JP2007057058A - ショックアブソーバのフリクション付与機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストローク速度が微低速で大振幅の振動入力に対する有効な減衰の付与と、ストローク速度が高速で微振幅の振動入力におけるフリクションの低減の双方を満足可能なショックアブソーバのフリクション付与機構を提供する。
【解決手段】ピストンロッド5のストロークが所定より大きくなると、ロッドガイド3の絞り部321が、ピストンロッド5と共に軸方向移動する摩擦リング7の外周に相対的に乗り上げる。このとき、絞り部321の内周面と摩擦リング7の外周面に、絞り部321の乗り上げ方向へ大径となる傾斜面7a,321a,321bが形成されているので、乗り上げと共に摩擦リング7が径方向へ圧縮されて、ピストンロッド5に対するフリクションが増大する。また、ピストンロッド5のストロークが所定より小さい場合は、摩擦リング7への絞り部321の乗り上げによるフリクションが発生しない。
【選択図】図1
【解決手段】ピストンロッド5のストロークが所定より大きくなると、ロッドガイド3の絞り部321が、ピストンロッド5と共に軸方向移動する摩擦リング7の外周に相対的に乗り上げる。このとき、絞り部321の内周面と摩擦リング7の外周面に、絞り部321の乗り上げ方向へ大径となる傾斜面7a,321a,321bが形成されているので、乗り上げと共に摩擦リング7が径方向へ圧縮されて、ピストンロッド5に対するフリクションが増大する。また、ピストンロッド5のストロークが所定より小さい場合は、摩擦リング7への絞り部321の乗り上げによるフリクションが発生しない。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のショックアブソーバにおいて、シリンダとピストンロッドの軸方向相対移動に、フリクションによる減衰を与えるフリクション付与機構に関する。
従来、車両のサスペンションシステムに装着されるショックアブソーバは、作動油が封入されたシリンダ内に、ピストンを軸方向摺動可能に配置し、一端部が前記ピストンに連結されたピストンロッドの他端部を前記シリンダの開口端部に装着した軸封装置の内周から外部へ延出させた構造を有する。ピストンには、その軸方向両側の室を互いに連通するオリフィスや、バルブ機構が設けられている。
すなわち、この種のショックアブソーバは、シリンダとピストンロッドのうち一方が車体側に、他方が車輪側に取り付けられ、車両走行時の衝撃や振動の入力によって、シリンダとピストンが軸方向相対移動すると、これに伴ってピストンのオリフィスやバルブ機構を通じて作動油がピストンの軸方向両側の室間を流動し、このときの流動抵抗によって、前記衝撃や振動に対する減衰機能を発揮するものである。
また、ピストンがシリンダ内を高速で軸方向相対移動する場合は、オリフィスやバルブ機構による十分な減衰が得られるが、例えば、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を走行することによって、シリンダ内のピストンに微低速で大きなストロークの相対移動が与えられた場合は、バルブ機構による有効な減衰が得られない。このため、従来技術においては、シリンダの開口端部を軸封する軸封装置を主リップと副リップを有する二段リップ構造として、微低速でのピストンロッドの運動時にも、副リップで発生するフリクションによる有効な減衰を得られるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−173797号公報
しかしながら、このような副リップによるフリクション付与構造では、例えば良路を走行中のロードノイズのように、ストローク速度が高速で、かつ微振幅の振動が入力されると、フリクションが大きくなって、車体側に振動が伝わってしまい、乗り心地が悪化する問題が指摘される。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、ストローク速度が微低速で大振幅の振動入力に対する有効な減衰の付与と、ストローク速度が高速で微振幅の振動入力におけるフリクションの低減の双方を満足可能なショックアブソーバのフリクション付与機構を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構は、シリンダに、その一端に設けられたロッドガイド及び軸封装置の内周を通じてピストンロッドが挿通された構造を有するショックアブソーバにおいて、前記ピストンロッドにゴム状弾性材料からなる摩擦リングが摺動可能に外挿され、前記ロッドガイドの内周部に前記摩擦リングの外周へ乗り上げ可能な絞り部が形成され、この絞り部の内周面と摩擦リングの外周面のうち少なくとも一方に、前記絞り部の乗り上げ方向へ大径となる傾斜面が形成されたものである。
上記構成において、ピストンロッドのストロークが所定より大きくなると、ロッドガイドの絞り部が、ピストンロッドと共に軸方向移動する摩擦リングの外周に相対的に乗り上げる。このとき、絞り部の内周面と摩擦リングの外周面のうち少なくとも一方に、前記絞り部の乗り上げ方向へ大径となる傾斜面が形成されているので、乗り上げと共に摩擦リングが径方向へ圧縮されて、ピストンロッドに対するフリクションが増大する。また、ピストンロッドのストロークが所定より小さい場合は、摩擦リングへの絞り部の乗り上げによるフリクションが発生しない。
次に、請求項2の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構は、請求項1に記載の構成において、ピストンロッドに外挿された摩擦リングが、ロッドガイドの内周に形成された絞り部の軸方向両側に位置するものである。
上記構成において、ピストンロッドが所定より大きいストローク(振幅)で往復動した場合、ロッドガイドの絞り部が、その軸方向両側に位置してピストンロッドに外挿された摩擦リングに、交互に乗り上げてフリクションを発生させることになる。
次に、請求項3の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構は、請求項1に記載の構成において、ロッドガイドの内周に形成された絞り部が、摩擦リングの軸方向両側に位置するものである。
上記構成において、ピストンロッドが所定より大きいストローク(振幅)で往復動した場合、ピストンロッドに外挿された摩擦リングに、その軸方向両側に位置してロッドガイドに形成された絞り部が、交互に乗り上げてフリクションを発生させることになる。
次に、請求項4の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構は、請求項1に記載の構成において、傾斜面が絞り部の内周面と摩擦リングの外周面の双方に形成され、絞り部側の傾斜面は、軸心に対する傾斜角度が摩擦リングの傾斜面より小さいものである。
上記構成において、ピストンロッドのストロークが所定より大きくなることによって、ロッドガイドの絞り部が、ピストンロッドと共に軸方向移動する摩擦リングの外周に相対的に乗り上げて行くにつれて、絞り部と摩擦リングの接触面積が徐々に増大し、これに伴い、フリクションが増大することになる。
請求項1〜4の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構によれば、大きなストロークに対しては、ロッドガイドの絞り部が、ピストンロッドに外挿された摩擦リングの外周に相対的に乗り上げるので、ピストンロッドに対する摩擦リングのフリクションが増大して有効な減衰が得られ、ストロークが所定より小さい微振幅の振動に対しては、摩擦リングへの絞り部の乗り上げによるフリクションが発生しない。したがって、例えば、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を走行することによる微低速で大きなストロークの入力に対して、有効な減衰を得ることができ、また、例えば良路を走行中のロードノイズのように、ストローク速度が高速で微振幅の振動が入力された時の振動絶縁性を確保して乗り心地を向上することができる。
請求項2,3の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構によれば、ピストンロッドが所定より大きいストローク(振幅)で往復動した場合、往復動(振動)の半周期毎に摩擦リングへの絞り部の乗り上げによるフリクションを発生させることができる。
請求項4の発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構によれば、ピストンロッドのストロークが大きいほど、大きな減衰を得ることができる。
以下、本発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構の第一形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図、図2及び図3は作用説明図である。
まず図1に示されるショックアブソーバは、内周空間Aに作動油が充填されたシリンダ1と、その外周にリザーバ室Bを画成する外筒2と、シリンダ1及び外筒2の開口端部間に固定された環状のロッドガイド3及び軸封装置4と、シリンダ1内に配置された不図示のピストンに結合され前記ロッドガイド3及び軸封装置4の内周を貫通して外部へ延在されたピストンロッド5とを備える。
詳しくは、ロッドガイド3は、第一〜第三のガイドリング31〜33及びガイドブッシュ34からなる。このうち、第一のガイドリング31は、小径部31a及び大径部31bを有し、小径部31aの外周面がシリンダ1の開口端部内周面に保持されると共に、大径部31bの外周が外筒2の内周面に保持されている。第二のガイドリング32は、内端面が第一のガイドリング31における大径部31bの端面(外端面)に衝合された状態で、外周面が外筒2の内周面に保持されている。第三のガイドリング33は、第二のガイドリング32における外端部内周に嵌着されている。ガイドブッシュ34は、合成樹脂又はゴム状弾性材料からなるものであって、第一のガイドリング31における小径部31aの内周に保持され、内周面がピストンロッド5の外周面に摺動可能に密接されている。
一方、軸封装置4は、ロッドガイド3における第二のガイドリング32の外端面に衝合されると共に、外筒2の開口端部に屈曲形成されたカシメ部2aによって、座金6を介して固定された金属円盤41と、その内周端部にゴム状弾性材料によって一体に成形されピストンロッド5の外周面に摺動可能に密接された対油リップ42及びダストリップ43と、その外周に装着されて、ピストンロッド5の外周面に対する緊迫力を補償するエキステンションスプリング44,45と、対油リップ42の外周側に一体に形成されて第三のガイドリング33に密接されたチェックリップ46と、金属円盤41の外周端部にゴム状弾性材料によって一体に成形され外筒2の内周面に密接されたガスケットリップ47からなる。
この実施の形態に係るフリクション付与機構は、ロッドガイド3の内周側に位置してピストンロッド5に摺動可能に外挿された一対の摩擦リング7,7と、ロッドガイド3における第二のガイドリング32の内周に形成された絞り部321とからなる。摩擦リング7,7はゴム状弾性材料で成形されたものであって、前記絞り部321の軸方向両側に位置しており、それぞれの外周には、緊迫力を補償するためのエキステンションスプリング71が装着されている。
ロッドガイド3の絞り部321は、内径が摩擦リング7の外径よりも小径に形成されており、ピストンロッド5が所定より大きなストロークで軸方向移動した場合は、このピストンロッド5と共に移動する摩擦リング7,7を径方向へ圧縮しながら、その外周に相対的に乗り上がることができるようになっている。そして、絞り部321の内周面は、最も小径の軸方向中央部から軸方向両側(上下両側)へ、言い換えれば摩擦リング7,7への乗り上げ方向へ向けて、漸次大径となるような円錐面状の一対の傾斜面321a,321bをなしている。
ロッドガイド3における第一のガイドリング31の内周には、フランジ311が形成されており、第三のガイドリング33の内周には、フランジ331が形成されている。そして、摩擦リング7,7のうち、図1における上側(軸方向外側)の摩擦リング7(7A)は、絞り部321とロッドガイド3における第三のガイドリング33のフランジ331との間に、適当な隙間をもって配置されており、図1における下側(軸方向内側)の摩擦リング7(7B)は、前記絞り部321とロッドガイド3における第一のガイドリング31のフランジ311との間に、適当な隙間をもって配置されている。
摩擦リング7,7は、エキステンションスプリング71の装着位置よりも絞り部321側の部分の外周面が、絞り部321の乗り上げ方向へ大径となる(摩擦リング7,7の互いの対向端部側が小径となる)円錐面状の傾斜面7aをなしており、円筒面状の内周面7bにおいて、ピストンロッド5に摺動可能に密接されている。また、軸心に対する絞り部321の傾斜面321a,321bの傾斜角度は、軸心に対する摩擦リング7の傾斜面7aの傾斜角度より相対的に小さく形成されている。
以上の構成を備えるショックアブソーバは、シリンダ1とピストンロッド5のうち一方が、サスペンションシステムにおける車体側に、他方が車輪側に取り付けられる。そして、車両走行時の衝撃や振動の入力によって、シリンダ1とピストンロッド5が軸方向相対移動すると、その移動速度が比較的速くストロークが大きい場合は、シリンダ1の内周空間Aに充填された作動油が、シリンダ1内をピストンロッド5と共に移動する不図示のピストンに形成されたオリフィスやバルブ機構を通じて、このピストンの軸方向両側の室間を流動し、このときの流動抵抗によって、前記衝撃や振動に対する減衰機能を発揮する。
また、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を走行することによって、シリンダ1とピストンロッド5に、微低速で大きなストロークの軸方向相対移動が入力された場合は、その半周期において、例えばピストンロッド5が図1における下方へ相対移動する過程を想定すると、上下一対の摩擦リング7,7のうち、上側の摩擦リング7Aは、まず図2(A)に示される状態では、ピストンロッド5と共に下方移動するので、摩擦リング7Aとピストンロッド5の間にはフリクションが生じない。一方、下側の摩擦リング7Bも、図3(A)に示されるように、ピストンロッド5と共に下方移動するので、摩擦リング7Bとピストンロッド5の間にも、フリクションが生じない。
次に、ピストンロッド5の下方移動のストロークが所定の大きさに達した時点で、上側の摩擦リング7Aは、図2(B)に示されるように、外周の傾斜面7aが第二のガイドリング32(ロッドガイド3)の絞り部321に干渉することによって、下方への追随移動が規制されるので、内周面7bが、下方移動するピストンロッド5と摺動することによって、フリクションを生じる。
下側の摩擦リング7Bも、図3(B)に示されるように、下側を向いた端面7cが第一のガイドリング31(ロッドガイド3)のフランジ311と衝合することによって、下方への追随移動が阻止されるので、内周面7bが、下方移動するピストンロッド5と摺動することによって、フリクションを生じる。そして、この図3(B)に示される状態において、摩擦リング7Bとピストンロッド5の摺動面に生じるフリクションは、略一定である。
ここで、図2(B)に示される上側の摩擦リング7Aと絞り部321との接触部に着目すると、軸心に対する絞り部321の傾斜面321a,321bの傾斜角度は、摩擦リング7Aの傾斜面7aの傾斜角度より相対的に小さいため、その互いの干渉初期においては接触面積が小さく、発生するフリクションも小さい。そして、ピストンロッド5の更なる下方移動が継続されると、これに追随しようとする摩擦リング7Aの傾斜面7aへ、絞り部321における上側の傾斜面321aが相対的に乗り上がって行き、これに伴って、図2(C)に示されるように、互いの接触面積が増大すると共に、摩擦リング7Aの径方向圧縮量Pが大径側ほど大きくなるので、その内周面7bとピストンロッド5との摺動により発生するフリクションは、ストロークが大きくなるほど増大することになる。
そして、次の半周期において、ピストンロッド5が上方移動を開始すると、摩擦リング7A,7Bは、ピストンロッド5に追随して上方移動することにより、それぞれ絞り部321及びフランジ311から離れる。そして、ピストンロッド5の上方移動のストロークが所定の大きさに達した時点で、下側の摩擦リング7Bは、上方へ向けて小径になる傾斜面7aが、絞り部321における下側の傾斜面321aと干渉し(図示省略)、上側の摩擦リング7Aは、上側を向いた端面7cが第三のガイドリング33(ロッドガイド3)のフランジ331と衝合する(図示省略)。
そしてこの場合も、下側の摩擦リング7Bと絞り部321との互いの干渉初期においては接触面積が小さく、このため発生するフリクションも小さいが、その後も、ピストンロッド5の更なる上方移動が継続されると、これに追随しようとする摩擦リング7Bの傾斜面7aへ、絞り部321の下側の傾斜面321aが相対的に乗り上がって互いの接触面積が増大すると共に、摩擦リング7Bに対する径方向圧縮量が大径側ほど大きくなるので、ストロークが大きくなるほどフリクションが増大することになる。
したがって、ピストンロッド5が所定より大きいストローク(振幅)で往復動した場合、その半周期毎に、ロッドガイド3の絞り部321が摩擦リング7A,7Bへ交互に乗り上げて、フリクションによる減衰を発生するので、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を越えた後の、車体の緩やかな上下動を、短時間で収束することができる。
また、入力された振動によるピストンロッド5のストロークが所定以下の小さなものである場合は、ロッドガイド3の絞り部321が摩擦リング7A,7Bへ乗り上がらないので、この摩擦リング7A,7Bとピストンロッド5の摺動によるフリクションが生じない。したがって、例えば車両が良路を走行することによって発生するロードノイズのような、ストローク速度が高速で、かつ微振幅の振動に対する良好な振動絶縁性が確保され、乗り心地を向上することができる。
なお、摩擦リング7A,7Bの内周面7bは、ピストンロッド5との摺動によって、経時的に摩耗するが、フリクションの大きさは、絞り部321の乗り上がりによる径方向圧縮量に由来するため、長期にわたって良好なフリクションを得ることができる。
次に、図4は、本発明に係るショックアブソーバのフリクション付与機構の第二形態を、軸心を通る平面で切断して示す要部の半断面図である。この形態において、ロッドガイド3の内周面には、円周方向へ連続した凹部3aが形成されていて、ピストンロッド5の外周面には、ゴム状弾性材料からなる単一の摩擦リング7が摺動可能に外挿されると共に、前記凹部3a内に遊嵌状態に配置されている。
詳しくは、ロッドガイド3の凹部3aの軸方向両側は、内径が摩擦リング7の外径よりも小径の絞り部3b,3cが形成されており、ピストンロッド5が所定より大きなストロークで軸方向移動した場合は、このピストンロッド5と共に移動する摩擦リング7を径方向へ圧縮しながら、その外周に相対的に乗り上がることができるようになっている。そして、絞り部3b,3cの内周面は、凹部3aへ向けて、言い換えれば摩擦リング7への乗り上げ方向へ向けて、漸次大径となるような、互いに対称な円錐面状の、一対の傾斜面3d,3eをなしている。
一方、摩擦リング7は、その軸方向中間部の外周にエキステンションスプリング71が装着されており、そこから上下両側へ向けて小径となる互いに対称の円錐面状の傾斜面7d,7eが形成されており、円筒面状の内周面7bにおいて、ピストンロッド5に摺動可能に密接されている。また、軸心に対するロッドガイド3の傾斜面3d,3eの傾斜角度は、軸心に対する摩擦リング7の傾斜面7d,7eの傾斜角度より相対的に小さく形成されている。
したがって、上述の構成を備える図4の形態においても、先に説明した第一形態と同様の作用・効果が実現される。
すなわち、例えば、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を走行することによって、シリンダ1とピストンロッド5に、微低速で大きなストロークの軸方向相対移動が入力された場合は、例えばピストンロッド5が下方移動する半周期において、ピストンロッド5のストロークが所定の大きさに達した時点で、摩擦リング7における下側の傾斜面7eが、ロッドガイド3における下側の絞り部3c(傾斜面3e)と干渉することによって、下方への摩擦リング7の追随移動が規制されるので、その内周面7bが、下方移動するピストンロッド5と摺動してフリクションを生じる。
このとき、軸心に対するロッドガイド3の傾斜面3eの傾斜角度は、摩擦リング7の傾斜面7eの傾斜角度より相対的に小さいため、その互いの干渉初期においては接触面積が小さく、発生するフリクションも小さい。そして、ピストンロッド5の更なる下方移動が継続されると、これに追随しようとする摩擦リング7の下側の傾斜面7eへ、ロッドガイド3における下側の絞り部3c(傾斜面3e)が相対的に乗り上がって行き、これに伴って、互いの接触面積が増大すると共に、摩擦リング7の径方向圧縮量が大径側ほど大きくなるので、その内周面7bとピストンロッド5との摺動により発生するフリクションは、ストロークが大きくなるほど増大することになる。
また、次の半周期において、ピストンロッド5が上方移動を開始すると、摩擦リング7は、ピストンロッド5に追随して上方移動することにより、絞り部3cから離れ、ピストンロッド5の上方移動のストロークが所定の大きさに達した時点で、摩擦リング7における上側の傾斜面7dが、ロッドガイド3における上側の絞り部3bと干渉する。軸心に対するロッドガイド3の傾斜面3dの傾斜角度は、摩擦リング7の傾斜面7dの傾斜角度より相対的に小さいため、この場合も、互いの干渉初期においては接触面積が小さく、発生するフリクションも小さいものであるが、その後も、ピストンロッド5の更なる上方移動が継続されると、これに追随しようとする摩擦リング7の傾斜面7dへ、ロッドガイド3における上側の傾斜面3dが相対的に乗り上がって互いの接触面積が増大すると共に、摩擦リング7に対する径方向圧縮量が大径側ほど大きくなるので、ストロークが大きくなるほどフリクションが増大することになる。
したがって、ピストンロッド5が所定より大きいストローク(振幅)で往復動した場合、その半周期毎に、ロッドガイド3の絞り部3b,3c(傾斜面3d,3e)が摩擦リング7の傾斜面7d,7eへ交互に乗り上げて、フリクションによる減衰を発生するので、車両が大きく緩やかなうねりを有する路面を越えた後の、車体の緩やかな上下動を、短時間で収束することができる。
また、入力された振動によるピストンロッド5のストロークが所定以下の小さなものである場合は、ロッドガイド3の絞り部3b,3c(傾斜面3d,3e)が摩擦リング7へ乗り上がらないので、この摩擦リング7とピストンロッド5の摺動によるフリクションが生じない。したがって、例えば車両が良路を走行することによって発生するロードノイズのような、ストローク速度が高速で、かつ微振幅の振動に対する良好な振動絶縁性が確保される。
なお、上述した各形態におけるフリクション特性は、ロッドガイド3の絞り部(傾斜面)と摩擦リング7とのクリアランスや、傾斜角度、摩擦リング7のゴム材質等によって、適宜に設定することができる。
1 シリンダ
2 外筒
3 ロッドガイド
3a 凹部
3b,3c,321 絞り部
3d,3e,321a,321b 傾斜面
311,331 フランジ
4 軸封装置
5 ピストンロッド
6 座金
7,7A,7B 摩擦リング
7a,7d,7e 傾斜面
7b 内周面
71 エキステンションスプリング
2 外筒
3 ロッドガイド
3a 凹部
3b,3c,321 絞り部
3d,3e,321a,321b 傾斜面
311,331 フランジ
4 軸封装置
5 ピストンロッド
6 座金
7,7A,7B 摩擦リング
7a,7d,7e 傾斜面
7b 内周面
71 エキステンションスプリング
Claims (4)
- シリンダ(1)に、その一端に設けられたロッドガイド(3)及び軸封装置(4)の内周を通じてピストンロッド(5)が挿通された構造を有するショックアブソーバにおいて、前記ピストンロッド(5)にゴム状弾性材料からなる摩擦リング(7)が摺動可能に外挿され、前記ロッドガイド(3)の内周に前記摩擦リングの外周へ乗り上げ可能な絞り部(321)が形成され、この絞り部(321,3b,3c)の内周面と摩擦リング(7)の外周面のうち少なくとも一方に、前記絞り部(321)の乗り上げ方向へ大径となる傾斜面が形成されたことを特徴とするショックアブソーバのフリクション付与機構。
- 摩擦リング(7)が、ロッドガイド(3)の内周に形成された絞り部(321)の軸方向両側に位置することを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバのフリクション付与機構。
- ロッドガイド(3)の内周に形成された絞り部(3b,3c)が、摩擦リング(7)の軸方向両側に位置することを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバのフリクション付与機構。
- 傾斜面が絞り部(321)の内周面と摩擦リング(7)の外周面の双方に形成され、絞り部(321)側の傾斜面(321a,321b,3d,3e)は、軸心に対する傾斜角度が摩擦リング(7)の傾斜面(7a)より小さいことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバのフリクション付与機構。
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