JP2002005217A - シール装置 - Google Patents

シール装置

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JP2002005217A
JP2002005217A JP2000181905A JP2000181905A JP2002005217A JP 2002005217 A JP2002005217 A JP 2002005217A JP 2000181905 A JP2000181905 A JP 2000181905A JP 2000181905 A JP2000181905 A JP 2000181905A JP 2002005217 A JP2002005217 A JP 2002005217A
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lip
piston rod
elastic contact
outer peripheral
cylinder
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JP2000181905A
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Hiroyuki Yamaguchi
裕之 山口
Fumiyuki Yamaoka
史之 山岡
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール性およびシールリップの耐摩耗性を低下
させることなしにフリクション付与機能を発揮させ、高
周波振動を含む広範な振動を有効に低減することができ
るシール装置の提供。 【解決手段】外周側がシリンダ1側に固定され、内周側
には弾性ゴム部材10から成り、ピストンロッド6外周
面に弾接するシールリップ11およびシールリップ11
よりはシリンダ1の外部側に設けられていてシールリッ
プ11よりは大径でピストンロッド6外周面に弾接する
フリクションリップ12とを備え、フリクションリップ
12の弾接面14には複数条の周方向溝15が形成さ
れ、各弾接面14aの軸方向幅を所定幅以上に設定し、
各弾接面14aとピストンロッド6外周面との間でそれ
ぞれ発生するフリクションの合計が、シールリップ12
の弾接面14とピストンロッド6外周面との間で発生す
るフリクションより大きくなるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、車体と車軸との
一方に取り付けられるピストンロッドと、該ピストンロ
ッドが一端から挿通され他端が前記車体と車軸のもう一
方に取り付けられるシリンダと、該シリンダの一端部に
設けられていて前記ピストンロッドの摺動をガイドする
ガイド部材と、前記シリンダ内に設けられていて前記車
体と車軸との間の振動を減衰する減衰力発生手段と、を
備えた液圧緩衝器の前記シリンダの一端に設けられてい
て該シリンダと前記ピストンロッドとの間を摺動可能に
シールしてシリンダ内外を隔成シールするシールリップ
を備えたシール装置に関し、特に、シール機能の他にフ
リクション付与機能を併有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の液圧緩衝器としては、
例えば、特開平10−141415号公報(従来例1)
に記載のものが知られている。この従来例1の液圧緩衝
器は、ロッドガイドとピストンロッドとの間に1箇所が
切断された環状のブッシュを設け、このブッシュの外周
側にコイルスプリングを配置してブッシュの内周面をピ
ストンロッドに押圧し、これにより、ピストンロッドの
微低速の運動にフリクションを与えるように構成された
ものであった。また、シール装置としては、例えば、特
開昭53−115476号公報(従来例2)に記載のも
のが知られている。この従来例2のシール装置は、図7
に示すように、その内周側に、前記ピストンロッドの外
周面に弾接して摺動シールする複数のシールリップ10
1、102が設けられ、各シールリップ101、102
には断面円弧状の環状突起103、104が複数状設け
られた構造としたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記
従来例1、2にあっては、以下に述べるような問題点が
ある。即ち、従来例1にあっては、上述のように、前記
ピストンロッドの微低速の運動にフリクションを得るこ
とを主目的とするものであるため、ブッシュは、ロット
ガイドに形成された凹部内に収容され、この凹部を覆う
抜け止め部材によって軸方向の抜け止めがなされている
が、この凹部内において軸方向に隙間を持って収容され
ることにより、隙間の分だけロットガイドに対し軸方向
移動可能に設けられている。従って、前記ピストンロッ
ドの大振幅の運動に対してはブッシュによるフリクショ
ンが有効に作用するが、微振幅の運動(高周波振動)に
対しては、ブッシュがピストンロッドに摩擦接触したま
まピストンロッドと共に隙間の範囲を軸方向移動するた
め、有効なフリクションが得られない。ところが、前記
ピストンロッドの微振幅の運動、例えば、振幅が±0.
5mm以下で周波数が15Hz以上の高周波振動の制御
は、車両の乗り心地を決定する要因の1つであるため、
微低速・大振幅の低周波振動の低減はもとより、高周波
振動を同時に低減させることが求められているが、従来
例1では、この高周波振動を同時に低減させることはで
きない。特に、ピストンロッドの運動方向が切り替わる
時に発生する軸(上下)方向の高周波振動を低減するこ
とはできない。
【0004】また、前記従来例2のシール装置にあって
は、もっぱらピストンロッド外周面に弾接して摺動シー
ルすることを目的とするものであるため、ピストンロッ
ド外周面とのフリクションを極力小さくして耐摩耗性を
高める必要から、環状突起103、104の形状を断面
円弧状に形成すると共に、その軸方向幅を極力狭く形成
するようにしたものであり、従って、微低速・大振幅の
低周波振動および高周波振動のいずれも低減する効果は
得られない。なお、従来例2におけるシールリップ10
1、102のフリクションを大きくすることにより、微
低速・大振幅の低周波振動および高周波振動のいずれも
低減することが可能になるが、そうすると、上述のよう
に、フリクションの増大によりシールリップ101、1
02の耐摩耗性が低下し、これにより、シール装置の耐
久性を大幅に低下させてしまうことになる。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、シール装置におけるシール性およびリ
ップの耐摩耗性を低下させることなしにフリクション付
与機能を発揮させ、これにより、高周波振動を含む広範
な振動を有効に低減することができるシール装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために、本発明請求項1記載のシール装置は、車体と車
軸との一方に取り付けられるピストンロッドと、該ピス
トンロッドが一端から挿通され他端が前記車体と車軸の
もう一方に取り付けられるシリンダと、該シリンダの一
端部に設けられていて前記ピストンロッドの摺動をガイ
ドするガイド部材と、前記シリンダ内に設けられていて
前記車体と車軸との間の振動を減衰する減衰力発生手段
と、を備えた液圧緩衝器の前記シリンダの一端に設けら
れていて該シリンダと前記ピストンロッドとの間を摺動
可能にシールしてシリンダ内外を隔成シールするシール
装置において、前記シール装置は、その外周側がシリン
ダ側に固定され、内周側には弾性材料から成り、前記ピ
ストンロッド外周面に弾接して摺動シールする第1リッ
プおよび該第1リップよりは前記シリンダの外部側に設
けられていて第1リップよりは大径で前記ピストンロッ
ド外周面に弾接して摺動する第2リップとが備えられ、
前記第2リップにおける前記ピストンロッド外周面との
弾接面には複数条の周方向溝が形成され、前記第2リッ
プにおける前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面
の軸方向幅を所定幅以上に設定し、該各弾接面と前記ピ
ストンロッド外周面との間でそれぞれ発生するフリクシ
ョンの合計が、前記第1リップの弾接面と前記ピストン
ロッド外周面との間で発生するフリクションより大きく
なるように構成されている手段とした。
【0007】請求項2記載のシール装置は、請求項1記
載のシール装置において、前記第1リップにおける前記
ピストンロッド外周面との弾接面には複数条の周方向溝
もしくは環状突起が形成され、前記第1リップにおける
前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面もしくは環
状突起の軸方向幅よりも前記第2リップにおける前記複
数条の周方向溝で分割された各弾接面の軸方向幅を広く
設定し、前記第2リップにおける各弾接面と前記ピスト
ンロッド外周面との間で発生するフリクションの合計
が、前記第1リップにおける各弾接面もしくは環状突起
と前記ピストンロッド外周面との間で発生するフリクシ
ョンより大きくなるように構成されている手段とした。
【0008】請求項3記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において、前記第2リップに
おける前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面が、
前記ピストンロッド挿入前の無負荷状態では前記シリン
ダの外部側が大径になる傾斜面に形成されている手段と
した。
【0009】請求項4記載のシール装置は、請求項1〜
3のいずれかに記載のシール装置において、前記第1リ
ップと第2リップとの間に、前記第2リップより大径の
第3リップが備えられている手段とした。
【0010】
【作用】 この発明請求項1記載のシール装置では、上
述のように構成されるため、シリンダとピストンロッド
が相対運動すると、ピストンロッド外周面に弾接して摺
動する第1リップにより、シリンダとピストンロットと
の間が摺動可能にシールされ、これにより、シリンダ内
外を隔成シールするシール機能が発揮される一方、ピス
トンロッド外周面に弾接して摺動する第2リップの各弾
接面と前記ピストンロッド外周面との間でそれぞれ発生
するフリクションの合計が、前記第1リップの弾接面と
前記ピストンロッド外周面との間で発生するフリクショ
ンより大きくなるように構成されることにより、この第
2リップにより、フリクション機能が発揮される。そし
て、この第2リップによるフリクション機能は、微低速
・大振幅の低周波振動に対して当然に作用して振動を減
衰させると共に、ピストンロッドの微振幅の高周波振動
に対しては、第2リップが軸方向に弾性変形することに
より、ピストンロッドに対する各弾接面の弾接状態を維
持させるように作用し、これにより、ピストンロッドの
運動速度に対しフリクション(ダンパが発生する力)の
発生を若干遅らせる。従って、特に、ピストンロッドの
運動方向が切り替わる時(運動速度が零になる時)に発
生しているフリクション(ダンパが発生する力)の絶対
値が増加し、即ち、第2リップの弾性反発力によって液
圧緩衝器の動ばね定数が高くなり、ピストンロッドの運
動方向が切り替わる時に発生するピストンロッドの軸方
向(上下方向)の高周波振動を減衰するように作用す
る。
【0011】さらに、第2リップの弾接面には複数条の
周方向溝が形成され、この周方向溝で弾接面が分割され
ることにより、微低速・大振幅時における動ばね定数は
低減させ、微振幅時における動ばね定数のみを高めるこ
とができ、これにより、ピストンロッドの高周波振動を
低減させることで車両の乗り心地を向上させることがで
きると共に、周方向溝を介して分割された各弾接面への
油の潤滑性が確保され、これにより、第2リップの耐摩
耗性を向上させることができる。従って、シール装置に
おけるシール性およびリップの耐摩耗性を低下させるこ
となしにフリクション付与機能を発揮させ、これによ
り、高周波振動を含む広範な振動を有効に低減すること
ができる。
【0012】請求項2記載のシール装置では、上述のよ
うに、前記第1リップにおける前記ピストンロッド外周
面との弾接面には複数条の周方向溝もしくは環状突起が
形成されることにより、各弾接面もしくは環状突起への
油の潤滑性が確保され、これにより、第1リップの耐摩
耗性も向上させることができる。
【0013】請求項3記載のシール装置では、上述のよ
うに、前記第2リップにおける前記複数条の周方向溝で
分割された各弾接面が、前記ピストンロッド挿入前の無
負荷状態では前記シリンダの外部側が大径になる傾斜面
に形成されることにより、第2リップにおけるシール機
能を高めることができると共に、ピストンロッドの挿入
により第2リップが該第2リップの軸方向中心部よりシ
リンダの外部側寄りの位置を支点として弾性変形するよ
うな場合においては、各弾接面の全体をピストンロッド
外周面に均等に弾接させるように作用し、十分なフリク
ション機能を発揮させることができる。
【0014】請求項4記載のシール装置では、上述のよ
うに、前記第1リップと第2リップとの間に、前記第2
リップより大径の第3リップが備えられることで、第2
リップが摩耗しても、第3リップにより第1リップが弾
性変形する際の支点が確保されるため、第1リップのア
プローチ角を安定化させ、これにより、シール性を確保
させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)まず、本発明の実施の形態の構
成を図1〜3に基づいて説明する。
【0016】図1は、発明の実施の形態1のシール装置
が適用された液圧緩衝器を示す断面図であり、この図に
示すように、この液圧緩衝器は、ツインチューブ式のダ
ンパであり、シリンダ1と、該シリンダ1内周面を摺動
自在に挿入されていて上部室Aと下部室Bとの間を画成
するピストン3と、シリンダ1の外周にリザーバ室Cを
形成した外筒4と、下部室Bとリザーバ室Cとの間を画
成するベース5と、ピストン3に連結されたピストンロ
ッド6の軸方向移動をシリンダの上端部においてガイド
するロッドガイド7と、前記ピストン3に設けられた減
衰力発生手段8と、前記ロッドガイド7の上部で外筒4
の上端部に設けられたシール装置9とを備えている。
【0017】前記シール装置9は、シリンダ1および外
筒4とピストンロッド6との間を摺動可能にシールして
シリンダ1および外筒4の内外を隔成シールすることを
主目的するもので、図2にその拡大断面図を示すよう
に、金属製の環状基板91の内周側に、ピストンロッド
6の外周面に所定の力で弾接するシールリップ(第1リ
ップ)11、フリクションリップ(第2リップ)12、
および、ダストリップ13を備えた弾性ゴム部材10が
加硫接着されている。そして、前記シール部材9は、そ
の環状基板91の外周側をロッドガイド7の上面に載置
した状態で、外筒4の上端部を内側に折り曲げることに
より、該折り曲げ部とロッドガイド7との間に挟持され
た状態で固定されている(図1参照)。
【0018】さらに詳述すると、前記弾性ゴム部材10
は、略円筒状に形成されていて、前記ダストリップ13
は環状基板91より上方の位置に備えられ、前記シール
リップ11およびフリクションリップ12は環状基板9
1より下方の位置であってシールリップ11が環状基板
91から最も遠い下端部に備えられている。
【0019】そして、前記シールリップ11の外周に
は、該シールリップ11をピストンロッド6の外周面に
弾接する方向に常時押圧付勢する環状のコイルスプリン
グ92が装着されている。また、前記フリクションリッ
プ12の外周には、該フリクションリップ12の撓みを
防止する下すぼみ状の環体93が加硫接着された状態で
設けられている。
【0020】前記シールリップ11は、シリンダ1およ
び外筒4とピストンロッド6との間を摺動可能にシール
してシリンダ1および外筒4の内外を隔成シールする役
目をなすもので、図2に示すピストンロッド6を挿入す
る前の無負荷状態において、その軸方向中心部が軸心方
向に突出する断面山形に形成されていて、上側の傾斜面
がピストンロッド6の挿入により撓むことでピストンロ
ッド6の外周面に弾接して摺動する弾接面14を構成
し、また、下側の傾斜面とピストンロッド6との間で、
アプローチ角が形成されるようになっている。そして、
前記シールリップ11の弾接面14には、図3にその詳
細を示すように、ピストンロッド6とのフリクションを
低減させると共に耐摩耗性を高めるために複数条の周方
向溝15が形成されている。
【0021】前記フリクションリップ12は、その弾接
面16をピストンロッド6の外周面に弾接させることに
よりピストンロッド6の摺動に所定のフリクションを与
えてピストンロッド6の振動を減衰させることにより、
車両の乗り心地を向上させる役目をなすもので、図3に
もその要部詳細断面図を示すように、前記弾接面15に
は、2条の周方向溝17が形成されることにより、弾接
面16が3つに分割され、この分割された各弾接面16
a、16a、16aが、ピストンロッド6を挿入する前
の無負荷状態では上部が大径になる傾斜面に形成されて
いる。そして、前記フリクションリップ12の最小径φ
cは、前記シールリップ11の最小径φaよりは大径に
形成されている。なお、前記周方向溝17の形状および
幅は任意である。また、表現上の相違で実質的な相違で
はないが、前記弾接面15として複数条の環状突出部を
形成することにより、各環状突出部相互間に環状溝17
を形成し、前記環状突出部の表面を各弾接面16a、1
6a、16aとしてもよい。
【0022】また、前記シールリップ11における周方
向溝15で分割された各弾接面14aの軸方向幅(0.
05〜0.15mm程度)よりもフリクションリップ1
2における周方向溝17で分割された各弾接面16aの
軸方向幅を広く(0.5〜1.5mm程度)設定し、フ
リクションリップ12における周方向溝17で分割され
た各弾接面16aとピストンロッド6の外周面との間で
それぞれ発生するフリクションの合計が、前記シールリ
ップ11における周方向溝15で分割された各弾接面1
4aとピストンロッド6の外周面との間で発生するフリ
クションの合計より大きくなるように、各弾接面16
a、16a、16a軸方向幅が所定幅以上に設定されて
いる。
【0023】次に、この発明の実施の形態1の作用・効
果を説明する。この発明の実施の形態1のシール装置で
は、上述のように構成されるため、シール装置9にピス
トンロッド6が挿入された組み付け状態においては、シ
ールリップ11の各弾接面14a、フリクションリップ
12の弾接面16a、および、ダストリップ13がピス
トンロッド6の外周面に所定の力で弾接された状態とな
る。
【0024】そこで、シリンダ1とピストンロッド6が
相対運動すると、ピストンロッド6の外周面に各弾接面
14aが弾接して摺動するシールリップ11により、シ
リンダ1とピストンロット6との間が摺動可能にシール
され、これにより、シリンダ1内外を隔成シールするシ
ール機能が発揮される一方、ダストリップ13により、
外部からシリンダ1内へのダストの侵入が阻止される。
【0025】また、ピストンロッド6の外周面に弾接し
て摺動するフリクションリップ12の各弾接面16aと
ピストンロッド6の外周面との間でそれぞれ発生するフ
リクションの合計が、シールリップ11の各弾接面14
aとピストンロッド6の外周面との間で発生するフリク
ションの合計より大きくなるもので、このフリクション
リップ12で発生する大きなフリクションにより、ピス
トンロッド6の振動を減衰する、所謂フリクション機能
が発揮される。
【0026】そして、このフリクションリップ12によ
るフリクション機能は、ピストンロッド6の微低速・大
振幅の低周波振動に対して当然に作用し、該低周波振動
を減衰させる。また、ピストンロッド6の微振幅の高周
波振動に対しては、その微振幅分だけフリクションリッ
プ12が軸方向に弾性変形することにより、ピストンロ
ッド6に対する各弾接面16aの弾接状態を維持(摺動
ロック)させるように作用し、これにより、ピストンロ
ッド6の運動速度に対しフリクション(ダンパが発生す
る力)の発生を若干遅らせる。従って、特に、ピストン
ロッド6の運動方向が切り替わる時(運動速度が零にな
る時)に発生しているフリクション(ダンパが発生する
力)の絶対値が増加し、即ち、フリクションリップ12
の弾性反発力によって液圧緩衝器の動ばね定数が高くな
り、ピストンロッド6の運動方向が切り替わる時に発生
するピストンロッド6の軸方向(上下方向)の高周波振
動を減衰するように作用する。
【0027】さらに、フリクションリップ12の弾接面
16には2条の周方向溝17が形成され、この周方向溝
17で複数の弾接面16aに分割されることにより、微
低速・大振幅時における動ばね定数は低減させつつ、微
振幅時における動ばね定数のみを高めることができ、こ
れにより、ピストンロッド6の高周波振動を低減させる
ことで車両の乗り心地を向上させることができると共
に、周方向溝17を介して分割された各弾接面16aへ
の油の潤滑性が確保され、これにより、フリクションリ
ップ12の耐摩耗性を向上させることができるようにな
る。
【0028】また、前記シールリップ11におけるピス
トンロッド6の外周面との弾接面14には複数条の周方
向溝15が形成されることにより、分割された各弾接面
14aへの油の潤滑性が確保され、これにより、シール
リップ11の耐摩耗性も向上させることができるように
なる。
【0029】また、前記フリクションリップ12におけ
る各弾接面16a、16a、16aが、ピストンロッド
6を挿入する前の無負荷状態では上部が大径になる傾斜
面に形成されることにより、フリクションリップ12に
おけるシール機能を高めることができるようになる。
【0030】以上詳細に説明してきたように、この発明
の実施の形態1のシール装置にあっては、上述のよう
に、シール性およびシールリップ11の耐摩耗性を低下
させることなしにフリクションリップ12によりフリク
ション付与機能を発揮させ、高周波振動を含む広範な振
動を有効に低減することができるようになるという効果
が得られる。
【0031】次に、発明の他の実施の形態を説明する。
なお、この他の発明の実施の形態の説明に当たっては、
前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および
その説明を省略し、もしくは同一の符号を付してその説
明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0032】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2のシール装置は、図4の拡大断面図に示すよう
に、フリクションリップ12が、ピストンロッド6を挿
入する前の無負荷状態において、その軸方向中心部が軸
心方向に突出する断面山形に形成されていて、上側の傾
斜面がピストンロッド6の挿入により撓むことでピスト
ンロッド6の外周面に弾接して摺動する弾接面16を構
成するようにしたものである。従って、この発明の実施
に形態2のシール構造においても、前記発明の実施の形
態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0033】(発明の実施の形態3)この発明の実施の
形態3のシール装置は、図5の要部拡大断面図に示すよ
うに、前記シールリップ11とフリクションリップ12
との間に、フリクションリップ12よりさらに大径の補
助リップ(第3リップ)18が備えられた構造としたも
のである。
【0034】この発明の実姉の形態3のシール装置で
は、上述のように、フリクションリップ12よりさらに
大径の補助リップ18が備えられることで、フリクショ
ンリップ12が摩耗しても、この補助リップ18により
シールリップ11が弾性変形する際の支点がシールリッ
プに上部近傍位置に確保されるため、シールリップ11
のアプローチ角を安定化させ、これにより、シール性を
確保させることができるようになるという追加の効果が
得られる。
【0035】(発明の実施の形態4)この発明の実施の
形態4のシール装置は、図6の拡大断面図に示すよう
に、前記発明の実施の形態3の補助リップ18がシール
リップ11と同様にピストンロッド6を挿入する前の無
負荷状態において、その軸方向中心部が軸心方向に突出
する断面山形に形成されていて、上側の傾斜面がピスト
ンロッド6の挿入により撓むことでピストンロッド6の
外周面に弾接して摺動する弾接面19を構成し、また、
下側の傾斜面とピストンロッド6との間で、アプローチ
角が形成されるようになっている。
【0036】そして、前記補助リップ18の弾接面19
には、ピストンロッド6とのフリクションを低減させる
と共に耐摩耗性を高めるために複数条の周方向溝20が
形成されている。即ち、この発明の実施の形態4のシー
ル装置では、補助リップ18で、シールリップ11が弾
性変形する際の支点を構成させると共に、シール機能も
発揮可能に構成されたものである。
【0037】以上発明の実施の形態を図面により説明し
たが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0038】例えば、発明の実施の形態1、2、4で
は、前記フリクションリップ12の外周に、該フリクシ
ョンリップ12の撓みを防止する下すぼみ状の環体93
を備えた例を示したが、発明の実施の形態3と同様に、
環体93を省略してもよい。
【0039】また、発明の実施の形態では、シールリッ
プ11の弾接面14に複数の周方向溝15を形成した
が、複数の平行環状突起で弾接面を構成させるようにし
てもよい。
【0040】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明請求項
1記載のシール装置では、その外周側がシリンダ側に固
定され、内周側には弾性材料から成り、前記ピストンロ
ッド外周面に弾接して摺動シールする第1リップおよび
該第1リップよりは前記シリンダの外部側に設けられて
いて第1リップよりは大径で前記ピストンロッド外周面
に弾接して摺動する第2リップとが備えられ、前記第2
リップにおける前記ピストンロッド外周面との弾接面に
は複数条の周方向溝が形成され、前記第2リップにおけ
る前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面の軸方向
幅を所定幅以上に設定し、該各弾接面と前記ピストンロ
ッド外周面との間でそれぞれ発生するフリクションの合
計が、前記第1リップの弾接面と前記ピストンロッド外
周面との間で発生するフリクションより大きくなるよう
に構成されている手段としたことで、シール性およびリ
ップの耐摩耗性を低下させることなしにフリクション付
与機能を発揮させ、高周波振動を含む広範な振動を有効
に低減することができるようになるという効果が得られ
る。
【0041】請求項2記載のシール装置は、請求項1記
載のシール装置において、前記第1リップにおける前記
ピストンロッド外周面との弾接面には複数条の周方向溝
もしくは環状突起が形成され、前記第1リップにおける
前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面もしくは環
状突起の軸方向幅よりも前記第2リップにおける前記複
数条の周方向溝で分割された各弾接面の軸方向幅を広く
設定し、前記第2リップにおける各弾接面と前記ピスト
ンロッド外周面との間で発生するフリクションの合計
が、前記第1リップにおける各弾接面もしくは環状突起
と前記ピストンロッド外周面との間で発生するフリクシ
ョンより大きくなるように構成されている手段としたこ
とで、各弾接面もしくは環状突起への油の潤滑性が確保
され、これにより、第1リップの耐摩耗性も向上させる
ことができるようになる。
【0042】請求項3記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において、前記第2リップに
おける前記複数条の周方向溝で分割された各弾接面が、
前記ピストンロッド挿入前の無負荷状態では前記シリン
ダの外部側が大径になる傾斜面に形成されている手段と
したことで、第2リップにおけるシール機能を高めるこ
とができると共に、ピストンロッドの挿入により第2リ
ップが該第2リップの軸方向中心部よりシリンダの外部
側寄りの位置を支点として弾性変形するような場合にお
いては、各弾接面の全体をピストンロッド外周面に均等
に弾接させるように作用し、十分なフリクション機能を
発揮させることができるようになる。
【0043】請求項4記載のシール装置は、請求項1〜
3のいずれかに記載のシール装置において、前記第1リ
ップと第2リップとの間に、前記第2リップより大径の
第3リップが備えられている手段としたことで、第2リ
ップが摩耗しても、第3リップにより第1リップが弾性
変形する際の支点が確保されるため、第1リップのアプ
ローチ角を安定化させ、これにより、シール性を確保さ
せることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1のシール装置が適用された
液圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】発明の実施の形態1のシール装置を示す拡大断
面図である。
【図3】発明の実施の形態1のシール装置を示す要部拡
大断面図である。
【図4】発明の実施の形態2のシール装置を示す拡大断
面図である。
【図5】発明の実施の形態3のシール装置を示す要部拡
大断面図である。
【図6】発明の実施の形態4のシール装置を示す拡大断
面図である。
【図7】従来例2のシール装置を示す要部拡大斜視図で
ある。
【符号の説明】 1 シリンダ 3 ピストン 4 外筒 5 ベース 6 ピストンロッド 7 ロッドガイド 8 減衰力発生手段 9 シール装置 10 弾性ゴム部材 11 シールリップ(第1リップ) 12 フリクションリップ(第2リップ) 13 ダストリップ 14 弾接面 14a 分割弾接面 15 周方向溝 16 弾接面 16a 分割弾接面 17 周方向溝 18 補助リップ(第2リップ) 19 弾接面 20 周方向溝 91 環状基板 92 コイルスプリング 93 環体 A 上部室 B 上部室 C リザーバ室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と車軸との一方に取り付けられるピ
    ストンロッドと、該ピストンロッドが一端から挿通され
    他端が前記車体と車軸のもう一方に取り付けられるシリ
    ンダと、該シリンダの一端部に設けられていて前記ピス
    トンロッドの摺動をガイドするガイド部材と、前記シリ
    ンダ内に設けられていて前記車体と車軸との間の振動を
    減衰する減衰力発生手段と、を備えた液圧緩衝器の前記
    シリンダの一端に設けられていて該シリンダと前記ピス
    トンロッドとの間を摺動可能にシールしてシリンダ内外
    を隔成シールするシール装置において、 前記シール装置は、その外周側がシリンダ側に固定さ
    れ、内周側には弾性材料から成り、前記ピストンロッド
    外周面に弾接して摺動シールする第1リップおよび該第
    1リップよりは前記シリンダの外部側に設けられていて
    第1リップよりは大径で前記ピストンロッド外周面に弾
    接して摺動する第2リップとが備えられ、 前記第2リップにおける前記ピストンロッド外周面との
    弾接面には複数条の周方向溝が形成され、 前記第2リップにおける前記複数条の周方向溝で分割さ
    れた各弾接面の軸方向幅を所定幅以上に設定し、該各弾
    接面と前記ピストンロッド外周面との間でそれぞれ発生
    するフリクションの合計が、前記第1リップの弾接面と
    前記ピストンロッド外周面との間で発生するフリクショ
    ンより大きくなるように構成されていることを特徴とす
    るシール装置。
  2. 【請求項2】 前記第1リップにおける前記ピストンロ
    ッド外周面との弾接面には複数条の周方向溝もしくは環
    状突起が形成され、 前記第1リップにおける前記複数条の周方向溝で分割さ
    れた各弾接面もしくは環状突起の軸方向幅よりも前記第
    2リップにおける前記複数条の周方向溝で分割された各
    弾接面の軸方向幅を広く設定し、前記第2リップにおけ
    る各弾接面と前記ピストンロッド外周面との間で発生す
    るフリクションの合計が、前記第1リップにおける各弾
    接面もしくは環状突起と前記ピストンロッド外周面との
    間で発生するフリクションより大きくなるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のシール装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2リップにおける前記複数条の周
    方向溝で分割された各弾接面が、前記ピストンロッド挿
    入前の無負荷状態では前記シリンダの外部側が大径にな
    る傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のシール装置。
  4. 【請求項4】 前記第1リップと第2リップとの間に、
    前記第2リップより大径の第3リップが備えられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシー
    ル装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013194832A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Kyb Co Ltd オイルシール
KR200493309Y1 (ko) * 2019-12-03 2021-03-09 한국아이티더블유 유한책임회사 차량 압력 완화 밸브용 실링 부재

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JP2013194832A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Kyb Co Ltd オイルシール
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