JPH0827060A - 高純度オルソホルミル安息香酸の製造方法 - Google Patents

高純度オルソホルミル安息香酸の製造方法

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JPH0827060A
JPH0827060A JP17144894A JP17144894A JPH0827060A JP H0827060 A JPH0827060 A JP H0827060A JP 17144894 A JP17144894 A JP 17144894A JP 17144894 A JP17144894 A JP 17144894A JP H0827060 A JPH0827060 A JP H0827060A
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JP17144894A
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Yukihiro Sugiyama
幸宏 杉山
Nobuhiko Hamabe
順彦 浜辺
Hiroshi Aito
広 合戸
Yoshio Miyama
好夫 深山
Yasushi Ishihara
康 石原
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Nippon Light Metal Co Ltd
Toray Fine Chemicals Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
Toray Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度のオルソホルミル安息香酸を工業的に
有利に製造することができる高純度オルソホルミル安息
香酸の製造方法を提供する。 【構成】 粗製3−クロロフタリドを加水分解してオル
ソホルミル安息香酸を製造する方法において、加水分解
反応終了後の加水分解反応液を水蒸気蒸留に付してこの
加水分解反応液中の不純物を留去し、次いで水蒸気蒸留
釜残液を冷却し、析出したオルソホルミル安息香酸の結
晶を分離して回収する高純度オルソホルミル安息香酸の
製造方法である。 【効果】 精製の際にモノクロロベンゼン等の芳香族系
有機溶剤を使用することなく、白色で高純度のオルソホ
ルミル安息香酸を工業的に有利に製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粗製3−クロロフタ
リドを原料にして、医薬、農薬、高分子材料の中間体等
の用途に極めて有用なオルソホルミル安息香酸を工業上
有利に、かつ、高純度で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オルソホルミル安息香酸を製造する方法
については、例えば1−トリクロロメチル−2−ジクロ
ロメチルベンゾール(ペンタクロロオルソキシレン)を
加圧下に加水分解する方法(特開昭52−5728号や
特開昭63−303947号の各公報)や、3−クロロ
フタリドを無触媒下で加水分解する方法〔Chemiker-Zei
tung, 103. Jahrgang (1979) Nr.1 や、DE 2 805 990 A
1 〕が知られている。
【0003】しかしながら、前者の方法においては、加
圧下での加水分解であるために、反応装置として、副生
する塩化水素を除去するための装置を取り付けた特殊で
高価なオートクレーブを使用しなければならず、工業的
に実施するには難点がある。すなわち、一般に、オート
クレーブは鉄製やステンレス製の耐圧密閉構造となって
いる。しかし、この反応系では、反応の進行と共に発生
する塩化水素とこの反応系に添加した水分とによってオ
ートクレーブの腐食の問題が発生するほか、反応の進行
と共に発生した塩化水素により反応系が一定の圧力以上
に昇圧するのを防止するために圧力調整装置も必要にな
る等の問題がある。
【0004】また、後者の方法においては、その収率向
上のために、その工業的な生産方法として、水での加水
分解における母液をリサイクルすることが提案されてい
る(DE 2 805 990 A1 )が、このリサイクルの過程で母
液中に不純物が蓄積し、製造されるオルソホルミル安息
香酸の純度が低下するという問題がある。そして、この
ような不純物は、保存中に製品が黄色ないし茶色に着色
したり、これを原料とする医薬、農薬、高分子材料等に
着色を誘引する等の原因になっている。
【0005】ところで、ペンタクロロオルソキシレンを
原料にしてオルソホルミル安息香酸を製造する方法につ
いては、上記以外にベンゼンスルホン酸、金属塩化物、
金属酸化物等を触媒に加水分解する方法も提案されてい
る(米国特許第2,748,161号や第2,748,
162号の明細書)。
【0006】しかしながら、これらの方法においては、
その反応速度が遅く、しかも、収率が最大92%程度に
止まり、工業的に実施するには適していないほか、高価
な触媒を使用すること、亜鉛等の金属を含む排水が発生
してその処理が必要になること等の問題がある。
【0007】ところで、常圧でペンタクロロオルソキシ
レンを1工程で目的物のオルソホルミル安息香酸にまで
加水分解しようとすると、目的物であるオルソホルミル
安息香酸とほぼ同量のジフタリジルエーテルが副生し、
収率が著しく低下する。また、原料の3−クロロフタリ
ドやペンタクロロオルソキシレンを加水分解して得られ
た加水分解反応液から目的物のオルソホルミル安息香酸
の回収をトルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の
芳香族系有機溶媒を使用する溶媒抽出精製法で行うと、
このような芳香族系有機溶媒を含む廃液処理の問題が別
に発生し、経済的でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、オートクレーブのような特殊な装置を必要とするこ
となく、また、ジフタリジルエーテル等の副生物が生成
して収率が低下するようなこともなく、更に、保存中や
加工段階での着色の問題もなく、しかも、高純度のオル
ソホルミル安息香酸を製造することができる方法につい
て鋭意研究を重ねた結果、粗製3−クロロフタリドを加
水分解して得られた加水分解反応液を水蒸気蒸留で精製
し、次いで晶析させることにより、医薬、農薬あるいは
高分子材料等の純度の高い原料を必要とする分野で使用
可能な高純度のオルソホルミル安息香酸を工業的に有利
に製造することができることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】従って、本発明の目的は、特殊な装置の使
用、収率の低下、更には、保存中や加工段階での着色と
いった問題がなく、しかも、高純度のオルソホルミル安
息香酸を工業的に有利に製造することができる高純度オ
ルソホルミル安息香酸の製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、モノクロロベンゼン等
の芳香族系有機溶剤を使用することなく、また、亜鉛等
の金属を含む排水も発生せず、医薬等の原料としても使
用することができる高純度オルソホルミル安息香酸の製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、粗
製3−クロロフタリドを加水分解してオルソホルミル安
息香酸を製造する方法において、加水分解反応終了後の
加水分解反応液を水蒸気蒸留に付してこの加水分解反応
液中の不純物を留去し、次いで水蒸気蒸留釜残液を冷却
し、析出したオルソホルミル安息香酸の結晶を分離して
回収する高純度オルソホルミル安息香酸の製造方法であ
る。
【0011】本発明において、原料として用いる粗製3
−クロロフタリドは、それが純度90重量%以上、好ま
しくは蒸留品であって著しい着色がなく、純度93重量
%以上であるものがよい。また、もし著しい着色がある
場合には、好ましくは活性炭処理や蒸留等の脱色処理を
行うのがよい。
【0012】このような原料の粗製3−クロロフタリド
は、その純度が90重量%以上、好ましくは93重量%
以上であればよいので、1−トリクロロメチル−2−ジ
クロロメチルベンゾール(ペンタクロロオルソキシレ
ン)の種々の方法による加水分解や、α,α−ジクロロ
オルトトルイル酸の加水分解等の従来公知の方法で容易
にかつ安価に製造することができる。このような3−ク
ロロフタリドを安価に製造する方法として、例えば、ペ
ンタクロロオルソキシレンをルイス酸触媒の存在下に加
水分解する方法(特開昭52−122360号公報)
や、ペンタクロロオルソキシレンを芳香族カルボン酸の
存在下に加水分解する方法(特開昭47−27940号
公報)等が挙げられる。
【0013】そして、このような3−クロロフタリドの
製造法については、反応温度を低下させるという観点か
ら、触媒としてベンゼンスルホン酸や、硫酸や、鉄、亜
鉛、アンチモン、スズ、アルミニウム等の金属の塩化物
や、鉄、亜鉛、アンチモン、アルミニウム等の金属の酸
化物等のルイス酸触媒の存在下に、ペンタクロロオルソ
キシレンを加水分解する方法が好ましい。
【0014】このような粗製3−クロロフタリドを加水
分解する方法についても、特に限定されるものではない
が、水の使用量、触媒の使用、反応条件、反応方法等に
ついては、以下の通りである。
【0015】先ず、この加水分解反応の際の水は、工業
用水や水道水をカートリッジフィルター等により異物除
去したもので十分であり、また、その使用量について
は、3−クロロフタリドに対して2〜30倍モル当量、
好ましくは5〜20倍モル当量である。この水の使用量
が、3−クロロフタリドに対して2倍モル当量より少な
いと、ジフタリジルエーテルが副生し、また、30倍モ
ル当量より多いと、目的物であるオルソホルミル安息香
酸の収率が悪くなる。
【0016】また、触媒の使用については、例えばFe
Cl3 やZnCl2 等のルイス酸触媒等を使用してもよ
く、また、特にこのような触媒を使用しなくてもよい。
触媒を使用することにより、低温でも反応が進行すると
いう利点が生じるが、使用された触媒は最終反応残液中
に含まれて回収することができず、使い捨てにせざるを
えなく、また、触媒が目的物に同伴されるのを防止する
ために、濾過時の洗浄水の使用量を増すか、あるいは、
再結晶操作等を行うのが好ましい。本発明においては、
好ましくは触媒を使用しないか、あるいは、使用する場
合にはZnCl2 等の無色のルイス酸触媒がよく、ま
た、その使用量については、3−クロロフタリドに対し
て0.01〜5重量%程度がよい。
【0017】更に、反応条件については、反応温度が4
0〜200℃、好ましくは80〜130℃で反応時間が
0.1〜20時間、好ましくは0.5〜5時間の条件で
あって、未反応3−クロロフタリドが0.3重量%以下
になるまで加水分解反応を行うのがよい。反応温度が4
0℃より低いと、触媒なしでは反応速度が遅くなって生
産性が低下し、また、200℃より高いと反応が激しく
なって操作が困難になる。触媒を使用せずに操作性よく
反応を進めるうえで80〜130℃であるのがよい。ま
た、反応時間については、0.1時間より少ないと反応
が十分に完結せず、反対に、20時間を越えると生産性
が低下する。
【0018】更に、反応方法については、反応時間を
0.1時間以上とることができれば、それがバッチ式で
あっても、また、連続式であってもよく、そして、反応
系については、反応容器内の水の中に3−クロロフタリ
ドを滴下するか、若しくは、3−クロロフタリドと水と
を同時に反応容器内に仕込むのがよく、前者の方法がよ
り好ましい。反応容器内の3−クロロフタリドの中に水
を滴下すると、ジフタリジルエーテルが大量に副生し、
好ましくない。
【0019】本発明方法においては、上記3−クロロフ
タリドの加水分解反応の終了後、加水分解反応液を水蒸
気蒸溜に付してこの加水分解反応液中の不純物、特に高
次塩素化キシレン等の脂溶性不純物を留去する。この水
蒸気蒸溜に際しては、加水分解反応液をそのままこの水
蒸気蒸溜に付してもよいが、加水分解反応液中のオルソ
ホルミル安息香酸濃度があまり高くなると、例えば80
0g/リットルを越える濃度になると、効率的に不純物
を除去するのが難しくなるほか、水蒸気蒸溜の際の操作
温度が高くなってジフタリジルエーテルの副生反応等が
発生してオルソホルミル安息香酸の着色の原因になるの
で、水蒸気蒸溜操作時の加水分解反応液中のオルソホル
ミル安息香酸濃度が800g/リットル以下、好ましく
は50〜700g/リットルの範囲になるように、水蒸
気蒸溜の操作前に若しくは操作中に水を加水分解反応液
の10倍量までの範囲で添加するのがよい。
【0020】そして、この加水分解反応液の水蒸気蒸溜
の操作は、熱媒やスチームによる間接加熱やスチームを
直接吹き込んで、操作温度100〜150℃、好ましく
は110〜130℃で行う。そして、この水蒸気蒸溜の
終点は、その流出液中に脂溶性不純物が流出しなくなる
まで行うことが望ましいが、生産性を考慮して、加水分
解反応液の脂溶性不純物が次の晶析の際に除去できる範
囲、すなわち晶析の際の母液中に溶解できる範囲の量
(約0.5重量%)以下に到達した時点で停止してもよ
い。
【0021】なお、この加水分解反応液の水蒸気蒸溜に
際して、もしその加水分解反応液に着色がみられる場合
には、得られるオルソホルミル安息香酸の着色を可及的
に防止するため、この水蒸気蒸溜に先駆けて活性炭処理
を行うのがよい。この活性炭処理における活性炭の添加
量は着色の程度によって加減するのがよく、着色除去効
率とコストを考慮して、通常0.01〜10重量%、好
ましくは0.02〜1重量%程度であり、また、その処
理温度は結晶の析出と吸着効果を考慮して60〜120
℃、好ましくは70〜100℃であり、更に、処理時間
は通常0.1〜20時間、好ましくは1〜5時間であ
る。
【0022】本発明においては、この水蒸気蒸溜の終了
後、その水蒸気蒸留釜残液を冷却し、析出したオルソホ
ルミル安息香酸の結晶を分離して目的物のオルソホルミ
ル安息香酸を回収する。
【0023】このオルソホルミル安息香酸の晶析操作
は、水蒸気蒸留釜残液が70℃程度まで、好ましくは6
0℃程度まで冷却した時点で種子として高純度のオルソ
ホルミル安息香酸の結晶をオルソホルミル安息香酸に対
して0.001〜10重量%の範囲で添加し、その後4
0℃以下まで、好ましくは20〜30℃程度まで自然冷
却させることにより行う。ここで種子として添加する高
純度オルソホルミル安息香酸の結晶は、そのままでもよ
いが、粉砕して添加してもよく、また、晶析終了温度に
ついては40℃以上ではオルソホルミル安息香酸が母液
中に残って収率低下の原因になり、また、20℃より低
くしてもオルソホルミル安息香酸の溶解度があまり低下
しないので収率は向上しない。
【0024】この晶析操作が終了した後、析出したオル
ソホルミル安息香酸の結晶を固液分離して回収する。こ
の固液分離の方法としては、例えば、遠心分離、自然濾
過、加圧濾過、減圧濾過等の任意の方法を採用すること
ができ、好ましくはこの固液分離の際に水等の洗浄液で
オルソホルミル安息香酸の結晶を洗浄する。
【0025】このような本発明方法で得られたオルソホ
ルミル安息香酸の結晶は、特に高次塩素化キシレン、ジ
フタリジルエーテル等の脂溶性不純物が通常0.5重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下、場合によっては
200ppm以下にまで減少しており、着色がほとんど
認められず、しかも、90重量%を越える収率で回収さ
れる。
【0026】
【作用】本発明方法では、3−クロロフタリドの加水分
解反応液に対し水蒸気蒸溜を行ってこの加水分解反応液
中の高次塩素化キシレン、ジフタリジルエーテル等の脂
溶性不純物を予め可及的に除去してから晶析してオルソ
ホルミル安息香酸の結晶を回収するので、これら脂溶性
不純物を効率よく分離除去することができ、しかも、こ
の水蒸気蒸溜でのオルソホルミル安息香酸の損失がほと
んどなく、高純度のオルソホルミル安息香酸を効率良く
得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明する。
【0028】実施例 〔3−クロロフタリドの製造〕還流冷却管と攪拌機とを
備えたガラス製300ml丸底フラスコ中にオルソキシ
レンを光照射下に塩素化して得られたペンタクロロオル
ソキシレン280gと塩化鉄0.3gとを仕込み、14
0℃まで加熱し、攪拌下に反応温度140℃で水36g
を2時間かけて徐々に加えた。その後、140℃で2時
間熟成し、黒色の反応液を得た。
【0029】反応終了後、得られた黒色の反応混合物に
トリエチルアミン0.5gを加え、温度150℃の条件
で減圧蒸溜(10mmHg)し、微黄色で融点56℃の
3−クロロフタリド160g(収率95重量%)を得
た。得られた3−クロロフタリドは、ガスクロマトグラ
フィー分析の結果、純度95重量%であって3重量%の
脂溶性不純物(ペンタクロロオルソキシレンや3−クロ
ロフタリド等の芳香核塩素化物等)を含んでいた。
【0030】次に、還流冷却管と攪拌機とを備えたガラ
ス製300ml丸底フラスコ中に水100g(対3−ク
ロロフタリド約25倍モル量)を仕込み、80℃に加温
し、これに予め加熱溶融した3−クロロフタリド40g
を徐々に加え、添加終了後、90〜100℃で2時間攪
拌し、加水分解反応を行った。
【0031】この加水分解反応終了後、還流冷却管を水
蒸気蒸溜用のリービッヒ冷却管に交換し、攪拌しながら
加熱し、100〜110℃で流出液が50mlとなるま
で水蒸気蒸溜を行った。この際の釜残液中のオルソホル
ミル安息香酸濃度は約600g/リットルであり、流出
液が50mlとなるまでの時間は1時間であった。ま
た、この水蒸気蒸留の釜残液は80mlであった。
【0032】この水蒸気蒸溜の終了後、フラスコ中に残
された水蒸気蒸留釜残液をそのまま冷却し、2時間経過
して60℃になった時点で種子としてオルソホルミル安
息香酸の結晶〔東京化成(株)製、純度99.0重量
%〕0.1gを添加し、更に引き続いて12時間かけて
徐々に20℃まで冷却した。
【0033】このようにして析出した結晶は、小型の遠
心濾過機〔三陽理化学機器(株)製SKY−3800−
15A〕で濾過し、付着液を充分に振り切った後、純水
で母液を置換して洗浄し、白色結晶のオルソホルミル安
息香酸33g(収率97重量%)を得た。得られたオル
ソホルミル安息香酸を液クロマトグラフィー及びガスク
ロマトグラフィーで測定した結果、その純度は99.5
重量%以上であって、脂溶性不純物の含有量は0.3重
量%であった。
【0034】比較例1 実施例1で得られた3−クロロフタリドを使用し、実施
例1と全く同様にして加水分解反応を行った。反応終了
後、加水分解反応液中にモノクロロベンゼン30gを添
加し、70℃で2時間攪拌した後、更に70℃で2時間
放置し、70℃で保持した状態で液液分離し、得られた
水層を実施例1と同様にして晶析し、白色結晶のオルソ
ホルミル安息香酸28.9g(収率85重量%)を得
た。得られたオルソホルミル安息香酸の純度は99.4
重量%であって、脂溶性不純物の含有量は0.6重量%
であった。
【0035】比較例2 実施例1で得られた3−クロロフタリドを使用し、実施
例1と全く同様にして加水分解反応を行った。反応終了
後、水蒸気蒸溜を行うことなく、上記実施例1と同様に
して晶析し、白色結晶のオルソホルミル安息香酸33g
(収率97重量%)を得た。得られたオルソホルミル安
息香酸の純度は97.5重量%であって、脂溶性不純物
の含有量は2重量%であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、精製の際にトルエン、
キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族系有機溶剤を
使用することなく、白色で高純度のオルソホルミル安息
香酸を工業的に有利に製造することができる。また、原
料としてペンタクロロオルソキシレンの加水分解によっ
て得られた3−クロロフタリドを使用することができ、
これによって製造コストを大幅に低減することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 合戸 広 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地、日本軽 金属株式会社蒲原製造所内 (72)発明者 深山 好夫 滋賀県守山市勝部町273、東レ・ファイン ケミカル株式会社内 (72)発明者 石原 康 愛知県東海市新室町31、東レ・ファインケ ミカル株式会社東海工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製3−クロロフタリドを加水分解して
    オルソホルミル安息香酸を製造する方法において、加水
    分解反応終了後の加水分解反応液を水蒸気蒸留に付して
    この加水分解反応液中の不純物を留去し、次いで水蒸気
    蒸留釜残液を冷却し、析出したオルソホルミル安息香酸
    の結晶を分離して回収することを特徴とする高純度オル
    ソホルミル安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗製3−クロロフタリドを、その2〜3
    0倍モル当量の水を使用して40〜200℃の反応温度
    で加水分解させる請求項1記載の高純度オルソホルミル
    安息香酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 加水分解反応液の水蒸気蒸留を、100
    〜150℃の温度で行う請求項1又は2記載の高純度オ
    ルソホルミル安息香酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 粗製3−クロロフタリドが、1−トリク
    ロロメチル−2−ジクロロメチルベンゾールをベンゼン
    スルホン酸、硫酸、金属塩化物又は金属酸化物等のルイ
    ス酸触媒の存在下に加水分解して得られたものである請
    求項1〜3のいずれかに記載の高純度オルソホルミル安
    息香酸の製造方法。
JP17144894A 1994-07-22 1994-07-22 高純度オルソホルミル安息香酸の製造方法 Pending JPH0827060A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104447304A (zh) * 2014-11-26 2015-03-25 太仓运通生物化工有限公司 一种邻羧基苯甲醛的制备方法

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CN104447304A (zh) * 2014-11-26 2015-03-25 太仓运通生物化工有限公司 一种邻羧基苯甲醛的制备方法

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