JP2002003437A - 高純度安息香酸誘導体の製造方法 - Google Patents

高純度安息香酸誘導体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安息香酸クロライド類を用いて高純度の安息
香酸誘導体を工業的に有利に製造することができる高純
度安息香酸誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 安息香酸クロライド類を水不溶性の有機
溶剤中で加水分解し、安息香酸類を合成する安息香酸誘
導体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高純度安息香酸
誘導体の製造方法に係り、特に、安息香酸クロライド類
を加水分解して結晶性に優れた安息香酸類を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】安息香酸誘導体は、医薬や農薬等の製造
原料として極めて重要な化合物であり、例えばモノクロ
ロ安息香酸については、従来より多用されているオルソ
体及びパラ体のみならず、近年ではメタ体も利用されて
いる。
【0003】このような安息香酸誘導体の製造方法につ
いては多くの方法が知られており、例えば、ベンゾトリ
クロライド類を出発原料とする方法や、精製した安息香
酸クロライド類を出発原料とする方法等について、 以下
の方法が知られている。
【0004】すなわち、ベンゾトリクロライド類を出発
原料とする方法については、 例えば、 モノクロロベンゾ
トリクロライドを塩化第二鉄触媒の存在下に加水分解し
てモノクロロ安息香酸クロライドを合成し、 得られたモ
ノクロロ安息香酸クロライドを蒸留により生成した後、
過剰の熱水中で加水分解してモノクロロ安息香酸を製造
する方法である(米国特許第 1,878,463号明細書)。
【0005】しかしながら、この方法においては、モノ
クロロ安息香酸の熱水への溶解度が低いため、加水分解
反応と同時に生成したモノクロロ安息香酸の析出が起こ
り、このモノクロロ安息香酸の析出の際に未反応のモノ
クロロ安息香酸クロライドを取り込んでしまい、結果と
して得られたモノクロロ安息香酸の純度が不可避的に低
下する。しかも、析出したモノクロロ安息香酸は均一な
流動性のある状態に結晶化せずに塊状になり、その流動
性が悪くて取り扱いが難しいほか、99重量%を超える
高純度のモノクロロ安息香酸を得るためには分別再結晶
による精製が必須になり、それだけ収率が低下するとい
う問題がある。加えて、未反応のモノクロロ安息香酸ク
ロライドを取り込んだモノクロロ安息香酸の生成物は、
その保管中に、未反応のモノクロロ安息香酸クロライド
が空気中の水分と徐々に反応して塩酸を生成し、更に結
晶の取り扱い性が悪化するほか、金属容器を腐蝕する等
の問題がある。
【0006】また、モノクロロベンゾトリクロライドを
加水分解してモノクロロ安息香酸クロライドの蒸留精製
を行うことなくモノクロロ安息香酸を製造する方法とし
て、苛性ソーダや苛性カリ等のアルカリの存在下にモノ
クロロベンゾトリクロライドを過剰の熱水で加水分解す
る方法(ドイツ特許第 2,510,139号明細書)や、 モノク
ロロベンゾトリクロライドをテトラクロロエタン中に溶
解し、塩化第二鉄触媒と過剰の水の存在下に加水分解す
る方法(ドイツ特許 2,513,952号明細書)等が知られて
いる。
【0007】しかしながら、これらの方法においても、
モノクロロ安息香酸の熱水への溶解度が低いために上記
の方法と同様の問題が生じるほか、加水分解により発生
する塩化水素によりアルカリで中和されて多量のアルカ
リを必要とし、 工業的には経済的に不利であるという問
題があったり、 あるいは、 塩化第二鉄等のルイス酸触媒
由来の鉄等の金属がモノクロロ安息香酸の結晶中に不可
避的に残存するという問題がある。
【0008】また、精製した安息香酸クロライド類を出
発原料とする方法については、モノクロロ安息香酸クロ
ライド類を1〜2%のベンゼン、トルエン、テトラクロ
ロメタン等の有機溶剤を含む過剰の熱水中で無触媒で加
水分解する方法(チェコ特許第 209,032号明細書)が提
案されている。
【0009】この方法においては、加水分解反応の際に
ルイス酸触媒を使用しないため、製造されたモノクロロ
安息香酸の結晶中にルイス酸触媒由来の金属分が混入し
ないという利点があるが、過剰の熱水中で加水分解を行
うことによる問題はこの方法においても解決されていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、安息香酸クロライド類を用いて高純度の安息香酸誘
導体を工業的に有利に製造することができる方法につい
て鋭意検討した結果、安息香酸クロライド類を加水分解
する際に、安息香酸クロライド類を水不溶性の有機溶剤
中で加水分解し、得られた有機相から安息香酸類を晶析
することにより、ハンドリング性に優れて工業的に有利
に安息香酸誘導体を製造できることを見出し、本発明を
完成した。
【0011】従って、本発明の目的は、安息香酸クロラ
イド類を用いて高純度の安息香酸誘導体を工業的に有利
に製造することができる高純度安息香酸誘導体の製造方
法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【化3】 (但し、式中Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素
数1〜6のハロアルキル基、又はニトロ基を示し、Xは
ハロゲン原子を示し、lは0≦l≦5の整数であって、
mは0≦m≦5の整数であって、nは1≦n≦3の整数
であり、上記l、m及びnの合計が1≦l+m+n≦6
である)で表される安息香酸クロライド類を水不溶性の
有機溶剤中で加水分解し、下記一般式(2)
【0013】
【化4】 〔但し、式中のR、X、l、m、及びnは一般式(1)
の場合と同じである〕で表される安息香酸類を合成し、
有機相から安息香酸類の結晶を晶析せしめる安息香酸誘
導体の製造方法である。
【0014】本発明において、原料の一般式(1)で表
される安息香酸クロライド類は、どのような方法で製造
されたものでもよいが、好ましくは、下記一般式(3)
【化5】 〔但し、式中のR、X、l、m、及びnは一般式(1)
の場合と同じである〕で表されるベンゾトリクロライド
類を硫酸、リン酸等の鉱酸触媒の存在下に加水分解して
製造される。
【0015】本発明において、原料として用いる安息香
酸クロライド類は、側鎖にクロロカルボニル基を有する
ベンゼン誘導体であり、このクロロカルボニル基(-COC
l) に対してオルソ位、パラ位、又はメタ位に炭素数1
〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基、炭素数1〜
6、好ましくは1〜3のハロアルキル基、又はニトロ
基、更にはハロゲン原子を有する化合物である。
【0016】この安息香酸クロライド類としては、具体
的には、安息香酸クロライド、クロロ安息香酸クロライ
ド類、ジクロロ安息香酸クロライド類、トリクロロ安息
香酸クロライド類、テトラクロロ安息香酸クロライド
類、ペンタクロロ安息香酸クロライド、フタル酸クロラ
イド、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライ
ド、クロロフタル酸クロライド類、ジクロロフタル酸ク
ロライド類、トリクロロフタル酸クロライド類、テトラ
クロロフタル酸クロライド、クロロイソフタル酸クロラ
イド類、ジクロロイソフタル酸クロライド類、トリクロ
ロイソフタル酸クロライド類、テトラクロロイソフタル
酸クロライド、クロロテレフタル酸クロライド類、ジク
ロロテレフタル酸クロライド類、トリクロロテレフタル
酸クロライド類、テトラクロロテレフタル酸クロライ
ド、ニトロ安息香酸クロライド類、ジニトロ安息香酸ク
ロライド類、トリニトロ安息香酸クロライド類、テトラ
ニトロ安息香酸クロライド類、ペンタニトロ安息香酸ク
ロライド、ニトロフタル酸クロライド類、ジニトロフタ
ル酸クロライド類、トリニトロフタル酸クロライド類、
テトラニトロフタル酸クロライド、ニトロイソフタル酸
クロライド類、ジニトロイソフタル酸クロライド類、ト
リニトロイソフタル酸クロライド類、テトラニトロイソ
フタル酸クロライド、ニトロテレフタル酸クロライド
類、ジニトロテレフタル酸クロライド類、トリニトロテ
レフタル酸クロライド類、テトラニトロテレフタル酸ク
ロライド等を挙げることができるほか、クロロカルボニ
ル基以外に低級アルキル基、特に好ましくはメチル基を
有するトルイル酸クロライド類、メチル−ビス(クロロ
ホルミル)ベンゼン類、メチル−トリ(クロロホルミ
ル)ベンゼン類等や、クロロカルボニル基以外にハロア
ルキル基、特にクロロメチル基を有するクロロメチル安
息香酸クロライド類、クロロメチル−ビス(クロロホル
ミル)ベンゼン類、クロロメチル−トリ(クロロホルミ
ル)ベンゼン類等や、又はクロロカルボニル基以外に塩
素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、及びメチル基等の
低級アルキル基を2種以上有するクロロトルイル酸クロ
ライド類、ジクロロトルイル酸クロライド類、クロロ−
ニトロ安息香酸クロライド類等を挙げることができる。
【0017】本発明においては、上記安息香酸クロライ
ド類を水不溶性の有機溶剤中で、好ましくは水不溶性の
有機溶剤に溶解して加水分解を行う。この加水分解反応
においては、蒸留等の手段で精製された安息香酸クロラ
イド類にその全てのクロロカルボニル基(-COCl) をカル
ボキシル基(-COOH) まで加水分解するのに要する水の量
(反応当量の水)以上の水と有機溶剤とを添加して加水
分解してもよく、また、同様に精製された安息香酸クロ
ライド類に反応当量以上の水と有機溶剤とを加え、好ま
しくは硫酸、リン酸等の鉱酸触媒を添加して加水分解し
てもよく、更には、ベンゾトリクロライド類を硫酸、リ
ン酸等の鉱酸触媒の存在下に加水分解し、得られた反応
混合物から安息香酸クロライド類を分離することなく、
そのままこの反応混合物に反応当量以上の水と有機溶剤
とを加えて加水分解し、安息香酸類を合成してもよい。
【0018】そして、この加水分解反応で用いる水の量
については、反応系に少なくとも反応当量以上の水が存
在すればよいが、好ましくは加水分解反応後に用いた有
機溶剤の有機相から水相が分離し、この水相から有機相
を分離回収できる程度の量で存在するのがよく、通常、
原料の安息香酸クロライド類のクロロカルボニル基に対
して当量比で1〜40倍当量、好ましくは2〜20倍当
量である。水の使用量が1倍当量未満では、反応の進行
が遅く、また反応が完結しないため好ましくない。ま
た、40倍当量以上では、容積効率が低下して経済的で
ない。
【0019】また、ここで使用される有機溶剤として
は、水に対して不溶性であり、加水分解反応に不活性で
あって、安息香酸クロライド類及び安息香酸類が溶解す
る有機溶剤であればよく、具体的には、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、クロルベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化
芳香族炭化水素類や、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン等の多塩素化エタン類等の有機溶剤を例示することが
できる。これらの有機溶剤のうち工業的に用いる上で好
ましいのは芳香族炭化水素類であり、沸点や融点等の物
性面から特に好ましいのはオルソキシレンである。
【0020】この加水分解反応での有機溶剤の使用量
は、原料の安息香酸クロライド類に対して重量比で1〜
5倍量、好ましくは1〜3倍量であるのがよい。有機溶
剤の使用量が1倍量より少ないと、生成する安息香酸類
の結晶の晶析制御が難しくなり、また、5倍量より多く
なると、容積効率が低下して経済的でない。
【0021】また、この加水分解反応は、その反応温度
が通常80℃以上還流温度以下であり、好ましくは還流
温度、すなわち還流条件下で行われる。この反応温度が
80℃より低いと反応の進行が遅くて好ましくない。な
お、この加水分解反応において、その終点は、例えば、
反応系から反応混合物を連続的に、あるいは、定期的に
サンプリングし、ガスクロマトグラフィー分析で原料の
安息香酸クロライド類を測定し、この安息香酸クロライ
ド類の検出ピークが消失した時点を終点とする、等の方
法により求められる。
【0022】更に、本発明においては、加水分解反応終
了後、得られた有機相から安息香酸類の結晶を晶析せし
める。この加水分解反応で得られた反応混合物が有機相
と水相とに分離している場合には、デカンターや遠心分
離機等の一般的な液々分離装置を用い、例えば80〜1
00℃の加熱下に、そのまま液々分離して有機相を回収
すればよい。また、加水分解反応の反応混合物中に水相
が形成されていない場合には、必要により有機相を水洗
するのがよい。このように水相を分離除去し、あるい
は、有機相を水洗することにより、加水分解反応で鉱酸
触媒が使用された場合、この鉱酸触媒を効果的に除去す
ることができる。
【0023】この加水分解反応で生成した安息香酸類
は、その反応温度80℃以上では、有機相中に溶解した
状態で存在しており、飽和溶解度以下にまで冷却されて
結晶として析出する。
【0024】また、このようにして回収された有機相
は、通常5〜35℃程度まで冷却してから安息香酸類の
結晶を生成せしめ、この生成した結晶を重力式、加圧
式、真空式、遠心式等の一般的な固液分離装置を用いて
固液分離し、更に必要により、得られた結晶を水、アル
コール、芳香族炭化水素等の溶剤を用いて分別再結晶に
より精製する。更に、この晶析操作の固液分離で回収さ
れる濾液(有機溶剤)については、その一部又は全部を
第2加水分解工程で用いる水不溶性の有機溶剤として繰
り返し使用してもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて、本発明
の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0026】実施例1 〔メタクロロベンゾトリクロライドの加水分解〕還流コ
ンデンサー及び排ガス水洗浄装置を付設した500ml
反応フラスコ中に、ガスクロ百分率99.7%のメタク
ロロベンゾトリクロライド230.0g(1.00 mol)と6
0重量%硫酸2.0g(対メタクロロベンゾトリクロラ
イド0.5重量%)とを仕込み、反応温度130〜13
5℃で攪拌下に水17.2g(硫酸中水分との合計で1
8.0g(1.00 mol))を3.4g/時の速度で約5時間
かけて滴下し、滴下終了後0.5時間熟成させた。
【0027】得られた反応混合物の収量は176.0g
であり、その組成は、ガスクロ百分率で目的のメタクロ
ロ安息香酸クロライドが99.5%であり、メタクロロ
安息香酸が0.5%であった。また、排ガス水洗浄装置
において回収された塩化水素の量は72.9g(2.00mo
l)であった。
【0028】〔メタクロロ安息香酸クロライドの加水分
解〕上記第1加水分解工程で得られた反応混合物88.
0gを反応容器に仕込み、これにオルソキシレン(特級
試薬)230g(対メタクロロ安息香酸クロライド重量
比2.6倍量)と水36.0g(2.00 mol; 対メタクロ
ロ安息香酸クロライド4倍当量)とを加え、還流条件
(反応温度103〜105℃)で攪拌下に4時間加水分
解反応を行った。
【0029】〔晶析操作〕反応終了後、得られた反応混
合物341.5gを保温しながら液々分離し、有機相3
13.5gを得た。この有機相は、オルソキシレン中に
目的のメタクロロ安息香酸と中間原料のメタクロロ安息
香酸クロライドとが溶解した溶液であり、メタクロロ安
息香酸とメタクロロ安息香酸クロライドとの割合はガス
クロ百分率で前者が99.7%であり、後者が0.3%
であった。
【0030】このようにして得られた有機相313.5
gを、攪拌下に、83℃までは40℃/時の速度で冷却
し、この段階でメタクロロ安息香酸の結晶0.2gを種
子として添加し、その後更に10℃/時の速度で25℃
まで冷却し、メタクロロ安息香酸の結晶のスラリー溶液
を得た。
【0031】このスラリー溶液を遠心濾過装置により固
液分離し、オルソキシレン濾液218gを回収すると共
に、得られた結晶を常圧下60℃で3時間乾燥し、白色
のメタクロロ安息香酸の乾燥結晶71.5g(0.457 mo
l;対メタクロロベンゾトリクロライド収率91.6重
量%) を得た。得られたメタクロロ安息香酸はガスクロ
百分率で100%であった。
【0032】実施例2 上記実施例1において、メタクロロベンゾトリクロライ
ドの加水分解で得られた反応混合物88.0gを用い、
また、実施例1で得られたオルソキシレン濾液218g
にオルソキシレン(特級試薬)12gを補給して有機溶
剤とした以外は、上記実施例1と全く同様の操作を行
い、メタクロロ安息香酸クロライドの加水分解を行っ
た。
【0033】得られた反応混合物342.0gを保温し
ながら液々分離し、有機相314.0gを得た。この有
機相におけるメタクロロ安息香酸とメタクロロ安息香酸
クロライドとの割合はガスクロ百分率で前者が99.7
%であり、後者が0.3%であった。
【0034】このようにして得られた有機相314.0
gを、上記実施例1と全く同様に晶析処理して乾燥し、
メタクロロ安息香酸の乾燥結晶73.5g(0.469 mol;
対メタクロロベンゾトリクロライド収率93.8重量
%) を得た。得られたメタクロロ安息香酸はガスクロ百
分率で100%であった。
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、安息香酸クロライ
ド類を用いて高純度の安息香酸誘導体を工業的に有利に
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 63/307 C07C 63/307 63/70 63/70 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 比嘉 宗弘 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本軽 金属株式会社蒲原ケミカル工場内 (72)発明者 松岡 昌太郎 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 AC46 AD15 BA36 BB11 BC31 BC35 BD35 BD52 BE60 BJ50 BM10 BM30 4H039 CA65 CD20 CE20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素
    数1〜6のハロアルキル基、又はニトロ基を示し、Xは
    ハロゲン原子を示し、lは0≦l≦5の整数であって、
    mは0≦m≦5の整数であって、nは1≦n≦3の整数
    であり、上記l、m及びnの合計が1≦l+m+n≦6
    である)で表される安息香酸クロライド類を水不溶性の
    有機溶剤中で加水分解し、下記一般式(2) 【化2】 〔但し、式中のR、X、l、m、及びnは一般式(1)
    の場合と同じである〕で表される安息香酸類を合成し、
    有機相から安息香酸類の結晶を晶析せしめることを特徴
    とする高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 加水分解反応で用いる水の使用量が、安
    息香酸クロライド類の反応当量に対して2〜20倍当量
    の範囲である請求項2に記載の高純度安息香酸誘導体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 加水分解反応で用いる有機溶剤の使用量
    が、安息香酸クロライド類に対して重量比1〜5倍量の
    範囲である請求項1又は2に記載の高純度安息香酸誘導
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 鉱酸触媒の存在下に加水分解反応を行う
    請求項1〜3のいずれかに記載の高純度安息香酸誘導体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 鉱酸触媒が硫酸触媒である請求項4に記
    載の高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶剤が芳香族炭化水素類である請求
    項1〜5のいずれかに記載の高純度安息香酸誘導体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 芳香族炭化水素がオルソキシレンである
    請求項6に記載の高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 生成した安息香酸類を加水分解反応時に
    用いたと同じ有機溶剤で晶析して精製する請求項1〜8
    のいずれかに記載の高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 晶析操作の際に固液分離して回収される
    有機溶剤濾液の一部又は全部を加水分解反応での有機溶
    剤の一部又は全部として繰り返し使用する請求項8に記
    載の高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 安息香酸クロライド類がモノクロロ安
    息香酸クロライドである請求項1〜9のいずれかに記載
    の高純度安息香酸誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 モノクロロ安息香酸クロライドがメタ
    クロロ安息香酸クロライドである請求項10に記載の高
    純度安息香酸誘導体の製造方法。
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