にはモータ駆動の制御弁124が設
けられている。更に、滅菌室112には、フィルター等
で清浄化された空気が、モータ駆動の制御弁134及び
ヒータ136が途中に設けられた空気供給配管132を
経由して供給される。
【0003】かかる図9に示す蒸気滅菌装置100の滅
菌室112に収容された被滅菌物に蒸気滅菌を施す際
に、滅菌室112の温度及び圧力の変化を図10に示
す。先ず、水抜配管122の制御弁124を開放した状
態で、空気供給配管132の制御弁134を開き、ヒー
タ136で加熱された熱風を滅菌室112内に供給し、
滅菌室112及び被滅菌物を予熱する。この際、制御弁
130を開き、給水タンク126から給水配管128を
経由して水貯留部116に給水する。この給水は貯留水
検出センサFLが検出するまで行う。更に、水貯留部1
16に貯留された貯留水をヒータ118で加熱して水蒸
気を発生しつつ、発生した水蒸気を滅菌室112内の空
気と共に蒸気抜出配管119から抜き出すことによっ
て、滅菌室112内の空気を水蒸気に置換する。ここ
で、図10のAに示す様に、滅菌室112内の温度が一
定温度で横這い状態、すなわち滅菌室112の温度が貯
留水の沸点に到達した状態を示すとき、滅菌室112内
が水蒸気によって置換されたものとし、蒸気抜出配管1
19の制御弁120を閉じて滅菌室112内を滅菌温度
・圧力とする。滅菌室112が滅菌温度・圧力に到達し
たとき、この状態を所定時間保持して被滅菌物に滅菌を
施す。次いで、被滅菌物に対する蒸気滅菌が終了したと
き、水抜配管122の制御弁124を開き、滅菌室11
2内の水蒸気と加熱水とを抜き出す。その後、フィルタ
ー等で清浄化された空気を、モータ駆動の制御弁134
及びヒータ136が途中に設けられた空気供給配管13
2を経由して滅菌室112内に熱風として吹き込み、蒸
気滅菌が施された被滅菌物を乾燥して一連の滅菌処理を
終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す蒸気滅菌装
置100は、比較的簡単な構造で蒸気滅菌を施すことが
できる。しかし、図9に示す蒸気滅菌装置100では、
滅菌室112内の蒸気置換が充分であることを確認する
手段が設けられておらず、滅菌室112内に空気が残留
している状態で蒸気抜出配管119の制御弁120を閉
じ滅菌室112内を昇温・昇圧する場合がある。この場
合、滅菌室112の圧力が滅菌圧力に到達しても、滅菌
室112の温度が滅菌温度に到達せず、滅菌不良が発生
する。かかる滅菌不良は、リネン等の空気が排出され難
い被滅菌物に蒸気滅菌を施す際に発生し易い傾向にあ
る。一方、図10に示す状態Aを長時間継続することに
よって滅菌室112内を充分に蒸気に置換できるもの
の、滅菌処理時間が長くなる。そこで、本発明の課題
は、滅菌室内の蒸気置換が充分になされていることを短
時間で且つ容易に確認でき、確実に滅菌室内を所定の滅
菌温度・圧力とし得る蒸気滅菌装置及び蒸気滅菌方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく検討を重ねた結果、図9に示す蒸気滅菌装置1
00の制御弁120を閉じて滅菌室112の内圧及び内
温を上昇し、滅菌室112内の内温が水の沸点温度より
も高温で且つ滅菌温度よりも低温の所定温度に到達した
際に、滅菌室112内の内圧が、その滅菌室112内の
温度における飽和水蒸気圧力と等しいとき、滅菌室11
2内が水蒸気によって充分に置換されていることを知
り、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、圧力容器としての本
体部の滅菌室内に設けられ、水を貯留する貯留部と、前
記貯留部に貯留された水を加熱し、前記滅菌室内に水蒸
気を発生する加熱手段と、発生した水蒸気を前記滅菌室
外に排出する蒸気抜出配管に設けられたストッパ弁とを
具備する蒸気滅菌装置において、該加熱手段によって加
熱されて発生し、前記滅菌室の内温を昇温した水蒸気
が、前記滅菌室の外部に空気と共に排出されるように、
前記ストッパ弁を開放すると共に、前記滅菌室の内温の
上昇が実質的に零の状態となって、前記滅菌室の内温が
水の沸点温度に到達したとき、前記滅菌室の内圧及び内
温が上昇されるように、前記ストッパ弁を閉じ、前記滅
菌室の内温が、前記沸点温度よりも高温で且つ滅菌温度
よりも低温の所定温度に昇温された際に、前記滅菌室の
内圧が前記所定温度における飽和水蒸気圧力と実質的に
等しいとき、前記滅菌室が滅菌温度・圧力となるよう
に、前記ストッパ弁の閉じた状態を続行するストッパ弁
の制御部が設けられていることを特徴とする蒸気滅菌装
置にある。
【0007】また、本発明は、圧力容器としての本体部
の滅菌室内に設けられ、水を貯留する貯留部と、前記貯
留部に貯留された水を加熱し、前記滅菌室内に水蒸気を
発生する加熱手段と、発生した水蒸気を前記滅菌室外に
排出する蒸気抜出配管に設けられたストッパ弁とを具備
する蒸気滅菌装置を用い、前記滅菌室内に挿入された被
滅菌物を蒸気滅菌する際に、該ストッパ弁を開き、前記
加熱手段により加熱して発生した水蒸気によって前記滅
菌室内の空気を排除しつつ滅菌室の内温を昇温し、前記
滅菌室内の内温の上昇が実質的に零の状態となって、前
記滅菌室の内温が水の沸点温度に到達したとき、前記ス
トッパ弁を閉じて前記滅菌室の内圧及び内温を上昇せし
め、次いで、前記滅菌室の内温が前記沸点温度よりも高
温で且つ滅菌温度よりも低温の所定温度に到達し、且つ
前記滅菌室の内圧が前記所定温度における飽和水蒸気圧
力と実質的に等しいとき、前記滅菌室が滅菌温度・圧力
となるように、前記ストッパ弁の閉じた状態を続行する
ことを特徴とする蒸気滅菌方法である。
【0008】かかる本発明において、ストッパ弁を閉じ
て滅菌室の内温を、水の沸点温度よりも高温で且つ滅菌
温度よりも低温の所定温度に昇温したとき、前記滅菌室
の内圧が、前記所定温度における飽和水蒸気圧力と実質
的に異なる場合、前記ストッパ弁を開放して滅菌室の内
圧を放圧し、前記滅菌内の残存空気を排出した後、再
度、前記ストッパ弁を閉じて滅菌室の内圧及び内温を上
昇することによって、例え滅菌室内に残留空気を存在さ
せた状態でストッパ弁を閉じて昇圧しても、再度、残留
空気を排出することができる。また、水の沸点温度より
も高温で且つ滅菌温度よりも低温の所定温度を、水の沸
点温度よりも7℃ほど高温に設定することによって、滅
菌室の内圧と対応する飽和水蒸気圧力との比較を容易と
することができる。
【0009】本発明によれば、滅菌室内が滅菌温度・圧
力に到達する前に、滅菌室内が充分に蒸気置換されてい
るか否を短時間でチェックできる。このため、滅菌室内
に空気が残留していれば、滅菌室内が滅菌圧力に到達す
る前に、直ちに滅菌室内の水蒸気を排気して残留空気を
排除した後、再度、滅菌室内を昇温・昇圧することがで
きる。したがって、滅菌室内に空気が残留していること
に因り、滅菌室の圧力が滅菌圧力に到達しても、滅菌室
内の温度が滅菌温度よりも低温となって、被滅菌物が滅
菌不良となる事態を効果的に防止できる。しかも、滅菌
室内の残留空気の有無を、滅菌室内が滅菌温度・圧力に
到達する前にチェックできるため、滅菌室内の水蒸気を
排気して残留空気を排除した後、再度の滅菌室内の昇温
・昇圧を迅速に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る蒸気滅菌装置の一例
を図1に示す。図1に示す蒸気滅菌装置10の本体部1
2には、蓋体14によって密閉可能に設けられた滅菌室
16が設けられ、この滅菌室16には、被滅菌物が載置
される載置板18が設けられている。更に、載置板18
の下方には、水が貯留される凹部が水貯留部20として
形成され、水貯留部20には、貯留水を加熱して水蒸気
を発生させるヒータ22が配設されている。この水貯留
部20には、配管24によって補給水が補給される給水
タンク26から制御弁27が途中に設けられた給水配管
28を経由して給水される。かかる本体部12には、滅
菌室16の内圧及び温度を検出する圧力センサP及び温
度センサTが設けられ、水貯留部20の貯留水の有無を
検出する貯留水検出センサFLが設けられている。ま
た、本体部12の滅菌室16から水蒸気を抜き出す蒸気
抜出配管30と水貯留部20から水を抜き出す水抜配管
34とが設けられている。この蒸気抜出配管30にはス
トッパ弁としての制御弁32が設けられており、水抜配
管34にはモータ駆動の制御弁36が設けられている。
更に、本体部16には、フィルター等で清浄化された空
気が、モータ駆動の制御弁38及びヒータ40が途中に
設けられた空気供給配管42を経由して供給される。こ
れらの各配管に設けられた制御弁27,32,36,3
8は、パネル板に設けられた制御部50によって制御さ
れている。制御部50は、図2に示す様に、CPU5
2、メモリ54、液晶等の表示部56及びテンキー等の
入力部58から成り、本体部12に設けられた圧力セン
サP及び温度センサTからの測定圧力及び測定温度(T
2)の信号に基づいて各制御弁を制御する。
【0011】かかる図1に示す蒸気滅菌装置10の滅菌
室16に収容された被滅菌物に蒸気滅菌を施す際には、
先ず、水抜配管34の制御弁36を開放した状態で、空
気供給配管42の制御弁38を開き、ヒータ40で加熱
された熱風を滅菌室16内に供給し、滅菌室16及び被
滅菌物を予熱する。この際、制御弁27を開き、給水タ
ンク26から給水配管28を経由して水貯留部20に給
水する。この給水は貯留水検出センサFLが検出するま
で行う。更に、水貯留部20に貯留された貯留水をヒー
タ22で加熱して水蒸気を発生しつつ、発生した水蒸気
を滅菌室16内の空気と共に蒸気抜出配管30から抜き
出すことによって、滅菌室16内の空気を水蒸気に置換
する。この蒸気置換の際に、制御弁32は、制御部50
によって、図3に示す手順で制御される。図3に示す手
順は、水貯留部20の貯留水を加熱するヒータ22のス
イッチがONになったときに開始する。先ず、蒸気抜出
配管30に設けられたストップ弁としての制御弁32を
開放(ステップS11)した後、滅菌室16内の温度が水
の沸点温度(BT)に到達したことを確認する。この確
認動作は、図3に示すステップS12〜ステップS14で行
われる。この動作では、温度センサTで測定された今回
温度(T2)とメモリ54に記憶されている前回測定温
度(T1)[以下、前回温度(T1)と称することがあ
る]との温度差ΔT1(絶対値)をCPU52で計算す
る(ステップS12)。この計算に用いた今回温度
(T2)は、前回測定温度(T1)としてメモリ54に記
憶する。算出した温度差ΔT1が、入力部58から入力
されてメモリ54に記憶されているα℃と比較する(ス
テップS13)。ここで、ΔT1>α℃の場合、滅菌室1
6内は水の沸点温度(BT)に到達しておらず、ステッ
プS12に戻り、再度、温度差ΔT1を計算し、α℃と比
較する動作を繰り返す。
【0012】一方、ΔT1≦α℃の場合、一応、滅菌室
16内は水の沸点温度(BT)に到達したものとしてス
テップS14に進む。ステップS14では、滅菌室16内が
確実に水の沸点温度(BT)に到達したことを確認する
ため、所定時間(例えば2分間)の間、ΔT1≦α℃な
る関係が連続していることをチェックする。この所定時
間の設定は、タイマーを用いることによって容易に設定
できる。ここで、ΔT1≦α℃なる関係が所定時間連続
していない場合は、滅菌室16内が水の沸点温度(B
T)に到達していないおそれがあるとし、ステップS12
に戻り、再度、ステップS13及びステップS14の動作を
繰り返す。一方、ΔT1≦α℃なる関係が所定時間連続
している場合は、滅菌室16内が水の沸点温度(BT)
に到達しており、滅菌室16内が蒸気置換されたものと
してステップS15に進む。尚、α℃は、温度センサTの
精度等に応じて変更できるが、約3℃程度に設定するこ
とが好ましい。
【0013】ステップS15では、ΔT1≦α℃なる関係
を満足した今回温度(T2)を沸点温度(BT)とする
と共に、沸点温度(BT)をメモリ54に記憶する。こ
の様に、ΔT1≦α℃なる関係を満足した今回温度
(T2)を沸点温度(BT)とすることによって、蒸気
滅菌装置10が載置されている場所の標高や当日の気圧
等に対応した水の沸点温度(BT)を設定できる。更
に、ステップS16に進み、蒸気抜出配管30に設けられ
たストップ弁としての制御弁32を閉じて滅菌室16内
を昇温・昇圧し、滅菌室16内の内温をステップS15
定義した沸点温度(BT)よりも高温で且つ滅菌温度よ
りも低温の所定温度とする。
【0014】滅菌室16の内温が所定温度に昇温したこ
との確認は、ステップS17及びステップS18によって行
う。ステップS17では、温度センサTで測定された今回
温度(T1)とメモリ54に記憶されている沸点温度
(BT)との温度差ΔT2を計算し、ステップS18に進
む。ステップS18では、算出した温度差ΔT2と、入力
部58から入力されてメモリ54に記憶されているβ℃
と比較する。このβ℃としては、任意に設定できるが、
約7℃程度とすることが好ましい。ステップ18におい
て、ΔT2<β℃の場合は、滅菌室16が所定温度に到
達していないものとして、ステップS17に戻る。一方、
ΔT2≧β℃の場合は、滅菌室16は所定温度に到達し
たものとして、ステップS19に進む。
【0015】ステップS19では、圧力センサPで測定さ
れた測定圧力と、メモリ54に予め記憶されている飽和
水蒸気表において、ステップS17の計算に用いられた今
回温度(T1)に対応する圧力(BP)との圧力差ΔP
(絶対値)を計算し、ステップS20に進む。ステップS
20では、算出した圧力差ΔPとメモリ54に記憶されて
いるγとを比較する。このγとしては、圧力センサPの
精度等に対応して任意に設定できるが、約0.005M
Pa程度とすることが好ましい。ステップS20におい
て、ΔP>γの場合は、滅菌室16内に空気が残留して
いるため、滅菌室16内が昇温され難いことを示してい
る。このため、滅菌室16内の残留空気を排除すべく、
ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップ20の動作
を繰り返す。一方、ΔP≦γの場合は、滅菌室16内の
残留空気が充分に排除されていると判断でき、図3に示
す手順を終了し、滅菌室16内を滅菌温度・圧力まで上
昇させる。滅菌室16が滅菌温度・圧力に到達したと
き、この状態を所定時間保持して被滅菌物に滅菌を施
す。次いで、被滅菌物に対する滅菌が終了したとき、水
抜配管34の制御弁36を開き、滅菌室16内の水蒸気
と加熱水とを抜き出す。その後、フィルター等で清浄化
された空気を、モータ駆動の制御弁38及びヒータ40
が途中に設けられた空気供給配管42を経由して滅菌室
16内に供給し、蒸気滅菌が施された被滅菌物を乾燥し
て一連の滅菌処理を終了する。
【0016】図3に示す手順で制御した滅菌室16の温
度及び圧力の変化を図4に示す。図4において、滅菌室
16の内温の上昇が実質的に零の状態となっている温度
が水の沸点温度(BT)であり、X点がΔT2≧β℃と
なる温度(T1)に到達した点である。X点でのΔP>
γとなった場合、制御弁32を開放するため、図4に示
す点線の様に、滅菌室16の内温・内圧は低下する。図
4は、X点でΔP≦γとなっており、制御弁32を開放
することなく滅菌室16内を滅菌温度・圧力まで上昇し
た。X点で制御弁32を開放した例を図5に示す。図5
において、X1点でΔP>γとなったため、制御弁32
を開放し、大気圧まで滅菌室16内の圧力を低下させ
た。その後、この状態を所定時間(約2分間程度)続行
して滅菌室16内の残留空気を排除する(図3に示すス
テップS12〜ステップS14)。次いで、再度、制御弁3
2を閉じて滅菌室16内の昇温・昇圧を開始し、X2
において、ΔPとγとの関係を再チェックする(図3に
示すステップS15〜ステップS20)。図5では、X2
において、ΔP≦γを満足したため、制御弁32を開放
することなく滅菌室16内を滅菌温度・圧力まで上昇し
た。尚、X2点においても、ΔP>γである場合は、制
御弁32を再度開放し、図5に示す点線の様に、滅菌室
16の内温・内圧を低下し、滅菌室16内の残留空気を
排除する。
【0017】図1に示す蒸気滅菌装置では、常に、滅菌
室16内は大気圧以上であるため、滅菌室16内の蒸気
置換時間及び乾燥工程での乾燥時間が長くなり易い。こ
の滅菌室16内の蒸気置換時間及び乾燥工程での乾燥時
間を短縮するには、図6に示す様に、真空ポンプ62が
設けられた蒸気滅菌装置60を好適に使用できる。図6
に示す蒸気滅菌装置60では、本体部12の滅菌室16
から水蒸気を抜き出す蒸気抜出配管30に設けられたス
トッパ弁である制御弁32と本体部12との間に、一端
が真空ポンプ62に接続された真空配管64の他端が接
続されている。この真空配管64の途中に、モータ駆動
の制御弁66が設けられており、制御部50によって制
御されている。また、真空ポンプ62は、滅菌室16内
の水蒸気を吸引するため、水封式真空ポンプを好適に使
用できる。尚、蒸気滅菌装置60を構成する部品のう
ち、図1に示す蒸気滅菌装置10と同一部品は、同一番
号を付与して詳細な説明を省略した。
【0018】蒸気滅菌装置60を用いて被滅菌物に蒸気
滅菌を施す際には、先ず、蒸気抜出配管30の制御弁3
2を閉じた状態で、真空ポンプ62を駆動すると共に、
制御弁66を開き、滅菌室16内を減圧状態としつつ、
空気供給配管42の制御弁38を開き、ヒータ40で加
熱された熱風を滅菌室16内に吹き込み、滅菌室16及
び被滅菌物を予熱する。この際、制御弁27を開き、給
水タンク26から給水配管28を経由して水貯留部20
に給水する。この給水は貯留水検出センサFLが検出す
るまで行う。予熱が終了し、制御弁66を閉じて更に滅
菌室16内を減圧状態とした後、水貯留部20に貯留し
た貯留水をヒータ22で加熱して水蒸気を発生し、滅菌
室16内を水蒸気で充填する。滅菌室16が水蒸気で充
填され、圧力センサPの測定値が大気圧と等しくなった
とき、制御弁32は、制御部50によって、図3に示す
手順で制御される。その際に、先ず、制御弁32を開
き、滅菌室16内の水蒸気を排出しつつ、残存空気を排
出する。その後の手順は、蒸気滅菌装置10と同様であ
るため、詳細な説明は省略する。この蒸気滅菌装置60
には、真空ポンプ62が設けられているため、乾燥工程
では、真空ポンプ62を駆動して滅菌室16内を減圧す
る操作と、滅菌室16内を減圧したことによって、水の
蒸発潜熱により温度低下した被滅菌物を加熱すべく、空
気供給配管42の制御弁38を開き、ヒータ40で加熱
された熱風を滅菌室16内に供給する操作を繰り返して
行うことができる。このため、乾燥工程の工程時間を、
蒸気滅菌装置10に比較して短縮できる。
【0019】図6に示す蒸気滅菌装置60の滅菌室16
の内温及び内圧のパターンを図7に示す。図7において
も、滅菌室16の内温の上昇が実質的に零の状態となる
温度が沸点温度(BT)であり、X点が図3に示すΔT
2≧β℃となる温度(T1)に到達した点である。図7
は、X点でΔP≦γとなっており、制御弁32を開放す
ることなく滅菌室16内を滅菌温度・圧力まで上昇し
た。X点でΔP>γとなって制御弁32を開放した例を
図8に示す。図8において、X1点で制御弁32を開放
し、大気圧まで滅菌室16内の圧力を低下させた後、こ
の状態を所定時間(約2分間程度)続行し、滅菌室16
内の残存空気を排除する(図3に示すステップS12〜ス
テップS14)。次いで、再度、制御弁32を閉じて滅菌
室16内の昇温・昇圧を開始し、X2点において、ΔP
とγとの関係を再チェックする(図3に示すステップS
15〜ステップS20)。図8では、X2点において、ΔP
≦γを満足しているため、制御弁32を開放することな
く滅菌室16内を滅菌温度・圧力まで上昇した。
【0020】図1〜図8に示す蒸気滅菌装置では、滅菌
室16内の残留空気を充分に排除でき、滅菌室16を滅
菌温度・圧力とすることができる。このため、滅菌室1
6内に、リネン等の空気が排出され難い被滅菌物が収容
されたとしても、容易に滅菌室16内の残留空気を排出
できる。また、滅菌室16内の残留空気の有無を、簡単
なシステムでチェックすることができる。しかも、滅菌
室16の内温を昇温する途中で、滅菌室16内に残留空
気が存在していることが判明しても、滅菌温度・圧力に
到達する前に残留空気を排出する操作を行うことがで
き、迅速に残留空気の排除を行うことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、滅菌室内の蒸気置換が
充分になされていることを短時間で且つ容易に確認で
き、確実に滅菌室内を所定の滅菌温度・圧力とすること
ができる。このため、滅菌室内の残留空気に起因する昇
温不良に因る滅菌不良を可及的に防止でき、蒸気滅菌が
施された被滅菌物及び蒸気滅菌装置の信頼性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気滅菌装置の一例を説明する概
略図である。
【図2】図1に示す制御部の構成を説明するブロック図
である。
【図3】制御部の制御手順を説明するフローチャートで
ある。
【図4】図1に示す蒸気滅菌装置の滅菌室の温度・圧力
変化を示すチャートの一部である。
【図5】制御部によって図1に示す蒸気滅菌装置の滅菌
室の温度・圧力を制御した状態を示すチャートの一部で
ある。
【図6】本発明に係る蒸気滅菌装置の他の例を説明する
概略図である。
【図7】図6に示す蒸気滅菌装置の滅菌室の温度・圧力
変化を示すチャートの一部である。
【図8】制御部によって図6に示す蒸気滅菌装置の滅菌
室の温度・圧力を制御した状態を示すチャートの一部で
ある。
【図9】従来の蒸気滅菌装置を説明する概略図である。
【図10】図9に示す蒸気滅菌装置の滅菌室の温度・圧
力変化を示すチャートである。
【符号の説明】
10,60 蒸気滅菌装置 12 本体部(圧力容器) 16 滅菌室 18 載置板 20 水貯留部 22 ヒータ 30 蒸気抜出配管 32 制御弁(ストッパ弁) 50 制御部 P 圧力センサ T 温度センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力容器としての本体部の滅菌室内に設
    けられ、水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留され
    た水を加熱し、前記滅菌室内に水蒸気を発生する加熱手
    段と、発生した水蒸気を前記滅菌室外に排出する蒸気抜
    出配管に設けられたストッパ弁とを具備する蒸気滅菌装
    置において、 該加熱手段によって加熱されて発生し、前記滅菌室の内
    温を昇温した水蒸気が、前記滅菌室の外部に空気と共に
    排出されるように、前記ストッパ弁を開放すると共に、 前記滅菌室の内温の上昇が実質的に零の状態となって、
    前記滅菌室の内温が水の沸点温度に到達したとき、前記
    滅菌室の内圧及び内温が上昇されるように、前記ストッ
    パ弁を閉じ、 前記滅菌室の内温が、前記沸点温度よりも高温で且つ滅
    菌温度よりも低温の所定温度に昇温された際に、前記滅
    菌室の内圧が前記所定温度における飽和水蒸気圧力と実
    質的に等しいとき、前記滅菌室が滅菌温度・圧力となる
    ように、前記ストッパ弁の閉じた状態を続行するストッ
    パ弁の制御部が設けられていることを特徴とする蒸気滅
    菌装置。
  2. 【請求項2】 ストッパ弁の制御部が、ストッパ弁を閉
    じて滅菌室の内温を、水の沸点温度よりも高温で且つ滅
    菌温度よりも低温の所定温度に昇温したとき、前記滅菌
    室の内圧が前記所定温度における飽和水蒸気圧力と実質
    的に異なる場合、前記ストッパ弁を開放して滅菌室の内
    圧を放圧し、再度、前記滅菌室内の残留空気を排出する
    ように、前記ストッパ弁を制御するストッパ弁制御部で
    ある請求項1記載の蒸気滅菌装置。
  3. 【請求項3】 水の沸点温度よりも高温で且つ滅菌温度
    よりも低温の所定温度が、水の沸点温度よりも7℃ほど
    高温であるように設定されている請求項1又は請求項2
    記載の蒸気滅菌装置。
  4. 【請求項4】 圧力容器としての本体部の滅菌室内に設
    けられ、水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留され
    た水を加熱し、前記滅菌室内に水蒸気を発生する加熱手
    段と、発生した水蒸気を前記滅菌室外に排出する蒸気抜
    出配管に設けられたストッパ弁とを具備する蒸気滅菌装
    置を用い、前記滅菌室内に挿入された被滅菌物を蒸気滅
    菌する際に、 該ストッパ弁を開き、前記加熱手段により加熱して発生
    した水蒸気によって前記滅菌室内の空気を排除しつつ滅
    菌室の内温を昇温し、前記滅菌室内の内温の上昇が実質
    的に零の状態となって、前記滅菌室の内温が水の沸点温
    度に到達したとき、前記ストッパ弁を閉じて前記滅菌室
    の内圧及び内温を上昇せしめ、 次いで、前記滅菌室の内温が前記沸点温度よりも高温で
    且つ滅菌温度よりも低温の所定温度に到達し、且つ前記
    滅菌室の内圧が前記所定温度における飽和水蒸気圧力と
    実質的に等しいとき、前記滅菌室が滅菌温度・圧力とな
    るように、前記ストッパ弁の閉じた状態を続行すること
    を特徴とする蒸気滅菌方法。
  5. 【請求項5】 ストッパ弁を閉じて滅菌室の内温を、水
    の沸点温度よりも高温で且つ滅菌温度よりも低温の所定
    温度に昇温したとき、前記滅菌室の内圧が、前記所定温
    度における飽和水蒸気圧力と実質的に異なる場合、前記
    ストッパ弁を開放して滅菌室の内圧を放圧し、前記滅菌
    内の残存空気を排出した後、再度、前記ストッパ弁を閉
    じて滅菌室の内圧及び内温を上昇する請求項4記載の蒸
    気滅菌方法。
  6. 【請求項6】 水の沸点温度よりも高温で且つ滅菌温度
    よりも低温の所定温度を、水の沸点温度よりも7℃ほど
    高温に設定する請求項1又は請求項2記載の蒸気滅菌方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8168132B2 (en) 2006-07-07 2012-05-01 Scican Ltd. Apparatus and method for drying instruments using superheated steam

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