JPH06299060A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH06299060A
JPH06299060A JP10595093A JP10595093A JPH06299060A JP H06299060 A JPH06299060 A JP H06299060A JP 10595093 A JP10595093 A JP 10595093A JP 10595093 A JP10595093 A JP 10595093A JP H06299060 A JPH06299060 A JP H06299060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
resin composition
aromatic
monomer
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10595093A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3312665B2 (ja
Inventor
Koji Misumi
幸司 三隅
Keisuke Nishitsu
啓介 西津
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Tsutomu Yoshitomi
勉 吉富
Sumihisa Akaboshi
純久 赤星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Cycon Ltd
Original Assignee
Ube Cycon Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Cycon Ltd filed Critical Ube Cycon Ltd
Priority to JP10595093A priority Critical patent/JP3312665B2/ja
Publication of JPH06299060A publication Critical patent/JPH06299060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3312665B2 publication Critical patent/JP3312665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜9
7重量%と、(B)ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用い
られる共重合可能な他の単量体をグラフト重合してなる
ゴム含有グラフト共重合体3〜60重量%と、(C)芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応
じて用いられる共重合可能な他の単量体を共重合してな
る硬質共重合体0〜50重量%とからなる基礎樹脂組成
物に、該基礎樹脂組成物100重量部当り、(D)芳香
族系リン酸エステル1〜20重量部と、(E)芳香族ス
ルホン酸金属塩0.03〜0.1重量部と、(F)繊維
状補強材5〜50重量部とが配合されている繊維強化難
燃性樹脂組成物。 【効果】 本発明の繊維強化難燃性樹脂組成物は、耐衝
撃性、強度特性、流動性、熱安定性に優れているばかり
でなく、難燃性に非常に優れている。しかも、薄肉での
成形品においても、その特性を十分に発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的性質及び熱的性質
に優れた難燃性樹脂組成物に関し、より詳しくは耐熱
性、耐衝撃性、高剛性、寸法安定性などの要求されるシ
ャーシ材料、エンクロージャー材料等として使用するの
に適した繊維強化難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹
脂とを含む樹脂組成物は、強度特性、耐衝撃性、耐熱
性、寸法安定性等の物性が優れている為にOA機器のシ
ャーシ材料、エンクロージャー材料として広く用いられ
ている。しかし、そのような樹脂組成物は難燃性が不足
しているので、難燃性を向上させるために種々の試みが
なされている。例えば、特開昭64−22958号公報
には、難燃剤として有機ハロゲン化合物、難燃助剤とし
て三酸化アンチモンを添加して難燃性を付与する方法が
開示されている。しかし、このようなハロゲン化合物を
添加した樹脂組成物は、成形時の流動性が低かったり、
また熱分解してハロゲン化水素を発生し、金型を腐食さ
せたり、樹脂自身を劣化させたり、着色させたり、さら
に作業環境を悪化させたりするという問題もある。ハロ
ゲン化合物を含有する樹脂組成物は燃焼時に猛毒である
ダイオキシンを発生するために社会問題にもなってお
り、それでハロゲンを含有しない難燃剤の要求が高まっ
ている。ハロゲンを含有しない難燃剤としては、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機化合物系
の難燃剤がある。しかし、これらの化合物は、上記ハロ
ゲン含有難燃剤に比較して難燃化効果が著しく低いの
で、十分な難燃化効果を得るためには、上記無機系難燃
剤は多量に添加する必要がある。しかし多量に添加する
と樹脂本来の特性が損なわれるという欠点がある。
【0003】また、近年、機器のコストダウンや軽量化
の要請が高まっており、これらに答えるためにOA機器
のシャーシ材料、エンクロージャー材料の薄肉化指向が
強まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
品の肉厚が薄くても十分な耐衝撃性、強度特性を保持し
ており、耐熱性を有しており、しかも、ハロゲン化合物
を含有しないで優れた難燃性を有している樹脂組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明等は、上記の目的
を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリ
カーボネート樹脂とゴム含有グラフト共重合体と所望に
より含有していてもよい硬質共重合体とからなる基礎樹
脂組成物に、芳香族系リン酸エステルと芳香族スルホン
酸金属塩と繊維状補強剤とを添加することにより、ハロ
ゲン化合物を含まずに優れた難燃化効果が得られ、耐熱
性が得られ、しかもその繊維状補強材により、成形品の
薄肉化においても十分な耐衝撃性と強度特性を有するこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の繊維強化難燃性樹脂組
成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜97
重量%と、(B)ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル
単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用いら
れる共重合可能な他の単量体をグラフト重合してなるゴ
ム含有グラフト共重合体3〜60重量%と、(C)芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じ
て用いられる共重合可能な他の単量体を共重合してなる
硬質共重合体0〜50重量%とからなる基礎樹脂組成物
に、該基礎樹脂組成物100重量部当り、(D)芳香族
系リン酸エステル1〜20重量部と、(E)芳香族スル
ホン酸金属塩0.02〜0.5重量部と、(F)繊維状
補強材5〜50重量部とが配合されていることを特徴と
する。
【0007】本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹
脂(A)としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンなどの如
きビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカンと、ホスゲン
(ホスゲン法)あるいはジアリールカーボネートなどの
炭酸エステル(エステル交換法)とから得られるビス
(ヒドロキシアリール)アルカン系ポリカーボネート樹
脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもあるいは
2種以上を併用してもよい。
【0008】本発明で用いるゴム含有グラフト共重合体
(B)としては、具体的にはABS樹脂、AES樹脂、
AAS樹脂等を例示することができる。また、このゴム
含有グラフト共重合体中のゴム成分として、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)等の1種又は
2種以上を用いることができる。なお、EPDMに含有
されるジオレフィンとしては、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5
−シクロオクタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジ
エン、11−エチル−1,11−トリデカジエン、5−
メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−
2,5−ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデ
ン、リモネン等が挙げられる。
【0009】また、ゴム含有グラフト共重合体(B)の
製造に使用される芳香族ビニル単量体成分としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、o−,m−もしく
はp−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロス
チレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブ
ロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等、好
ましくはスチレン、α−メチルスチレンを挙げることが
でき、これらの1種又は2種以上を使用することができ
る。また、シアン化ビニル単量体成分としては、例えば
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等を挙げるこ
とができ、これらの1種又は2種以上を使用することが
できる。
【0010】本発明で用いるゴム含有グラフト共重合体
(B)の製造においては、上記の芳香族ビニル単量体成
分、シアン化ビニル単量体成分の他に、これらと共重合
可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用す
ることができる。そのような共重合可能な単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カル
ボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート等のα,β−不
飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタ
コン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニル
マレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化
合物類等を挙げることができ、これらの単量体の1種又
は2種以上を使用することができる。
【0011】ゴム含有グラフト共重合体(B)の製造方
法に関しては特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊
状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等通常公知の方法が用
いられる。この際のゴム質重合体成分、芳香族ビニル単
量体成分、シアン化ビニル単量体成分及び必要に応じて
用いられるその他の共重合可能な単量体成分の配合比に
は特に制限はなく、用途に応じて各成分が適宜に配合さ
れる。また別々に共重合した樹脂をブレンドすることに
よってゴム含有グラフト共重合体(B)を得ることも可
能である。
【0012】本発明で用いる硬質共重合体(C)は、芳
香族ビニル単量体成分、シアン化ビニル単量体成分及び
必要に応じて用いられるその他の共重合可能な単量体成
分を含む共重合体である。これらの成分の具体例として
は、ゴム含有グラフト共重合体(B)に関連して上記し
たものが挙げられ、これらの組成比は特に制限されず、
用途に応じて適宜に選択される。好ましい硬質共重合体
の例としては、SAN樹脂、スチレン−アクリロニトリ
ル−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体等が挙げら
れる。また、この硬質共重合体の製造方法に関しては特
に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸
濁重合、乳化重合等通常公知の方法が用いられる。
【0013】前記の芳香族ポリカーボネート樹脂
(A)、ゴム含有グラフト共重合体(B)及び硬質共重
合体(C)からなる基礎樹脂組成物は公知である。その
基礎樹脂組成物の組成比については、ゴム含有グラフト
共重合体(B)中のゴム含有量によっても影響される
が、その樹脂組成物の機械的性質、熱的性質及び流動
性、例えば強度特性、耐衝撃性、高剛性、寸法安定性、
耐熱性、流動性などを所望の範囲内に維持するために、
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)成分を基礎樹脂組成
物の40〜97重量%、好ましくは80〜95重量%の
量で使用し、グラフト共重合体(B)成分を基礎樹脂組
成物の3〜60重量%、好ましくは5〜20重量%の量
で使用し、硬質共重合体(C)成分を基礎樹脂組成物の
0〜50重量%、好ましくは0〜15重量%の量で使用
する。
【0014】本発明で用いる芳香族系リン酸エステル
(D)としては、一般式
【0015】
【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は同一もしくは相違なる基
であり、それぞれC1 〜C20炭化水素基であるが、R
1 、R2 及びR3 の少なくとも二つは置換された又は置
換されていないアリール基である。)で表される化合物
を挙げることができる。
【0016】上記の一般式において、炭化水素基の炭素
原子数は好ましくは2〜16、特に好ましくは6〜10
である。炭化水素基の例としてはアルキル基、シクロア
ルキル基、アラルキル基、置換されていないアリール
基、置換されたアリール基があり、置換されたアリール
基としてはアルカリール基、シクロアルカリール基、ア
リール置換アルカリール基及びアリール置換アリール基
がある。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ネオペンチル、
3,5,5−トリメチルヘキシル、3−メチルヘキシ
ル、2−エチルヘキシル及び2,5,5−トリメチルヘ
キシルがある。シクロアルキル基の例としてはシクロヘ
キシルがある。アラルキル基の例としてはベンジル及び
フェネチルがある。置換されていないアリール基の例と
してはフェニル及びナフチルがある。アルカリール基の
例としてはo−、p−及びm−トリル、2,6−及び
2,4−ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、o
−,p−及びm−イソプロピルフェニル、ノニルフェニ
ル、p−t−ブチルフェニル、2,4−ジイソプロピル
フェニル及びトリイソプロピルフェニルがある。シクロ
アルカリール基の例としてはo−シクロヘキシルフェニ
ルがある。アリール置換アルカリール基の例としてはP
−ベンジルフェニル及びP−フェネチルフェニルがあ
る。アリール置換アリール基の例としてはジフェニルが
ある。上記の一般式において、好ましい炭化水素基はフ
ェニル、o−,p−及びm−トリル、2,6−ジメチル
フェニル及び2,4−ジイソプロピルフェニルである。
【0017】好ましい芳香族系リン酸エステル(D)
は、前記一般式中の基R1 、R2 及びR3 がアリール基
又はアルカリール基である化合物である。
【0018】本発明で用いる芳香族系リン酸エステルの
具体例としては次の化合物がある:ビス(フェニル)メ
チルホスフェート、ビス(フェニル)エチルホスフェー
ト、ビス(フェニル)ブチルホスフェート、ビス(4−
メチルフェニル)2−エチルヘキシルホスフェート、ビ
ス(フェニル)2−エチルヘキシルホスフェート、ビス
(フェニル)オクチルホスフェート、ビス(フェニル)
イソデシルホスフェート、トリス(フェニル)ホスフェ
ート、トリス(2−メチルフェニル)ホスフェート、ト
リス(3−メチルフェニル)ホスフェート、トリス(4
−メチルフェニル)ホスフェート、トリス(2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフェート、トリス(イソプロピル
フェニル)ホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホ
スフェート、ビス(フェニル)2−メチルフェニルホス
フェート、ビス(フェニル)4−メチルフェニルホスフ
ェート、ビス(フェニル)イソプロピルフェニルホスフ
ェート、ビス(フェニル)イソプロピルフェニルホスフ
ェート、ビス(フェニル)2,6−ジメチルフェニルホ
スフェート、ビス(2−メチルフェニル)フェニルホス
フェート、ビス(4−メチルフェニル)フェニルホスフ
ェート、ビス(イソプロピルフェニル)フェニルホスフ
ェート、ビス(2,6−ジメチルフェニル)フェニルホ
スフェート、ビス(2,6−ジメチルフェニル)4−t
−ブチルフェニルホスフェート、ビス(2,6−ジメチ
ルフェニル)3−メチルフェニルホスフェート、ビス
(2,6−ジメチルフェニル)4−イソプロピルフェニ
ルホスフェート及びビス(2,6−ジメチルフェニル)
2−イソプロピルフェニルホスフェート。
【0019】好ましい芳香族系リン酸エステルの具体例
としては次の化合物がある:トリス(フェニル)ホスフ
ェート、トリス(メチルフェニル)ホスフェート、トリ
ス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、ビス
(フェニル)メチルホスフェート、ビス(メチルフェニ
ル)フェニルホスフェート、ビス(2,6−ジメチルフ
ェニル)フェニルホスフェート及びビス(2,6−ジメ
チルフェニル)メチルフェニルホスフェート。
【0020】特に好ましい芳香族系リン酸エステルはト
リス(フェニル)ホスフェート、トリス(メチルフェニ
ル)ホスフェート及びビス(フェニル)メチルフェニル
ホスフェートである。
【0021】本発明で用いる芳香族スルホン酸金属塩
(E)としては、好ましくはアルカリ金属塩又はアルカ
リ土類金属塩、特にナトリウム塩またはカリウム塩を用
いる。本発明で用いる芳香族スルホン酸金属塩の具体例
としては、3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウ
ム、p−ヨードベンゼンスルホン酸ナトリウム、4,
4’−ジブロモジフェニル−3−スルホン酸ナトリウ
ム、2,3,4,5,6,−ペンタクロロ−β−スチレ
ンスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジクロロフェニル
スルフィド−3−スルホン酸ナトリウム、テトラクロロ
ジフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム、4,
4’−ジクロロベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン
酸二ナトリウム、2,5−ジクロロチオフェン−3−ス
ルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホ
ン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸
カリウム、2,4,6−トリクロロ−5−スルホイソフ
タル酸ジメチルのナトリウム塩、2,4,5−トリクロ
ロベンゼンスルホン酸ジクロロフェニルのスルホン酸の
カリウム塩、4’−〔1,4,5,6,7,7’−ヘキ
サクロロビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプト−5−エン
−エンド−イル〕ベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げ
られる。3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスル
ホン−3−スルホン酸カリウムが特に好ましい。
【0022】本発明で用いる繊維状補強材(F)として
は特に制限はないが、その例としてはミドルファイバ
ー、カットファイバー、ガラスパウダー等と呼称され市
販されているガラス繊維、ピッチ系及びPAN系等のカ
ーボン繊維、アスベスト、針状メタケイ酸カルシウム、
繊維状マグネシウム・オキシサルフェート、石膏ウィス
カー、チタン酸カリウムウィスカー、金属繊維、加工鉱
物繊維等が挙げられ、ガラス繊維とカーボン繊維が特に
好ましく用いられる。これらの繊維は単独もしくは併用
して用いられ、またこの繊維に各種表面処理を施したも
のを用いることもできる。
【0023】ガラス繊維としては特に制限はないが、平
均繊維直径5〜15μm、平均繊維長さ2〜5mmのガ
ラス繊維が好ましく用いられる。カーボン繊維としても
特に制限はなく、PAN系及びピッチ系のいずれでもよ
いが、平均繊維直径6〜9μm、平均繊維長さ3〜8m
mのカーボン繊維が好ましく用いられる。
【0024】本発明の難燃性樹脂組成物においては、芳
香族系リン酸エステル(D)、芳香族スルホン酸金属塩
(E)及び繊維状補強材(F)は相乗作用により相乗効
果を発揮して優れた難燃化効果が得られ、しかもその繊
維状補強材により、成形品の薄肉化においても十分な耐
衝撃性と強度特性が得られ、また耐熱性が得られる。こ
のような相乗効果を達成し且つ前記基礎樹脂組成物の物
性を損なわないためには、前記の基礎樹脂組成物100
重量部当り、芳香族系リン酸エステル(D)成分を1〜
20重量部、好ましくは9〜15重量部の量で使用し、
芳香族スルホン酸金属塩(E)成分を0.02〜0.5
重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部の量で使用
し、繊維状補強材(F)を5〜50重量部、好ましくは
10〜50重量部の量で使用する。
【0025】本発明の難燃性樹脂組成物を製造するため
の方法には特に制限はなく、通常行われている方法及び
装置を使用して製造することができる。一般的に使用さ
れている方法としては溶融混合法があり、その装置の例
としては押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニー
ダー等を挙げることができる。この製造は回分式又は連
続式のいずれでもよい。各成分の混合順序には特に限定
はなく、全てが完全に混ぜ合わされればよい。なお、芳
香族スルホン酸金属塩(E)についてはバンバリーミキ
サー、押出機等による樹脂成分との混練時に添加しても
よいし、また樹脂成分に高濃度に分散させ、ペレット状
として、マスターバッチ化したものを使用してもかまわ
ない。
【0026】本発明の難燃性樹脂組成物には、上記の諸
成分の他に、その物性を損なわない限りにおいて、樹脂
組成物の製造時(混合時)、成形時に慣用の他の添加
剤、例えば顔料、染料、充填剤(カーボンブラック、シ
リカ、酸化チタン等)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候
剤、滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた芳
香族ポリカーボネート樹脂、ゴム含有グラフト共重合
体、硬質共重合体、芳香族系リン酸エステル、芳香族ス
ルホン酸金属塩及び繊維状補強材は下記の通りである: (A)芳香族ポリカーボネート樹脂:パンライトL−1
250(帝人化成(株)製) (B)ゴム含有グラフト共重合体:グラフト共重合体B
−1:乳化重合によるABS樹脂 ポリブタジエン 50重量% スチレン 35重量% アクリロニトリル 15重量% グラフト共重合体B−2:乳化重合によるAAS樹脂 アクリル酸エステルゴム 50重量% スチレン 35重量% アクリロニトリル 15重量% グラフト共重合体B−3:乳化重合によるAES樹脂 エチレン・プロピレン・ジエンゴム 50重量% スチレン 35重量% アクリロニトリル 15重量% (C)硬質共重合体:懸濁重合によるSAN樹脂 スチレン 74重量% アクリロニトリル 26重量% (D)芳香族系リン酸エステル:トリス(フェニル)フ
ォスフェート (E)芳香族スルホン酸金属塩:ジフェニルスルホン−
3−スルホン酸カリウム (F)繊維状補強材:ガラス繊維:03T−531(日
本電気ガラス(株)製) 平均繊維直径 13μm、平均繊維長さ 3mm カーボン繊維:ベスファイト HTA−C6−SR(東
邦レーヨン(株)製)、平均繊維直径 7μm、平均繊
維長さ 6mm
【0028】実施例1〜11及び比較例1〜5 各成分を表1(実施例)及び表2(比較例)に示す割合
(重量部)で配合し、ヘンシェルミキサーで混合し、押
出機で混練ペレット化した。その得られたペレットを2
80℃で射出成形して成形品を得た。得られた成形品に
ついて諸物性と難燃性の評価を行った。その評価試験は
次の通りであった: (1)アイゾット衝撃強度(Kg−cm/cm):AS
TM D 256に従って、厚み1/8インチ、ノッチ
付き及び厚み1/4インチ、ノッチなしで測定した。 (2)曲げ強度(Kg/cm2 )及び曲げ弾性率(Kg
/cm2 ):ASTM D 790に準拠。 (3)熱変形温度(℃):ASTM D 648−56
に準拠。 (4)難燃性:UL94規格の試験方法に従って、厚み
1/8、1/12、1/16インチで試験を実施した。
供試材料を5個の試料の試験結果に基づいてUL−94
V−0、V−1及びV−2のいずれかの等級に評価し
た。各Vの等級の基準の概略は次の通りである。
【0029】 それらの評価結果を表1及び表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1及び表2のデータから明らかなよう
に、本発明の難燃性樹脂組成物(実施例1〜11)で
は、衝撃強度、曲げ強度、曲げ弾性率、熱変形温度の諸
物性において良好な特性を示し、また1/8”、1/1
2”、1/16”の全ての厚みの試験片において優れた
難燃特性を示した。一方、本発明以外の樹脂組成物にお
いては難燃特性が悪く、また他の特性についても悪いも
のがあった。即ち、芳香族スルホン酸金属塩及び繊維状
補強材が配合されていない場合(比較例1)には、難燃
性だけでなく、曲げ強度、曲げ弾性率にも十分な特性が
得られなかった。繊維状補強材が配合されていない場合
(比較例2)には、難燃性だけでなく、曲げ強度、曲げ
弾性率にも十分な特性が得られなかった。芳香族スルホ
ン酸金属塩が配合されていない場合(比較例3)には、
薄肉成形(1/16”)において十分な難燃特性が得ら
れなかった。リン酸エステル化合物が本発明で規定して
いる量よりも多量に配合されている場合(比較例4)に
は、十分な難燃特性が得られなかっただけでなく、熱変
形温度も悪化した。芳香族スルホン酸金属塩が本発明で
規定している量よりも多量に配合されている場合(比較
例5)には、十分な難燃特性が得られなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の繊維強化難燃性樹脂組成物は、
耐衝撃性、強度特性、流動性、熱安定性に優れているば
かりでなく、難燃性に非常に優れている。しかも、薄肉
での成形品においても、その特性を十分に発揮するの
で、OA機器のシャーシ材料やエンクロージャー材料に
おけるコストダウンや軽量化の要請にも十分な対応が取
れることから、工業的に非常に有用である。また、難燃
剤として有機ハロゲン化合物を使用していないことか
ら、環境問題の観点からも非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/00 LKS 7308−4J 51/04 LKY 7308−4J 55/02 LMF 7308−4J (72)発明者 田中 博文 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525の14 番地 宇部サイコン株式会社宇部工場内 (72)発明者 吉富 勉 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525の14 番地 宇部サイコン株式会社宇部工場内 (72)発明者 赤星 純久 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525の14 番地 宇部サイコン株式会社宇部工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂40
    〜97重量%と、(B)ゴム質重合体の存在下に芳香族
    ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて
    用いられる共重合可能な他の単量体をグラフト重合して
    なるゴム含有グラフト共重合体3〜60重量%と、
    (C)芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び
    必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量体を共重
    合してなる硬質共重合体0〜50重量%とからなる基礎
    樹脂組成物に、該基礎樹脂組成物100重量部当り、
    (D)芳香族系リン酸エステル1〜20重量部と、
    (E)芳香族スルホン酸金属塩0.02〜0.5重量部
    と、(F)繊維状補強材5〜50重量部とが配合されて
    いることを特徴とする繊維強化難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂80
    〜95重量%と、(B)ゴム質重合体の存在下に芳香族
    ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて
    用いられる共重合可能な他の単量体をグラフト重合して
    なるゴム含有グラフト共重合体5〜20重量%と、
    (C)芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び
    必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量体を共重
    合してなる硬質共重合体0〜15重量%とからなる基礎
    樹脂組成物に、該基礎樹脂組成物100重量部当り、
    (D)芳香族系リン酸エステル9〜15重量部と、
    (E)芳香族スルホン酸金属塩0.03〜0.1重量部
    と、(F)繊維状補強材10〜50重量部とが配合され
    ていることを特徴とする繊維強化難燃性樹脂組成物。
JP10595093A 1993-04-09 1993-04-09 難燃性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3312665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10595093A JP3312665B2 (ja) 1993-04-09 1993-04-09 難燃性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10595093A JP3312665B2 (ja) 1993-04-09 1993-04-09 難燃性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06299060A true JPH06299060A (ja) 1994-10-25
JP3312665B2 JP3312665B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=14421119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10595093A Expired - Fee Related JP3312665B2 (ja) 1993-04-09 1993-04-09 難燃性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3312665B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0758003A3 (en) * 1995-08-07 1997-03-19 General Electric Company Reinforced polycarbonate compositions with improved surface appearance
US6093760A (en) * 1995-03-03 2000-07-25 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Flame retardant for styrene resin and resin composition comprising the same
EP0970997A3 (en) * 1998-07-10 2000-10-18 Cheil Industries Inc. Flame retardant polycarbonate/abs composition
JP2002265772A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Ube Cycon Ltd 摺動性樹脂組成物
WO2002050185A3 (en) * 2000-12-20 2003-03-13 Gen Electric Flame retardant polycarbonate resin/abs graft copolymer blends
US7851529B2 (en) 2002-08-26 2010-12-14 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Polycarbonate resin composition and molded article
JP2011246591A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Umg Abs Ltd 強化熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2012126841A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Umg Abs Ltd 強化熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2014043562A (ja) * 2012-07-31 2014-03-13 Techno Polymer Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び成形品
CN104119658A (zh) * 2014-06-06 2014-10-29 宁波浙铁大风化工有限公司 一种无卤阻燃pc组合物及其制备方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6093760A (en) * 1995-03-03 2000-07-25 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Flame retardant for styrene resin and resin composition comprising the same
EP0758003A3 (en) * 1995-08-07 1997-03-19 General Electric Company Reinforced polycarbonate compositions with improved surface appearance
EP0970997A3 (en) * 1998-07-10 2000-10-18 Cheil Industries Inc. Flame retardant polycarbonate/abs composition
WO2002050185A3 (en) * 2000-12-20 2003-03-13 Gen Electric Flame retardant polycarbonate resin/abs graft copolymer blends
JP2002265772A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Ube Cycon Ltd 摺動性樹脂組成物
US7851529B2 (en) 2002-08-26 2010-12-14 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Polycarbonate resin composition and molded article
JP2011246591A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Umg Abs Ltd 強化熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2012126841A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Umg Abs Ltd 強化熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2014043562A (ja) * 2012-07-31 2014-03-13 Techno Polymer Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び成形品
CN104119658A (zh) * 2014-06-06 2014-10-29 宁波浙铁大风化工有限公司 一种无卤阻燃pc组合物及其制备方法
CN104119658B (zh) * 2014-06-06 2016-01-13 宁波浙铁大风化工有限公司 一种无卤阻燃pc组合物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3312665B2 (ja) 2002-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1069156B1 (en) Flame retardant thermoplastic resin composition
JPH04227954A (ja) ポリカーボネート、abs及びターポリマーの難燃性ブレンド
JP3312665B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH11343382A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3307591B2 (ja) ポリカーボネート系樹脂組成物
JP4333857B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物およびその再生成形材料
JPH0776649A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH10101921A (ja) ポリカ−ボネ−ト系樹脂組成物
JP3613910B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH06299058A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP4333856B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3613911B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
KR101378865B1 (ko) 난연성 및 내충격성이 모두 우수한 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이의 성형품
JP2007217572A (ja) 熱安定性に優れた難燃性樹脂成形材料の製造方法
JP3887865B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP4100729B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2006335883A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2007045907A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形品
JPH06228422A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0848844A (ja) 離型性に優れた難燃性樹脂組成物
JP2001348473A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2756612B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06116459A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH05117514A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3575149B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees