JP2002004046A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法および成膜装置

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JP2002004046A
JP2002004046A JP2000184609A JP2000184609A JP2002004046A JP 2002004046 A JP2002004046 A JP 2002004046A JP 2000184609 A JP2000184609 A JP 2000184609A JP 2000184609 A JP2000184609 A JP 2000184609A JP 2002004046 A JP2002004046 A JP 2002004046A
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Tsukasa Takahashi
司 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板を保持した回転ドラムを回転させつつ、
その基板上に薄膜を形成するカルーセルタイプの成膜装
置で、基板上に形成される薄膜の膜質を低下させずにス
ループットを向上させる。 【解決手段】 減圧チャンバ1内で、基板10を保持し
た多角形ドラム2を回転させつつ、導入管6よりArガ
スとO2ガスを、導入管7よりH2Oを導入し、ターゲッ
ト3に高周波電圧または直流電圧を印加してターゲット
3よりスパッタリング粒子を放出させる。そのスパッタ
リング粒子が基板10上に被着することで基板10上に
膜が形成される。減圧チャンバ1には、基板10上の膜
に照射する光を発する光源8、および瞬間マルチ測光器
の受光部9が取り付けられており、基板10上の膜の成
膜中に、多角形ドラム2の回転を止めずに光源8および
瞬間マルチ測光器によって基板10上の膜の分光測定を
行い、その測定結果に基づいて成膜条件を最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多角形ドラムの側
面に基板を保持し、その多角形ドラムを回転可能なカル
ーセルタイプの回転機構を有するスパッタリング装置に
おいて、ダイクロイックフィルタ等の多層光学薄膜を形
成する成膜方法および成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成膜装置においてスパッタリング
法によって薄膜を形成する場合、蒸着法と比較してパッ
キング密度が高くて安定した膜を形成することができ
る。しかしながら、スパッタリング法では一般に、蒸着
法と比較して成膜面の均一化と高いスループットの両立
を図ることが困難であった。そこで、スループットの向
上のために考え出された成膜方法が、カルーセルタイプ
と呼ばれる方法である。
【0003】カルーセルタイプの成膜装置には、真空室
内に収容された多角形の回転ドラムの外側の側面に基板
を保持し、回転軸を中心にその回転ドラムを一方向に回
転させる機構が備えられている。このような形態の成膜
装置では、回転ドラムを回転させつつ、複数の薄膜から
なる多層膜を回転ドラムの基板上に形成する。形成され
た薄膜の厚さ等の光学定数を測定する場合には、従来は
回転ドラムの回転動作および真空室内の放電を停止して
光学定数の測定を行い、その測定結果を制御手段等によ
り解析して、基板上に形成された薄膜で目的の特性が得
られたかどうかを判断する。
【0004】このように従来のカルーセル型の成膜装置
においては、成膜時に分光器等で基板上の膜の光学特性
をモニタしてその膜厚を決定する際、回転ドラムの回転
機構を停止させて光学特性を測定していた。また、基板
上に形成された膜の光学特性を測定する測定点が1点の
みであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カルーセルタイプの成膜装置では、薄膜の厚さが目的の
膜厚に達していなかった場合、一旦停止した回転ドラム
の回転および放電を再開して成膜を再度開始しなければ
ならないことから、基板上の膜で膜質の変化が生じると
ともに、薄膜の成膜に、より多くの時間を必要としてい
た。したがって、基板上に形成される薄膜の膜質および
スループットの両面において問題点があった。
【0006】本発明の目的は、基板を保持した回転ドラ
ムを回転させながら、その基板上に薄膜を形成するカル
ーセルタイプの成膜方法および成膜装置において、基板
上に形成される薄膜の膜質の低下を招くことなく、高い
スループットを達成可能な成膜方法および成膜装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、支持部材に基板を保持し、該支持部材を
回転させつつ前記基板上に膜を形成する成膜方法におい
て、前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形成
しつつ該膜の分光測定を行うことで、前記基板上への膜
の形成中に、前記膜の分光測定と、該分光測定の測定結
果に基づいた前記膜の成膜条件の最適化とを行い、前記
基板上に所望の膜厚の膜を形成することを特徴とする。
【0008】また、前記基板上に形成された膜の分光測
定を行う際に、前記基板上の膜に光を照射し、該膜に照
射された光を、それぞれが異なる個所に配置された複数
の受光部で受光することにより、各々の前記受光部で受
光された光に基づいて前記基板上の膜の分光測定を行う
ことが好ましい。
【0009】また、本発明は、基板を保持する支持部材
を回転させつつ前記基板上に膜を形成する成膜方法にお
いて、前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形
成しつつ該膜の特性測定を行い、前記基板上への膜の形
成中に、前記膜の測定結果に基づいて前記膜の成膜条件
を調整することを特徴とする。
【0010】そして、前記基板上に形成された膜の特性
測定を行う際に、前記基板上の膜に光を照射し、該膜に
照射された光を、それぞれが異なる個所に配置された複
数の受光部で受光することにより、各々の前記受光部で
受光された光に基づいて前記基板上の膜の特性測定を行
うことが望ましい。
【0011】さらに、本発明の成膜装置は、基板を保持
して一方向に回転する支持部材と、前記支持部材の回転
動作中に前記基板上に膜を形成するための成膜手段と、
前記支持部材の回転動作中に、前記成膜手段により前記
基板上に形成された膜の分光測定を行うために、前記基
板上の前記膜に照射するための光を発する光源と、前記
光源より前記基板上の膜に照射された光の少なくとも一
部を受光する受光部を備え、該受光部により受光された
光に基づいて前記基板上の膜の分光測定を行う測定手段
と、前記測定手段の測定結果に基づいて、前記基板上に
形成される膜の成膜条件を最適化する制御手段とを有す
る。
【0012】さらに、前記測定手段が前記受光部を複数
有し、複数の前記受光部が、前記光源より前記基板上の
膜に照射された光をそれぞれ異なる個所で受光するよう
に配設されていることが好ましい。
【0013】さらに、本発明の成膜装置は、基板を保持
して回転する支持部材と、前記支持部材の回転動作中に
前記基板上に膜を形成するための成膜手段と、前記支持
部材の回転動作中に、前記成膜手段により前記基板上に
形成された膜の特性測定を行うために、前記基板上の前
記膜に照射するための光を発する光源と、前記光源より
前記基板上の膜に照射された光の少なくとも一部を受光
する受光部を備え、該受光部により受光された光に基づ
いて前記基板上の膜の特性測定を行う測定手段と、前記
測定手段の測定結果に基づいて、前記基板上に形成され
る膜の成膜条件を調整する手段とを有する。
【0014】そして、前記測定手段が前記受光部を複数
有し、複数の前記受光部が、前記光源より前記基板上の
膜に照射された光をそれぞれ異なる個所で受光するよう
に配設されていることが望ましい。
【0015】上記のそれぞれの成膜装置において、前記
支持部材が、外形形状が多角柱形状で中空状の多角形ド
ラムであり、前記光源が前記多角形ドラムの内側に配置
されていることが好ましい。
【0016】上記の通りの発明では、基板を保持した支
持部材を回転させつつ基板上に膜を形成する際に、支持
部材の回転動作中に、成膜手段によって基板上に形成さ
れた膜の特性測定を行い、その測定結果に基づいて、基
板上に形成する膜の膜厚や正確な成膜レートなどの成膜
条件を最適化することにより、支持部材の回転動作を止
めることなく基板上の膜の特性測定を行うとともに、そ
の測定結果を直ちに成膜時間に反映させることができ
る。よって、成膜時間の短縮化が図られ、スループット
が向上する。また、基板上への膜の成膜行程を中断する
ことなく、その膜の特性測定が可能であることから、成
膜条件の変化を最小限に抑えることができる。したがっ
て、高品質の製品を安定して生産することが可能にな
る。さらに、基板上の膜の特性測定を複数個所の2点以
上で行うことによって、複数個所での測定結果を平均化
する等の統計処理を行って測定誤差を小さくすることが
でき、より高品質の膜を安定して成膜することが可能と
なる。それと同時に、そのように基板上の膜の特性測定
を2点以上で行うことにより、基板上に形成された膜の
厚さのばらつきを最小限にすることができ、大面積で均
質な膜を作製することができる。よって、大面積での膜
質の安定性を確保することができる。このように大面積
にわたって膜を均一にするためには膜厚補正板等の機構
が別途必要になる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態による多層光学薄膜の成膜方法を用いた成
膜装置の構成を示す図である。本実施形態の成膜装置
は、基板を保持した多角形ドラムを真空室内で回転させ
つつ、その基板上に薄膜を形成するカルーセルタイプの
スパッタリング成膜装置である。
【0019】図1に示すように本実施形態の成膜装置
は、真空室を構成する減圧チャンバ1と、減圧チャンバ
1内で互いに対向して配設された多角形ドラム(カルー
セル)2およびターゲット3と、ターゲット3に高周波
電源を印加するRF電源4と、ターゲット3に直流電圧
を印加するDC電源5と、減圧チャンバ1内にスパッタ
リングガスであるArガスと反応性ガスであるO2ガス
とを導入するための導入管6と、減圧チャンバ1内に水
分であるH2Oを導入するための導入管7とを有してい
る。ターゲット3、RF電源4、DC電源5および導入
管6,7等から成膜手段が構成されており、その成膜手
段によって、多角形ドラム2の側面に保持された基板1
0上に膜が形成される。
【0020】したがって、減圧チャンバ1内すなわち真
空室内に多角形ドラム2およびターゲット3が収容され
ており、減圧チャンバ1内の気体は不図示の減圧ポンプ
によって排気される。RF電源4の高周波電圧はマッチ
ングネットワーク4aを経てターゲット3に印加され、
DC電源5の直流電圧はローパスフィルタ5aを経てタ
ーゲット3に印加される。
【0021】多角形ドラム2は、少なくとも1つの基板
10を支持するための支持部材であり、多角形ドラム2
の形状は、外形形状が正多角柱形状で中空状となってい
る。多角形ドラム2の中心軸Aが重力方向と平行となる
ように多角形ドラム2の姿勢が保持されている。この多
角形ドラム2は、その中心軸Aを中心に回転可能に支持
されており、不図示の駆動手段によって中心軸Aを中心
に矢印B方向に回転する。多角形ドラム2のそれぞれの
側面には、基板10を多角形ドラム2に取り付けるため
の基板ホルダーが設けられている。その基板ホルダーに
よって基板10を多角形ドラム2の側面に固定すること
で、基板10が多角形ドラム2の側面に保持される。
【0022】また、減圧チャンバ1には、多角形ドラム
2の基板10上に形成された薄膜の特性を測定するため
に光源8および受光部9が取り付けられている。光源8
は、基板10上に形成される膜に照射するための光を発
するものである。受光部9は、光源8から基板10上の
膜に照射された光のうち、その膜を透過した光の少なく
とも一部を受光するものであって、本実施形態では、基
板10上の膜の分光測定を行うための測定手段である瞬
間マルチ測光器に備えられているものである。受光部9
を備えた瞬間マルチ測光器を用いて分光測定を行うこと
により、基板10上に形成される薄膜の膜厚等の光学定
数を把握することができる。
【0023】光源8および受光部9は、多角形ドラム2
を挟んで互いに対向するように配置されている。例え
ば、減圧チャンバ1の外形形状が、図1に示されるよう
に直方体形状である場合、光源8と受光部9が多角形ド
ラム2を挟んで対向するように減圧チャンバ1の角部に
光源8および受光部9を配置させればよい。
【0024】さらに、本実施形態の成膜装置には、RF
電源4およびDC源源5の制御や、多角形ドラム2の回
転動作の制御をしたり、受光部9を備えた瞬間マルチ測
光器の測定結果を基に薄膜の成膜条件が所望の膜を得る
ために所望の条件になるように調整するための制御手段
(不図示)が備えられている。なお、制御手段は、成膜
時間や膜厚を調整したり、供給するガス流量を増減した
り、各電源の投入電力を増減したり、ドラムの回転速度
を増減するなどして成膜レートや膜の組成を調整するこ
とができる。こうして、所望の特性の膜が得られるよう
に、成膜途中で成膜条件を変更して最適化することがで
きる。
【0025】次に、図1に示した成膜装置において、多
角形ドラム2の側面に保持された基板10上に酸化物薄
膜を成膜する工程について説明する。
【0026】まず、多角形ドラム2の基板ホルダに10
を保持させ、減圧チャンバ1内を真空ポンプによって所
定の真空度に減圧したうえで、導入管6からArガスと
2ガス、導入管7からH2Oを減圧チャンバ1内に導入
する。そして、ターゲット3にRF電源4の高周波電圧
またはDC電源5の直流電圧の少なくともいずれか一方
を印加して、ターゲット3と多角形ドラム2との間に、
いわゆるマグネトロンスパッタ放電によるプラズマPを
発生させる。
【0027】そのプラズマPにおける正イオンによっ
て、ターゲット3を構成する原子がスパッタされ、その
原子がターゲット3からスパッタリング粒子として放出
される。このスパッタリング粒子は、ターゲット3の表
面近傍の酸化活性種によって一部が酸化された状態で、
多角形ドラム2の回転動作により回転している基板10
に向かって放出される。このように基板10に向けて放
出されて基板10に到達したスパッタリング粒子は、プ
ラズマP中や基板10の表面近傍の酸化活性種によって
酸化される。そして、酸化したスパッタリング粒子が基
板10上に被着することにより、被着したスパッタリン
グ粒子からなる酸化物薄膜が基板10の表面に成膜され
る。
【0028】したがって、減圧チャンバ1内のターゲッ
ト3より放出されるスパッタリング粒子は、ターゲット
3の表面やプラズマP中あるいは基板10の表面で酸素
と反応して酸化物となり、その酸化物が基板10上に被
着する。このように基板10上に多層膜を成膜する工程
中において、多角形ドラム2が回転し、減圧チャンバ1
内で放電が維持されている状態で、減圧チャンバ1に一
個所あるいは複数個所設けられたモニタガラスを通し
て、受光部9を備えた瞬間マルチ測光器と光源8により
基板10の薄膜の光学特性を測定する。瞬間マルチ測光
器による測定のタイミングは、多角形ドラム2の回転と
同期させる必要がある。このように多角形ドラム2を回
転させて基板10上に薄膜を成膜するのと同時に、瞬間
マルチ測光器により基板10上の薄膜の分光測定を行う
ことにより、基板10上に形成される薄膜の膜厚等の光
学定数をリアルタイムで把握することができる。また、
多角形ドラム2の回転を止めずに瞬間マルチ測光器によ
って基板10上の薄膜の分光測定を行うことにより、瞬
間マルチ測光器の露光時間や、多角形ドラム2の回転速
度の変化等が、基板10上に形成する膜の成膜条件に影
響を与えないように設定することが可能となる。
【0029】上記のように、受光部9を備えた瞬間マル
チ測光器による測定結果に基づいて、基板10上に形成
される薄膜の膜厚および正確な成膜レートを制御手段に
より算出し、基板10上の薄膜の膜厚が予定の膜厚に達
した段階で直ちに成膜を中止する。基板10上の薄膜が
予定の膜厚よりも厚い場合には、既に成膜された膜に関
するデータと、予め設定された目標特性とを基にして残
りの薄膜の構成を最適化する。このように、瞬間マルチ
測光器の測定結果に基づいて、基板10上に形成される
薄膜の膜厚や正確な成膜レート等の成膜条件を制御手段
によって最適化することにより、目標特性に近い多層膜
を基板10上に成膜することができる。したがって、基
板10上に形成される光学多層薄膜の膜厚を正確に制御
することが可能になり、高品質の多層膜を、安定して、
より効率的に生産することが可能になる。
【0030】図2は、図1に示した成膜装置において基
板10上の膜の光学特性を測定する工程について説明す
るための図である。
【0031】上述したように本実施形態のカルーセルタ
イプの成膜装置では、多角形ドラム2の回転を止めるこ
となく、基板10上への薄膜の成膜と同時に、薄膜の光
学特性の測定を行う。例えば、薄膜の光学特性を測定す
るために必要な露光時間が100msecで、基板10が直
径30mmの円盤であり、多角形ドラム2における中心軸
Aから角部までの距離、すなわち多角形ドラム2の角部
の回転半径が185mmの場合、多角形ドラム2の回転速
度を1回転/8sec程度に設定することで、瞬間マルチ
測光器により基板10上の薄膜の光学特性を測定するこ
とができる。
【0032】その際、図1および図2に示される受光部
9とは異なる別の受光部を、受光部9とは異なる位置に
設置し、受光部9とともに別の受光部を用いて薄膜の光
学特性の測定を2点以上の複数の個所で行ってもよい。
その場合、多角形ドラム2の上側や下側、側面側の周辺
部で合計3個所に受光部を配設し、配設された3つの受
光部により3点で分光測定を行うことが望ましい。
【0033】それぞれ異なる個所に配置された複数の受
光部を用い、瞬間マルチ測光器により複数個所の測定を
行い、その測定結果を制御手段で平均化する等の統計処
理を行って基板10上の薄膜の膜質を判定する。これに
より、膜厚のばらつきを考慮した成膜の制御が可能にな
るととともに、より大きい成膜面積で、目的とする膜厚
からのずれを小さくすることができ、膜厚等の誤差を小
さくすることができる。よって、複数の受光部、すなわ
ちそれぞれが異なる個所に設置された複数のモニタによ
り得られた測定結果の平均値を用いることにより、大面
積の薄膜を基板10上に形成する際にも均一な膜を得る
ことができ、より高品質の膜を安定して成膜することが
可能になる。このように基板10上の膜の厚さを大面積
にわたって均一にするためには膜厚補正板等の機構が別
途必要になる。また、図1および図2に示した成膜装置
では、ターゲット3が減圧チャンバ1内で1個所のみに
配置されているが、減圧チャンバ1内の複数個所にター
ゲット3を配置させてもよい。
【0034】本実施形態では、図2に示すように、光源
8より減圧チャンバ1内に入った測定光11は、多角形
ドラム2の内部を通過した後、基板10、および基板1
0上の膜を通過して受光部9に届き、受光部9によって
受光される。そして、受光部9によって受光された光に
基づいて瞬間マルチ測光器によって基板10上の膜の分
光測定が行われる。光源9からの測定光11は、多角形
ドラム2において基板10を取り付けていない個所の光
通過部から多角形ドラム2の内側に入る必要があるた
め、多角形ドラム2においてモニタする基板10と反対
側の側面Eには基板を取り付けてはならない。この際、
多角形ドラム2の側面Eにある光通過部から多角形ドラ
ム2内に入ったスパッタリング粒子が基板10の多角形
ドラム2側の裏面に被着する可能性があるため、これを
防ぐためには基板10の裏側にはカバーを取り付ける必
要があるが、モニタに用いる基板10の裏側には特にカ
バーを取り付ける必要がない。これは、多角形ドラム2
に取り付けられた基板10のうちモニタに用いる基板1
0が多角形ドラム2の側面Eから最も離れているため、
モニタ用の基板10の裏面にはほとんど膜が被着しない
ので問題にならないためである。
【0035】このような配置で基板10や光源8および
受光部9を設置すれば、それらの設置も比較的容易で、
しかも、多角形ドラム2の回転動作中で測定データのば
らつきが少なくなるというメリットがある。その結果、
基板10上に形成される膜の膜厚をリアルタイムにモニ
タおよび制御することが可能となって、その膜厚の制御
性が向上し、基板10上の多層膜の膜質として、設計値
に近い特性を得ることができる。
【0036】以上で説明したように、本実施形態の成膜
装置では、多角形ドラム2を回転させて基板10上に膜
を形成する際に、多角形ドラム2の回転を停止させずに
基板10上の膜の分光測定を行うことにより、その測定
による時間の損失を最小限に抑えて、高品質な光学多層
薄膜を安定して成膜できる。また、多角形ドラム2の回
転を止めずに基板10上の膜の分光測定を行うことによ
り、その測定結果を直ちに成膜時間に反映させることで
きる。したがって、基板上に形成される薄膜の膜質の低
下を招くことなく、高いスループットで光学多層薄膜を
製造することができる。よって、本実施形態の成膜方法
および成膜装置を用いることで、光学特性の優れたダイ
クロイックフィルタ等の光学多層薄膜を大量に製造する
ことができる。
【0037】(第2の実施の形態)図2は、本発明の第
2の実施形態による成膜装置の構成を示す図である。本
実施形態の成膜装置は、第1の実施形態のものと比較し
て、基板上の膜の分光測定を行うために基板上の膜に光
を照射する光源の配置が主に異なっている。図3では、
第1の実施形態と同一の構成部品に同一の符号を付し、
以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明す
る。
【0038】本実施形態のカルーセルタイプの成膜装置
では、図3に示すように基板10上の膜に光を照射する
光源8が中空状の多角形ドラム2の内側のほぼ中央部に
配置されている。本実施形態の成膜装置においても、第
1の実施形態と同様に多角形ドラム2を回転させて基板
10上に薄膜を形成しつつ、受光部9を備えた瞬間マル
チ測光器により基板10上の膜の光学特性を測定する。
【0039】本実施形態の成膜装置の特徴としては、多
角形ドラム2の全ての側面に基板10を設置することが
できる点や、多角形ドラム2の全ての側面に基板10を
設置することにより多角形ドラム2内にスパッタリング
粒子が入り込まないために基板10の裏側にカバーを取
り付ける必要がない点が挙げられる。さらに、第1の実
施形態の成膜装置と比較して、光源8から基板10を見
込む角度が大きくなるために、多角形ドラム2のより速
い回転速度で瞬間マルチ測光器の露光時間を長くとるこ
とができる。例えば、多角形ドラム2の回転軸付近に光
源8を配置した場合、第1の実施形態と同じ条件でも多
角形ドラム2の回転速度を1回転/8sec程度に設定す
ることができる。多角形ドラム2の回転速度が大きくな
れば、基板10上に形成される膜の膜厚を、より精密に
制御することが可能になる。その反面、光源8を受光部
9側へ寄せて光源8を基板10に近付け過ぎると、光源
8から基板10への入射光が基板10の端を通過する場
合と、基板10の中心部を通過する場合とで、基板10
と光源8の距離が無視できない範囲に変化してしまい、
基板10への光の入射角度も大きくなる。よって、光源
8を基板10に近付け過ぎる場合には、光源8の配置が
測定結果に影響を与えるため、光源8の位置には注意が
必要である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、基板を保
持した支持部材を回転させつつ基板上に膜を形成する際
に、支持部材の回転動作中に基板上の膜の特性測定を行
うことにより、基板上に形成される膜の膜厚をリアルタ
イムにモニタおよび制御できるので、基板上の膜の測定
による時間の損失を最小限に抑えて、高品質な光学多層
薄膜を安定して成膜できる。また、複数の個所で基板上
の膜の膜厚測定を行うことによって、より大きい成膜面
積で、目的とする膜厚からのずれを小さくすることがで
きるのでスループットの向上にも寄与する。このような
成膜方法および成膜装置を用いることで、光学特性の優
れたダイクロイックフィルタ等の光学多層薄膜を大量に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による多層光学薄膜の
成膜方法を用いた成膜装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した成膜装置において基板上の膜の光
学特性を測定する工程について説明するための図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態による成膜装置の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 減圧チャンバ 2 多角形ドラム 3 ターゲット 4 RF電源 4a マッチングネットワーク 5 DC電源 5a ローパスフィルタ 6、7 導入管 8 光源 9 受光部 10 基板 11 測定光

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を保持する支持部材を回転させつつ
    前記基板上に膜を形成する成膜方法において、 前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形成しつ
    つ該膜の分光測定を行うことで、前記基板上への膜の形
    成中に、前記膜の分光測定と、該分光測定の測定結果に
    基づいた前記膜の成膜条件の最適化とを行い、前記基板
    上に所望の膜厚の膜を形成することを特徴とする成膜方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基板上に形成された膜の分光測定を
    行う際に、前記基板上の膜に光を照射し、該膜に照射さ
    れた光を、それぞれが異なる個所に配置された複数の受
    光部で受光することにより、各々の前記受光部で受光さ
    れた光に基づいて前記基板上の膜の分光測定を行う請求
    項1に記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 基板を保持する支持部材を回転させつつ
    前記基板上に膜を形成する成膜方法において、 前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形成しつ
    つ該膜の特性測定を行い、前記基板上への膜の形成中
    に、前記膜の測定結果に基づいて前記膜の成膜条件を調
    整することを特徴とする成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記基板上に形成された膜の特性測定を
    行う際に、前記基板上の膜に光を照射し、該膜に照射さ
    れた光を、それぞれが異なる個所に配置された複数の受
    光部で受光することにより、各々の前記受光部で受光さ
    れた光に基づいて前記基板上の膜の特性測定を行う請求
    項3に記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 基板を保持して一方向に回転する支持部
    材と、 前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形成する
    ための成膜手段と、 前記支持部材の回転動作中に、前記成膜手段により前記
    基板上に形成された膜の分光測定を行うために、前記基
    板上の前記膜に照射するための光を発する光源と、 前記光源より前記基板上の膜に照射された光の少なくと
    も一部を受光する受光部を備え、該受光部により受光さ
    れた光に基づいて前記基板上の膜の分光測定を行う測定
    手段と、 前記測定手段の測定結果に基づいて、前記基板上に形成
    される膜の成膜条件を最適化する制御手段とを有する成
    膜装置。
  6. 【請求項6】 前記測定手段が前記受光部を複数有し、
    複数の前記受光部が、前記光源より前記基板上の膜に照
    射された光をそれぞれ異なる個所で受光するように配設
    されている請求項5に記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】 前記支持部材が、外形形状が多角柱形状
    で中空状の多角形ドラムであり、前記光源が前記多角形
    ドラムの内側に配置されている請求項5または6に記載
    の成膜装置。
  8. 【請求項8】 基板を保持して回転する支持部材と、 前記支持部材の回転動作中に前記基板上に膜を形成する
    ための成膜手段と、 前記支持部材の回転動作中に、前記成膜手段により前記
    基板上に形成された膜の特性測定を行うために、前記基
    板上の前記膜に照射するための光を発する光源と、 前記光源より前記基板上の膜に照射された光の少なくと
    も一部を受光する受光部を備え、該受光部により受光さ
    れた光に基づいて前記基板上の膜の特性測定を行う測定
    手段と、 前記測定手段の測定結果に基づいて、前記基板上に形成
    される膜の成膜条件を調整する手段とを有する成膜装
    置。
  9. 【請求項9】 前記測定手段が前記受光部を複数有し、
    複数の前記受光部が、前記光源より前記基板上の膜に照
    射された光をそれぞれ異なる個所で受光するように配設
    されている請求項8に記載の成膜装置。
  10. 【請求項10】 前記支持部材が、外形形状が多角柱形
    状で中空状の多角形ドラムであり、前記光源が前記多角
    形ドラムの内側に配置されている請求項8または9に記
    載の成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5189711B1 (ja) * 2012-02-15 2013-04-24 株式会社シンクロン 光学式膜厚計測装置及び光学式膜厚計測装置を用いた薄膜形成装置
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KR101693397B1 (ko) * 2012-02-27 2017-01-06 신크론 컴퍼니 리미티드 Led 광원장치, 막두께 측정장치 및 박막 형성장치

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