JP6836246B2 - 熱可塑性衝撃改良スチレン系ポリマーをベースとした、環境にやさしい難燃性組成物および成形材料 - Google Patents

熱可塑性衝撃改良スチレン系ポリマーをベースとした、環境にやさしい難燃性組成物および成形材料 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性耐衝撃スチレン系ポリマーをベースとした、環境にやさしい難燃性成形材料に関する。
有機ポリマーの化学的組成物は容易に燃焼可能になる。それ故に、加工業者が要望する、国や国際機関の定める厳しい難燃規格を満たすため、様々な難燃剤が通常、ポリマーにブレンドされる。
最近では、以前から使用される臭素系難燃剤と比較して一般的に高価であるにもかかわらず、環境に対する安全性からハロゲンフリー難燃剤が使用される。そのため、熱可塑性ポリマー市場におけるハロゲンフリー難燃剤の重要性が増している。これらの製品に求められる基本的な要件としては、配合、成形条件における良好な処理性、固体状態における良好な機械的特性及び電気特性、成形中あるいはその後にブルーミングや変色を生じないこと、強化ポリマー及び非強化ポリマー双方における良好な難燃性がある。
純粋なポリスチレンは硬いが脆い。例えば、ポリブタジエンゴムのようなゴムで変性することにより、より高い衝撃特性の製品を得ることができる。従って、衝撃改良スチレン系ポリマーが得られる。
衝撃改良スチレン系ポリマーは、連続した、剛直なスチレン樹脂連続相に追加相として分散されたゴム粒子を含むものとして記載され得る。2つのポリマーの界面の表面張力が異なることから、押出機を通した溶融混合によって熱可塑性連続相へゴム相を細かく分散させることは困難である。よく分散されたゴムを含む製品の衝撃特性は、一般的に、よく分散されていないゴムを含む製品の衝撃特性よりも、非常に良好である。
スチレン相の重合中にゴムを添加することで化学的にポリスチレン相に結合したいくらかのグラフトコポリマーを形成することができ、ゴム自体を均一化することに作用し得る。重合は、モノマーの塊状、乳化または懸濁で行われ得る。
衝撃改良スチレン系ポリマーはゴム変性スチレン系ポリマーとしても知られ、いくつかのよく知られた例としては、高衝撃ポリスチレン(HIPS)やアクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)が挙げられる。
衝撃改良スチレン系ポリマーは電算機コンソール、テレビ、携帯電話、コンピュータ、ステレオ、玩具及びその他多くのような、電子機器や消費材向けに幅広く使用されている。
HIPS及びABSは市販されており、よく知られた方法で生産される。
難燃性HIPS及びABSは、難燃剤として臭素化合物を用いて得られる。なぜなら、それらがポリマーの良好な機械的特性(例えば、耐衝撃性)を維持する能力を有するためである。最も広く用いられるABS及びHIPS向けの難燃剤は、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、臭素化エポキシオリゴマーやテトラブロモビスフェノールAである。酸化アンチモンが相乗化剤として使用され得る。しかしながら、臭素化合物はハロゲン難燃剤の使用制限が進められているために置き換える必要がある。
例えば、以下に示すような有機アリールリン化合物が(臭素難燃剤の)置き換えとなるいくつかの市販ノンハロゲン難燃剤としてHIPSに使用されている。
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)
ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)
ポリマー性ビフェニルホスフェート
ジフェニルクレジルホスフェート
トリフェニルホスフェート。
しかしながら、これらの有機アリール燐系難燃剤は、難燃特性に関して高い基準、すなわち、UL−94のV−0は満たせず、実際に、V−2としてのみ結果を出している。
ポリマーの製造業者はこれまで、高い難燃性の基準、すなわち、UL−94のV−0を満たす、ハロゲンを含まないHIPS及びABS向けの難燃剤を得ることの試みに成功していない。
高い難燃性の基準を満たす、HIPSのハロゲンフリー難燃素材は高衝撃スチレンポリマーとフェニルエーテルポリマーとのブレンドから作られ、市販されている。フェニルエーテルポリマーは高レベルの本質的難燃性を特徴とする。これらのポリマー組成物は簡易的に「HIPS」或いはより正確に「HIPS/PPO」と呼ばれる。市販のフェニルエーテルポリマーは二つの異なる種類:ポリフェニレンエーテル(PPE)及びポリフェニレンオキシド(PPO)に属する。PPE及びPPOは化学組成が類似し、一般的に同等の素材として扱われ、一般的に両方がPPOと呼ばれる。それらは加工の難しいポリマーであり、ポリスチレン或いはHIPSをブレンドすることにより樹脂組成物の加工がより容易になることにもかかわらず、純粋なHIPS樹脂と比較して成形作業において多くの困難に直面する。その上、PPOはそれ自体が一般的にHIPS樹脂より高価である。HIPS/PPOブレンドは本発明の目的ではない。
高い難燃基準を満たす、ABSのハロゲンフリー難燃製品はABSポリマーとポリカーボネートのブレンドにより作られ、主要な製造業者から入手できる。ポリカーボネートは高レベルの本質的難燃性を特徴とする。これらの組成物は「PC/ABS」と呼ばれる。ポリカーボネートは加工の難しいポリマーであり、ABSをブレンドすることによりその組成物の加工が容易になるという事実にもかかわらず、依然として、純粋なABS樹脂と比較して成形作業においていくつかの困難に直面する。その上、ポリカーボネートはそれ自体が一般的にABS樹脂より高価である。PC/ABSブレンドは本発明に従うものではない。
特許文献1(CN102746608A)は、ポリエチレンワックス、ステアリン酸カルシウム、ペンタエリスリトール、シアヌル酸メラミン及びポリリン酸アンモニウムから選択される少なくとも一種の難燃助剤と、次亜燐酸アルミニウムから構成される環境に優しい難燃性ABS樹脂を開示する。しかしながら、これらの組成物は十分な難燃特性に欠け、特にUL−94規格において1.6mm厚みでV−0に達しない。
特許文献2(CN103113708A)は難燃剤が有機亜燐酸塩或いは次亜燐酸塩と相乗化アンモニウム塩との併用であるABS難燃性樹脂を記載する。しかしながら、このケースにおいても、これらの組成物は十分な加工性に欠け、混合工程の間に炎や煙を生じる。
特許文献3(特開2002−161211)は難燃剤が有機亜燐酸塩或いは次亜燐酸塩と燐酸エステルの併用である様々な熱可塑性樹脂を含む難燃樹脂組成物を開示する。0026段落においては、ポリエステル系樹脂(A−1)またはポリアミド系樹脂(A−3)とポリスチレン系樹脂(A−2)の重量比の好ましい範囲について、「上記組合せにおける配合割合(重量比)は、(A−1)/(A−3)、(A−1)/(A−2)及び(A−3)/(A−2)が、好ましくは100/0〜5/95、より好ましくは100/0〜10/90、更に好ましくは100/0〜30/70である。この範囲であれば、難燃性、耐熱性及び耐衝撃性を高いレベルで保持できるので好ましい。」と記載している。すなわち、ポリスチレン系樹脂(A−2)の比率を95%までとすることが好ましく、90%までとすることが好ましく、70%までとすることが更に好ましいことを説明している。すなわち、ポリスチレン系樹脂の比率が95%までであれば難燃性が好ましいレベルに保持され、ポリスチレン系樹脂の比率が90%までであれば難燃性がより好ましいレベルに保持され、ポリスチレン系樹脂の比率が70%までであれば難燃性が更に好ましいレベルに保持されると記載されている。しかしながら、ここでは、そのような好ましい重量比でUL−94のV−0のように非常に厳しい難燃性の基準を達成できるとは記載されていない。そして、具体的には、実施例には少量(10%)のABS樹脂と多量(90%)の他の樹脂との混合物に次亜燐酸カルシウムおよび多量のガラス繊維を配合するもののみが開示され、衝撃改良スチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物においてUL−94のV−0を達成することは開示されない。
さらに、特許文献3の上記0026段落の記載について、(A−2)のポリスチレン系樹脂に着目して見ればその量が少ない方が好ましい程度が大きくなっていることと、かつ特許文献3の実施例では(A−2)のポリスチレン系樹脂が10重量%しか含まれていない組成物のみが開示されていることとを踏まえると、特許文献3の全体としては、「ポリスチレン系樹脂の割合は、より少ない方が好ましい」ことが示されていると理解される。
特許文献3においては特に、多量のガラス繊維を含まない樹脂組成物においてUL−94のV−0を達成することは開示されない。
すなわち、衝撃改良スチレン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物において高い難燃性を達成することは非常に困難であり、具体的には、0026段落に記載されているような重量比ではUL−94のV−0のように非常に厳しい難燃性の基準を達成できなくて、実施例に示されるとおり、スチレン系樹脂の量を10%まで減らしてガラス繊維を多量に添加しなければUL−94のV−0を達成することができない。特許文献3の発明によっては、衝撃改良スチレン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物において難燃性を達成することはできなかった。
中国特許出願公開第102746608号 中国特許出願公開第103113708号 特開2002−161211
本発明の目的
本発明の目的はハロゲンフリーの、非強化或いは強化の高難燃スチレン系衝撃改良樹脂を提供することである。
本発明の他の目的は厚みの薄い部材で国際規格のUL−94のV−0となる、ハロゲンフリーの高難燃スチレン系衝撃改良樹脂を提供することである。
重ねて本発明の他の目的は試験片厚みが好ましくは3.2mm以下、より好ましくは1.6mmでV−0となる、ハロゲンフリーの高難燃スチレン系衝撃改良樹脂組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、良好な審美的及び機械的特性を有する、ハロゲンフリー高難燃スチレン衝撃改良ポリマーをベースとするハロゲンフリーの難燃性成形組成物及び製品を提供することである。
本発明の組成物および難燃剤によれば、これらの及び他の目的が達成される。
例えば、本発明は、下記の組成物および難燃剤を提供する。
(項1)
ハロゲン非含有難燃熱可塑性樹脂組成物であって、
(A)熱可塑性樹脂、
(B)次亜燐酸アルミニウム、
(C)芳香族燐酸エステル、及び
(D)ドリップ防止剤
を含み、
該(A)熱可塑性樹脂のうちの50重量%以上が衝撃改良スチレン系樹脂である、
樹脂組成物。
(項2)
前記(A)熱可塑性樹脂のうちの80重量%以上が衝撃改良スチレン系樹脂である、上記項1に記載の樹脂組成物。
(項3)
前記衝撃改良スチレン系樹脂がABS樹脂である、上記項1または項2に記載の樹脂組成物。
(項4)
前記(C)芳香族燐酸エステルが芳香族縮合燐酸エステルである上記項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項5)
前記(C)芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)である上記項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項6)
前記(D)ドリップ防止剤がポリテトラフルオロエチレンをベースとする樹脂である上記項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項7)
前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=90:10〜60:40である上記項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項8)
前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=85:15〜65:35である上記項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項9)
前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=80:20〜70:30である上記項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項10)
前記ドリップ防止剤の量が樹脂組成物のうち0.1〜0.6重量%である上記項6に記載の樹脂組成物。
(項11)
ガラス繊維を含まない、上記項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(項12)
ハロゲン非含有熱可塑性樹脂組成物を難燃化するための難燃剤であって、
該熱可塑性樹脂組成物は、
(A)熱可塑性樹脂、及び
(D)ドリップ防止剤
を含み、
該(A)熱可塑性樹脂のうちの50重量%以上が衝撃改良スチレン系樹脂であり、
該難燃剤が、
(B)次亜燐酸アルミニウム、及び
(C)芳香族燐酸エステル
を含み、該(C)芳香族燐酸エステルの重量が、該(B)次亜燐酸アルミニウムと該(C)芳香族燐酸エステルの合計重量のうちの10%以上である、難燃剤。
(項13)
前記衝撃改良スチレン系樹脂がABSまたはHIPSであり、前記(C)芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)であり、前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=85:15〜65:35である、上記項12に記載の難燃剤。
(項14)
前記衝撃改良スチレン系樹脂が高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)である上記項1、2、4〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
また、本発明の別の局面によれば、これらの及び他の目的は、
A)少なくとも一種の衝撃改良熱可塑性スチレン系樹脂、
B)第一の難燃剤成分として、少なくとも一種の燐の原子価状態が+1である次亜燐酸金属塩、
C)第二の難燃剤成分として、少なくとも一種の芳香族燐酸エステル
D)少なくとも一種のドリップ防止剤
E)フィラー及び/又は強化繊維
F)その他慣用的な添加剤
を含む樹脂組成物により達成される。
本発明によれば、衝撃改良スチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物において高い難燃性と容易な成形性が達成される。
発明の説明
本発明によれば、熱可塑性スチレン系衝撃改良ポリマーは好ましくはABS及び/またはHIPSとして選択される。
そのため、本発明の目的はABSやHIPSのような衝撃改良スチレン系樹脂、次亜燐酸金属塩(例えば、次亜燐酸アルミニウム)、芳香族燐酸エステル、ドリップ防止剤、及び他の慣用的な添加剤をベースとする難燃組成物である。
次亜燐酸金属塩は燐の原子価状態が+1であることを特徴とする。
次亜燐酸金属塩は以下の化学式を有する:
Me(HPO
ここで、
nは、Meで示される金属の原子価に依存する1から4の整数であり、金属Meは周期表の第I、II、III及びIV族に属する。
次亜燐酸アルミニウムは以下の化学式を有する:
Al(HPO
次亜燐酸ナトリウム及び次亜燐酸カルシウムは幅広く商業的に入手でき、通常は対応する金属水酸化物と黄燐との反応で製造され、例えば、Meがカルシウムとして選択される次の反応スキームによる:
+ 2Me(OH) + H
→ Me(HPO + MeHPO + PH
カルシウム及びナトリウム以外の次亜燐酸金属塩は通常、対応する金属水酸化物と次亜燐酸との反応或いは対応する金属塩の交換反応により製造される(例えば、“Hypophosphorus Acid and its salts, Russian Chemical Review, 44(12), 1975”を参照)。この方法を用いて次亜燐酸アルミニウムも製造することができる。
従って、本発明はハロゲンフリー難燃組成物に関連し、本質的に衝撃改良スチレン系樹脂、少なくとも一種の次亜燐酸金属塩、難燃剤として少なくとも一種の芳香族燐酸エステル、及び少なくとも一種のドリップ防止剤を含み、並びに他の慣用的な添加剤を含んでもよい。
このような組成物は高い難燃性と容易な成形性を有する。
特に好ましくは、衝撃改良スチレン系樹脂がABS或いはHIPSとして選択され、次亜燐酸金属塩が次亜燐酸アルミニウムとして選択され、芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)として選択され、ドリップ防止剤及び、他の、例えば、フィラー、顔料、熱的安定剤及び加工安定剤のような慣用的な添加剤の組成物である。
本発明によれば、他の慣用的な添加剤としては、加工性向上剤、熱及び加工安定剤、UV安定剤、顔料、分散剤、離型剤、結晶核剤、及びその混合物から選択され得る。
本発明によれば、次亜燐酸金属塩は燐の原子価が+1であり、次亜燐酸アルミが好ましい。
本発明によれば、難燃剤である芳香族燐酸エステルはレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)が好ましい。
以下に、本発明のさらなる局面を、より詳細に記載する。
A)熱可塑性樹脂
本発明の樹脂組成物においては、ハロゲン非含有熱可塑性樹脂を使用する。
本発明の樹脂組成物においては、その熱可塑性樹脂の主成分として衝撃改良スチレン系樹脂を使用する。
衝撃改良スチレン系樹脂の量は、熱可塑性樹脂の合計重量のうちの30重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、衝撃改良スチレン系樹脂の量は、熱可塑性樹脂の合計重量のうちの40重量%以上である。さらに好ましくは、衝撃改良スチレン系樹脂の量は、熱可塑性樹脂の合計重量のうちの50重量%以上である。必要に応じて、衝撃改良スチレン系樹脂の量は、熱可塑性樹脂の合計重量のうちの55重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよく、65重量%以上であってもよく、70重量%以上であってもよく、75重量%以上であってもよく、80重量%以上であってもよく、85重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよく、95重量%以上であってもよく、100重量%であってもよい。
樹脂組成物が衝撃改良スチレン系樹脂を多量に含む場合、難燃性において不利になる。しかしながら、本発明においては、樹脂組成物が衝撃改良スチレン系樹脂を多量に含む場合においても高い難燃性が達成される。
本発明の樹脂組成物に衝撃改良スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合、その熱可塑性樹脂としては、衝撃改良スチレン系樹脂以外の、従来公知の任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。
A1)衝撃改良スチレン系樹脂(例えば、ABS或いはHIPS)
衝撃改良スチレン系樹脂としては、従来公知の任意の衝撃改良スチレン系樹脂を使用することができる。
HIPSは、重合したゴム相をスチレンモノマーへ分散し、スチレンがゴム及びグラフト化剤の存在下、熱可塑相へ重合されることで調製される。ゴムは部分的に架橋し、スチレンの分子量増加につれて混合物から分離する。いくつかの具体例でゴムはSBR(スチレンブタジエンラバー)のようなグラフト化スチレンモノマーを含む。ゴムと熱可塑相間のグラフト量は変化し用途に依存する。
ABSは、重合したゴム相をスチレン及びアクリロニトリルモノマーへ分散し、スチレンとアクリロニトリルがゴム及びグラフト化剤の存在下で共重合することで調製される。ゴムは部分的に架橋し、スチレン/アクリロニトリル共重合体の分子量が増加するにつれて、分離する。ゴムは典型的にはブタジエンタイプのゴムだが、スチレンとアクリロニトリルとアルキルアクリレートの共重合体、ブタジエンとスチレンの共重合体、イソプレンタイプのゴムから選択される。いくつかの具体例でゴムはSAN(スチレンアクリロニトリルゴム)のようなスチレンモノマーとアクリロニトリルのグラフト化モノマーを含む。ゴムと熱可塑相間のグラフト量は変化し用途に依存する。
B)次亜燐酸アルミニウム
最も適切な次亜燐酸の選択はいくつかの重要な因子に従属する。特に適切な次亜燐酸塩は200℃以上の温度の溶融処理に耐える十分な熱安定性を持つ。仮にそれらが水和物を形成した場合、それらには対応する無水形態が使用され、それらが後に周囲の湿度にさらされた時に吸湿してはいけない。次亜燐酸塩の例は次亜燐酸アルミニウム(CAS7784−22−7)、次亜燐酸カルシウム(CAS7789−79−9)、次亜燐酸マンガン(CAS10043−84−2)、次亜燐酸マグネシウム(CAS10377−57−8)、次亜燐酸亜鉛(CAS15060−64−7)、次亜燐酸バリウム(CAS171258−64−3)である。本発明によると最も好ましいのは次亜燐酸アルミニウムである。
化学構造がAl(HPOである次亜燐酸アルミニウムは、例えばItalmatch Chemical Spa (製品名はPhoslite IP−A)により、低吸水率で高純度の熱可塑加工に適切な異なった粒径分布の白色粉体として広く製造される。
次亜燐酸アルミニウムは多くの無水の次亜燐酸塩のように可燃性の粉体で、輸送と取り扱いを容易にするため、他の個体の難燃剤と乾燥混合粉体として、あるいはマスターバッチ形態で販売される。
このように、次亜燐酸アルミニウムは可燃性の粉体であるために、輸送と取扱いが容易ではないという欠点がある。そのため、次亜燐酸アルミニウムは難燃剤として好ましい物質であるとは考えられていなかった。当業者が次亜燐酸アルミニウムを難燃剤として選択することは容易ではなかった。
本発明においては次亜燐酸アルミニウムが非常に良好な性能を示す。そのため、1つの実施形態においては、樹脂組成物または難燃剤に次亜燐酸アルミニウム以外の次亜燐酸塩を実質的に含まない。
C)芳香族燐酸エステル
本発明において、芳香族燐酸エステルとしては、従来公知の任意の芳香族燐酸エステルを使用することができる。
例えば、好ましい芳香族燐酸エステルは以下の一般化学構造として示され得る。
Figure 0006836246
(式中、R、R、R、R’、R’、R’、R’’、R’’、R’’、R’’’、R’’’、R’’’はそれぞれ独立してH(水素)或いはCからC(炭素数1から4)のアルキル基から選択され、XはCのアリール基或いはジフェニルメタン誘導体から選択され、nは0から7の整数である。)
例えば、n=0の場合、例としては、トリフェニルホスフェート、トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート及びその組み合わせを含む。
例えば、n=1から7でXがアリール基の場合、例としては、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)或いはレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)を含む。
例えば、n=1から2でX=(CHC(Cの場合、例としては、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)を含む。
本発明の難燃剤として作用する好ましい芳香族燐酸エステルは室温において固体であり、すなわち、融点が40℃より高いものであり、より好ましくは、融点が80℃より高いものである。
本発明によると、芳香族燐酸エステルの一つの例は下記の化学構造を持つレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)(RDX)である:
(レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)(RDX))
Figure 0006836246
液体と比較して、固体の燐酸エステルは、本発明の目的のために有利である。なぜなら、固体の燐酸エステルは、粉体形態で可燃性固体である次亜燐酸塩と混合でき、混合粉体の可燃性を抑制するからである。非可燃性の粉体の取り扱いは安全性、設備及び操作の複雑さの観点から実際に有利である。従って、芳香族燐酸エステルと次亜燐酸塩の混合使用は化合物の取り扱いや処理性、及び本発明の難燃性ハロゲンフリースチレン衝撃強度改良樹脂組成物の製造における工業的プロセスを容易にする。
本発明の樹脂組成物において、(B)次亜燐酸アルミニウムと(C)芳香族燐酸エステルの合計重量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは、5重量部以上であり、より好ましくは、10重量部以上であり、さらに好ましくは、15重量部以上であり、いっそう好ましくは、20重量部以上であり、ひときわ好ましくは、25重量部以上であり、特に好ましくは、30重量部以上である。また、(B)次亜燐酸アルミニウムと(C)芳香族燐酸エステルの合計重量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは、65重量部以下であり、より好ましくは、60重量部以下であり、さらに好ましくは、55重量部以下であり、いっそう好ましくは、50重量部以下であり、ひときわ好ましくは、45重量部以下であり、特に好ましくは、40重量部以下であり、最も好ましくは、35重量部以下である。上限は、難燃性の観点からは限定されないが、多過ぎると樹脂組成物の物性が低下する場合がある。
本発明の難燃剤および樹脂組成物において、(B)次亜燐酸アルミニウムと(C)芳香族燐酸エステルの合計重量のうち、(B)次亜燐酸アルミニウムの量は、好ましくは、60重量%以上であり、より好ましくは、65重量%以上であり、さらに好ましくは、70重量%以上であり、いっそう好ましくは、71重量%以上であり、ひときわ好ましくは、72重量%以上であり、特に好ましくは、73重量%以上であり、最も好ましくは、74重量%以上である。(B)次亜燐酸アルミニウムと(C)芳香族燐酸エステルの合計重量のうち、(B)次亜燐酸アルミニウムの量は、好ましくは、95重量%以下であり、より好ましくは、90重量%以下であり、さらに好ましくは、85重量%以下であり、いっそう好ましくは、80重量%以下であり、ひときわ好ましくは、78重量%以下であり、特に好ましくは、77重量%以下であり、最も好ましくは、76重量%以下である。
非常に好ましい実施形態においては、(B)次亜燐酸アルミニウムと(C)芳香族燐酸エステルの合計重量のうち、(B)次亜燐酸アルミニウムの量は、75重量%である。この(B)次亜燐酸アルミニウムの量が75重量%に近ければ、難燃剤および樹脂組成物は極めて優れた特性を示す。
D)ドリップ防止剤
本発明において、ドリップ防止剤(滴下防止剤)としては、従来公知のドリップ防止剤が使用され得る。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、要求されるUL−94のV−0或いは類似規格を満たすための難燃性樹脂組成物においてドリップ防止剤として幅広く使用される。高分子量のPTFE成分は樹脂成形の間のせん断条件下でマイクロフィブリルを形成する。圧迫されたフィブリルは樹脂マトリックスの中に物理的に固定化された網状構造を生み出す。樹脂の燃焼の間のフィブリルの弛緩は広範囲の樹脂での収縮とドリップの抑制を引き起こす。
高分子量PTFEはドリップ抑制には役立つが、時にはその凝集傾向により取り扱いが困難で、工業的スケールの取り扱いを困難にする。
アクリルで変性したPTFE或いは「TSAN」と呼ばれるスチレンアクリロニトリル(SAN)をコートしたPTFEのように特別に変性したグレードは、優れた粉体流動性の高い分散効率を保証できる。このような製品は個々に、例えば、EP0758010A1或いはWO03062291A1に記載される。
ドリップ防止添加剤は、通常は、樹脂組成物の0.1〜0.6重量%の範囲で使用される。ドリップ防止剤の量は、好ましくは、樹脂組成物の0.15重量%以上であり、0.20重量%以上であってもよく、あるいは、0.25重量%以上であってもよい。ドリップ防止剤の量は、好ましくは、樹脂組成物の0.55重量%以下であり、0.5重量%以下であってもよく、0.45重量%以下であってもよく、0.4重量%以下であってもよく、あるいは、0.35重量%以下であってもよい。
E)フィラー及び/又は強化用繊維
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて繊維(例えば、強化用繊維)を含んでもよい。繊維としては、公知の任意の繊維が使用され得る。有機繊維(例えば、カーボン繊維)も使用可能であり、無機繊維(例えば、ガラス繊維)も使用可能である。
繊維(有機繊維または無機繊維)の使用量は特に限定されない。例えば、繊維の使用量は熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、0.1重量部以上であってもよく、0.5重量部以上であってもよく、1重量部以上であってもよく、2重量部以上であってもよく、5重量部以上であってもよく、10重量部以上であってもよく、15重量部以上であってもよく、20重量部以上であってもよく、25重量部以上であってもよく、あるいは、30重量部以上であってもよい。また、必要に応じて、35重量部以上であってもよく、40重量部以上であってもよく、あるいは、45重量部以上であってもよい。そして、繊維の使用量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、100重量部以下であってもよく、90重量部以下であってもよく、80重量部以下であってもよく、70重量部以下であってもよく、60重量部以下であってもよく、あるいは、50重量部以下であってもよい。
樹脂組成物が無機繊維を多量に含む場合、難燃性において有利になる。樹脂組成物が無機繊維を少量しか含まない場合、難燃性において不利になる。しかしながら、本発明においては、樹脂組成物が無機繊維を少量しか含まない場合(例えば、上記列挙した上限よりも少ない場合、あるいは、さらに少ない場合)、あるいは、無機繊維を含まない場合においても高い難燃性が達成される。すなわち、無機繊維の含有量が上記列挙した上限のいずれかよりも少ない実施形態、あるいは、さらに少ない実施形態、例えば、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、40重量部以下である実施形態、30重量部以下である実施形態、20重量部以下である実施形態、10重量部以下である実施形態、5重量部以下である実施形態、3重量部以下である実施形態、または、1重量部以下である実施形態、さらには含有量が0である実施形態などにおいて、本発明は高い難燃性を達成できる組成物を提供する。
本発明に使用される好ましい強化用繊維の例は、カーボン繊維、アラミド繊維、好ましくは市販のチョップドガラス形状で使用されるガラス繊維などである。熱可塑性樹脂との相溶性を向上するために強化繊維はシラン化合物(例えば、シランカップリング剤)で表面を処理されていてもよい。強化用繊維は、上述した量で使用できるが、好ましくは、例えば、樹脂組成物の10重量%から50重量%、より好ましくは20重量%から35重量%の範囲で使用され得る。量が少ない場合、機械的特性の利点が少なく、そして50重量%を超えると溶融粘度が非常に高くなる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じてフィラーを含んでもよい。
本発明に使用され得るフィラーの例は、ガラスビーズ、中空ガラス球、アモルファスシリカ、チョーク、マイカ、焼成カオリン、ワラストナイト、タルク、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム又は類似の製品及びそれらを脂肪酸または同様の化合物で表面処理或いは脂肪酸または同様の化合物の存在下で粉砕したものなどである。熱可塑性樹脂向けのフィラーとして市場で広く販売されるいずれの微粒子もレーザーで計測した粉体の平均粒子径が2ミクロンから20ミクロンの範囲であれば、本発明の組成物に使用してもよい。
フィラー(例えば、無機フィラー)の使用量は特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、0.1重量部以上であってもよく、0.5重量部以上であってもよく、1重量部以上であってもよく、2重量部以上であってもよく、5重量部以上であってもよく、10重量部以上であってもよく、15重量部以上であってもよく、20重量部以上であってもよく、25重量部以上であってもよく、あるいは、30重量部以上であってもよい。また、必要に応じて、35重量部以上であってもよく、40重量部以上であってもよく、あるいは、45重量部以上であってもよい。そして、フィラー(例えば、無機フィラー)の使用量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、100重量部以下であってもよく、90重量部以下であってもよく、80重量部以下であってもよく、70重量部以下であってもよく、60重量部以下であってもよく、あるいは、50重量部以下であってもよい。
樹脂組成物が無機フィラーを多量に含む場合、難燃性において有利になる。樹脂組成物が無機フィラーを少量しか含まない場合、難燃性において不利になる。しかしながら、本発明においては、樹脂組成物が無機フィラーを少量しか含まない場合(例えば、上記列挙した上限よりも少ない場合、あるいは、さらに少ない場合)、あるいは、無機フィラーを含まない場合においても高い難燃性が達成される。すなわち、無機フィラーの含有量が上記列挙した上限のいずれかよりも少ない実施形態、あるいは、さらに少ない実施形態、例えば、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、40重量部以下である実施形態、30重量部以下である実施形態、20重量部以下である実施形態、10重量部以下である実施形態、5重量部以下である実施形態、3重量部以下である実施形態、または、1重量部以下である実施形態、さらには含有量が0である実施形態などにおいて、本発明は高い難燃性を達成できる組成物を提供する。
F)他の慣用的な添加剤
本発明による衝撃改良スチレン系樹脂をベースとする新規の難燃組成物は一種あるいはそれ以上の他の慣用的な添加剤を含んでもよい。添加剤は有機添加剤であってもよく、無機添加剤であってもよい。このような慣用的な添加剤としては、例えば、下記化合物が挙げられる:
加工助剤、熱及び加工安定剤、UV安定剤、顔料、分散剤、離型剤、結晶核剤、衝撃改良剤として使用される部分架橋弾性ポリマー、及びこれらの混合物。
慣用的な添加剤(例えば、無機添加剤)の使用量は特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、0.1重量部以上であってもよく、0.5重量部以上であってもよく、1重量部以上であってもよく、2重量部以上であってもよく、5重量部以上であってもよく、10重量部以上であってもよく、15重量部以上であってもよく、20重量部以上であってもよく、25重量部以上であってもよく、あるいは、30重量部以上であってもよい。また、必要に応じて、35重量部以上であってもよく、40重量部以上であってもよく、あるいは、45重量部以上であってもよい。そして、慣用的な添加剤(例えば、無機添加剤)の使用量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、100重量部以下であってもよく、90重量部以下であってもよく、80重量部以下であってもよく、70重量部以下であってもよく、60重量部以下であってもよく、あるいは、50重量部以下であってもよい。
樹脂組成物が無機添加剤を多量に含む場合、難燃性において有利になる。樹脂組成物が無機添加剤を少量しか含まない場合、難燃性において不利になる。しかしながら、本発明においては、樹脂組成物が無機添加剤を少量しか含まない場合(例えば、上記列挙した上限よりも少ない場合、あるいは、さらに少ない場合)、あるいは、無機添加剤を含まない場合においても高い難燃性が達成される。すなわち、無機添加剤の含有量が上記列挙した上限のいずれかよりも少ない実施形態、あるいは、さらに少ない実施形態、例えば、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、40重量部以下である実施形態、30重量部以下である実施形態、20重量部以下である実施形態、10重量部以下である実施形態、5重量部以下である実施形態、3重量部以下である実施形態、または、1重量部以下である実施形態、さらには含有量が0である実施形態などにおいて、本発明は高い難燃性を達成できる組成物を提供する。
以下の実験例は非限定的なものとして与えられる。
実験部分
以下の実施例では、下に列挙した成分が使用された。
樹脂:
ABS(Magnum ABS 3904, STYRON製)、以下ABSと表記。
HIPS(Edistir SR 550, Enichem Versalis製)、以下HIPSと表記。
強化繊維:
ガラス繊維(PPG3786, PPG製)、以下GFと表記。
安定剤:
ヒンダードフェノール熱安定剤(Irganox 1010, BASF製)、以下、Irg.1010と表記。
亜燐酸加工安定剤(Irgaphos 168, BASF製)、以下、Irg.168と表記。
次亜燐酸塩:
次亜燐酸アルミニウム(Phoslite IP−A, イタルマッチケミカル製)、以下IP−Aと表記。
芳香族燐酸エステル:
レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)(PX−200, 大八化学工業製)、以下RDXと表記。
ドリップ防止剤:
フッ素化コポリマー(Dyneon MM 3595, 3M製)、以下PTFEと表記。
本発明によらない、比較例のための難燃剤:
次亜燐酸カルシウム(Phoslite IP−C, イタルマッチケミカル製)、以下IP−Cと表記。
シアヌル酸メラミン(Melagard MC25, イタルマッチケミカル製)、以下MCと表記。
ポリリン酸アンモニウム(Exolit AP 422, クラリアント製)、以下APPと表記。
比較例向けに考慮される滑剤
ポリエチレンワックス(Kemfluid 201, UNION DERIVAN, S.A.製)、以下、PEwaxと表記。
ステアリン酸カルシウム(Kemistab EC, UNION DERIVAN, S.A.製)、以下CaStearと表記。
比較例向けの他の添加剤
ペンタエリスリトール(Charmor PM40, Perstorp製)、以下PERTと表記。
硫酸アンモニウム(試薬グレード)、以下(NH)SOとして表記。
塩化アンモニウム(試薬グレード)、以下NHClとして表記。
本発明による実施例(実施例6から実施例9)及び比較例(比較例1から5、比較例10から17)
表1に示される全ての成分は220〜230℃の範囲の温度で直径20mmの二軸押出機で混合された。ペレットは異なった厚みに射出成形され、5本の試験片を24時間23℃湿度50%の条件とした。難燃性はUL−94の手順に従い報告された。試験がV−0、V−1、V−2に達しない場合はNC種別が与えられた。サンプルを押出し或いは射出することができなかった場合、NPに区分された。
表1(実施例および比較例)
Figure 0006836246
*NC:V−0、V−1、V−2に達しなかった。
NP:成形加工できなかった。
Figure 0006836246
*NC:V−0、V−1、V−2に達しなかった。
NP:成形加工できなかった。
表1の解説 本発明の実施例(実施例6から実施例9)及び比較例(比較例1から比較例5)
難燃剤としてIP−Aのみを35%添加した比較例1はUL−94のV−0に1.6mmでは達しなかった。RDXのみ25%を含む比較例2は加工できなかった。RDXのみを20%含む比較例3はUL−94で効果的でなかった。IP−AとRDXの混合品の比較例4はUL−94の1.6mmでV−0には達せずV−2であった。PTFEの存在下IP−Aを含む樹脂組成物の比較例5は1.6mmではUL−94のV−0には達しなかった。
IP−A、RDX及びPTFEの同じ組み合わせである、本発明の実施例6及び9はABS及びHIPSどちらでも1.6mmでUL−94のV−0に達した。
IP−A、RDX及びPTFEの組み合わせを示す本発明の実施例7はガラス繊維存在下でも、UL−94のV−0に達する樹脂組成物を与えた。
IP−A、RDX及びPTFEの組み合わせで安定剤を用いない実施例8は効果的で、1.6mmでUL−94のV−0に達した。
表1の解説、比較例10から14(CN102746608A)
CN102756608Aに記載される、次亜燐酸アルミニウム(IP−A)と助剤として記載される他の要素との組み合わせを示す比較例10から14はUL−94のV−0に達しなかったか、あるいは成形加工できなかった。
表1の解説、比較例15及び16(CN103113708A)
CN103113708Aに記載される次亜燐酸アルミニウム(IP−A)とアンモニウム塩の組み合わせを示す比較例15及び16は成形加工できなかった。
上述のように、CN102746608A及びCN103113708Aに記載される樹脂組成物は、1.6mmはおろか3.2mmの試験片でもV−0に達しないことから、本特許の目標に対しては満足に働かない。
それどころか、本発明による組成物に関して先行技術による組成物との違いは、本発明による難燃樹脂組成物であればUL−94V試験で3.2mmの厚みならV−0に達することである。
表1の解説、比較例17(特開2002−161211)
特開2002−161211は特許請求の範囲に、様々な熱可塑性樹脂を記載し、そして0026段落において、ポリスチレン系樹脂の量が少ない場合に難燃性等を高いレベルに保持できると記載している。そして、実施例に記載される樹脂は90%の他樹脂と10%のABSの混合物のみである。この樹脂混合物に次亜燐酸カルシウム、RDX及びGFを添加した場合に3.2mmでV−0に達することは開示されているが、ABS樹脂を主成分樹脂とする場合またはABS樹脂を単独で使用する場合での性能は示されない。比較例17に示したように、実施例1の配合の樹脂成分をABS樹脂のみにした場合、3.2mmでもV−0は得られなかった。特開2002−161211の発明においては、衝撃改良スチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物においてUL−94のV−0を達成できないことが理解される。
(比較例18から19および実施例20から21)
表2に示した成分は高速の実験室用ミキサーで均一に混合され、不燃性で空隙がなく低熱伝導のベース板の上に長さ250mm幅20mm高さ10mmの途切れないストリップ或いは粉の列に形成された。粉体或いは顆粒物質は長さ250mmの高さ10mm幅20mmの三角形断面をもつ型に緩く充填された。その後その型は固体表面から2cmの高さから3回落とされた。その後必要な場合、型は再度充填された。その後側面の制限を取り外し、過剰分を除く。不燃性で空隙の無い低熱伝導のベース板を型の上に置き、器具をひっくり返して型を外した。ガスバーナー(直径5mm)による炎を粉に着火するまで或いは最大2分間粉の列の一方の末端に当てた。粉が着火しない或いは炎やくすぶりを伴った燃焼が200mmの粉の列を4分間(あるいは40分間)で伝播しない場合は、この物質は可燃性でないとみなした。粉が燃焼した場合は燃焼時間を報告した。
Figure 0006836246
上記比較例18および19から理解されるとおり、次亜燐酸アルミニウムを単独で使用する場合または高い純度で使用する場合には、可燃性の問題がある。上記実施例20および21から理解されるとおり、相当量の芳香族燐酸エステルと混合することにより、その問題が解決される。
本発明の目的は厚みの薄い素材でUL−94規格のV−0を達成するハロゲンフリーの高難燃スチレン衝撃改良樹脂を提供することにある。本発明の組成物等によりその目的が達成される。
従って、一つの実施形態において、本発明は以下を提供する。
(項1) 以下の成分を含むハロゲンフリー難燃性衝撃改良スチレン熱可塑性組成物:
A)少なくとも一種の熱可塑性衝撃改良スチレン系樹脂
B)第一の難燃剤成分として少なくとも一種の燐の原子価状態が+1である次亜燐酸金属塩
C)第二の難燃剤成分として少なくとも一つの芳香族燐酸エステル
D)少なくとも一種のドリップ防止剤
E)フィラー及び/又は強化繊維
F)慣用的な添加剤。
(項2) 慣用的な添加物が、熱及び加工安定剤、UV安定剤、顔料、分散剤、離型剤、結晶核剤及びその混合物であることを特徴とする上記項1の熱可塑性組成物。
(項3) 次亜燐酸金属塩が次亜燐酸アルミニウムであることを特徴とする上記項1または項2の熱可塑性組成物。
(項4) 芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)であることを特徴とする上記項1〜項3のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
(項5) ドリップ防止剤がポリテトラフルオロエチレンPTFEであることを特徴とする上記項1〜項4のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
(項6) スチレン衝撃改良熱可塑性樹脂がアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂ABSであることを特徴とする上記項1〜項5のいずれかに記載の熱可塑性組成物。(項7) スチレン衝撃改良熱可塑性樹脂が高衝撃ポリスチレンHIPSであることを特徴とする上記項1〜項6のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
(項8) 前記第一の難燃剤成分と前記第二の難燃剤成分が均一に混合されて得られた非可燃性粉体混合物を含むことを特徴とする難燃剤であって、上記項1〜項7のいずれかに記載の熱可塑性組成物において使用するための難燃剤。
(項9) 高衝撃ポリスチレンHIPS及び/又はアクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマーABS熱可塑性組成物における難燃剤としての、上記項8の難燃剤の使用。
(項10) 良好な外観と機械的特性を有する難燃成形組成物及びその製品の製造における上記項1の熱可塑性組成物の使用。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。

Claims (13)

  1. ハロゲン非含有難燃熱可塑性樹脂組成物であって、
    (A)熱可塑性樹脂、
    (B)次亜燐酸アルミニウム、
    (C)芳香族燐酸エステル、及び
    (D)ドリップ防止剤
    を含み、
    熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂が衝撃改良スチレン系樹脂からなる
    樹脂組成物。
  2. 前記衝撃改良スチレン系樹脂がABS樹脂である、請求項に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(C)芳香族燐酸エステルが芳香族縮合燐酸エステルである請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(C)芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(D)ドリップ防止剤がポリテトラフルオロエチレンをベースとする樹脂である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=90:10〜60:40である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=85:15〜65:35である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=80:20〜70:30である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ドリップ防止剤の量が樹脂組成物のうち0.1〜0.6重量%である請求項に記載の樹脂組成物。
  10. ガラス繊維を含まない、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. ハロゲン非含有熱可塑性樹脂組成物を難燃化するための難燃剤であって、
    該熱可塑性樹脂組成物は、
    (A)熱可塑性樹脂、及び
    (D)ドリップ防止剤
    を含み、
    熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹が衝撃改良スチレン系樹脂からなり
    該難燃剤が、
    (B)次亜燐酸アルミニウム、及び
    (C)芳香族燐酸エステル
    を含み、該(C)芳香族燐酸エステルの重量が、該(B)次亜燐酸アルミニウムと該(C)芳香族燐酸エステルの合計重量のうちの10%以上である、難燃剤。
  12. 前記衝撃改良スチレン系樹脂がABSまたはHIPSであり、前記(C)芳香族燐酸エステルがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)であり、前記(B)次亜燐酸アルミニウムと前記(C)芳香族燐酸エステルの重量比が(B):(C)=85:15〜65:35である、請求項11に記載の難燃剤。
  13. 前記衝撃改良スチレン系樹脂が高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)である請求項1、のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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