JP2002003688A - 難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JP2002003688A
JP2002003688A JP2000187829A JP2000187829A JP2002003688A JP 2002003688 A JP2002003688 A JP 2002003688A JP 2000187829 A JP2000187829 A JP 2000187829A JP 2000187829 A JP2000187829 A JP 2000187829A JP 2002003688 A JP2002003688 A JP 2002003688A
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flame
flame retardant
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retardant
styrenic resin
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Masaya Ota
匡哉 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明、難燃、熱安定性および耐熱性に優れた
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得ること。 【解決手段】 透明ゴム変性スチレン系樹脂に、融点1
20℃以上、280℃以下かつ1%重量減少温度が23
0℃以上のハロゲン及び/またはりん元素を有する難燃
剤を含む難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性透明ゴム変
性スチレン系樹脂組成物に関するものである。さらに詳
しくは、透明性・熱変形温度・熱安定性に優れており更
に環境にも優しい難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】透明ゴム変性スチレン系樹脂に難燃性を
付与するには、難燃剤を添加せねばならない事は言うま
でにない。しかし、難燃剤の添加は一般的に透明ゴム変
性スチレン系樹脂の透明性や耐熱性や熱安定性を損ね
る。本課題を改善するため、特開平6−157849号
公報では透明ゴム変性スチレン系樹脂にデカブロモジフ
ェニルオキサイド系難燃剤及びハロゲン化ビスフェノー
ル系難燃剤を含有せしめているが、例えばデカブロモジ
フェニルオキサイド及びビスフェノールAは環境に対し
影響を及ぼす可能性があると疑われ市場では扱われなく
なってきているのが現状である。更にハロゲン化ビスフ
ェーノール系難燃剤は透明ゴム変性スチレン系樹脂の融
点を低下させ、その耐熱性を低下させてしまうので好適
とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに本発明は、透
明ゴム変性スチレン系樹脂組成物の透明性・耐熱性・熱
安定性を保持したまま難燃化し、その上環境にも優しい
難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得る事を目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑み鋭意検討した結果、ハロゲン及び/又はリン元素
を有する難燃剤(F)の融点と分解温度がある特定範囲
内のものに限り、上記目的が達成できる事を見い出し本
発明を完成した。即ち、本発明は、透明ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物が、融点が120℃以上280℃以下か
つ1%重量減少温度が230℃以上のハロゲン及び/ 又
はりん元素を有する難燃剤(F)を含有する事を特徴と
する難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物である。
ここで、難燃剤(F)の1%重量減少温度とは、熱天秤
で測定した難燃剤(F)の1重量%が減少する温度をい
う。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
透明ゴム変性スチレン系樹脂とは、常温でゴム的性質を
示すゴム状弾性体が分散相の主体をなし、スチレン系単
量体とアクリル酸(メタクリル酸)エステル系単量体を
主体とし、必要に応じ他の成分を共重合した連続相から
なる。本発明の常温でゴム的性質を示すゴム状弾性体と
は、例えばポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重
合体類、水添(又は部分水添)ポリブタジエン類、水添
(又は部分水添)スチレン−ブタジエンブロック共重合
体類、スチレン−プロピレン系共重合体類、スチレン−
プロピレン−非共役ジエン三元共重合体類、ポリイソプ
レン、イソプレン−スチレン共重合体類、シリコーンゴ
ム類等である。
【0006】本発明のスチレン系単量体とは、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン等であり、アクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル系単量体とは、例えば、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート等である。特に連続相を構成す
るスチレン系単量体としてはスチレンが好適に用いる事
が出来る。
【0007】本発明のアクリル酸(メタクリル酸)エス
テル系単量体としては、メチルメタクリレート、メチル
メタクリレートとブチルアクリレートの混合物、メチル
メタクリレートとブチルメタクリレートの混合物が好適
に用いる事が出来る。メチルメタクリレートとブチルア
クリレート又はブチルメタクリレート混合物を用いる場
合、ブチルアクリレート又はブチルメタクリレートの量
は連続相を形成する重合体の20重量%以下が好適な使
用範囲である。20重量%を越える場合は、耐熱性が低
下し、成形体の実用範囲が狭くなり好ましくない。その
他、必要に応じ本発明の要旨を越えない範囲で共重合可
能な成分を含む事もできる。
【0008】本発明において、必要に応じて使用される
共重合可能な成分とは、例えばアクリロニトリル、メタ
アクリロニトリルに代表されるビニル・シアン化合物;
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、桂皮
酸に代表される重合性不飽和脂肪酸;N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−オクチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−P−ブロモフェニル
マレイミド、N−O−クロルフェニルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド等に代表されるマレイミド
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;アリルグ
リシジルエーテル、グリシジメタアクリレートに代表さ
れるエポキシ基含有不飽和化合物;アリルアミン、メタ
クリル酸アミノエチル、メタクリル酸−アミノプロピ
ル、アミノスチレンに代表されるアミノ基含有不飽和化
合物類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドに
代表されるアクリルアミド系化合物;2−ヒドロキシエ
チル−アクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタアク
リレート、4−ヒドロキシ−2−ブテンなどの水酸基含
有不飽和化合物を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。これら他のモノマー類は、一種類
または二種類以上併用して重合に用いてもよい。
【0009】透明ゴム変性スチレン系樹脂を得るには、
従来からの公知の方法で製造することが出来る。即ち、
ゴム状弾性体をスチレン系単量体、アクリル酸(メタク
リル酸)エステル系単量体、重合溶媒及び重合開始剤か
らなる原料溶液に溶解し、ゴム状弾性体が溶解した原料
溶液を攪拌機付き反応機に供給し、100℃〜180℃
の温度範囲で重合を行う。重合温度は生産性、反応機の
除熱能力、目的としている透明ゴム変性スチレン系樹脂
の流動性等を考慮して、公知の技術を用いて設定するこ
とが出来る。分散相を形成するゴム粒子径は公知の技
術、攪拌機の回転数を制御する事により行うことが出来
る。重合終了後、未反応単量体、重合溶媒等を除去する
為、真空下で処理し、透明ゴム変性スチレン系樹脂を得
る。
【0010】連続相を形成するスチレン系単量体とアク
リル酸(メタクリル酸)エステル系単量体の割合は好ま
しくは20:80〜80:20(重量比)である。より
好ましくは、30:70〜70:30である。さらに好
ましくは30:70〜65:35である。スチレン系単
量体の割合が20未満になると流動性が著しく低下し、
成形性が悪くなり好ましくない。一方、スチレン系単量
体の割合が80を越えると(メタ)アクリル酸エステル
系単量体の配合効果が失われ、成形加工性が低下する。
透明ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状弾性体の量、分
散相を形成するゴム状弾性体の量、粒子径等は何ら制約
はないが、ゴム状弾性体の量は3〜25重量%の範囲が
好適に用いられる。又、分散ゴム状弾性体の粒子径は
0.1〜3.0μmの範囲が好適に用いられる。
【0011】さらに、本発明の難燃性を付与するハロゲ
ン及び/ 又はりん元素を有する難燃剤(F)において
は、融点が120℃以上280℃以下である事が肝要
で、150℃以上250℃以下である事が好ましい。更
に1%重量減少温度が230℃以上である事が必要であ
り、好ましい範囲は260℃以上である。融点が120
℃以下であると難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成
物の耐熱性が低下するし、融点が280℃を超えるもの
であると、満足いく難燃性が得られないのみならず、透
明性も阻害する要因となる。また、融点が120℃以上
280℃以下であっても1%重量減少温度が230℃未
満の難燃剤であると難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂
組成物の熱安定性を低下させる原因となる。また、この
難燃剤(F)は、1種のみの単独系でも良いし2種以上
の混合系で使用しても良い。
【0012】尚、難燃性に対しとりわけ好ましい難燃剤
(F)の組み合わせとしては融点120℃以上200℃
未満かつ1%重量減少温度が230℃以上のハロゲン及
び/又はりん元素を有する難燃剤(F−L)及び融点2
00℃以上280℃以下かつ1%重量減少温度が230
℃以上のハロゲン及び/ 又はりん元素を有する難燃剤
(F−H)を併用させるという方法が挙げられる。この
難燃剤(F−L)は、1種のみの単独系でも良いし2種
以上の混合系で使用しても良く、難燃剤(F−H)につ
いても1種のみの単独系でも良いし2種以上の混合系で
使用しても良いが、F−H、F−Lの含有割合は重量割
合でF−H:F−L=1:9〜9:1である事が好まし
く、更に好ましい範囲は、F−H:F−L=2:8〜
8:2である。F−H、F−Lの含有割合が1割に満た
ないと、そうでない場合に比べて添加の効果が薄れ、広
い厚み幅(UL試験片)において難燃性を得る事が困難
になるからである。難燃剤の含有量は、特に限定される
ものでは無いが難燃剤トータルとして0.1重量部以上
30重量部以下である事が好ましく、更に好ましい範囲
は5重量部以上25重量部以下であり、とりわけ好まし
い範囲は8〜18重量部である。
【0013】融点が120℃以上280℃以下の難燃剤
(F)としては特に限定される訳では無いが例えば、ハ
ロゲン含有トリアジン化合物やハロゲン含有有機リン化
合物が上げられる。2,4,6−トリス(2,4,6−
トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、ト
リス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート、等が
挙げられる。またこの中で、融点120℃以上200℃
未満のハロゲン及び/又はりん元素を有する難燃剤(F
−L)としては、トリス(トリブロモネオペンチル)フ
ォスフェートが好ましく、融点200℃以上280℃未
満のハロゲン及び/ 又はりん元素を有する難燃剤(F−
H)としては、2,4,6−トリス(2,4,6−トリ
ブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンが好まし
い。
【0014】本発明に係る難燃性ゴム変性スチレン系樹
脂組成物を得る方法としては、特に限定される訳では無
いが、押出機、バンバリーミキサー等によって混練する
手法が用いられる。添加方法としては、透明ゴム変性ス
チレン系樹脂と難燃剤(F)を直接上記の様な混練機に
投入しても良いし、予め本発明の要旨を越えない範囲で
樹脂等と難燃剤(F)を混練しペレット状にしたマスタ
ーバッチと透明ゴム変性スチレン系樹脂を混練機に投入
しても良い。また、透明ゴム変性スチレン系樹脂を重合
にて製造する際に添加しても良い。また重合時に添加す
る方法としては重合開始前、重合途中の重合反応液に対
して、または重合終了後いずれでも良い。
【0015】当該難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組
成物に対して、本発明の要旨を越えない範囲で各種添加
物、例えば染顔料、着色防止剤、老化防止剤、光安定
剤、滑剤、潤滑剤、帯電防止剤、充填剤、離型剤等を添
加できる。これら添加物の添加方法は、重合開始前、重
合途中の重合反応液に対して、または重合終了後及び難
燃剤(F)を配合する際、更には成型機においても添加
する事ができる。使用できる着色防止剤、老化防止剤と
しては、ヒンダードフェノール類、ヒンダードビスフェ
ノール類、ヒンダードトリスフェノール類等のフェノー
ル系誘導体、キノリン系誘導体、p−フェニレンジアミ
ン系誘導体、ハイドロキノン系誘導体、チオカーバメイ
ト系誘導体、フォスファイト系誘導体等が挙げられる。
これらは1種でも2種以上を混合しても良い。
【0016】光安定剤としては、サリチル酸エステル誘
導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、ベンゾエート誘導体、シアノアクリレート誘導体、
ヒンダードアミン化合物及びニッケル錯塩等が挙げられ
る。これらは1種でも2種以上を混合しても良く、樹脂
100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲で選ぶ
事ができる。滑剤としては、オルガノポリシロキサン、
脂肪族炭化水素ワックス、高級脂肪酸と高級アルコール
とのエステルワックス、高級脂肪酸のビスアマイド、ス
テアリン酸、ラウリル酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、
ジンクステアレート、マグネシウムステアレート、カル
シウムステアレート等の高級脂肪酸の金属塩等が挙げら
れる。これらは1種でも2種以上を混合しても良く、樹
脂100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲で選
ぶ事ができる。
【0017】潤滑剤としては、ジオクチルフタレート、
ジベンジルフタレート、塩素化脂肪族エステル、塩素化
パラフィン等の可塑剤、鉱油等が挙げられる。これらは
1種でも2種以上を混合しても良く、樹脂100重量部
に対して0.01〜5重量部の範囲で選ぶ事ができる。
本発明に係わる難燃性ゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、ペレット状、粒状、ビーズ状の形態で、各種用途の
成形材料として供する事ができる。また、本発明の要旨
を越えない範囲で他の重合体外とブレンドして樹脂組成
物を調整する事もできる。本発明方法によって得られた
難燃性ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、優れた透明性
・耐熱性・熱安定性を保持したまま難燃性も付与されて
おり、更に環境にも優しいため、弱電機器、OA機器
等、ゲーム機、携帯端末機等の成形材料に好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例・比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、以下の実施例の記述に限定されるものではな
い。また、実施例・比較例に示すデータは次の方法にて
製造及び測定されたものである。 [ 透明ゴム変性スチレン系樹脂(A)]エー・アンド・
エムスチレン社製 SX200を使用した。 [ 難燃剤(F)]難燃剤(F)は、以下に示す市販のも
のを使用した。尚、次に示す難燃剤の1%重量減少温度
は、島津製作所社製Thermogravimetri
c Analyzer TGA−50を用い、10℃/
minのヒートレイトで測定した値である。 難燃剤 (F1) 第一工業製薬社製 SR245<化合物名:2,4,6
−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,
3,5−トリアジン>、融点230℃、1%重量減少温
度300.4℃、臭素含有量67重量% を使用した。 難燃剤 (F2) 大八化学社製 CR900<化合物名:トリス(トリブ
ロモネオペンチル)フォスフェート>、融点182℃、
1%重量減少温度297.2℃、臭素含有量70.7重
量% を使用した。
【0019】難燃剤 (F3) 帝人化成社製 FG3100<化合物名:テトラブロモ
ビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエー
テル>、融点105℃、1%重量減少温度288.7
℃、臭素含有量68重量% を使用した。 難燃剤 (F4) 東都化成社製 TB−60A<化合物名:テトラブロモ
ビスフェノールAエポキシオリゴマ−(末端トリブロモ
フェノール封止型)>、融点100℃、1%重量減少温
度291.4℃、臭素含有量59重量% を使用した。 難燃剤 (F5) GLC社製 CD−75P<化合物名:ヘキサブロモシ
クロドデカン>、融点190℃、1%重量減少温度22
8℃、臭素含有量72重量% を使用した。 難燃剤 (F6) アルベマール社製 Saytex8010<化合物名:
エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)>、融点361
℃、1%重量減少温度302.4℃、臭素含有量82重
量% を使用した。
【0020】[ 難燃性ゴム変性スチレン系樹脂組成物の
調製と評価 ]上記の透明ゴム変性スチレン系樹脂
(A)、難燃剤(F)を表1、表2に記載した配合割合
(重量部)で秤量、タンブラーで混合し、得られた混合
物をスクリューフィーダー付二軸押出機で混練して、樹
脂組成物のペレットを製造した。この樹脂組成物を射出
成形法(射出成形は、J−EPN2(日本製鋼社製)を
用い、樹脂温度200℃、金型温度60℃の条件にて実
施した)により試験片を作成した。各々の試験片につい
て、以下に示す方法で透明性・耐熱性・熱安定性を測定
し、UL燃焼試験を実施した。これらの結果を表1、表
2に示す。 ・透明性 射出成形法により作成した厚さ3mmの平板につき、J
IS−K6714に準拠し曇度を測定し、透明性の指標
とした。すなわち、曇度が20%以下のものに○、20
%を越えるものについて×を記した。
【0021】・耐熱性 射出成形により得られたテストピースをASTM−D6
48に準拠し加熱変形温度を測定し、耐熱性の指標とし
た。すなわち、耐熱性の判定として上記の値が75℃以
上のもに○、75℃に満たないものについて×を記し
た。 ・熱安定性 射出成型機を用いシリンダー温度を200℃に設定し1
0分間当該難燃性透明スチレン系樹脂を滞留させ、UL
燃焼試験用テストピース(厚さ3mm)を成型した。成型
品表面のシルバーストリークの本数を数え、5本未満の
ものに○、5本以上のものに×を記した。 ・UL燃焼試験 米国アンダーライターラボラトリーズ発行のUL94に
準拠した方法で1/16”、1/10”、1/8”の厚
みのサンプルにつき燃焼試験を実施した。
【0022】表1から明らかなように、実施例1〜6は
本発明の難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物であ
り、本発明の目的とする透明性・熱変形温度・熱安定性
に優れている事が解る。とりわけ実施例4は、トータル
難燃剤の含有量が少ないにも関わらず、比較例に示した
難燃剤はもとより難燃剤(F1)と難燃剤(F2)を単独で使用
した際にでさえもなし得ない、幅広い厚みにおいて、高
度な難燃性能を有している事より相乗効果が発現されて
いる事が解る。表2から明らかな様に、比較例1、2
は、難燃剤の融点が本発明より低いため、難燃性透明ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物の耐熱性が低下している事
が解る。比較例3は、難燃剤の1%重量減少温度が本発
明より低いため、難燃性透明ゴム変性スチレン系樹脂組
成物の熱安定性を低下させている事が解る。比較例4
は、難燃剤の融点が本発明より高いため、難燃性透明ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物の透明性を低下させている
事が解る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明に係る難燃性透明ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物は、透明性・熱変形温度・熱安定性に優
れており、環境にも優しい難燃性に優れた耐衝撃性材料
であり、その産業上の利用価値は極めて大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物が、
    融点120℃以上280℃以下かつ1%重量減少温度が
    230℃以上のハロゲン及び/ 又はりん元素を有する難
    燃剤(F)を含む事を特徴とする難燃性透明ゴム変性ス
    チレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 融点120℃以上200℃未満かつ1%
    重量減少温度が230℃以上のハロゲン及び/ 又はりん
    元素を有する難燃剤(F−L)と融点200℃以上28
    0℃以下かつ1%重量減少温度が230℃以上のハロゲ
    ン及び/ 又はりん元素を有する難燃剤(F−H)が重量
    割合でF−H:F−L=1:9〜9:1となる様に含有
    する事を特徴とする請求項1記載の難燃性透明ゴム変性
    スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃剤(F)として下記式(1)[式
    中、R1 、R2 、R3は、同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フ
    ェニル基またはハロゲン化フェニル基を示す。]で表さ
    れるハロゲン含有トリアジン化合物を含有する事を特徴
    とする請求項1記載の難燃性ゴム変性スチレン系樹脂組
    成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 難燃剤(F)として2,4,6−トリス
    (2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−
    トリアジンを含有する事を特徴とする請求項1記載の難
    燃性ゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 難燃剤(F−H)として下記式(1)
    [式中、R1 、R2 、R3 は、同一でも異なっていても
    よく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
    フェニル基またはハロゲン化フェニル基を示す。]で表
    されるハロゲン含有トリアジン化合物を含有し、難燃剤
    (F−L)として下記式(2)[式中RはC1〜C15
    の炭化水素;nは1〜3]で表される臭素含有有機リン
    化合物を重量割合でF−H:F−L=1:9〜9:1と
    なる様に含有する事を特徴とする請求項2記載の難燃性
    透明ゴム変性スチレン系樹脂組成物。 【化2】 【化3】
  6. 【請求項6】 難燃剤(F−H)として2,4,6−ト
    リス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,
    5−トリアジンを含有し、難燃剤(F−L)としてトリ
    ス(トリブロモネオペンチル)フォスフェートを含有す
    る事を重量割合でF−H:F−L=1:9〜9:1とな
    る様に特徴とする請求項2記載の難燃性透明ゴム変性ス
    チレン系樹脂組成物。
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