JP2002005218A - シール装置 - Google Patents

シール装置

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JP2002005218A
JP2002005218A JP2000181906A JP2000181906A JP2002005218A JP 2002005218 A JP2002005218 A JP 2002005218A JP 2000181906 A JP2000181906 A JP 2000181906A JP 2000181906 A JP2000181906 A JP 2000181906A JP 2002005218 A JP2002005218 A JP 2002005218A
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lip
piston rod
cylinder
seal
friction
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JP2000181906A
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Hiroyuki Yamaguchi
裕之 山口
Fumiyuki Yamaoka
史之 山岡
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール装置におけるシール性およびシール用リ
ップの耐摩耗性を低下させることなしにフリクション付
与機能を発揮させ、これにより、高周波振動を含む広範
な振動を有効に低減することができ、かつ、少なくとも
シール機能を長く維持させることができるシール装置の
提供。 【解決手段】外周側がシリンダ1側に固定され、内周側
には弾性ゴム部材10から成り、ピストンロッド6外周
面に弾接するしてシールリップ11およびシールリップ
11よりはシリンダ1の外部側に設けられていてシール
リップ11よりは大径でピストンロッド6外周面に弾接
して摺動することによりフリクションを発生させるフリ
クションリップ13が備えられ、シールリップ11とフ
リクションリップ13との間にはフリクションリップ1
3より大径の補助リップ12が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、車体と車軸との
一方に取り付けられるピストンロッドと、該ピストンロ
ッドが一端から挿通され他端が前記車体と車軸のもう一
方に取り付けられるシリンダと、該シリンダの一端部に
設けられていて前記ピストンロッドの摺動をガイドする
ガイド部材と、前記シリンダ内に設けられていて前記車
体と車軸との間の振動を減衰する減衰力発生手段と、を
備えた液圧緩衝器の前記シリンダの一端に設けられてい
て該シリンダと前記ピストンロッドとの間を摺動可能に
シールしてシリンダ内外を隔成シールするシールリップ
を備えたシール装置に関し、特に、シール機能の他にフ
リクション付与機能を併有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の液圧緩衝器としては、
例えば、特開平10−141415号公報(従来例1)
に記載のものが知られている。この従来例1の液圧緩衝
器は、ロッドガイドとピストンロッドとの間に1箇所が
切断された環状のブッシュを設け、このブッシュの外周
側にコイルスプリングを配置してブッシュの内周面をピ
ストンロッドに押圧し、これにより、ピストンロッドの
微低速の運動にフリクションを与えるように構成された
ものであった。また、シール装置としては、例えば、特
開昭53−115476号公報(従来例2)に記載のも
のが知られている。この従来例2のシール装置は、図7
に示すように、その内周側に、前記ピストンロッドの外
周面に弾接して摺動シールする複数のシールリップ10
1、102が設けられ、各シールリップ101、102
には断面円弧状の環状突起103、104が複数状設け
られた構造としたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記
従来例1、2にあっては、以下に述べるような問題点が
ある。即ち、従来例1にあっては、上述のように、前記
ピストンロッドの微低速の運動にフリクションを得るこ
とを主目的とするものであるため、ブッシュは、ロット
ガイドに形成された凹部内に収容され、この凹部を覆う
抜け止め部材によって軸方向の抜け止めがなされている
が、この凹部内において軸方向に隙間を持って収容され
ることにより、隙間の分だけロットガイドに対し軸方向
移動可能に設けられている。従って、前記ピストンロッ
ドの大振幅の運動に対してはブッシュによるフリクショ
ンが有効に作用するが、微振幅の運動(高周波振動)に
対しては、ブッシュがピストンロッドに摩擦接触したま
まピストンロッドと共に隙間の範囲を軸方向移動するた
め、有効なフリクションが得られない。ところが、前記
ピストンロッドの微振幅の運動、例えば、振幅が±0.
5mm以下で周波数が15Hz以上の高周波振動の制御
は、車両の乗り心地を決定する要因の1つであるため、
微低速・大振幅の低周波振動の低減はもとより、高周波
振動を同時に低減させることが求められているが、従来
例1では、特に、ピストンロッドの運動方向切り替わり
時に発生するピストンロッドの軸方向(上下方向)の微
振幅・高周波振動を同時に低減させることはできない。
【0004】また、前記従来例2のシール装置にあって
は、もっぱらピストンロッド外周面に弾接して摺動シー
ルすることを目的とするものであるため、ピストンロッ
ド外周面とのフリクションを極力小さくして耐摩耗性を
高める必要から、環状突起103、104の形状を断面
円弧状に形成すると共に、その軸方向幅を極力狭く形成
するようにしたものであり、従って、微低速・大振幅の
低周波振動および高周波振動のいずれも低減する効果は
得られない。なお、従来例2におけるシールリップ10
1、102のフリクションを大きくすることにより、微
低速・大振幅の低周波振動および高周波振動のいずれも
低減することが可能になるが、そうすると、上述のよう
に、フリクションの増大によりシールリップ101、1
02の耐摩耗性が低下し、これにより、シール装置の耐
久性を大幅に低下させてしまうことになる。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、シール装置におけるシール性およびシ
ール用リップの耐摩耗性を低下させることなしにフリク
ション付与機能を発揮させ、これにより、高周波振動を
含む広範な振動を有効に低減することができ、かつ、少
なくともシール機能を長く維持させることができるシー
ル装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために、本発明請求項1記載のシール装置は、車体と車
軸との一方に取り付けられるピストンロッドと、該ピス
トンロッドが一端から挿通され他端が前記車体と車軸の
もう一方に取り付けられるシリンダと、該シリンダの一
端部に設けられていて前記ピストンロッドの摺動をガイ
ドするガイド部材と、前記シリンダ内に設けられていて
前記車体と車軸との間の振動を減衰する減衰力発生手段
と、を備えた液圧緩衝器の前記シリンダの一端に設けら
れていて該シリンダと前記ピストンロッドとの間を摺動
可能にシールしてシリンダ内外を隔成シールするシール
装置において、前記シール装置は、その外周側がシリン
ダ側に固定され、内周側には弾性材料から成り、前記ピ
ストンロッド外周面に弾接して摺動シールする第1リッ
プおよび該第1リップよりは前記シリンダの外部側に設
けられていて第1リップよりは大径で前記ピストンロッ
ド外周面に弾接して摺動することによりフリクションを
発生させる第2リップが備えられ、前記第1リップと第
2リップとの間には前記第2リップより大径の第3リッ
プが備えられている手段とした。
【0007】請求項2記載のシール装置は、請求項1記
載のシール装置において、前記第1リップは、ピストン
ロッドとの接触角がシリンダの外部側よりは内部側の方
が大に形成されている手段とした。
【0008】請求項3記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において、前記第2リップ部
分の径方向撓み剛性が、第1リップおよび第3リップよ
りは大に形成されている手段とした。
【0009】請求項4記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において前記第2リップ部分
における弾性材料の径方向厚さが、第1リップおよび第
3リップよりは厚く形成されている手段とした。
【0010】請求項5記載のシール装置は、請求項1〜
4のいずれかに記載のシール装置において、前記第1リ
ップはその先端部断面がエッジもしくは微小アール形状
に形成され、前記第2リップはその先端部断面がアール
形状に形成されている手段とした。
【0011】
【作用】 この発明請求項1記載のシール装置では、上
述のように構成されるため、シリンダとピストンロッド
が相対運動すると、ピストンロッド外周面に弾接して摺
動シールする第1リップにより、シリンダとピストンロ
ットとの間が摺動可能にシールされ、これにより、シリ
ンダ内外を隔成シールするシール機能が発揮される一
方、ピストンロッド外周面に弾接して摺動する第2リッ
プと前記ピストンロッド外周面との間でフリクションを
発生させ、これにより、ピストンロッドの振動を減衰さ
せる、所謂フリクション機能が発揮される。
【0012】そして、この第2リップによるフリクショ
ン機能は、ピストンロッドの微低速・大振幅の低周波振
動に対して当然に作用して振動を減衰させると共に、ピ
ストンロッドの微振幅の高周波振動に対しては、第2リ
ップが軸方向に弾性変形することにより、ピストンロッ
ドに対する各弾接面の弾接状態を維持させるように作用
し、これにより、ピストンロッドの運動速度に対しフリ
クションの発生を若干遅らせる。従って、特に、ピスト
ンロッドの運動方向が切り替わる時(運動速度が零にな
る時)にフリクションの絶対値が増加し、即ち、第2リ
ップの弾性反発力によって液圧緩衝器の動ばね定数が高
くなり、特に、ピストンロッドの軸方向(上下方向)の
微振幅・高周波振動を減衰するように作用する。
【0013】さらに、前記第1リップと第2リップとの
間に、前記第2リップより大径の第3リップが備えられ
ることで、第2リップが摩耗しても、第3リップにより
第1リップが弾性変形する際の支点が確保されるため、
第1リップにおけるピストンロッドに対する接触角を安
定化させ、これにより、少なくともシール性を長く維持
させることができる。
【0014】従って、シール装置におけるシール性およ
びシール用リップの耐摩耗性を低下させることなしにフ
リクション付与機能を発揮させ、これにより、高周波振
動を含む広範な振動を有効に低減することができ、か
つ、少なくともシール機能を長く維持させることができ
るようになる。
【0015】請求項2記載のシール装置では、上述のよ
うに、前記第1リップは、ピストンロッドとの接触角が
シリンダの外部側よりは内部側の方が大に形成されるこ
とで、油の掻き落とし効率が向上し、これによりシール
機能を高めることができる。
【0016】請求項3記載のシール装置は、上述のよう
に、前記第2リップ部分の径方向撓み剛性が、第1リッ
プおよび第3リップよりは大に形成されることで、ピス
トンロッド外周面に対する第2リップの弾接力が強くな
り、これにより、フリクション機能が高められる。
【0017】請求項4記載のシール装置は、上述のよう
に、前記第2リップ部分における弾性材料の径方向厚さ
が、第1リップおよび第3リップよりは厚く形成される
ことで、ピストンロッド外周面に対する第2リップの弾
接力が強くなり、これにより、フリクション機能が高め
られる。
【0018】請求項5記載のシール装置は、上述のよう
に、前記第1リップはその先端部断面がエッジもしくは
微小アール形状に形成されることで、油の掻き落とし効
率が向上し、これによりシール機能を高めることができ
る一方、前記第2リップはその先端部断面がアール形状
に形成されることで、ピストンロッド外周面との弾接面
への油の潤滑性が高まり、これにより、第2リップの耐
摩耗性が高められる。
【0019】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)まず、本発明の実施の形態の構
成を図1〜4に基づいて説明する。
【0020】図1は、発明の実施の形態1のシール装置
が適用された液圧緩衝器を示す断面図であり、この図に
示すように、この液圧緩衝器は、ツインチューブ式のダ
ンパであり、シリンダ1と、該シリンダ1内周面を摺動
自在に挿入されていて上部室Aと下部室Bとの間を画成
するピストン3と、シリンダ1の外周にリザーバ室Cを
形成した外筒4と、下部室Bとリザーバ室Cとの間を画
成するベース5と、ピストン3に連結されたピストンロ
ッド6の軸方向移動をシリンダの上端部においてガイド
するロッドガイド7と、前記ピストン3に設けられた減
衰力発生手段8と、前記ロッドガイド7の上部で外筒4
の上端部に設けられたシール装置9とを備えている。
【0021】前記シール装置9は、シリンダ1および外
筒4とピストンロッド6との間を摺動可能にシールして
シリンダ1および外筒4の内外を隔成シールすることを
主目的するもので、図2にその拡大断面図を示すよう
に、金属製の環状基板91の内周側に、ピストンロッド
6の外周面に所定の力で弾接するシールリップ(第1リ
ップ)11、補助リップ(第3リップ)12、フリクシ
ョンリップ(第2リップ)13、および、ダストリップ
14を備えた弾性ゴム部材(弾性材料)10が加硫接着
されている。そして、前記シール部材9は、その環状基
板91の外周側をロッドガイド7の上面に載置した状態
で、外筒4の上端部を内側に折り曲げることにより、該
折り曲げ部とロッドガイド7との間に挟持された状態で
固定されている(図1参照)。
【0022】さらに詳述すると、前記弾性ゴム部材10
は、略円筒状に形成されていて、前記ダストリップ14
は環状基板91より上方の位置に備えられ、前記シール
リップ11、補助リップ12およびフリクションリップ
13は環状基板91より下方の位置であってシールリッ
プ11が環状基板91から最も遠い下端部に備えられて
いる。
【0023】そして、フリクションリップ13部分にお
ける弾性ゴム部材10の径方向厚さが、シールリップ1
1および補助リップ13部分よりは厚く形成されること
で、ピストンロッド6の外周面に対するフリクションリ
ップ13の弾接力(面圧)が強くなるように構成されて
いる。
【0024】また、前記シールリップ11の外周には、
該シールリップ11をピストンロッド6の外周面に弾接
する方向に常時押圧付勢する環状のコイルスプリング9
2が装着されることにより、ピストンロッド6の外周面
に対するシールリップ11の弾接力(面圧)を維持でき
るようになっている。
【0025】前記シールリップ11は、シリンダ1およ
び外筒4とピストンロッド6との間を摺動可能にシール
してシリンダ1および外筒4の内外を隔成シールする役
目をなすもので、図2に示すピストンロッド6を挿入す
る前の無負荷状態において、その軸方向中心部が軸心方
向に突出しその先端部断面がエッジに形成された断面山
形に形成されていて、ピストンロッド6との接触角が上
側の傾斜面よりは下側の傾斜面の方が大に形成されてお
り、この下側の傾斜面15とピストンロッド6との間
で、シール機能を発揮させる接触角が形成されるように
なっている。そして、上側の傾斜面がピストンロッド6
の挿入により撓むことでピストンロッド6の外周面に弾
接して摺動する弾接面15を構成するようになってい
る。
【0026】前記フリクションリップ13は、ピストン
ロッド6の外周面に弾接させることによりピストンロッ
ド6の摺動に所定のフリクションを与えてピストンロッ
ド6の振動を減衰させることにより、車両の乗り心地を
向上させる役目をなすもので、図2に示すピストンロッ
ド6を挿入する前の無負荷状態においては、その軸方向
中心部が軸心方向に突出しその先端部がアールに形成さ
れた断面山形に形成されていて、上側の傾斜面がピスト
ンロッド6の挿入により撓むことでピストンロッド6の
外周面に弾接して摺動する弾接面16を構成するように
なっている。
【0027】また、前記シールリップ11の弾接面15
の軸方向幅よりもフリクションリップ13の弾接面16
の軸方向幅が広く設定されることにより、シールリップ
11の弾接面15で発生するフリクションは小さく、フ
リクションリップ13の弾接面16で発生するフリクシ
ョンは大きくなるように構成されている。そして、図3
にその要部拡大断面図を示すように、前記フリクション
リップ13の最小径φcは、前記シールリップ11の最
小径φaよりは大径に形成されている。
【0028】前記補助リップ12は、フリクションリッ
プ13が摩耗した後に機能を発揮するもので、図2に示
すピストンロッド6を挿入する前の無負荷状態において
は、その軸方向中心部が軸心方向に突出しその先端部が
アールに形成された断面山形に形成されている。
【0029】そして、この補助リップ12は、図3にそ
の要部拡大断面図を示すように、その最小径φbが前記
シールリップ11の最小径φaおよびフリクションリッ
プ13の最小径φcよりさらに大径に形成されていて、
ピストンロッド6を挿入した状態においては、その先端
アール部のみが僅かにピストンロッド6の外周面に当接
した状態となる。
【0030】なお、図4はピストンロッド6を挿入した
組み付け状態における面圧特性図であり、この特性図に
示すように、シールリップ11は、面圧の最大値は大き
いが、その範囲は先端エッジ部に集中しており、これに
より、耐摩耗性を高めつつ、高いシール機能を発生させ
ることができる。これに対し、フリクションリップ13
は、面圧の最大値が大きくしかもその範囲が広くなって
おり、これにより、高いフリクション機能を発揮させる
ことができる。また、補助リップ12は、面圧の最大値
も範囲も小さくなっており、従って、耐摩耗性が高くな
っている。
【0031】次に、この発明の実施の形態1の作用・効
果を説明する。この発明の実施の形態1のシール装置で
は、上述のように構成されるため、シール装置9にピス
トンロッド6が挿入された組み付け状態においては、シ
ールリップ11の弾接面15、補助リップ12の先端ア
ール部、フリクションリップ13の弾接面16、およ
び、ダストリップ14がピストンロッド6の外周面に所
定の力で弾接された状態となる。
【0032】そこで、シリンダ1とピストンロッド6が
相対運動すると、ピストンロッド6の外周面に弾接面1
5が弾接して摺動するシールリップ11により、シリン
ダ1とピストンロット6との間が摺動可能にシールさ
れ、これにより、シリンダ1内外を隔成シールするシー
ル機能が発揮される一方、ダストリップ14により、外
部からシリンダ1内へのダストの侵入が阻止される。
【0033】また、前記シールリップ11は、上側の傾
斜面よりは下側の傾斜面の方が大に形成されることで、
ピストンロッド6との接触角が大に形成されることによ
り、シリンダ1内方への油の掻き落とし効率が向上し、
これによりシール機能を高めることができるようにな
る。
【0034】また、前記フリクションリップ13の弾接
面16の軸方向幅が広く設定されると共に、フリクショ
ンリップ13部分における弾性ゴム部材10の径方向厚
さが、シールリップ11および補助リップ13部分より
は厚く形成されることで、ピストンロッド6の外周面に
対するフリクションリップ13の弾接力(面圧)が強く
なるように構成されることにより、ピストンロッド6の
外周面との間で大きなフリクションを発生させ、これに
より、ピストンロッド6の振動を減衰する、所謂フリク
ション機能が発揮される。
【0035】そして、このフリクションリップ13によ
るフリクション機能は、ピストンロッド6の微低速・大
振幅の低周波振動に対して当然に作用し、該低周波振動
を減衰させる。また、ピストンロッド6の微振幅の高周
波振動に対しては、その微振幅分だけフリクションリッ
プ13が軸方向に弾性変形することにより、ピストンロ
ッド6に対する弾接面16の弾接状態を維持(摺動ロッ
ク)させるように作用し、これにより、ピストンロッド
6の運動速度に対しフリクションの発生を若干遅らせ
る。従って、特に、ピストンロッド6の運動方向が切り
替わる時(運動速度が零になる時)にフリクションの絶
対値が増加し、即ち、フリクションリップ13の弾性反
発力によって液圧緩衝器の動ばね定数が高くなり、特
に、ピストンロッド6の軸方向(上下方向)の微振幅・
高周波振動を減衰するように作用する。
【0036】また、前記シールリップ11はその先端部
断面がエッジに形成されることで、油の掻き落とし効率
が向上し、これによりシール機能を高めることができる
一方、前記フリクションリップ13はその先端部断面が
アール形状に形成されることで、ピストンロッド6外周
面との弾接面16への油の潤滑性が高まり、これによ
り、フリクションリップ13の耐摩耗性を高めることが
できるようになる。
【0037】また、前記シールリップ11とフリクショ
ンリップ13との間に、該フリクションリップ13の最
小径φcよりさらに大径に形成された補助リップ12が
備えられることで、フリクションリップ13が摩耗して
も、この補助リップ12によりシールリップ11が弾性
変形する際の支点がシールリップ11の上部近傍位置に
確保されるため、シールリップ11の接触角を安定化さ
せ、これにより、シール性を長く維持させることができ
るようになる。
【0038】以上詳細に説明してきたように、この発明
の実施の形態1のシール装置にあっては、上述のよう
に、シール性およびシールリップ11の耐摩耗性を低下
させることなしにフリクションリップ13によりフリク
ション付与機能を発揮させ、これにより、高周波振動を
含む広範な振動を有効に低減することができ、かつ、補
助リップ12により、少なくともシール機能を長く維持
させることができるようになるという効果が得られる。
【0039】次に、発明の他の実施の形態を説明する。
なお、この他の発明の実施の形態の説明に当たっては、
前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および
その説明を省略し、もしくは同一の符号を付してその説
明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0040】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2のシール装置は、図5の拡大断面図に示すよう
に、前記フリクションリップ13部分の外周に、該フリ
クションリップ13の撓みを防止する下すぼみ状の環体
93が加硫接着された状態で設けられている点が、前記
発明の実施の形態1とは相違したものである。
【0041】従って、フリクションリップ13部分の径
方向撓み剛性のみが高められるため、ピストンロッド6
の外周面に対するフリクションリップ13の弾接力が強
くなり、これにより、フリクション機能を高めることが
できるようになるという効果が得られる。
【0042】以上発明の実施の形態を図面により説明し
たが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0043】例えば、発明の実施の形態では、シールリ
ップ11の弾接面14を軸方向幅広に形成したが、弾接
面15に平行な複数条の周方向溝もしくは環状突起を形
成することにより、シールリップ11におけるフリクシ
ョンを低減させて耐摩耗性を高めることができるように
なる。
【0044】また、発明の実施の形態では、フリクショ
ンリップ13における弾接面16を軸方向幅広に形成し
たが、弾接面16に軸方向に平行な複数の周方向溝を形
成して所定幅以上の弾接面に分割することにより、油の
潤滑性を良くして耐摩耗性を高めることができるように
なると共に、微低速・大振幅時における動ばね定数は低
減させ、微振幅時における動ばね定数のみを高めること
ができ、これにより、高周波を含む広範囲な振動を有効
に減衰させて車両の乗り心地を向上させることができる
ようになる。
【0045】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明請求項
1記載のシール装置では、その外周側がシリンダ側に固
定され、内周側には弾性材料から成り、前記ピストンロ
ッド外周面に弾接して摺動シールする第1リップおよび
該第1リップよりは前記シリンダの外部側に設けられて
いて第1リップよりは大径で前記ピストンロッド外周面
に弾接して摺動することによりフリクションを発生させ
る第2リップが備えられ、前記第1リップと第2リップ
との間には前記第2リップより大径の第3リップが備え
られている手段としたことで、シール装置におけるシー
ル性およびシール用リップの耐摩耗性を低下させること
なしにフリクション付与機能を発揮させ、これにより、
高周波振動を含む広範な振動を有効に低減することがで
き、かつ、少なくともシール機能を長く維持させること
ができるようになるという効果が得られる。
【0046】請求項2記載のシール装置は、請求項1記
載のシール装置において、前記第1リップは、ピストン
ロッドとの接触角がシリンダの外部側よりは内部側の方
が大に形成されている手段としたことで、油の掻き落と
し効率が向上し、これによりシール機能を高めることが
できるようになる。
【0047】請求項3記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において、前記第2リップ部
分の径方向撓み剛性が、第1リップおよび第3リップよ
りは大に形成されている手段としたことで、ピストンロ
ッド外周面に対する第2リップの弾接力が強くなり、こ
れにより、フリクション機能が高められる。
【0048】請求項4記載のシール装置は、請求項1ま
たは2に記載のシール装置において前記第2リップ部分
における弾性材料の径方向厚さが、第1リップおよび第
3リップよりは厚く形成されている手段としたことで、
ピストンロッド外周面に対する第2リップの弾接力が強
くなり、これにより、フリクション機能が高められる。
【0049】請求項5記載のシール装置は、請求項1〜
4のいずれかに記載のシール装置において、前記第1リ
ップはその先端部断面がエッジもしくは微小アール形状
に形成され、前記第2リップはその先端部断面がアール
形状に形成されている手段としたことで、第1リップに
おける油の掻き落とし効率が向上し、これによりシール
機能を高めることができる一方、前記第2リップはその
先端部断面がアール形状に形成されることで、ピストン
ロッド外周面との弾接面への油の潤滑性が高まり、これ
により、第2リップの耐摩耗性を高めることができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1のシール装置が適用された
液圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】発明の実施の形態1のシール装置を示す拡大断
面図である。
【図3】発明の実施の形態1のシール装置を示す要部拡
大断面図である。
【図4】発明の実施の形態1のシール装置においてピス
トンロッドを挿入した組み付け状態における面圧特性図
である。
【図5】発明の実施の形態2のシール装置を示す拡大断
面図である。
【図6】従来例2のシール装置を示す要部拡大斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 シリンダ 3 ピストン 4 外筒 5 ベース 6 ピストンロッド 7 ロッドガイド 8 減衰力発生手段 9 シール装置 10 弾性ゴム部材(弾性材料) 11 シールリップ(第1リップ) 12 補助リップ(第3リップ) 13 フリクションリップ(第2リップ) 14 ダストリップ 15 弾接面 16 弾接面 91 環状基板 92 コイルスプリング 93 環体 A 上部室 B 上部室 C リザーバ室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と車軸との一方に取り付けられるピ
    ストンロッドと、該ピストンロッドが一端から挿通され
    他端が前記車体と車軸のもう一方に取り付けられるシリ
    ンダと、該シリンダの一端部に設けられていて前記ピス
    トンロッドの摺動をガイドするガイド部材と、前記シリ
    ンダ内に設けられていて前記車体と車軸との間の振動を
    減衰する減衰力発生手段と、を備えた液圧緩衝器の前記
    シリンダの一端に設けられていて該シリンダと前記ピス
    トンロッドとの間を摺動可能にシールしてシリンダ内外
    を隔成シールするシール装置において、 前記シール装置は、その外周側がシリンダ側に固定さ
    れ、内周側には弾性材料から成り、前記ピストンロッド
    外周面に弾接して摺動シールする第1リップおよび該第
    1リップよりは前記シリンダの外部側に設けられていて
    第1リップよりは大径で前記ピストンロッド外周面に弾
    接して摺動することによりフリクションを発生させる第
    2リップが備えられ、 前記第1リップと第2リップとの間には前記第2リップ
    より大径の第3リップが備えられていることを特徴とす
    るシール装置。
  2. 【請求項2】 前記第1リップは、ピストンロッドとの
    接触角がシリンダの外部側よりは内部側の方が大に形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載のシール装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2リップ部分の径方向撓み剛性
    が、第1リップおよび第3リップよりは大に形成されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載のシール
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第2リップ部分における弾性材料の
    径方向厚さが、第1リップおよび第3リップよりは厚く
    形成されていることを特徴とする請求項1または2に記
    載のシール装置。
  5. 【請求項5】 前記第1リップはその先端部断面がエッ
    ジもしくは微小アール形状に形成され、 前記第2リップはその先端部断面がアール形状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のシール装置。
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