JP2002004504A - 瓦押え用金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 瓦の固定強度、防水性、に優れ、締結体の緩
み防止効果機能が得られる瓦押え用金具を提供する。 【解決手段】 第一締結体貫通穴１０を設けた、土台板
５と、この土台板５の一端から反転し、空間をもって、
重なり側に土台板５と略平行に延設し、柱板７と補強板
６の終端部６′から隙間１１をもち、補強板６と同方向
にてかつ、土台板５に対し、ほぼ垂直に延設し、高さＬ
３が上側の瓦１３の下部突条１４の高さとほぼ同じに成
形した柱板７と、この柱板７の土台板５の端部５′と反
対の端から土台板５と反対方向に土台板５とほぼ平行に
延設し、長さＬ４が下部突条１４の上面の幅と同じか、
それ以上に長く成形された押え板８と、押え板８の、柱
板７の反対側の端から土台板５の方向に、前記押え板８
と鈍角を成して延設する引掛け板９から構成された瓦押
さえ用金具１を締結体３とパッキン４を用いて瓦１３固
定すれば、挿通孔１５がパッキン４によってシールさ
れ、その上、外力が作用した場合はバネ効果が得ること
が出来ると共に強力に瓦を押さえることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は屋根に葺設する瓦
を瓦桟木に固定するための瓦押え用金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】屋根に葺設する瓦を瓦桟木に固定する瓦
止めの施工には、幾つかの瓦止め金具が用いられてい
る。

【０００３】従来の瓦止め金具としては、例えば、瓦桟
木に打ち込み、頭部で瓦の重ね部を押え込む犬釘状のと
め釘がよく使用されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この止
め釘は、頭部で瓦の重ね部を押さえ込むだけであるの
で、瓦の固定が強度的に不安定であるとともに、止め釘
を打ち込みすぎると、頭部が瓦の重ね部を破損させてし
まうという問題がある。

【０００５】また、この犬釘状のとめ釘は金属製の線材
から成形されているため、とめ釘の押え部は金属板のよ
うに薄くは成形できず、瓦の種類によってはとめ釘の押
え部によって瓦の重ね部に隙間が生じるという問題もあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項１の発明は、締結体貫通穴を設けた四
角形の土台板と、前記土台板の一端から、土台板に対
し、ほぼ垂直に上方向に延設した柱板と、前記柱板の終
端から土台板と反対の長手方向に土台板とほぼ平行に延
設する押え板とからなる瓦押え用金具において、前記土
台板の前記柱板と反対側の端から、前記土台板との重な
り側に反転し、空間をもって、土台板から延設し、前記
土台板と重ねあわせた時、前記土台板に設けた第一締結
体貫通穴とほぼ一致する位置に第二締結体貫通穴を成形
した補強板を設け、且つ補強板の端部と柱板の間に隙間
を持つ構成を採用したものである。

【０００７】請求項２の発明は、請求項１に記載の瓦押
え用金具において、補強板と土台板が、ほぼ平行な位置
関係とする構成を採用したものである。

【０００８】請求項３の発明は、請求項１に記載の瓦押
え用金具において、補強板と土台板が、ほぼ鋭角な位置
関係とする構成を採用したものである。

【０００９】請求項４の発明は、請求項１から請求項３
に記載の瓦押え用金具において、前記土台板の底面側に
て、パッキンを締結体に嵌挿した構成を採用したもので
ある。

【００１０】請求項５の発明は、請求項１から請求項４
に記載の瓦押え用金具において、前記締結体にねじを使
用した構成を採用したものである。

【００１１】請求項６の発明は、請求項１から請求項４
に記載の瓦押え用金具において、前記締結体に釘を使用
した構成を採用したものである。

【００１２】ここで、土台板５、補強板６、柱板７、押
え板８、および引掛板９からなる、瓦押さえ用金具１は
ステンレス等の金属板を用いて成形されている。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。

【００１４】図１の（Ａ）に示すように、第一締結体貫
通穴１０を設けた、土台板５と、この土台板５の一端か
ら反転し、空間をもって、重なり側に土台板５と略平行
に延設し、柱板７と一定の隙間１１をもつ補強板６と、
同方向にてかつ、土台板５に対し、ほぼ垂直に延設し、
高さＬ３が上側の瓦１３の下部突条１４の高さとほぼ同
じに成形した柱板７と、この柱板７の土台板５の端部
５′と反対の端から土台板５と反対方向に土台板５とほ
ぼ平行に延設し、長さＬ４が下部突条１４の上面の幅と
同じか、それ以上に長く成形された押え板８と構成され
た瓦押さえ用金具１と、補強板６の第二締結体貫通穴１
０′から土台板５の第一締結体貫通穴１０にわたって上
下に貫通する締結体３と、土台板５の下部位置で、締結
体３に嵌挿されたパッキン４から構成されている。尚、
図１（Ａ）のように押え板８の、柱板７の反対側の端か
ら土台板５の方向に、前記押え板８と鈍角を成して延設
する引掛け板９を設けても良い。

【００１５】上記、瓦押さえ用金具は１枚のステンレス
等の金属板を順次曲げ加工にて成形され補強板６と土台
板５には締結体３が補強板６から土台板５へ少なくとも
直角に挿通可能な第一締結体貫通穴１０と第二締結貫通
穴１０′を設けてある。また、補強板６の全長Ｌ１は土
台板５の全長Ｌ２と柱板の厚み１２の総和よりも短く成
形されている。すなわち補強板６の終端部６′と柱板７
とは隙間１１が形成され接することがない。

【００１６】上記締結体締結体３は、図１（Ａ）の場
合、ネジを用いた例を示している。尚、図１（Ｂ）は他
の実施例を示している。

【００１７】次に、上記瓦押え金具による瓦止め施工方
法を図２と図３を用いて説明する。

【００１８】図２又は図３のように、瓦は平面矩形状で
一方側部に重ね合わせ用下部突条１４と、他方側部に重
ね合わせ用の上部突条１５とが設けられ、瓦１３の棟側
に位置させる端部には締結体３の挿通孔１６が設けら
れ、下側瓦１３′の棟側と上側瓦１３の軒先側の上下に
重なる部分が瓦桟木１７で支持され、締結体３は挿通孔
１６から瓦桟木１７に打ち込まれることになる。

【００１９】下側瓦１３′とこれに重ねた上側瓦１３の
重なり部分を瓦桟木１７に固定するには、先ず、図３
（Ａ）の如く、上側瓦１３の下部突条１４に対し、下側
瓦１３′に設けた挿通孔１６に締結体３の先端部を挿入
すると共に、パッキンを下側瓦１３′に設けた挿通孔１
６の直上位置に、柱板７を上側瓦１３の下部突条１４の
側面に、そして押え板８を上側瓦１３の下部突条１４の
上面に接する様に置いた後、電動工具やネジ回し、また
は締結体３が釘３′の場合は金槌を使用して締結体３を
打ち込んでゆく。図３（Ａ）の締結体３の螺入が進む
と、締結体３の頭部２が補強板６に接する。更に螺入が
進むと、締結体３の頭部２が補強板６を圧接する事で土
台板５を固着させると共に、パッキン４は圧縮されて、
パッキン４の一部は挿通孔１６の内部に食い込んでい
き、挿通孔１６を密封シールすることとなり、確実な防
水が得られる。このような作業を各瓦毎に繰り返してい
けば屋根に瓦を葺くことができる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、第一
締結体貫通穴を設けた、土台板と、この土台板の一端か
ら反転し、空間をもって、重なり側に土台板と略平行に
延設し、柱板と一定の隙間をもつ補強板と、土台板の補
強板の端部と反対の端から補強板と同方向にてかつ、土
台板に対し、ほぼ垂直に延設し、高さＬ３が上側の瓦の
下部突条の高さとほぼ同じに成形した柱板と、この柱板
の土台板の端部と反対の端から土台板と反対方向に土台
板とほぼ平行に延設し、長さＬ４が下部突条の上面の幅
と同じか、それ以上に長く成形された押え板と、押え板
の、柱板の反対側の端から土台板の方向に、前記押え板
と鈍角を成して延設する引掛け板から構成された瓦押さ
え用金具と、補強板の穴から土台板の締結体貫通穴にわ
たって上下に貫通する締結体と、金具部の下部位置で、
締結体に嵌挿されたパッキンとの組み合わせの採用によ
って、瓦の重ね合わせ部を破壊することない。

【００２１】また瓦が風力等の外力によって躍動した場
合、補強板と土台板の間に生ずる空間と補強板と柱板の
間に設けた隙間によって、この外力をバネのような弾性
効果で吸収することが可能となる。さらに大きな外力が
発生した場合は、押さえ板に作用した回転モーメントに
より補強板と土台板が接して、実質上、土台板の厚みが
増す。その上、回転モーメントを受ける場所が補強板の
終端部付近となる。したがって、締結体に作用する回転
モーメントを小さく受けることが出来る。

【００２２】

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は瓦押え用金具の第１の例を示す縦断正
面図、（Ｂ）は瓦押え用金具の第２の例を示す斜視図

【図２】瓦押え用金具と瓦の関係を示す斜視図

【図３】（Ａ）は瓦押え用金具を用いた瓦止めの施工方
法を示す初期工程の縦断正面図 （Ｂ）は瓦押え用金具を用いた瓦止めの施工方法を示す
締結状態の縦断正面図

【符号の説明】

１ 瓦押え用金具 ２ 頭部 ３ 締結体 ３′釘 ４ パッキン ５ 土台板 ５′端部 ６ 補強板 ６′終端部 ７ 柱板 ８ 押え板 ９ 引掛け板 １０ 第一締結体貫通穴 １０′第二締結体貫通穴 １１ 隙間 １２ 厚み １３ 瓦 １３′下側瓦 １４ 下部突条 １５ 上部突条 １６ 挿通孔 １７ 瓦桟木

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 締結体貫通穴を設けた四角形の土台板
   と、前記土台板の一端から、土台板に対し、ほぼ垂直に
   上方向に延設した柱板と、前記柱板の終端から土台板と
   反対の長手方向に土台板とほぼ平行に延設する押え板と
   からなる瓦押え用金具において、前記土台板の前記柱板
   と反対側の端から、前記土台板との重なり側に反転し、
   空間をもって、土台板から延設し、前記土台板と重ねあ
   わせた時、前記土台板に設けた第一締結体貫通穴とほぼ
   一致する位置に第二締結体貫通穴を成形した補強板を設
   け、且つ補強板の端部と柱板の間に隙間を持つことを特
   徴とする瓦押え用金具。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の瓦押え用金具におい
   て、補強板と土台板が、ほぼ平行な位置関係とすること
   を特徴とする瓦押さえ用金具。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の瓦押え用金具におい
   て、補強板と土台板が、ほぼ鋭角な位置関係とすること
   を特徴とする瓦押さえ用金具。
4. 【請求項４】 請求項１から請求項３に記載の瓦押え用
   金具において、前記土台板の底面側にて、パッキンを締
   結体に嵌挿したことを特徴とする瓦押え用金具。
5. 【請求項５】 請求項１から請求項４に記載の瓦押え用
   金具において、前記締結体にねじを使用したことを特徴
   とする瓦押え用金具。
6. 【請求項６】 請求項１から請求項４に記載の瓦押え用
   金具において、前記締結体に釘を使用したことを特徴と
   する瓦押え用金具。