JP2003294154A - 往復動用シール - Google Patents

往復動用シール

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JP2003294154A
JP2003294154A JP2002098248A JP2002098248A JP2003294154A JP 2003294154 A JP2003294154 A JP 2003294154A JP 2002098248 A JP2002098248 A JP 2002098248A JP 2002098248 A JP2002098248 A JP 2002098248A JP 2003294154 A JP2003294154 A JP 2003294154A
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Katsumi Yamashina
勝美 山科
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦力の安定化を図った往復動用シール1を
提供する。 【解決手段】 往復動軸3の外周面と密接され機内側を
向いた主リップ11を有する第一シール部材10の補強
環12と、往復動軸3の外周面と密接され機外側を向い
たダストリップ21を有する第二シール部材20の補強
環22との間に、往復動軸3の外周面に適当な締め代を
もって接触される摺動部材30が挟持されている。摺動
部材30は所要の摩擦力を発生することによって、往復
動用シール1全体としての摩擦を安定させるものであ
り、摺動部材30の数や締め代の変更によって、摩擦力
を任意に変更することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸方向へ相対的に
往復移動する軸とその外周のハウジングとの間を密封す
る往復動用シールに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車におけるショックアブソーバや、
リアクッション、パワーステアリング等のように、軸と
その外周のハウジングが相対的に軸方向往復移動する機
器においては、往復動用シールによって軸周が密封され
ている。図4は、従来の技術に係る往復動用シール10
0を、軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
この図4において、参照符号201は機器のハウジン
グ、202はハウジング201の内周に挿通されて、軸
方向に往復移動する軸(以下、往復動軸という)、10
0はハウジング201と往復動軸202の間に介在され
た往復動用シールである。
【0003】往復動用シール100は、金属製の補強環
104の内周部にゴム状弾性材料によって一体的に成形
された主リップ101及びダストリップ102と、補強
環104の外周部にゴム状弾性材料によって一体的に成
形された外周シール部103とを有する。機内空間A側
を向いた主リップ101は、内周のエッジ部101aが
往復動軸202の外周面に密接することによって、機内
空間Bに存在する密封対象流体(例えば油)が機外へ流
出するのを阻止するものであり、ダストリップ102
は、内周のエッジ部102aが往復動軸202の外周面
に密接することによって、機外空間Bから異物が機内空
間Aへ侵入するのを阻止するものであり、外周シール部
103は、ハウジング201の内周面に圧入されること
によって、当該往復動用シール100を固定すると共
に、ハウジング201との間を密封するものである。
【0004】この種の往復動用シール100において
は、軸方向往復移動する往復動軸202との摺動による
摩擦抵抗が発生するが、このような摩擦抵抗を低減して
エネルギ損失を抑制しようとすると、必然的に、往復動
軸202の外周面と主リップ101のエッジ部101a
との間に介入する油膜が厚くなり、漏れの増大を来すた
め、摩擦の低減と密封性の確保を両立させることは困難
である。しかも、往復動軸202が例えば図における右
側(機内空間A側)へ移動する時には、主リップ101
の摩擦力は小さくなるが、ダストリップ102の摩擦力
が、特に移動初期に急激に増大し、逆に、往復動軸20
2が左側(機外空間B側)へ移動する時には、ダストリ
ップ102の摩擦力は小さくなるが、主リップ101の
摩擦力が、特に移動初期に急激に増大するため、摩擦が
安定せず、往復動軸202の円滑な往復動作が損なわれ
やすかった。
【0005】したがって、近年は、摩擦の低減を図るの
ではなく、主リップ101とダストリップ102との間
に、図4に破線で示されるような摺動部105を形成し
て、これを往復動軸202の外周面に所定の締め代をも
って摺接させることにより、主リップ101又はダスト
リップ102の摩擦力のピーク値に近似する摩擦力を発
生させるようにし、これによって、往復動用シール10
0全体としての摩擦力の安定化を図るようにしたものが
開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
往復動軸202の外周面に対する主リップ101の摩擦
力は、機内空間Aの密封対象油の圧力変動や、密封対象
油の種類、摺動速度等によっても大きく変化する。ま
た、摺動部105の周辺では十分な油膜が形成されない
ため、リップの摩耗等が発生しやすくなる。したがっ
て、各ユーザの使用条件を考慮しながら、摩擦力と油膜
との適切なバランスを設定するために膨大なサンプルで
の試験を行う必要があった。
【0007】また、摺動部105を、主リップ101及
びダストリップ102と連続した一体のゴム部材とする
場合は、金型の構造上、成形後の離型が困難になりやす
いので、金型の分割構造を複雑にする必要がある。
【0008】このため、往復動用シール100とは別に
摺動部材を取り付けることも考えられるが、この場合
は、往復動用シール100の機外側に取り付けると、油
膜による潤滑が行われないので、早期に摩耗してしま
い、往復動用シール100の機内側に取り付ける場合
は、専用のハウジングや組立設備が必要になったり、あ
るいは寸法の制約を受ける問題がある。
【0009】本発明は、上述のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その技術的課題は、相対的に往復動する軸
との摩擦力の安定化を図ることの可能な往復動用シール
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来の技術的課題を有効
に解決するための手段として、請求項1の発明に係る往
復動用シールは、機内側を向いた主リップが相対的に軸
方向往復移動する軸の外周面と密接される第一シール部
材と、機外側を向いたダストリップが前記軸の外周面と
密接される第二シール部材との間に、内周が前記軸の外
周面に適当な締め代をもって接触される摺動部材が挟持
されたものである。
【0011】請求項2の発明に係る往復動用シールは、
請求項1に記載された構成において、摺動部材の内周面
が多数の凹凸を有する形状又は粗面状に形成されたもの
である。
【0012】請求項3の発明に係る往復動用シールは、
請求項1に記載された構成において、摺動部材の内周面
にその軸方向両側の空間を連通する所要数の溝が形成さ
れたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る往復動用シ
ールの第一の形態を、軸心を通る平面で切断して示す半
断面図である。この図1において、参照符号2は機器の
ハウジング、参照符号3はハウジング2の内周に挿通さ
れて軸方向へ往復移動する軸(以下、往復動軸という)
で、それぞれ二点鎖線で示されており、図における右側
が、密封対象油が存在する機内空間A、左側が機外空間
Bである。
【0014】本形態の往復動用シール1は、機内空間A
側を向くと共に往復動軸3の外周面と密接される主リッ
プ11を有する第一シール部材10と、機内空間B側を
向くと共に往復動軸3の外周面と密接されるダストリッ
プ21を有する第二シール部材20と、往復動軸3の外
周面と適当な締め代をもって接触される摺動本体31を
有する摺動部材30とを備える。
【0015】詳しくは、第一シール部材10は、金属板
からなる補強環12を備え、この補強環12は、径方向
部12aと、その外周端から機内空間A側へ延びてハウ
ジング2の内周面に圧入嵌合される筒状圧入部12bと
からなる。主リップ11は、補強環12における径方向
部12aの内周部に、ゴム状弾性材料によって一体的に
成形されたものであって、機内空間A側を向いた先端近
傍の内周に、往復動軸3の外周面と密接されるエッジ部
11aが形成されており、外周に、往復動軸3に対する
適当な緊迫力を付与するためのエキステンションスプリ
ング13が装着されている。また、補強環12における
径方向部12aの外周部には、ハウジング2の内周面に
密接される固定シール部14が、主リップ11から連続
したゴム状弾性材料によって一体的に成形されている。
【0016】第二シール部材20は、金属板からなる補
強環22を備え、この補強環22の外周縁は、第一シー
ル部材10における補強環12の筒状圧入部12bの内
周面に嵌合されると共に、筒状圧入部12bの端部を内
周側へ屈曲させたカシメ部12cにより固定されてい
る。そして、ダストリップ21は、補強環22の内周部
に、ゴム状弾性材料によって一体的に成形されたもので
あって、機外空間B側を向いた先端の内周に、往復動軸
3の外周面と密接されるエッジ部21aが形成されてお
り、先端近傍の外周に、往復動軸3に対する適当な緊迫
力を付与するためのエキステンションスプリング23が
装着されている。
【0017】摺動部材30は、金属板からなる補強環3
2を備え、摺動本体31は、この補強環32の内周にゴ
ム状弾性材料によって一体的に成形されたものである。
摺動部材30の補強環32は、第一シール部材10にお
ける補強環12の筒状圧入部12bの内周にあって、そ
の径方向部12aと、第二シール部材における補強環2
2との間に挟持されている。
【0018】摺動本体31の内周面31aは、第一シー
ル部材10における主リップ11の基部11bと、第二
シール部材におけるダストリップ21の基部21bとの
間から内周側へ突出しており、その断面が半円弧状をな
す凸面に形成されている。そしてその内径は、往復動軸
3の外径よりも僅かに小径に形成されることによって適
当な締め代が設定されており、第一シール部材10の主
リップ11及び第二シール部材20のダストリップ21
の内径とほぼ同径となっている。
【0019】摺動本体31の外周部31bの一部は、補
強環32との十分な接着面積を確保するために、この補
強環32の内周部の軸方向両面に形成された環状段差溝
32a,32b内に延びて接着されており、この接着部
分を含む摺動本体31の外周部31bは、第一シール部
材10における補強環12の内周端部12d及び主リッ
プ11の基部11bと、第二シール部材における補強環
22の内周端部22a及びダストリップ21の基部21
bとの間に挟持されている。
【0020】以上のように構成された図1の形態による
往復動用シール1の製造においては、まず、第一シール
部材10を、補強環12にゴム状弾性材料によって主リ
ップ11及び固定シール部14を一体的に成形すること
によって製作し、第二シール部材20を、補強環22に
ゴム状弾性材料によってダストリップ21を一体的に成
形することによって製作し、摺動部材30を、補強環3
2にゴム状弾性材料によって摺動本体31を一体的に成
形することによって製作する。そして、第一シール部材
10における補強環12の筒状圧入部12bの内周に、
摺動部材30における補強環32と、第二シール部材2
0における補強環22を順次挿入し、第一シール部材1
0における補強環12の筒状圧入部12bの端部を、第
二シール部材20における補強環22の端面に圧接させ
るように内周へ屈曲させて、カシメ部12cを形成する
ことによって、図示の状態に組み立てられる。そして、
このようなカシメによる組立は、通常のオイルシール等
の組立において用いられる手法であるため、新たな組立
設備を必要としない。
【0021】この往復動用シール1は、第一シール部材
10(主リップ11)が機内空間A側を向くように、ハ
ウジング2の内周に圧入すると共に、主リップ11、ダ
ストリップ21、及び摺動本体31を、それぞれ適当な
締め代をもって往復動軸3の外周面に外挿させることに
より、図示の装着状態とする。そして、第一シール部材
10は、主リップ11が、軸方向へ往復移動する往復動
軸3の外周面と相対的に密接摺動することによって、機
内空間A内の密封対象油が機外空間Bへ流出するのを防
止し、第二シール部材20は、ダストリップ21が、往
復動軸3の外周面と相対的に密接摺動することによっ
て、機外空間Bから異物が機内空間Aへ侵入するのを防
止するものである。
【0022】また、摺動部材30は、ゴム状弾性材料か
らなる摺動本体31の内周面31aが、適当な締め代を
もって往復動軸3の外周面に摺接することによって、往
復動軸3に対する主リップ11及びダストリップ21の
摩擦力の最大値に近似した大きさの摩擦力を発生するも
のである。そして、摺動本体31の内周面31aは、断
面が半円弧状の凸面をなしているため、摺動方向による
摩擦力の変化は生じない。したがって、往復動軸3の軸
方向往復移動過程で、往復動用シール1の全体としての
摩擦力が大きく変化することがなく、しかも、この摺動
本体31の外周部31bが、第一シール部材10におけ
る補強環12の内周端部12d及び主リップ11の基部
11bと、第二シール部材における補強環22の内周端
部22a及びダストリップ21の基部21bによって、
軸方向両側から支持されていて、軸方向への所要の剛性
が確保されるので、摺動部材30が滑り軸受のように作
用し、その結果、摩擦を安定化させて、往復動軸3の軸
方向往復動作を安定させることができる。
【0023】この往復動用シール1は、第一シール部材
10と第二シール部材20の間に介在させる摺動部材3
0の数を変更するか、あるいは第一シール部材10と第
二シール部材20の間に介在させる摺動部材30を、往
復動軸3に対する摺動本体31の締め代が異なるものに
変更することによって、摺動部材30により与える摩擦
力を、主リップ11やダストリップ21の仕様変更を伴
わずに任意に設定することができる。
【0024】ところで、機内空間Aでは、密封対象油が
往復動軸3の外周面に接触しているため、往復動軸3が
機外側(図1における左側)へ軸方向往復移動する過程
で、油の一部が主リップ11との摺動部へ介入して、油
膜が形成される。したがって、主リップ11のエッジ部
11aは、油膜により潤滑された状態で摺動による密封
機能を奏する。しかし、それよりも機外側にある摺動本
体31及びダストリップ21の摺動部は、機内空間A内
の密封対象油に接していないため、往復動軸3の外周面
と主リップ11との間で形成された油膜を、摺動本体3
1及びダストリップ21の摺動部の潤滑に利用できるよ
うにすることが好ましい。
【0025】図2は、本発明に係る往復動用シールの第
二の形態を、軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
あり、上述のような観点から、摺動本体31及びダスト
リップ21の摺動部を良好に潤滑可能としたものであ
る。すなわち、先に説明した図1に示される第一の形態
と異なるところは、摺動部材30におけるゴム状弾性材
料からなる摺動本体31の凸面状の内周面31aを、図
2に多数の点で示されるように多数の微小凹部31cを
有する粗面状に形成したことにある。その他の部分の構
成は、基本的に図1と同様である。
【0026】この形態によれば、往復動軸3が機外側
(図1における左側)へ軸方向往復移動する過程で、機
内空間A内の密封対象油の一部が主リップ11との摺動
部へ介入することにより、往復動軸3の外周面に形成さ
れた油膜は、摺動部材30における摺動本体31の内周
面31aとの間に介入する。このとき、摺動本体31の
内周面31aは、断面が円弧状をなすため、油膜がクサ
ビ状に介入しやすく、しかも、この内周面31aに形成
された粗面による多数の微小凹部31cが油溜まり部と
なるので、良好な潤滑が行われる。
【0027】また、上述のように、摺動本体31の内周
面31aが、断面円弧状の凸面をなすこと、及び油溜ま
りとなる多数の微小凹部31cを有するため、この摺動
本体31が、往復動軸3の外周面の油膜を完全に掻き取
ってしまうことがない。したがって、摺動本体31の内
周面31aから更に機外側へ移動した往復動軸3の外周
面にも、ある程度の油膜が残存するので、ダストリップ
21と往復動軸3との摺動部も潤滑される。そしてこの
ように、第一シール部材10の主リップ11、摺動部材
30の摺動本体31、及び第二シール部材20のダスト
リップ21が、それぞれ油潤滑されることによって、当
該往復動用シール1の摩擦による負荷が有効に低減さ
れ、主リップ11及びダストリップ21の方向性による
摩擦力のピークも低減される。
【0028】図3は、本発明に係る往復動用シールの第
三の形態を、軸心を通る平面で切断して示す半断面図
で、この形態も、上述した第二の形態と同様の観点か
ら、摺動本体31及びダストリップ21の摺動部を良好
に潤滑可能としたものである。すなわち、図3に示され
る形態において、先に説明した図1に示される第一の形
態と異なるところは、摺動部材30におけるゴム状弾性
材料からなる摺動本体31の凸面状の内周面31aに、
その軸方向両側の空間を連通する所要数の溝31dを、
円周方向所定間隔で形成したもので、溝31dの両端部
は、円周方向両側へ曲面状に開いた形状となっている。
その他の部分の構成は、基本的に図1と同様である。
【0029】この形態によれば、往復動軸3が機外側
(図1における左側)へ軸方向往復移動する過程で、機
内空間A内の密封対象油の一部が主リップ11との摺動
部へ介入することにより、往復動軸3の外周面に形成さ
れた油膜は、摺動部材30における摺動本体31の内周
面31aとの間に介入することによって、この摺動本体
31の潤滑が行われる。
【0030】また、往復動軸3の外周面に形成された油
膜の一部は、摺動本体31の内周面31aに形成された
複数の溝31dからダストリップ21側へ通過する。し
かも、各溝31dの端部が円周方向両側へ曲面状に開い
た形状となっていることによって、摺動本体31より主
リップ11側で往復動軸3の外周面に存在する油膜が、
溝31dへ向けて集められるので、比較的多くの油がダ
ストリップ21側へ供給され、ダストリップ21と往復
動軸3との摺動部が良好に潤滑される。そしてこのよう
に、第一シール部材10の主リップ11、摺動部材30
の摺動本体31、及び第二シール部材20のダストリッ
プ21が、それぞれ油潤滑されることによって、当該往
復動用シール1の摩擦による負荷が有効に低減され、主
リップ11及びダストリップ21の方向性による摩擦力
のピークも低減される。したがって、往復動軸3の軸方
向往復動作を安定させることができる。
【0031】なお、図1乃至図3に示される各形態にお
いては、摺動部材30を、金属板からなる補強環32の
内周にゴム状弾性材料からなる摺動本体31を一体的に
成形した構成としたが、摺動部材30は、ゴム状弾性材
料単体からなるものとしても良い。
【0032】また、図1乃至図3に示される各形態にお
いては、軸3が軸方向往復移動するものとしたが、逆
に、軸3は固定(静止)していて、ハウジング2が軸方
向へ往復移動する場合であっても、本発明を上述と同様
に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明に係る往復動用シールに
よれば、機内側を向いた主リップを有する第一シール部
材と、機外側を向いたダストリップを有する第二シール
部材との間に挟持した摺動部材が、適当な摩擦力を発生
することによって、滑り軸受のように作用するので、軸
との相対的な軸方向往復摺動過程で、往復動用シール全
体の摩擦力を安定化させることができる。そして、第一
シール部材と第二シール部材の間に介在させる摺動部材
の数を変更するか、あるいは締め代の異なる摺動部材に
変更することによって、主リップ及びダストリップの仕
様変更を伴わずに摩擦力を任意に設定することができ
る。
【0034】請求項2の発明に係る往復動用シールによ
れば、摺動部材の内周面を、多数の凹凸を有する形状又
は粗面状に形成したことによって、摺動部材及びダスト
リップの摺動部の潤滑も図られるので、請求項1による
効果に加えて、摩擦による負荷を低減すると共に、摺動
部材及びダストリップの摩耗を有効に抑えることができ
る。
【0035】請求項3の発明に係る往復動用シールによ
れば、摺動部材の内周面にその軸方向両側の空間を連通
する所要数の溝を形成したことによって、摺動部材及び
ダストリップの摺動部の潤滑も図られるので、請求項1
による効果に加えて、摩擦による負荷を低減すると共
に、摺動部材及びダストリップの摩耗を有効に抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る往復動用シールの第一の形態を、
軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
【図2】本発明に係る往復動用シールの第二の形態を、
軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
【図3】本発明に係る往復動用シールの第三の形態を、
軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
【図4】従来の技術に係る往復動用シールを、軸心を通
る平面で切断して示す半断面図である。
【符号の説明】
1 往復動用シール 10 第一シール部材 11 主リップ 11a,21a エッジ部 12,22,32 補強環 12a 径方向部 12b 筒状圧入部 12c カシメ部 13,23 エキステンションスプリング 20 第二シール部材 21 ダストリップ 30 摺動部材 31 摺動本体 31a 内周面 31b 外周部 31c 微小凹部 31d 溝 2 ハウジング 3 往復動軸(軸) A 機内空間 B 機外空間
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月30日(2002.4.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機内側を向いた主リップ(11)が相対
    的に軸方向往復移動する軸(3)の外周面と密接される
    第一シール部材(10)と、機外側を向いたダストリッ
    プ(21)が前記軸(3)の外周面と密接される第二シ
    ール部材(20)との間に、内周が前記軸(3)の外周
    面に適当な締め代をもって接触される摺動部材(30)
    が挟持されたことを特徴とする往復動用シール。
  2. 【請求項2】 摺動部材(30)の内周面(31b)が
    多数の凹凸を有する形状又は粗面状に形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載の往復動用シール。
  3. 【請求項3】 摺動部材(30)の内周面(31b)に
    その軸方向両側の空間を連通する所要数の溝(31d)
    が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の往復動
    用シール。
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